JP2003090210A - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

エンジンの排気浄化装置

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JP2003090210A JP2001282488A JP2001282488A JP2003090210A JP 2003090210 A JP2003090210 A JP 2003090210A JP 2001282488 A JP2001282488 A JP 2001282488A JP 2001282488 A JP2001282488 A JP 2001282488A JP 2003090210 A JP2003090210 A JP 2003090210A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】DPF9を効率良く再生する。 【解決手段】DPF9の上流側の排気通路に、HC吸着
材に触媒金属を担持させてなるHC吸着触媒8を設け、
DPF9の再生が必要になったときに、触媒金属が不活
性状態ないしは低活性状態にあること、並びにHC吸着
材のHC量が所定値以上であると判定されていることを
条件として、上記触媒金属の活性が高くなるように上記
HC吸着触媒8の温度を上昇させ、HC吸着材に吸着さ
れているHCの酸化反応熱を利用してDPF9を加熱す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの排気浄
化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンにおいて、その排気
通路に排気ガス中のパティキュレートを捕集するDPF
(ディーゼルパティキュレートフィルタ)を設けること
は知られている。また、このDPFの再生のために、D
PFよりも上流側の排気通路に酸化触媒を設け、この酸
化触媒によって排気ガス中のNOを酸化させて排気ガス
中のNO2 量を増やし、DPFに捕集されているパティ
キュレートをNO2 によって燃焼させるという提案もあ
る。
【0003】また、特開平11−336530号公報に
は、酸化触媒によるNO→NO2 の酸化は150℃付近
から始まること、パティキュレートとNO2 との反応は
250℃から300℃以上の温度にならないと連続的に
進まないこと、そこで、圧縮行程上死点付近で燃料を噴
射する主噴射後に燃料を噴射する後噴射によって排気ガ
ス温度を高め、それによってDPFの温度を上昇させる
こと、DPFの温度が600℃以上になると、その後噴
射を停止すること、上記酸化触媒として、ゼオライトに
CuやPtを担持させたNOx触媒を用いることが記載
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の如くNO2 でパ
ティキュレートを燃焼除去するのであれば、DPF温度
を250℃から300℃程度まで上昇させればよいが、
パティキュレートを着火燃焼させるにはDPFを500
℃以上に昇温させる必要がある。しかし、自動車のディ
ーゼルエンジンの場合、40km/h前後の市街地走行
では排気ガス温度が低いので、パティキュレートを着火
燃焼させるには別に電気ヒータ等の加熱手段を設ける必
要があり、多量のエネルギーが必要になる。また、上述
の後噴射によって排気ガス温度を500℃程度まで上昇
させることは難しく、また、後噴射量を多くする必要が
あって燃費の面で不利になる。
【0005】一方、温度を一時的に高めて再生を図ると
いう要求は、上記DPFに限らず、ガソリンエンジンや
ディーゼルエンジンに採用されているNOx吸収触媒に
もある。すなわち、NOx吸収触媒は、排気ガスの酸素
濃度が高いときに排気ガスのNOxをBa等のNOx吸
収材に吸収させ、当該酸素濃度が低下したときに放出さ
れるNOxをPt等の貴金属で還元浄化するが、NOx
吸収材が排気ガス中のS(硫黄)で被毒する、という問
題がある。このNOx吸収材に吸着したSは加熱によっ
て脱離するが、それにはNOx吸収触媒を500℃以上
に、さらには600℃以上に加熱する必要があり、多大
な熱エネルギーが必要になる。
【0006】そこで、本発明は、上述の如きDPFやN
Ox吸収触媒のような排気ガス浄化手段の再生を効率良
く行なうことができるようにすることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題の解
決のために、上記加熱再生を必要とする排気ガス浄化手
段よりも上流側の排気通路にHC(炭化水素)を吸着す
るHC吸着材を配置し、このHC吸着材にHCを蓄積
し、これを一気に放出させて触媒金属で酸化浄化し、そ
の際の反応熱を利用して上記排気ガス浄化手段の再生を
図るようにした。
【0008】すなわち、請求項1に係る発明は、エンジ
ンの排気通路に設けられ、第1温度以上になると再生す
る排気ガス浄化手段と、上記排気ガス浄化手段よりも上
流側の上記排気通路に設けられ、上記第1温度よりも低
い第2温度以下の温度で排気ガス中のHCを吸着し第2
温度を越えると吸着したHCを放出するHC吸着材と、
このHC吸着材から放出されるHCを酸化浄化するため
の触媒金属とを備えたHC吸着触媒と、上記HC吸着材
に吸着されたHC量が所定値以上か否かを判定するHC
量判定手段と、上記触媒金属が不活性状態にあること、
又は活性の度合が低い所定の低活性状態にあること、並
びに上記HC量判定手段によってHC量が所定値以上で
あると判定されていることを必要条件として、上記触媒
金属の活性が高くなるように上記HC吸着触媒の温度を
上昇させる昇温手段とを備えていることを特徴とするエ
ンジンの排気浄化装置である。
【0009】この発明の場合、排気ガス温度が低いとき
にHC吸着材によって排気ガス中のHCが吸着されてい
く。触媒金属が不活性状態ないしは低活性状態にあり且
つHC吸着材に吸着されたHC量が所定値以上であると
いう2つの条件が揃うと、昇温手段の作動が可能にな
る。この昇温手段が働くと、HC吸着触媒の温度が上昇
して触媒金属の活性が高くなり、HC吸着材から多量の
HCが放出されて酸化浄化されるため、そのときの反応
熱で排気ガス温度が高くなる。よって、HC吸着触媒の
下流側に存する排気ガス浄化手段の温度が高まり、その
再生を図ることができる。
【0010】上記昇温手段は、上記2つの条件が揃った
ことを契機として働かせてもよいが、排気ガス浄化手段
の再生の要否を判定する手段を設け、再生要が判定され
るという条件も揃ったときに昇温手段を働かせるように
してもよい。
【0011】再生の要否を問わずに上記2つの条件のみ
で昇温手段を働かせるようにした場合は、排気ガス浄化
手段の再生頻度が多くなるため、その浄化性能を比較的
高い状態に維持する上で有利になる。一方、この2つの
条件に上記再生要の判定を加えた場合は、昇温手段が働
く回数を少なくすることができるから、エネルギー効率
の面で有利になるとともに、排気ガス浄化手段の加熱回
数が少なくなり、その熱劣化防止に有利になる。
【0012】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
エンジンの排気浄化装置において、上記HC吸着材とし
てβ型ゼオライトを含むことを特徴とする。
【0013】β型ゼオライトは、他のゼオライト、例え
ばMFIに比べて細孔径が大きい。従って、排気ガス中
のHCの吸着性能に優れ、HCの酸化浄化時の反応熱で
排気ガス浄化手段を再生する上で有利になる。ディーゼ
ルエンジンの排気ガスは大型のHCが多く含まれること
から、特にディーゼルエンジンの排気ガス浄化手段の再
生に有利になる。
【0014】請求項3に係る発明、請求項1又は請求項
2に記載のエンジンの排気浄化装置において、上記HC
量判定手段は、上記HC吸着材下流側の排気通路に配設
され排気ガスのHC濃度関連値を測定するセンサを備
え、このセンサの出力に基づいて上記HC吸着材に吸着
されたHC量が所定値以上になったか否かを判定するこ
とを特徴とする。
【0015】すなわち、HC吸着材のHC量が多くなる
と、それだけこのHC吸着材の吸着能が低くなってくる
ため、該HC吸着材下流側の排気通路を流れる排気ガス
のHC濃度が高くなってくる。そこで、本発明は、この
HC濃度関連値(HC濃度、又はHC濃度を知ることが
できる排気ガス中の他の成分濃度)を測定し、それに基
づいてHC吸着材のHC量が所定値以上になったか否か
を判定するようにしたものである。そうして、このHC
量関連値はHC吸着材のHC量を直接反映したものであ
るから、判定の信頼性が高いものになる。
【0016】また、HC吸着材におけるHCの吸着が飽
和した状態になると、このHC吸着材では排気ガス中の
HCが殆ど吸着されないから、該HC吸着材下流側のH
C濃度はそのときのエンジンから排出される排気ガスの
HC濃度に略等しくなる。従って、上記「HC量が所定
値以上になった」状態を「HCの吸着が飽和した」状態
とするときは、HC吸着材下流側の排気ガスのHC濃度
がそのときのエンジン運転状態から推測される排気ガス
のHC濃度になったときに、「HC量が所定値以上にな
った」と判定することができる。
【0017】請求項4に係る発明は、請求項1又は請求
項2に記載のエンジンの排気浄化装置において、上記H
C量判定手段は、エンジンの運転状態の推移に基づいて
上記HC吸着材に吸着されたHC量が所定値以上になっ
たか否かを判定することを特徴とする。
【0018】すなわち、排気ガスのHC濃度はエンジン
の運転状態から推測することができ、また、HC吸着材
がHCを吸着している状態か、HCを放出している状態
か、現時点までにどの程度の期間HCを吸着し続けてい
るかはエンジン運転状態の推移によってわかる。そこ
で、本発明は、エンジンの運転状態の推移に基づいて上
記HC吸着材に吸着されたHC量が所定値以上になった
か否かを判定するようにしたものである。従って、HC
濃度関連値を測定するセンサ類は不要になる。
【0019】請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求
項4のいずれか一に記載のエンジンの排気浄化装置にお
いて、燃料をエンジンの気筒内に直接噴射する燃料噴射
弁と、エンジンの運転状態に応じて圧縮行程上死点付近
で燃料を噴射するように上記燃料噴射弁の作動を制御す
る噴射制御手段とを備え、上記昇温手段は、上記圧縮行
程上死点付近での燃料噴射時期をリタードさせることに
よって排気ガス温度を高め、それによって上記HC吸着
触媒の温度を上昇させることを特徴とする。
【0020】すなわち、圧縮行程上死点付近での燃料噴
射時期をリタードさせると、それだけ燃料の燃焼によっ
てエンジンに供給される熱量のうち仕事に使用される熱
量の割合が少なくなって放出熱量が多くなり、排気ガス
の温度が上昇してHC吸着触媒の温度を上昇させること
ができる。
【0021】請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求
項5のいずれか一に記載のエンジンの排気浄化装置にお
いて、上記排気ガス浄化手段は、ディーゼルエンジンの
排気ガス中のパティキュレートを捕集するフィルタ(以
下、DPFという。)であることを特徴とする。
【0022】すなわち、DPFのパティキュレート捕集
量が多くなると、それだけエンジンの背圧が高まり、エ
ンジンの動力性能が低下する。従って、DPFにパティ
キュレートがある程度溜まったら、DPFの温度を高め
てパティキュレートを燃焼除去し、当該DPFの再生を
図る必要がある。
【0023】これに対して、上述の如く、HC吸着材の
HC量が所定値以上になったときに昇温手段を働かせて
触媒金属の活性を高めるとともに、HC吸着材からのH
Cの放出を促すと、放出された多量のHCが酸化される
ことによって、その反応熱で排気ガス温度が上昇し、そ
れに伴ってDPFの温度が高まり、該DPFを再生する
ことができる。この場合、DPFの再生温度が第1温度
になる。
【0024】請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求
項6のいずれか一に記載のエンジンの排気浄化装置にお
いて、上記触媒金属が不活性状態にあること又は活性の
度合が低い所定の低活性状態にあること、並びに上記H
C吸着材に吸着されているHC量が上記所定値未満であ
ることを必要条件として、上記HC吸着材にHCを供給
するHC供給手段を備えていることを特徴とする。
【0025】従って、HC供給手段により、HC吸着材
のHC量を必要なときに所定値以上にまで高めて、多量
のHCを放出させて排気ガス浄化手段の確実な再生を図
る上で有利になる。
【0026】なお、HC供給手段は、排気ガス浄化手段
の再生を図る直前に働かせることもできるが、その再生
に備えて予めHC供給手段を働かせるようにしてもよ
い。
【0027】請求項8に係る発明は、請求項7に記載の
エンジンの排気浄化装置において、燃料をエンジンの気
筒内に直接噴射する燃料噴射弁と、エンジンの運転状態
に応じて圧縮行程上死点付近で燃料を噴射するように上
記燃料噴射弁の作動を制御する噴射制御手段とを備え、
上記HC供給手段は、上記噴射制御手段に、上記圧縮行
程上死点付近での燃料噴射後、膨張行程又は排気行程に
おいてさらに燃料を噴射するように上記燃料噴射弁の作
動を制御させることにより、上記HC吸着材に未燃燃料
を供給するものであることを特徴とする。
【0028】このように、膨張行程又は排気行程におい
て気筒内に燃料を噴射すると、その一部は燃焼すること
なくエンジンから排出され、排気ガスのHC濃度が高ま
ってHC吸着材に多量のHCを供給することができる。
【0029】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、排気ガス
浄化手段よりも上流側の排気通路に、HC吸着材と触媒
金属とを備えたHC吸着触媒を配置し、触媒金属が不活
性状態ないしは低活性状態にあること、並びに上記HC
吸着材のHC量が所定値以上であることを必要条件とし
て、昇温手段を作動させて上記HC吸着触媒の温度を上
昇させるようにしたから、HC吸着材に吸着されたHC
を排気ガス浄化手段の再生に有効に利用することができ
る。
【0030】請求項2に係る発明によれば、請求項1に
記載のエンジンの排気浄化装置において、上記HC吸着
材としてβ型ゼオライトを含むから、排気ガス中のHC
を効率良く吸着することができ、多量のHCを一気に酸
化させて排気ガス浄化手段の再生を図る上で有利にな
り、特にディーゼルエンジンの排気ガス浄化手段の再生
に有利になる。
【0031】請求項3に係る発明によれば、請求項1又
は請求項2に記載のエンジンの排気浄化装置において、
上記HC吸着材下流側の排気通路に排気ガスのHC濃度
関連値を測定するセンサを配設し、このセンサの出力に
基づいて上記HC吸着材に吸着されたHC量が所定値以
上になったか否かを判定するようにしたから、判定の信
頼性が高いものになり、排気ガス浄化手段の再生に有利
になる。
【0032】請求項4に係る発明によれば、請求項1又
は請求項2に記載のエンジンの排気浄化装置において、
エンジンの運転状態の推移に基づいて上記HC吸着材に
吸着されたHC量が所定値以上になったか否かを判定す
るようにしたから、センサを用いることなく当該判定を
行なうことができ、コスト低減に有利になる。
【0033】請求項5に係る発明によれば、請求項1乃
至請求項4のいずれか一に記載のエンジンの排気浄化装
置において、圧縮行程上死点付近での燃料噴射時期をリ
タードさせることによって排気ガス温度を高め、それに
よって上記HC吸着触媒の温度を上昇させるようにした
から、HC吸着触媒の昇温が容易に且つ迅速になるとと
もに、電気ヒータ等の加熱手段を補助的に利用する場合
でも、その小型化、作動時間の短縮が図れ、効率的にな
る。
【0034】請求項6に係る発明によれば、請求項1乃
至請求項5のいずれか一に記載のエンジンの排気浄化装
置において、上記排気ガス浄化手段としてDPFを採用
したから、エンジンの背圧の上昇及びそれに伴うエンジ
ン動力性能の低下を防止することができる。
【0035】請求項7に係る発明によれば、請求項1乃
至請求項6のいずれか一に記載のエンジンの排気浄化装
置において、上記触媒金属が不活性状態ないしは低活性
状態にあること、並びに上記HC吸着材に吸着されてい
るHC量が上記所定値未満であることを必要条件とし
て、上記HC吸着材にHCを供給するHC供給手段を備
えているから、HC吸着材のHC量を必要なときに所定
値以上にまで高めて、多量のHCを放出させて排気ガス
浄化手段の迅速確実な再生を図る上で有利になる。
【0036】請求項8に係る発明によれば、請求項7に
記載のエンジンの排気浄化装置において、圧縮行程上死
点付近での燃料噴射後の膨張行程又は排気行程において
燃料を噴射することにより、HCの供給を行なうように
したから、HC供給量及び供給時間の制御が容易であ
り、必要量だけHCを供給する上で有利になる。
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0037】図1に記載されている多気筒ディーゼルエ
ンジンの排気浄化装置において、1はエンジン本体、2
は気筒、3はピストン、4は燃焼室、5は気筒内の燃焼
室に燃料を直接噴射する燃料噴射弁、6は吸気通路、7
は排気通路である。排気通路7にはHC吸着触媒8と排
気ガス浄化手段としてのDPF9とが前者を上流側に後
者を下流側にして直列的に配置されている。
【0038】HC吸着触媒8は、HC吸着材としてのβ
型ゼオライトにHC酸化浄化用の触媒金属としてPtを
担持させてなる触媒粉を多孔質コージェライト製ハニカ
ム担体にバインダによって担持させたものである。DP
F9は、ハニカムのチャンネルの入口と出口を交互に目
封じしたウォールフロー型の多孔質コージェライト製フ
ィルタである。もちろん、モノリスハニカム型SiCフ
ィルタなど他のフィルタを用いることもできる。DPF
9にはパティキュレートが自然着火温度(580℃程
度)よりも低い温度(例えば400〜500℃)で着火
するように触媒を担持させることが好ましい。
【0039】上記HC吸着材は、DPF9のパティキュ
レートの着火温度(再生開始温度である第1温度)より
も低い第2温度(本実施形態の場合は約200℃)より
も低い温度では排気ガス中のHCを吸着し、この第2温
度を越えると、HCの放出が盛んになってHC吸着速度
よりもHC放出速度の方が大きくなるものである。ま
た、触媒金属(Pt)は、その温度を上昇させていった
ときに、その触媒の最高HC浄化率の半分程度の浄化率
を示すようになる温度(以下、これを活性温度という)
が上記第2温度よりも少し低いものである。
【0040】本発明の特徴とするところは、HC吸着材
にHCを吸着して蓄積し、このHCを酸化浄化するとき
の反応熱を利用してDPF9のような排気ガス浄化手段
の加熱再生を行なうようにした点にある。そうして、こ
の実施形態では、HC吸着材にHCを積極的に蓄積して
いくためのHC供給手段11と、HC吸着材に吸着され
たHCの放出と触媒金属の活性を高めるための昇温手段
12とが設けられている。
【0041】また、HC供給手段11及び昇温手段12
の作動のために、DPF9の目詰まり状態を判定する手
段13、HC吸着材に吸着されたHC量を判定する手段
14、触媒金属の活性を判定する手段15、並びにDP
F9の温度上昇率を算出するDPF昇温率算出手段16
が設けられている。さらに、HC吸着触媒8とDPF9
との間の排気通路7には、排気ガスの温度を検出する排
気ガス温度センサ17と、排気ガスのHC濃度を検出す
るHC濃度センサ18とが設けられ、DPF9の下流側
の排気通路7には排気圧力を検出する排圧センサ19が
設けられ、DPF9にはその温度を検出する温度センサ
20が設けられている。
【0042】HC供給手段11は、上記燃料噴射弁5に
よる主噴射(圧縮行程上死点付近で行なう要求出力確保
のための主たる燃料噴射)後に燃料を噴射する後噴射に
よりHC吸着材にHCを供給するものである。そのため
に、HC供給手段11は、燃料噴射弁5の作動を制御す
る噴射制御手段21の後噴射量を補正するようになって
いる。昇温手段12は、上記主噴射の時期をリタードさ
せることによって排気ガス温度を高めてHC吸着触媒8
の温度を上昇させるものであり、噴射制御手段21の主
噴射時期を補正するようになっている。
【0043】噴射制御手段21は、エンジン運転状態に
応じて、すなわち、エンジン回転数とエンジン負荷(ア
クセル開度)とエンジンの吸入空気量とに基づいて、主
噴射量、主噴射時期、後噴射量及び後噴射時期を設定
し、燃料噴射弁5を作動させて主噴射を実行し、必要に
応じて後噴射を実行する。
【0044】目詰まり状態判定手段13は、温度センサ
17で検出される排気ガス温度、排圧センサ19で検出
される排気圧力、エンジン回転数、並びにエンジン負荷
に基づき、DPF9が所定程度以上に目詰まりを生じて
いる(第1の程度のパティキュレート堆積量になってい
る)か否か、並びにDPF9の目詰まりが解消されてい
る(パティキュレート堆積量が上記第1の程度よりも低
い第2の程度よりも少なくなっている)か否かを判定す
る。
【0045】なお、本実施形態では排圧センサ19をD
PF9の下流側のみに設けているが、上流側と下流側の
双方に設け、その差圧に基づいて上記判定を行なうよう
にしてもよい。
【0046】また、DPF9が加熱再生されることなく
エンジンが運転された時間が所定時間に達したか否かで
パティキュレート堆積量が第1の程度以上になったか否
か、つまりは排気ガス浄化手段(DPF)の再生が必要
か否かの判定を行なうようにしてもよい。
【0047】HC量判定手段14は、HC濃度センサ1
8の出力に基づいて、HC吸着材に吸着されたHC量が
所定値以上か否か、すなわち、本実施形態の場合はHC
吸着材におけるHCの吸着が飽和したか否かを判定す
る。この場合、HC濃度センサ18によって検出される
HC吸着触媒下流側の排気ガスのHC濃度がエンジン運
転状態から推定される排気ガスのHC濃度に略等しくな
ったとき、HCの吸着が飽和したと判定することができ
る。
【0048】HC量判定手段14としては、エンジンの
運転状態の推移に基づいてHC量を判定するものであっ
てもよい。すなわち、エンジンの回転数と負荷とを監視
し、HC吸着材に吸着されるHC量を積算して推定する
ものである。この場合、HCの放出が行なわれた場合
は、その放出後に吸着されるHC量を積算していくこと
になる。これにより、HC吸着材のHC量が所定値以上
になったか否かを判定することができる。また、HC量
が所定値に達する途中のHC量を推定することができ
る。
【0049】触媒活性判定手段15は、排気ガス温度セ
ンサ17の出力に基づき、HC吸着触媒下流側の排気ガ
スの温度がHC吸着触媒8の活性温度に達したときに触
媒は活性状態にあると判定する。DPF昇温率算出手段
20は、DPF温度センサ20の出力に基づいて、DP
F9の昇温率(単位時間当たりの温度上昇量)を算出す
る。
【0050】HC供給手段11は、目詰まり状態判定手
段13によって第1の程度の目詰まりが判定されている
こと、DPF温度センサ20によって検出されるDPF
9の温度が着火温度Aになっていないこと、触媒活性判
定手段15によってHC吸着触媒8が不活性ないしは低
活性状態(上記活性温度に達していない)にあると判定
されていること、HC量判定手段14によってHC吸着
材のHC量が所定値以下であると判定されていることを
条件として、HCの供給を実行する。
【0051】具体的には、HC供給手段11は、噴射制
御手段21の後噴射量を所定量だけ増量補正する、若し
くはエンジン運転状態に対応する後噴射量が零のときは
噴射制御手段21に所定量の後噴射を実行させることに
よって、HCをHC吸着材に供給する。上述の如くエン
ジン運転状態の推移に基づいてHC量を推定するように
した場合は、現時点のHC量に基づいて上記所定値に達
するに不足するHC量を求め、その不足分を補うことが
できるように後噴射の補正量を設定する方式を採用して
もよい。
【0052】昇温手段12は、目詰まり状態判定手段1
3によって第1の程度の目詰まりが判定されているこ
と、DPF温度センサ20によって検出されるDPF9
の温度が着火温度Aになっていないこと、触媒活性判定
手段15によってHC吸着触媒8が不活性ないしは低活
性状態(上記活性温度に達していない)にあると判定さ
れていること、HC量判定手段14によってHC吸着材
のHC量が所定値に達したことが判定されたことを条件
として、噴射制御手段21の主噴射時期のリタード補正
を開始する。
【0053】但し、HC吸着触媒8が活性状態になった
場合でも、また、DPF9の温度が着火温度に達した場
合でも、目詰まり状態判定手段13によって第2の程度
の目詰まりが生じている判定されるときは、昇温手段1
2は上記リタード補正を継続する。リタード量は一定で
もよいが、リタード補正の開始時は予め設定したリター
ド量とし、その後は排気ガス温度センサ17によって検
出される排気ガス温度に基づいて触媒金属を活性状態に
するに必要な昇温量を求め、該昇温量に応じてリタード
量を決定するようにしてもよい。また、エンジン回転数
及びエンジン負荷に基づいて触媒金属が活性状態に昇温
するまでの時間を求め、リタード量を補正するようにし
てもよい。
【0054】主噴射時期をリタードするときは、該リタ
ードによるエンジン出力トルクの落ち込みを避けるため
に、主噴射量の増量補正を行なう。
【0055】また、昇温手段12は、目詰まり状態判定
手段13によってパティキュレート堆積量が第2の程度
よりも少なくなったことが判定されたときにリタード補
正を終了し、また、DPF昇温率算出手段20によって
DPF9の昇温率が所定値以下であることが判定された
ときにもリタード補正を終了する。
【0056】以上において、上記目詰まり状態判定手段
13は、排気ガス浄化手段(DPF9)の再生が必要か
否かを判定する第1の判定手段を構成し、触媒金属が不
活性状態ないしは低活性状態にあるときに当該再生が可
能になるから、上記触媒活性判定手段15は、排気ガス
浄化手段の再生が可能か否かを判定する第2の判定手段
を構成し、上記HC供給手段11は、第1の判定手段で
再生が必要と判定され且つ第2の判定手段で再生可能と
判定されたときに、HC吸着材にHCを供給するもので
ある、ということができる。
【0057】以上の各手段11〜16,21はマイクロ
コンピュータを利用して構成されている。
【0058】次に以上のような排気浄化装置によるDP
F9の再生制御について図2に示すフローに従って説明
する。
【0059】スタート後のステップS1では、クランク
角信号、吸入空気量、エンジン回転数、エンジン負荷、
排気ガス温度など制御に必要なデータを入力する。続く
ステップS2及びS3では、噴射制御手段21により、
エンジン運転状態に応じて主噴射量、主噴射時期、後噴
射量及び後噴射時期を設定する。
【0060】すなわち、アクセル負荷とエンジン回転数
とに基づいて予め作成したマップにより目標トルクを設
定する。アクセル開度が大きくなるほど、また、エンジ
ン回転数が高くなるほど目標トルクが高くなるように設
定する。この目標トルクとエンジン回転数と吸入空気量
とに基づいて、予め作成したマップにより主噴射量を設
定する。主噴射時期は、予め作成したマップによりエン
ジン運転状態に応じて設定する。例えば、エンジン水温
やエンジン回転数が異なれば燃料噴霧の着火遅れ時間が
異なるので、そのことを考慮して主噴射時期を設定す
る。また、燃焼室で生成した煤の低減等を目的として必
要に応じて後噴射量及び後噴射時期を設定する。
【0061】続くステップS4では、排圧センサ19等
の出力に基づいてDPF9に目詰まりを生じているか
(パティキュレート堆積量が第1の程度以上で再生が必
要か)否かを判定する。目詰まりを生じているときはス
テップS5に進み、DPF温度センサ20の出力に基づ
いてDPF9の温度がパティキュレートの着火温度以下
であるか否かを判定する。着火温度以下であるときはス
テップS6に進み、排気ガス温度センサ17の出力に基
づいてHC吸着触媒8の触媒金属が活性状態になってい
るか否かを判定する。
【0062】上記触媒金属が不活性状態であるときはス
テップS7に進み、HC吸着材に吸着されているHC量
を推定し、続くステップS8においてHC濃度センサ1
8等の出力に基づいて当該HC量が所定値B未満である
か否かを判定する。HC量が所定値B未満であるときは
ステップS9に進んで後噴射量の増量補正を行ない、続
くステップS10において、先に設定された主噴射量及
び主噴射時期、並びに補正された後噴射量及び後噴射時
期での燃料噴射を実行する。
【0063】これにより、排気ガス中のHC量が多くな
り、HC吸着材へのHC量の蓄積が促進される。その結
果、上記ステップS9においてHC量が所定値B以上に
なったことが判定されると、後噴射量の増量補正はされ
ずにステップS11に進み、主噴射時期のリタード及び
主噴射量の増量補正が行なわれてステップS10の燃料
噴射が実行される。このリタードにより、排気ガスの温
度が高くなり、HC吸着触媒8の温度上昇が促進され、
触媒金属が活性状態になるとともに、HC吸着材からの
HC放出量が多くなり、この放出HCの酸化浄化が始ま
る。そうして、このHCの酸化浄化の際の反応熱によっ
てHC吸着触媒8の下流側の排気ガス温度が上昇し、D
PF9の温度が上昇していく。
【0064】ステップS6において触媒金属が活性状態
になったことが判定されたときは、ステップS12に進
んでDPF温度センサ20の出力に基づいてDPF9の
温度上昇率を算出する。そうして、続くステップS13
においてその昇温率が所定値C以上であるか否かを判定
する。この所定値Cは、DPF9がパティキュレートの
着火温度に達するまで温度上昇するような昇温率であ
る。この昇温率が所定値C未満であれば、主噴射時期の
リタードはされずにステップS10に進み、ステップS
2及びS3で設定された噴射量及び噴射時期での燃料噴
射が実行される(通常の燃料噴射制御)。
【0065】すなわち、HC吸着材のHC量が所定値B
に達しないときでも、エンジンの一時的な加速運転が行
なわれて排気ガス温度が上昇し、触媒金属が活性状態に
なることがある。その場合は、HC量が少ないから、D
PF9は着火温度Aになるまで上昇しないことが多い
が、着火温度にまで昇温しないことが予測されるときは
主噴射時期の無駄なリタードを避けるものである。従っ
て、リタードによるエンジン出力トルクの落ち込みや、
該落ち込み防止のための主噴射量の増量補正による燃費
の悪化が避けられる。
【0066】ステップS13においてDPF9の昇温率
が所定値C以上であると判定されたとき(DPF9の温
度が着火温度Aまで上昇すると予測されたとき)はステ
ップS14に進み、排圧センサ19の出力に基づいて排
圧が低下したか、つまり、DPF9のパティキュレート
堆積量が第2の程度よりも少なくなって再生が終了した
か否かを判定する。再生が終了していないときはステッ
プS11に進んで主噴射時期のリタード及び主噴射量の
増量補正を行なう。再生が終了しているときは、主噴射
時期のリタードはされずにステップS10に進み、ステ
ップS2及びS3で設定された噴射量及び噴射時期での
燃料噴射が実行される(通常の燃料噴射制御)。
【0067】また、ステップS4においてDPF9が目
詰まり状態でない(パティキュレート堆積量が第1の程
度よりも少ない)と判定されたときは、ステップS15
に進んでDPF9の温度が着火温度Aよりも高くなって
いるか否かを判定する。その温度が着火温度A以下であ
るときは、DPF9の再生中でないため、ステップS1
0に進む(通常の燃料噴射制御)。ステップS5又はス
テップS15においてDPF9の温度が着火温度Aより
も高いと判定されたときはDPF9の再生中であり、そ
のときはステップS14に進み、排圧が低下していな
い、つまり再生が終了していなければ、ステップS11
に進んで主噴射時期のリタード及び主噴射両の増量補正
を続行する。
【0068】図3はHC吸着材としてβ型ゼオライトを
用い、図4はHC吸着材としてMFIを用い、それぞれ
エンジンを同じテストモードで運転したときのDPF9
の入口及び出口の排気ガス温度の経時変化を調べた結果
である。
【0069】触媒金属としてはいずれもPtを用いた。
テストモードはヨーロッパにおいて自動車のエミッショ
ン検査に用いられている「ECE15+EUDC」を採
用した。ECE15は、200秒の間に車速を段階的に
高めて間欠的に3回走行する低速モードであり、最高速
度は50km/hである。EUDCは400秒の間に車
速を120km/hまで高める高速モードである。低速
モードを4回繰り返した後、高速モード(1回)に移行
した。
【0070】図3及び図4によれば、HC吸着材として
β型ゼオライトを用いた場合及びMFIを用いた場合の
いずれも、低速モードの間はDPF9の入口温度は、テ
スト開始直後を除いて大体200℃以下、従って、HC
吸着触媒8の温度も200℃以下であり、この間にHC
吸着材にHCが吸着されていることがわかる。
【0071】高速モードに移行すると、β型ゼオライト
の場合は、DPF9の入口温度が450℃を越える温度
まで上昇している。これは、高速走行への移行に伴い排
気ガス温度が上昇して触媒金属が活性状態になるととも
に、β型ゼオライトからHCが大量に放出され、この放
出されたHCが酸化するときに大量の反応熱が発生した
ためである。
【0072】従って、上述の再生制御のように、HC吸
着材にHCを蓄積し、昇温手段12によってHC吸着触
媒8の温度を高めて当該HCを放出させ、これを酸化さ
せるようにすれば、この再生制御単独でも、DPF9の
温度を着火温度Aまで上昇させて該DPF9を再生でき
るようになることがわかる。
【0073】また、本発明は、当該再生制御と、電気ヒ
ータ、その他の加熱手段による加熱とを併用して再生す
ることを排除するものではないが、そのような併用を行
なう場合の加熱手段の小型化、作動時間の短縮が図れ、
エネルギー及びコストの面で有利になる。
【0074】一方、MFIの場合も、β型ゼオライトほ
どではないが、高速モードに移行したときにDPF9の
入口温度が350℃近くまで上昇している。従って、H
C吸着材としてMFIを用いた場合、上記再生制御単独
でのDPF9の再生は難しいが、上記併用を行なえばよ
く、その場合、少ないエネルギーでDPF9の再生が図
れることがわかる。もちろん、HC吸着材としては、β
型ゼオライトやMFI以外のHC吸着材、例えばY型ゼ
オライトなどを採用することもできる。また、触媒金属
としても、Pt以外に、Pd等の酸化触媒として有効な
貴金属ないしは遷移金属を採用することができる。
【0075】また、上記再生制御は、DPF9の目詰ま
りを判定して該DPF9の加熱再生を行なうものである
から、DPF9が頻繁に加熱されることがなく、つま
り、DPF9の加熱回数が必要最小限に抑えられ、該D
PF9の熱損傷防止、燃費の上昇防止に有利になる。
【0076】但し、DPF9の目詰まりを判定すること
なく、触媒金属が不活性状態ないしは低活性状態である
こと、HC吸着材のHC量が所定値以上であることを条
件として、DPF9の加熱再生を行なうようにしてもよ
い。
【0077】また、上記制御フローにおいては、主噴射
時期のリタードによるDPF9の加熱再生が開始された
後、DPF9の目詰まりが解消される(パティキュレー
ト堆積量が第2の程度以下になる)までは、主噴射時期
のリタードを続行することによってDPF9の加熱を促
進するようにしたが(ステップS14→S15)、後噴
射量の増量補正によってDPF9の加熱を促進するよう
にしてもよい。すなわち、後噴射によって触媒金属にH
Cが供給されるため、DPF9の加熱が維持されること
になり、また、後噴射時期を膨張行程の比較的早い時期
に設定することによって後噴射燃料の一部を筒内で燃焼
させて排気ガス温度を高めることができ、DPF9の加
熱に有利になる。
【0078】また、HC量判定手段としては、エンジン
が触媒金属不活性の状態で運転された時間に基づいて、
該時間が所定時間以上になったときにHC量が所定値以
上になったと判定するものであってもよい。
【0079】また、エンジン排気通路の最上流位置に
(例えば排気マニホールドの集合部に直結して)NOx
還元機能を有する触媒を配置し、その下流側に(例えば
アンダーフロア位置に)上記HC吸着触媒8を配置する
ようにしてもよい。その場合、上流側触媒としては、β
型ゼオライト、MFI、Y型ゼオライト等のゼオライト
をサポート材として、これにPt等の貴金属を担持させ
たものを採用すればよい。
【0080】上流側触媒のサポート材としてMFIを採
用し、上記HC吸着触媒のHC吸着材としてβ型ゼオラ
イトを採用すると、上流側触媒のMFIもHC吸着材と
して働くが、β型ゼオライトよりも細孔径が小さいか
ら、上流側触媒のMFIでは低分子量のHCが吸着さ
れ、HC吸着触媒8のβ型ゼオライトでは上流側触媒で
吸着できなかった主として高分子量のHCが吸着される
ことになる。そうして、上流側触媒ではMFIに吸着さ
れたHCをPt等の貴金属が酸化する際に同時に排気ガ
ス中のNOxを還元する酸化還元反応を生ずることにな
る。
【0081】もちろん、下流側のHC吸着触媒8でもそ
のβ型ゼオライトが吸着するHCを還元剤とする酸化還
元反応により、NOxが還元浄化される。
【0082】DPF9の再生は、上述の実施形態と同様
に下流側のHC吸着触媒8の活性状態及び吸着HC量に
基づいて行なうことができる。
【0083】なお、上流側触媒をHC吸着触媒8と温度
条件が略同等の位置に配置し、この上流側触媒及びHC
吸着触媒8のいずれか一方若しくは両方の活性状態及び
吸着HC量に基づいて昇温手段を働かせるようにすれ
ば、この両触媒での反応熱を利用して排気ガス温度を高
め、DPFの再生をより効率的に行なうことも可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るエンジンの排気浄化装
置の構成を示す図。
【図2】同排気浄化装置のDPF再生制御のフロー図。
【図3】HC吸着材としてβ型ゼオライトを用いて低速
モードから高速モードに移行するテストモードで自動車
を走行させた時のDPFの入口温度と出口温度の経時変
化を示すグラフ図。
【図4】HC吸着材としてMFIを用いて低速モードか
ら高速モードに移行するテストモードで自動車を走行さ
せた時のDPFの入口温度と出口温度の経時変化を示す
グラフ図。
【符号の説明】
1 エンジン 2 気筒 3 ピストン 4 燃焼室 5 燃料噴射弁 6 吸気通路 7 排気通路 8 HC吸着触媒 9 DPF(排気ガス浄化手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/08 F01N 3/24 E 4D058 3/24 R F02D 41/38 B F02D 41/38 41/40 D 41/40 45/00 314Z 45/00 314 368G 368 B01D 46/42 B // B01D 46/42 53/36 103Z (72)発明者 對尾 良則 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 原田 浩一郎 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3G084 AA01 BA13 BA24 DA00 DA02 DA10 DA27 EB08 FA00 FA05 FA07 FA10 FA27 FA28 FA33 FA38 3G090 AA02 BA01 CA01 CB00 DA00 DA02 DA09 DA10 DA12 DA13 DA16 DA18 DA19 DA20 EA04 3G091 AA02 AA18 AB02 AB06 AB10 AB13 BA00 BA01 BA15 CA18 CB02 CB03 DB10 EA00 EA01 EA05 EA07 EA08 EA09 EA17 EA32 EA33 EA39 3G301 HA02 JA00 JA02 JA24 JA26 LB11 MA11 MA18 MA23 MA27 NA08 NC02 PA01Z PA11Z PB03A PB03Z PB05A PB05Z PD01Z PD11Z PD14Z PE01Z PE03Z PF01Z PF03Z 4D048 AA14 AA18 AB01 AC02 BA11X BA30X BB02 CC43 CD01 CD05 EA04 4D058 JA32 MA44 MA52 MA54 SA08 TA02 TA06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの排気通路に設けられ、第1温
    度以上になると再生する排気ガス浄化手段と、 上記排気ガス浄化手段よりも上流側の上記排気通路に設
    けられ、上記第1温度よりも低い第2温度以下の温度で
    排気ガス中のHCを吸着し第2温度を越えると吸着した
    HCを放出するHC吸着材と、このHC吸着材から放出
    されるHCを酸化浄化するための触媒金属とを備えたH
    C吸着触媒と、 上記HC吸着材に吸着されたHC量が所定値以上か否か
    を判定するHC量判定手段と、 上記触媒金属が不活性状態にあること、又は活性の度合
    が低い所定の低活性状態にあること、並びに上記HC量
    判定手段によってHC量が所定値以上であると判定され
    ていることを必要条件として、上記触媒金属の活性が高
    くなるように上記HC吸着触媒の温度を上昇させる昇温
    手段とを備えていることを特徴とするエンジンの排気浄
    化装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のエンジンの排気浄化装
    置において、 上記HC吸着材としてβ型ゼオライトを含むことを特徴
    とするエンジンの排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のエンジン
    の排気浄化装置において、 上記HC量判定手段は、上記HC吸着材下流側の排気通
    路に配設され排気ガスのHC濃度関連値を測定するセン
    サを備え、このセンサの出力に基づいて上記HC吸着材
    に吸着されたHC量が所定値以上になったか否かを判定
    することを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載のエンジン
    の排気浄化装置において、 上記HC量判定手段は、エンジンの運転状態の推移に基
    づいて上記HC吸着材に吸着されたHC量が所定値以上
    になったか否かを判定することを特徴とするエンジンの
    排気浄化装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一に記
    載のエンジンの排気浄化装置において、 燃料をエンジンの気筒内に直接噴射する燃料噴射弁と、
    エンジンの運転状態に応じて圧縮行程上死点付近で燃料
    を噴射するように上記燃料噴射弁の作動を制御する噴射
    制御手段とを備え、 上記昇温手段は、上記圧縮行程上死点付近での燃料噴射
    時期をリタードさせることによって排気ガス温度を高
    め、それによって上記HC吸着触媒の温度を上昇させる
    ことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか一に記
    載のエンジンの排気浄化装置において、 上記排気ガス浄化手段は、ディーゼルエンジンの排気ガ
    ス中のパティキュレートを捕集するフィルタであること
    を特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれか一に記
    載のエンジンの排気浄化装置において、 上記触媒金属が不活性状態にあること又は活性の度合が
    低い所定の低活性状態にあること、並びに上記HC吸着
    材に吸着されているHC量が上記所定値未満であること
    を必要条件として、上記HC吸着材にHCを供給するH
    C供給手段を備えていることを特徴とするエンジンの排
    気浄化装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のエンジンの排気浄化装
    置において、 燃料をエンジンの気筒内に直接噴射する燃料噴射弁と、
    エンジンの運転状態に応じて圧縮行程上死点付近で燃料
    を噴射するように上記燃料噴射弁の作動を制御する噴射
    制御手段とを備え、 上記HC供給手段は、上記噴射制御手段に、上記圧縮行
    程上死点付近での燃料噴射後、膨張行程又は排気行程に
    おいてさらに燃料を噴射するように上記燃料噴射弁の作
    動を制御させることにより、上記HC吸着材に未燃燃料
    を供給するものであることを特徴とするエンジンの排気
    浄化装置。
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