JP4144405B2 - 排気後処理装置の劣化判定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気を浄化する排気後処理装置の劣化を判定する劣化判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等に搭載される内燃機関、特にリーン運転可能な内燃機関では、リーン運転時にNOxの排出量が増加することから、排気通路に窒素酸化物(NOx)の吸収剤を内蔵する窒素酸化物浄化装置(NOx浄化装置)を設け、機関から排出されるNOxが大気中に放出されるのを防止する技術が知られている。この吸収剤は、排気の空燃比がリーンのときには排気中のNOxを吸収する一方、排気の空燃比がリッチのときには吸収していたNOxを放出する機能を有し、放出されたNOxは、HC、COにより還元されてNとして排出される。
【0003】
また、NOx浄化装置には、理論空燃比近傍であるときに排気中の有害成分であるHC、CO、NOxを高効率で浄化する機能(すなわち、三元触媒機能)をも備えたものがある。このようなNOx浄化装置は、排気中のOを貯蔵する機能(酸素ストレージ機能)を有しており、排気の空燃比がリッチのときに貯蔵したOを放出し、これにより排気中のHCやCOが酸化されてHOやCOとして排出される。
【0004】
ここで、上記吸収剤のNOx吸収能力には限りがあることから、その吸収量が飽和量に達する前に、適当なタイミングで吸収しているNOxを放出させてNOx吸収能力を再生させる必要がある。このため、従来から、機関に供給する混合気の空燃比を一時的にリッチとして還元剤たるHC、COをNOx浄化装置に供給し、NOxを放出還元させるリッチスパイク制御が実行されている。
【0005】
ところで、このようなNOx浄化装置を用いて排気の浄化を行うためには、より高精度なNOx浄化装置の劣化判定技術が必要となる。
従来の技術でよく知られるものは、NOx浄化装置の上流側、下流側に酸素濃度センサを設け、図7に示すように、機関の供給する混合気の空燃比を理論空燃比よりもリーン側からリッチ側に切り替えた後に、上流側酸素濃度センサの出力(触媒上流側λ)がリッチ空燃比を示す値に変化した時点から下流側酸素濃度センサの出力(触媒下流側λ)がリッチ空燃比を示す値となる時点までの応答遅れ時間Δt1を計測し、この計測時間Δt1と所定の基準値(閾値)とを比較することによって劣化を判定するものである(特許文献1参照)。
【0006】
すなわち、上記リッチスパイク制御時に、NOx浄化装置から流出する排気の空燃比を検出し、検出した空燃比が所定範囲内となっている時間を用いて劣化判定を行うようにしている。
【0007】
なお、特許文献1に記載のものは、上記応答遅れ時間Δt1を計測すると共に、機関に供給する混合気の空燃比をリッチからリーンに切り替えた後に、上流側酸素濃度センサの出力がリーン空燃比を示す値に変化した時点から下流側酸素濃度センサの出力がリーン空燃比を示す値となる時点までの第2の応答遅れ時間Δt2を計測し、この上流側・下流側酸素濃度センサの特性バラツキを反映する第2の遅れ時間Δt2で上記遅れ時間Δt1補正することで、劣化判定精度を向上させるようにしている。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−73747号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のような劣化判定では、リッチスパイク制御における空燃比のバラツキやNOx吸収量のバラツキの影響を受けやすいという問題がある。
【0010】
例えば、リッチスパイク制御において排気空燃比がリッチ側にシフトしてしまった場合には、NOx浄化触媒に供給される還元剤量が多くなるから、その分上記応答遅れ時間Δt1は短くなるし、リッチスパイク制御を実行する間隔が長くなってしまった場合など吸収されているNOx量が多いほど、その分上記応答遅れ時間Δt1は長くなる。
【0011】
従って、上記応答遅れ時間Δt1と所定の基準値と比較して劣化判定を行ったのでは、応答遅れ時間Δt1自体のバラツキが大きく、同程度の劣化状態であっても、そのときの空燃比やリッチスパイク間隔のバラツキによって、劣化していると判定される場合とそうでない場合とが生じたり、新品のNOx浄化装置に対して誤った劣化判定を行ったりするおそれがある(図5参照)。
【0012】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたものであり、排気後処理装置の劣化判定を精度よく行うことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明に係る排気後処理装置の劣化判定装置は、NOxの放出還元処理を実行され、排気後処理装置の上流側の第1空燃比検出手段の出力が、排気の空燃比がリーンからリッチに切り替わったことを示す第1所定値に変化した時点から、排気後処理装置の下流側の第2空燃比検出手段の出力が前記第1所定値に変化する時点までのリッチ側応答遅れ時間を計測し、このリッチ側応答遅れ時間に基づいて排気後処理装置の第1劣化判定を行い、該第1劣化判定によって排気後処理装置が劣化していると判定された場合には、更に、前記NOxの放出還元処理が終了して空燃比がリッチからリーンへと切り替えられた後に、前記第1空燃比検出手段の出力が、排気の空燃比がリッチからリーンに切り替わったことを示す第2所定値に変化した時点から、前記第2空燃比検出手段の出力が前記第2所定値に変化する時点までのリーン側応答遅れ時間を計測し、このリーン側応答遅れ時間にするリーン側応答遅れ時間計測手段に基づいて排気後処理装置の劣化判定を行うようにした。
【0015】
【発明の効果】
本発明に係る排気後処理装置の劣化判定装置では、排気の空燃比をリッチからリーンへと変化させた後に、すなわち、排気後処理装置に吸収されているNOx及びストレージされているOが放出還元された後に、触媒内に含まれる助触媒(セリアCeO)に応じた量(飽和量)のOがストレージされるまでの時間がリーン側応答遅れ時間として計測されることになる。このため、吸収されているNOx量による影響を排除して、排気後処理装置の劣化状態に対応した応答遅れ時間が安定して計測でき、劣化判定精度を向上できる。
【0016】
ここで、排気の空燃比をリーンからリッチへと変化させたときのリッチ側応答遅れ時間に基づいて第1劣化判定を行い、この第1劣化判定により劣化していると判定された場合に、排気の空燃比をリッチからリーンへ変化させたときのリーン側応答遅れ時間に基づいて第2劣化判定を行うので、第1劣化判定では、明らかに劣化していない場合のみを判定すればよく、比較的簡易な劣化判定とすることができる。そして、正常であるか劣化しているかの境界にある場合など、より詳しい劣化判定が必要な場合にのみ、吸収されているNOx量の影響を排除した第2劣化判定により劣化判定を行うので、劣化判定精度を向上させつつ、正常な排気後処理装置に対しては劣化判定処理時間を短縮することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明のシステム構成の一例を示したものである。図1において、過給機1は、エアクリーナ2でダストが除去されて吸気通路3に吸入された空気をコンプレッサ1aにより圧縮する。圧縮された空気は、インタクーラ4で冷却されて吸気マニホールド5へと送り込まれ、電子制御スロットルバルブ6によって吸入吸気量が調整される。なお、過給機1は、いわゆる可変ノズル式のものであり、過給圧を可変調整できるようになっている。
【0018】
圧縮自着火式の機関(エンジン)7の各気筒には、燃料噴射弁8、グロープラグ9が設けられている。燃料噴射弁8は、サプライポンプ10により圧送された燃料を所定圧力で燃焼室内に直接噴射し、この噴射された燃料は燃焼室内に流入した空気と共に、グロープラグ9によって適宜加熱されて圧縮着火により燃焼する。燃焼排気は、排気マニホールド11に排出されて過給機1のタービン1bを回転駆動した後、排気浄化触媒12を含む排気後処理装置により排気中の有害成分(HC、CO、NOx)が浄化される。
【0019】
上記排気浄化触媒12は、例えば、白金(Pt)等の貴金属、NOx吸収剤、セリア(CeO)等の助触媒及び担体で構成されており、NOx吸収剤としては、例えば、セシウム(Cs)等のアルカリ金属、バリウム(Ba)等のアルカリ土類及びランタン(La)等の希土類の中から選ばれた少なくとも一つを含むものが使用される。
【0020】
この排気浄化触媒12においては、エンジン1をリーン空燃比で運転しているとき(すなわち、排気の空燃比がリーンのとき)には、排気中の酸素(O)が白金(Pt)上に付着し、排気中のNOは、白金(Pt)上で酸化反応してNO(2NO+O→2NO)となる。そして、NOは、NOx吸収剤と反応して硝酸イオン(NO )として吸収される。また、助触媒によって排気中のOが貯蔵される(すなわち、酸素ストレージ能力OSCを有する)。
【0021】
一方、空燃比を一時的にリッチに切り替えると(排気の空燃比がリッチとなると)、助触媒に貯蔵されたOが放出され、排気中のHC、COは、排気中のO及び放出されたOと白金(Pt)上で反応してHO、COとなる。
【0022】
また、このときNOx吸収剤からはNOx(NO又はNO)が放出される。ここで、排気中のHC、COは、酸素との結合力が極めて強いことから、排気中に余剰HC、COが存在すれば、放出されたNOxはこのHC、COと反応して無害なNに還元される。
【0023】
また、上記排気浄化触媒12の上流側、下流側には、それぞれ排気空燃比を検出する空燃比センサ(酸素濃度センサとしてもよい。以下、それぞれ上流側空燃比センサ、下流側空燃比センサという)21、22が設けられている。
【0024】
更に、吸気マニホールド5のコレクタ部5aと排気マニホールド11とを接続するEGR通路13と、このEGR通路13を開閉するEGR弁14と、が設けられており、運転条件に応じて排気循環量(EGR量)を調節できるようになっている。
【0025】
コントロールユニット(C/U)20には、上流側・下流側空燃比センサ21、22の他、機関7の吸入空気量を検出するエアフローメータ(AFM)23、機関冷却水温度を検出する水温センサ24、機関回転速度を検出するクランク角センサ25、アクセル開度センサ26等の各種センサからの検出信号が入力される。
【0026】
そして、C/U20は、入力された各種センサからの検出信号に基づいて燃料噴射制御等のエンジン1に対する各種制御を実行すると共に、上記排気浄化触媒12が劣化しているか否かの劣化判定を行う。
【0027】
なお、上記排気浄化触媒12のNOx吸収能力を再生するため、吸収されたNOxの放出還元処理を行うリッチスパイク制御は、エンジン1に供給される混合気の空燃比(燃焼混合気)をリーンからリッチに切り替えることにより行われ、このリッチスパイク制御が行われたときに劣化判定が行われる。かかるリッチスパイク制御は、すでに公知の技術であるので、ここでの詳細な説明を省略するが、例えば、特開平7−279728号公報に記載されているように、EGR弁14を開弁する又は電子制御スロットルバルブ6を閉弁するで吸入吸気量を減少させると共に、機関出力トルクが変化しないように燃料噴射量を増量することによって行う。
【0028】
ここで、本発明の排気浄化触媒12の劣化判定について説明する。
なお、以下の説明において、リッチスパイク制御を行う際にはリッチスパイク実行フラグFrichが設定されるものとし(Frich=True)、また、上流側空燃比センサ21、下流側空燃比センサ22の出力をそれぞれABYF1、ABYF2とする。なお、ABYFは空気過剰率λを意味し、ABYF=1は理論空燃比(ストイキ)、それより大きい値の場合はリーン空燃比を意味する。
【0029】
更に、排気の空燃比がリーンからリッチとなったことを示す値として第1所定値K1(=0.97)、リッチからリーンになったことを示す値として第2所定値K2(=1.03)を設定する。このように、第1、2所定値を設定するのは、理論空燃比である1.0を基準としてリッチ/リーンの切り替えを判定すると、場合によっては応答遅れ時間ΔT2の計測が困難となることから、容易かつ安定した計測を行えるようにしたものである。
【0030】
まず、本発明の参考例に係る劣化判定について説明する。
図2は、リッチスパイク制御を行った際の時間とλ(空気過剰率)との関係を示したものである。この参考例では、リッチスパイク制御の終了後にエンジン1に供給する混合気の空燃比をリーンに切り替え(これにより、排気の空燃比をリーンに切り替え)、その後、上流側空燃比センサ21の出力がリーン空燃比を示す第2所定値K2に変化した時点から下流側空燃比センサ22の出力がリーン空燃比を示す第2所定値K2となるまでの応答遅れ時間(リーン側応答遅れ時間)ΔT2を計測し、このリーン側応答遅れ時間ΔT2に基づいて劣化判定を行う。
【0031】
図3は、参考例に係る劣化判定のフローチャートであり、所定時間毎に実行される。図3において、ステップ1(図中S1と記す。以下同じ)では、リッチスパイク実行フラグFrichが設定されているか否か(Frich=Trueであるか否か)を判定し、リッチスパイク実行フラグFrichが設定されていればステップ2に進む。
【0032】
ステップ2では、上流側空燃比センサ21の出力ABYF1と第1所定値K1(=0.97)とを比較し、出力ABYF1が第1所定値K1を下回ったら、すなわち、リッチ空燃比を示す値に変化したらステップ3に進む。
【0033】
ステップ3では、下流側空燃比センサ22の出力ABYF2と第1所定値K1とを比較し、出力ABYF2が第1所定値K1を下回ったらステップ4に進む。ステップ4では、上流側空燃比センサ21の出力ABYF1と第2所定値K2(=1.03)とを比較し、出力ABYF1が第2所定値K2となったら、すなわち、リーン空燃比を示す値に変化したらステップ5に進む。
【0034】
上記ステップ1〜4により、リッチスパイク制御が行われ、排気浄化触媒12に吸収されていたNOxの放出還元(還元作用)が終了しているか否かが判定される。そして、これらの条件が成立した場合には、ステップ5において、カウンタ起動フラグFtimer=Trueとして(設定して)時間計測を開始する。
【0035】
一方、上記ステップ1〜4のいずれかの条件が成立しない場合には、劣化判定を行うことなく処理を終了する。
ステップ6では、下流側空燃比センサ2の出力ABYF2が第2所定値K2となったか否かを判定し、出力ABYF2が第2所定値K2となったらステップ7に進む。
【0036】
ステップ7では、カウンタ起動フラグFtimer=Falseとして(解除して)時間計測を終了し、これまで(ステップ5〜7まで)に計測された時間をTimer2(=ΔT2)とする。
【0037】
ステップ8では、計測時間Timer2と所定の基準値T2とを比較する。計測時間Timer2が基準値T2を下回っている場合は排気浄化触媒12が劣化していると判断し、ステップ9に進んで劣化フラグF_ATS_NG=True(劣化あり)として処理を終了する。
【0038】
一方、計測時間Timer2が基準値T2以上である場合は排気浄化触媒12が正常であると判断し、ステップ10に進んで劣化フラグF_ATS_NG=False(劣化なし)として処理を終了する。
【0039】
なお、以上説明したフローチャートは、本発明の基本概念を示すためのものであり、実際には、上記ステップ2、3、4、6において、例えば所定時間が経過しても出力ABYF1、ABYF2が第1所定値K1又は第2所定値K2とならないような場合には、処理を終了するように構成される。
【0040】
この参考例によると、リッチスパイク制御によって排気浄化触媒12に吸収されていたNOxを放出還元が終了した後に、上流側空燃比センサ21の出力がリーン空燃比を示す第2所定値となった時点から、下流側空燃比センサ22の出力がリーン空燃比を示す第2所定値となるまでの応答遅れ時間Timer2と、所定の基準値T2と、を比較して排気浄化触媒12の劣化を判定するので、吸収されているNOxの影響を排除し、また、還元作用が終了しているので、空燃比制御のバラツキによる影響も最小限に抑えることができる。
【0041】
すなわち、図4に示すように、本参考例で劣化判定に用いるリーン側応答遅れ時間ΔT2は、従来の劣化判定に用いる応答遅れ時間ΔT1に比べて(図5)、リッチスパイク制御時の空燃比のバラツキ(λの変動)やリッチスパイク制御の間隔(吸収されているNOx量)が変化しても、排気浄化触媒12の新品時、劣化時の双方においてそのバラツキが小さいので、安定した劣化判定を行うことが可能となる。
【0042】
また、上記排気浄化触媒12の劣化判定を圧縮自着火エンジンに適用することで、ディーゼルエンジンにおいてリッチスパイク制御によるNOxの放出還元処理と劣化判定とを同時に行うことができる。
【0043】
次に、本発明の実施形態に係る劣化判定について説明する。
この実施形態では、リッチスパイク制御を行った際に、まず、上流側空燃比センサ21の出力がリッチ空燃比を示す第1所定値K1に変化した時点から、下流側空燃比センサ22の出力がリッチ空燃比を示す第1所定値K1となるまでの応答遅れ時間(リッチ側応答遅れ時間)ΔT1を計測し、このリッチ側応答遅れ時間ΔT1に基づいて第1の劣化判定を行う。そして、かかる第1の劣化判定により劣化している判定された場合には、更に、リッチスパイク制御によるNOx放出還元処理の終了後にエンジン1に供給する混合気の空燃比をリーンに切り替え、その後に、上流側空燃比センサ21の出力がリーン空燃比を示す第2所定値K2に変化した時点から、下流側空燃比センサ22の出力がリーン空燃比を示す第2所定値K2となるまでの応答遅れ時間(リーン側応答遅れ時間)ΔT2を計測し、このリーン側応答遅れ時間ΔT2に基づいて第2の劣化判定を行う。
【0044】
図6は、本発明の実施形態に係る劣化判定のフローチャートであり、所定時間毎に実行される。図6において、ステップ21は、前記第1実施形態におけるステップ1と同じであり、リッチスパイク実行フラグFrichが設定されていない場合(Frich=False)は、劣化判定を行うことなく処理を終了する。
【0045】
ステップ22では、上流側空燃比センサ21の出力ABYF1が第1所定値K1(=0.97)となったか否かを判定し、出力ABYF1が第1所定値K1となったら、すなわち、リッチ空燃比を示す値に変化したらステップ23に進む。
【0046】
ステップ23では、カウンタ起動フラグFtimer=Trueとして(設定して)時間計測を開始する。
ステップ24では、下流側空燃比センサ22の出力ABYF2が第1所定値K1(=0.97)となったか否かを判定し、出力ABYF2が第1所定値K1となったら、すなわち、リッチ空燃比を示す値に変化したらステップ25に進む。
【0047】
ステップ25では、カウンタ起動フラグFtimer=Falseとして時間計測を終了し、これまで(ステップ22〜25まで)に計測された時間を第1計測時間Timer1(=ΔT1)とする。
【0048】
ステップ26では、第1計測時間Timer1と所定の第1基準値T1とを比較して第1の劣化判定を行う。第1計測時間Timer1が第1基準値T1を下回っている場合は排気浄化触媒12が劣化している(可能性が高い)と判断し、ステップ27に進む。
【0049】
一方、第1計測時間Timer1が第1基準値T1以上である場合は排気浄化触媒12が正常であると判断し、ステップ33に進んで劣化フラグF_ATS_NG=False(劣化なし)として処理を終了する。
【0050】
ステップ27〜ステップ33は、上記第1の劣化判定により劣化している(可能性が高い)と判定された場合に行われる第2の劣化判定を示すものであるが、その内容は、前記第1実施形態におけるステップ4〜ステップ10と同様であるのでここでの説明は省略する。また、ステップ22、24、27、29において、例えば所定時間が経過しても出力ABYF1、ABYF2が第1所定値K1又は第2所定値K2とならないような場合には、前記第1実施形態と同様に、処理を終了するように構成される。
【0051】
この実施形態によると、まず、第1計測時間Timer(ΔT1)に基づいて第1の劣化判定を行い、この第1の劣化判定によって劣化している(可能性が高い)と判定された場合には、更に、上流側空燃比センサ21の出力がリーン空燃比を示す第2所定値K2に変化した時点から、下流側空燃比センサ22の出力がリーン空燃比を示す第2所定値K2となるまでの計測時間Timer2(=ΔT2)に基づいて第2の劣化判定を行う。
【0052】
このため、第1の劣化判定では、排気浄化触媒12が劣化していないこと(正常であること)のみを確実に判定できればよく、リッチ側応答遅れ時間に対する第1基準値T1の設定が容易である。また、正常な排気浄化触媒12に対する処理時間を短縮できる。
【0053】
そして、第1の劣化判定により劣化している(可能性が高い)と判定された場合には、空燃比のバラツキやNOx吸収量のバラツキによる影響の少ないリーン側応答遅れ時間(Timer2)を用いて劣化判定を行うことにより、誤判定を防止してより精度の高い劣化判定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の参考例に係る劣化判定のフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施形態に係る劣化判定のフローチャートである。
【図4】参考例の劣化判定に用いる応答遅れ時間ΔT2のバラツキを示す図である。
【図5】従来の劣化判定に用いる応答遅れ時間ΔT1のバラツキを示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る劣化判定のフローチャートである。
【図7】従来の劣化判定に用いる応答遅れ時間ΔT1を示す図である。
【符号の説明】
6…電子制御スロットルバルブ、7…内燃機関(エンジン)、8…燃料噴射弁、12…排気浄化触媒、14…EGR弁、20…C/U、21…上流側空燃比センサ、22…下流側空燃比センサ、23…AFM、25…クランク角センサ、26…アクセル開度センサ

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気系に設けられ、流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中の酸素を貯蔵すると共に排気中のNOxを吸収し、流入する排気の空燃比がリッチのときに貯蔵した酸素を放出すると共に吸収したNOxを放出還元する機能を有する排気後処理装置と、
    前記排気後処理装置の上流側に設けられ、排気空燃比に応じて出力が変化する第1空燃比検出手段と、
    前記排気後処理装置の下流側に設けられ、排気空燃比に応じて出力が変化する第2空燃比検出手段と、
    機関に供給される混合気の空燃比をリーンからリッチに切り替えて前記排気後処理装置に吸収されたNOxの放出還元処理を実行するNOx放出還元処理手段と
    前記NOxの放出還元処理が実行され、前記第1空燃比検出手段の出力が、排気空燃比がリーンからリッチになったことを示す第1所定値に変化した時点から、前記第2空燃比検出手段の出力が前記第1所定値に変化する時点までのリッチ側応答遅れ時間を計測するリッチ側応答遅れ時間計測手段と、
    前記リッチ側応答遅れ時間に基づいて前記排気処理装置の劣化判定を行う第1劣化判定手段と、
    前記第1劣化判定により前記排気後処理装置が劣化していると判定された場合であって、前記NOxの放出還元処理が終了して空燃比リッチからリーンへと切り替えられた後に、前記第1空燃比検出手段の出力が、排気空燃比がリッチからリーンになったことを示す第2所定値に変化した時点から、前記第2空燃比検出手段の出力が前記第2所定値に変化する時点までのリーン側応答遅れ時間を計測するリーン側応答遅れ時間計測手段と、
    前記リーン側応答遅れ時間に基づいて前記排気後処理装置の劣化判定を行う第2劣化判定手段と、
    を備えることを特徴とする排気後処理装置の劣化判定装置。
  2. 前記内燃機関は、圧縮自着火機関であることを特徴とする請求項記載の排気後処理装置の劣化判定装置。
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