JP2002030927A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2002030927A JP2000216450A JP2000216450A JP2002030927A JP 2002030927 A JP2002030927 A JP 2002030927A JP 2000216450 A JP2000216450 A JP 2000216450A JP 2000216450 A JP2000216450 A JP 2000216450A JP 2002030927 A JP2002030927 A JP 2002030927A
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尚史 曲田
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Yukihiro Tsukasaki
之弘 塚崎
Hiroki Matsuoka
広樹 松岡
Kotaro Hayashi
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Shinobu Ishiyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】NOx吸収剤によるNOx還元浄化用に用いら
れる還元剤およびSOx被毒回復処理用燃料が、排気ポ
ートに付着した場合にまたは付着防止用にそれら還元剤
等の蒸発を促進する手段を用いることで、NOx還元浄
化やSOx被毒回復処理を効果的に行うこと。 【解決手段】排気管16に設けられこの排気管16を流
れる排気ガス中のNOxを吸収する吸蔵還元型NOx触
媒17と、吸蔵還元型NOx触媒17に燃料添加を行う
燃料添加ノズル19と、この燃料添加ノズル19による
燃料添加の要否を判断する燃料添加判断手段としてのE
CU9と、添加燃料の蒸発を促進する蒸発促進手段とを
備え、燃料添加判断手段であるECU9により燃料添加
要の判断がなされたことにより燃料添加ノズル19を作
動して吸蔵還元型NOx触媒17への燃料添加を前記蒸
発促進手段であるECU9により前記添加燃料の蒸発を
促進させつつ行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希薄燃焼可能な内
燃機関(以下「希薄燃焼式内燃機関」という。)から排
出される排気ガス中の有害成分を浄化する排気浄化装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】希薄燃焼式内燃機関はその通常運転時に
おける排気ガスの空燃比がリーンであるため排気中に残
存酸素が多く、従来型のガソリンエンジンで普及してい
る三元触媒を利用した排気浄化は原理的に困難である。
【0003】そこで希薄燃焼式内燃機関では選択還元型
NOx触媒やリーンNOx触媒等のNOx吸収剤を用いて
排気浄化を行う。
【0004】前者の選択還元型NOx触媒は、これが酸
素過剰の雰囲気下にあるときに炭化水素(HC)を添加
することでNOxを還元または分解する触媒である。し
たがって、選択還元型NOx触媒を用いた希薄燃焼式内
燃機関のNOx浄化にはHC成分からなる還元剤を供給
する必要がある。還元剤としては、通常、機関燃料が適
用される。
【0005】後者の吸蔵還元型NOx触媒は、この触媒
への流入排気ガスの空燃比がリーンのときに窒素酸化物
(以下「NOx」という。)を吸収し、流入排気ガスの
酸素濃度が低下すると吸収したNOxを放出し、この放
出されたNOxに還元剤を添加することで窒素(以下
「N2」)等に還元浄化する触媒である。
【0006】希薄燃焼式内燃機関は既述のようにその通
常運転時における排気ガスの空燃比がリーンであるから
このような吸蔵還元型NOx触媒を希薄燃焼式内燃機関
に用いると、排気ガス中のNOxは吸蔵還元型NOx触媒
によって吸収される。
【0007】しかしリーン空燃比の排気ガスを吸蔵還元
型NOx触媒に供給し続けるとそのNOx吸収能力が限界
に達してそれ以上にNOxを吸収できない飽和状態とな
り、NOxがリーンNOx触媒からリークしてしまうこ
とが考えられる。
【0008】そこで、前記飽和状態になる前に所定タイ
ミングで流入排気ガスの空燃比をリッチにして酸素濃度
を極度に低下させて前記リークを防止しNOx吸収能力
を回復するようにしている(以下「吸蔵還元型NOx触
媒の再生」という。)。
【0009】なお、前記NOx吸収剤への還元剤の供給
は、排気ポートに備え付けたノズルから、内燃機関の運
転状態に応じて連続的あるいは間欠的に機関燃料を噴射
することで行う。
【0010】一方、吸蔵還元型NOx触媒に排気ガスを
流し続けると、当該触媒は、燃料に含まれている硫黄分
が燃焼した際の硫黄酸化物(以下「SOx」という。)
の生成に起因したNOx吸収能力の低下現象、いわゆる
SOx被毒を引き起こす。このため、SOx被毒の状態
にある吸蔵還元型NOx触媒は、SOx被毒からの回復
処理(以下特に断らない限り「被毒回復処理」とい
う。)を行う必要がある。
【0011】被毒状態にある吸蔵還元型NOx触媒を回
復させるには、吸蔵還元型NOx触媒を再生する場合よ
りも大幅に高い温度(例えば、600〜650゜C)に
保持し、かつNOx触媒に流入する排気ガスの空燃比
(以下「排気空燃比」という。)を理論空燃比あるいは
リッチ空燃比にする必要がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】排気空燃比を理論空燃
比やリッチ空燃比にするにあたって、前記排気ポートに
備え付けの燃料添加ノズルからNOx触媒の還元浄化用
以外に被毒回復処理用として機関燃料を噴射する場合が
あるが、排気管のうち噴射燃料が直接当たる部位(排気
ポートやエキゾーストマニホルド)では前記機関燃料が
付着してしまい、その結果、NOx触媒の還元浄化やS
Ox被毒回復用に吸蔵還元型NOx触媒に供給されるべ
き量の燃料が不足してしまうことが考えられる。
【0013】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、その解決しようとする課題は、例えばNOx吸
収剤によるNOx触媒の還元浄化用の還元剤およびSO
x被毒回復処理用燃料が、排気ポートに付着した場合に
または付着防止用にそれら還元剤等の蒸発を促進する手
段を用いることで、NOxの還元浄化やSOx被毒回復
処理を効果的に行うことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明内燃機関の排気浄化装置は、次の手段を講じ
た。
【0015】(1)本発明内燃機関の排気浄化装置は、
機関排気通路に設けられこの機関排気通路を流れる排気
ガスのNOxを吸収するNOx吸収剤と、前記NOx吸
収剤へ燃料添加を行う燃料添加手段と、この燃料添加手
段による燃料添加の要否を判断する燃料添加判断手段
と、添加燃料の蒸発を促進する蒸発促進手段とを備え、
前記燃料添加判断手段により燃料添加要の判断がなされ
たことにより前記燃料添加手段を作動して前記NOx吸
収剤への燃料添加を前記蒸発促進手段により前記添加燃
料の蒸発を促進させつつ行う。
【0016】ここで、内燃機関全体の制御を行うECU
について簡単に述べるとともに、本項の構成要素につい
て説明する。
【0017】ECUは、周知のごとくデジタルコンピュ
ータからなり、双方向性バスによって相互に接続した、
中央処理制御装置であるCPU,読み出し専用メモリで
あるROM,ランダムアクセスメモリであるRAM,入
力ポート,出力ポート等から構成する。
【0018】入力ポートは、内燃機関や車輌に取り付け
た各種センサと電気的に接続され、これら各種センサの
出力信号が入力ポートを介してECU内に入ると、これ
ら各センサに係るパラメータは一時的にRAMに記憶さ
れる。
【0019】そして、CPUは双方向性バスを通じてR
AMに記憶しておいた前記パラメータを必要に応じて呼
び出し、これらのパラメータに基づいてCPUが必要と
する演算処理を行い、この演算処理の結果、出力ポート
を介して内燃機関の各種構成部材が作動する。
【0020】「NOx吸収剤」としては、吸蔵還元型N
Ox触媒等を例示できる。当該触媒に用いるNOx浄化
用の還元剤は、軽油やガソリンなどHC成分を含むも
の、すなわち内燃機関の燃焼用に用いる機関燃料を兼用
するとよい。
【0021】「燃料添加手段」としては、機関燃料を噴
出するノズルおよびその関連部材である燃料ポンプ,燃
料パイプ,ノズルから噴射される機関燃料量を制御する
制御弁,および前記制御弁の作動制御を実現するアプリ
ケーションプログラムを例示できる。前記アプリケーシ
ョンプログラムの実行はCPUによってなされCPUの
属性はECUにある。
【0022】「燃料添加判断手段」としては、機関運転
状態の履歴からNOx吸収剤に吸収されたNOx量を推
定し、その推定NOx量が予め設定した所定値に達した
ときに燃料添加時期と判断するように設定されたアプリ
ケーションプログラムを挙げられる。前記アプリケーシ
ョンプログラムの実行はCPUによってなされCPUの
属性はECUにある。よって、ECUのことを燃料添加
判断手段ということもできる。
【0023】その燃料の添加量をどれだけかにするかは
推定NOx量によって異なり、その推定NOx量に合わ
せて所定時間だけ燃料添加手段を作動して所定量の燃料
を排気ガス中に供給し、NOx吸収剤に流入する排気ガ
ス中の酸素濃度を低下させ、NOx吸収剤に吸収された
NOxを放出させ、N2に還元する。
【0024】「蒸発促進手段」としては、燃料の防止を
効果的に図ることができるものであれば特にこだわらな
い。
【0025】「内燃機関」としては、希薄燃焼式のリー
ンバーンガソリンエンジンや圧縮着火式のディーゼルエ
ンジンを例示できる。
【0026】このような構成の本発明内燃機関の排気浄
化装置では、燃料添加判断手段により燃料添加要の判断
がなされよって燃料添加手段が作動すると、排気管のう
ち噴射燃料が直接当たる排気ポートやエキゾーストマニ
ホルドでは前記機関燃料が付着するようになるが、蒸発
促進手段により添加燃料の蒸発を促進する状態で燃料添
加手段を作動するので、排気ポートやエキゾーストマニ
ホルドへの噴射燃料の付着を防止できる。この結果、N
Ox還元浄化やSOx被毒回復処理に本来必要な量の前
記燃料や還元剤が不足することがないので、NOx還元
浄化やSOx被毒回復処理を効果的に行える。
【0027】(2)前記蒸発促進手段は前記燃料添加手
段とともに機能するようにしてもよい。この場合、燃料
添加手段の使用によって添加燃料がNOx吸収剤に添加
されるとともに添加燃料の蒸発を促進する前記蒸発促進
手段が機能するので、排気ポートやエキゾーストマニホ
ルドへの噴射燃料の付着することがない。
【0028】(3)好ましくは前記蒸発促進手段は前記
燃料添加手段の使用前から機能するようにすると好適で
ある。
【0029】この場合、燃料添加手段から燃料がNOx
吸収剤に添加される前から添加燃料の蒸発を促進する蒸
発促進手段が機能するので、添加された燃料は即座に蒸
発するようになるので排気ポートやエキゾーストマニホ
ルドへの噴射燃料の付着を一層防止できる。
【0030】(4)前記燃料添加手段から噴出した燃料
が直接当たる部分に前記蒸発促進手段を設けることが好
ましい。排気管のうち燃料が直接当たる前記部分に燃料
が一番付着し易い傾向にあるからである。
【0031】(5)前記蒸発促進手段は、前記機関排気
通路内表面に熱伝導率の低い物質を備えてなるものでも
よい。熱伝導率は周知のごとく熱の伝わり易さを表す物
質定数であるから、熱伝導率が低い物質を機関排気通路
内表面に備えればそこに熱がこもるので、機関排気通路
内表面のうち熱伝導率が低い物質を具備した部分は具備
していない箇所よりも高温になる。よって、当該部分で
は燃料の蒸発が促進されるためそこに燃料が付着するこ
とはない。
【0032】(6)前記蒸発促進手段は、前記機関排気
通路内表面のうち前記ノズルから噴出した燃料が直接当
たる部分を熱抵抗体で画成してなるものでもよい。前記
機関排気通路内表面のうち燃料が直接当たる部分を熱抵
抗体で画成すれば、当該画成された部分からの放熱が少
なくなるので、当該画成箇所は高温になり、燃料の蒸発
が促進されるため、当該部分に燃料が付着することはな
い。
【0033】(7)前記蒸発促進手段は、前記機関排気
通路内表面のうち前記ノズルから噴出した燃料が直接当
たる部分を排気ガス熱の対流による集熱箇所となるよう
に前記燃料が直接当たる部分を形成することもできる。
集熱によって高温になるのでやはり燃料の付着を防止で
きる。
【0034】(8)ヒータを前記蒸発促進手段として適
用するとともに前記NOx吸収剤への燃料添加実行前か
ら前記ヒータを作動するようにしてもよい。この場合、
ヒータの設置によって当該設置個所が高温になるのでや
はり燃料の付着を防止できる。
【0035】(9)前記ヒータは、機関排気通路のうち
排気集合管であるエキゾーストマニホルド全体を暖める
ことが好ましい。このようにすることで機関排気通路の
広範囲に亘って燃料の付着を防止できるからである。
【0036】(10)前記蒸発促進手段は、前記ノズル
に前記添加燃料噴霧用の空気を導入する空気導入通路を
備えたものであってもよい。燃料が空気によって攪拌さ
れるようになり、燃料の微粒子化が促進されるので、そ
れだけ燃料が蒸発し易くなるからである。
【0037】(11)機関排気通路に設けられこの機関
排気通路を流れる排気ガス中のNOxを吸収するNOx
吸収剤と、前記NOx吸収剤へ燃料添加を行う燃料添加
手段と、この燃料添加手段による燃料添加の要否を判断
する燃料添加判断手段と、エンジンの排気系から吸気系
に排気ガスを再循環する排気再循環装置と、機関吸気通
路に取り付けられ吸入空気量を制御する吸気絞り弁とを
備え、前記燃料添加判断手段により燃料添加要の判断が
なされたことにより前記燃料添加手段を作動して前記N
Ox吸収剤への燃料添加を行う場合には前記内燃機関の
停止を行うに際し事前に前記排気再循環装置の作動を停
止しかつ前記吸気絞り弁を全開することでも対応でき
る。
【0038】この場合「NOx吸収剤」,「燃料添加手
段」,「燃料添加判断手段」,「内燃機関」は、前記
(1)項で述べたものと同じであるので説明を省略す
る。
【0039】「排気再循環装置」は、機関排気系から吸
気系に排気ガスを再循環する装置であって、主要構成部
品として排気系と吸気系とを機関本体をバイパスして結
ぶバイパス通路であるEGR通路を備える。また、EG
R通路は、その内部を排気系側から吸気系側に流れる排
気ガス(以下「EGRガス」という。)の量を制御する
制御弁(以下「EGRバルブ」という。)やEGR通路
を通るEGRガスの温度を下げるEGRクーラを設けて
ある。
【0040】このような構成の本発明内燃機関の排気浄
化装置では、エンジンの排気系から吸気系に排気ガスを
再循環する排気再循環装置を備え、前記燃料添加判断手
段により燃料添加要の判断がなされたことにより前記燃
料添加手段を作動して前記NOx吸収剤への燃料添加が
された場合には前記内燃機関の停止を行うに際し事前に
前記排気再循環装置の作動を停止しかつ前記吸気絞り弁
を全開するので、排気再循環装置を用いて排気再循環を
行っている場合に比して排気ガス量が増大する。よっ
て、燃料が排気ガスによって攪拌されるようになり、前
(10)項で述べたように燃料の微粒子化が促進され
る。このためそれだけ燃料が蒸発し易くなって燃料の付
着を防止できる。この結果、NOx還元浄化やSOx被
毒回復処理に本来必要な量の前記燃料や還元剤が不足す
ることがないので、NOx還元浄化やSOx被毒回復処
理を効果的に行える。
【0041】(12)機関排気通路に設けられこの機関
排気通路を流れる排気ガス中のNOxを吸収するNOx
吸収剤と、前記NOx吸収剤へ燃料添加を行う燃料添加
手段と、この燃料添加手段による燃料添加の要否を判断
する燃料添加判断手段と、前記機関排気通路の内壁温度
を検出する壁温検出手段と、前記燃料添加判断手段によ
り燃料添加要の判断がなされたことにより前記燃料添加
手段を作動して前記NOx吸収剤への燃料添加の必要を
生じた場合でも前記壁温検出手段による検出値が所定値
以上にならなければ前記燃料添加手段の作動制御を行わ
ない制御手段とを備えるようにしてもよい。
【0042】この場合「NOx吸収剤」,「燃料添加手
段」,「燃料添加判断手段」,「内燃機関」は、前記
(1)項で述べたものと同じであるので説明を省略す
る。
【0043】「壁温検出手段」としては、例えば壁温を
温度センサで測定することが挙げられるが、例えば前記
読み出し専用メモリROMに記憶され、縦軸に排気温度
をとり横軸に吸入空気量Gaをとってなる温度検出マッ
プから推定する手法を挙げられる。
【0044】「所定値」とは、燃料添加手段によって、
排気管のうち噴射燃料が直接当たる排気ポートやエキゾ
ーストマニホルドに機関燃料が付着すると即座に蒸発を
促進するに十分な温度値を意味する。
【0045】このような構成の本発明内燃機関の排気浄
化装置では、前記燃料添加判断手段により燃料添加要の
判断がなされよって前記燃料添加手段により前記NOx
吸収剤への燃料添加の必要を生じた場合であっても前記
壁温検出手段による検出値が所定値以上にならなければ
前記制御手段によって前記燃料添加手段の作動制御が実
行されないので、排気ポートやエキゾーストマニホルド
への噴射燃料の付着を防止できる。この結果、NOx還
元浄化やSOx被毒回復処理に本来必要な量の前記燃料
や還元剤が不足することがないので、NOx還元浄化や
SOx被毒回復処理を効果的に行える。
【0046】
【発明の実施の形態】〔第1の実施の形態〕まず、図1
を参照して内燃機関の排気浄化装置の全体構成を説明す
る。
【0047】エンジン1は直列4気筒ディーゼルエンジ
ンである。そしてこのエンジン1の各気筒の燃焼室に
は、吸気管3および吸入分岐管であるインテークマニホ
ルド2を介して吸気が導入される。
【0048】吸気管3の始端にはエアクリーナ4を設け
てあり、吸気管3の途中には、エアフローメータ5,タ
ーボチャージャ6のコンプレッサ6a,インタークーラ
7,吸気絞り弁であるスロットルバルブ8を設けてあ
る。
【0049】エアフローメータ5はエアクリーナ4を介
して吸気管3に流入する新気の空気量に応じた出力信号
をECU9に出力する。ECU9はデジタルコンピュー
タからなり、双方向バスによって相互に接続されたRO
M(リードオンリメモリ),RAM(ランダムアクセス
メモリ),CPU(セントラルプロセッサユニット),
入力ポート,出力ポートを具備し、エンジン1全体の制
御を行う。
【0050】そしてエアフローメータ5の出力信号が入
力ポートを介してECU9に入るとその出力信号に基づ
いてCPUが吸入空気量Gaを演算する。
【0051】また、エンジン1の各気筒の燃焼室にはそ
れぞれ燃料噴射弁であるインジェクタ10から燃料(軽
油)が噴射される。この燃料は、図示しない燃料タンク
から燃料ポンプ12によってポンプアップされコモンレ
ール11を介してインジェクタ10に供給される。イン
ジェクタ10による燃料噴射量も内燃機関の運転状態に
基づいてCPUが算出する。
【0052】燃料ポンプ12はエンジン1の図示しない
クランクシャフトによって駆動される。また各インジェ
クタ10の開弁時期および開弁期間は、エンジン1の運
転状態に応じてECU9によって制御される。
【0053】また、エンジン1の各気筒の燃焼室で生じ
た排気ガスは、各気筒の排気ポート13を結ぶ複数の枝
通路をまとめた形態の排気集合管であるエキゾーストマ
ニホルド14に排出される。ここで、エンジン1の気筒
番号を、図1中右端に配置された気筒を1番気筒#1と
して、左側へ順に、2番気筒#2,3番気筒#3とし、
図中左端に配置された気筒を4番気筒#4とする。
【0054】また、気筒#1〜4の排気ポートに対応す
る前記枝通路をそれぞれ符合141から144を用いて
示す。
【0055】エキゾーストマニホルド14において4番
気筒#4に対向する部位すなわちエキゾーストマニホル
ド14の一端部分には、当該部分および排気管16上に
設置した過給機であるターボチャージャ6を接続する接
続管15を配管してある。接続管15によって排気ガス
をターボチャージャ6のタービン6bに導く。タービン
6bは排気ガスによって回転しタービン6bと連結して
あるコンプレッサ6aを作動して吸気を昇圧する。な
お、排気ポート13から排気管16の終端までを機関排
気通路ということにする。
【0056】排気ガスはタービン6bを経由して排気管
16におけるタービン6bの設置箇所よりも下流側に排
出された図示しないマフラーを経由して大気に排出され
る。排気管16の途中には、吸蔵還元型NOx触媒(N
Ox吸収剤)17を包蔵した触媒コンバータ18を備え
ている。吸蔵還元型NOx触媒17については後で詳述
する。なお、吸蔵還元型NOx触媒17の代わりに選択
還元型NOx触媒を用いてもよい。
【0057】また、エンジン1のシリンダヘッド30に
は、4番気筒#4の排気ポート13に臨ませて燃料添加
ノズル19を取り付けてある。換言すれば、燃料添加ノ
ズル19をエキゾーストマニホルド14の一端部分に最
寄りの一気筒である4番気筒#4の排気ポートに設置し
燃料添加ノズル19には、燃料ポンプ12でポンプアッ
プされた燃料が、燃料パイプ20およびシリンダヘッド
30に設けた燃料通路21を介して供給可能になってお
り、燃料パイプ20の途中に設けた制御弁22により燃
料添加ノズル19から吐出される燃料の量を制御する。
なお、制御弁22はECU9によりその開閉および開度
制御を行う。
【0058】図2は図1のII−II線縦断面であり、
図3は図1の要部拡大図であり、図3の×印で示す箇所
は燃料添加ノズル19の吐出口の位置を意味する。図2
および図3からわかるように、燃料添加ノズル19はそ
の吐出口から噴射する燃料が接続管15に向かうように
取り付けてある。
【0059】この実施の形態において、燃料ポンプ1
2,燃料パイプ20,燃料添加ノズル19から噴射され
る機関燃料量を制御する制御弁22,燃料通路21,燃
料添加ノズル19および制御弁22の作動制御延いては
燃料添加ノズル19からの燃料噴射を実現する周知のア
プリケーションプログラムは、還元剤添加手段を構成す
る。なお、還元剤としては、一般に、機関燃料を使用す
る場合が多い。よって還元剤添加手段は燃料添加手段と
もいえこの明細書では以降還元剤添加手段を燃料添加手
段ということにする。またこの実施形態では内燃機関が
ディーゼルエンジンであるのでその燃料である例えば軽
油を還元剤として使用する。
【0060】燃料添加ノズル19から還元剤が吐出する
ので燃料添加ノズル19を燃料添加手段の吐出口という
こともできる。燃料添加手段の吐出口である燃料添加ノ
ズル19は、機関排気通路のうち吸蔵還元型NOx触媒
17の設置箇所よりも上流に設けられているので吸蔵還
元型NOx触媒17に燃料添加がなされるようになる。
また前記燃料添加手段による燃料添加の要否は次に述べ
る燃料添加判断手段によって判断する。
【0061】燃料添加判断手段とは、機関運転状態の履
歴からNOx吸収剤に吸収されたNOx量を推定し、そ
の推定NOx量が予め設定した所定値に達したときに燃
料添加時期と判断するように設定された周知のアプリケ
ーションプログラムを挙げられる。このアプリケーショ
ンプログラムの実行はCPUによってなされCPUの属
性はECU9にある。よって、ECU9のことを燃料添
加判断手段ということもできる。
【0062】その燃料の添加量をどれだけかにするかは
推定NOx量によって異なり、その推定NOx量に合わ
せて所定時間だけ燃料添加手段を作動して所定量の燃料
を排気ガス中に供給し、吸蔵還元型NOx触媒17に流
入する排気ガス中の酸素濃度を低下させ、吸蔵還元型N
Ox触媒17に吸収されたNOxを放出させ、N2に還元
する。
【0063】また、エキゾーストマニホルド14におい
て1番気筒#1に対向する部位である他端部分には、排
気ガスの一部を吸気系に戻すための排気還流管(以下、
EGR管と略す)23の一端口である排気吸込口23a
を接続してあり、EGR管23の他端は吸気系を構成す
るインテークマニホルド2に接続してある。この他端部
分に排気吸込口23aを接続することで当該部分に各気
筒から流入した排気ガスが集合する。
【0064】またEGR管23の途中にはEGRクーラ
24とEGRバルブ25を設けてある。
【0065】EGRクーラ24はEGRガスと機関冷却
液との間で熱交換を行う熱交換器であり、その内部には
機関冷却液が通る図示しない機関冷却液管路とこの機関
冷却液管路にEGRガスが直に接した状態でEGRガス
を通す図示しないEGRガス通路管を備えている。そし
て、機関冷却液が前記機関冷却液管路を流れている時に
EGRガスが機関冷却液管路に接することでEGRガス
の温度を吸収しEGRガスの温度を下げる。
【0066】EGRバルブ25は、エンジン1の運転状
態に応じてECU9によって開度制御され、EGR率を
制御する。EGR管23とEGRクーラ24とEGRバ
ルブ25は排気再循環装置(EGR)100を構成す
る。
【0067】また、排気管16において触媒コンバータ
18の直ぐ下流には、触媒コンバータ18から流出する
排気ガスの温度(以下「排気温度」という。)Texに
対応した出力信号を出力し、この出力信号を入力ポート
を介してECU9に入れる排気温センサ17aを設けて
ある。排気温センサ17aにより触媒が有効に機能する
かどうかの判断の目安となる活性温度等、吸蔵還元型N
Ox触媒17に関する温度を検出する。
【0068】そして、CPUは、エンジン1の運転状態
(エンジン回転数Neおよびエンジン負荷Qfin)に
基づいて要求される燃料添加ノズル19からの噴射燃料
量(以下「要求添加燃料量」という。)Qexinjや
排気温度Texを演算する。また排気温度Texと前記
吸入空気量Gaとからエキゾーストマニホルド14の内
壁温度Texmwを演算する。内壁温度Texmwを求
めるには、温度センサ(図示せず)を用いてもよいが、
例えば前記読み出し専用メモリROMに記憶され、縦軸
に排気温度Texをとり横軸に吸入空気量Gaをとって
なる温度検出マップから推定する手法を挙げられる。こ
れら温度センサや温度検出マップを壁温検出手段と総称
できる。なお、温度検出マップを壁温検出手段として用
いる場合、温度検出マップは読み出し専用メモリROM
に記憶され、読み出し専用メモリROMの属性はECU
9にあるのでECU9を壁温検出手段といってもよい。
【0069】また、ECU9の入力ポートには、アクセ
ル開度センサ26からの入力信号と、クランク角センサ
27からの入力信号が入る。アクセル開度センサ26は
スロットルバルブ8の開度に比例した出力電圧をECU
9に出力し、ECU9はアクセル開度センサ26の出力
信号に基づいてエンジン負荷Qfinを演算する。クラ
ンク角センサ27はクランクシャフトが一定角度回転す
る毎に出力パルスをECU9に出力し、ECU9はこの
出力パルスに基づいてエンジン回転数Neを演算する。
【0070】これらエンジン負荷Qfinとエンジン回
転数Neによってエンジン1の運転状態が判別され、E
CU9はその運転状態に応じてインジェクタ10の開弁
時期、開弁期間を制御する。
【0071】触媒コンバータ18に収容された吸蔵還元
型NOx触媒17は、例えばアルミナAl2O3を担体
とし、この担体上に例えばカリウムK,ナトリウムN
a,リチウムLi,セシウムCsのようなアルカリ金
属,バリウムBa,カルシウムCaのようなアルカリ土
類,ランタンLa,イットリウムYのような希土類から
選ばれた少なくとも一つと、白金Ptのような貴金属と
が担持されてなる。
【0072】このNOx触媒17は、排気空燃比が理論
空燃比よりもリーンのときはNOxを吸収し、排気空燃
比が理論空燃比あるいはそれよりもリッチになって流入
排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸収したNOxをN
2またはNOとして放出するNOxの吸放出作用を行
う。そして、NOx触媒17から放出されたNOx(NO
2またはNO)は直ちに排気ガス中の未燃HCやCOと
反応してN2に還元される。
【0073】したがって、排気空燃比を適宜に制御すれ
ば排気ガス中のHC,CO,NOxを浄化できることに
なる。
【0074】尚、ここでは排気空燃比は、排気管16の
うちNOx触媒17を含む触媒コンバータ18の上流側
箇所やエンジン燃焼室,吸気通路等にそれぞれ供給され
た空気量の合計と燃料(炭化水素)量の合計の比を意味
するものとする。したがって、触媒コンバータ18より
も上流箇所の排気管16内に燃料,還元剤あるいは空気
が供給されない場合には、排気空燃比はエンジン燃焼室
内に供給される混合気の空燃比に一致する。
【0075】ところで、ディーゼルエンジンの場合は、
ストイキ(理論空燃比:A/F=14〜15)よりもは
るかにリーン域で燃焼を行うので、通常の機関運転状態
ではNOx触媒17に流入する排気ガスの空燃比は非常
にリーンであり、排気ガス中のNOxはNOx触媒17に
吸収され、NOx触媒17から放出されるNOx量は極め
て少なくなる。
【0076】一方ガソリンエンジンの場合は、燃焼室に
供給する混合気をストイキまたはリッチ空燃比にするこ
とにより排気ガスの空燃比を理論空燃比またはリッチ空
燃比にし、排気ガス中の酸素濃度を低下させて、NOx
触媒に吸収されているNOxを放出することができる。
しかし、ディーゼルエンジンにおいてはその燃焼室に供
給する混合気をストイキまたはリッチ空燃比にすると、
燃焼の際に煤が発生するなどの問題がありよってガソリ
ン車なみの空燃比での使用はできない。
【0077】したがって、ディーゼルエンジンでは、N
Ox触媒17のNOx吸収能力が飽和する前に所定のタイ
ミングで、排気ガス中に還元剤を供給して排気ガス中の
酸素濃度を低下し、NOx触媒17が吸収していたNOx
を放出し還元する必要がある。
【0078】そのため、この実施の形態では、ECU9
によりエンジン1の運転状態の履歴からNOx触媒17
が吸収していたNOx量を推定し、その推定NOx量が予
め設定しておいた所定値に達したときに、所定時間だけ
制御弁22を開弁して所定量の燃料を燃料添加ノズル1
9から排気ガス中に噴射し、NOx触媒17に流入する
排気ガス中の酸素濃度を低下させ、NOx触媒に吸収さ
れていたNOxを放出し、N2に還元する。すなわちエン
ジン1の作動状態に応じて前記燃料添加手段による燃料
添加実行の要否を判断する。
【0079】この判断は、ECUのROMに記憶され、
燃料添加手段の作動制御を実現する図示しない周知のア
プリケーションプログラムの採用によって実現する。そ
してこのアプリケーションプログラムの実行にあたって
エンジン回転数Neとエンジン負荷Qfinの関数とし
て予めROM内に記憶してあるエンジン回転数−負荷マ
ップを適用する。
【0080】詳しくは、エンジン1の作動状態に基づい
てエンジン回転数−負荷マップからEGR管を介した再
循環ガスの循環割合であるEGR率を求め、この求めた
EGR率がある所望の範囲にある場合はCPUが燃料添
加実行時と判断して燃料添加ノズル19から軽油等の還
元剤を排気ガス中に噴射し、当該所望の範囲にない時は
燃料添加非実行時と判断して燃料添加ノズル19からの
還元剤の噴射を止める。このような燃料添加実行判断は
CPUやROMに属するアプリケーションプログラムや
前記マップに基づいてなされ、CPUやROMの属性は
ECUにあるので、ECU9のことを燃料添加判断手段
ということにする。
【0081】燃料添加判断手段であるECU9により燃
料添加要の判断がされた場合には燃料添加ノズル19が
放出する還元剤の吐出力を燃料ポンプのポンプ圧を高め
ることで増大するとともに燃料添加ノズル19は燃料を
接続管15に向かって噴射するようになっている。よっ
て、添加された燃料は接続管15に向けて一気にかつス
ムーズに流出するようになる。前記燃料添加判断手段で
あるECU9によって燃料添加の実行時と判断された時
に燃料添加ノズル19の動力(吐出力)を高める装置と
して、前記燃料ポンプ12およびこのポンプ12の作動
制御を行うECU9を還元剤吐出力増大手段ということ
にする。
【0082】また、燃料添加判断手段であるECU9に
より燃料添加実行の判断がされた場合には還元剤吐出力
増大手段である、ポンプ12やその作動制御を行うEC
U9が作動して前記燃料添加ノズル19から接続管15
に向けて放出される還元剤である軽油の吐出力を増大す
るので、軽油のEGR系への回り込みを一層効果的に防
止できる。
【0083】このような利便を有する一方、排気管16
のうち噴射燃料が直接当たる排気ポート13やエキゾー
ストマニホルド14では前記機関燃料が付着してしまい
(図2参照)、その結果、本来SOx被毒回復用に吸蔵
還元型NOx触媒に供給されるべき燃料量が不足してし
まうことが考えられる。
【0084】また、前記ノズルは既述のごとく機関燃料
である還元剤の供給用ノズルとしても用いられる。よっ
て前記付着現象はNOx還元浄化の実行にあたってNO
x吸収剤に供給される還元剤の不足をも招来することに
なる。
【0085】そこで、この第1実施形態では、次の手段
を講じることによってこれらの問題に対処している。
【0086】すなわち、前記燃料添加判断手段により燃
料添加要の判断がなされたことによって前記燃料添加手
段を作動して前記NOx吸収剤への燃料添加がされてい
る時に添加燃料の蒸発を促進する蒸発促進手段を燃料添
加手段の燃料添加ノズル19から噴出した燃料が直接当
たる部分である排気ポート13やエキゾーストマニホル
ド14に備えるようにしてある。
【0087】蒸発促進手段を設けることにより次の作用
効果を奏する。
【0088】燃料添加判断手段であるECU9により燃
料添加要の判断がなされたことによって燃料添加ノズル
19を含む燃料添加手段が作動すると、排気管16のう
ち噴射燃料が直接当たる排気ポート13やエキゾースト
マニホルド14では軽油等の機関燃料が付着するように
なるが、蒸発促進手段により添加燃料の蒸発が促進する
状態で燃料添加手段を作動するので、換言すれば前記蒸
発促進手段は前記燃料添加手段とともに機能するので、
排気ポート13やエキゾーストマニホルド14への噴射
燃料の付着を防止できる。この結果、NOx還元浄化や
SOx被毒回復処理に本来必要な前記燃料や還元剤が不
足することがないので、NOx還元浄化やSOx被毒回
復処理を効果的に行える。
【0089】また、蒸発促進手段の具体例としては次の
ようなものを列挙できる。
【0090】1.接続管15の内表面に熱伝導率の低い
物質(図示せず)を備える。熱伝導率は周知のごとく熱
の伝わり易さを表す物質定数であるから、熱伝導率が低
い物質を接続管15の内表面に備えればそこに熱がこも
る。よって、接続管15は機関排気通路内表面のうち前
記熱伝導率が低い物質を具備していない箇所よりも高温
になる。よって、接続管15では燃料の蒸発が促進され
るためそこに燃料が付着することはない。
【0091】2.機関排気通路内表面のうち燃料添加ノ
ズル19から噴出した燃料が直接当たる部分である排気
ポート13やエキゾーストマニホルド14を熱抵抗体
(図示せず)で画成してもよい。機関排気通路内表面の
うち燃料が直接当たる部分を熱抵抗体で画成すれば、当
該画成された部分からの放熱が少なくなるので、当該画
成箇所は高温になり、燃料の蒸発が促進される。よって
当該部分に燃料が付着することはない。
【0092】3.機関排気通路内表面のうち前記燃料添
加ノズル19から噴出した燃料が直接当たる部分である
排気ポート13やエキゾーストマニホルド14を排気ガ
ス熱の対流による集熱箇所となるように排気ポート13
やエキゾーストマニホルド14を形成する。当該箇所は
集熱によって高温になるのでやはり燃料の付着を防止で
きる。
【0093】4.図示しないヒータを前記蒸発促進手段
として適用するとともにこのヒータを前記NOx吸収剤
への燃料添加の実行とともにまたは実行前から作動す
る。
【0094】5.前記ヒータで機関排気通路のうち排気
集合管であるエキゾーストマニホルドまたは/および排
気ポートを暖める。このようにすることで機関排気通路
の広範囲に亘って燃料の付着を防止できる。
【0095】6.前記燃料添加ノズル19に前記添加燃
料噴霧用の空気を導入する空気導入通路を備えたいわゆ
るエアアシストを採用する。燃料が空気によって攪拌さ
れるようになり、燃料の微粒子化が促進されるので、そ
れだけ燃料が蒸発し易くなる。 〔第2の実施の形態〕次に、第2実施形態における内燃
機関の排気浄化装置を説明する。
【0096】この第2実施形態に係るエンジンが第1実
施形態に係るエンジン1と異なる点は、燃料添加判断手
段であるECU9により燃料添加要の判断がなされよっ
て燃料添加ノズル19を含む前記燃料添加手段により前
記吸蔵還元型NOx触媒17への燃料添加がされた場合
には前記エンジン1の停止を行うに際し事前にEGR1
00の作動を停止しかつスロットルバルブ8を全開する
点だけである。
【0097】よって、他の構成については、第1実施形
態のものと同じであるので、当該同一部分には第1実施
形態を参照されたい。
【0098】図4のフローチャートを用いて第2実施形
態に係るエンジン1の排気浄化装置の作動制御実行ルー
チンを実現するためのプログラムを説明する。
【0099】このプログラムは、以下に述べるステップ
101〜ステップ105からなる。また、これらのステ
ップからなるプログラムは、ECU11のROMに記憶
してあり必要に応じて呼び出される。前記各ステップに
おける処理は、すべてECU9のCPUによる。なお、
記号Sを用い、例えばステップ101であればS101
と省略して示す。
【0100】まずS101で点火装置である図示しない
イグニッションがOFFになったかどうかを判定し、肯
定判定すればS102に進み、否定判定すれば本制御を
終了する。
【0101】S102では、EGR100の作動を停止
するためにEGRバルブ25を閉じてEGR管23にお
ける排気ガス流を停止する。
【0102】S103ではスロットルバルブ8を全開す
る。
【0103】S104に移行する前0.5sec程の短
時間経過後にエンジンを停止する。 (変形例)なお、前記プログラムではS101にて点火
装置である図示しないイグニッションがOFFになった
かどうかの判定を行う場合について述べたが、イグニッ
ションがOFFになったかどうかの判定を行う代わりに
機関排気通路内表面のうち燃料添加ノズル19から噴出
した燃料が直接当たる部分である排気ポート13やエキ
ゾーストマニホルド14への付着量をエンジン1の運転
状態の履歴から推定し、当該推定付着量が所定値である
付着量クライテリア以上になったかどうかを判定するス
テップS201に置き換えたものである(図5参照)。
他のステップは同じであるので、図5に同一のステップ
番号を付して説明を省略する。なお推定付着量は、例え
ば次のようにして求める。
【0104】当該付着量は、排気ポートなどの壁面温度
(機関冷却液の温度測定でも代用できる。),排気管圧
力およびエンジン回転数に応じて変化するので、これら
のパラメータと付着量との関係を予め実験的に求めてお
き、それらの関係をマップ化してROMに記憶させてお
き必要に応じてCPUが呼び出すようにすることが考え
られる。
【0105】このような構成の本実施形態に係る内燃機
関の排気浄化装置では、燃料添加判断手段であるECU
9により燃料添加要の判断がなされよって燃料添加ノズ
ル19を含む前記燃料添加手段により吸蔵還元型NOx
触媒17への燃料添加がされた場合にはエンジン1の停
止を行うに際し事前にEGR100の作動を停止する。
すなわちEGRバルブ25を閉じてEGR管23におけ
る排気ガス流を停止しかつ前記スロットルバルブ8を全
開する。
【0106】したがって、EGR100を用いて排気再
循環を行っている場合に比して排気ガス量が増大するた
め、燃料が排気ガスによって攪拌されるようになり、燃
料の微粒子化が促進される。このためそれだけ燃料が蒸
発し易くなって燃料の付着を防止できる。この結果、N
Ox還元浄化やSOx被毒回復処理に本来必要な量の前
記燃料や還元剤が不足することがないので、NOx還元
浄化やSOx被毒回復処理を効果的に行える。 〔第3の実施の形態〕次に、第3実施形態における内燃
機関の排気浄化装置を説明する。
【0107】この第3実施形態に係るエンジンが第1実
施形態に係るエンジン1と異なる点は、前記燃料添加判
断手段であるECU9により燃料添加要の判断がなされ
よって前記燃料添加ノズル19を含む燃料添加手段によ
り前記吸蔵還元型NOx触媒17への燃料添加の必要を
生じた場合であっても壁温検出手段による検出値が所定
値である閾値以上にならなければ前記燃料添加手段の作
動制御を行わない制御手段を備えた点だけである。
【0108】よって、他の構成については、第1実施形
態のものと同じであるので、当該同一部分には第1実施
形態を参照されたい。
【0109】図6のフローチャートを用いて第3実施形
態に係るエンジン1の排気浄化装置の作動制御実行ルー
チンを実現するためのプログラムを説明する。
【0110】このプログラムは、以下に述べるステップ
301〜304からなる。また、これらのステップから
なるプログラムもECU11のROMに記憶してあり必
要に応じて呼び出される。また前記各ステップにおける
処理は、すべてECU9のCPUによる。
【0111】まずS301でエンジン回転数Neとエン
ジン負荷Qfinとから要求添加燃料量Qexinjと
排気温度Texを計算する。
【0112】S302では排気温度Texと前記吸入空
気量Gaとからエキゾーストマニホルド14の内壁温度
Texmwを演算する。
【0113】S303では内壁温度Texmwが閾値T
EXMWCよりも高温かどうかを判定し、肯定判定すれ
ばS304に進み否定判定すればこのルーチンを終了す
る(ここで閾値とは、燃料添加ノズル19によって、排
気管のうち噴射燃料が直接当たる排気ポート13やエキ
ゾーストマニホルド14の接続管15に機関燃料が付着
すると即座に蒸発を促進するに十分な温度値を意味す
る。)。
【0114】S303は、前記燃料添加手段により吸蔵
還元型NOx触媒17への燃料添加の必要を生じた場合
であっても前記壁温検出手段による検出値が閾値以上に
ならなければ前記燃料添加手段の作動制御を行わないよ
うにするためのステップであり、このS303を含むア
プリケーションプログラムはROMに記憶され、ROM
の属性はECU9にあるので、ECU9のことを壁温検
出手段による検出値が閾値以上にならなければ前記燃料
添加手段の作動制御を行わないようにするための制御手
段ということができる。
【0115】S304では燃料添加ノズル19を含む燃
料添加手段により噴射燃料量が要求添加燃料量Qexi
njになるようにする。
【0116】このような構成の本実施形態に係る内燃機
関の排気浄化装置では、前記燃料添加判断手段により燃
料添加要の判断がなされよって前記燃料添加手段により
前記NOx吸収剤への燃料添加の必要を生じた場合であ
っても、前記壁温検出手段による検出値が閾値以上にな
らなければ前記燃料添加手段の作動制御が実行されず、
また実行された場合は壁温検出手段による検出値が閾値
以上であるから、排気ポート13やエキゾーストマニホ
ルド14の接続管15への噴射燃料の付着を防止でき
る。この結果、NOx還元浄化やSOx被毒回復処理に
本来必要な量の前記燃料や還元剤が不足することがない
ので、NOx還元浄化やSOx被毒回復処理を効果的に
行える。
【0117】
【発明の効果】本発明にかかる内燃機関の排気浄化装置
によれば、例えばNOx吸収剤によるNOx還元浄化用
に用いられる還元剤およびSOx被毒回復処理用燃料
が、排気ポートに付着した場合にまたは付着防止用にそ
れら還元剤等の蒸発を促進する手段を用いることで、S
Ox被毒回復用またはNOx還元浄化用にNOx吸収剤
に供給される燃料や還元剤の壁面付着を防止できる。よ
ってNOx還元浄化やSOx被毒回復処理に本来必要な
前記燃料や還元剤が不足することがないので、NOx還
元浄化やSOx被毒回復処理を効果的に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる内燃機関の排気浄化装置の第
1実施形態における概略構成を示す図である。
【図2】 図1のII−II線断面図である。
【図3】 図1の要部拡大図である。
【図4】第2実施形態にかかる内燃機関の排気浄化装置
の作動制御実行ルーチンを実現するためのプログラムを
説明するフローチャートである。
【図5】 第2実施形態にかかる内燃機関の排気浄化装
置の変形例に係る作動制御実行ルーチンを実現するため
のプログラムを説明するフローチャートである。
【図6】 第3実施形態にかかる内燃機関の排気浄化装
置の変形例に係る作動制御実行ルーチンを実現するため
のプログラムを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関) 2 インテークマニホルド(吸気系) 3 吸気管 4 エアクリーナ 5 エアフローメータ 6 ターボチャージャ 6a コンプレッサ 6b タービン 7 インタークーラ 8 スロットルバルブ(吸気絞り弁) 9 ECU(燃料添加判断手段,壁温検
出手段,制御手段) 10 インジェクタ 11 コモンレール 12 燃料ポンプ(燃料添加手段の構成部
材) 13 排気ポート 14 エキゾーストマニホルド 15 接続管 16 排気管(機関排気通路) 17 吸蔵還元型NOx触媒(NOx吸収剤) 17a 触媒温度センサ 18 触媒コンバータ 19 燃料添加ノズル(燃料添加手段の構成
部材) 20 燃料パイプ(燃料添加手段の構成部
材) 21 燃料通路(燃料添加手段の構成部材) 22 制御弁(燃料添加手段の構成部材) 23 EGR管 23a 排気吸込口 24 EGRクーラ 25 EGRバルブ 26 アクセル開度センサ 27 クランク角センサ 30 シリンダヘッド 100 EGR(排気再循環装置) 141 枝通路 142 枝通路 143 枝通路 144 枝通路 #1 1番気筒 #2 2番気筒 #3 3番気筒 #4 4番気筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/24 F01N 3/24 L S 3/28 301 3/28 301C F02M 25/07 550 F02M 25/07 550G 550R (72)発明者 松下 宗一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 塚崎 之弘 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 松岡 広樹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 林 孝太郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 石山 忍 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 小林 正明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 柴田 大介 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 根上 秋彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 小田 富久 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 原田 泰生 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 小野 智幸 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G062 AA01 AA05 BA04 BA06 CA10 GA01 GA05 GA06 GA17 3G091 AA10 AA11 AA12 AA18 AB06 AB09 BA00 BA11 BA14 BA15 BA19 CA05 CA16 CA18 DB10 DC03 EA00 EA01 EA03 EA05 EA07 EA15 EA17 FA06 GB02W GB03W GB04W GB05W GB06W GB10X GB17X

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関排気通路に設けられこの機関排気通
    路を流れる排気ガスのNOxを吸収するNOx吸収剤
    と、 前記NOx吸収剤へ燃料添加を行う燃料添加手段と、 この燃料添加手段による燃料添加の要否を判断する燃料
    添加判断手段と、 添加燃料の蒸発を促進する蒸発促進手段とを備え、 前記燃料添加判断手段により燃料添加要の判断がなされ
    たことにより前記燃料添加手段を作動して前記NOx吸
    収剤への燃料添加を前記蒸発促進手段により前記添加燃
    料の蒸発を促進させつつ行う内燃機関の排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 前記蒸発促進手段は前記燃料添加手段と
    ともに機能することを特徴とする請求項1記載の内燃機
    関の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 前記蒸発促進手段は前記燃料添加手段の
    使用前から機能することを特徴とする請求項1記載の内
    燃機関の排気浄化装置。
  4. 【請求項4】 前記燃料添加手段から噴出した燃料が直
    接当たる部分に前記蒸発促進手段を設けることを特徴と
    する請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 【請求項5】 前記蒸発促進手段は、前記機関排気通路
    内表面に熱伝導率の低い物質を備えてなるものであるこ
    とを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の内燃機関の
    排気浄化装置。
  6. 【請求項6】 前記蒸発促進手段は、前記機関排気通路
    内表面のうち前記ノズルから噴出した燃料が直接当たる
    部分を熱抵抗体で画成してなるものであることを特徴と
    する請求項1〜4いずれか記載の内燃機関の排気浄化装
    置。
  7. 【請求項7】 前記蒸発促進手段は、前記機関排気通路
    内表面のうち前記ノズルから噴出した燃料が直接当たる
    部分を排気ガス熱の対流による集熱箇所となるように前
    記燃料が直接当たる部分を形成することを特徴とする請
    求項1〜4いずれか記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 【請求項8】 ヒータを前記蒸発促進手段として適用す
    るとともに前記NOx吸収剤への燃料添加実行前から前
    記ヒータを作動することを特徴とする請求項1〜4いず
    れか記載の内燃機関の排気浄化装置。
  9. 【請求項9】 前記ヒータは、機関排気通路のうち排気
    集合管であるエキゾーストマニホルドまたは/および排
    気ポートを暖めることを特徴とする請求項8記載の内燃
    機関の排気浄化装置。
  10. 【請求項10】 前記蒸発促進手段は、前記ノズルに前
    記添加燃料噴霧用の空気を導入する空気導入通路を備え
    たものであることを特徴とする請求項1〜4いずれか記
    載の内燃機関の排気浄化装置。
  11. 【請求項11】 機関排気通路に設けられこの機関排気
    通路を流れる排気ガス中のNOxを吸収するNOx吸収
    剤と、 前記NOx吸収剤へ燃料添加を行う燃料添加手段と、 この燃料添加手段による燃料添加の要否を判断する燃料
    添加判断手段と、 エンジンの排気系から吸気系に排気ガスを再循環する排
    気再循環装置と、 機関吸気通路に取り付けられ吸入空気量を制御する吸気
    絞り弁とを備え、 前記燃料添加判断手段により燃料添加要の判断がなされ
    たことにより前記燃料添加手段を作動して前記NOx吸
    収剤への燃料添加を行う場合には前記内燃機関の停止を
    行うに際し事前に前記排気再循環装置の作動を停止しか
    つ前記吸気絞り弁を全開する内燃機関の排気浄化装置。
  12. 【請求項12】 機関排気通路に設けられこの機関排気
    通路を流れる排気ガス中のNOxを吸収するNOx吸収
    剤と、 前記NOx吸収剤へ燃料添加を行う燃料添加手段と、 この燃料添加手段による燃料添加の要否を判断する燃料
    添加判断手段と、 前記機関排気通路の内壁温度を検出する壁温検出手段
    と、 前記燃料添加判断手段により燃料添加要の判断がなされ
    たことにより前記燃料添加手段を作動して前記NOx吸
    収剤への燃料添加の必要を生じた場合でも前記壁温検出
    手段による検出値が所定値以上にならなければ前記燃料
    添加手段の作動制御を行わない制御手段とを備える内燃
    機関の排気浄化装置。
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