JP2009138605A - NOx触媒の劣化診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】劣化診断時における排ガスエミッションの悪化を防止する。
【解決手段】内燃機関1の排気通路6に吸蔵還元型NOx触媒16を設けると共にその下流側にNOxセンサ34を設ける。リッチスパイク実行後のリーン制御開始時から、NOxセンサ34によって検出されたNOx濃度が所定値に達するまでの間の、NOx触媒16における吸蔵NOx量を計測し、この計測値に基づいてNOx触媒16の劣化を診断する。NOxセンサ34の下流側に別のNOx触媒18を設け、劣化診断時にNOx触媒16から流出したNOxを別のNOx触媒18により浄化処理する。
【選択図】図1

Description

本発明はNOx触媒の劣化診断装置に係り、特に、排気通路に設けられた吸蔵還元型NOx触媒の劣化を診断するための装置に関する。
一般に、ディーゼルエンジンやリーンバーンガソリンエンジン等の内燃機関の排気系に配置される排気浄化装置として、排気ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)を浄化するためのNOx触媒が知られている。このNOx触媒としては様々なタイプのものが知られているが、その中で、排気ガス中のNOxを吸蔵して除去する吸蔵還元型NOx触媒(NSR: NOx Storage Reduction)が公知である。吸蔵還元型NOx触媒は、これに供給される排気ガスの空燃比が所定値(典型的には理論空燃比)よりリーン(即ち、酸素過剰雰囲気)のときに排気ガス中のNOxを吸蔵し、供給される排気ガスの空燃比が所定値よりリッチ(即ち、酸素不足雰囲気)のときに吸蔵したNOxを放出しN2に還元浄化するという、NOxの吸放出作用を有する。
ところで、例えば自動車に搭載されたエンジンの場合、排ガスが悪化した状態での走行を未然に防止するため、車載状態(オンボード)で触媒の劣化を診断すること(OBD; On-Board Diagnosis)が各国法規等からも要請されている。そのため、吸蔵還元型NOx触媒についてもその劣化を診断するための様々な従来技術が存在する。
吸蔵還元型NOx触媒が劣化すると触媒のNOx吸蔵能、即ち触媒が吸蔵可能なNOx量が低下する。よってNOx触媒劣化診断の代表的手法として、NOx触媒のNOx吸蔵能を計測してこれを所定の劣化判定値と比較する方法がある。
例えば特許文献1に記載された内燃機関の排気浄化装置では、吸蔵還元型NOx触媒に吸蔵されたNOx吸蔵量を推定し、このNOx吸蔵量がリッチスパイク実行判定値以上になると排気空燃比を一時的にリッチにするリッチスパイクを実行し、NOx触媒に吸蔵されたNOxを放出させ還元処理するようにしている。そして、リッチスパイク完了時点から、NOx触媒を通過した排気中のNOx濃度の増加が検出された時点までの内燃機関の排気中のNOx流量状態に基づいて、当該期間内における総NOx量を求め、この総NOx量をNOx吸蔵量としてリッチスパイク実行判定値を更新するようにしている。
特開2004−84617号公報
この特許文献1に記載の技術によれば、リッチスパイク完了時点から、NOx触媒を通過した排気中のNOx濃度の増加が検出された時点までのNOx吸蔵量が求められる。リッチスパイク完了時点ではNOx触媒におけるNOx吸蔵量がゼロであるが、暫くしてNOx触媒がその吸蔵容量一杯までNOxを吸蔵するとNOxが触媒を素通りしてその下流側に流出し、NOx触媒下流側の排気中のNOx濃度が増加する。よって、求められたNOx吸蔵量はNOx触媒のNOx吸蔵能、即ち劣化状態の指標値といえるものであり、これを利用することでNOx触媒の劣化を診断することが可能である。
しかし、この手法によると、NOx触媒からのNOxの流出を検出してNOx吸蔵量を求めるため、その流出NOxがそのまま大気に排出され、排ガスエミッションを悪化させてしまうという問題がある。
そこで、本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、劣化診断時における排ガスエミッションの悪化を防止することができるNOx触媒の劣化診断装置を提供することにある。
本発明の一形態によれば、
内燃機関の排気通路に吸蔵還元型NOx触媒を設けると共にその下流側にNOxセンサを設け、リッチスパイク実行後に空燃比をリーンに制御して前記NOx触媒にNOxを吸蔵させ、当該リーン制御の開始時から、前記NOxセンサによって検出されたNOx濃度が所定値に達するまでの間の、前記NOx触媒における吸蔵NOx量を計測し、この計測された吸蔵NOx量に基づいて前記NOx触媒の劣化を診断する装置であって、前記NOxセンサの下流側に別のNOx触媒を設けたことを特徴とするNOx触媒の劣化診断装置が提供される。
これによれば、劣化診断時にNOx触媒から流出したNOxを別のNOx触媒により浄化処理することができ、排ガスエミッションの悪化を防止することができる。
好ましくは、前記別のNOx触媒がNOx浄化処理可能な状態になっているか否かを判定するための判定手段が設けられ、前記劣化診断装置は、前記判定手段により前記別のNOx触媒がNOx浄化処理可能な状態になっていると判定されたときに診断を実行する。
NOx触媒の下流側に別のNOx触媒を設けた場合、別のNOx触媒がNOx浄化処理可能な状態になっていなければ、上流側のNOx触媒から排出されたNOxを浄化処理することができない。そこでこの好ましい形態では、別のNOx触媒がNOx浄化処理可能な状態になっているか否かを判定し、そのような状態になっていると判定したときに診断を実行する。これにより確実に排ガスエミッションの悪化を防止することができる。
好ましくは、前記判定手段が、前記別のNOx触媒の下流側に設けられた空燃比センサを含み、該空燃比センサがリッチ出力を発していることを、前記別のNOx触媒がNOx浄化処理可能な状態になっていると判定するための条件に含む。
好ましくは、前記吸蔵NOx量が、エンジン運転状態に基づいて推定された、前記NOx触媒に流入する排気ガスの入ガスNOx濃度と、前記NOxセンサによって検出された、前記NOx触媒から流出した排気ガスの出ガスNOx濃度とに基づいて計測され、
前記劣化診断装置は、前記NOxセンサによって検出されたNOx濃度が所定値に達した後に前記リーン制御を継続し、前記出ガスNOx濃度が飽和した時点における前記入ガスNOx濃度と前記出ガスNOx濃度の差に基づき、前記吸蔵NOx量の計測値を補正する。
吸蔵NOx量の計測を入ガスNOx濃度の推定値に基づいて行う場合、推定値の真の値からのズレが懸念される。しかしながら、この好ましい形態によれば、検出した出ガスNOx濃度が飽和した時点、即ち実際の入ガスNOx濃度と実際の出ガスNOx濃度とが等しくなった時点で、両者の推定値及び計測値の差が算出される。この差は推定値のズレを表しており、その差に基づいて推定ズレを無くすよう吸蔵NOx量計測値が補正される。これにより推定ズレの影響を無くして正確な吸蔵NOx量計測値を得ることが可能になる。
好ましくは、前記別のNOx触媒が吸蔵還元型NOx触媒からなる。
本発明の他の形態によれば、
内燃機関の排気通路に吸蔵還元型NOx触媒を設けると共にその中間部にNOxセンサを設け、リッチスパイク実行後に空燃比をリーンに制御して前記NOx触媒の上流部にNOxを吸蔵させ、当該リーン制御の開始時から、前記NOxセンサによって検出されたNOx濃度が所定値に達するまでの間の、前記NOx触媒の上流部における吸蔵NOx量を計測し、この計測された吸蔵NOx量に基づいて前記NOx触媒の劣化を診断することを特徴とするNOx触媒の劣化診断装置が提供される。
この場合、NOxセンサの上流側に位置するNOx触媒の上流部が、前記一形態のNOx触媒全体に置き換わり、NOxセンサの下流側に位置するNOx触媒の下流部が、前記一形態の別のNOx触媒全体に置き換わる。この他の形態によっても、前記一形態と同様の原理で劣化診断等をすることが可能であり、前記一形態と同様の作用効果を発揮できる。とりわけ、別のNOx触媒を省略できる点で前記一形態より有利である。
好ましくは、前記NOx触媒の下流部がNOx浄化処理可能な状態になっているか否かを判定するための判定手段が設けられ、前記劣化診断装置が、前記判定手段により前記NOx触媒の下流部がNOx浄化処理可能な状態になっていると判定されたときに診断を実行する。
好ましくは、前記判定手段が、前記NOx触媒の下流側に設けられた空燃比センサを含み、該空燃比センサがリッチ出力を発していることを、前記NOx触媒の下流部がNOx浄化処理可能な状態になっていると判定するための条件に含む。
好ましくは、前記吸蔵NOx量が、エンジン運転状態に基づいて推定された、前記NOx触媒に流入する排気ガスの入ガスNOx濃度と、前記NOxセンサによって検出されたNOx濃度とに基づいて計測され、
前記劣化診断装置が、前記NOxセンサによって検出されたNOx濃度が所定値に達した後に前記リーン制御を継続し、前記検出NOx濃度が飽和した時点における前記入ガスNOx濃度と前記検出NOx濃度の差に基づき、前記吸蔵NOx量の計測値を補正する。
本発明によれば、劣化診断時における排ガスエミッションの悪化を防止することができるという、優れた効果が発揮される。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の概略的なシステム図である。図示されるように、内燃機関1は、シリンダブロック2に形成された燃焼室3の内部で燃料および空気の混合気を燃焼させ、燃焼室3内でピストン4を往復移動させることにより動力を発生する。内燃機関1は車両用多気筒エンジン(1気筒のみ図示)であり、火花点火式内燃機関、より具体的にはガソリンエンジンである。但し、本発明が適用される内燃機関は火花点火式内燃機関に限られず、例えば圧縮着火式内燃機関即ちディーゼルエンジンであってもよい。
内燃機関1のシリンダヘッドには、吸気ポートを開閉する吸気弁Viと、排気ポートを開閉する排気弁Veとが気筒ごとに配設されている。各吸気弁Viおよび各排気弁Veは図示しないカムシャフトによって開閉させられる。また、シリンダヘッドの頂部には、燃焼室3内の混合気に点火するための点火プラグ7が気筒ごとに取り付けられている。さらにシリンダヘッドにはインジェクタ(燃料噴射弁)12が気筒ごとに配設され、燃焼室3内に直接燃料噴射するようになっている。ピストン4はいわゆる深皿頂面型に構成されており、その上面には凹部4aが形成されている。そして内燃機関1では、燃焼室3内に空気を吸入させた状態で、インジェクタ12からピストン4の凹部4aに向けて燃料が直接噴射される。これにより点火プラグ7の近傍に、燃料と空気との混合気の層が周囲の空気層と分離された状態で形成(成層化)され、安定した成層燃焼が実行される。
各気筒の吸気ポートは気筒毎の枝管を介して吸気集合室であるサージタンク8に接続されている。サージタンク8の上流側には吸気集合通路をなす吸気管13が接続されており、吸気管13の上流端にはエアクリーナ9が設けられている。そして吸気管13には、上流側から順に、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ5と、電子制御式スロットルバルブ10とが組み込まれている。なお吸気ポート、サージタンク8及び吸気管13により吸気通路が形成される。
一方、各気筒の排気ポートは気筒毎の枝管を介して排気集合通路をなす排気管6に接続されている。これら排気ポート、枝管及び排気管6により排気通路が形成される。排気管6には、その上流側に、排気ガス中のCO,HC,NOxを同時に浄化可能な三元触媒11が設けられ、その下流側に、排気ガス中のNOxを還元浄化可能なNOx触媒16が直列に設けられている。このNOx触媒16は後に詳しく述べる吸蔵還元型NOx触媒からなり、本実施形態において劣化診断の対象となる触媒である。なおディーゼルエンジンの場合だと、三元触媒の代わりに酸化触媒及びパティキュレートフィルタが典型的に設けられる。
三元触媒11の上流側ないし直前位置に、燃焼室3から排出され三元触媒11に流入する排気ガスの空燃比(A/F)を検出するための空燃比センサ即ち第1空燃比センサ31が設置されている。第1空燃比センサ31は所謂広域空燃比センサからなり、比較的広範囲に亘る空燃比を連続的に検出可能で、その空燃比に比例した出力を発する。但しこれに限らず、第1空燃比センサ31は、理論空燃比(ストイキ)を境に出力値が急変する所謂O2センサからなってもよい。
三元触媒11の下流側ないし直後位置に、三元触媒11から流出した排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサ即ち第2空燃比センサ32が設置されている。第2空燃比センサ32はO2センサからなるが、広域空燃比センサからなってもよい。
三元触媒11の下流側で且つNOx触媒16の上流側ないし直前位置に、NOx触媒16に流入する排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサ即ち第3空燃比センサ33が設置されている。第3空燃比センサ33は広域空燃比センサからなるが、O2センサからなってもよい。
NOx触媒16の下流側ないし直後位置に、NOx触媒16から流出した排気ガスのNOx濃度を検出するためのNOxセンサ34が設置されている。NOxセンサ34は排気ガスのNOx濃度に比例した出力を発する。
これらに加え、NOxセンサ34の下流側には別のNOx触媒18が直列に設けられている。以下、上流側のNOx触媒16を上流NOx触媒、下流側のNOx触媒18を下流NOx触媒と称す。下流NOx触媒18は上流NOx触媒16と同様の吸蔵還元型NOx触媒からなる。但し、下流NOx触媒18は他の型式のNOx触媒からなってもよく、例えば尿素等の還元剤の添加を伴ってNOxを還元処理する選択還元型NOx触媒からなってもよい。
下流NOx触媒18の下流側ないし直後位置に、下流NOx触媒18から流出した排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサ即ち第4空燃比センサ35が設置されている。第4空燃比センサ35はO2センサからなるが、広域空燃比センサからなってもよい。
上述の点火プラグ7、スロットルバルブ10及びインジェクタ12等は、制御手段としての電子制御ユニット(以下ECUと称す)20に電気的に接続されている。ECU20は、何れも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポート、および記憶装置等を含むものである。またECU20には、図示されるように、前述のエアフローメータ5、第1〜第4空燃比センサ31〜33,35及びNOxセンサ34のほか、内燃機関1のクランク角を検出するクランク角センサ14、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ15、NOx触媒16の下流側に設置された排気温センサ22、その他の各種センサが図示されないA/D変換器等を介して電気的に接続されている。ECU20は、各種センサの検出値等に基づいて、所望の出力が得られるように、点火プラグ7、スロットルバルブ10、インジェクタ12等を制御し、点火時期、燃料噴射量、燃料噴射時期、スロットル開度等を制御する。なおクランク角センサ14の出力はエンジン回転速度Neの検出に用いられる。
三元触媒11は、これに流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比(ストイキ、例えばA/F=14.6)付近のときにCO,HC及びNOxを同時に浄化する。この三者を同時に高効率で浄化できる空燃比の幅(ウィンドウ)は比較的狭い。よって三元触媒11を有効に機能させるため、空燃比制御の一態様として、三元触媒11に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比付近となるように混合気の空燃比が制御される。これをストイキ制御といい、ストイキ制御が実行されているときのエンジンの運転態様をストイキ運転という。このストイキ制御では目標空燃比が理論空燃比と等しく設定され、第1空燃比センサ31により検出された空燃比が目標空燃比と等しくなるように、インジェクタ12から噴射される燃料噴射量ひいては空燃比がフィードバック制御される。なお、第2空燃比センサ32により検出された空燃比が理論空燃比と等しくなるように空燃比をフィードバック制御する補助空燃比制御も行われる。補助空燃比制御は第1空燃比センサ31の劣化等により起こる制御空燃比のズレを補正する目的で行われる。
他方、燃費低減等の観点から、空燃比制御の別の態様として、目標空燃比が理論空燃比より高いリーンな値に設定され、理論空燃比よりリーンな混合気が燃焼(希薄燃焼)させられる場合がある。これをリーンバーン制御或いはリーン制御といい、リーンバーン制御が実行されているときのエンジンの運転態様をリーンバーン運転或いはリーン運転という。なおリーンバーン制御時もストイキ制御時と同様、第1空燃比センサ31により検出された空燃比が目標空燃比と等しくなるように燃料噴射量ひいては空燃比がフィードバック制御される。
三元触媒11は、担体基材の表面上に、酸化セリウムCeO2やジルコニア等の酸素吸蔵成分を含むコート材を被覆し、このコート材表面に、Pt、Ld等の貴金属微粒子を多数分散配置させて構成されている。三元触媒11は酸素吸蔵能を有し、これに供給される排気ガスの空燃比が理論空燃比よりリーンのときに排気ガス中の酸素を吸蔵し、供給される排気ガスの空燃比が理論空燃比よりリッチのときに吸蔵した酸素を放出する。
一方、前述したように、上流側及び下流側のNOx触媒16,18には吸蔵還元型NOx触媒(NSR: NOx Storage Reduction)が用いられている。この吸蔵還元型NOx触媒は、アルミナAl23等の酸化物からなる基材表面に、触媒成分としての白金Ptのような貴金属と、NOx吸収成分とが担持されて構成されている。NOx吸収成分は、例えばカリウムK、ナトリウムNa,リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムY、セリウムCeのような希土類から選ばれた少なくとも一つから成る。
吸蔵還元型NOx触媒はNOx吸蔵能を有し、これに供給される排気ガスの空燃比が理論空燃比よりリーンのときには排気ガス中のNOxを硝酸塩の形で吸蔵し、これに供給される排気ガスの空燃比が理論空燃比又はそれよりリッチのときには吸蔵したNOxを放出する。この放出されたNOxは触媒中の貴金属を介して理論空燃比又はそれよりリッチの排気ガス(リッチガス)と反応し、N2に還元処理される。
リーンバーン運転中では、排気空燃比が理論空燃比よりリーンであり、NOx触媒は排気中のNOxの吸蔵を行う。一方、NOx触媒がNOxを飽和状態(満杯)まで吸蔵すると、NOx触媒がそれ以上NOxを吸蔵できなくなることから、NOx触媒から吸蔵NOxを放出させるべく、NOx触媒に一時的に還元剤を供給するリッチスパイクないしリッチスパイク制御が実行される。このリッチスパイクでは目標空燃比が一時的に理論空燃比又はそれよりリッチな値に設定され、混合気ひいては排気ガスの空燃比が理論空燃比又はそれより低いリッチな値に制御される。このリッチな排気ガスに含まれる還元成分(HC、CO、H2)が、NOx触媒から吸蔵NOxを放出させ、この放出NOxと反応して放出NOxを還元する。このように、NOx触媒から吸蔵NOxを放出してNOx触媒のNOx吸蔵能を回復させることをNOx再生と称する。
なお、リッチスパイクについてはこれ以外にも様々な方法がある。例えば、NOx触媒上流側に還元剤供給弁を別途設け、還元剤供給弁を開弁制御して排気中に還元剤を供給する方法がある。還元剤としては、排気中で炭化水素HCや一酸化炭素CO等の還元成分を発生するものであれば良く、水素、一酸化炭素等の気体、プロパン、プロピレン、ブタン等の液体又は気体の炭化水素、ガソリン、軽油、灯油等の液体燃料等が使用できる。好ましくはエンジンの燃料であるガソリンが使用される。代替的に、インジェクタ12から燃焼室3に膨張行程後期又は排気行程で燃料を噴射し、未燃燃料を排気中に多く含ませるいわゆるポスト噴射を行う方法が可能である。
NOx触媒のNOx吸放出作用はNOx触媒が所定の作動温度域(例えば280〜550℃)にないと実質的に行えない。そこで本実施形態では、特に上流NOx触媒16の触媒温度(具体的には触媒床温)を計測し、NOx触媒16の状態を監視するようにしている。NOx触媒16の温度は、NOx触媒に埋設した温度センサにより直接検出することもできるが、本実施形態ではそれを推定することとしている。具体的には、ECU20が、触媒後の排気温センサ22により検出された排気温に基づき、触媒温度を推定する。なお推定方法はこのような例に限られず、下流NOx触媒18の触媒温度を併せて計測するようにしてもよい。
次に、NOx触媒の劣化診断について説明する。前述したように、ここで診断対象となるのは上流NOx触媒16の方である。
図2に、診断時における各値の推移を示す。(A)は上流NOx触媒16に流入する排気ガスの空燃比(A/F)、(B)は上流NOx触媒16に吸蔵された吸蔵NOx量M、(C)はNOxセンサ34で検出されたNOx濃度(即ち上流NOx触媒16から流出した排気ガスのNOx濃度)C2、(D)は排気管6の末端のテールパイプから大気に排出される排気ガスのNOx濃度Czをそれぞれ示す。(A)において、Sはストイキ、Lはリーン、Rはリッチを意味する。
時刻t1以前では、リーンバーン運転によって空燃比がストイキよりも著しくリーンの値に制御されている(例えばA/F=28)。このときエンジンから排出されるNOxはNOx触媒16に吸蔵される。そしてNOx触媒16においてNOxが所定量吸蔵されると、リッチスパイクRSが実行され、空燃比はストイキよりもリッチな値(例えばA/F=11〜12)に切替制御される(時刻t1)。
ここでNOx触媒16における吸蔵NOx量の計測方法について説明する。この計測は所定の演算周期毎にECU20によって次のように実行される。まず、NOx触媒16に流入する排気ガスのNOx濃度(入ガスNOx濃度C1)が、エンジン運転状態を表す検出値(例えば回転速度とアクセル開度)に基づいて所定のマップ等により推定される。また、NOx触媒16から流出した排気ガスのNOx濃度(出ガスNOx濃度C2)がNOxセンサ34によって検出される。入ガスNOx濃度C1の推定値から出ガスNOx濃度C2の検出値を減じて得られる差に、NOx触媒16を通過した排気ガス量(ここではエアフローメータ5で検出された吸入空気量Gaで代用)を乗じて、1演算周期における吸蔵NOx量dMが算出される。この1演算周期における吸蔵NOx量dMを演算周期毎に順次積算し、最終的な計測値としての吸蔵NOx量Mが算出される。なお、この計測された吸蔵NOx量Mが予め設定されたリッチスパイク開始値Mrsに達した時にリッチスパイクが開始されることとなる。このリッチスパイク開始値Mrsは本実施形態ではNOx排出を確実に防止する観点から、現状のNOx触媒16が吸蔵可能なNOx量より少ない値に設定されている。他方、入ガスNOx濃度C1は、上記のような推定ではなく、NOx触媒16の上流側に別のNOxセンサを設けて直接検出してもよい。
リッチスパイクRSが実行されるとNOx触媒16には還元剤を含むリッチガスが供給され、NOx触媒16から吸蔵NOxが放出される。放出されたNOxは触媒中でリッチガスと反応し還元処理される。
NOx触媒16から吸蔵NOxが全て放出されるような所定時刻t2において、リッチスパイクRSが終了され、同時に再度リーンバーン制御(リーン制御)が開始される。このリーンバーン制御の開始と同時に、劣化診断のための吸蔵NOx量Mの計測が開始される。この計測中、吸蔵NOx量Mが前述の方法で順次積算され、増加していく。そして暫くするとNOx触媒16にNOxが満杯付近まで溜まるようになり、NOx触媒16からこれを素通りしたNOxが流出し始め、NOxセンサ34で検出される出ガスNOx濃度C2が次第に増加していく。この出ガスNOx濃度C2がほぼ満杯相当の所定値C2sに達した時点t3で、吸蔵NOx量Mの計測が終了し、当該時点t3での吸蔵NOx量Mが今回診断時における計測値として取得される。
基本的には、この取得された吸蔵NOx量Mを所定の劣化判定値Msと比較し、その大小に応じてNOx触媒16の正常・劣化を判定できる。しかしながら、本実施形態では診断精度をより向上させるため、吸蔵NOx量Mに対して必要に応じて次のような補正を行った後に劣化判定値Msと比較するようにしている。
即ち、出ガスNOx濃度C2が所定値C2sに達した後にもリーンバーン制御が継続される。するとNOxセンサ34で検出される出ガスNOx濃度C2が次第に増加しなくなり、一定値に収束する飽和状態に達する。このとき、NOx触媒16における吸蔵NOxは完全な満杯状態となっており、NOx触媒16に流入した全NOxがそのまま素通りしてNOx触媒16から流出する。よって実際の入ガスNOx濃度C1と実際の出ガスNOx濃度C2とは等しい状態となっている。ここで仮に、入ガスNOx濃度C1の推定値が真の値からずれていたとすると、この推定値を用いて計測された吸蔵NOx量Mも真の値からずれていることになる。そこでこの推定ズレを補正すべく、出ガスNOx濃度C2の検出値を真の値とみなし、飽和状態に達した時点での入ガスNOx濃度C1の推定値と出ガスNOx濃度C2の検出値の差に基づき、吸蔵NOx量Mの計測値が補正される。具体的には、当該飽和状態に達するような、時刻t3から所定時間経過時点t4での入ガスNOx濃度C1の推定値と出ガスNOx濃度C2の検出値が取得され、これらの差ΔC=C1−C2に基づき所定のマップ等から補正係数Kが算出され、この補正係数Kが吸蔵NOx量計測値Mに乗じられて補正後の吸蔵NOx量計測値M’(=K×M)が算出される。例えばΔCが正の所定値より大きい場合、入ガスNOx濃度C1の推定値が真の値より大きいことを意味し、真の値より大きい吸蔵NOx量Mが計測されてしまうので、この吸蔵NOx量Mを減少補正すべく、1より小さい補正係数Kが算出されることになる。
こうして補正後の吸蔵NOx量M’が得られたならば、この値が所定の劣化判定値Msと比較され、M’≧MsならNOx触媒16は正常、M’<MsならNOx触媒16は劣化と判定される。なお、劣化判定時にはその旨をユーザに知らせるためチェックランプ等の警告装置がオンされる。また、診断終了と同時にリッチスパイクを実行し、NOx再生を実行するのが好ましい。
さて、この劣化診断によれば、吸蔵NOx量Mの計測終了直前と計測終了後のリーン制御継続中において、上流NOx触媒16からNOxが排出される。この排出NOxを何等処理せずに大気中に放出してしまうことは当然の事ながら好ましくない。そこで本実施形態では、上流NOx触媒16及びNOxセンサ34の下流側に下流NOx触媒18を設け、この下流NOx触媒18により、上流NOx触媒16から排出されたNOxを吸蔵し浄化することとしている。これにより当該排出NOxの大気への放出を防止し(図2(D)の実線参照)、劣化診断時における排ガスエミッションの悪化を防止することができる。
ところで、下流NOx触媒18を設けた場合にあっても、下流NOx触媒18がNOx浄化処理可能な状態になっていなければ上流NOx触媒16から排出されたNOxを浄化処理することができない(図2(D)の仮想線参照)。そこで本実施形態では、下流NOx触媒18がNOx浄化処理可能な状態になっているか否かを判定し、そのような状態になっていると判定したときに診断を実行するようにしている。
具体的には、下流NOx触媒18がNOx浄化処理可能な状態になっていると判定するための条件に、第4空燃比センサ35が理論空燃比よりリッチな空燃比に相当するリッチ出力を発していることが含まれる。第4空燃比センサ35がリッチ出力を発しているということは、下流NOx触媒18から少なくともリーンガスが流出しておらず、下流NOx触媒18のNOx吸蔵能に余裕がある、即ち下流NOx触媒18がNOx吸蔵可能な状態になっていることを意味する。よって第4空燃比センサ35がリッチ出力を発していることを条件とすることにより、上流NOx触媒16から排出されたNOxを下流NOx触媒18により確実に吸蔵即ち浄化処理することができ、排ガスエミッションの悪化を防止することができる。
加えて、下流NOx触媒18は所定の作動温度域(例えば280〜550℃)にないとNOx吸蔵を行えないことから、下流NOx触媒18の温度を計測(検出又は推定)し、その計測温度が当該作動温度域にあることを、下流NOx触媒18がNOx浄化処理可能な状態になっていると判定するための条件に含んでもよい。
次に、ECU20により実行される具体的な劣化診断処理の手順を図3を参照して説明する。
まず、ステップS101では、劣化診断をするのに適した所定条件が成立しているか否かが判断される。この所定条件には、上流NOx触媒16の推定触媒温度が所定の作動温度域(280〜550℃)にあること、各空燃比センサ31,32,33,35が活性化していること、NOxセンサ34が活性化していることを含み、さらに、第4空燃比センサ35がリッチ出力を発していることを含む。このほか、現トリップ中の診断が未終了であることを含めてもよく、下流NOx触媒18の触媒温度を計測する手段がある場合にはその計測された触媒温度が所定の作動温度域にあることを含めてもよい。
所定条件不成立のときは成立するまで待機状態となり、所定条件成立のときはステップS102に進んでリッチスパイクが実行される。そしてこのリッチスパイクが終了すると、同時にステップS103においてリーン制御が実行、開始される。
このリーン制御中、ステップS104において上流NOx触媒16の吸蔵NOx量Mの計測、積算が実行され、同時にステップS105において、NOxセンサ34で検出された出ガスNOx濃度C2が所定値C2s以上に到達したか否かが判断される。到達していなければステップS103のリーン制御及びステップS104の吸蔵NOx量積算が続行され、到達した場合にはその時点で積算終了となり、ステップS106にて積算値が最終的な吸蔵NOx量Mの計測値として取得される。なお、この後も引き続きリーン制御が継続される。
次にステップS107で、到達時点から所定時間が経過したか否かが判断され、経過していなければ待機状態となる。他方、経過していればステップS108に進み、その経過時点での入ガスNOx濃度C1の推定値と出ガスNOx濃度C2の検出値が取得される。そして、これら濃度差ΔC=C1−C2が算出され、濃度差ΔCの絶対値が所定の閾値ΔCs(>0)と比較される。
濃度差ΔCの絶対値が閾値ΔCsより大きい場合には、入ガスNOx濃度C1の推定値に推定ズレがあるとみなし、ステップS109に進んで吸蔵NOx量計測値Mが補正された後、ステップS110に至る。なお便宜上、補正後の吸蔵NOx量計測値もMで表す。他方、濃度差ΔCの絶対値が閾値ΔCs以下の場合には、入ガスNOx濃度C1の推定値がほぼ正確であるとみなし、ステップS109をスキップしてステップS110に進む。
ステップS110では、吸蔵NOx量計測値M(補正済みの値若しくは未補正の値)が所定の劣化判定値Msと比較され、M≧MsならばステップS111で上流NOx触媒16は正常と判定され、M<MsならばステップS112で上流NOx触媒16は劣化と判定される。
次に、他の実施形態を説明する。この他の実施形態は大略前記実施形態と同様であり、以下相違点を中心に説明する。
図4に示すように、この他の実施形態は排気系の構成が異なっており、NOxセンサ34が上流NOx触媒16の下流側ではなく、上流NOx触媒16の中間部に設けられている。そして下流NOx触媒18は省略され、第4空燃比センサ35は上流NOx触媒16の下流側ないし直後位置に設けられている。
詳しくは、上流NOx触媒16内の複数のガス流路(セル)の上流端と下流端の間の位置に、NOxセンサ34の検出部が一部のガス流路を横切るようにして配置されている。このセンサ検出部の位置を境に、当該位置より上流側の上流NOx触媒16の部分を上流部16Aとし、当該位置より下流側の上流NOx触媒16の部分を下流部16Bとする。
この場合、上流部16Aが前記実施形態の上流NOx触媒16全体に置き換わり、下流部16Bが前記実施形態の下流NOx触媒18全体に置き換わる。そしてこの他の実施形態においても、前記実施形態と同様の原理で劣化診断等をすることが可能であり、前記実施形態と同様の作用効果を発揮できる。とりわけ、下流側NOx触媒18を省略できる点で前記実施形態より有利である。
上流NOx触媒16にリーンガスを流入させると、NOxは上流NOx触媒16の上流端から次第に下流端側に向けて吸蔵されていく。初期の頃は上流部16AでNOxが十分に吸蔵されるので、NOxセンサ34にNOxが至らないが、暫くすると上流部16AがNOx満杯状態となり、NOxセンサ34にNOxが供給される。従ってリーン制御開始時から、NOxセンサ34の検出NOx濃度C2が所定値C2sに達する時までの間の上流部16Aにおける吸蔵NOx量を計測し、これを劣化判定値と比較することで、上流部16Aの劣化、ひいては上流NOx触媒16全体の劣化を診断することが可能である。吸蔵NOx量の計測終了時付近で上流部16Aを素通りしたNOxを下流部16Bで吸蔵し、浄化処理できるので、排ガスエミッションの悪化を防止できる。
また、第4空燃比センサ35がリッチ出力を発しているときには下流部16BのNOx吸蔵能に余力があるとみなせるから、下流部16BがNOx浄化処理可能な状態になっていると判定し、劣化診断が実行される。上流部16Aの吸蔵NOx量計測値の補正も、前記実施形態と同様に実行される。
なお、この他の実施形態を実施するに当たっては、ここで説明した劣化診断等が好適に行えるよう、NOx触媒の大きさやNOxセンサの設置位置等を適切に設定するのが望ましい。例えば、NOx触媒の全長(即ちその内部のガス流路の全長)を長くしたり、NOxセンサの検出部の設置位置をガス流路の丁度中間よりやや下流側に設置したりするのが好適である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記以外の実施形態を採ることも可能である。例えば前記実施形態ではNOx触媒の上流側に三元触媒を配置した例を示したが、三元触媒のない実施形態や、NOx触媒の下流側に三元触媒を配置した実施形態も可能である。また前記実施形態では吸蔵NOx量の計測終了タイミングを検出NOx濃度がほぼ満杯相当の値に達するタイミングに設定したが、それより早いタイミングに設定してもよく、例えば検出NOx濃度が増加開始する付近のタイミングに設定してもよい。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の概略的なシステム図である。 劣化診断時の各値の推移を示すタイムチャートである。 劣化診断処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態に係る内燃機関の概略的なシステム図である。
符号の説明
1 内燃機関
6 排気管
11 三元触媒
12 インジェクタ
16 上流NOx触媒
16A 上流部
16B 下流部
18 下流NOx触媒
20 電子制御ユニット(ECU)
22 排気温センサ
31 第1空燃比センサ
32 第2空燃比センサ
33 第3空燃比センサ
34 NOxセンサ
35 第4空燃比センサ
M 吸蔵NOx量
C1 入ガスNOx濃度
C2 出ガスNOx濃度
ΔC 濃度差
K 補正係数

Claims (9)

  1. 内燃機関の排気通路に吸蔵還元型NOx触媒を設けると共にその下流側にNOxセンサを設け、リッチスパイク実行後に空燃比をリーンに制御して前記NOx触媒にNOxを吸蔵させ、当該リーン制御の開始時から、前記NOxセンサによって検出されたNOx濃度が所定値に達するまでの間の、前記NOx触媒における吸蔵NOx量を計測し、この計測された吸蔵NOx量に基づいて前記NOx触媒の劣化を診断する装置であって、前記NOxセンサの下流側に別のNOx触媒を設けたことを特徴とするNOx触媒の劣化診断装置。
  2. 前記別のNOx触媒がNOx浄化処理可能な状態になっているか否かを判定するための判定手段が設けられ、該判定手段により前記別のNOx触媒がNOx浄化処理可能な状態になっていると判定されたときに診断を実行する
    ことを特徴とする請求項1記載のNOx触媒の劣化診断装置。
  3. 前記判定手段が、前記別のNOx触媒の下流側に設けられた空燃比センサを含み、該空燃比センサがリッチ出力を発していることを、前記別のNOx触媒がNOx浄化処理可能な状態になっていると判定するための条件に含む
    ことを特徴とする請求項2記載のNOx触媒の劣化診断装置。
  4. 前記吸蔵NOx量が、エンジン運転状態に基づいて推定された、前記NOx触媒に流入する排気ガスの入ガスNOx濃度と、前記NOxセンサによって検出された、前記NOx触媒から流出した排気ガスの出ガスNOx濃度とに基づいて計測され、
    前記NOxセンサによって検出されたNOx濃度が所定値に達した後に前記リーン制御を継続し、前記出ガスNOx濃度が飽和した時点における前記入ガスNOx濃度と前記出ガスNOx濃度の差に基づき、前記吸蔵NOx量の計測値を補正する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のNOx触媒の劣化診断装置。
  5. 前記別のNOx触媒が吸蔵還元型NOx触媒からなる
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のNOx触媒の劣化診断装置。
  6. 内燃機関の排気通路に吸蔵還元型NOx触媒を設けると共にその中間部にNOxセンサを設け、リッチスパイク実行後に空燃比をリーンに制御して前記NOx触媒の上流部にNOxを吸蔵させ、当該リーン制御の開始時から、前記NOxセンサによって検出されたNOx濃度が所定値に達するまでの間の、前記NOx触媒の上流部における吸蔵NOx量を計測し、この計測された吸蔵NOx量に基づいて前記NOx触媒の劣化を診断することを特徴とするNOx触媒の劣化診断装置。
  7. 前記NOx触媒の下流部がNOx浄化処理可能な状態になっているか否かを判定するための判定手段が設けられ、該判定手段により前記NOx触媒の下流部がNOx浄化処理可能な状態になっていると判定されたときに診断を実行する
    ことを特徴とする請求項6記載のNOx触媒の劣化診断装置。
  8. 前記判定手段が、前記NOx触媒の下流側に設けられた空燃比センサを含み、該空燃比センサがリッチ出力を発していることを、前記NOx触媒の下流部がNOx浄化処理可能な状態になっていると判定するための条件に含む
    ことを特徴とする請求項7記載のNOx触媒の劣化診断装置。
  9. 前記吸蔵NOx量が、エンジン運転状態に基づいて推定された、前記NOx触媒に流入する排気ガスの入ガスNOx濃度と、前記NOxセンサによって検出されたNOx濃度とに基づいて計測され、
    前記NOxセンサによって検出されたNOx濃度が所定値に達した後に前記リーン制御を継続し、前記検出NOx濃度が飽和した時点における前記入ガスNOx濃度と前記検出NOx濃度の差に基づき、前記吸蔵NOx量の計測値を補正する
    ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載のNOx触媒の劣化診断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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