JP2009046994A - NOx触媒の劣化診断装置 - Google Patents

NOx触媒の劣化診断装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009046994A
JP2009046994A JP2007210983A JP2007210983A JP2009046994A JP 2009046994 A JP2009046994 A JP 2009046994A JP 2007210983 A JP2007210983 A JP 2007210983A JP 2007210983 A JP2007210983 A JP 2007210983A JP 2009046994 A JP2009046994 A JP 2009046994A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
nox
rich spike
temperature
stored
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007210983A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Sawada
裕 澤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2007210983A priority Critical patent/JP2009046994A/ja
Publication of JP2009046994A publication Critical patent/JP2009046994A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】触媒温度変化に起因する吸蔵NOx量算出値の誤差を解消する。
【解決手段】空燃比をリーンに制御してNOx触媒にNOx及び酸素を吸蔵させ、第1リッチスパイクを実行して吸蔵NOx及び吸蔵酸素の合計量を計測する。その後空燃比をリーンに制御してNOx触媒に酸素を吸蔵させ、第2リッチスパイクを実行して吸蔵酸素量を計測する。合計量から吸蔵酸素量を減じて吸蔵NOx量を算出する。そして合計量と吸蔵酸素量との触媒温度条件が等しくなるように吸蔵酸素量を補正する。吸蔵酸素量を、合計量計測値のうちの吸蔵酸素量と同等の値に補正し、第1リッチスパイク時と第2リッチスパイク時の間の触媒温度変化に起因する吸蔵NOx量算出値の誤差を解消できる。
【選択図】図3

Description

本発明はNOx触媒の劣化診断装置に係り、特に、排気通路に設けられた吸蔵還元型NOx触媒の劣化を診断のための装置に関する。
一般に、ディーゼルエンジンやリーンバーンガソリンエンジン等の内燃機関の排気系に配置される排気浄化装置として、排気ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)を浄化するためのNOx触媒が知られている。このNOx触媒としては様々なタイプのものが知られているが、その中で、排気ガス中のNOxを吸蔵して除去する吸蔵還元型NOx触媒(NSR: NOx Storage Reduction)が公知である。吸蔵還元型NOx触媒は、これに供給される排気ガスの空燃比が所定値(典型的には理論空燃比)よりリーン(即ち、酸素過剰雰囲気)のときに排気ガス中のNOxを吸蔵し、供給される排気ガスの空燃比が所定値よりリッチ(即ち、酸素不足雰囲気)のときに吸蔵したNOxを放出しN2に還元するという、NOxの吸放出作用を有する。
また吸蔵還元型NOx触媒は、NOxに加えて排気ガス中の酸素O2をも吸放出する能力を有している。即ちNOx吸放出のときと同様に、NOx触媒は、これに供給される排気ガスの空燃比が所定値よりリーンのときに排気ガス中の酸素を吸蔵し、供給される排気ガスの空燃比が所定値よりリッチのときに吸蔵した酸素を放出する。
ところで、例えば自動車に搭載されたエンジンの場合、排ガスが悪化した状態での走行を未然に防止するため、車載状態(オンボード)で触媒の劣化を診断すること(OBD; On-Board Diagnosis)が各国法規等からも要請されている。そのため、吸蔵還元型NOx触媒についてもその劣化を診断するための様々な従来技術が存在する。
吸蔵還元型NOx触媒が劣化すると触媒がNOxを吸蔵する能力、即ち触媒が吸蔵可能なNOx量が低下する。よってNOx触媒劣化診断の代表的手法として、NOx触媒のNOx吸蔵能を計測してこれを所定の劣化判定値と比較する方法がある。なおNOx触媒が劣化すると触媒が酸素を吸蔵する能力、即ち触媒が吸蔵可能な酸素量も低下する。
例えば特許文献1には、空燃比をリーンに制御してNOx触媒に飽和状態までNOx及び酸素を吸蔵させた後、空燃比をリッチに制御して(第1リッチスパイクを実行して)吸蔵NOx及び吸蔵酸素の合計量を計測し、その後空燃比を一旦リーンに制御してNOx触媒に飽和状態まで酸素を吸蔵させた後、空燃比をリッチに制御して(第2リッチスパイクを実行して)吸蔵酸素量を計測し、前記合計量計測値から前記吸蔵酸素量計測値を減じて吸蔵NOx量を算出することが開示されている。第1リッチスパイクの実行時にはNOx及び酸素の合計吸蔵量しか計測できないため、このままではNOx触媒のNOx吸蔵能を評価することができない。そこで第2リッチスパイクを実行して別途吸蔵酸素量のみを計測し、合計吸蔵量の計測値から吸蔵酸素量の計測値を減じることで吸蔵NOx量を算出することができる。この吸蔵NOx量を所定の劣化判定値と比較してNOx触媒の正常・劣化を判定することができる。
特許第2827954号明細書
ところで、NOx触媒におけるNOx吸蔵能及び酸素吸蔵能は触媒温度に対して個別に変化する特性を有している。従って第1リッチスパイク時と第2リッチスパイク時との間で触媒温度が変化した場合、第1リッチスパイク時に吸蔵された酸素量と第2リッチスパイク時に吸蔵された酸素量とは等しくならない。例えば自動車用エンジンでは運転状態が時々刻々と変化しているため、第1リッチスパイク時と第2リッチスパイク時とで必ずしも同じ触媒温度とならない。また第1リッチスパイク時に供給された還元剤がNOx触媒中で反応して反応熱が起こるため、第2リッチスパイク時の方が第1リッチスパイク時より触媒温度が高くなる傾向にある。よって、第1リッチスパイク時の合計吸蔵量から第2リッチスパイク時の吸蔵酸素量を減算しても、その合計吸蔵量に含まれる吸蔵酸素量が第2リッチスパイク時の吸蔵酸素量と必ずしも等しくならず、最終的に算出される吸蔵NOx量にも触媒温度変化に起因する誤差を生じることがある。
そこで本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、第1リッチスパイク時と第2リッチスパイク時の間の触媒温度変化に起因する吸蔵NOx量算出値の誤差を解消することができるNOx触媒の劣化診断装置を提供することにある。
本発明の第1の形態によれば、
内燃機関の排気通路に設けられた吸蔵還元型NOx触媒の劣化を診断する装置であって、
空燃比をリーンに制御してNOx触媒に飽和状態までNOx及び酸素を吸蔵させた後、第1リッチスパイクを実行して吸蔵NOx及び吸蔵酸素の合計量を計測し、その後空燃比を一旦リーンに制御してNOx触媒に飽和状態まで酸素を吸蔵させた後、第2リッチスパイクを実行して吸蔵酸素量を計測し、前記合計量計測値から前記吸蔵酸素量計測値を減じて吸蔵NOx量を算出する吸蔵NOx量算出手段と、
前記NOx触媒の温度を計測する触媒温度計測手段と、
前記合計量計測値と前記吸蔵酸素量計測値との触媒温度条件が等しくなるように、少なくとも、前記第2リッチスパイク時に計測された触媒温度に基づいて前記吸蔵酸素量計測値を補正する補正手段と
を備えたことを特徴とするNOx触媒の劣化診断装置が提供される。
これによれば、第2リッチスパイク時の吸蔵酸素量計測値を、第1リッチスパイク時の合計量計測値のうちの吸蔵酸素量と同等の値に補正できる。よって補正後の吸蔵酸素量計測値を合計量計測値から減算して正確な吸蔵NOx量を得、第1リッチスパイク時と第2リッチスパイク時の間の触媒温度変化に起因する吸蔵NOx量算出値の誤差を解消し、正確な劣化診断を行うことができる。
本発明の第2の形態は、前記第1の形態において、
前記補正手段は、少なくとも、前記第2リッチスパイク時に計測された触媒温度と前記第1リッチスパイク時に計測された触媒温度との温度差に基づいて、前記吸蔵酸素量計測値を前記第1リッチスパイク時の触媒温度相当の値に補正する
ことを特徴とする。
これによれば、最も単純な手法で、吸蔵酸素量計測値を、第1リッチスパイク時の合計量計測値のうちの吸蔵酸素量と同等の値に補正できる。
本発明の第3の形態は、前記第1の形態において、
前記補正手段は、前記第1リッチスパイク時に計測された触媒温度と所定の基準温度との第1温度差に基づいて、前記合計量計測値を前記基準温度相当の値に補正すると共に、前記第2リッチスパイク時に計測された触媒温度と前記基準温度との第2温度差に基づいて、前記吸蔵酸素量計測値を前記基準温度相当の値に補正する
ことを特徴とする。
これによれば、合計量計測値と吸蔵酸素量計測値との両者を基準触媒温度相当の値に補正するので、個々の診断時や計測時の触媒温度条件に拘わらず、一定の劣化判定値を用いて正確な劣化診断を行える。
本発明の第4の形態は、前記第1乃至第3のいずれかの形態において、
前記補正手段は、前記合計量計測値に応じて少なくとも前記吸蔵酸素量計測値の補正度合いを変更する
ことを特徴とする。
NOx触媒の劣化が進むと合計量計測値が減少すると共に、NOx触媒におけるNOx及び酸素の吸蔵特性が変化する。この第4の形態によれば、かかる触媒劣化度に応じた吸蔵特性変化を考慮して最適に補正を行うことができる。
本発明によれば、第1リッチスパイク時と第2リッチスパイク時の間の触媒温度変化に起因する吸蔵NOx量算出値の誤差を解消することができるという、優れた効果が発揮される。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の概略的なシステム図である。図示されるように、内燃機関1は、シリンダブロック2に形成された燃焼室3の内部で燃料および空気の混合気を燃焼させ、燃焼室3内でピストン4を往復移動させることにより動力を発生する。内燃機関1は車両用多気筒エンジン(1気筒のみ図示)であり、火花点火式内燃機関、より具体的にはガソリンエンジンである。但し、本発明が適用される内燃機関は火花点火式内燃機関に限られず、例えば圧縮着火式内燃機関即ちディーゼルエンジンであってもよい。
内燃機関1のシリンダヘッドには、吸気ポートを開閉する吸気弁Viと、排気ポートを開閉する排気弁Veとが気筒ごとに配設されている。各吸気弁Viおよび各排気弁Veは図示しないカムシャフトによって開閉させられる。また、シリンダヘッドの頂部には、燃焼室3内の混合気に点火するための点火プラグ7が気筒ごとに取り付けられている。さらにシリンダヘッドにはインジェクタ(燃料噴射弁)12が気筒ごとに配設され、燃焼室3内に直接燃料噴射するようになっている。ピストン4はいわゆる深皿頂面型に構成されており、その上面には凹部4aが形成されている。そして内燃機関1では、燃焼室3内に空気を吸入させた状態で、インジェクタ12からピストン4の凹部4aに向けて燃料が直接噴射される。これにより点火プラグ7の近傍に、燃料と空気との混合気の層が周囲の空気層と分離された状態で形成(成層化)され、安定した成層燃焼が実行される。
各気筒の吸気ポートは気筒毎の枝管を介して吸気集合室であるサージタンク8に接続されている。サージタンク8の上流側には吸気集合通路をなす吸気管13が接続されており、吸気管13の上流端にはエアクリーナ9が設けられている。そして吸気管13には、上流側から順に、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ5と、電子制御式スロットルバルブ10とが組み込まれている。なお吸気ポート、サージタンク8及び吸気管13により吸気通路が形成される。
一方、各気筒の排気ポートは気筒毎の枝管を介して排気集合通路をなす排気管6に接続されている。これら排気ポート、枝管及び排気管6により排気通路が形成される。排気管6には、その上流側に、排気ガス中のCO,HC,NOxを同時に浄化可能な三元触媒11が設けられ、その下流側に、排気ガス中のNOxを浄化可能なNOx触媒16が設けられている。本実施形態では、三元触媒11とNOx触媒16を同一のケーシングに収容してなるCCL触媒ユニット(CCL: Catalytic Converter Lean)が用いられているが、これに限らず、三元触媒11とNOx触媒16を別々のケーシングに収容して個別に配置してもよい。なおディーゼルエンジンの場合だと、三元触媒の代わりに酸化触媒及びパティキュレートフィルタが典型的に設けられる。
三元触媒11の上流側に、排気ガスの空燃比(A/F)を検出するための空燃比センサ即ち触媒前空燃比センサ17が設置されている。触媒前空燃比センサ17は所謂広域空燃比センサからなり、比較的広範囲に亘る空燃比を連続的に検出可能で、その空燃比に比例した信号を出力する。但しこれに限らず、触媒前空燃比センサ17は、理論空燃比(ストイキ)を境に出力値が急変する所謂O2センサからなってもよい。
三元触媒11とNOx触媒16の間には別の空燃比センサである触媒間空燃比センサ19が設置されている。この触媒間空燃比センサ19も広域空燃比センサからなっているが、O2センサからなってもよい。
NOx触媒16の下流側にはさらに別の空燃比センサである触媒後空燃比センサ18が設置されている。この触媒後空燃比センサ18はO2センサからなっているが、広域空燃比センサからなってもよい。
上述の点火プラグ7、スロットルバルブ10及びインジェクタ12等は、制御手段としての電子制御ユニット(以下ECUと称す)20に電気的に接続されている。ECU20は、何れも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポート、および記憶装置等を含むものである。またECU20には、図示されるように、前述のエアフローメータ5、触媒前空燃比センサ17、触媒間空燃比センサ19及び触媒後空燃比センサ18のほか、内燃機関1のクランク角を検出するクランク角センサ14、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ15、NOx触媒16の上下流側にそれぞれ設置された排気温センサ即ち触媒前排気温センサ21及び触媒後排気温センサ22、その他の各種センサが図示されないA/D変換器等を介して電気的に接続されている。ECU20は、各種センサの検出値等に基づいて、所望の出力が得られるように、点火プラグ7、スロットルバルブ10、インジェクタ12等を制御し、点火時期、燃料噴射量、燃料噴射時期、スロットル開度等を制御する。なお触媒前排気温センサ21は三元触媒11とNOx触媒16の間の位置に設置される。クランク角センサ14の出力はエンジン回転速度Neの検出に用いられる。
三元触媒11は、これに流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比(ストイキ、例えばA/F=14.6)付近のときにCO,HC及びNOxを同時に浄化する。この三者を同時に高効率で浄化できる空燃比の幅(ウィンドウ)は比較的狭い。よって三元触媒11を有効に機能させるため、空燃比制御の一態様として、三元触媒11に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比付近となるように混合気の空燃比が制御される。これをストイキ制御といい、ストイキ制御が実行されているときのエンジンの運転態様をストイキ運転という。このストイキ制御では目標空燃比が理論空燃比と等しく設定され、触媒前空燃比センサ17により検出された空燃比が目標空燃比と等しくなるように、インジェクタ12から噴射される燃料噴射量ひいては空燃比がフィードバック制御される。
他方、燃費低減等の観点から、空燃比制御の別の態様として、目標空燃比が理論空燃比より高い値即ちリーンな値に設定される場合がある。これをリーンバーン制御といい、リーンバーン制御が実行されているときのエンジンの運転態様をリーンバーン運転という。なおリーンバーン制御時もストイキ制御時と同様、触媒前空燃比センサ17により検出された空燃比が目標空燃比と等しくなるように燃料噴射量ひいては空燃比がフィードバック制御される。リーンバーン制御時には、エンジンから比較的多量のNOxが排出されると共に、制御空燃比は三元触媒11でのNOx浄化率を極端に低下させるほどにリーンな値とされることが多い。この場合に三元触媒11をすり抜けたNOxを浄化すべく、三元触媒11の下流側にNOx触媒16が設けられている。
NOx触媒16には吸蔵還元型NOx触媒(NSR: NOx Storage Reduction)が用いられている。この吸蔵還元型NOx触媒は、アルミナAl23等の酸化物からなる基材表面に、触媒成分としての白金Ptのような貴金属と、NOx吸収成分とが担持されて構成されている。NOx吸収成分は、例えばカリウムK、ナトリウムNa,リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムY、セリウムCeのような希土類から選ばれた少なくとも一つから成る。
吸蔵還元型NOx触媒16は、これに流入される排気ガスの空燃比が理論空燃比よりリーンのときには排気ガス中のNOxを硝酸塩の形で吸蔵し、これに流入される排気ガスの空燃比が理論空燃比又はそれよりリッチのときには吸蔵したNOxを放出するという、NOxの吸放出作用を行う。また吸蔵還元型NOx触媒16は、これに流入される排気ガスの空燃比が理論空燃比よりリーンのときには排気ガス中の酸素O2を吸蔵し、これに流入される排気ガスの空燃比が理論空燃比又はそれよりリッチのときには吸蔵した酸素を放出するという、酸素の吸放出作用を行う。この酸素吸放出能は特にNOx吸収成分としてセリウムCeが用いられた場合に顕著となる。
リーンバーン運転中では、排気空燃比が理論空燃比よりリーンであり、NOx触媒16は排気中のNOx及び酸素の吸蔵を行う。一方、NOx触媒16がNOx及び酸素を飽和状態(満杯)まで吸蔵すると、NOx触媒16がそれ以上NOx及び酸素を吸蔵できなくなることから、NOx触媒から吸蔵NOx及び吸蔵酸素を放出させるべく、NOx触媒16に一時的に還元剤を供給するリッチスパイク或いはリッチスパイク制御が実行される。このリッチスパイク制御では目標空燃比が一時的に理論空燃比又はそれよりリッチな値に設定され、混合気ひいては排気ガスの空燃比が理論空燃比又はそれより低いリッチな値に制御される。このリッチな排気ガスに含まれる還元成分(HC、CO、H2)が、NOx触媒から吸蔵NOx及び吸蔵酸素を放出させ、特に放出NOxと反応して放出NOxを還元浄化する還元剤として機能する。このように、NOx触媒16から吸蔵NOx及び吸蔵酸素を放出してNOx触媒16のNOx吸蔵能及び酸素吸蔵能を回復させることをNOx再生と称する。
なお、リッチスパイクについてはこれ以外にも様々な方法がある。例えば、NOx触媒上流側に還元剤供給弁を別途設け、還元剤供給弁を開弁制御して排気中に還元剤を供給する方法がある。還元剤としては、排気中で炭化水素HCや一酸化炭素CO等の還元成分を発生するものであれば良く、水素、一酸化炭素等の気体、プロパン、プロピレン、ブタン等の液体又は気体の炭化水素、ガソリン、軽油、灯油等の液体燃料等が使用できる。好ましくはエンジンの燃料であるガソリンが使用される。代替的に、インジェクタ12から燃焼室3に膨張行程後期又は排気行程で燃料を噴射し、未燃燃料を排気中に多く含ませるいわゆるポスト噴射を行う方法が可能である。
NOx触媒16のNOx吸放出作用はNOx触媒16が所定の作動温度域(例えば280〜550℃)にないと実質的に行えない。そこで本実施形態ではNOx触媒16の温度(触媒温度、具体的には触媒床温)を計測し、リーンバーン運転の実行の可否を判断するようにしている。NOx触媒16の温度は、NOx触媒に埋設した温度センサにより直接検出することもできるが、本実施形態ではそれを推定することとしている。具体的には、ECU20が、触媒前排気温センサ21及び触媒後排気温センサ22によりそれぞれ検出された触媒前排気温及び触媒後排気温に基づき、触媒温度を推定する。なお推定方法はこのような例に限られない。
次に、NOx触媒の劣化診断について説明する。
図2にかかる劣化診断に際しての各値の変化の様子を示す。(A)はNOx触媒16に供給される排気ガスの空燃比(供給A/F)を示す。この値は触媒間空燃比センサ19によって検出される触媒間空燃比に等しい。(B)は触媒温度Tcを示す。
時刻t1以前では、リーンバーン運転によって空燃比がストイキよりも著しくリーンの値に制御されており(例えばA/F=20)、このときエンジンから排出されるNOxはNOx触媒16に吸蔵或いはトラップされる。またこのとき、排気ガス中の酸素もNOx触媒16に吸蔵或いはトラップされる。そしてこれらNOx及び酸素が飽和状態まで吸蔵されると、1回目のリッチスパイク即ち第1リッチスパイクRS1が実行され(時刻t1)、空燃比はストイキよりもリッチに制御される(例えばA/F=11)。
なおこのリッチスパイクの開始タイミングt1については、例えば、NOx触媒にNOxが飽和状態まで吸蔵されるとNOxがNOx触媒を素通りして下流側に流出し、触媒後空燃比センサ18の出力がリーン側に反転することから、このリーン側への反転タイミングを以てリッチスパイクの開始タイミングとすることができる。或いは、エンジンから排出される微小時間毎のNOx量をエンジン運転状態に基づいて推定すると共にこれを積算し、この積算値が、新品触媒において吸蔵NOxが満杯となるような所定値に達した時を以てリッチスパイクの開始タイミングとすることができる。
第1リッチスパイクの間、NOx触媒16には還元剤が供給され、NOx触媒16から吸蔵NOxと吸蔵酸素とが放出されていく。特に放出NOxは還元剤と反応して還元浄化される。図中の斜線領域I1が第1リッチスパイクによって供給される還元剤量を示す。リッチスパイクによって供給される還元剤量Iは、実際のリッチ空燃比とストイキとの差、及びリッチスパイク実行時間(t1〜t2)の積に比例する。この第1リッチスパイクの間、微小時間毎の供給還元剤量(例えば実際のリッチ空燃比とストイキとの差)が順次積算されていく。
なお、ここでは簡単のため、リーン制御時の空燃比を著しくリーンな値とし、エンジンから排出されたNOxが三元触媒11で還元されず全量NOx触媒16に吸蔵されるものとする。もっとも、より厳密にNOx触媒16の吸蔵NOx量を把握したい場合は、空燃比に対する三元触媒11のNOx還元率を考慮してエンジンから排出されたNOx量のうちの所定割合を吸蔵NOx量とすればよい。同様に、ここではリッチスパイク時に還元剤の全量がNOx触媒16に供給されるものとするが、より厳密に還元剤供給量を把握したい場合は、空燃比に対する三元触媒11のHC,CO浄化率を考慮し、エンジンから排出された還元剤量のうちの所定割合をNOx触媒16への還元剤供給量とすればよい。
第1リッチスパイクによって吸蔵NOxと吸蔵酸素とがNOx触媒16から放出され尽くすと、還元剤がNOx触媒を素通りして下流側に流出し、触媒後空燃比センサ18の出力がリッチ側に反転する。このリッチ側への反転タイミングt2で第1リッチスパイクは終了され、供給還元剤量の積算(第1還元剤量I1の計測)が終了されると共に、空燃比は一旦リーンに切り替えられる。
このリーン制御の期間tkは予め定められた極短い期間(1〜2秒)である。この間、NOx触媒16に対してNOxは殆ど吸蔵されないが、酸素は飽和状態まで吸蔵される。この中間のリーン制御期間tkを終えると、空燃比は再びリッチに切り替えられ、吸蔵酸素を放出させるための2回目のリッチスパイク即ち第2リッチスパイクRS1が実行される(時刻t3)。
第2リッチスパイクの間にもNOx触媒16に還元剤が供給され、NOx触媒16から吸蔵酸素が放出されていく。放出酸素は還元剤と反応して還元剤の酸化に利用される。図中の斜線領域I2が第2リッチスパイクによって供給される還元剤量を示す。この第2リッチスパイクの間にも微小時間毎の供給還元剤量が順次積算されていく。
第2リッチスパイクによって吸蔵酸素がNOx触媒16から放出され尽くすと、還元剤がNOx触媒を素通りして下流側に流出し、触媒後空燃比センサ18の出力がリッチ側に反転する。このリッチ側への反転タイミングt4で第2リッチスパイクは終了され、供給還元剤量の積算(第2還元剤量I2の計測)が終了されると共に、空燃比はリーンに切り替えられて通常のリーンバーン運転に移行する。
第1リッチスパイク時に計測された第1還元剤量I1は、現状のNOx触媒16が吸蔵可能な最大値としての吸蔵NOx量Mn及び吸蔵酸素量Moの合計量Mnoを表す指標値である。また第2リッチスパイク時に計測された第2還元剤量I2は、現状のNOx触媒16が吸蔵可能な最大値としての吸蔵酸素量Moを表す指標値である。よって第1還元剤量I1から第2還元剤量I2を減算して得られる値ΔI=I2−I1は、合計量Mnoから吸蔵酸素量Moを減じてなる吸蔵NOx量Mnを表す指標値となる。よってその減算値ΔIを所定の劣化判定値ΔIsと比較することで、NOx触媒16の正常・劣化を判定することができる。
ところで、図2(B)に示すように、第1リッチスパイク及び第2リッチスパイクを実行している最中にも触媒温度Tcは変化している。特に、リッチスパイクを行うと供給還元剤がNOx触媒中で反応して反応熱が起こるので、第2リッチスパイク時の方が第1リッチスパイク時より触媒温度が高くなる傾向にある。一方、NOx触媒におけるNOx吸蔵能及び酸素吸蔵能は触媒温度に対して個別に変化する特性を有する。よって第1リッチスパイク時と第2リッチスパイク時との間で触媒温度が変化した場合、たとえ同一の満杯状態までの吸蔵であっても、実際に吸蔵された酸素量は第1リッチスパイク時と第2リッチスパイク時とで等しくならない。
図3にはNOx触媒におけるNOxと酸素の吸蔵特性をそれぞれ示す。横軸には触媒温度Tcがとってあり、縦軸にはNOx触媒が吸蔵し得る吸蔵量がとってある。実線で示すように、吸蔵NOx量はある触媒温度Tcxのときに極大となり、この触媒温度(ピーク温度)Tcxから触媒温度が離れるにつれ吸蔵NOx量は徐々に減少する。そしてNOxを吸蔵可能な触媒温度範囲が限られている。例えば、ピーク温度Tcxは約400℃であり、NOxを吸蔵可能な触媒温度範囲は280〜550℃である。また一点鎖線で示すように、吸蔵酸素量は、触媒温度Tcの増加につれほぼ比例的に増大する。酸素を吸蔵可能な高温側の触媒温度限界はNOxの場合より高く、例えば800℃付近である。
ここで例えば第1リッチスパイク時に触媒温度がTc1であったものが、第2リッチスパイク時になると触媒温度が上昇してTc2になったものとする。この場合、第1リッチスパイク時の吸蔵酸素量(第1吸蔵酸素量)はMo1であるが、第2リッチスパイク時の吸蔵酸素量(第2吸蔵酸素量)はそれより多いMo2となる。よって、合計量Mnoから第2吸蔵酸素量Mo2を減じて得られる吸蔵NOx量Mnは、吸蔵酸素量の増加分(Mo2−Mo1)だけ真の値より少なくなり、ここに触媒温度変化に起因する誤差が生じることとなる。
よってこの誤差を解消するため、本実施形態では、第1リッチスパイク時の合計量Mnoと第2リッチスパイク時の吸蔵酸素量Moとの触媒温度条件が等しくなるように、少なくとも第2リッチスパイク時の触媒温度Tc2に基づいて吸蔵酸素量Moを補正する。こうすれば第1吸蔵酸素量Mo1と同等の第2吸蔵酸素量Mo2を得られ、この第2吸蔵酸素量Mo2を合計量Mnoから減算して吸蔵NOx量Mnを算出することにより、正確な吸蔵NOx量Mnを得、正確な劣化診断を行うことができる。
例えば図3に示すように、第1リッチスパイク時の触媒温度(第1触媒温度)Tc1と第2リッチスパイク時の触媒温度(第2触媒温度)との差(Tc2−Tc1)に応じて、第2吸蔵酸素量Mo2を、第1吸蔵酸素量Mo1に等しくするよう補正する方法がある。この方法によれば最も単純に両者の触媒温度条件を等しくすることができる。この場合温度差(Tc2−Tc1)と、補正量である補正係数Kとの関係を予め規定したマップ(関数でもよい、以下同様)をECU20に記憶しておき、このマップを利用して、実際の温度差(Tc2−Tc1)に対応する補正係数Kを得るようにする。そしてこの補正係数Kを実際の第2吸蔵酸素量計測値Mo2に乗じて第2吸蔵酸素量計測値Mo2を補正する。なおこの補正後の第2吸蔵酸素量計測値Mo2’を合計量計測値Mnoから減じて吸蔵NOx量Mnを算出する。温度差(Tc2−Tc1)≧0のとき、温度差が大きくなるほど補正係数Kは1に対してより小さくなる(但しK>0)。よって温度差が大きくなるほど第2吸蔵酸素量計測値Mo2はより小さくなるように補正される。なお温度差(Tc2−Tc1)<0のとき、温度差が小さくなるほど補正係数Kは1に対してより大きくなり、第2吸蔵酸素量計測値Mo2はより大きくなるように補正される。
ここでは第2吸蔵酸素量Mo2に補正係数Kを乗じて補正を行ったが、第2吸蔵酸素量Mo2に補正量を加減算して補正を行ってもよい。
一方、本実施形態では、第1リッチスパイク時の合計量計測値Mnoと第2リッチスパイク時の吸蔵酸素量計測値Moとを、所定の基準触媒温度相当の値に補正し、これにより両者の触媒温度条件を等しくする。即ち図3に示すように、両者は、基準触媒温度としてのピーク温度Tcx相当の値((Mnx+Mox),Mox)に補正される。吸蔵酸素量のみならず吸蔵NOx量も触媒温度に応じて変化するので、両者を基準触媒温度相当の値に補正することで、個々の診断時や計測時の触媒温度条件に拘わらず、一定の劣化判定値を用いて正確な劣化診断を行える。なお、基準触媒温度についてはピーク温度Tcx以外の温度に設定することも可能である。この補正には、第2リッチスパイク時の吸蔵酸素量計測値Moを第1リッチスパイク時の触媒温度相当の値にする補正が含まれる。
かかる補正を行う場合、例えば、第1リッチスパイク時に計測された触媒温度Tc1とピーク温度Tcxとの差即ち第1温度差ΔTc1(=Tc1−Tcx)に対応した第1補正係数K1を所定の第1補正マップから算出し、第1補正係数K1を合計量計測値Mnoに乗じて合計量計測値Mnoを基準触媒温度相当の値Mno’に補正する。また、第2リッチスパイク時に計測された触媒温度Tc2とピーク温度Tcxとの差即ち第2温度差ΔTc2(=Tc2−Tcx)に対応した第2補正係数K2を所定の第2補正マップから算出し、第2補正係数K2を吸蔵酸素量計測値Moに乗じて吸蔵酸素量計測値Moを基準触媒温度相当の値Mo’に補正する。なお、補正後の合計量計測値Mno’から補正後の吸蔵酸素量計測値Mo’を減じて吸蔵NOx量Mnを算出する。
ところで、NOx触媒の劣化が進むと、NOx及び酸素の吸蔵特性が図4に示す如く変化し、NOx触媒が吸蔵し得るNOx量及び酸素量がともに減少していく。そしてNOxを吸蔵可能な触媒温度範囲も次第に狭くなっていき、他方、触媒温度に対する吸蔵酸素量の増大率が減少していく(即ちグラフの傾きが小さくなる)。なお触媒劣化の進行に対する吸蔵量の減少度合いはNOxに比べ酸素の方が格段に少ない。
この触媒劣化に関する特性をも考慮して、少なくとも吸蔵酸素量計測値Moの補正度合い、好ましくは合計量計測値Mnoと吸蔵酸素量計測値Moとの両方の補正度合いを、NOx触媒の劣化度に応じて変更するのが好ましい。特に吸蔵酸素量については、触媒が劣化するほど吸蔵酸素量増大率が減少していくことから、これに対応して、触媒が劣化するほど補正度合いを少なくするのが好ましい。具体的には触媒が劣化するほど、同一の第2温度差ΔTc2に対する補正係数K2を1により近づけるようにする。このような補正度合いの変更は、触媒劣化度に応じて前記補正マップを変更、更新したり、切り替えたりすることで行うことができる。
NOx触媒の劣化度については、第1リッチスパイク時に計測された合計量計測値Mnoがその指標値となる。触媒の劣化が進むほど合計量計測値Mnoが小さくなるからである。よってこの合計量計測値Mnoに応じて補正度合いを変更するのが好ましい。
次に、具体的な診断処理の手順を図5を参照して説明する。図示される処理はECU20により実行される。なお前提としてリッチスパイク時以外は前述のようなリーンバーン運転がなされているものとする。
最初のステップS101では、所定の第1診断条件が成立しているか否かが判断される。この第1診断条件は、NOx触媒16に飽和状態までNOx及び酸素が吸蔵され、触媒温度計測値Tcが前述の作動温度域(280〜550℃)にあり、各空燃比センサ17,19,18が活性化しているときに成立となる。このほか、第1リッチスパイクが未実施であること、診断が未終了であることなどを条件に含めてもよい。
条件不成立のときは処理が即座に終了となる。他方、条件成立のときは、ステップS102に進んで第1リッチスパイクが実行され、ステップS103において、吸蔵NOx及び吸蔵酸素の合計量Mnoの指標値である第1還元剤量I1が計測される。
次に、ステップS104において第1還元剤量計測値I1が補正される。即ち、第1リッチスパイク時の触媒温度Tc1とピーク温度Tcxとの差即ち第1温度差ΔTc1(=Tc1−Tcx)に対応した第1補正係数K1を所定の第1補正マップから算出し、第1補正係数K1を第1還元剤量計測値I1に乗じて第1還元剤量計測値I1をピーク温度相当の値I1’に補正する。第1リッチスパイク時の触媒温度Tc1については、例えば第1リッチスパイク実行期間中(図2のt1〜t2)の平均触媒温度としてもよいし、第1リッチスパイク開始時(図2のt1)の触媒温度としてもよい。
次に、ステップS105において、所定の第2診断条件が成立しているか否かが判断される。この第2診断条件は、第1リッチスパイクの終了時から所定のリーン制御期間tkが経過しており、触媒温度計測値Tcが作動温度域にあり、各空燃比センサ17,19,18が活性化しているときに成立となる。このほか、第2リッチスパイクが未実施であること、診断が未終了であることなどを条件に含めてもよい。
条件不成立のときは処理が即座に終了となる。他方、条件成立のときは、ステップS106に進んで第2リッチスパイクが実行され、ステップS107において、吸蔵酸素量Moの指標値である第2還元剤量I2が計測される。
次に、ステップS108において第2還元剤量計測値I2が補正される。即ち、第2リッチスパイク時の触媒温度Tc2とピーク温度Tcxとの差即ち第2温度差ΔTc2(=Tc2−Tcx)に対応した第2補正係数K2を所定の第2補正マップから算出し、第2補正係数K2を第2還元剤量計測値I2に乗じて第2還元剤量計測値I2をピーク温度相当の値I2’に補正する。第2リッチスパイク時の触媒温度Tc2については、例えば第2リッチスパイク実行期間中(図2のt3〜t4)の平均触媒温度としてもよいし、第2リッチスパイク開始時(図2のt3)の触媒温度としてもよい。
こうして補正後の第1還元剤量I1’と補正後の第2還元剤量I2’とが算出されたならば、次にステップS109において、補正後の第1還元剤量I1’から補正後の第2還元剤量I2’を減算し、第1リッチスパイク時における吸蔵NOx量Mnの指標値である減算値ΔIを算出する。
次いでステップS110において、減算値ΔIが所定の劣化判定値ΔIsと比較される。減算値ΔIが劣化判定値ΔIs以上であればステップS111でNOx触媒16は正常と判定され、減算値ΔIが劣化判定値ΔIs未満であればステップS112でNOx触媒16は劣化と判定される。最後に、ステップS113で所定の診断終了設定を行って本処理を終える。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は他の実施形態を採ることも可能である。例えば、前記実施形態では第1リッチスパイク時の合計量計測値Mnoと第2リッチスパイク時の吸蔵酸素量計測値Moとを各リッチスパイク時の触媒温度に基づき補正したが、この補正を行う代わりに、触媒温度に応じて劣化判定値を補正してもよい。触媒温度がピーク温度からずれるとNOx吸蔵量が低下するので、誤判定を避けるために劣化判定値を減少補正するのが好ましい。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の概略的なシステム図である。 劣化診断時の各値の変化の様子を示すタイムチャートである。 NOx触媒のNOx及び酸素吸蔵特性を示すグラフである。 触媒劣化による吸蔵特性の変化を示すグラフである。 劣化診断処理の内容を示すフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
6 排気管
11 三元触媒
12 インジェクタ
16 NOx触媒
17 触媒前空燃比センサ
18 触媒後空燃比センサ
19 触媒間空燃比センサ
20 電子制御ユニット(ECU)
21 触媒前排気温センサ
22 触媒後排気温センサ
Mn 吸蔵XOx量
Mo 吸蔵酸素量
Mno 合計量
Tc 触媒温度
ΔTc1 第1温度差
ΔTc2 第2温度差
Tcx ピーク温度(基準温度)

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられた吸蔵還元型NOx触媒の劣化を診断する装置であって、
    空燃比をリーンに制御してNOx触媒に飽和状態までNOx及び酸素を吸蔵させた後、第1リッチスパイクを実行して吸蔵NOx及び吸蔵酸素の合計量を計測し、その後空燃比を一旦リーンに制御してNOx触媒に飽和状態まで酸素を吸蔵させた後、第2リッチスパイクを実行して吸蔵酸素量を計測し、前記合計量計測値から前記吸蔵酸素量計測値を減じて吸蔵NOx量を算出する吸蔵NOx量算出手段と、
    前記NOx触媒の温度を計測する触媒温度計測手段と、
    前記合計量計測値と前記吸蔵酸素量計測値との触媒温度条件が等しくなるように、少なくとも、前記第2リッチスパイク時に計測された触媒温度に基づいて前記吸蔵酸素量計測値を補正する補正手段と
    を備えたことを特徴とするNOx触媒の劣化診断装置。
  2. 前記補正手段は、少なくとも、前記第2リッチスパイク時に計測された触媒温度と前記第1リッチスパイク時に計測された触媒温度との温度差に基づいて、前記吸蔵酸素量計測値を前記第1リッチスパイク時の触媒温度相当の値に補正する
    ことを特徴とする請求項1記載のNOx触媒の劣化診断装置。
  3. 前記補正手段は、前記第1リッチスパイク時に計測された触媒温度と所定の基準温度との第1温度差に基づいて、前記合計量計測値を前記基準温度相当の値に補正すると共に、前記第2リッチスパイク時に計測された触媒温度と前記基準温度との第2温度差に基づいて、前記吸蔵酸素量計測値を前記基準温度相当の値に補正する
    ことを特徴とする請求項1記載のNOx触媒の劣化診断装置。
  4. 前記補正手段は、前記合計量計測値に応じて少なくとも前記吸蔵酸素量計測値の補正度合いを変更する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のNOx触媒の劣化診断装置。
JP2007210983A 2007-08-13 2007-08-13 NOx触媒の劣化診断装置 Pending JP2009046994A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007210983A JP2009046994A (ja) 2007-08-13 2007-08-13 NOx触媒の劣化診断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007210983A JP2009046994A (ja) 2007-08-13 2007-08-13 NOx触媒の劣化診断装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009046994A true JP2009046994A (ja) 2009-03-05

Family

ID=40499452

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007210983A Pending JP2009046994A (ja) 2007-08-13 2007-08-13 NOx触媒の劣化診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009046994A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011046109A1 (ja) * 2009-10-13 2011-04-21 日産自動車株式会社 内燃機関の排気浄化装置
JP2016537554A (ja) * 2013-11-13 2016-12-01 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフトDaimler AG 内燃機関の排気ガス浄化システムを動作する方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011046109A1 (ja) * 2009-10-13 2011-04-21 日産自動車株式会社 内燃機関の排気浄化装置
CN102597469A (zh) * 2009-10-13 2012-07-18 日产自动车株式会社 内燃机的排气净化装置
JP5218664B2 (ja) * 2009-10-13 2013-06-26 日産自動車株式会社 内燃機関の排気浄化装置
JP2016537554A (ja) * 2013-11-13 2016-12-01 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフトDaimler AG 内燃機関の排気ガス浄化システムを動作する方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4485553B2 (ja) NOxセンサの異常診断装置
JP4729518B2 (ja) NOx触媒の劣化診断装置
JP4537417B2 (ja) NOxセンサの異常診断装置
JP4513714B2 (ja) 触媒劣化検出方法
JP3570297B2 (ja) エンジン排気浄化装置
JP2009138604A (ja) 内燃機関の触媒劣化診断装置
JP4867909B2 (ja) NOx触媒の劣化診断装置
JP2010236458A (ja) NOx触媒の劣化診断装置
JP5229400B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2004044457A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4789016B2 (ja) NOx触媒の劣化診断装置
JP2009121330A (ja) 触媒被毒判定方法およびその装置ならびに排気浄化方法およびその装置
JP2009036172A (ja) 内燃機関の触媒劣化診断装置
JP6988648B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3552603B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2012031761A (ja) 触媒異常診断装置
JP2009046994A (ja) NOx触媒の劣化診断装置
JP2009138605A (ja) NOx触媒の劣化診断装置
JP2009150367A (ja) 内燃機関の触媒劣化診断装置
JP4127585B2 (ja) 内燃機関の排出ガス浄化装置
JP6995154B2 (ja) 内燃機関の排ガス浄化装置
JP3376954B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置及びそのSOx被毒判定方法
JP2009121414A (ja) 内燃機関の触媒劣化診断装置
JP5035670B2 (ja) 内燃機関の触媒劣化検出装置
JP4924924B2 (ja) 内燃機関の触媒劣化検出装置