JP6995154B2 - 内燃機関の排ガス浄化装置 - Google Patents

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本発明は、酸素貯蔵能を有し、酸化雰囲気の排ガス中のNOxを捕捉するとともに、還元雰囲気の排ガスの供給により、捕捉したNOxを還元し、浄化するNOx触媒を備えた内燃機関の排ガス浄化装置に関する。
従来、この種の内燃機関の排ガス浄化装置として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。内燃機関は例えばディーゼルエンジンであり、排気通路にはNOx触媒が設けられている。このNOx触媒は、上述した酸素貯蔵能を有するNOx吸蔵還元型のものである。NOx触媒の下流側には、排ガス中の空燃比をリニアに検出する空燃比センサが設けられている。
この排ガス浄化装置では、ディーゼルエンジンの通常運転時、酸化雰囲気の排ガスがNOx触媒に流入すると、NOx触媒は、排ガス中の酸素を貯蔵(吸収)するとともに、排ガス中のNOxを捕捉する。また、このNOx捕捉量が所定量に達するなどの所定の実行条件が成立したときに、NOx触媒に供給する排ガスを、還元剤(CO/HC成分)を含む還元雰囲気に制御する還元制御が実行される。これにより、NOx触媒では、貯蔵した酸素による還元剤の酸化反応と、還元剤によるNOxの還元反応が行われることで、NOxが還元され、浄化される。
また、空燃比センサで検出された排ガス中の空燃比が、所定値よりもリッチ側に移行したときに、NOx触媒に貯蔵されていた酸素が十分に消費され、捕捉されていたNOxが十分に還元されたと判定して、還元制御を終了し、エンジンの通常運転に切り替えられる。
特開2009-85129号公報
上述したように、酸素貯蔵能を有するNOx触媒では、還元制御中、貯蔵した酸素による還元剤の酸化反応と、還元剤によるNOxの還元反応によって、還元動作が行われる。このため、NOx触媒におけるNOxの堆積状況が同じであっても、還元制御の環境、例えば排ガス流量などが異なると、酸化反応及び還元反応の効率や進行度合が異なるため、NOxの還元度合が変化する。特に、還元動作の終盤においては、酸素の貯蔵量が少なくなることで、還元剤のスリップなどが発生しやすく、下流側の空燃比センサの検出値に影響を及ぼしやすい。
これに対し、従来の排ガス浄化装置では、NOx触媒の下流側における排ガス中の空燃比が、所定値よりもリッチ側に移行したときに、還元動作が完了したとして、還元制御を終了するにすぎない。このため、実際にはNOx還元が不十分で、還元動作が完了していないにもかかわらず、還元制御を終了することがある。その場合には、還元制御の終了時に相当量のNOxがNOx触媒に残留する結果、その後のリーン運転時に、NOx触媒に十分な量のNOxを捕捉できず、浄化性能を十分に発揮することができない。
一方、このようなNOxの還元不足を考慮し、例えば還元制御の実行時間を単純に延長した場合には、還元動作が完了したにもかかわらず、還元制御が継続されることがある。その場合には、還元制御の終了時にNOx触媒に溜まり込んだ還元剤が、その後のリーン運転時に排ガス中の酸素と酸化反応することによって、NOx触媒の過昇温や、それに起因するNOx触媒からのNOxスリップを招き、浄化性能に悪影響を及ぼす。また、その場合には、還元剤(燃料)が無駄に消費され、燃費が悪化するという不具合もある。
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであり、NOxの還元動作の完了に応じた適切なタイミングで還元制御を終了させ、それにより、排ガスの浄化性能を十分に発揮させることができる内燃機関の排ガス浄化装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、請求項1に係る内燃機関の排ガス浄化装置は、内燃機関3の排気通路5に設けられ、酸素貯蔵能を有し、酸化雰囲気の排ガス中のNOxを捕捉するとともに、還元剤を含む還元雰囲気の排ガスが供給されることにより、捕捉したNOxを還元し、浄化するNOx触媒7と、所定の実行条件が成立したときに、NOx触媒7にNOxの還元動作を行わせるために、NOx触媒7に流入する排ガスを還元雰囲気に制御する還元制御を実行する還元制御手段(実施形態における(以下、本項において同じ)ECU2、ステップ9)と、NOx触媒7の下流側における排ガス中の空燃比を表す空燃比パラメータ(第2空気過剰率λ2)を検出する空燃比パラメータ検出手段(第2LAFセンサ13)と、還元制御の実行中、検出された空燃比パラメータが基準値(第1空気過剰率λ1)に対してリッチ側に反転したか否かを判定する空燃比反転判定手段(ECU2、ステップ26)と、還元制御の実行中、NOx触媒7の下流側における排ガス中の空燃比の変化状態に影響を及ぼすパラメータを、空燃比影響パラメータ(排ガス流量QEX、触媒温度TNSC)として検出する空燃比影響パラメータ検出手段(エアフローセンサ11、ECU2、触媒温度センサ14)と、検出された空燃比影響パラメータに応じて、還元制御の延長時間TREFEを設定する延長時間設定手段(ECU2、ステップ27)と、空燃比パラメータが基準値に対してリッチ側に反転したタイミングから延長時間TREFEが経過したときに、還元制御を終了すべきと判定する終了判定手段(ECU2、ステップ30、34)と、を備えることを特徴とする。
この内燃機関の排ガス浄化装置によれば、NOx触媒は、酸素貯蔵能を有しており、内燃機関からの酸化雰囲気の排ガス中の酸素を貯蔵(吸収)するとともに、排ガス中のNOxを捕捉する。また、所定の実行条件が成立したときに、NOx触媒に流入する排ガスを還元雰囲気に制御する還元制御が実行される。それに応じ、NOx触媒では、排ガス中の還元剤が貯蔵した酸素で酸化されるとともに、捕捉したNOxが還元剤で脱離還元されることによって、NOxが浄化される。
また、NOx触媒の下流側における排ガス中の空燃比(以下「下流側排ガス空燃比」という)を表す空燃比パラメータが検出され、還元制御の実行中、検出された空燃比パラメータが基準値に対してリッチ側に反転したか否かが判定される。さらに、還元制御の実行中、下流側排ガス空燃比の変化状態に影響を及ぼすパラメータが、空燃比影響パラメータとして検出されるとともに、検出された空燃比影響パラメータに応じて、還元制御の延長時間が設定される。そして、空燃比パラメータが基準値に対してリッチ側に反転したタイミング(以下「リッチ側反転タイミング」という)から延長時間が経過したときに、還元制御を終了すべきと判定する。
以上のように、空燃比影響パラメータは、下流側排ガス空燃比の変化状態に影響を及ぼすパラメータである。このため、還元制御の実行中に検出された空燃比影響パラメータに応じて、還元制御の延長時間を、NOxの還元動作が完了したタイミングで還元制御が終了するように設定することができる。また、還元制御の終了タイミングは、その開始から終了までの全体時間ではなく、リッチ側反転タイミングからの延長時間として、下流側排ガス空燃比の実際の変化状態を反映するように設定される。以上により、NOxの還元動作の実際の完了に応じた適切なタイミングで、還元制御を終了させることができ、それにより、排ガスの浄化性能を十分に発揮させることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関の排ガス浄化装置において、延長時間設定手段は、空燃比パラメータが基準値に対してリッチ側に反転したタイミングで検出された空燃比影響パラメータに応じて、延長時間TREFEを設定すること(ステップ26、27)を特徴とする。
還元制御の実行中、空燃比影響パラメータが変化すると、空燃比影響パラメータが下流側排ガス空燃比の変化状態に及ぼす影響の度合も変化する。この構成によれば、空燃比パラメータのリッチ側反転タイミングで検出された直近の空燃比影響パラメータを用いて、延長時間が設定される。したがって、空燃比影響パラメータによる下流側排ガス空燃比の変化状態への影響の度合を良好に反映させながら、延長時間をより適切に設定でき、より適切なタイミングで還元制御を終了させることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関の排ガス浄化装置において、空燃比影響パラメータ検出手段は、空燃比影響パラメータとして、排ガスの流量(排ガス流量QEX)を検出し、延長時間設定手段は、検出された排ガスの流量が大きいほど、延長時間TREFEをより長い時間に設定すること(ステップ27、図6)を特徴とする。
還元制御中、NOx触媒に流入する還元雰囲気の排ガスの流量は、下流側排ガス空燃比の変化状態に影響を及ぼす。例えば、排ガスの流量が大きくなると、排ガスがNOx触媒をより短い時間で通過するため、貯蔵された酸素による酸化反応にもNOxの還元反応にも用いられずにNOx触媒を通過する還元剤のスリップ量が増加し、その結果、下流側排ガス空燃比がよりリッチ側に変化し、リッチ側反転タイミングがより早くなる。
この構成によれば、空燃比影響パラメータとして、排ガスの流量を用い、検出された排ガスの流量が大きいほど、延長時間をより長い時間に設定するので、排ガスの流量に応じた下流側排ガス空燃比の変化状態を良好に反映させながら、延長時間の設定を適切に行うことができる。
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の排ガス浄化装置において、空燃比影響パラメータ検出手段は、空燃比影響パラメータとして、NOx触媒7の温度(触媒温度TNSC)を検出し、延長時間設定手段は、検出されたNOx触媒7の温度が高いほど、延長時間TREFEをより長い時間に設定すること(ステップ27、図6)を特徴とする。
還元制御中、NOx触媒の温度は、下流側排ガス空燃比の変化状態に影響を及ぼす。例えば、NOx触媒の温度が高くなると、還元剤の酸化反応がより活発に行われ、酸素の消費速度が速くなるため、下流側排ガス空燃比のリッチ側反転タイミングが早まる傾向がある。また、この酸化反応と同時にNOxの還元反応が行われるものの、NOx触媒の温度が高いと、還元剤が還元反応に優先して酸化反応に用いられる傾向があり、その結果、NOxの還元動作が完了する前に、下流側排ガス空燃比がリッチ側に反転しやすくなる。
この構成によれば、空燃比影響パラメータとして、NOx触媒の温度を用い、検出されたNOx触媒の温度が高いほど、延長時間をより長い時間に設定するので、NOx触媒の温度に応じた下流側排ガス空燃比の変化状態を良好に反映させながら、延長時間の設定を適切に行うことができる。
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれかに記載の内燃機関の排ガス浄化装置において、還元制御の開始時からの経過時間(還元制御タイマ値TM_RICH)を計時する計時手段(ECU2、還元制御タイマ)と、計時された経過時間が所定時間(制限時間TLMT)に達したときに、還元制御を終了すべきと判定する第2終了判定手段(ECU2、ステップ31、34)と、をさらに備えることを特徴とする。
還元動作が完了した後に還元制御が継続された場合には、還元制御の終了時にNOx触媒に溜まり込んだ還元剤が、その後に供給される酸化雰囲気の排ガス中の酸素と酸化反応することで、NOx触媒の過昇温やそれに起因する浄化性能の低下などの不具合が生じるおそれがある。この構成によれば、還元制御の開始時から所定時間が経過したときに、還元制御を終了すべきと判定するので、還元動作の完了後に還元制御が長く継続される事態を回避し、NOx触媒の過昇温と浄化性能の低下などの不具合を防止することができる。
本発明の実施形態による排ガス浄化装置を内燃機関とともに概略的に示す図である。 図1のECUによって実行される還元制御処理を示すフローチャートである。 還元制御処理のうちの終了判定処理を示すフローチャートである。 還元制御の制限時間の算出に用いられるマップである。 還元制御中の排ガス成分の濃度変化や第1及び第2LAFの挙動特性を示す図である。 還元制御の延長時間の算出に用いられるマップである。 還元制御処理によって得られる動作例を示すタイミングチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は、本実施形態による排ガス浄化装置1を、内燃機関3とともに示している。この内燃機関(以下「エンジン」という)3は、例えば、車両(図示せず)に搭載された4気筒のディーゼルエンジンである(1気筒のみ図示)。
各気筒3aには、吸気通路4及び排気通路5が接続されるとともに、燃料噴射弁(以下「インジェクタ」という)6が取り付けられている。インジェクタ6は、燃料タンク(図示せず)から供給された燃料を燃焼室3b内に直接、噴射する。また、インジェクタ6は、ECU(電子制御ユニット)2に電気的に接続されており、その燃料噴射量QINJ及び燃料噴射時期φINJは、ECU2からの制御信号によって制御される。
エンジン3のクランクシャフト3cには、クランク角センサ10が設けられている。クランク角センサ10は、クランクシャフト3cの回転に伴い、パルス信号であるCRK信号及びTDC信号をECU2に出力する。
CRK信号は、所定のクランク角(例えば30度)ごとに出力される。ECU2は、このCRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。TDC信号は、いずれかの気筒3aにおいて、ピストン3dが吸気行程開始時のTDC位置よりも若干、手前の所定のクランク角位置にあることを表す信号であり、エンジン3が4気筒の場合には、クランク角180度ごとに出力される。
吸気通路4には、エアフローセンサ11が設けられている。エアフローセンサ11は、吸気通路4を介して気筒3aに吸入される吸入空気量GAIRを検出し、その検出信号をECU2に出力する。また、吸入空気量GAIRは、気筒3aから排出される排ガス流量にほぼ等しいことから、ECU2は、入力された吸入空気量GAIRから排ガス流量QEXを算出する。
排気通路5には、上流側から順に、NOx触媒7及びDPF (Diesel Particulate Filter)8が設けられている。
NOx触媒7は、NOx吸蔵還元型のものであり、酸素貯蔵能を有する。NOx触媒7は、酸化雰囲気の排ガス(酸素濃度が理論空燃比(ストイキ)に相当する排ガスの酸素濃度よりも高い排ガス)が流入したときに、排ガス中の酸素を貯蔵するとともに、NOxを捕捉する一方、還元雰囲気の排ガス(酸素濃度が理論空燃比に相当する排ガスの酸素濃度よりも低い排ガス)が流入したときに、貯蔵した酸素を放出するとともに、捕捉したNOxを還元することによって脱離浄化する。
DPF8は、NOx触媒7を通過した排ガス中の粒子状物質(PM)を捕捉する。また、粒子状物質の捕捉量が所定量に達したときなどに、粒子状物質を燃焼させる再生運転を行うことによって、DPF8が再生される。
また、排気通路5のNOx触媒7の上流側及びDPF8の下流側には、第1LAFセンサ12及び第2LAFセンサ13がそれぞれ設けられている。これらのLAFセンサ12、13はいずれも、ジルコニア及び白金電極などで構成された周知のものであり、理論空燃比(ストイキ)に対するリッチ領域から極リーン領域までの広範囲な空燃比領域において、排ガス中の酸素濃度を検出し、その検出信号をECU2に出力する。
ECU2は、第1LAFセンサ12の検出信号に基づき、NOx触媒7に流入する排ガスの空気過剰率(以下「第1空気過剰率」という)λ1を算出し、第2LAFセンサ13の検出信号に基づき、NOx触媒7から流出する排ガスの空気過剰率(以下「第2空気過剰率」という)λ2を算出する。
ここで、「排ガスの空気過剰率」は、実際の排ガス空燃比をストイキ状態のときの排ガス空燃比で除した値であり、「排ガス空燃比」とは、排ガス中の空気と可燃性気体との重量比をいう。したがって、排ガスの空気過剰率λは、排ガスがストイキ状態のときにλ=1、酸化雰囲気のときにλ>1、還元雰囲気のときにλ<1になる。なお、本実施形態では、第2LAFセンサ13が空燃比パラメータ検出手段に相当する。
また、NOx触媒7には、触媒温度センサ14が設けられている。触媒温度センサ14は、NOx触媒7の温度(以下「触媒温度」という)TNSCを検出し、その検出信号をECU2に出力する。
さらに、ECU2には、アクセル開度センサ15から、車両のアクセルペダル(図示せず)の踏み込み量(以下「アクセル開度」という)APを表す検出信号が入力される。
ECU2は、CPU、RAM、ROMおよびI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などから成るマイクロコンピュータで構成されている。ECU2は、前述した各種のセンサ10~15の検出信号などに応じて、エンジン3の運転状態を判別するとともに、判別した運転状態に応じて、各種の制御を実行する。
この制御には、インジェクタ6の燃料噴射量QINJなどを制御するエンジン制御の他、NOx触媒7に捕捉されたNOxを脱離浄化するために、排ガスを還元雰囲気に制御する還元制御などが含まれる。
なお、本実施形態では、ECU2は、還元制御手段、空燃比影響パラメータ検出手段、延長時間設定手段、終了判定手段、計時手段、及び第2終了判定手段に相当する。
次に、図2及び図3を参照しながら、ECU2で実行される還元制御処理について説明する。この処理は、NOx触媒7に捕捉されたNOxを還元するための還元制御を実行するとともに、その終了判定を行うものであり、所定の周期(例えば10msec)で実行される。
図2の処理では、まずステップ1(「S1」と図示。以下同じ)において、還元制御フラグF_RICHが「1」であるか否かを判別する。この答えがNOで、還元制御の実行中でないときには、ステップ2以降において、還元制御の実行条件が成立したか否かを判定する。
まずステップ2では、要求トルクPMCMD及びエンジン回転数NEに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、エンジン3からのNOx排出量QNOxを算出する。なお、要求トルクPMCMDは、検出されたアクセル開度AP及びエンジン回転数NEに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、算出される。
次に、算出したNOx排出量QNOxを、NOx捕捉量S_QNOxの前回値S_QNOxZに加算することによって、NOx捕捉量S_QNOx(今回値)を算出する(ステップ3)。このNOx捕捉量S_QNOxは、NOx触媒7に捕捉されているNOx量の推定値に相当する。
次に、NOx捕捉量S_QNOxが所定のしきい値SREF以上であるか否かを判別する(ステップ4)。この答えがNOで、NOx捕捉量S_QNOxがしきい値SREFに達していないときには、還元制御の実行条件が成立していないと判定し、ステップ5に進み、還元制御タイマの値TM_RICHを0にリセットした後、本処理を終了する。この還元制御タイマ値TM_RICHは、還元制御の開始時からの経過時間(実行時間)をアップカウント式に計時するものである。
一方、ステップ4の答えがYESで、NOx捕捉量S_QNOxがしきい値SREFに達したときには、ステップ6に進み、待機タイマの値TM_WAITが、後述するように設定される待機時間TREFW以上であるか否かを判別する。この待機タイマ値TM_WAITは、前回の還元制御の終了時からの経過時間をアップカウント式に計時するものである。このステップ6の答えがNOで、前回の還元制御の終了時から待機時間TREFWが経過していないときには、還元制御の実行条件が成立していないと判定し、前記ステップ5に進む。
一方、ステップ6の答えがYESで、前回の還元制御の終了時から待機時間TREFWが経過したときには、還元制御の実行条件が成立したと判定し、NOx残量R_QNOxをNOx捕捉量S_QNOxに設定する(ステップ7)とともに、NOx捕捉量S_QNOxを値0にリセットする(ステップ8)。
また、還元制御の実行条件が成立したことを表すために、還元制御フラグF_RICHを「1」にセットする(ステップ9)。これに伴い、還元制御が開始される。還元制御は、NOx触媒7に流入する排ガスを還元雰囲気に制御するものであり、例えば、インジェクタ6からの燃料噴射を排気行程において行うポスト噴射により、還元剤(CO/HC成分)として未燃燃料を多く含む排ガスを排気通路5に排出することによって行われる。
次に、ステップ10に進み、そのときの触媒温度TNSCに応じ、図4のマップを検索することによって、還元制御の制限時間TLMTを算出する。この制限時間TLMTは、還元制御の実行時間を制限するものである。その理由は、還元制御の実行時間が長すぎると、還元制御の終了時に余分なHCがNOx触媒7に溜まり込み、その後、酸化雰囲気下で酸化反応することによって、NOx触媒7の過昇温とそれに起因するNOxスリップが発生するおそれがあるためである。このため、図4のマップでは、制限時間TLMTは、還元制御の開始時における触媒温度TNSCが高いほど、より短い時間に設定されている。
ステップ10の後には、ステップ11に進み、還元制御の終了判定処理を実行し、本処理を終了する。また、前記ステップ9によって還元制御フラグF_RICHが「1」にセットされた後には、次回以降のループでステップ1の答えがYESになり、その場合にも、ステップ11を実行する。
次に、図3を参照しながら、ステップ11で実行される還元制御の終了判定処理について説明する。この処理では、まずステップ21において、NOxの還元動作の完了以外の還元制御の所定の終了条件が成立しているか否かを判別する。この所定の終了条件には、例えば、エンジン3の要求トルクが急激に増加する加速状態又は急激に減少する減速状態や、エンジン回転数NEの変更を伴うシフトチェンジ状態などが含まれる。
このステップ21の答えがYESで、所定の終了条件が成立しているときには、還元制御を終了するものとし、ステップ22において、図2のステップ6で待機タイマ値TM_WAITと比較される待機時間TREFWを、比較的短い第1所定値TMSに設定する。また、還元制御フラグF_RICHを「0」にリセットする(ステップ23)とともに、待機タイマ値TM_WAITを0にリセットし(ステップ24)、本処理を終了する。
一方、前記ステップ21の答えがNOのときには、還元制御の延長フラグF_EXTが「1」であるか否かを判別する(ステップ25)。この延長フラグF_EXTは、後述する還元制御の延長期間中であるときに「1」にセットされるものである。ステップ25の答えがNOで、延長期間中でないときには、第2LAFセンサ13の検出結果に基づく第2空気過剰率λ2が、第1LAFセンサ12の検出結果に基づく第1空気過剰率λ1よりも小さいか否かを判別する(ステップ26)。
この判別は、図5に示されるような還元制御中の排ガス成分の濃度変化や第1及び第2LAF12、13の挙動特性に基づいている。すなわち、同図に示すように、還元制御が実行され、還元剤(CO/HC成分)を含む還元雰囲気の排ガスがNOx触媒7に供給されると、CH4が一旦、増大し、第1空気過剰率λ1が1よりも小さいリッチ側の値を示すのに対し、第2空気過剰率λ2は、NOx触媒7中でCO/HC成分が貯蔵されていたO2と酸化反応し、消費されるため、ストイキに相当する値1付近で推移する。
その後、NOxの還元動作の完了が近づくにつれて、NOx触媒7の貯蔵O2量が0に近づき、CO/HC成分がスリップし始め、CO及びCH4が増大することで、第2空気過剰率λ2が低下し、第1空気過剰率λ1に近づく。また、NOxが減少し、COが余ることで、COとH2Oとの反応によってH2が増大し、さらに、H2とNOの反応によってNH3が増大する。
以上のように、NOx還元動作の終盤において、O2よりも分子量の小さいH2やCO、CH4が増大するとともに、O2よりも先に第2LAFセンサ13のキャビティに到達するため、第2LAFセンサ13がリッチ側と誤認識する。その結果、第2空気過剰率λ2は、第1空気過剰率λ1よりも小さくなり、リッチ側に反転する(もぐり込む)。したがって、このような第1空気過剰率λ1に対する第2空気過剰率λ2の反転から、NOxの還元動作が完了に近づいていると推定することが可能である。
一方、上述したように、第2空気過剰率λ2の反転は、第2LAFセンサ13によるリッチ側の誤認識によって発生するため、実際にはNOx触媒7に相当量のNOxが残留しているにもかかわらず、NOxの還元動作が完了したと判定する誤判定につながりやすい。本処理では、この点を考慮し、後述するように還元制御の終了判定を行っている。
以上のような還元制御中の第1及び第2LAF12、13の挙動特性などに基づき、図3の前記ステップ26の答えがNOで、第2空気過剰率λ2が第1空気過剰率λ1に対して反転していないときには、NOxの還元動作が完了していないため、還元制御を継続すべきとして、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ26の答えがYESで、第2空気過剰率λ2が第1空気過剰率λ1に対して反転したときには、NOxの還元動作が完了に近づいていると判定するとともに、NOx還元が完了した適切なタイミングで還元制御を終了させるために、還元制御をこの時点では終了せず、延長する。具体的には、ステップ27において、延長時間TREFEを算出する。次に、還元制御の延長期間中であることを表すために、延長フラグF_EXTを「1」にセットする(ステップ28)とともに、延長タイマの値TM_EXTを0にリセットし(ステップ29)、本処理を終了する。この延長タイマは、第2空気過剰率λ2の反転タイミングからの経過時間(延長時間)をアップカウント式に計時するものである。
上記ステップ27における延長時間TREFEの算出は、そのときに検出された排ガス流量QEX及び触媒温度TNSCに応じ、図6の延長時間マップを検索することによって行われる。同図に示すように、延長時間マップは、i個の触媒温度の所定値TNSC1~TNSCiとj個の排ガス流量の所定値QEX1~QEXjとの組合わせに対し、還元制御の終了時に、NOxの還元動作が完了し、NOxがNOx触媒7に残留しないような最適な延長時間を、実験などによってあらかじめ求め、延長時間TREFEとして設定したものである。
触媒温度TNSCが所定値TNSC1~TNSCiのいずれにも一致しない場合、及び/又は排ガス流量QEXが所定値QEX1~QEXjのいずれにも一致しない場合には、延長時間TREFEは補間計算によって求められる。
また、図6の延長時間マップでは、延長時間TREFEは、排ガス流量QEXが大きいほど、より大きな値に設定されている。その理由は以下のとおりである。すなわち、還元制御中、排ガス流量QEXが小さいときには、排ガスの空間速度SVが低く、排ガスがNOx触媒7を相対的に低速で通過する。このため、貯蔵O2によるCO/HC成分の酸化反応とCO/HC成分によるNOxの還元反応が釣り合った状態でより確実に行われる結果、CO/HC成分のスリップ量は小さくなる。
これに対し、還元制御中、排ガス流量QEXが大きいときには、排ガスの空間速度SVが高く、排ガスがNOx触媒7を相対的に高速で通過する。このため、貯蔵O2による酸化反応にもNOxの還元反応にも用いられずにスリップするCO/HC成分のスリップ量が増大することで、第2LAFセンサ13のリッチ側に誤認識し、第2空気過剰率λ2の反転が早まる傾向がある。これを補償するために、延長時間TREFEがより長く設定される。
さらに、図6の延長時間マップでは、延長時間TREFEは、触媒温度TNSCが高いほど、より大きな値に設定されている。その理由は以下のとおりである。すなわち、触媒温度TNSCが高いほど、NOx触媒7へのO2の捕捉量(吸着量)が多いのに対し、酸化反応に用いられる貯蔵O2の消費速度も大きいことから、第2空気過剰率λ2の反転が早まる傾向があるためである。また、触媒温度TNSCが高いほど、CO/HC成分が貯蔵O2による酸化反応に優先的に用いられてしまい、NOx還元に用いられるCO/HC成分の量が減少する結果、NOx還元動作の実際の完了よりも早く第2空気過剰率λ2の反転が生じるためである。
以上のように、還元制御の延長時間TREFEを排ガス流量QEX及び触媒温度TNSCに応じて設定することにより、NOx還元動作の実際の完了に対する第2空気過剰率λ2の早期の反転を補償し、NOx触媒7からNOxが十分に脱離還元された最適なタイミングで、還元制御が終了される。
図3に戻り、前記ステップ28により延長フラグF_EXTが「1」にセットされた後には、次回以降のループでステップ25の答えがYESになり、その場合には、ステップ30に進む。このステップ30では、前記ステップ29でリセットした延長タイマ値TM_EXTが延長時間TREFE以上であるか否かを判別する。
この答えがNOで、第2空気過剰率λ2の反転タイミングから延長時間TREFEが経過していないときには、後述するステップ31に進む。一方、ステップ30の答えがYESで、第2空気過剰率λ2の反転タイミングから延長時間TREFEが経過したときには、還元制御を終了すべきと判定し、ステップ32において、待機時間TREFWを、前記第1所定値TMSよりも長い第2所定値TMLに設定する。
また、延長フラグF_EXTを「0」にリセットする(ステップ33)とともに、前記ステップ23及び24と同様、還元制御フラグF_RICHを「0」にリセットする(ステップ34)とともに、待機タイマ値TM_WAITを0にリセットし(ステップ35)、本処理を終了する。
一方、前記ステップ30の答えがNOのときには、ステップ31において、図2のステップ5でリセットした還元制御タイマ値TM_RICHが所定の制限時間TLMT以上であるか否かを判別する。この答えがNOで、還元制御の開始時から制限時間TLMTが経過していないときには、そのまま本処理を終了し、還元制御を継続する。
一方、ステップ31の答えがYESで、還元制御の開始時から制限時間TLMTが経過したときには、還元制御を終了すべきと判定し、前記ステップ32~35を実行した後、本処理を終了する。
図7は、これまでに説明した図3及び図4の還元制御処理によって得られる動作例を示す。この例では、時点t1までは、エンジン3(ディーゼルエンジン)の通常運転が行われており、酸化雰囲気の排ガス中のO2がNOx触媒7に貯蔵されるとともに、NOxがNOx触媒7に捕捉される。
この状態から、時点t1において、還元制御の実行条件が成立すると、還元制御フラグF_RICHが「1」にセットされる(図2のステップ9)のに応じて、還元制御が開始され、ポスト噴射などによって還元雰囲気の排ガスがNOx触媒7に供給される。また、還元制御の開始と同時に、還元制御タイマがスタートし、そのタイマ値TM_RICHが増加する。
還元制御中、還元雰囲気の排ガスが供給されるのに伴い、NOx触媒7の上流側における第1空気過剰率λ1は、値1よりも小さいリッチ状態で推移する。また、NOx触媒7において、貯蔵O2による還元剤(CO/HC成分)の酸化反応と、還元剤によるNOxの還元反応が行われることによって、NOxが脱離浄化され、NOx触媒7の下流側における第2空気過剰率λ2は、値1にほぼ等しいストイキ状態で推移する。
その後、上述した酸化・還元反応が進行し、NOxの還元動作の完了が近づくにつれて、前述したように、NOx触媒7の貯蔵O2量が0に近づき、CO/HC成分がスリップするとともに、O2よりも分子量の小さいH2やCO、CH4が増大し、第2LAFセンサ13がリッチ側と誤認識するなどの理由から、第2空気過剰率λ2は、第1空気過剰率λ1よりも小さくなり、リッチ側に反転する(ステップ26:YES、時点t2)。
この第2空気過剰率λ2の反転に伴い、延長フラグF_EXTが「1」にセットされ(ステップ28)、還元制御の延長期間に移行するとともに、延長タイマがスタートし、そのタイマ値TM_EXTが増加する。また、第2空気過剰率λ2が反転した時点t2で、そのときに検出された排ガス流量QEX及び触媒温度TNSCに応じて、延長時間TREFEが設定される(ステップ27、図6)。
そして、延長タイマ値TM_EXTが延長時間TREFEに達したとき、すなわち第2空気過剰率λ2の反転タイミングから延長時間TREFEが経過したときに(時点t3)、還元制御を終了すべきと判定し、延長フラグF_EXT及び還元制御フラグF_RICHがいずれも「0」にリセットされ(ステップ33、34)、還元制御が終了する。
なお、本例では、還元制御タイマ値TM_RICHが制限値TLMTに達する前に、延長タイマ値TM_EXTが延長時間TREFEに達しているが、これとは逆に、先に還元制御タイマ値TM_RICHが制限値TLMTに達した場合には、そのタイミングで、還元制御を終了すべきと判定される。
以上のように、本実施形態によれば、還元制御の実行中、第2空気過剰率λ2が第1空気過剰率λ1に対してリッチ側に反転したときに、第2空気過剰率λ2の変化状態に影響を及ぼす空燃比影響パラメータ(排ガス流量QEX、触媒温度TNSC)に応じて、延長時間TREFEを設定し、第2空気過剰率λ2の反転タイミングから延長時間TREFEが経過したときに、還元制御を終了する。
また、還元制御の終了タイミングを、その開始から終了までの全体時間ではなく、第2空気過剰率λ2の反転タイミングからの延長時間として、第2空気過剰率λ2の実際の変化状態を反映するように設定する。以上により、NOx還元動作の実際の完了に応じた適切なタイミングで、還元制御を終了させることができ、それにより、排ガスの浄化性能を十分に発揮させることができる。
また、空燃比影響パラメータとして、第2空気過剰率λ2の反転タイミングで検出された排ガス流量QEX及び触媒温度TNSCを用いるとともに、排ガス流量QEXが大きいほど、また触媒温度TNSCが高いほど、延長時間TREFEをより長い時間に設定する。したがって、これらのパラメータに応じた第2空気過剰率λ2の変化状態を良好に反映させながら、延長時間TREFEの設定をより適切に行い、より適切なタイミングで還元制御を終了させ、浄化性能を向上させることができる。
さらに、還元制御の開始時から制限時間TLMTが経過したときに、第2空気過剰率λ2の反転タイミングからの延長時間TREFEの経過の有無にかかわらず、還元制御を終了するので、還元動作の完了後に還元制御が長く継続される事態を回避し、NOx触媒の過昇温と浄化性能の低下などの不具合を防止することができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、還元制御の延長時間TREFEを設定するための空燃比影響パラメータとして、排ガス流量QEX及び触媒温度TNSCを用いているが、両パラメータに代えて又は両パラメータとともに、NOx触媒の下流側における排ガス中の空燃比の変化状態に影響を及ぼす他の適当なパラメータを採用することができる。
例えば、排ガス流量QEXに代えて、NOx触媒に対する排ガスの空間速度を採用してもよい。この排ガスの空間速度は、NOx触媒の容積に対する相対的な排ガス流量に相当するので、排ガス流量QEXを用いた場合と同様の効果を得ることができる。
あるいは、空燃比影響パラメータとして、例えばNOx触媒におけるNOx占有率を採用してもよい。ここで、NOx占有率は、NOx触媒の最大NOx捕捉(吸着)量に対する実際のNOx捕捉量の割合をいう。NOx占有率が高いと、還元制御中、NOxの還元動作が完了する前にNH3がスリップし始め、NOx触媒からNOxと同時に排出されるため、第2LAFセンサ13の誤認識により、第2空気過剰率λ2の反転が早まる傾向がある。このため、空燃比影響パラメータとしてNOx占有率を用い、NOx占有率が高いほど、延長時間TREFEをより長い時間に設定することによって、還元制御を適切なタイミングで終了させることができる。
また、実施形態は、空燃比パラメータ検出手段として、ジルコニア及び白金電極などで構成されたLAFセンサを用いた例であるが、これに限らず、排ガス中の空燃比を表す空燃比パラメータを検出できるものであればよく、例えば、チタニア型酸素濃度センサなどを用いてもよい。さらに、実施形態は、空燃比パラメータとして空気過剰率λを用いた例であるが、これに限らず、排ガス中の空燃比を表すものであればよく、例えば、排ガスの空燃比そのものや排ガス中の酸素濃度を用いてもよい。
また、実施形態では、第2空気過剰率λ2の基準値として第1空気過剰率λ1を用い、第1空気過剰率λ1よりもリッチ側に移行したタイミングを反転タイミングとしているが、この基準値として、ストイキに相当する又はストイキよりもリッチ側の所定値を用いてもよい。
さらに、実施形態では、還元制御を、燃料のポスト噴射によって行っているが、これに限らず、例えば排気通路5に還元剤供給用の燃料噴射弁を設け、この燃料噴射弁から燃料を排気通路5に直接、噴射することによって行ってもよい。
また、実施形態は、本発明をディーゼルエンジンに適用した例であるが、本発明の排ガス浄化装置は、これに限らず、各種の内燃機関、例えばリーンバーン運転が行われるガソリンエンジンに適用してもよい。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
1 排ガス浄化装置
2 ECU(還元制御手段、空燃比影響パラメータ検出手段、延長時間設定手段、
終了判定手段、計時手段、第2終了判定手段)
3 内燃機関
5 排気通路
7 NOx触媒
11 エアフローセンサ(空燃比影響パラメータ検出手段)
13 第2LAFセンサ(空燃比パラメータ検出手段)
14 触媒温度センサ(空燃比影響パラメータ検出手段)
λ1 第1空気過剰率(基準値)
λ2 第2空気過剰率(空燃比パラメータ)
QEX 排ガス流量(空燃比影響パラメータ)
TNSC 触媒温度(NOx触媒の温度、空燃比影響パラメータ)
TREFE 延長時間
TM_RICH 還元制御タイマ値(還元制御の開始時からの経過時間)
TLMT 制限時間(所定時間)

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、酸素貯蔵能を有し、酸化雰囲気の排ガス中のNOxを捕捉するとともに、還元剤を含む還元雰囲気の排ガスが供給されることにより、前記捕捉したNOxを還元し、浄化するNOx触媒と、
    所定の実行条件が成立したときに、前記NOx触媒にNOxの還元動作を行わせるために、前記NOx触媒に流入する排ガスを、還元雰囲気に制御する還元制御を実行する還元制御手段と、
    前記NOx触媒の下流側における排ガス中の空燃比を表す空燃比パラメータを検出する空燃比パラメータ検出手段と、
    前記還元制御の実行中、前記検出された空燃比パラメータが基準値に対してリッチ側に反転したか否かを判定する空燃比反転判定手段と、
    前記還元制御の実行中、前記NOx触媒の下流側における排ガス中の空燃比の変化状態に影響を及ぼすパラメータを、空燃比影響パラメータとして検出する空燃比影響パラメータ検出手段と、
    当該検出された空燃比影響パラメータに応じて、前記還元制御の延長時間を設定する延長時間設定手段と、
    前記空燃比パラメータが前記基準値に対してリッチ側に反転したタイミングから前記延長時間が経過したときに、前記還元制御を終了すべきと判定する終了判定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
  2. 前記延長時間設定手段は、前記空燃比パラメータが前記基準値に対してリッチ側に反転したタイミングで検出された空燃比影響パラメータに応じて、前記延長時間を設定することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  3. 前記空燃比影響パラメータ検出手段は、前記空燃比影響パラメータとして、前記排ガスの流量を検出し、
    前記延長時間設定手段は、前記検出された排ガスの流量が大きいほど、前記延長時間をより長い時間に設定することを特徴とする、請求項1又は2に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  4. 前記空燃比影響パラメータ検出手段は、前記空燃比影響パラメータとして、前記NOx触媒の温度を検出し、
    前記延長時間設定手段は、前記検出されたNOx触媒の温度が高いほど、前記延長時間をより長い時間に設定することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  5. 前記還元制御の開始時からの経過時間を計時する計時手段と、
    当該計時された経過時間が所定時間に達したときに、前記還元制御を終了すべきと判定する第2終了判定手段と、をさらに備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
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