JP2008031901A - 内燃機関の触媒劣化検出装置 - Google Patents

内燃機関の触媒劣化検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】触媒後センサが劣化した場合にあっても真の触媒劣化度を正確に検出する。
【解決手段】内燃機関の排気通路に配置された触媒の劣化を検出する装置であって、触媒下流側の排気空燃比を検出するための触媒後センサと、触媒後センサの出力値が反転して所定の判定値VRに達したと同時に目標空燃比を切り替える手段と、触媒後センサの劣化度に相関するパラメータを検出する手段と、検出されたパラメータの値に応じて判定値をVRからVRxへと補正する手段とを備える。触媒後センサの劣化度に応じた適切な判定値を得ることが可能となり、触媒後センサが劣化した場合であってもその劣化の影響を排除し、真の触媒劣化度を正確に検出することが可能となる。
【選択図】図7

Description

本発明は、内燃機関の排気通路に配置された触媒の劣化を検出する触媒劣化検出装置に関する。
一般に、内燃機関では排気ガスを浄化するために排気通路に触媒が配置されている。このような触媒、例えば三元触媒は、触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりも大きくなると、即ちリーンになると排気ガス中に存在する過剰酸素を吸着保持し、触媒流入排気ガスの空燃比が理論空燃比よりも小さくなると、即ちリッチになると吸着保持された酸素を放出するOストレージ機能を有する。従って、内燃機関の通常運転時、理論空燃比を中心として混合気をリッチ側又はリーン側に交互に振らせると、三元触媒のもつOストレージ機能により、混合気がリーンになったときには過剰な酸素が触媒に吸着保持されるためにNOxが還元され、混合気がリッチになったときには触媒に吸着保持された酸素が放出されるためにHCおよびCOが酸化され、これによりNOx,HCおよびCOを同時に浄化できることになる。
そこで従来より触媒上流側の排気通路に排気空燃比を検出するための空燃比センサを配置し、排気空燃比がリーンになったときには燃料供給量を増量し、排気空燃比がリッチになったときには燃料供給量を減量させることにより、空燃比を理論空燃比を中心としてリッチ側又はリーン側に交互に振らせ、それによってNOx,HCおよびCOを同時に低減するようにしている。
ところで、三元触媒が劣化すると排気ガス浄化率が低下する。三元触媒の劣化度とOストレージ機能の低下度との間には相関関係がある。よって、Oストレージ機能が低下したことを検出することで触媒が劣化したことを検出することができる。
かかる原理に基づいて触媒劣化検出を行う装置としては例えば特許文献1に開示されたものがある。この装置は、内燃機関の排気通路に直列に配置された上流触媒と下流触媒のうち下流触媒の異常を判定するものである。上流触媒と下流触媒との間の触媒間空燃比を検出する触媒間センサと、下流触媒の下流の触媒後空燃比を検出する触媒後センサとが設けられる。触媒間センサの出力のリッチからリーンへの又はその逆への切り替えに応じて上流触媒の上流の触媒前空燃比をリーンからリッチへ又はその逆へと切り替えるアクティブ空燃比制御が実行される。そしてこのアクティブ空燃比制御の実行中に触媒後センサから発せられるセンサ出力に基づいて下流触媒の異常が判定される。
なお、他の従来技術として、例えば特許文献2には、触媒上下流側の上流側O2センサ及び下流側O2 センサの出力及びその軌跡長に基づいて触媒劣化を判別する技術が開示されており、特許文献3には、空燃比リッチ条件時及び空燃比リーン条件時にそれぞれ出力されたガス濃度センサの各出力信号の差に基づいて触媒劣化判定しきい値を補正する技術が開示されており、特許文献4には、触媒上下流側の第一及び第二の空燃比センサの少なくとも一方の劣化が検出されたとき、その劣化度合いに応じて劣化判定値を補正する技術が開示されている。
特開2004−176615号公報 特開平5−163989号公報 特許2745761号公報 特開平8−100635号公報
ところで、アクティブ空燃比制御の実行に際し、触媒下流側に設けられた触媒後センサの出力値が反転して所定のリッチ判定値又はリーン判定値に達したと同時に目標空燃比を強制的に切り替え、触媒に供給する排ガスの空燃比を目標空燃比と同様に切り替える場合がある。この場合、目標空燃比の切り替えは触媒後センサの出力値がリッチ判定値又はリーン判定値に達するタイミングで行われる訳だが、触媒後センサが劣化してくるとその出力特性が変化し、センサ新品時と同一のリッチ判定値又はリーン判定値を用いたままでは、触媒の劣化度を正確に検出できないことがある。つまり、真の触媒劣化度に、触媒後センサ劣化相当分の触媒劣化度が加わって検出されてしまい、真の触媒劣化度を正確に検出できないことがある。
そこで、本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、その目的は、触媒後センサが劣化した場合にあっても真の触媒劣化度を正確に検出することができる内燃機関の触媒劣化検出装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、第1の発明は、
内燃機関の排気通路に配置された触媒の劣化を検出する装置であって、
触媒下流側の排気空燃比を検出するための触媒後センサと、
前記触媒後センサの出力値が反転して所定のリッチ判定値又はリーン判定値に達したと同時に目標空燃比を所定のリーン空燃比又はリッチ空燃比に強制的に切り替えるアクティブ空燃比制御手段と、
前記触媒後センサの劣化度に相関するパラメータを検出するパラメータ検出手段と、
前記パラメータ検出手段によって検出されたパラメータの値に応じて前記リッチ判定値及びリーン判定値の少なくとも一方を補正する判定値補正手段と
を備えたことを特徴とする。
この第1の発明によれば、触媒後センサの劣化度に相関するパラメータの値に応じてリッチ判定値及びリーン判定値の少なくとも一方が補正される。よって、触媒後センサの劣化度に応じた適切なリッチ判定値又はリーン判定値を得ることが可能となり、触媒後センサが劣化した場合であってもその劣化の影響を排除し、真の触媒劣化度を正確に検出することが可能となる。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記パラメータが、前記内燃機関が搭載される車両の走行距離であるか、又は前記内燃機関における累積通電時間であることを特徴とする。
内燃機関が搭載される車両の走行距離が長くなるほど、また内燃機関における累積通電時間が長くなるほど、触媒後センサの劣化度が大きくなる。よってこれら走行距離及び累積通電時間の値は触媒後センサの劣化度に相関するパラメータとして好適であり、これらの値を用いることで触媒後センサの劣化度を適切に検出することができる。
また、第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記判定値補正手段は、前記パラメータの値が所定のしきい値を超えたとき前記補正を実行することを特徴とする。
触媒後センサは、走行距離等のパラメータの値が所定値以内のときはほぼ新品に近い劣化状態でしかないが、そのパラメータの値が所定値を超えると劣化度合いが大きくなってくる。よってパラメータの値が所定のしきい値を超えたとき補正を実行するようにすることで、触媒後センサの劣化特性に適応した好ましい補正が実行可能となる。
また、第4の発明は、第1乃至第3いずれかの発明において、
前記判定値補正手段は、前記パラメータの値が大きくなるほど補正の程度が大きくなるように前記補正を実行することを特徴とする。
触媒後センサは、走行距離等のパラメータの値が大きくなるほど劣化度合いが大きくなる。よって、パラメータの値が大きくなるほど補正の程度を大きくすることによって、触媒後センサの劣化特性に適応した好ましい補正が実行可能となる。
本発明によれば、触媒後センサが劣化した場合にあっても真の触媒劣化度を正確に検出することができるという、優れた効果が発揮される。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態の構成を示す概略図である。図示されるように、内燃機関1は、シリンダブロック2に形成された燃焼室3の内部で燃料および空気の混合気を燃焼させ、燃焼室3内でピストン4を往復移動させることにより動力を発生する。内燃機関1は車両用多気筒エンジン(1気筒のみ図示)であり、火花点火式内燃機関、より具体的にはガソリンエンジンである。
内燃機関1のシリンダヘッドには、吸気ポートを開閉する吸気弁Viと、排気ポートを開閉する排気弁Veとが気筒ごとに配設されている。各吸気弁Viおよび各排気弁Veは図示しないカムシャフトによって開閉させられる。また、シリンダヘッドの頂部には、燃焼室3内の混合気に点火するための点火プラグ7が気筒ごとに取り付けられている。さらにシリンダヘッドにはインジェクタ(燃料噴射弁)12が気筒ごとに配設され、燃焼室3内に直接燃料噴射するようになっている。ピストン4はいわゆる深皿頂面型に構成されており、その上面には凹部4aが形成されている。そして内燃機関1では、燃焼室3内に空気を吸入させた状態で、インジェクタ12からピストン4の凹部4aに向けて燃料が直接噴射される。これにより点火プラグ7の近傍に、燃料と空気との混合気の層が周囲の空気層と分離された状態で形成(成層化)され、安定した成層燃焼が実行される。
各気筒の吸気ポートは気筒毎の枝管を介して吸気集合室であるサージタンク8に接続されている。サージタンク8の上流側には吸気集合通路をなす吸気管13が接続されており、吸気管13の上流端にはエアクリーナ9が設けられている。そして吸気管13には、上流側から順に、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ5と、電子制御式スロットルバルブ10とが組み込まれている。なお吸気ポート、サージタンク8及び吸気管13により吸気通路が形成される。
一方、各気筒の排気ポートは気筒毎の枝管を介して排気集合通路をなす排気管6に接続されており、排気管6には、Oストレージ機能を有する三元触媒からなる触媒11が取り付けられている。なお排気ポート、枝管及び排気管6により排気通路が形成される。触媒11の上流側と下流側とにそれぞれ排気空燃比を検出するための触媒前センサ及び触媒後センサ17,18が設置されている。触媒前センサ17は所謂広域空燃比センサからなり、比較的広範囲に亘る空燃比を連続的に検出可能で、その空燃比に比例した電流信号を出力する。他方、触媒後センサ18は所謂Oセンサからなり、理論空燃比を境に出力電圧が急変する特性を持つ。
上述の点火プラグ7、スロットルバルブ10及びインジェクタ12等は、制御手段としての電子制御ユニット(以下ECUと称す)20に電気的に接続されている。ECU20は、何れも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポート、および記憶装置等を含むものである。またECU20には、図示されるように、前述のエアフローメータ5、触媒前センサ17、触媒後センサ18のほか、内燃機関1のクランク角を検出するクランク角センサ14、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ15、吸気圧を検出する吸気圧センサ16、スロットルバルブ10の開度を検出するスロットル開度センサ19、内燃機関1が搭載される車両の走行距離を検出する走行距離計21、その他の各種センサが図示されないA/D変換器等を介して電気的に接続されている。またECU20には、内燃機関1のシステム全体をオン・オフするためのイグニッションスイッチ22が電気的に接続されている。ECU20は、各種センサの検出値等に基づいて、所望の出力が得られるように、点火プラグ7、スロットルバルブ10、インジェクタ12等を制御し、点火時期、燃料噴射量、燃料噴射時期、スロットル開度等を制御する。なおスロットル開度は通常アクセル開度に応じた開度に制御される。
触媒11は、これに流入する排気ガスの空燃比A/Fが理論空燃比(ストイキ)A/Fs(例えば14.6)のときにNOx ,HCおよびCOを同時に浄化する。そしてこれに対応して、ECU20は、内燃機関の通常運転時、触媒上流側の排気空燃比即ち触媒前空燃比A/Ffrが理論空燃比A/Fsになるように空燃比を制御する。具体的にはECU20は、理論空燃比A/Fsに等しい目標空燃比A/Ftを設定すると共に、触媒前センサ17により検出された触媒前空燃比A/Ffrが目標空燃比A/Ftに一致するように、インジェクタ12から噴射される燃料噴射量を制御する。これにより触媒11に流入する排気ガスの空燃比は理論空燃比近傍に保たれ、触媒11において最大の浄化性能が発揮されるようになる。
ここで、触媒11についてより詳細に説明する。図2に示すように、触媒11においては、図示しない担体基材の表面上にコート材31が被覆され、このコート材31に微粒子状の触媒成分32が多数分散配置された状態で保持され、触媒11内部で露出されている。触媒成分32は主にPt,Pd等の貴金属からなり、NOx ,HCおよびCOといった排ガス成分を反応させる際の活性点となる。他方、コート材31は、排気ガスと触媒成分32との界面における反応を促進させる助触媒の役割を担うと共に、雰囲気ガスの空燃比に応じて酸素を吸収放出可能な酸素吸蔵成分を含む。酸素吸蔵成分は例えば二酸化セリウムCeOからなる。例えば、触媒成分32及びコート材31の雰囲気ガスが理論空燃比A/Fsよりリッチであると、触媒成分32の周囲に存在する酸素吸蔵成分に吸蔵されていた酸素が放出され、この結果、放出された酸素によりHCおよびCOといった未燃成分が酸化され、浄化される。逆に、触媒成分32及びコート材31の雰囲気ガスが理論空燃比A/Fsよりリーンであると、触媒成分32の周囲に存在する酸素吸蔵成分が雰囲気ガスから酸素を吸収し、この結果NOxが還元浄化される。
このような酸素吸放出作用により、通常の空燃比制御の際に触媒前空燃比A/Ffrが理論空燃比A/Fsに対し多少ばらついたとしても、NOx、HCおよびCOといった三つの排気ガス成分を同時浄化することができる。よって通常の空燃比制御において、触媒前空燃比A/Ffrを敢えて理論空燃比A/Fsを中心に微小振動させ、酸素の吸放出を繰り返させることにより排ガス浄化を行うことも可能である。
ところで、新品状態の触媒11では前述したように細かい粒子状の触媒成分32が多数均等に分散配置されており、排気ガスと触媒成分32との接触確率が高い状態に維持されている。しかしながら、触媒11が劣化してくると、一部の触媒成分32に消失が見られるほか、触媒成分32同士が排気熱で焼き固まって焼結状態になるものがある(図の破線参照)。こうなると排気ガスと触媒成分32との接触確率の低下を引き起こし、浄化率を落としめる原因となる。そしてこのほかに、触媒成分32の周囲に存在するコート材31の量、即ち酸素吸蔵成分の量が減少し、酸素吸蔵能自体が低下する。
このように、触媒11の劣化度と触媒11の持つ酸素吸蔵能の低下度とは相関関係にある。そこで本実施形態では、触媒11の酸素吸蔵能を検出することにより触媒11の劣化度を検出ないし判定することとしている。ここで、触媒11の酸素吸蔵能は、触媒11が吸蔵し得る酸素量である酸素吸蔵容量(OSC;O Strage Capacity、単位はg)の大きさによって表される。
以下、本実施形態における触媒の劣化検出について説明する。
本実施形態では、触媒11の劣化検出の際にECU20によるアクティブ空燃比制御が実行される。ここでアクティブ空燃比制御とは、触媒上流側の排気空燃比である触媒前空燃比A/Ffrを、所定のリッチ空燃比A/Frとリーン空燃比A/Flとの一方から他方に所定のタイミングで強制的に切り替える制御である。
ここで触媒11の劣化検出は、内燃機関1の定常運転時で且つ触媒11が所定の活性温度域にあるときに実行される。触媒11の温度は、直接検出してもよいが、本実施形態の場合それをエンジン運転状態に基づき所定のマップ又は関数を用いて推定するようにしている。触媒11の劣化検出はエンジンの1運転毎に1回実行され、少なくとも続けて2回、触媒11が劣化状態にあると判定されたときに警告装置が作動させられる。
図3(A),(B)にはそれぞれ、アクティブ空燃比制御実行時における触媒前センサ17及び触媒後センサ18の出力が実線で示されている。また、図3(A)には、ECU20の内部値である目標空燃比A/Ftが破線で示されている。触媒前センサ17及び触媒後センサ18の出力はそれぞれ触媒前空燃比A/Ffr及び触媒後空燃比A/Frrを表す。
図3(A)に示されるように、目標空燃比A/Ftは、中心空燃比としての理論空燃比A/Fsを中心として、そこからリッチ側に所定の振幅(リッチ振幅Ar、Ar>0)だけ離れた空燃比(リッチ空燃比A/Fr)と、そこからリーン側に所定の振幅(リーン振幅Al、Al>0)だけ離れた空燃比(リーン空燃比A/Fl)とに強制的に、且つ交互に切り替えられる。そしてこの目標空燃比A/Ftの切り替えないし振動に追従するようにして、実際値としての触媒前空燃比A/Ffrも、目標空燃比A/Ftに対し僅かな時間遅れを伴って切り替わる。よって触媒前空燃比A/Ffrも目標空燃比A/Ftと同様にリッチ空燃比A/Frとリーン空燃比A/Flとに強制的に且つ交互に切り替えられる。このことから目標空燃比A/Ftと触媒前空燃比A/Ffrとは時間遅れがあること以外等価であることが理解されよう。
図示例においてリッチ振幅Arとリーン振幅Alとは等しい。例えば理論空燃比A/Fs=14.6、リッチ空燃比A/Fr=14.1、リーン空燃比A/Fl=15.1、リッチ振幅Ar=リーン振幅Al=0.5である。通常の空燃比制御の場合に比べ、アクティブ空燃比制御の場合は空燃比の振り幅が大きく、即ちリッチ振幅Arとリーン振幅Alとの値は大きい。
ところで、目標空燃比A/Ftが切り替えられるタイミングは、触媒後センサ18の出力がリッチからリーンに、又はリーンからリッチに切り替わるタイミングである。ここで図示されるように触媒後センサ18の出力電圧は理論空燃比A/Fsを境に急変し、触媒後空燃比A/Frrが理論空燃比A/Fsより小さいリッチ側の空燃比であるときその出力電圧がリッチ判定値VR以上となり、触媒後空燃比A/Frrが理論空燃比A/Fsより大きいリーン側の空燃比であるときその出力電圧がリーン判定値VL以下となる。ここでVR>VLであり、例えばVR=0.59(V)、VL=0.21(V)である。
図3(A),(B)に示されるように、触媒後センサ18の出力電圧がリッチ側の値からリーン側に変化してリーン判定値VLに等しくなった時(時刻t1)、目標空燃比A/Ftはリーン空燃比A/Flからリッチ空燃比A/Frに切り替えられる。その後、触媒後センサ18の出力電圧がリーン側の値からリッチ側に変化してリッチ判定値VRに等しくなった時(時刻t2)、目標空燃比A/Ftはリッチ空燃比A/Frからリーン空燃比A/Flに切り替えられる。
このように、触媒後センサ18の出力値が反転してリッチ判定値VR又はリーン判定値VLに達したと同時に目標空燃比A/Ftがリーン空燃比A/Fl又はリッチ空燃比A/Frに強制的に切り替えられる。
このアクティブ空燃比制御を実行しつつ、次のようにして触媒11の酸素吸蔵容量OSCが算出され、触媒11の劣化が判定される。
図3を参照して、時刻t1より前では目標空燃比A/Ftがリーン空燃比A/Flとされ、触媒11にはリーンガスが流入されている。このとき触媒11では酸素を吸収し続けているが、一杯に酸素を吸収した時点でそれ以上酸素を吸収できなくなり、リーンガスが触媒11を通り抜けて触媒11の下流側に流れ出す。こうなると触媒後空燃比A/Frrがリーン側に変化し、触媒後センサ18の出力電圧がリーン判定値VLに達した時点(t1)で、目標空燃比A/Ftがリッチ空燃比A/Frに切り替えられ、或いは反転される。このように目標空燃比A/Ftは触媒後センサ18の出力をトリガにして反転される。
そして今度は触媒11にリッチガスが流入されることとなる。このとき触媒11では、それまで吸蔵されていた酸素が放出され続ける。よって触媒11の下流側にはほぼ理論空燃比A/Fsの排気ガスが流出し、触媒後空燃比A/Frrがリッチにならないことから、触媒後センサ18の出力は反転しない。触媒11から酸素が放出され続けるとやがて触媒11からは全ての吸蔵酸素が放出され尽くし、その時点でそれ以上酸素を放出できなくなり、リッチガスが触媒11を通り抜けて触媒11の下流側に流れ出す。こうなると触媒後空燃比A/Frrがリッチ側に変化し、触媒後センサ18の出力電圧がリッチ判定値VRに達した時点(t2)で、目標空燃比A/Ftがリーン空燃比A/Flに切り替えられる。
酸素吸蔵容量OSCが大きいほど、酸素を吸収或いは放出し続けることのできる時間が長くなる。つまり、触媒が劣化していない場合は目標空燃比A/Ftの反転周期(例えばt1からt2までの時間)が長くなり、触媒の劣化が進むほど目標空燃比A/Ftの反転周期は短くなる。
そこで、このことを利用して酸素吸蔵容量OSCが以下のようにして算出される。図4に示すように、時刻t1で目標空燃比A/Ftがリッチ空燃比A/Frに切り替えられた直後、僅かに遅れて実際値としての触媒前空燃比A/Ffrがリッチ空燃比A/Frに切り替わる。そして触媒前空燃比A/Ffrが理論空燃比A/Fsに達した時点t11から、次に目標空燃比A/Ftが反転する時点t2まで、次式(1)により微小時間毎の酸素吸蔵容量dCが算出され、且つこの微小時間毎の酸素吸蔵容量dCが時刻t11から時刻t2まで積分される。こうしてこの酸素放出サイクルにおける酸素吸蔵容量OSC1即ち放出酸素量が算出される。
Figure 2008031901
ここで、Qは燃料噴射量であり、空燃比差ΔA/Fに燃料噴射量Qを乗じると過剰分の空気量を算出できる。Kは空気に含まれる酸素割合(約0.23)である。
基本的には、この1回で算出された酸素吸蔵容量OSC1を用い、これを所定のしきい値(触媒劣化判定しきい値)と比較し、酸素吸蔵容量OSC1がしきい値を超えていれば正常、酸素吸蔵容量OSC1がしきい値以下ならば劣化、というように触媒の劣化を判定できる。しかしながら、本実施形態では精度を向上させるため、リーン側でも同様に酸素吸蔵容量(この場合酸素吸収量)を算出し、必要に応じてリッチ側とリーン側とで複数回算出を繰り返し、その平均値をしきい値と比較して最終的な劣化判定を行っている。
具体的には、図4に示すように、時刻t2で目標空燃比A/Ftがリーン空燃比A/Flに切り替えられた後、前式(1)により微小時間毎の酸素吸蔵容量dCが算出され、且つこの微小時間毎の酸素吸蔵容量dCが、触媒前空燃比A/Ffrが理論空燃比A/Fsに達した時点t21から、次に目標空燃比A/Ftがリッチ側に反転する時点t3まで積分される。こうしてこの酸素吸収サイクルにおける酸素吸蔵容量OSC2即ち吸収酸素量が算出される。前回サイクルの酸素吸蔵容量OSC1と今回サイクルの酸素吸蔵容量OSC2とはほぼ等しい値となるはずである。こうして複数の酸素吸蔵容量OSC1,OSC2,・・・OSCn(例えばnは5以上)が繰り返し算出され、その平均値OCSavが所定のしきい値OSCsと比較される。そして、平均値OCSavがしきい値OSCsを超えていれば触媒11は正常、平均値OCSavがしきい値OSCs以下ならば触媒11は劣化と判定される。
なお、車両の走行距離等、触媒劣化度に相関する値に応じて酸素吸蔵容量OSCの算出回数nを変化させてもよい。例えば走行距離が比較的少なく明らかに劣化が相当程度進んでいないと想定できる場合はnを少ない値とし、走行距離が比較的多く劣化が相当程度進んでいる可能性のある場合はnを多い値とする。
ここで、酸素吸蔵容量OSCと触媒温度との関係を図5に示す。見られるように、酸素吸蔵容量OSCは触媒温度が高くなるにつれ大きくなる傾向にある。酸素吸蔵容量OSCは新品の触媒で最大であり、触媒の劣化が進むにつれ減少してくる。そして、酸素吸蔵容量OSCがしきい値OSCs以下になった場合、触媒11は劣化と判定される。
さて、上述のアクティブ空燃比制御においては、触媒後センサ18の出力電圧がリーン側に反転してリーン判定値VLに達したと同時に(図3のt1)目標空燃比A/Ftがリッチ空燃比A/Frに切り替えられ、触媒後センサ18の出力電圧がリッチ側に反転してリッチ判定値VRに達したと同時に(図3のt2)目標空燃比A/Ftがリーン空燃比A/Flに切り替えられる。ここでリーン判定値VL及びリッチ判定値VRは、触媒後センサ18が新品或いは未劣化であるという前提の下で適切な値として予め設定された値である。一方、触媒後センサ18が劣化してくるとその出力特性が変化してくる。よってこの場合に新品ないし未劣化時と同一の判定値VL、VRを用いたままだと、触媒の真の劣化度を正確に検出できないことがある。
図6には触媒11及び触媒後センサ18の劣化度と、前記のように算出される触媒11の酸素吸蔵容量OSCとの関係を示す。ここで触媒11及び触媒後センサ18の初期状態は新品であるとし、両者が同一時間使用された場合の劣化度を横軸に示す。図示されるように、酸素吸蔵容量OSCは、初期状態ではZで示されるように高い値が算出されるが、劣化度が大きくなるにつれ徐々に少ない値が算出されるようになってくる。ところで、算出される酸素吸蔵容量OSCの値は、新品時の値Zから、触媒11自体の劣化による減少分と、触媒後センサ18の劣化による減少分とを差し引いたものとなる。つまり、触媒後センサ18の劣化分が差し引かれる結果、算出される酸素吸蔵容量OSCの値としては、触媒11単独の劣化分だけの値より少ない値が算出されてしまう。よって、触媒11単独の劣化分だけを考慮した真の触媒劣化度が正確に検出できないほか、まだ十分な劣化に至っていない触媒に対し、算出される酸素吸蔵容量OSCの値が劣化判定しきい値OSCs以下となって劣化と判定してしまう誤判定が起こり得る。
このことについて図7を参照しつつより詳細に説明する。図7は、触媒後センサ18が新品のときと劣化のときの各値の比較を示し、新品のときを一点鎖線で、劣化のときを実線で示す。(A)及び(B)は、触媒後センサ18がそれぞれ新品及び劣化のときの目標空燃比A/Ftを示し、(C)及び(D)は、触媒後センサ18がそれぞれ新品及び劣化のときの触媒後センサ出力電圧を示し、(E)及び(F)は、触媒後センサ18がそれぞれ新品及び劣化のときの酸素吸蔵容量OSCの算出値を示す。なお、新品時と劣化時とで触媒は同一であるとする。
(A)、(C)、(E)に示される触媒後センサ18の新品時、触媒後センサ18の出力電圧がリーン側からリッチ側に反転し、リッチ判定値VRに達すると、それと同時に目標空燃比A/Ftがリッチ空燃比A/Frからリーン空燃比A/Flに切り替えられる。そしてこれと同時に酸素吸蔵容量OSCの積算が終了し、比較的多い酸素吸蔵容量の値OSCzが得られる。
しかしながら、(B)、(D)、(F)に示される触媒後センサ18の劣化時の場合だと、新品時に比べて触媒後センサ18の応答性が速くなる。この原因は、触媒11から飛散した貴金属からなる触媒成分32が触媒後センサ18に付着するためと考えられる。よって、触媒後センサ18の出力電圧がリーン側からリッチ側に反転するとき、その反転速度が速くなり(即ち、線図の傾きが急になり)、新品時よりも早くリッチ判定値VRに達する。こうなると、新品時よりも早いタイミングで目標空燃比A/Ftがリッチ空燃比A/Frからリーン空燃比A/Flに切り替えられるほか、とりわけ、酸素吸蔵容量OSCの積算が新品時よりも早く終了し、新品時よりも少ない酸素吸蔵容量の値OSCzxが算出される結果となる。
この図示例は触媒後センサ18の出力電圧がリーン側からリッチ側に反転するときの場合であるが、逆の場合、即ち触媒後センサ18の出力電圧がリッチ側からリーン側に反転するときの場合も同様である。図示省略するが、この場合にも同様に触媒後センサ18の出力電圧が新品時よりも早くリーン判定値VLに達するようになり、新品時よりも少ない酸素吸蔵容量の値が算出される結果となる。このように、触媒後センサ18の劣化により真の値より少ない酸素吸蔵容量OSCの値が算出されてしまい、十分な劣化に至っていない触媒に対して劣化と判定する誤判定が起こり得る。
そこで、触媒後センサ18が劣化した場合でも真の触媒劣化度を正確に検出するため、本実施形態では、触媒後センサ18の劣化度に応じて、リッチ判定値VR及びリーン判定値VLの少なくとも一方(本実施形態では両方)を補正することとしている。
具体的には、図7に示すように、触媒後センサ18が劣化した場合には、リッチ判定値VRをより高い値VRxに補正する。ここで補正量ΔVRはΔVR=VRx−VRとなる。この補正量ΔVRは、同一の触媒11に対して、劣化した触媒後センサ18が補正後のリッチ判定値VRxに達するタイミングと、新品の触媒後センサ18が基準リッチ判定値VRに達するタイミングとが同一になるように、予め設定されている。この補正により、触媒後センサ18の出力電圧がリッチ判定値に達するタイミングが遅らされ、触媒後センサ18の劣化時にも新品時と同一のタイミングで酸素吸蔵容量の積算を終了することができる。よって、センサ新品時と同一の、真の酸素吸蔵容量の値OSCzを算出することができるようになり、触媒劣化の誤判定を未然に防止することが可能となる。
なお、図示省略するが、リーン側においては、触媒後センサ18が劣化したときリーン判定値が基準値VLより低い値VLxに補正される。補正量ΔVLはΔVL=VL−VLxとなる。この補正量ΔVLも同様に、同一の触媒11に対して、劣化した触媒後センサ18が補正後のリーン判定値VLxに達するタイミングと、新品の触媒後センサ18が基準リーン判定値VLに達するタイミングとが同一になるように、予め設定されている。この補正によってリッチ判定値を補正したときと同様の作用効果を得ることができる。
次に、ECU20によって実行されるリッチ判定値VR及びリーン判定値VL(以下、単に「判定値」とも称す)の補正処理を図8に基づいて説明する。
まずステップS101において、アクティブ空燃比制御の実行条件が成立しているか否かが判断される。例えば、イグニッションスイッチ22がオンされた後、最初に内燃機関1が定常運転状態となり、且つ、触媒11の推定温度が所定の活性温度域に入ったときに、この条件は成立となる。アクティブ空燃比制御の実行条件が成立していない場合には本処理が終了され、アクティブ空燃比制御の実行条件が成立している場合にはステップS102に進む。
ステップS102においては、触媒後センサ18の劣化度が所定程度を越えたか否か、具体的には、触媒後センサ18の劣化度に相関するパラメータ(劣化パラメータと称す)が所定のしきい値を越えたか否かが判断される。この種の劣化パラメータは、例えば、内燃機関1が搭載される車両の走行距離Lvとすることができる。走行距離Lvが増加するにつれ触媒後センサ18が劣化していくからである。この場合、触媒後センサ18の取付時点(最初に取り付けられたときと交換により取り付けられたときとを含む、以下同様)からの走行距離Lvが、走行距離計21の計測値を利用してECU20によって計測される。そして、その走行距離Lvが所定のしきい値Lvsを超えたか否かが判断される。走行距離Lvがしきい値Lvsを超えていない場合は、触媒後センサ18が劣化してないとみなして本処理が終了され、走行距離Lvがしきい値Lvsを超えている場合は、触媒後センサ18が劣化しているとみなしてステップS103に進む。なおこの場合、走行距離計21及びECU20によって劣化パラメータを検出するパラメータ検出手段が構成される。
或いは、劣化パラメータは、内燃機関1における累積通電時間としてもよい。この場合、触媒後センサ18の取付時点から、イグニッションスイッチ22がオンされている累積時間が、ECU20により内蔵のタイマを用いて計測され、これにより得られた累積通電時間Tonが所定のしきい値Tonsを超えたか否かが判断される。累積通電時間Tonがしきい値Tonsを超えていない場合は、触媒後センサ18が劣化してないとみなして本処理が終了され、累積通電時間Tonがしきい値Tonsを超えている場合は、触媒後センサ18が劣化しているとみなしてステップS103に進む。
ステップS103においては、触媒後センサ18の判定値が補正される。この補正は例えば基準判定値VR、VLに予め定められた一定値を加減算して行ってもよいが、本実施形態では図9及び図10に示されるような所定の補正マップを用いて、劣化パラメータに応じた補正値を抽出し、この補正値を使用して補正を行う。以下、劣化パラメータが走行距離Lvの場合を例にとって説明するが、劣化パラメータが累積通電時間Tonの場合でも同様の補正方法が可能である。また、補正マップは関数式に置換することも可能である。
図9に示される補正マップにおいては、走行距離Lvが増大するにつれ増大するような補正量ΔVが予め実験等を通じて設定され、ECU20に記憶されている。ここで、補正量ΔVは前記しきい値Lvs以下の領域においても入力されているが、その補正量ΔVの値は実質的にゼロ又はその付近の値であり、補正には使用されない。しきい値Lvsを超えた領域の、ゼロより所定値以上大きい補正量ΔVのみが補正に使用される。この領域では走行距離Lvが増大するにつれ補正量ΔVは増大する。
例えば、図7に示したようなリッチ判定値を引き上げる補正を行う場合、図9の補正マップから現時点の走行距離Lvに対応した補正量ΔV即ちリッチ補正量ΔVRが抽出される。そしてこのリッチ補正量ΔVRが、基準のリッチ判定値VRに加算され、補正後のリッチ判定値VRx(=VR+ΔVR)が算出される。この補正後のリッチ判定値VRxを基準のリッチ判定値VRと置き換えることによりリッチ判定値の補正が終了する。
なお、次回の触媒劣化検出ないしアクティブ空燃比制御の実行時には、同様の方法で今回の補正後リッチ判定値VRxが次回算出された補正後リッチ判定値VRx’と置き換えられる。このようにして触媒劣化検出ないしアクティブ空燃比制御の実行毎に、リッチ判定値はその時々の触媒後センサ18の劣化度に応じて順次補正され、更新されていく。
他方、リーン判定値を引き下げる補正を行うときは、図9の補正マップから現時点の走行距離Lvに対応した補正量ΔV即ちリーン補正量ΔVLが抽出され、このリーン補正量ΔVLが基準のリッチ判定値VLから減算されて補正後のリーン判定値VLx(=VL−ΔVL)が算出される。そしてこの補正後のリーン判定値VLxを基準のリーン判定値VLと置き換えてリーン判定値の補正が終了する。触媒劣化検出ないしアクティブ空燃比制御の実行毎に、リーン判定値が順次補正・更新されていく点は前記同様である。
次に図10に示される補正マップを用いる場合について説明する。この補正マップにおいては、走行距離Lvが増大するにつれ増大するような補正係数Bが予め実験等を通じて設定され、ECU20に記憶されている。ここで、前記補正量ΔVと同様、補正係数Bは前記しきい値Lvs以下の領域においても入力されているが、その補正係数Bの値は実質的に1又はその付近の値であり、補正には使用されない。しきい値Lvsを超えた領域の、1より所定値以上大きい補正係数Bのみが補正に使用される。この領域では走行距離Lvが増大するにつれ補正係数Bは増大する。
例えば、図7に示したようなリッチ判定値を引き上げる補正を行う場合、図10の補正マップから現時点の走行距離Lvに対応した補正係数B即ちリッチ補正係数Brが抽出される。そしてこの補正係数Brが、基準のリッチ判定値VRに乗算され、補正後のリッチ判定値VRx(=VR×Br)が算出される。この補正後のリッチ判定値VRxを基準のリッチ判定値VRと置き換えることによりリッチ判定値の補正が終了する。触媒劣化検出ないしアクティブ空燃比制御の実行毎に、リッチ判定値が順次補正・更新されていく点は前記同様である。
他方、リーン判定値を引き下げる補正を行うときは、図10の補正マップから現時点の走行距離Lvに対応した補正係数B即ちリーン補正係数Blが抽出され、基準のリッチ判定値VLに、2からリーン補正係数Blの値を減じて得られる値(2−Bl)が乗算され、補正後のリーン判定値VLx(=VL×(2−Bl)が算出される。そしてこの補正後のリーン判定値VLxを基準のリーン判定値VLと置き換えてリーン判定値の補正が終了する。触媒劣化検出ないしアクティブ空燃比制御の実行毎に、リッチ判定値が順次補正・更新されていく点は前記同様である。
以上により本処理が終了する。ステップS103の補正処理においては、走行距離Lvが大であるほど、補正後のリッチ判定値VRx及びリーン判定値VLxが基準のリッチ判定値VR及びリーン判定値VLから大きく離れた値となり、補正の程度が増大される。従って、触媒後センサ18の劣化度が大きくなるにつれ、より応答性が速くなるという触媒後センサ18の劣化特性に適応した、好ましい補正が実行可能となる。
以上説明したように、本実施形態によれば、触媒後センサ18の劣化度に応じた適切なリッチ・リーン判定値を得ることが可能となり、触媒後センサ18が劣化した場合に真の値より少ない酸素吸蔵容量OSCの値が算出されてしまうことを防止することができる。そして、触媒後センサ18の劣化の影響を排除し、真の触媒のみの劣化度を正確に検出することが可能となる。ひいては、劣化に至っていない触媒に対して劣化と判定する誤判定をも未然に防止することが可能となる。
なお、上述の実施形態においては、ECU20及びインジェクタ12によってアクティブ空燃比制御手段が構成され、ECU20によって判定値補正手段が構成される。
以上、本発明の好適な実施形態を詳細に述べたが、本発明の実施形態は他にも様々なものが考えられる。例えば上述の内燃機関は直噴式であったが、吸気ポート(吸気通路)噴射式或いは両噴射方式を兼ね備えるデュアル噴射式の内燃機関にも本発明は適用可能である。前記実施形態ではリッチ判定値とリーン判定値との両方を補正するようにしたが、いずれか一方のみを補正する実施形態も可能である。劣化パラメータとしては走行距離及び累積通電時間以外にも種々のパラメータが採用し得る。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
本実施形態の構成を示す概略図である。 触媒の構成を示す概略断面図である。 アクティブ空燃比制御の基本を説明するためのタイムチャートである。 図3と同様のタイムチャートであり、酸素吸蔵容量の算出方法を説明するための図である。 酸素吸蔵容量と触媒温度との関係を示すグラフであり、触媒劣化判定方法を説明するための図である。 触媒及び触媒後センサの劣化度と、触媒の酸素吸蔵容量算出値との関係を示すグラフである。 触媒後センサが新品のときと劣化のときの各値の比較を示すタイムチャートである。 判定値補正処理のフローチャートである。 補正マップの一例を示す。 補正マップの別の例を示す。
符号の説明
1 内燃機関
3 燃焼室
5 エアフローメータ
6 排気管
7 点火プラグ
10 スロットルバルブ
11 触媒
12 インジェクタ
15 アクセル開度センサ
17 触媒前センサ
18 触媒後センサ
19 スロットル開度センサ
20 電子制御ユニット(ECU)
21 走行距離計
22 イグニッションスイッチ
A/F 空燃比
A/Ffr 触媒前空燃比
A/Frr 触媒後空燃比
A/Ft 目標空燃比
A/Fs 理論空燃比
A/Fr リッチ空燃比
A/Fl リーン空燃比
OSC 触媒の酸素吸蔵容量
OSCs 劣化判定しきい値
VR リッチ判定値
VL リーン判定値
VRx 補正後のリッチ判定値
VLx 補正後のリーン判定値
ΔV 補正量
B 補正係数
Lv 走行距離
Lvs 走行距離のしきい値
Ton 累積通電時間
Tons 累積通電時間のしきい値

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路に配置された触媒の劣化を検出する装置であって、
    触媒下流側の排気空燃比を検出するための触媒後センサと、
    前記触媒後センサの出力値が反転して所定のリッチ判定値又はリーン判定値に達したと同時に目標空燃比を所定のリーン空燃比又はリッチ空燃比に強制的に切り替えるアクティブ空燃比制御手段と、
    前記触媒後センサの劣化度に相関するパラメータを検出するパラメータ検出手段と、
    前記パラメータ検出手段によって検出されたパラメータの値に応じて前記リッチ判定値及びリーン判定値の少なくとも一方を補正する判定値補正手段と
    を備えたことを特徴とする内燃機関の触媒劣化検出装置。
  2. 前記パラメータが、前記内燃機関が搭載される車両の走行距離であるか、又は前記内燃機関における累積通電時間であることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の触媒劣化検出装置。
  3. 前記判定値補正手段は、前記パラメータの値が所定のしきい値を超えたとき前記補正を実行することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の触媒劣化検出装置。
  4. 前記判定値補正手段は、前記パラメータの値が大きくなるほど補正の程度が大きくなるように前記補正を実行することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の内燃機関の触媒劣化検出装置。
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