JP5260978B2 - 燃料性状判定装置及びこれを備えた触媒劣化診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の使用燃料の燃料性状を判定する燃料性状判定装置及びこれを備えた触媒劣化診断装置に係り、特に、内燃機関の使用燃料の硫黄濃度を推定可能な燃料性状判定装置及びこれを備えた触媒劣化診断装置に関する。
例えば車両用の内燃機関において、その排気系には排気ガスを浄化するための触媒が設置されている。この触媒の中には酸素吸蔵能(O2ストレージ能)を有するものがあり、これは、触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比(ストイキ)よりも大きくなると、即ちリーンになると排気ガス中に存在する過剰酸素を吸着保持し、触媒流入排気ガスの空燃比がストイキよりも小さくなると、即ちリッチになると吸着保持された酸素を放出する。例えばガソリンエンジンでは触媒に流入する排気ガスがストイキ近傍となるよう空燃比制御が行われるが、酸素吸蔵能を有する三元触媒を使用すると、運転条件により実際の空燃比がストイキから多少振れてしまっても、三元触媒による酸素の吸蔵・放出作用により、そのような空燃比ずれを吸収することができる。
ところで、触媒が劣化すると触媒の浄化効率が低下する。一方、触媒の劣化度と酸素吸蔵能の低下度との間にはともに貴金属を介する反応であるため相関関係がある。よって、酸素吸蔵能が低下したことを検出することで触媒が劣化したことを検出することができる。一般的には、燃焼室内の混合気ひいては触媒に流入する排気ガスの空燃比を強制的にリッチ又はリーンに切り替えるアクティブ空燃比制御を行い、このアクティブ空燃比制御の実行に伴って触媒の酸素吸蔵容量を計測し、触媒の劣化を診断する方法(所謂Cmax法)が採用される。
特開2003−83145号公報
一方、使用地域等によっては燃料中に硫黄(S)が比較的高濃度で含まれていることがある。このような燃料が給油された場合、硫黄成分が触媒に蓄積して触媒の性能が低下する被毒(S被毒)が発生する。S被毒が発生すると、触媒の酸素吸放出反応が妨げられて触媒の見掛け上の酸素吸蔵容量が低下する。しかしながら、硫黄濃度の低い燃料が再給油されると被毒状態はやがて解消される。S被毒による触媒の性能低下は一時的なものである。よって触媒の劣化診断においては、かかるS被毒による一時的劣化を、本来診断すべき恒久的劣化であると誤って診断しないようにする必要がある。とりわけ、正常と劣化との境目(クライテリア)付近にありながらなお正常である触媒について、誤って劣化と誤診断してしまわないようにする必要がある。
かかる誤診断を防止するためには、燃料性状、特に燃料中の硫黄濃度を推定ないし判定するのが好適である。かかる推定ないし判定を行えば、燃料が高硫黄濃度であると判定したときに触媒劣化診断を中止するなど必要な措置を執ることができ、誤診断を未然に防止できるからである。
かかる燃料性状判定について、特許文献1には、三元触媒の下流側に設置されたO2センサの出力最大値(リッチ側出力最大値)が所定値以下のとき三元触媒が硫黄被毒していると判定する技術が開示されている。これは、燃料であるガソリン中の硫黄含有量が多いほど下流側O2センサの出力最大値が小さいという性質を利用したものである。
しかし、下流O2センサの出力最大値のみに着目したやり方だと、下流O2センサの製造ばらつき等により正確な燃料性状判定を行えなくなる可能性があり、精度や信頼性の点で改善の余地が残る。
そこで、本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、その目的は、精度及び信頼性の高い燃料性状判定装置及びこれを備えた触媒劣化診断装置を提供することにある。
本発明の一形態によれば、
内燃機関の排気通路に設けられた触媒と、
前記触媒の下流側に設けられた触媒後空燃比センサと、
前記触媒後空燃比センサによって検出された空燃比がリーン側又はリッチ側に反転する毎に空燃比をリッチ側又はリーン側にアクティブに切替制御するアクティブ空燃比制御手段と、
前記アクティブ空燃比制御手段によって空燃比がリッチ側に切り替えられているときのリッチ時間と、前記アクティブ空燃比制御手段によって空燃比がリーン側に切り替えられているときのリーン時間とに基づき、燃料の硫黄濃度を推定する硫黄濃度推定手段と
を備えたことを特徴とする燃料性状判定装置が提供される。
これによれば、空燃比がリッチ側に切り替えられているときのリッチ時間と空燃比がリーン側に切り替えられているときのリーン時間とに基づき燃料の硫黄濃度を推定するので、触媒下流側の触媒後空燃比センサの出力絶対値のみに頼らずに燃料の硫黄濃度を推定できる。よって、触媒後空燃比センサの製造ばらつき等に影響を受けづらくなり、精度及び信頼性の高い燃料性状判定を実施することができる。
好ましくは、前記硫黄濃度推定手段は、前記リッチ時間と前記リーン時間との比に基づいて燃料の硫黄濃度を推定する。当該比は燃料の硫黄濃度に相関する値であるので、当該比に基づいて燃料の硫黄濃度を推定するのが好適である。
本発明の他の形態によれば、
前記燃料性状判定装置を備えた触媒劣化診断装置であって、
前記アクティブ空燃比制御手段による空燃比の切替制御に伴って前記触媒の酸素吸蔵容量を計測する計測手段と、
前記リッチ時間及び前記リーン時間に基づき、前記計測手段によって計測された酸素吸蔵容量の値を補正する補正手段と
を備えたことを特徴とする触媒劣化診断装置が提供される。
これにより、酸素吸蔵容量計測値を燃料の硫黄濃度が低いときに得られるような値に補正した上で触媒劣化診断を実行でき、硫黄影響を排除して誤診断を未然に防止できる。
好ましくは、前記補正手段は、前記硫黄濃度推定手段によって推定された硫黄濃度が所定値より大きいとき、前記酸素吸蔵容量計測値を、前記硫黄濃度が前記所定値以下のときに得られるような値に補正する。
好ましくは、前記補正手段は、前記リッチ時間及び前記リーン時間の比に応じた補正量を前記酸素吸蔵容量計測値に乗算又は加算することにより補正を行う。
本発明によれば、精度及び信頼性の高い燃料性状判定装置及びこれを備えた触媒劣化診断装置を提供できるという、優れた効果が発揮される。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態の構成を示す概略図である。図示されるように、内燃機関1は、シリンダブロック2に形成された燃焼室3の内部で燃料および空気の混合気を燃焼させ、燃焼室3内でピストン4を往復移動させることにより動力を発生する。内燃機関1は車両用多気筒エンジン(1気筒のみ図示)であり、火花点火式内燃機関、より具体的にはガソリンエンジンである。
内燃機関1のシリンダヘッドには、吸気ポートを開閉する吸気弁Viと、排気ポートを開閉する排気弁Veとが気筒ごとに配設されている。各吸気弁Viおよび各排気弁Veは図示しないカムシャフトによって開閉させられる。また、シリンダヘッドの頂部には、燃焼室3内の混合気に点火するための点火プラグ7が気筒ごとに取り付けられている。
各気筒の吸気ポートは気筒毎の枝管を介して吸気集合室であるサージタンク8に接続されている。サージタンク8の上流側には吸気集合通路をなす吸気管13が接続されており、吸気管13の上流端にはエアクリーナ9が設けられている。そして吸気管13には、上流側から順に、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ5と、電子制御式スロットルバルブ10とが組み込まれている。なお吸気ポート、サージタンク8及び吸気管13により吸気通路が形成される。
吸気通路、特に吸気ポート内に燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)12が気筒ごとに配設される。インジェクタ12から噴射された燃料は吸入空気と混合されて混合気をなし、この混合気が吸気弁Viの開弁時に燃焼室3に吸入され、ピストン4で圧縮され、点火プラグ7で点火燃焼させられる。
一方、各気筒の排気ポートは気筒毎の枝管を介して排気集合通路をなす排気管6に接続されており、排気管6には、酸素吸蔵能を有する三元触媒からなる触媒11,19が直列に取り付けられている。なお排気ポート、枝管及び排気管6により排気通路が形成される。上流触媒11の上流側と下流側とにそれぞれ排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサ、即ち触媒前空燃比センサ17及び触媒後空燃比センサ18が設置されている。触媒前空燃比センサ17は所謂広域空燃比センサからなり、比較的広範囲に亘る空燃比を連続的に検出可能で、その空燃比に比例した値の信号を出力する。他方、触媒後空燃比センサ18は所謂O2センサからなり、理論空燃比を境に出力値が急変する特性を持つ。なお触媒後空燃比センサ18は上流触媒11と下流触媒19の間に設置されている。
上述の点火プラグ7、スロットルバルブ10及びインジェクタ12等は、制御手段としての電子制御ユニット(以下ECUと称す)20に電気的に接続されている。ECU20は、何れも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポート、および記憶装置等を含むものである。またECU20には、図示されるように、前述のエアフローメータ5、触媒前空燃比センサ17、触媒後空燃比センサ18のほか、内燃機関1のクランク角を検出するクランク角センサ14、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ15、その他の各種センサが図示されないA/D変換器等を介して電気的に接続されている。ECU20は、各種センサの検出値等に基づいて、所望の出力が得られるように、点火プラグ7、スロットルバルブ10、インジェクタ12等を制御し、点火時期、燃料噴射量、燃料噴射時期、スロットル開度等を制御する。
触媒11,19は、これに流入する排気ガスの空燃比A/Fが理論空燃比(ストイキ、例えばA/Fs=14.6)のときにNOx ,HCおよびCOを同時に高効率で浄化する。そしてこれに対応して、ECU20は、内燃機関の通常運転時、燃焼室3内の混合気ひいては上流触媒11に流入する排気ガスの空燃比(触媒前空燃比)A/Ffrが理論空燃比に一致するように、空燃比を制御する。具体的にはECU20は、理論空燃比に等しい目標空燃比A/Ftを設定すると共に、触媒前空燃比センサ17により検出された触媒前空燃比A/Ffrが目標空燃比A/Ftに一致するように、インジェクタ12から噴射される燃料噴射量をフィードバック制御する。これにより触媒11に流入する排気ガスの空燃比は理論空燃比近傍に保たれ、触媒11において最大の浄化性能が発揮されるようになる。
ここで上流触媒11についてより詳細に説明する。なお以下の説明は下流触媒19にも同様に当てはまる。図2に示すように、触媒11においては、図示しない担体基材の表面上にコート材31が被覆され、このコート材31に微粒子状の触媒成分32が多数分散配置された状態で保持され、触媒11内部で露出されている。触媒成分32は主にPt,Pd等の貴金属からなり、NOx ,HCおよびCOといった排ガス成分を反応させる際の活性点となる。他方、コート材31は、排気ガスと触媒成分32との界面における反応を促進させる助触媒の役割を担うと共に、雰囲気ガスの空燃比に応じて酸素を吸収放出可能な酸素吸蔵成分を含む。酸素吸蔵成分は例えば二酸化セリウムCeO2やジルコニアからなる。例えば、触媒成分32及びコート材31の雰囲気ガスが理論空燃比よりリッチであると、触媒成分32の周囲に存在する酸素吸蔵成分に吸蔵されていた酸素が放出され、この結果、放出された酸素によりHCおよびCOといった未燃成分が酸化され、浄化される。逆に、触媒成分32及びコート材31の雰囲気ガスが理論空燃比よりリーンであると、触媒成分32の周囲に存在する酸素吸蔵成分が雰囲気ガスから酸素を吸収し、この結果NOxが還元浄化される。
このような酸素吸放出作用により、通常の空燃比制御の際に触媒前空燃比A/Ffrが理論空燃比に対し多少ばらついたとしても、NOx、HCおよびCOといった三つの排気ガス成分を同時浄化することができる。よって通常の空燃比制御において、触媒前空燃比A/Ffrを敢えて理論空燃比を中心に微小振動させ、酸素の吸放出を繰り返させることにより排ガス浄化を行うことも可能である。
ところで、新品状態の触媒11では前述したように細かい粒子状の触媒成分32が多数均等に分散配置されており、排気ガスと触媒成分32との接触確率が高い状態に維持されている。しかしながら、触媒11が劣化してくると、一部の触媒成分32に消失が見られるほか、触媒成分32同士が排気熱で焼き固まって焼結状態になるものがある(図の破線参照)。こうなると排気ガスと触媒成分32との接触確率の低下を引き起こし、浄化率を落としめる原因となる。そしてこのほかに、触媒成分32の周囲に存在するコート材31の量、即ち酸素吸蔵成分の量が減少し、酸素吸蔵能自体が低下する。
このように、触媒11の劣化度と触媒11の持つ酸素吸蔵能の低下度とは相関関係にある。そこで本実施形態では、特にエミッションへの影響が大きい上流触媒11の酸素吸蔵能を検出することにより、上流触媒11の劣化度を検出することとしている。ここで、触媒11の酸素吸蔵能は、現状の触媒11が吸蔵し得る最大酸素量である酸素吸蔵容量(OSC;O2 Strage Capacity、単位はg)の大きさによって表される。
本実施形態の触媒劣化診断は前述のCmax法によるものを基本とする。そして触媒11の劣化診断に際しては、ECU20によりアクティブ空燃比制御が実行される。アクティブ空燃比制御において、混合気の空燃比ひいては触媒前空燃比A/Ffrは、所定の中心空燃比A/Fcを境にリッチ側及びリーン側にアクティブに(強制的に)交互に切り替えられる。なおリッチ側に切り替えられているときの空燃比をリッチ空燃比A/Fr、リーン側に切り替えられているときの空燃比をリーン空燃比A/Flと称す。このアクティブ空燃比制御によって触媒前空燃比A/Ffrがリッチ側又はリーン側に切り替えられている最中に触媒の酸素吸蔵容量OSCが計測される。
触媒11の劣化診断は、内燃機関1の定常運転時で且つ触媒11が活性温度域にあるときに実行される。触媒11の温度(触媒床温)の計測については、温度センサを用いて直接検出してもよいが、本実施形態の場合内燃機関の運転状態から推定することとしている。例えばECU20は、エアフローメータ5によって検出される吸入空気量Gaに基づいて、予め設定されたマップを利用し、触媒11の温度Tcを推定する。なお、吸入空気量Ga以外のパラメータ、例えばエンジン回転速度Ne(rpm)などを触媒温度推定に用いるパラメータに含めてもよい。
図3(A),(B)にはそれぞれ、アクティブ空燃比制御実行時における触媒前空燃比センサ17及び触媒後空燃比センサ18の出力が実線で示されている。また、図3(A)には、ECU20内部で発生される目標空燃比A/Ftが破線で示されている。触媒前空燃比センサ17及び触媒後空燃比センサ18の出力値はそれぞれ触媒前空燃比A/Ffr及び触媒後空燃比A/Frrの値に対応する。
図3(A)に示されるように、目標空燃比A/Ftは、中心空燃比としての理論空燃比(ストイキ)A/Fsを中心として、そこからリッチ側に所定の振幅(リッチ振幅Ar、Ar>0)だけ離れた空燃比(リッチ空燃比A/Fr)と、そこからリーン側に所定の振幅(リーン振幅Al、Al>0)だけ離れた空燃比(リーン空燃比A/Fl)とに強制的に、且つ交互に切り替えられる。そしてこの目標空燃比A/Ftの切り替えに追従して、実際値としての触媒前空燃比A/Ffrも、目標空燃比A/Ftに対し僅かな時間遅れを伴って切り替わる。このことから目標空燃比A/Ftと触媒前空燃比A/Ffrとは時間遅れがあること以外等価であることが理解されよう。
図示例においてリッチ振幅Arとリーン振幅Alとは等しい。例えば理論空燃比A/Fs=14.6、リッチ空燃比A/Fr=14.1、リーン空燃比A/Fl=15.1、リッチ振幅Ar=リーン振幅Al=0.5である。通常の空燃比制御の場合に比べ、アクティブ空燃比制御の場合は空燃比の振り幅が大きく、即ちリッチ振幅Arとリーン振幅Alとの値は大きい。
ところで、目標空燃比A/Ftが切り替えられるタイミングは、触媒後空燃比センサ18の出力がリッチからリーンに、又はリーンからリッチに切り替わるタイミングである。ここで図示されるように触媒後空燃比センサ18の出力電圧は理論空燃比A/Fsを境に急変し、触媒後空燃比A/Frrが理論空燃比A/Fsより小さいリッチ側の空燃比であるときその出力電圧がリッチ判定値VR以上となり、触媒後空燃比A/Frrが理論空燃比A/Fsより大きいリーン側の空燃比であるときその出力電圧がリーン判定値VL以下となる。ここでVR>VLであり、例えばVR=0.59(V)、VL=0.21(V)である。
図3(A),(B)に示されるように、触媒後空燃比センサ18の出力電圧がリッチ側の値からリーン側に変化してリーン判定値VLに等しくなった時(時刻t1)、目標空燃比A/Ftはリーン空燃比A/Flからリッチ空燃比A/Frに切り替えられる。その後、触媒後空燃比センサ18の出力電圧がリーン側の値からリッチ側に変化してリッチ判定値VRに等しくなった時(時刻t2)、目標空燃比A/Ftはリッチ空燃比A/Frからリーン空燃比A/Flに切り替えられる。このように、触媒後空燃比センサ18によって検出された触媒後空燃比A/Frrがリーン側又はリッチ側に反転する毎に空燃比がリッチ側又はリーン側にアクティブに切替制御される。
このような空燃比変化を行うアクティブ空燃比制御を実行しつつ、次のようにして触媒11の酸素吸蔵容量OSCが計測され、触媒11の劣化が判定される。
図3を参照して、時刻t1より前では目標空燃比A/Ftがリーン空燃比A/Flとされ、触媒11にはリーンガスが流入されている。このとき触媒11では酸素を吸収し続けているが、一杯に酸素を吸収した時点でそれ以上酸素を吸収できなくなり、リーンガスが触媒11を通り抜けて触媒11の下流側に流れ出す。こうなると触媒後空燃比A/Frrがリーン側に変化し、触媒後空燃比センサ18の出力電圧がリーン判定値VLに達した時点(t1)で、目標空燃比A/Ftがリッチ空燃比A/Frに切り替えられ、或いは反転される。
そして今度は触媒11にリッチガスが流入されることとなる。このとき触媒11では、それまで吸蔵されていた酸素が放出され続ける。よって触媒11の下流側にはほぼ理論空燃比A/Fsの排気ガスが流出し、触媒後空燃比A/Frrがリッチにならないことから、触媒後空燃比センサ18の出力は反転しない。触媒11から酸素が放出され続けるとやがて触媒11からは全ての吸蔵酸素が放出され尽くし、その時点でそれ以上酸素を放出できなくなり、リッチガスが触媒11を通り抜けて触媒11の下流側に流れ出す。こうなると触媒後空燃比A/Frrがリッチ側に変化し、触媒後空燃比センサ18の出力電圧がリッチ判定値VRに達した時点(t2)で、目標空燃比A/Ftがリーン空燃比A/Flに切り替えられる。
酸素吸蔵容量OSCが大きいほど、酸素を吸収或いは放出し続けることのできる時間が長くなる。つまり、触媒が劣化していない場合は目標空燃比A/Ftの反転周期(例えばt1からt2までの時間)が長くなり、触媒の劣化が進むほど目標空燃比A/Ftの反転周期は短くなる。
そこで、このことを利用して酸素吸蔵容量OSCが以下のようにして計測される。図4に示すように、時刻t1で目標空燃比A/Ftがリッチ空燃比A/Frに切り替えられた直後、僅かに遅れて実際値としての触媒前空燃比A/Ffrがリッチ空燃比A/Frに切り替わる。そして触媒前空燃比A/Ffrが理論空燃比A/Fsに達した時点t11から、次に目標空燃比A/Ftが反転する時点t2まで、次式(1)により、所定の微小時間毎の酸素吸蔵容量dOSC(酸素吸蔵容量の瞬時値)が算出され、且つこの微小時間毎の酸素吸蔵容量dOSCが時刻t11から時刻t2まで積算される。こうしてこの酸素放出サイクルにおける酸素吸蔵容量即ち放出酸素量が計測される。
Figure 0005260978
ここで、Qは燃料噴射量であり、空燃比差ΔA/Fに燃料噴射量Qを乗じるとストイキに対し不足又は過剰分の空気量を算出できる。Kは空気に含まれる酸素割合(約0.23)を表す定数である。
基本的には、この1回で計測された酸素吸蔵容量OSCを用い、これを所定の劣化判定値OSCsと比較し、酸素吸蔵容量OSCが劣化判定値OSCsを超えていれば正常、酸素吸蔵容量OSCが劣化判定値OSCs以下ならば劣化、というように触媒の劣化を判定できる。しかしながら、本実施形態では精度を向上させるため、目標空燃比A/Ftがリーン側となっている酸素吸蔵サイクルでも同様に酸素吸蔵容量(この場合吸蔵酸素量)を計測し、これら酸素吸蔵容量の平均値を1吸放出サイクルに係る1単位の酸素吸蔵容量として計測している。そしてさらに、吸放出サイクルを複数回繰り返し、複数単位の酸素吸蔵容量の値を得、その平均値を最終的な酸素吸蔵容量計測値としている。
酸素吸蔵サイクルにおける酸素吸蔵容量(酸素吸蔵量)の計測については、図4に示すように、時刻t2で目標空燃比A/Ftがリーン空燃比A/Flに切り替えられた後、触媒前空燃比A/Ffrが理論空燃比A/Fsに達した時点t21から、次に目標空燃比A/Ftがリッチ側に反転する時点t3まで、前式(1)により微小時間毎の酸素吸蔵容量dOSCが算出され、且つこの微小時間毎の酸素吸蔵容量dOSCが積算される。こうしてこの酸素吸蔵サイクルにおける酸素吸蔵容量OSC即ち吸蔵酸素量(図4のOSC2)が計測される。酸素放出サイクルの酸素吸蔵容量OSC1と酸素吸蔵サイクルの酸素吸蔵容量OSC2とはほぼ等しい値となるのが理想的である。
次に、この酸素吸蔵容量計測値を用いて触媒の劣化判定がなされる。即ち、酸素吸蔵容量計測値OSCが所定の劣化判定値OSCsと比較され、酸素吸蔵容量計測値OSCが劣化判定値OSCsより大きければ触媒は正常、酸素吸蔵容量計測値OSCが劣化判定値OSCs以下ならば触媒は劣化と判定される。なお、触媒が劣化と判定された場合、その事実をユーザに知らせるため、チェックランプ等の警告装置を起動させるのが好ましい。以上が触媒劣化診断の基本的な内容である。
次に、本実施形態における燃料性状判定、特に燃料の硫黄濃度の推定について説明する。
本発明者らは、アクティブ空燃比制御中の触媒前空燃比センサ17と触媒後空燃比センサ18との出力変化が燃料の硫黄濃度によってどのように変わるかを調べた。ここで予め使用が予定されている硫黄濃度が低い燃料、即ち硫黄濃度が所定値以下の燃料を通常燃料という。また硫黄濃度が当該所定値よりも大きい燃料を高硫黄燃料という。
空燃比が理論空燃比よりもリッチ側に切り替えられているときの時間、具体的には目標空燃比A/Ftがリッチ空燃比A/Frに設定されているときの時間をリッチ時間TRという。このリッチ時間TRは図3に示すt1〜t2の期間に相当する。また空燃比が理論空燃比よりもリーン側に切り替えられているときの時間、具体的には目標空燃比A/Ftがリーン空燃比A/Flに設定されているときの時間をリーン時間TLという。このリーン時間TLは図3に示すt2〜t3の期間に相当する。これらリッチ時間TRとリーン時間TLとの比を時間比Hといい、ここではH=TR/TLで定義する。
試験結果によれば、図3に示すように、通常燃料の場合のリーン時間TLと高硫黄燃料の場合のリーン時間TL’とはそれほど変わらないが、通常燃料の場合のリッチ時間TRと高硫黄燃料の場合のリッチ時間TR’との間には相違が見られ、高硫黄燃料の場合のリッチ時間TR’は通常燃料の場合のリッチ時間TRより顕著に短くなる傾向にあることが判明した。従って、通常燃料の場合より高硫黄燃料の場合の方が時間比Hの値が小さくなる。このように時間比Hは燃料の硫黄濃度に相関する値であるので、硫黄濃度を表すパラメータとしてリッチ時間TRとリーン時間TL、ひいては時間比Hを用いることにより、燃料の硫黄濃度の推定が可能である。
図5には燃料の硫黄濃度と時間比Hの関係を示す。図中白丸で示すように、時間比Hは燃料の硫黄濃度が高くなるほど小さくなる傾向にある。よって時間比Hに関する所定のしきい値Hsを定め、時間比Hがこのしきい値Hsを下回ったときに燃料が高硫黄燃料であると判定することができる。そしてかかる判定時、触媒劣化診断を中止するなど必要な措置を執ることにより、触媒劣化診断における誤診断を未然に防止することができる。
なお、リッチ時間TR及びリーン時間TLが燃料硫黄濃度によって上述のように影響を受ける理由は次の通りと考えられる。まず空燃比がリーンで触媒に酸素が吸蔵されるときには、単にリーンガス中の酸素が触媒の酸素吸蔵成分に吸着されるメカニズムである。一方、高硫黄燃料であると、触媒の酸素吸蔵成分に硫黄成分が吸着され、その分酸素吸着量が減り、リーン時間TLは通常燃料時よりも若干小さくなる。しかしながら、硫黄の影響によって触媒中の反応速度即ち酸素吸着速度がそれほど低下させられる訳ではない。よって通常燃料から高硫黄燃料に変更した場合のリーン時間TLの低下代もそれほど大きくはならない。よって酸素吸蔵サイクルにおいて計測される酸素吸蔵容量OSCの値もそれほど低下しない。
ところが、空燃比がリッチで触媒から酸素が放出されるときには、触媒の酸素吸蔵成分に吸着された酸素が、貴金属からなる触媒成分32を介してリッチガスによって引き出され、且つリッチガスと反応するメカニズムである。一方、高硫黄燃料であると、触媒成分32及び酸素吸蔵成分が硫黄化合物によって被毒され、触媒成分32を介する反応速度及び酸素放出速度が顕著に低下し、反応で消費されなかったリッチガスが早いタイミングから触媒をすり抜けるようになる。よって通常燃料から高硫黄燃料に変更した場合のリッチ時間TRの低下代は大きく、酸素放出サイクルにおいて計測される酸素吸蔵容量OSCの値も大きく低下することになる。
以下、図6を参照しつつ、本実施形態における燃料性状判定処理の内容を説明する。図示するルーチンはECU20により所定周期(例えば16msec毎)で繰り返し実行される。
まずステップS101において、燃料性状判定処理をするのに適した前提条件が成立しているか否かが判断される。例えば、吸入空気量Ga及びエンジン回転速度Neの変動幅が所定範囲内であるなど、エンジンが定常運転状態にあり、且つ触媒11及び触媒前後空燃比センサ17,18が所定の活性温度に達していれば、前提条件成立となる。なお前提条件についてはこの例に限られない。前提条件が成立していない場合には処理が終了され、他方、前提条件が成立している場合にはステップS102に進む。
ステップS102では、前述の如きアクティブ空燃比制御が実行されると共に、このアクティブ空燃比制御中のリッチ時間TR及びリーン時間TLがそれぞれ計測、取得される。この場合、リッチ制御とリーン制御とを繰り返し行ってリッチ時間TR及びリーン時間TLを複数ずつ計測し、これらリッチ時間TR及びリーン時間TLの平均値を最終値とするのが好ましい。
次に、ステップS103において、これらリッチ時間TR及びリーン時間TLの比である時間比H=TR/TLが算出されると共に、この時間比Hが所定のしきい値Hsと比較される。
時間比Hがしきい値Hs以上のとき、ステップS104において、硫黄濃度が所定値以下の通常燃料が使用されていると判断され、処理が終了される。他方、時間比Hがしきい値Hsより小さいとき、ステップS105において、硫黄濃度が所定値より大きい高硫黄燃料が使用されていると判断され、処理が終了される。
なお、この例では燃料を硫黄濃度が低いものと高いものとで二段階に区別するようにしたが、時間比Hに応じて無段階に区別するようにしてもよい。またリッチ時間TR及びリーン時間TLの比は前記時間比Hの逆数であるTL/TRを用いてもよい。この場合TL/TRが小さいほど燃料の硫黄濃度が高いと判定することになる。これらの変形例は後述する触媒劣化診断にも適用可能である。
次に、図7を参照しつつ、本実施形態における触媒劣化診断処理の内容を説明する。図示するルーチンはECU20により所定周期(例えば16msec毎)で繰り返し実行される。
まずステップS201では前記ステップS101同様に前提条件成立の有無が判断される。前提条件が成立していない場合には処理が終了され、前提条件が成立している場合にはステップS202に進む。
ステップS202では、前記ステップS102同様にアクティブ空燃比制御が実行されると共にリッチ時間TR及びリーン時間TLが計測される。またこれに併せて、酸素吸蔵容量OSCの値が計測される。つまりリッチ時間TR及びリーン時間TLの計測と、酸素吸蔵容量OSCの計測とが同時に実行されることになる。
ステップS203では、前記ステップS103同様に時間比H=TR/TLが算出されると共に、この時間比Hが所定のしきい値Hsと比較される。時間比Hがしきい値Hs以上のときには、ステップS204において、硫黄濃度が所定値以下の通常燃料が使用されていると判断される。
他方、時間比Hがしきい値Hsより小さいときには、ステップS205において、硫黄濃度が所定値より大きい高硫黄燃料が使用されていると判断される。そしてステップS206において、酸素吸蔵容量計測値OSCに対し、時間比Hに基づく補正(燃料補正という)が実施される。即ちここでは燃料の硫黄濃度が高いと判定したとき、触媒劣化診断を中止するのではなく、酸素吸蔵容量計測値OSCを通常燃料の時に得られるような値に補正した上で(図5の破線円参照)触媒劣化診断を行うようにしている。こうすることで診断頻度をより多く確保できると共に、硫黄による影響を排除して誤診断を防止できる。
なお、時間比Hと燃料の硫黄濃度とは互いに相関関係にあるので、時間比Hに基づき燃料の硫黄濃度を算出し、この硫黄濃度に基づき酸素吸蔵容量計測値OSCを補正してもよい。この場合にも、リッチ時間TRとリーン時間TLに基づき補正を行っていることに変わりはない。
補正方法については、例えば酸素吸蔵容量計測値OSCに補正係数Bを乗算する方法と、酸素吸蔵容量計測値OSCに補正加算値Dを加算する方法とがある。なおこれら補正係数Bと補正加算値Dとを総じて補正量という。前者の方法を採用する場合、例えば図8に示すような、時間比Hと補正係数Bとの関係を定めたマップ(関数でもよい。以下同様。)を予め実験的に作成し、ECU20に記憶しておく。そして実際に得られた時間比Hから補正係数Bを算出し、この補正係数Bを酸素吸蔵容量計測値OSCに乗じて補正後の酸素吸蔵容量OSCを求める。図8に示すマップを用いる場合、H≧HsのときB=1.0で実質的に補正はなされず、H<Hsのとき一定の補正係数B=B1(>1.0)が酸素吸蔵容量計測値OSCに乗じられて補正が行われる。
このマップの代わりに、図9に示すようなマップを用いてもよい。この場合、H≧HsのときB=1.0である点は同じであり、他方、H<Hsのときには時間比Hが小なるほど(つまり燃料の硫黄濃度が高くなるほど)大きくなる補正係数Bが用いられる。
一方、後者の補正加算値Dを加算する方法を採用する場合、例えば図10に示すようなマップを用いて補正加算値Dを算出することができる。ここではH≧HsのときD=0で実質的に補正はなされず、H<Hsのとき一定の補正加算値D=D1(>0)が酸素吸蔵容量計測値OSCに加算されて補正が行われる。
このマップの代わりに、図11に示すようなマップを用いてもよい。この場合、H≧HsのときD=0である点は同じであり、他方、H<Hsのときには時間比Hが小なるほど(つまり燃料の硫黄濃度が高くなるほど)大きくなる補正加算値Dが用いられる。
さて、図7に戻って、ステップS204又はS206の後はステップS207に進み、酸素吸蔵容量計測値OSC(ステップS206を経た場合は補正後の値)が所定の劣化判定値OSCsと比較される。
OSC>OSCsならば、ステップS208にて触媒11は正常と判定され、OSC≦OSCsならば触媒11は劣化と判定される。触媒劣化と判定されたときにはユーザに触媒の交換を促すため、チェックランプ等の警告装置が作動させられ、同時に触媒劣化に対応した診断コードがECU20に記憶される。
好ましくは、触媒の正常・劣化に拘わらず、ステップS205で高硫黄燃料使用中と判定されたときにも、チェックランプ等の警告装置が作動させられる。これはユーザに燃料の交換や触媒の硫黄被毒再生を促すためである。ECU20には高硫黄燃料使用に対応した診断コードが記憶される。例えば触媒正常時に高硫黄燃料使用による警告がなされたとき、ユーザがディーラーに車両を搬送すると、ディーラーでは診断コードに基づきその事実を確認できる。そして触媒を交換せず、しかしながら燃料交換と触媒の硫黄被毒再生を行って(或いはユーザにこれらを行うよう指示して)エンジン及び触媒を元の正常な状態に復帰させることができる。
このように本実施形態によれば、空燃比がリッチ側に切り替えられているときのリッチ時間TRと空燃比がリーン側に切り替えられているときのリーン時間TLとに基づき燃料の硫黄濃度を推定するので、触媒下流側の触媒後空燃比センサ18の出力絶対値のみに頼らずに燃料の硫黄濃度を推定できる。よって、触媒後空燃比センサ18の製造ばらつき等に影響を受けづらくなり、硫黄濃度を正確に推定し且つ精度及び信頼性の高い燃料性状判定を実施することができる。また、燃料の硫黄濃度推定に際して触媒の酸素吸蔵容量を計測する必要がないので、簡便な方法で燃料性状判定を実施することができる。さらに、リッチ時間TR及びリーン時間TL、又はこれらに基づいて推定された燃料の硫黄濃度に基づいて酸素吸蔵容量計測値を補正し、この補正された酸素吸蔵容量計測値に基づいて触媒劣化診断を実行するので、硫黄影響のない酸素吸蔵容量の値に基づいて触媒劣化診断を実行できる。よって誤診断を未然に防止できると共に、診断を中止する場合に比べて診断頻度をより多く確保することができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に述べたが、本発明の実施形態は他にも様々なものが考えられる。例えば、内燃機関の用途や形式は任意であり、例えば車両用以外であってもよいし、直噴式等であってもよい。触媒後空燃比センサに触媒前空燃比センサと同様の広域空燃比センサを用いてもよいし、触媒前空燃比センサに触媒後空燃比センサと同様のO2センサを用いてもよい。これら広域空燃比センサやO2センサを含め、広く、排気空燃比を検出するセンサを空燃比センサということとする。
本発明には、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
本発明の実施形態の構成を示す概略図である。 触媒の構成を示す概略断面図である。 アクティブ空燃比制御を説明するためのタイムチャートである。 図3と同様のタイムチャートであり、酸素吸蔵容量の計測方法を説明するための図である。 燃料の硫黄濃度と時間比の関係を示すグラフである。 燃料性状判定処理のフローチャートである。 触媒劣化診断処理のフローチャートである。 補正係数算出マップの一例を示す。 補正係数算出マップの他の例を示す。 補正加算値算出マップの一例を示す。 補正加算値算出マップの他の例を示す。
符号の説明
1 内燃機関
6 排気管
11 上流触媒
12 インジェクタ
17 触媒前空燃比センサ
18 触媒後空燃比センサ
19 下流触媒
20 電子制御ユニット(ECU)
TR リッチ時間
TL リーン時間
H 時間比
OSC 酸素吸蔵容量
B 補正係数
D 補正加算値

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられた触媒と、
    前記触媒の下流側に設けられた触媒後空燃比センサと、
    前記触媒後空燃比センサによって検出された空燃比がリーン側又はリッチ側に反転する毎に空燃比をリッチ側又はリーン側にアクティブに切替制御するアクティブ空燃比制御手段と、
    前記アクティブ空燃比制御手段によって空燃比がリッチ側に切り替えられているときのリッチ時間と、前記アクティブ空燃比制御手段によって空燃比がリーン側に切り替えられているときのリーン時間との比に基づき、燃料の硫黄濃度を推定する硫黄濃度推定手段と
    を備えた燃料性状判定装置を備えた触媒劣化診断装置であって、
    前記アクティブ空燃比制御手段による空燃比の切替制御に伴って前記触媒の酸素吸蔵容量を計測する計測手段と、
    前記リッチ時間及び前記リーン時間の比に基づき、前記計測手段によって計測された酸素吸蔵容量の値を補正する補正手段と
    を備えたことを特徴とする触媒劣化診断装置。
  2. 前記補正手段は、前記硫黄濃度推定手段によって推定された硫黄濃度が所定値より大きいとき、前記酸素吸蔵容量計測値を、前記硫黄濃度が前記所定値以下のときに得られるような値に補正する
    ことを特徴とする請求項1記載の触媒劣化診断装置。
  3. 前記補正手段は、前記リッチ時間及び前記リーン時間の比に応じた補正量を前記酸素吸蔵容量計測値に乗算又は加算することにより補正を行う
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の触媒劣化診断装置。
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