JP3656496B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、希薄燃焼可能な内燃機関から排出される排気ガス中の有害成分を浄化する排気浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンやリーンバーンガソリンエンジンなど希薄燃焼可能な内燃機関から排出される排気ガス中の有害成分を浄化する排気浄化装置として、選択還元型NOx触媒や吸蔵還元型NOx触媒などのリーンNOx触媒がある。
【0003】
選択還元型NOx触媒は、酸素過剰の雰囲気で炭化水素(HC)の存在下でNOxを還元または分解する触媒であり、この選択還元型NOx触媒でNOxを浄化するためには適量のHC成分(還元剤)が必要とされる。この選択還元型NOx触媒を前記内燃機関の排気浄化に用いる場合、該内燃機関の通常運転時の排気中のHC成分の量は極めて少ないので、通常運転時にNOxを浄化するためには、選択還元型NOx触媒にHC成分を供給する必要がある。
【0004】
一方、吸蔵還元型NOx触媒は、流入排気ガスの空燃比がリーンのときはNOxを吸収し、流入排気ガスの酸素濃度が低下すると吸収したNOxを放出し、N2に還元するする触媒である。
【0005】
この吸蔵還元型NOx触媒を前記内燃機関の排気浄化に用いる場合、該内燃機関では通常運転時の排気ガスの空燃比がリーンであるため、排気ガス中のNOxがNOx触媒に吸収されることとなる。しかしながら、リーン空燃比の排気ガスをNOx触媒に供給し続けると、NOx触媒のNOx吸収能力が飽和に達し、それ以上、NOxを吸収できなくなり、NOxをリークさせることとなる。そこで、吸蔵還元型NOx触媒では、NOx吸収能力が飽和する前に所定のタイミングで流入排気ガスの空燃比をリッチにすることによって酸素濃度を極度に低下させ、NOx触媒に吸収されているNOxを放出してN2に還元し、NOx触媒のNOx吸収能力を回復させる必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これらリーンNOx触媒を用いた排気浄化システムにおいては、リーンNOx触媒の触媒床温の管理が非常に重要である。
例えば、リーンNOx触媒には活性温度があり、触媒床温がこの活性温度範囲から外れると、浄化能力が極度に低下する。そこで浄化率を高く維持するために、従来から種々の触媒床温の制御方法が提案されており、それには刻々と変化する触媒床温を検出するための触媒床温検出手段が必要であった。
【0007】
具体的には、例えば、特開平10−47048号公報には、リーンNOx触媒に流入する排気ガス温度(入ガス温度)を検出する入ガス温センサと、リーンNOx触媒の触媒床温を検出する触媒温センサを設け、まず、触媒床温に基づいてリーンNOx触媒に供給すべき還元剤の基本供給量を算出し、さらに、この基本供給量を、入ガス温度と触媒床温との温度差に基づいて補正し、補正後の供給量の還元剤をリーンNOx触媒に供給することにより、触媒床温を活性温度範囲から外れないようにする技術が開示されている。ここでも、触媒床温検出手段として触媒温センサを必要としている。
【0008】
しかしながら、触媒床温検出手段を備えることなく触媒床温を管理することができれば、搭載性、軽量化、コストダウン等の上で非常に有利である。
また、触媒床温を推定することができれば、推定される触媒床温と実測した触媒床温との比較により、リーンNOx触媒への還元剤供給が適切になされているかなどを判定することもできる。
【0009】
本発明はこのような従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、内燃機関の運転状態やNOx触媒における反応熱を考慮してNOx触媒の触媒床温を算出推定することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。本発明にかかる内燃機関の排気浄化装置は、希薄燃焼可能な内燃機関の排気通路に設けられたリーンNOx触媒と、前記リーンNOx触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段と、前記内燃機関から排出される排気ガスの温度を計測または推定する排気ガス温検出手段と、前記内燃機関の運転状態から排気ガス中に含まれるHC量およびCO量を推定するHC,CO量推定手段と、前記還元剤供給手段から供給された還元剤および排気ガス中のHC,COが前記リーンNOx触媒で反応したときの発熱量を考慮してリーンNOx触媒の触媒床温を推定する触媒床温推定手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
内燃機関から排出された排気ガス中に含まれているHC,CO、前記還元剤供給手段からリーンNOx触媒に供給された還元剤は、リーンNOx触媒において化学反応を起こし、その際に反応熱が生じて発熱し、この発熱によりリーンNOx触媒と排気ガスが昇温する。触媒床温推定手段は、リーンNOx触媒における前記反応による発熱量を算出推定し、この発熱量を基にリーンNOx触媒の触媒床温を推定する。
【0012】
本発明において、リーンNOx触媒としては、吸蔵還元型NOx触媒あるいは選択還元型NOx触媒を例示することができる。
吸蔵還元型NOx触媒は、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときにNOxを吸収し、流入する排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸収したNOxを放出し、N2に還元する触媒である。この吸蔵還元型NOx触媒は、例えばアルミナを担体とし、この担体上に例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Ptのような貴金属とが担持されてなる。
【0013】
選択還元型NOx触媒は、酸素過剰の雰囲気で炭化水素の存在下でNOxを還元または分解する触媒をいい、ゼオライトにCu等の遷移金属をイオン交換して担持した触媒、ゼオライトまたはアルミナに貴金属を担持した触媒、等が含まれる。
【0014】
本発明において、還元剤供給手段は、ポンプ、添加ノズルなどから構成することができる。
本発明において、排気ガス温検出手段は、内燃機関から排出される排気ガスの温度を実際に計測するものであってもよいし、あるいは、内燃機関の運転状態に基づいて排気ガスの温度を推定するものであってもよい。
【0015】
本発明において、HC,CO量推定手段は、内燃機関の運転状態と排気ガス中のHC量(HC濃度)あるいはCO量(CO濃度)とを対応させたマップなどを用いて排気ガス中のHC量、CO量を推定することができる。
【0016】
前述した本発明にかかる内燃機関の排気浄化装置においては、前記リーンNOx触媒の触媒床温を計測する触媒床温計測手段と、前記触媒床温推定手段により推定された触媒床温と前記触媒床温計測手段により計測された触媒床温との誤差を算出する誤差算出手段と、前記誤差算出手段により算出された誤差が許容誤差範囲から外れているときに前記還元剤供給手段による還元剤供給を禁止する還元剤供給禁止手段と、を備えることができる。
【0017】
これは、前記触媒床温推定手段により推定した触媒床温の利用法の一例である。誤差算出手段により算出された誤差が許容誤差範囲から外れているときには排気浄化装置が異常であると考えられる。例えば、前記触媒床温計測手段により計測された触媒床温が触媒床温推定手段により推定された触媒床温よりも大幅に低い場合には、還元剤供給手段により供給された還元剤がリーンNOx触媒で反応せずにリーンNOx触媒に付着していると考えられる。その逆に、前記触媒床温計測手段により計測された触媒床温が触媒床温推定手段により推定された触媒床温よりも大幅に高い場合には、還元剤供給手段により供給された還元剤が指令供給量よりも多いと考えられ、原因として還元剤供給手段の制御不良などが考えられる。そこで、このようなときには、還元剤供給禁止手段が還元剤供給手段によるリーンNOx触媒への還元剤供給を禁止する。
【0018】
前記触媒床温計測手段は、リーンNOx触媒の触媒床温を実際に計測するものであってもよいし、触媒床温として代用可能なリーンNOx触媒出口における排気ガス温度を実際に計測するものであってもよい。
【0019】
また、本発明にかかる内燃機関の排気浄化装置は、希薄燃焼可能な内燃機関の排気通路に設けられたリーンNOx触媒と、前記リーンNOx触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段と、前記リーンNOx触媒の触媒床温を計測または推定する触媒床温検出手段と、前記リーンNOx触媒を昇温すべきときに前記触媒床温検出手段により検出された触媒床温が設定温度よりも低い場合にはリーンNOx触媒に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比あるいはそれよりも若干リーンにし前記触媒床温が前記設定温度以上の場合には前記空燃比を理論空燃比よりもリッチになるように前記還元剤供給手段からの還元剤供給量を算出する還元剤供給量算出手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
リーンNOx触媒は、その触媒床温が低いほどHC浄化率が低く、触媒床温が高いほどHC浄化率が高いという特性がある。したがって、リーンNOx触媒の触媒床温が低いときに排気空燃比をリッチ空燃比にしても、リーンNOx触媒で浄化されるHC量が少なく、排気ガス中の多くのHCがNOx触媒をすり抜けてしまう。
【0021】
そこで、本発明では、NOx触媒を昇温処理するときには、触媒床温が設定温度よりも低いときには排気空燃比を理論空燃比あるいはそれよりも若干リーンにし、触媒床温が前記設定温度以上のときには排気空燃比をリッチ空燃比にする。そして、排気空燃比がそのようになるように、還元剤供給量算出手段が還元剤供給手段からの還元剤供給量を算出する。これにより、触媒床温が低いときにはHCのすり抜けを抑制しつつリーンNOx触媒を昇温することができ、触媒床温がある程度高いときにはより効率的にリーンNOx触媒を昇温することができる。
【0022】
本発明において、リーンNOx触媒としては、吸蔵還元型NOx触媒あるいは選択還元型NOx触媒を例示することができる。
本発明において、還元剤供給手段は、ポンプ、添加ノズルなどから構成することができる。
本発明において、触媒床温検出手段は、リーンNOx触媒の触媒床温を実際に計測するものであってもよいし、あるいは、内燃機関の運転状態などからリーンNOx触媒の触媒床温を推定するものであってもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる内燃機関の排気浄化装置の実施の形態を図1から図6の図面に基いて説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、本発明にかかる内燃機関の排気浄化装置を内燃機関としての車両駆動用ディーゼルエンジンに適用した態様である。
【0024】
図1は、この実施の形態における内燃機関の排気浄化装置の全体構成を示す図である。この図において、エンジン1は直列4気筒ディーゼルエンジンであり、各気筒の燃焼室には吸気マニホールド2および吸気管3を介して吸気が導入される。吸気管3の始端にはエアクリーナ4が設けられ、吸気管3の途中には、エアフロメータ5、ターボチャージャ6のコンプレッサ6a、インタークーラ7、スロットルバルブ8が設けられている。
【0025】
エアフロメータ5はエアクリーナ4を介して吸気管3に流入する新気の空気量に応じた出力信号をエンジンコントロール用電子制御ユニット(ECU)9に出力し、ECU9はエアフロメータ5の出力信号に基づいて吸入空気量を演算する。
【0026】
また、エンジン1の各気筒の燃焼室にはそれぞれ燃料噴射弁10から燃料(軽油)が噴射される。各燃料噴射弁10はコモンレール11に接続されており、コモンレール11には燃料ポンプ12から燃料が供給される。燃料ポンプ12はエンジン1の図示しないクランクシャフトによって駆動される。各燃料噴射弁10の開弁時期および開弁期間は、エンジン1の運転状態に応じてECU9によって制御される。
【0027】
また、エンジン1の各気筒の燃焼室で生じた排気ガスは、排気マニホールド13を介して排気管14に排出され、図示しないマフラーを介して大気に排出される。排気マニホールド13に排出された排気ガスの一部は、排気還流管15を介して吸気マニホールド2に再循環可能になっており、排気還流管15の途中にはEGRクーラ16とEGR弁17が設けられている。EGR弁17は、エンジン1の運転状態に応じてECU9によって開度制御され、排気還流量を制御する。
【0028】
排気管14の途中には、ターボチャージャ6のタービン6b、吸蔵還元型NOx触媒(リーンNOx触媒)を坦持したDPF18を収容したケーシング19、排気絞り弁20が設けられている。タービン6bは排気ガスによって駆動され、タービン6bに連結されたコンプレッサ6aを駆動して吸気を昇圧する。DPF18は、排気ガス中の粒子状物質(煤等)を捕集するフィルタエレメントに吸蔵還元型NOx触媒を坦持して構成されており、排気ガス中の粒子状物質を捕集するとともに、排気ガス中のHC,CO,NOxを浄化することができるものである。吸蔵還元型NOx触媒については後で詳述する。排気絞り弁20は、エンジン1の運転状態に応じてECU9によって制御される。
【0029】
また、排気管14においてケーシング19の直ぐ上流には、DPF18の吸蔵還元型NOx触媒に還元剤としての燃料(軽油)を供給するための添加ノズル21が設けられている。添加ノズル21には燃料ポンプ12で昇圧された燃料の一部が燃料供給管22を介して供給されており、燃料供給管22には、添加ノズル21から噴射される燃料量を制御するための制御弁23が設けられている。制御弁23の弁開度、開弁期間、開弁インターバルなどはECU9によって制御される。この実施の形態において、添加ノズル21と燃料供給管22と制御弁23は、還元剤供給手段を構成する。
【0030】
排気管14においてケーシング19の直ぐ下流には、ケーシング19から流出する排気ガス(以下、出ガスという)の温度に対応した出力信号をECU9に出力する出ガス温センサ24が設けられている。
【0031】
ECU9はデジタルコンピュータからなり、双方向バスによって相互に接続されたROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、CPU(セントラルプロセッサユニット)、入力ポート、出力ポートを具備し、エンジン1の燃料噴射量制御等の基本制御を行うほか、この実施の形態では、DPF18に坦持されているNOx触媒の触媒床温推定処理等を行っている。
【0032】
これら制御のために、ECU9の入力ポートには、アクセル開度センサ61からの入力信号と、クランク角センサ62からの入力信号が入力される。アクセル開度センサ61はアクセル開度に比例した出力電圧をECU9に出力し、ECU9はアクセル開度センサ61の出力信号に基づいてエンジン負荷を演算する。クランク角センサ62はクランクシャフトが一定角度回転する毎に出力パルスをECU9に出力し、ECU9はこの出力パルスに基づいてエンジン回転数を演算する。これらエンジン負荷とエンジン回転数によってエンジン運転状態が判別され、ECU9はエンジン運転状態に応じた燃料噴射量を噴射量マップ(図示せず)を参照して算出し、算出された燃料噴射量に対応する燃料噴射弁10の開弁期間を算出して、燃料噴射弁10の作動を制御する。
【0033】
次に、DPF18に坦持された吸蔵還元型NOx触媒(以下、NOx触媒ということもある)について説明する。
吸蔵還元型NOx触媒は、例えばアルミナ(Al2O3)を担体とし、この担体上に例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Ptのような貴金属とが担持されてなる。
【0034】
このNOx触媒は、流入排気ガスの空燃比(以下、排気空燃比と称す)が理論空燃比よりもリーンのときはNOxを吸収し、排気空燃比が理論空燃比あるいはそれよりもリッチになって流入排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸収したNOxをNO2またはNOとして放出するNOxの吸放出作用を行う。そして、NOx触媒から放出されたNOx(NO2またはNO)は直ちに排気ガス中の未燃HCやCOと反応してN2に還元せしめられる。
したがって、排気空燃比を適宜に制御すれば排気ガス中のHC,CO,NOxを浄化することができることになる。
【0035】
尚、排気空燃比とは、ここではNOx触媒の上流側の排気通路やエンジン燃焼室、吸気通路等にそれぞれ供給された空気量の合計と燃料(炭化水素)量の合計の比を意味するものとする。したがって、NOx触媒よりも上流の排気通路内に燃料、還元剤あるいは空気が供給されない場合には、排気空燃比はエンジン燃焼室内に供給される混合気の空燃比に一致する。
【0036】
ところで、ディーゼルエンジンの場合は、ストイキ(理論空燃比、A/F=13〜14)よりもはるかにリーン域で燃焼が行われるので、通常の機関運転状態ではNOx触媒に流入する排気ガスの空燃比は非常にリーンであり、排気ガス中のNOxはNOx触媒に吸収され、NOx触媒から放出されるNOx量は極めて少ない。
【0037】
また、ガソリンエンジンの場合には、燃焼室に供給する混合気をストイキまたはリッチ空燃比にすることにより排気ガスの空燃比を理論空燃比またはリッチ空燃比にし、排気ガス中の酸素濃度を低下させて、NOx触媒に吸収されているNOxを放出させることができるが、ディーゼルエンジンの場合には、燃焼室に供給する混合気をストイキまたはリッチ空燃比にすると燃焼の際に煤が発生するなどの問題があり採用することはできない。
【0038】
したがって、ディーゼルエンジンでは、NOx触媒のNOx吸収能力が飽和する前に所定のタイミングで、排気ガス中に還元剤を供給して排気ガス中の酸素濃度を低下せしめ、NOx触媒に吸収されたNOxを放出し還元する必要がある。尚、前記還元剤としては、一般に、ディーゼルエンジンの燃料である軽油を使用する場合が多い。
【0039】
そのため、この実施の形態では、ECU9によりエンジン1の運転状態の履歴からNOx触媒に吸収されたNOx量を推定し、その推定NOx量が予め設定した所定値に達したときに、所定時間だけ制御弁23を開弁して所定量の燃料をケーシング19の上流に供給し、NOx触媒に流入する排気ガス中の酸素濃度を低下させ、NOx触媒に吸収されたNOxを放出させ、N2に還元するようにしている。
【0040】
この実施の形態における内燃機関の排気浄化装置では、ECU9は、DPF18に坦持されたNOx触媒の触媒床温をNOx触媒における発熱を考慮して算出推定する触媒床温推定処理を行う。詳述すると、NOx触媒においてHC,CO,NOxが反応するときには反応熱が生じる。このときに発生した熱が総て排気ガスおよびNOx触媒の加熱に消費され、且つ、排気ガスとNOx触媒が同一温度まで加熱されるものとして熱量計算を行い、触媒床温を推定するのである。
【0041】
この実施の形態における触媒床温推定処理について図2を参照して説明する。触媒床温推定処理は、図2に示す触媒床温推定処理ルーチンに従って実行され、この触媒床温推定処理ルーチンは、ECU9のROMに予め記憶されており、CPUによって繰り返し実行されるルーチンである。
【0042】
<ステップ101>
まず、ECU9は、ステップ101において、触媒床温Tcを初期値Tc0とする。ここで、初期値Tc0はいずれの値でもよく、例えばエンジン始動時における外気温とすることができる。
【0043】
<ステップ102>
次に、ECU9は、ステップ102に進み、現在のエンジン運転状態に基づいて、エンジン1から排出される排気ガスの温度Tex、該排気ガスに含まれる未燃HC量MHC、該排気ガスに含まれるCO量MCOを、それぞれ、排気ガス温度マップ、HCマップ、COマップ(いずれも図示せず)を参照して算出する。
【0044】
ここで、前記エンジン運転状態とは、エンジン回転数N、吸入空気量Ga、燃焼室に噴射される燃料量Gfなどであり、このエンジン運転状態と排気ガス温度,排気ガス中のHC量,排気ガス中のCO量の関係を予め実験的に求めてマップ化し、それを前記排気温度マップ、HCマップ、COマップとして予めECU9のROMに記憶しておく。
【0045】
<ステップ103>
次に、ECU9は、ステップ103に進み、添加ノズル21から排気ガス中に添加される燃料量Mfを算出する。この燃料量Mfは、例えば、制御弁23の流量特性と制御弁23の弁開度、開弁時間、添加インターバルなどに基づいて算出することができる。
【0046】
<ステップ104>
次に、ECU9は、ステップ104に進み、NOx触媒で触媒反応が起こる前の排気ガスが有する熱量Qexを算出する。この熱量Qexは、例えば、次式により算出する。
Qex=Mex・Cex・Tex
ここで、Mexは排気ガスの質量、Cexは排気ガスの比熱、Texは排気ガス温度であり、排気ガスの質量Mexはエアフロメータ4の出力信号に基づいて算出し、排気ガス温度Texはステップ102で算出した排気ガス温度を用いる。尚、排気ガスの比熱Cexは一定とする
【0047】
<ステップ105>
次に、ECU9は、ステップ105に進み、NOx触媒で触媒反応が起こる前のNOx触媒が有する熱量Qcを算出する。この熱量Qcは、例えば、次式により算出する。
Qc=Mc・Cc・Tc
ここで、McはNOx触媒の質量、CcはNOx触媒の比熱であり、これら質量Mcおよび比熱Ccは一定である。Tcは触媒反応が起こる前のNOx触媒の触媒床温であり、ステップ105の処理を最初に実行するときには触媒床温の初期値Tc0を用いる。
【0048】
<ステップ106>
次に、ECU9は、ステップ106に進み、NOx触媒において排気ガス中のHC,CO,NOxが反応するときに生じる反応熱、換言すれば、NOx触媒における触媒反応によって発生する熱量Qcrを算出する。熱量Qcrは、例えば、次式により算出する。
Qcr=(RHC・MHC)+(Rco・Mco)+(Rf・Mf)
ここで、RHCは排気ガス中の単位質量の未燃HCが酸化反応したときに生じる反応熱、Rcoは排気ガス中の単位質量のCOが酸化反応したときに生じる反応熱、Rfは単位質量の燃料がNOx触媒で酸化反応したときに生じる反応熱であり、これらは一定とする。
【0049】
<ステップ107>
次に、ECU9は、ステップ107に進み、触媒反応後のNOx触媒の触媒床温Tcを推定する。ここで、NOx触媒で触媒反応により発生した熱が総て排気ガスおよびNOx触媒の加熱に消費され、且つ、排気ガスとNOx触媒が同一温度Tcになるものと仮定すると、次式が成立する。
(Qex+Qc+Qcr)=(Mex・Cex・Tc)+(Mc・Cc・Tc)
この式の左辺は触媒反応前の熱量の総和を表し、右辺は触媒反応後の熱量の総和を表している。
【0050】
したがって、触媒反応後のNOx触媒の触媒床温Tcは次式により算出することができる。
Tc=(Qex+Qc+Qcr)/{(Mex・Cex)+(Mc・Cc)}
【0051】
ステップ107の実行完了により、本ルーチンの第1回目の処理サイクルが完了し、ECUは、第2回目の処理サイクルを実行すべくステップ102に戻る。そして、第2回目以後の処理サイクルにおけるステップ105では、前サイクルのステップ107で算出した触媒床温Tcを用いて、触媒反応前のNOx触媒が有する熱量を算出する。
【0052】
ECU9は、ステップ102からステップ109の処理を繰り返し実行して、刻々と変化するNOx触媒の触媒床温を推定し、更新していく。そして、更新された最新の触媒床温がNOx触媒の触媒床温として、この排気浄化装置の種々の制御に利用されることになる。
【0053】
したがって、この実施の形態における排気浄化装置では、DPF18に坦持されているNOx触媒の触媒床温を直接計測する温度検出手段を備えなくても、NOx触媒の触媒床温を知ることができる。
【0054】
この実施の形態では、ECU9が触媒床温推定処理ルーチンを実行することにより、本発明における排気ガス温検出手段、HC,CO量推定手段、触媒床温推定手段が実現される。
【0055】
前述したように、この排気浄化装置ではNOx触媒の触媒床温を推定することができるので、触媒床温を直接計測する温度検出手段は不要なのであるが、この実施の形態では、排気浄化装置に対するフェールセーフを実現するために、ケーシング19の下流に出ガス温センサ(触媒床温計測手段)24を設けている。この実施の形態のフェールセーフシステムでは、出ガス温センサ24で実測された出ガス温度を触媒床温の実測値(以下、実測触媒床温という)Tc2として代用する。
【0056】
前記実測触媒床温Tc2が、前述した触媒床温推定処理の実行により推定されたNOx触媒の触媒床温(以下、推定触媒床温という)Tc1よりも大幅に低い場合には、添加ノズル21から排気ガス中に供給された燃料(HC)がNOx触媒で反応せずにNOx触媒に付着していると考えられる。このようにNOx触媒に付着したHCは、所定の温度条件を満足したときに燃焼し始めてNOx触媒の触媒床温を異常上昇させ、NOx触媒の熱劣化を促進する虞れがある。
【0057】
一方、前記実測触媒床温Tc2が推定触媒床温Tc1よりも大幅に高い場合には、添加ノズル21から排気ガス中に供給された燃料(HC)量が指令供給量よりも多いと考えられ、原因として制御弁23の作動不良などが考えられる。
【0058】
そこで、この実施の形態の排気浄化装置では、推定触媒床温Tc1と実測触媒床温Tc2の誤差△tが所定の許容誤差範囲から外れている場合には、排気浄化装置が異常であると判定して、添加ノズル21からの燃料添加の実行を禁止することにした。
【0059】
次に、排気浄化装置の異常判定処理について図3を参照して説明する。異常判定処理は、図3に示す異常判定処理ルーチンに従って実行され、この異常判定処理ルーチンは、ECU9のROMに予め記憶されており、CPUによって繰り返し実行されるルーチンである。
【0060】
<ステップ201>
まず、ECU9は、ステップ201において、推定触媒床温Tc1と実測触媒床温Tc2を読み込む。
【0061】
<ステップ202>
次に、ECU9は、ステップ202に進み、エンジン運転状態(吸入空気量Ga、エンジン回転数N)、および、添加ノズル21から排気ガスへの燃料添加条件(燃料添加量、添加インターバル)に基づき、許容誤差マップ(図示せず)を参照して、推定触媒床温Tc1と実測触媒床温Tc2との最大許容誤差Dmaxを算出する。
【0062】
尚、前記許容誤差マップは、前記エンジン運転状態および前記燃料添加条件に応じて予め最大許容誤差を設定しこれをマップ化したものであり、この許容誤差マップを予めECU9のROMに記憶しておく。
【0063】
<ステップ203>
次に、ECU9は、推定触媒床温Tc1と実測触媒床温Tc2との誤差△t(絶対値)を算出する。
△t=|(Tc1−Tc2)|
【0064】
<ステップ204>
次に、ECU9は、ステップ204に進み、ステップ203で算出した誤差△tがステップ202で算出した最大許容誤差Dmaxよりも大きいか否か判定する。
ステップ204において否定判定した場合には、誤差△tは許容誤差範囲であるので、排気浄化装置が正常に稼働していると判定して、ECU9は、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0065】
<ステップ205>
一方、ステップ204において肯定判定した場合には、前述したように、添加ノズル21から排気ガス中に供給された燃料(HC)がNOx触媒に付着しているか、あるいは、添加ノズル21から排気ガス中に供給された燃料(HC)量が指令供給量よりも多いと考えられるので、排気浄化装置が異常であると判定して、ECU9は、ステップ205に進み、添加ノズル21からの燃料添加の実行を禁止する。
【0066】
この実施の形態では、ECU9が異常判定処理ルーチンを実行することにより、本発明における誤差算出手段、還元剤供給禁止手段が実現される。
【0067】
次に、この排気浄化装置におけるNOx触媒に対する昇温処理について説明する。
排気浄化装置においては、何らかの理由によりNOx触媒を昇温させたい場合がある。例えば、NOx触媒に対してSOx被毒回復処理を行うときにはNOx触媒をSOx放出温度以上の高温にする必要がある。
【0068】
ここで、NOx触媒のSOx被毒について簡単に説明する。一般に、内燃機関の燃料には硫黄分が含まれており、内燃機関で燃料を燃焼すると、燃料中の硫黄分が燃焼してSO2やSO3などの硫黄酸化物(SOx)が発生する。吸蔵還元型NOx触媒は、NOxの吸収作用を行うのと同じメカニズムで排気ガス中のSOxを吸収する。
【0069】
ところが、NOx触媒に吸収されたSOxは時間経過とともに安定な硫酸塩を形成するため、NOx触媒からNOxの放出・還元を行うのと同じ条件下では、分解、放出されにくく触媒内に蓄積され易い傾向がある。NOx触媒内のSOx蓄積量が増大すると、触媒のNOx吸収容量が減少して排気ガス中のNOxの除去を十分に行うことができなくなりNOx浄化率が低下する。これが所謂SOx被毒である。
【0070】
このSOx被毒から回復させるために行う処理をSOx被毒回復処理と称しているが、SOx被毒回復処理は、NOx触媒の触媒床温をSOx放出温度以上にするとともに、NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比(排気空燃比)を理論空燃比またはそれよりもリッチにすることにより行っている。
【0071】
したがって、NOx触媒のSOx被毒回復処理の実行時期に、NOx触媒の触媒床温がSOx放出温度に達していないときには、昇温処理を行う必要がある。
このSOx被毒回復処理のときに限らず、NOx触媒を昇温する必要がある場合、従来は、排気空燃比をリッチ空燃比にして、排気ガス中に含まれる未燃HCをNOx触媒において酸化させることにより、NOx触媒を昇温していた。
【0072】
しかしながら、このように排気空燃比をリッチ空燃比にしてNOx触媒の昇温処理を行うと、NOx触媒で酸化されずにすり抜けてしまう未燃HCの量が多くなって、燃費が悪化する場合があった。
【0073】
この原因は、NOx触媒におけるHC浄化率の温度特性にある。図4はNOx触媒におけるHC浄化率温度特性を示すものであり、NOx触媒の触媒床温が低いほどHC浄化率が低く、触媒床温の上昇とともにHC浄化率が上昇していき、触媒床温がある温度(以下、この触媒床温をHC高浄化温度という)Tcx以上になるとHC浄化率が高レベルで安定する。
【0074】
したがって、NOx触媒の触媒床温が低いときに排気空燃比をリッチ空燃比にしても、NOx触媒で浄化されるHC量が少なく、換言すれば、NOx触媒で酸化されるHC量が少なく、排気ガス中の多くのHCがNOx触媒をすり抜けてしまう。
【0075】
そこで、この実施の形態の排気浄化装置では、NOx触媒を昇温処理するときに、NOx触媒の触媒床温がHC高浄化温度Tcxよりも低いときには排気空燃比を理論空燃比あるいはそれよりも若干リーンにし、NOx触媒の触媒床温がHC高浄化温度Tcx以上のときには排気空燃比をリッチ空燃比にすることにした。これにより、触媒床温が低いときにはHCのすり抜けを抑制しつつNOx触媒を昇温することができ、触媒床温がある程度高いときにはより効率的に昇温することができ、その結果、燃費悪化を抑制しつつNOx触媒の昇温処理を行うことができることとなる。
【0076】
ここで、昇温処理を行う際に、リッチ空燃比を連続して保持すると、酸素不足になってHCが燃焼しないこともあり得るため、このような虞れがある場合には、リッチ空燃比の間に瞬間的な理論空燃比あるいはそれよりもリーン空燃比の期間を設けて酸素不足が生じないようにするのが好ましい。
【0077】
この実施の形態におけるNOx触媒の昇温処理制御について図6を参照して説明する。NOx触媒の昇温処理は、図6に示す昇温処理ルーチンに従って実行され、この昇温処理ルーチンは、ECU9のROMに予め記憶されており、CPUによって繰り返し実行されるルーチンである。
【0078】
<ステップ301>
まず、ECU9は、ステップ301において、排気系に燃料添加を行って昇温処理を実行すべきとする実行指令があるか否か判定する。ステップ301において否定判定した場合には、ECU9は、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0079】
<ステップ302>
ステップ301において肯定判定した場合には、ECU9は、ステップ302に進んで、現在のNOx触媒の触媒床温を読み込む。この実施の形態では、NOx触媒の触媒床温として、前述の触媒床温推定処理で算出した最新の推定触媒床温Tc1を読み込む。
【0080】
<ステップ303>
次に、ECU9は、ステップ303に進み、ステップ302で読み込んだ推定触媒床温Tc1に基づいて、図5に示す排気空燃比マップを参照して目標排気空燃比AFを算出する。
【0081】
この実施の形態における排気空燃比マップでは、推定触媒床温Tc1がHC高浄化温度Tcxよりも低いときには目標排気空燃比を理論空燃比よりも若干リーンな一定値のリーン空燃比AF1とし、推定触媒床温Tc1がHC高浄化温度Tcx以上のときには目標排気空燃比を理論空燃比よりもリッチな一定値のリッチ空燃比AF2とした。この排気空燃比マップはECU9のROMに予め記憶しておく。
【0082】
<ステップ304>
次に、ECU9は、ステップ304に進み、エアフロメータ5の出力信号に基づいて単位時間当たりの吸入空気量Gaを算出する。
【0083】
<ステップ305>
次に、ECU9は、ステップ305に進み、ステップ303で算出した目標排気空燃比AFと、ステップ304で算出した単位時間当たりの吸入空気量Gaから、単位時間当たりの必要燃料量Gtを算出する。
【0084】
<ステップ306>
次に、ECU9は、ステップ306に進み、単位時間当たりに燃料噴射弁10から気筒内に噴射される燃料量Gfを読み込む。
【0085】
<ステップ307>
次に、ECU9は、ステップ307に進み、単位時間当たりに添加ノズル21から排気ガス中に添加すべき燃料添加量Ginjを次式より算出する。
Ginj=Gt−Ginj
【0086】
<ステップ308>
次に、ECU9は、ステップ308に進み、添加ノズル21から排気ガス中に添加される燃料量が、ステップ307で算出した燃料添加量Ginjになるように添加条件(制御弁23の弁開度、開弁期間、添加インターバルなど)を設定して、排気系への燃料添加を実行する。これにより、排気空燃比をステップ303で算出した目標排気空燃比AFにすることができる。
ステップ308の処理完了により、ECU9は、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0087】
この実施の形態では、ECU9が昇温処理ルーチンを実行することにより、本発明における還元剤供給量算出手段が実現される。
【0088】
【発明の効果】
本発明にかかる内燃機関の排気浄化装置によれば、リーンNOx触媒と、還元剤供給手段と、排気ガス温検出手段と、前記内燃機関の運転状態から排気ガス中に含まれるHC量およびCO量を推定するHC,CO量推定手段と、前記還元剤供給手段から供給された還元剤および排気ガス中のHC,COが前記リーンNOx触媒で反応したときの発熱量を考慮してリーンNOx触媒の触媒床温を推定する触媒床温推定手段と、を備えることにより、リーンNOx触媒の触媒床温を実測しなくても精度よく推定することができるという優れた効果が奏される。
【0089】
また、リーンNOx触媒の触媒床温を計測する触媒床温計測手段と、前記触媒床温推定手段により推定された触媒床温と前記触媒床温計測手段により計測された触媒床温との誤差を算出する誤差算出手段と、前記誤差算出手段により算出された誤差が許容誤差範囲から外れているときに前記還元剤供給手段による還元剤供給を禁止する還元剤供給禁止手段と、を備える場合には、排気浄化装置が異常と考えられるときにリーンNOx触媒への還元剤供給を禁止することができる。
【0090】
また、本発明にかかる内燃機関の排気浄化装置によれば、リーンNOx触媒と、還元剤供給手段と、触媒床温検出手段と、前記リーンNOx触媒を昇温すべきときに前記触媒床温検出手段により検出された触媒床温が設定温度よりも低い場合にはリーンNOx触媒に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比あるいはそれよりも若干リーンにし前記触媒床温が前記設定温度以上の場合には前記空燃比を理論空燃比よりもリッチになるように前記還元剤供給手段からの還元剤供給量を算出する還元剤供給量算出手段と、を備えることにより、リーンNOx触媒を昇温処理しているときのHCのすり抜けを少なくすることができるという優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる内燃機関の排気浄化装置の一実施の形態における概略構成を示す図である。
【図2】 前記実施の形態の排気浄化装置における触媒床温推定処理ルーチンである。
【図3】 前記実施の形態の排気浄化装置における異常判定処理ルーチンである。
【図4】 前記実施の形態のリーンNOx触媒のHC浄化率温度特性図である。
【図5】 前記実施の形態の排気浄化装置における排気空燃比マップである。
【図6】 前記実施の形態の排気浄化装置における昇温処理ルーチンである。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン(内燃機関)
2 吸気マニホールド
3 吸気管
5 エアフロメータ
6 ターボチャージャ
8 スロットルバルブ
9 ECU(エンジンコントロール用電子制御ユニット)
10 燃料噴射弁
11 コモンレール
12 燃料ポンプ
13 排気マニホールド(排気通路)
14 排気管(排気通路)
18 リーンNOx触媒坦持DPF
21 添加ノズル(還元剤供給装置)
22 燃料供給管(還元剤供給装置)
23 制御弁(還元剤供給装置)
24 出ガス温センサ(触媒床温計測手段、触媒床温検出手段)
Claims (1)
- 希薄燃焼可能な内燃機関の排気通路に設けられたリーンNOx触媒と、
前記リーンNOx触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記リーンNOx触媒の触媒床温を計測または推定する触媒床温検出手段と、
前記リーンNOx触媒を昇温すべきときに前記触媒床温検出手段により検出された触媒床温が設定温度よりも低い場合にはリーンNOx触媒に流入する排気ガスの空燃比を、還元剤のすり抜けを抑制しつつ前記リーンNO x 触媒を昇温することができる、理論空燃比あるいはそれよりも若干リーンにし前記触媒床温が前記設定温度以上の場合には前記空燃比を理論空燃比よりもリッチになるように前記還元剤供給手段からの還元剤供給量を算出する還元剤供給量算出手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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