JP2001227325A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2001227325A JP2000035733A JP2000035733A JP2001227325A JP 2001227325 A JP2001227325 A JP 2001227325A JP 2000035733 A JP2000035733 A JP 2000035733A JP 2000035733 A JP2000035733 A JP 2000035733A JP 2001227325 A JP2001227325 A JP 2001227325A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リーンNOx触媒の触媒床温を推定する。 【解決手段】 ディーゼルエンジン1の排気管14の途
中にDPF18を設け、このDPF18には吸蔵還元型
NOx触媒を坦持させる。DPF18の上流に添加ノズ
ル21を設け、添加ノズル21から還元剤としての燃料
をDPF18に坦持された前記NOx触媒に供給する。
ECU9は、添加ノズル21から添加された燃料および
排気ガス中のHC,COが前記NOx触媒で反応したと
きの発熱量を考慮してNOx触媒の触媒床温を推定する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希薄燃焼可能な内
燃機関から排出される排気ガス中の有害成分を浄化する
排気浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンやリーンバーンガソ
リンエンジンなど希薄燃焼可能な内燃機関から排出され
る排気ガス中の有害成分を浄化する排気浄化装置とし
て、選択還元型NOx触媒や吸蔵還元型NOx触媒などの
リーンNOx触媒がある。
【0003】選択還元型NOx触媒は、酸素過剰の雰囲
気で炭化水素(HC)の存在下でNOxを還元または分
解する触媒であり、この選択還元型NOx触媒でNOxを
浄化するためには適量のHC成分(還元剤)が必要とさ
れる。この選択還元型NOx触媒を前記内燃機関の排気
浄化に用いる場合、該内燃機関の通常運転時の排気中の
HC成分の量は極めて少ないので、通常運転時にNOx
を浄化するためには、選択還元型NOx触媒にHC成分
を供給する必要がある。
【0004】一方、吸蔵還元型NOx触媒は、流入排気
ガスの空燃比がリーンのときはNOxを吸収し、流入排
気ガスの酸素濃度が低下すると吸収したNOxを放出
し、N2に還元するする触媒である。
【0005】この吸蔵還元型NOx触媒を前記内燃機関
の排気浄化に用いる場合、該内燃機関では通常運転時の
排気ガスの空燃比がリーンであるため、排気ガス中のN
OxがNOx触媒に吸収されることとなる。しかしなが
ら、リーン空燃比の排気ガスをNOx触媒に供給し続け
ると、NOx触媒のNOx吸収能力が飽和に達し、それ以
上、NOxを吸収できなくなり、NOxをリークさせるこ
ととなる。そこで、吸蔵還元型NOx触媒では、NOx吸
収能力が飽和する前に所定のタイミングで流入排気ガス
の空燃比をリッチにすることによって酸素濃度を極度に
低下させ、NOx触媒に吸収されているNOxを放出して
2に還元し、NOx触媒のNOx吸収能力を回復させる
必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらリーンNOx触
媒を用いた排気浄化システムにおいては、リーンNOx
触媒の触媒床温の管理が非常に重要である。例えば、リ
ーンNOx触媒には活性温度があり、触媒床温がこの活
性温度範囲から外れると、浄化能力が極度に低下する。
そこで浄化率を高く維持するために、従来から種々の触
媒床温の制御方法が提案されており、それには刻々と変
化する触媒床温を検出するための触媒床温検出手段が必
要であった。
【0007】具体的には、例えば、特開平10−470
48号公報には、リーンNOx触媒に流入する排気ガス
温度(入ガス温度)を検出する入ガス温センサと、リー
ンNOx触媒の触媒床温を検出する触媒温センサを設
け、まず、触媒床温に基づいてリーンNOx触媒に供給
すべき還元剤の基本供給量を算出し、さらに、この基本
供給量を、入ガス温度と触媒床温との温度差に基づいて
補正し、補正後の供給量の還元剤をリーンNOx触媒に
供給することにより、触媒床温を活性温度範囲から外れ
ないようにする技術が開示されている。ここでも、触媒
床温検出手段として触媒温センサを必要としている。
【0008】しかしながら、触媒床温検出手段を備える
ことなく触媒床温を管理することができれば、搭載性、
軽量化、コストダウン等の上で非常に有利である。ま
た、触媒床温を推定することができれば、推定される触
媒床温と実測した触媒床温との比較により、リーンNO
x触媒への還元剤供給が適切になされているかなどを判
定することもできる。
【0009】本発明はこのような従来の技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする
課題は、内燃機関の運転状態やNOx触媒における反応
熱を考慮してNOx触媒の触媒床温を算出推定すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、以下の手段を採用した。本発明にかかる内
燃機関の排気浄化装置は、希薄燃焼可能な内燃機関の排
気通路に設けられたリーンNOx触媒と、前記リーンN
Ox触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段と、前記内
燃機関から排出される排気ガスの温度を計測または推定
する排気ガス温検出手段と、前記内燃機関の運転状態か
ら排気ガス中に含まれるHC量およびCO量を推定する
HC,CO量推定手段と、前記還元剤供給手段から供給
された還元剤および排気ガス中のHC,COが前記リー
ンNOx触媒で反応したときの発熱量を考慮してリーン
NOx触媒の触媒床温を推定する触媒床温推定手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】内燃機関から排出された排気ガス中に含ま
れているHC,CO、前記還元剤供給手段からリーンN
Ox触媒に供給された還元剤は、リーンNOx触媒におい
て化学反応を起こし、その際に反応熱が生じて発熱し、
この発熱によりリーンNOx触媒と排気ガスが昇温す
る。触媒床温推定手段は、リーンNOx触媒における前
記反応による発熱量を算出推定し、この発熱量を基にリ
ーンNOx触媒の触媒床温を推定する。
【0012】本発明において、リーンNOx触媒として
は、吸蔵還元型NOx触媒あるいは選択還元型NOx触媒
を例示することができる。吸蔵還元型NOx触媒は、流
入する排気ガスの空燃比がリーンのときにNOxを吸収
し、流入する排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸収し
たNOxを放出し、N2に還元する触媒である。この吸蔵
還元型NOx触媒は、例えばアルミナを担体とし、この
担体上に例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウム
Li、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムB
a、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンL
a、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なく
とも一つと、白金Ptのような貴金属とが担持されてな
る。
【0013】選択還元型NOx触媒は、酸素過剰の雰囲
気で炭化水素の存在下でNOxを還元または分解する触
媒をいい、ゼオライトにCu等の遷移金属をイオン交換
して担持した触媒、ゼオライトまたはアルミナに貴金属
を担持した触媒、等が含まれる。
【0014】本発明において、還元剤供給手段は、ポン
プ、添加ノズルなどから構成することができる。本発明
において、排気ガス温検出手段は、内燃機関から排出さ
れる排気ガスの温度を実際に計測するものであってもよ
いし、あるいは、内燃機関の運転状態に基づいて排気ガ
スの温度を推定するものであってもよい。
【0015】本発明において、HC,CO量推定手段
は、内燃機関の運転状態と排気ガス中のHC量(HC濃
度)あるいはCO量(CO濃度)とを対応させたマップ
などを用いて排気ガス中のHC量、CO量を推定するこ
とができる。
【0016】前述した本発明にかかる内燃機関の排気浄
化装置においては、前記リーンNOx触媒の触媒床温を
計測する触媒床温計測手段と、前記触媒床温推定手段に
より推定された触媒床温と前記触媒床温計測手段により
計測された触媒床温との誤差を算出する誤差算出手段
と、前記誤差算出手段により算出された誤差が許容誤差
範囲から外れているときに前記還元剤供給手段による還
元剤供給を禁止する還元剤供給禁止手段と、を備えるこ
とができる。
【0017】これは、前記触媒床温推定手段により推定
した触媒床温の利用法の一例である。誤差算出手段によ
り算出された誤差が許容誤差範囲から外れているときに
は排気浄化装置が異常であると考えられる。例えば、前
記触媒床温計測手段により計測された触媒床温が触媒床
温推定手段により推定された触媒床温よりも大幅に低い
場合には、還元剤供給手段により供給された還元剤がリ
ーンNOx触媒で反応せずにリーンNOx触媒に付着して
いると考えられる。その逆に、前記触媒床温計測手段に
より計測された触媒床温が触媒床温推定手段により推定
された触媒床温よりも大幅に高い場合には、還元剤供給
手段により供給された還元剤が指令供給量よりも多いと
考えられ、原因として還元剤供給手段の制御不良などが
考えられる。そこで、このようなときには、還元剤供給
禁止手段が還元剤供給手段によるリーンNOx触媒への
還元剤供給を禁止する。
【0018】前記触媒床温計測手段は、リーンNOx触
媒の触媒床温を実際に計測するものであってもよいし、
触媒床温として代用可能なリーンNOx触媒出口におけ
る排気ガス温度を実際に計測するものであってもよい。
【0019】また、本発明にかかる内燃機関の排気浄化
装置は、希薄燃焼可能な内燃機関の排気通路に設けられ
たリーンNOx触媒と、前記リーンNOx触媒に還元剤を
供給する還元剤供給手段と、前記リーンNOx触媒の触
媒床温を計測または推定する触媒床温検出手段と、前記
リーンNOx触媒を昇温すべきときに前記触媒床温検出
手段により検出された触媒床温が設定温度よりも低い場
合にはリーンNOx触媒に流入する排気ガスの空燃比を
理論空燃比あるいはそれよりも若干リーンにし前記触媒
床温が前記設定温度以上の場合には前記空燃比を理論空
燃比よりもリッチになるように前記還元剤供給手段から
の還元剤供給量を算出する還元剤供給量算出手段と、を
備えることを特徴とする。
【0020】リーンNOx触媒は、その触媒床温が低い
ほどHC浄化率が低く、触媒床温が高いほどHC浄化率
が高いという特性がある。したがって、リーンNOx触
媒の触媒床温が低いときに排気空燃比をリッチ空燃比に
しても、リーンNOx触媒で浄化されるHC量が少な
く、排気ガス中の多くのHCがNOx触媒をすり抜けて
しまう。
【0021】そこで、本発明では、NOx触媒を昇温処
理するときには、触媒床温が設定温度よりも低いときに
は排気空燃比を理論空燃比あるいはそれよりも若干リー
ンにし、触媒床温が前記設定温度以上のときには排気空
燃比をリッチ空燃比にする。そして、排気空燃比がその
ようになるように、還元剤供給量算出手段が還元剤供給
手段からの還元剤供給量を算出する。これにより、触媒
床温が低いときにはHCのすり抜けを抑制しつつリーン
NOx触媒を昇温することができ、触媒床温がある程度
高いときにはより効率的にリーンNOx触媒を昇温する
ことができる。
【0022】本発明において、リーンNOx触媒として
は、吸蔵還元型NOx触媒あるいは選択還元型NOx触媒
を例示することができる。本発明において、還元剤供給
手段は、ポンプ、添加ノズルなどから構成することがで
きる。本発明において、触媒床温検出手段は、リーンN
Ox触媒の触媒床温を実際に計測するものであってもよ
いし、あるいは、内燃機関の運転状態などからリーンN
Ox触媒の触媒床温を推定するものであってもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる内燃機関の
排気浄化装置の実施の形態を図1から図6の図面に基い
て説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、本発明
にかかる内燃機関の排気浄化装置を内燃機関としての車
両駆動用ディーゼルエンジンに適用した態様である。
【0024】図1は、この実施の形態における内燃機関
の排気浄化装置の全体構成を示す図である。この図にお
いて、エンジン1は直列4気筒ディーゼルエンジンであ
り、各気筒の燃焼室には吸気マニホールド2および吸気
管3を介して吸気が導入される。吸気管3の始端にはエ
アクリーナ4が設けられ、吸気管3の途中には、エアフ
ロメータ5、ターボチャージャ6のコンプレッサ6a、
インタークーラ7、スロットルバルブ8が設けられてい
る。
【0025】エアフロメータ5はエアクリーナ4を介し
て吸気管3に流入する新気の空気量に応じた出力信号を
エンジンコントロール用電子制御ユニット(ECU)9
に出力し、ECU9はエアフロメータ5の出力信号に基
づいて吸入空気量を演算する。
【0026】また、エンジン1の各気筒の燃焼室にはそ
れぞれ燃料噴射弁10から燃料(軽油)が噴射される。
各燃料噴射弁10はコモンレール11に接続されてお
り、コモンレール11には燃料ポンプ12から燃料が供
給される。燃料ポンプ12はエンジン1の図示しないク
ランクシャフトによって駆動される。各燃料噴射弁10
の開弁時期および開弁期間は、エンジン1の運転状態に
応じてECU9によって制御される。
【0027】また、エンジン1の各気筒の燃焼室で生じ
た排気ガスは、排気マニホールド13を介して排気管1
4に排出され、図示しないマフラーを介して大気に排出
される。排気マニホールド13に排出された排気ガスの
一部は、排気還流管15を介して吸気マニホールド2に
再循環可能になっており、排気還流管15の途中にはE
GRクーラ16とEGR弁17が設けられている。EG
R弁17は、エンジン1の運転状態に応じてECU9に
よって開度制御され、排気還流量を制御する。
【0028】排気管14の途中には、ターボチャージャ
6のタービン6b、吸蔵還元型NOx触媒(リーンNOx
触媒)を坦持したDPF18を収容したケーシング1
9、排気絞り弁20が設けられている。タービン6bは
排気ガスによって駆動され、タービン6bに連結された
コンプレッサ6aを駆動して吸気を昇圧する。DPF1
8は、排気ガス中の粒子状物質(煤等)を捕集するフィ
ルタエレメントに吸蔵還元型NOx触媒を坦持して構成
されており、排気ガス中の粒子状物質を捕集するととも
に、排気ガス中のHC,CO,NOxを浄化することが
できるものである。吸蔵還元型NOx触媒については後
で詳述する。排気絞り弁20は、エンジン1の運転状態
に応じてECU9によって制御される。
【0029】また、排気管14においてケーシング19
の直ぐ上流には、DPF18の吸蔵還元型NOx触媒に
還元剤としての燃料(軽油)を供給するための添加ノズ
ル21が設けられている。添加ノズル21には燃料ポン
プ12で昇圧された燃料の一部が燃料供給管22を介し
て供給されており、燃料供給管22には、添加ノズル2
1から噴射される燃料量を制御するための制御弁23が
設けられている。制御弁23の弁開度、開弁期間、開弁
インターバルなどはECU9によって制御される。この
実施の形態において、添加ノズル21と燃料供給管22
と制御弁23は、還元剤供給手段を構成する。
【0030】排気管14においてケーシング19の直ぐ
下流には、ケーシング19から流出する排気ガス(以
下、出ガスという)の温度に対応した出力信号をECU
9に出力する出ガス温センサ24が設けられている。
【0031】ECU9はデジタルコンピュータからな
り、双方向バスによって相互に接続されたROM(リー
ドオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモ
リ)、CPU(セントラルプロセッサユニット)、入力
ポート、出力ポートを具備し、エンジン1の燃料噴射量
制御等の基本制御を行うほか、この実施の形態では、D
PF18に坦持されているNOx触媒の触媒床温推定処
理等を行っている。
【0032】これら制御のために、ECU9の入力ポー
トには、アクセル開度センサ61からの入力信号と、ク
ランク角センサ62からの入力信号が入力される。アク
セル開度センサ61はアクセル開度に比例した出力電圧
をECU9に出力し、ECU9はアクセル開度センサ6
1の出力信号に基づいてエンジン負荷を演算する。クラ
ンク角センサ62はクランクシャフトが一定角度回転す
る毎に出力パルスをECU9に出力し、ECU9はこの
出力パルスに基づいてエンジン回転数を演算する。これ
らエンジン負荷とエンジン回転数によってエンジン運転
状態が判別され、ECU9はエンジン運転状態に応じた
燃料噴射量を噴射量マップ(図示せず)を参照して算出
し、算出された燃料噴射量に対応する燃料噴射弁10の
開弁期間を算出して、燃料噴射弁10の作動を制御す
る。
【0033】次に、DPF18に坦持された吸蔵還元型
NOx触媒(以下、NOx触媒ということもある)につい
て説明する。吸蔵還元型NOx触媒は、例えばアルミナ
(Al23)を担体とし、この担体上に例えばカリウム
K、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのよ
うなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのよ
うなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのよ
うな希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Ptの
ような貴金属とが担持されてなる。
【0034】このNOx触媒は、流入排気ガスの空燃比
(以下、排気空燃比と称す)が理論空燃比よりもリーン
のときはNOxを吸収し、排気空燃比が理論空燃比ある
いはそれよりもリッチになって流入排気ガス中の酸素濃
度が低下すると吸収したNOxをNO2またはNOとして
放出するNOxの吸放出作用を行う。そして、NOx触媒
から放出されたNOx(NO2またはNO)は直ちに排気
ガス中の未燃HCやCOと反応してN2に還元せしめら
れる。したがって、排気空燃比を適宜に制御すれば排気
ガス中のHC,CO,NOxを浄化することができるこ
とになる。
【0035】尚、排気空燃比とは、ここではNOx触媒
の上流側の排気通路やエンジン燃焼室、吸気通路等にそ
れぞれ供給された空気量の合計と燃料(炭化水素)量の
合計の比を意味するものとする。したがって、NOx触
媒よりも上流の排気通路内に燃料、還元剤あるいは空気
が供給されない場合には、排気空燃比はエンジン燃焼室
内に供給される混合気の空燃比に一致する。
【0036】ところで、ディーゼルエンジンの場合は、
ストイキ(理論空燃比、A/F=13〜14)よりもは
るかにリーン域で燃焼が行われるので、通常の機関運転
状態ではNOx触媒に流入する排気ガスの空燃比は非常
にリーンであり、排気ガス中のNOxはNOx触媒に吸収
され、NOx触媒から放出されるNOx量は極めて少な
い。
【0037】また、ガソリンエンジンの場合には、燃焼
室に供給する混合気をストイキまたはリッチ空燃比にす
ることにより排気ガスの空燃比を理論空燃比またはリッ
チ空燃比にし、排気ガス中の酸素濃度を低下させて、N
Ox触媒に吸収されているNOxを放出させることができ
るが、ディーゼルエンジンの場合には、燃焼室に供給す
る混合気をストイキまたはリッチ空燃比にすると燃焼の
際に煤が発生するなどの問題があり採用することはでき
ない。
【0038】したがって、ディーゼルエンジンでは、N
Ox触媒のNOx吸収能力が飽和する前に所定のタイミン
グで、排気ガス中に還元剤を供給して排気ガス中の酸素
濃度を低下せしめ、NOx触媒に吸収されたNOxを放出
し還元する必要がある。尚、前記還元剤としては、一般
に、ディーゼルエンジンの燃料である軽油を使用する場
合が多い。
【0039】そのため、この実施の形態では、ECU9
によりエンジン1の運転状態の履歴からNOx触媒に吸
収されたNOx量を推定し、その推定NOx量が予め設定
した所定値に達したときに、所定時間だけ制御弁23を
開弁して所定量の燃料をケーシング19の上流に供給
し、NOx触媒に流入する排気ガス中の酸素濃度を低下
させ、NOx触媒に吸収されたNOxを放出させ、N2
還元するようにしている。
【0040】この実施の形態における内燃機関の排気浄
化装置では、ECU9は、DPF18に坦持されたNO
x触媒の触媒床温をNOx触媒における発熱を考慮して算
出推定する触媒床温推定処理を行う。詳述すると、NO
x触媒においてHC,CO,NOxが反応するときには反
応熱が生じる。このときに発生した熱が総て排気ガスお
よびNOx触媒の加熱に消費され、且つ、排気ガスとN
Ox触媒が同一温度まで加熱されるものとして熱量計算
を行い、触媒床温を推定するのである。
【0041】この実施の形態における触媒床温推定処理
について図2を参照して説明する。触媒床温推定処理
は、図2に示す触媒床温推定処理ルーチンに従って実行
され、この触媒床温推定処理ルーチンは、ECU9のR
OMに予め記憶されており、CPUによって繰り返し実
行されるルーチンである。
【0042】<ステップ101>まず、ECU9は、ス
テップ101において、触媒床温Tcを初期値Tc0とす
る。ここで、初期値Tc0はいずれの値でもよく、例えば
エンジン始動時における外気温とすることができる。
【0043】<ステップ102>次に、ECU9は、ス
テップ102に進み、現在のエンジン運転状態に基づい
て、エンジン1から排出される排気ガスの温度Tex、該
排気ガスに含まれる未燃HC量MHC、該排気ガスに含ま
れるCO量MCOを、それぞれ、排気ガス温度マップ、H
Cマップ、COマップ(いずれも図示せず)を参照して
算出する。
【0044】ここで、前記エンジン運転状態とは、エン
ジン回転数N、吸入空気量Ga、燃焼室に噴射される燃
料量Gfなどであり、このエンジン運転状態と排気ガス
温度,排気ガス中のHC量,排気ガス中のCO量の関係
を予め実験的に求めてマップ化し、それを前記排気温度
マップ、HCマップ、COマップとして予めECU9の
ROMに記憶しておく。
【0045】<ステップ103>次に、ECU9は、ス
テップ103に進み、添加ノズル21から排気ガス中に
添加される燃料量Mfを算出する。この燃料量Mfは、例
えば、制御弁23の流量特性と制御弁23の弁開度、開
弁時間、添加インターバルなどに基づいて算出すること
ができる。
【0046】<ステップ104>次に、ECU9は、ス
テップ104に進み、NOx触媒で触媒反応が起こる前
の排気ガスが有する熱量Qexを算出する。この熱量Qex
は、例えば、次式により算出する。 Qex=Mex・Cex・Tex ここで、Mexは排気ガスの質量、Cexは排気ガスの比
熱、Texは排気ガス温度であり、排気ガスの質量Mexは
エアフロメータ4の出力信号に基づいて算出し、排気ガ
ス温度Texはステップ102で算出した排気ガス温度を
用いる。尚、排気ガスの比熱Cexは一定とする
【0047】<ステップ105>次に、ECU9は、ス
テップ105に進み、NOx触媒で触媒反応が起こる前
のNOx触媒が有する熱量Qcを算出する。この熱量Qc
は、例えば、次式により算出する。 Qc=Mc・Cc・Tc ここで、McはNOx触媒の質量、CcはNOx触媒の比熱
であり、これら質量Mcおよび比熱Ccは一定である。T
cは触媒反応が起こる前のNOx触媒の触媒床温であり、
ステップ105の処理を最初に実行するときには触媒床
温の初期値Tc0を用いる。
【0048】<ステップ106>次に、ECU9は、ス
テップ106に進み、NOx触媒において排気ガス中の
HC,CO,NOxが反応するときに生じる反応熱、換
言すれば、NOx触媒における触媒反応によって発生す
る熱量Qcrを算出する。熱量Qcrは、例えば、次式によ
り算出する。 Qcr=(RHC・MHC)+(Rco・Mco)+(Rf・Mf) ここで、RHCは排気ガス中の単位質量の未燃HCが酸化
反応したときに生じる反応熱、Rcoは排気ガス中の単位
質量のCOが酸化反応したときに生じる反応熱、Rfは
単位質量の燃料がNOx触媒で酸化反応したときに生じ
る反応熱であり、これらは一定とする。
【0049】<ステップ107>次に、ECU9は、ス
テップ107に進み、触媒反応後のNOx触媒の触媒床
温Tcを推定する。ここで、NOx触媒で触媒反応により
発生した熱が総て排気ガスおよびNOx触媒の加熱に消
費され、且つ、排気ガスとNOx触媒が同一温度Tcにな
るものと仮定すると、次式が成立する。 (Qex+Qc+Qcr)=(Mex・Cex・Tc)+(Mc・
Cc・Tc) この式の左辺は触媒反応前の熱量の総和を表し、右辺は
触媒反応後の熱量の総和を表している。
【0050】したがって、触媒反応後のNOx触媒の触
媒床温Tcは次式により算出することができる。 Tc=(Qex+Qc+Qcr)/{(Mex・Cex)+(Mc
・Cc)}
【0051】ステップ107の実行完了により、本ルー
チンの第1回目の処理サイクルが完了し、ECUは、第
2回目の処理サイクルを実行すべくステップ102に戻
る。そして、第2回目以後の処理サイクルにおけるステ
ップ105では、前サイクルのステップ107で算出し
た触媒床温Tcを用いて、触媒反応前のNOx触媒が有す
る熱量を算出する。
【0052】ECU9は、ステップ102からステップ
109の処理を繰り返し実行して、刻々と変化するNO
x触媒の触媒床温を推定し、更新していく。そして、更
新された最新の触媒床温がNOx触媒の触媒床温とし
て、この排気浄化装置の種々の制御に利用されることに
なる。
【0053】したがって、この実施の形態における排気
浄化装置では、DPF18に坦持されているNOx触媒
の触媒床温を直接計測する温度検出手段を備えなくて
も、NOx触媒の触媒床温を知ることができる。
【0054】この実施の形態では、ECU9が触媒床温
推定処理ルーチンを実行することにより、本発明におけ
る排気ガス温検出手段、HC,CO量推定手段、触媒床
温推定手段が実現される。
【0055】前述したように、この排気浄化装置ではN
Ox触媒の触媒床温を推定することができるので、触媒
床温を直接計測する温度検出手段は不要なのであるが、
この実施の形態では、排気浄化装置に対するフェールセ
ーフを実現するために、ケーシング19の下流に出ガス
温センサ(触媒床温計測手段)24を設けている。この
実施の形態のフェールセーフシステムでは、出ガス温セ
ンサ24で実測された出ガス温度を触媒床温の実測値
(以下、実測触媒床温という)Tc2として代用する。
【0056】前記実測触媒床温Tc2が、前述した触媒床
温推定処理の実行により推定されたNOx触媒の触媒床
温(以下、推定触媒床温という)Tc1よりも大幅に低い
場合には、添加ノズル21から排気ガス中に供給された
燃料(HC)がNOx触媒で反応せずにNOx触媒に付着
していると考えられる。このようにNOx触媒に付着し
たHCは、所定の温度条件を満足したときに燃焼し始め
てNOx触媒の触媒床温を異常上昇させ、NOx触媒の熱
劣化を促進する虞れがある。
【0057】一方、前記実測触媒床温Tc2が推定触媒床
温Tc1よりも大幅に高い場合には、添加ノズル21から
排気ガス中に供給された燃料(HC)量が指令供給量よ
りも多いと考えられ、原因として制御弁23の作動不良
などが考えられる。
【0058】そこで、この実施の形態の排気浄化装置で
は、推定触媒床温Tc1と実測触媒床温Tc2の誤差△tが
所定の許容誤差範囲から外れている場合には、排気浄化
装置が異常であると判定して、添加ノズル21からの燃
料添加の実行を禁止することにした。
【0059】次に、排気浄化装置の異常判定処理につい
て図3を参照して説明する。異常判定処理は、図3に示
す異常判定処理ルーチンに従って実行され、この異常判
定処理ルーチンは、ECU9のROMに予め記憶されて
おり、CPUによって繰り返し実行されるルーチンであ
る。
【0060】<ステップ201>まず、ECU9は、ス
テップ201において、推定触媒床温Tc1と実測触媒床
温Tc2を読み込む。
【0061】<ステップ202>次に、ECU9は、ス
テップ202に進み、エンジン運転状態(吸入空気量G
a、エンジン回転数N)、および、添加ノズル21から
排気ガスへの燃料添加条件(燃料添加量、添加インター
バル)に基づき、許容誤差マップ(図示せず)を参照し
て、推定触媒床温Tc1と実測触媒床温Tc2との最大許容
誤差Dmaxを算出する。
【0062】尚、前記許容誤差マップは、前記エンジン
運転状態および前記燃料添加条件に応じて予め最大許容
誤差を設定しこれをマップ化したものであり、この許容
誤差マップを予めECU9のROMに記憶しておく。
【0063】<ステップ203>次に、ECU9は、推
定触媒床温Tc1と実測触媒床温Tc2との誤差△t(絶対
値)を算出する。 △t=|(Tc1−Tc2)|
【0064】<ステップ204>次に、ECU9は、ス
テップ204に進み、ステップ203で算出した誤差△
tがステップ202で算出した最大許容誤差Dmaxより
も大きいか否か判定する。ステップ204において否定
判定した場合には、誤差△tは許容誤差範囲であるの
で、排気浄化装置が正常に稼働していると判定して、E
CU9は、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0065】<ステップ205>一方、ステップ204
において肯定判定した場合には、前述したように、添加
ノズル21から排気ガス中に供給された燃料(HC)が
NOx触媒に付着しているか、あるいは、添加ノズル2
1から排気ガス中に供給された燃料(HC)量が指令供
給量よりも多いと考えられるので、排気浄化装置が異常
であると判定して、ECU9は、ステップ205に進
み、添加ノズル21からの燃料添加の実行を禁止する。
【0066】この実施の形態では、ECU9が異常判定
処理ルーチンを実行することにより、本発明における誤
差算出手段、還元剤供給禁止手段が実現される。
【0067】次に、この排気浄化装置におけるNOx触
媒に対する昇温処理について説明する。排気浄化装置に
おいては、何らかの理由によりNOx触媒を昇温させた
い場合がある。例えば、NOx触媒に対してSOx被毒回
復処理を行うときにはNOx触媒をSOx放出温度以上の
高温にする必要がある。
【0068】ここで、NOx触媒のSOx被毒について簡
単に説明する。一般に、内燃機関の燃料には硫黄分が含
まれており、内燃機関で燃料を燃焼すると、燃料中の硫
黄分が燃焼してSO2やSO3などの硫黄酸化物(SO
x)が発生する。吸蔵還元型NOx触媒は、NOxの吸収
作用を行うのと同じメカニズムで排気ガス中のSOxを
吸収する。
【0069】ところが、NOx触媒に吸収されたSOxは
時間経過とともに安定な硫酸塩を形成するため、NOx
触媒からNOxの放出・還元を行うのと同じ条件下で
は、分解、放出されにくく触媒内に蓄積され易い傾向が
ある。NOx触媒内のSOx蓄積量が増大すると、触媒の
NOx吸収容量が減少して排気ガス中のNOxの除去を十
分に行うことができなくなりNOx浄化率が低下する。
これが所謂SOx被毒である。
【0070】このSOx被毒から回復させるために行う
処理をSOx被毒回復処理と称しているが、SOx被毒回
復処理は、NOx触媒の触媒床温をSOx放出温度以上に
するとともに、NOx触媒に流入する排気ガスの空燃比
(排気空燃比)を理論空燃比またはそれよりもリッチに
することにより行っている。
【0071】したがって、NOx触媒のSOx被毒回復処
理の実行時期に、NOx触媒の触媒床温がSOx放出温度
に達していないときには、昇温処理を行う必要がある。
このSOx被毒回復処理のときに限らず、NOx触媒を昇
温する必要がある場合、従来は、排気空燃比をリッチ空
燃比にして、排気ガス中に含まれる未燃HCをNOx触
媒において酸化させることにより、NOx触媒を昇温し
ていた。
【0072】しかしながら、このように排気空燃比をリ
ッチ空燃比にしてNOx触媒の昇温処理を行うと、NOx
触媒で酸化されずにすり抜けてしまう未燃HCの量が多
くなって、燃費が悪化する場合があった。
【0073】この原因は、NOx触媒におけるHC浄化
率の温度特性にある。図4はNOx触媒におけるHC浄
化率温度特性を示すものであり、NOx触媒の触媒床温
が低いほどHC浄化率が低く、触媒床温の上昇とともに
HC浄化率が上昇していき、触媒床温がある温度(以
下、この触媒床温をHC高浄化温度という)Tcx以上に
なるとHC浄化率が高レベルで安定する。
【0074】したがって、NOx触媒の触媒床温が低い
ときに排気空燃比をリッチ空燃比にしても、NOx触媒
で浄化されるHC量が少なく、換言すれば、NOx触媒
で酸化されるHC量が少なく、排気ガス中の多くのHC
がNOx触媒をすり抜けてしまう。
【0075】そこで、この実施の形態の排気浄化装置で
は、NOx触媒を昇温処理するときに、NOx触媒の触媒
床温がHC高浄化温度Tcxよりも低いときには排気空燃
比を理論空燃比あるいはそれよりも若干リーンにし、N
Ox触媒の触媒床温がHC高浄化温度Tcx以上のときに
は排気空燃比をリッチ空燃比にすることにした。これに
より、触媒床温が低いときにはHCのすり抜けを抑制し
つつNOx触媒を昇温することができ、触媒床温がある
程度高いときにはより効率的に昇温することができ、そ
の結果、燃費悪化を抑制しつつNOx触媒の昇温処理を
行うことができることとなる。
【0076】ここで、昇温処理を行う際に、リッチ空燃
比を連続して保持すると、酸素不足になってHCが燃焼
しないこともあり得るため、このような虞れがある場合
には、リッチ空燃比の間に瞬間的な理論空燃比あるいは
それよりもリーン空燃比の期間を設けて酸素不足が生じ
ないようにするのが好ましい。
【0077】この実施の形態におけるNOx触媒の昇温
処理制御について図6を参照して説明する。NOx触媒
の昇温処理は、図6に示す昇温処理ルーチンに従って実
行され、この昇温処理ルーチンは、ECU9のROMに
予め記憶されており、CPUによって繰り返し実行され
るルーチンである。
【0078】<ステップ301>まず、ECU9は、ス
テップ301において、排気系に燃料添加を行って昇温
処理を実行すべきとする実行指令があるか否か判定す
る。ステップ301において否定判定した場合には、E
CU9は、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0079】<ステップ302>ステップ301におい
て肯定判定した場合には、ECU9は、ステップ302
に進んで、現在のNOx触媒の触媒床温を読み込む。こ
の実施の形態では、NOx触媒の触媒床温として、前述
の触媒床温推定処理で算出した最新の推定触媒床温Tc1
を読み込む。
【0080】<ステップ303>次に、ECU9は、ス
テップ303に進み、ステップ302で読み込んだ推定
触媒床温Tc1に基づいて、図5に示す排気空燃比マップ
を参照して目標排気空燃比AFを算出する。
【0081】この実施の形態における排気空燃比マップ
では、推定触媒床温Tc1がHC高浄化温度Tcxよりも低
いときには目標排気空燃比を理論空燃比よりも若干リー
ンな一定値のリーン空燃比AF1とし、推定触媒床温Tc
1がHC高浄化温度Tcx以上のときには目標排気空燃比
を理論空燃比よりもリッチな一定値のリッチ空燃比AF
2とした。この排気空燃比マップはECU9のROMに
予め記憶しておく。
【0082】<ステップ304>次に、ECU9は、ス
テップ304に進み、エアフロメータ5の出力信号に基
づいて単位時間当たりの吸入空気量Gaを算出する。
【0083】<ステップ305>次に、ECU9は、ス
テップ305に進み、ステップ303で算出した目標排
気空燃比AFと、ステップ304で算出した単位時間当
たりの吸入空気量Gaから、単位時間当たりの必要燃料
量Gtを算出する。
【0084】<ステップ306>次に、ECU9は、ス
テップ306に進み、単位時間当たりに燃料噴射弁10
から気筒内に噴射される燃料量Gfを読み込む。
【0085】<ステップ307>次に、ECU9は、ス
テップ307に進み、単位時間当たりに添加ノズル21
から排気ガス中に添加すべき燃料添加量Ginjを次式よ
り算出する。Ginj=Gt−Ginj
【0086】<ステップ308>次に、ECU9は、ス
テップ308に進み、添加ノズル21から排気ガス中に
添加される燃料量が、ステップ307で算出した燃料添
加量Ginjになるように添加条件(制御弁23の弁開
度、開弁期間、添加インターバルなど)を設定して、排
気系への燃料添加を実行する。これにより、排気空燃比
をステップ303で算出した目標排気空燃比AFにする
ことができる。ステップ308の処理完了により、EC
U9は、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0087】この実施の形態では、ECU9が昇温処理
ルーチンを実行することにより、本発明における還元剤
供給量算出手段が実現される。
【0088】
【発明の効果】本発明にかかる内燃機関の排気浄化装置
によれば、リーンNOx触媒と、還元剤供給手段と、排
気ガス温検出手段と、前記内燃機関の運転状態から排気
ガス中に含まれるHC量およびCO量を推定するHC,
CO量推定手段と、前記還元剤供給手段から供給された
還元剤および排気ガス中のHC,COが前記リーンNO
x触媒で反応したときの発熱量を考慮してリーンNOx触
媒の触媒床温を推定する触媒床温推定手段と、を備える
ことにより、リーンNOx触媒の触媒床温を実測しなく
ても精度よく推定することができるという優れた効果が
奏される。
【0089】また、リーンNOx触媒の触媒床温を計測
する触媒床温計測手段と、前記触媒床温推定手段により
推定された触媒床温と前記触媒床温計測手段により計測
された触媒床温との誤差を算出する誤差算出手段と、前
記誤差算出手段により算出された誤差が許容誤差範囲か
ら外れているときに前記還元剤供給手段による還元剤供
給を禁止する還元剤供給禁止手段と、を備える場合に
は、排気浄化装置が異常と考えられるときにリーンNO
x触媒への還元剤供給を禁止することができる。
【0090】また、本発明にかかる内燃機関の排気浄化
装置によれば、リーンNOx触媒と、還元剤供給手段
と、触媒床温検出手段と、前記リーンNOx触媒を昇温
すべきときに前記触媒床温検出手段により検出された触
媒床温が設定温度よりも低い場合にはリーンNOx触媒
に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比あるいはそれ
よりも若干リーンにし前記触媒床温が前記設定温度以上
の場合には前記空燃比を理論空燃比よりもリッチになる
ように前記還元剤供給手段からの還元剤供給量を算出す
る還元剤供給量算出手段と、を備えることにより、リー
ンNOx触媒を昇温処理しているときのHCのすり抜け
を少なくすることができるという優れた効果が奏され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる内燃機関の排気浄化装置の一
実施の形態における概略構成を示す図である。
【図2】 前記実施の形態の排気浄化装置における触媒
床温推定処理ルーチンである。
【図3】 前記実施の形態の排気浄化装置における異常
判定処理ルーチンである。
【図4】 前記実施の形態のリーンNOx触媒のHC浄
化率温度特性図である。
【図5】 前記実施の形態の排気浄化装置における排気
空燃比マップである。
【図6】 前記実施の形態の排気浄化装置における昇温
処理ルーチンである。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン(内燃機関) 2 吸気マニホールド 3 吸気管 5 エアフロメータ 6 ターボチャージャ 8 スロットルバルブ 9 ECU(エンジンコントロール用電子制御ユニッ
ト) 10 燃料噴射弁 11 コモンレール 12 燃料ポンプ 13 排気マニホールド(排気通路) 14 排気管(排気通路) 18 リーンNOx触媒坦持DPF 21 添加ノズル(還元剤供給装置) 22 燃料供給管(還元剤供給装置) 23 制御弁(還元剤供給装置) 24 出ガス温センサ(触媒床温計測手段、触媒床温検
出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石山 忍 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 田原 淳 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G084 AA01 AA03 AA04 BA05 BA08 BA09 BA13 BA19 BA20 BA24 DA10 DA27 EA11 EB01 FA07 FA10 FA27 FA33 FA38 3G091 AA02 AA10 AA11 AA12 AA17 AA18 AA28 AB05 AB06 BA11 BA14 BA21 BA33 CA16 CA18 CB02 CB07 CB08 DA04 DA08 DB06 DB07 DB08 DB09 DB10 DB13 EA01 EA05 EA07 EA17 EA18 EA31 FB10 FB11 FB12 FC02 GB01W GB01X GB02W GB03W GB04W GB05W GB06W GB09X GB10X GB16X HA37 HB05 HB06 3G301 HA01 HA02 HA06 HA11 HA13 HA15 JA08 JA15 JA25 JA33 JB02 JB08 JB09 LA03 LB11 LB13 MA01 MA11 NA06 NA07 NA08 NC01 NC02 NE01 NE06 NE13 NE14 NE15 PA01B PA01Z PD11B PD11Z PD12B PD12Z PE01B PE01Z PE03B PE03Z PF03B PF03Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希薄燃焼可能な内燃機関の排気通路に設
    けられたリーンNOx触媒と、 前記リーンNOx触媒に還元剤を供給する還元剤供給手
    段と、 前記内燃機関から排出される排気ガスの温度を計測また
    は推定する排気ガス温検出手段と、 前記内燃機関の運転状態から排気ガス中に含まれるHC
    量およびCO量を推定するHC,CO量推定手段と、 前記還元剤供給手段から供給された還元剤および排気ガ
    ス中のHC,COが前記リーンNOx触媒で反応したと
    きの発熱量を考慮してリーンNOx触媒の触媒床温を推
    定する触媒床温推定手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 前記リーンNOx触媒の触媒床温を計測
    する触媒床温計測手段と、 前記触媒床温推定手段により推定された触媒床温と前記
    触媒床温計測手段により計測された触媒床温との誤差を
    算出する誤差算出手段と、 前記誤差算出手段により算出された誤差が許容誤差範囲
    から外れているときに前記還元剤供給手段による還元剤
    供給を禁止する還元剤供給禁止手段と、 を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の
    排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 希薄燃焼可能な内燃機関の排気通路に設
    けられたリーンNOx触媒と、 前記リーンNOx触媒に還元剤を供給する還元剤供給手
    段と、 前記リーンNOx触媒の触媒床温を計測または推定する
    触媒床温検出手段と、 前記リーンNOx触媒を昇温すべきときに前記触媒床温
    検出手段により検出された触媒床温が設定温度よりも低
    い場合にはリーンNOx触媒に流入する排気ガスの空燃
    比を理論空燃比あるいはそれよりも若干リーンにし前記
    触媒床温が前記設定温度以上の場合には前記空燃比を理
    論空燃比よりもリッチになるように前記還元剤供給手段
    からの還元剤供給量を算出する還元剤供給量算出手段
    と、 を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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