JP2000145438A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2000145438A
JP2000145438A JP10324199A JP32419998A JP2000145438A JP 2000145438 A JP2000145438 A JP 2000145438A JP 10324199 A JP10324199 A JP 10324199A JP 32419998 A JP32419998 A JP 32419998A JP 2000145438 A JP2000145438 A JP 2000145438A
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air
fuel ratio
exhaust gas
nox
sox
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Shinya Hirota
信也 広田
Toshiaki Tanaka
俊明 田中
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Toyota Motor Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気通路に設けた吸蔵還元型NOx触媒に吸
収されたSOxをほぼ完全に放出させる。 【解決手段】 リーンバーンガソリンエンジン1の排気
通路に吸蔵還元型NOx触媒17を設け、通常、ECU
30は、NOx触媒17にNOx吸放出作用を行わしめる
ために、混合気の空燃比のリーン・リッチスパイク制御
を行い、これにより排気空燃比のリーン・リッチスパイ
ク制御を行う。NOx触媒17にSOxが所定量吸収され
て、ECU30がSOx放出時期であると判断したら、
ECU30は、NOx触媒17からSOxを放出させるた
めに、混合気の空燃比のストイキ制御を行って排気空燃
比のストイキ制御を行うとともに、排気ガスを所定温度
以上の高温に保持する排気ガス温度制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希薄燃焼可能な内
燃機関より排出される排気ガスから窒素酸化物(NO
x)を浄化することができる排気浄化装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】希薄燃焼可能な内燃機関より排出される
排気ガスからNOxを浄化する排気浄化装置として、吸
蔵還元型NOx触媒に代表されるNOx吸収剤がある。N
Ox吸収剤は、流入排気ガスの空燃比がリーン(即ち、
酸素過剰雰囲気下)のときにNOxを吸収し、流入排気
ガスの酸素濃度が低下したときに吸収したNOxを放出
するものであり、このNOx吸収剤の一種である吸蔵還
元型NOx触媒は、流入排気ガスの空燃比がリーン(即
ち、酸素過剰雰囲気下)のときにNOxを吸収し、流入
排気ガスの酸素濃度が低下したときに吸収したNOxを
放出しN2に還元する触媒である。
【0003】この吸蔵還元型NOx触媒(以下、単に触
媒ということもある)を希薄燃焼可能な内燃機関の排気
通路に配置すると、リーン空燃比の排気ガスが流れたと
きには排気ガス中のNOxが触媒に吸収され、ストイキ
(理論空燃比)あるいはリッチ空燃比の排気ガスが流れ
たときに触媒に吸収されていたNOxがNO2として放出
され、さらに排気ガス中のHCやCOなどの還元成分に
よってN2に還元され、即ちNOxが浄化される。
【0004】ところで、一般に、内燃機関の燃料には硫
黄分が含まれており、内燃機関で燃料を燃焼すると、燃
料中の硫黄分が燃焼してSO2やSO3などの硫黄酸化物
(SOx)が発生する。前記吸蔵還元型NOx触媒は、N
Oxの吸収作用を行うのと同じメカニズムで排気ガス中
のSOxの吸収を行うので、内燃機関の排気通路に吸蔵
還元型NOx触媒を配置すると、この触媒にはNOxのみ
ならずSOxも吸収される。
【0005】ところが、前記触媒に吸収されたSOxは
時間経過とともに安定な硫酸塩を形成するため、前記触
媒からNOxの放出・還元を行うのと同じ条件下では、
分解、放出されにくく触媒内に蓄積され易い傾向があ
る。吸蔵還元型NOx触媒内のSOx蓄積量が増大する
と、触媒のNOx吸収容量が減少して排気ガス中のNOx
の除去を十分に行うことができなくなりNOx浄化効率
が低下する。これが所謂SOx被毒である。そこで、吸
蔵還元型NOx触媒のNOx浄化能を長期に亘って高く維
持するためには、触媒に吸収されているSOxを適宜の
タイミングで放出させる必要がある。
【0006】吸蔵還元型NOx触媒からのSOx放出処理
技術に関しては、特許番号第2605586号の特許公
報等に開示されている。この公報によれば、吸蔵還元型
NOx触媒に吸収されたSOxを放出させるには、流入排
気ガスの空燃比をストイキまたはリッチにし、且つ、触
媒温度をNOxの放出・還元時よりも高い所定の高温に
する必要があるとしている。さらに、この公報に開示さ
れたSOx放出処理技術によれば、通常はリーン空燃比
で運転されるガソリンエンジンを例示して、触媒からS
Oxを放出するのに必要な温度以上の排気ガスが排出さ
れる内燃機関の運転状態(以下、これを高温排気の運転
状態という)の時にタイミングを合わせて、この高温排
気の運転状態のときに、数分間のリーン空燃比運転と数
秒間のリッチ空燃比運転とを交互に繰り返すリーン・リ
ッチ繰返し制御を行うか、あるいは、高温排気の運転状
態のときに連続的に数十秒間のストイキあるいはリッチ
空燃比運転を行うことによって、SOx放出処理を実行
している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来のSOx放出処理技術では、ストイキあるいはリッ
チ空燃比の時間が短か過ぎて(数秒〜数十秒)、SOx
を十分に放出させることができなかった。といって、高
温排気の運転状態のときにSOx放出処理を実行してい
ることから、高温排気の運転状態はそれほど長く続くも
のではなく、SOx放出処理を長時間続行することも不
可能であった。さらに、リッチ空燃比運転は燃費悪化を
招くという問題もある。
【0008】本発明はこのような従来の技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする
課題は、NOx吸収剤からのSOxの放出処理にあたっ
て、ストイキによる運転を強制的に長時間継続すること
により、SOxのほぼ完全な放出を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、以下の手段を採用した。本発明に係る内燃
機関の排気浄化装置は、(イ)希薄燃焼可能な内燃機関
の排気通路に配置され流入する排気ガスの空燃比がリー
ンのときにNOxを吸収し流入する排気ガスの空燃比が
ストイキまたはリッチのときに吸収したNOxを放出す
るNOx吸収剤と、(ロ)前記NOx吸収剤にNOxの吸
放出を行わしめるためにNOx吸収剤に流入する排気ガ
スの空燃比がリーン空燃比とストイキまたはリッチ空燃
比に交互に繰り返されるように制御する第1の空燃比制
御手段と、(ハ)前記NOx吸収剤に吸収されたSOxを
ほぼ完全に放出させるためにNOx吸収剤に流入する排
気ガスの空燃比を前記第1の空燃比制御手段によるスト
イキまたはリッチ空燃比の保持時間よりも長い時間スト
イキに保持する第2の空燃比制御手段と、を備えること
を特徴とする。
【0010】この内燃機関の排気浄化装置では、第1の
空燃比制御手段により排気ガスの空燃比がリーンにされ
ているときに排気ガス中のNOxがNOx吸収剤に吸収さ
れ、第1の空燃比制御手段により排気ガスの空燃比がス
トイキまたはリッチにされているときにNOx吸収剤か
らNOxが放出される。そして、第1の空燃比制御手段
による空燃比制御の下で内燃機関の運転が行われている
間に、排気ガスに含まれるSOxはNOx吸収剤に吸収さ
れる。NOx吸収剤に吸収されたSOxは、第2の空燃比
制御手段が排気ガスの空燃比をストイキに制御している
ときに、NOx吸収剤から放出される。この第2の空燃
比制御手段による空燃比制御の下での内燃機関の運転を
長時間連続して行うことにより、NOx吸収剤に吸収さ
れているSOxをほぼ完全に放出させることができる。
ここで、排気ガスの空燃比とは、機関吸気通路及びNO
x吸収剤よりも上流での排気通路内に供給された空気及
び燃料(炭化水素)の比をいう。
【0011】本発明における希薄燃焼可能な内燃機関と
しては、筒内直接噴射式のリーンバーンガソリンエンジ
ンやディーゼルエンジンを例示することができる。リー
ンバーンガソリンエンジンの場合には、排気ガスの空燃
比制御は燃焼室に供給される混合気の空燃比制御により
実行可能である。ディーゼルエンジンの場合の排気ガス
の空燃比制御については、吸気行程または膨張行程また
は排気行程で燃料を噴射する所謂副噴射を行うか、ある
いは、NOx吸収剤よりも上流の排気通路内に還元剤を
供給することにより実行することができる。
【0012】NOx吸収剤としては、吸蔵還元型NOx触
媒を例示することができる。吸蔵還元型NOx触媒は、
流入する排気ガスの空燃比がリーンのときにNOxを吸
収し、流入する排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸収
したNOxを放出し、N2に還元する触媒である。この吸
蔵還元型NOx触媒は、例えばアルミナを担体とし、こ
の担体上に例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウ
ムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウム
Ba、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタン
La、イットリウムYのような希土類から選ばれた少な
くとも一つと、白金Ptのような貴金属とが担持されて
なる。
【0013】NOx吸収剤に吸収されたSOxをほぼ完全
に放出させるための第2の空燃比制御手段において、
「ほぼ完全に放出させる」とは、NOx吸収剤に吸収さ
れているSOxを完全に放出させるのは至難の業であ
り、現実的に可能な限り放出させるという程の意味であ
る。
【0014】本発明においては、前記第2の空燃比制御
手段が排気ガスの空燃比をストイキに保持する保持時間
は、前記第1の空燃比制御手段が排気ガスの空燃比をス
トイキまたはリッチ空燃比に保持する保持時間の100
倍以上とすることができる。これをさらに具体的な数値
を上げて説明すれば、第1の空燃比制御手段によるスト
イキまたはリッチの保持時間を数秒とすれば、第2の空
燃比制御手段によるストイキの保持時間は数分から数十
時間ということになる。
【0015】本発明においては、前記第2の空燃比制御
手段が排気ガスの空燃比のストイキ制御を実行している
間、前記NOx吸収剤を所定温度以上の高温状態に保持
する温度制御手段を備えるのが、より好ましい。NOx
吸収剤を所定温度以上の高温に保持した方が、NOx吸
収剤からのSOxの放出をより促進することができ、S
Ox放出処理を短時間で完了させることができる。この
温度制御手段は、排気ガスの温度を制御することによっ
てNOx吸収剤の温度を制御するように構成してもよい
し、あるいは、電気ヒータ等の加温装置の作動を制御す
ることによりNOx吸収剤の温度を制御するように構成
してもよい。
【0016】本発明においては、前記NOx吸収剤から
SOxを放出すべき時期か否かを判定するSOx放出時期
判定手段と、前記SOx放出時期判定手段がSOxを放出
すべき時期であると判定する判定基準を、前記第2の空
燃比制御手段による排気ガスの空燃比のストイキ制御の
実行回数が増えるにしたがって、ストイキ制御の実行を
徐々に早める方向に変更する判定基準変更手段と、を備
えることが可能である。NOx吸収剤は熱などにより劣
化し、この劣化はSOx被毒によるNOx浄化率の低下を
増大させる。したがって、NOx吸収剤の劣化が進むほ
どSOx放出時期を早めるようにするのが好ましいから
である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る内燃機関の排
気浄化装置の実施の形態を図1から図8の図面に基いて
説明する。
【0018】〔第1の実施の形態〕図1は本発明を希薄
燃焼可能な車両用ガソリンエンジンに適用した場合の概
略構成を示す図である。この図において、符号1は機関
本体、符号2はピストン、符号3は燃焼室、符号4は点
火栓、符号5は吸気弁、符号6は吸気ポート、符号7は
排気弁、符号8は排気ポートを夫々示す。吸気ポート6
は対応する枝管9を介してサージタンク10に連結さ
れ、各枝管9には夫々吸気ポート6内に向けて燃料を噴
射する燃料噴射弁11が取り付けられている。サージタ
ンク10は吸気ダクト12およびエアフロメータ21を
介してエアクリーナ13に連結され、吸気ダクト12内
にはスロットル弁14が配置されている。一方、排気ポ
ート8は排気マニホルド15および排気管16を介して
吸蔵還元型NOx触媒(NOx吸収剤)17を内蔵したケ
ーシング18に接続され、ケーシング18に排気管19
が連結されている。以下、吸蔵還元型NOx触媒17を
NOx触媒17と略す。
【0019】エンジンコントロール用の電子制御ユニッ
ト(ECU)30はデジタルコンピュータからなり、双
方向バス31によって相互に接続されたROM(リード
オンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモ
リ)33、CPU(セントラルプロセッサユニット)3
4、入力ポート35、出力ポート36を具備する。エア
フロメータ21は吸入空気量に比例した出力電圧を発生
し、この出力電圧がAD変換器37を介して入力ポート
35に入力される。また、スロットル弁14にはスロッ
トル弁14がアイドリング開度であることを検出するア
イドルスイッチ20が取り付けられ、このアイドルスイ
ッチ20の出力信号が入力ポート35に入力される。
【0020】一方、ケーシング18の下流の排気管19
内には排気ガス温に比例した出力電圧を発生する温度セ
ンサ25が取り付けられ、この温度センサ25の出力電
圧がAD変換器38を介して入力ポート35に入力され
る。また、入力ポート35には機関回転数を表す出力パ
ルスを発生する回転数センサ26が接続されている。出
力ポート36は対応する駆動回路39を介して夫々点火
栓4および燃料噴射弁11に接続される。
【0021】このガソリンエンジンでは、例えば次式に
基づいて燃料噴射時間TAUが算出される。 TAU=TP・K ここで、TPは基本燃料噴射時間を示しており、Kは補
正係数を示している。基本燃料噴射時間TPは機関シリ
ンダ内に供給される混合気の空燃比を理論空燃比とする
のに必要な燃料噴射時間を示している。この基本燃料噴
射時間TPは予め実験により求められ、機関負荷Q/N
(吸入空気量Q/機関回転数N)および機関回転数Nの
関数として図2に示すようなマップの形で予めROM3
2内に記憶されている。補正係数Kは機関シリンダ内に
供給される混合気の空燃比を制御するための係数であっ
て、K=1.0であれば機関シリンダ内に供給される混
合気は理論空燃比となる。これに対してK<1.0にな
れば機関シリンダ内に供給される混合気の空燃比は理論
空燃比よりも大きくなり、即ちリーンとなり、K>1.
0になれば機関シリンダ内に供給される混合気の空燃比
は理論空燃比よりも小さくなり、即ちリッチとなる。
【0022】この実施の形態のガソリンエンジンでは、
機関低中負荷運転領域では補正係数Kの値が1.0より
も小さい値とされ、機関高負荷運転領域では補正係数K
の値が1.0とされ、機関全負荷運転領域では補正係数
Kの値は1.0よりも大きな値とされるように設定して
ある。内燃機関では通常、低中負荷運転される頻度が最
も高く、したがって運転期間中の大部分において補正係
数Kの値が1.0よりも小さくされて、リーン混合気が
燃料せしめられることになる。
【0023】図3は燃焼室3から排出される排気ガス中
の代表的な成分の濃度を概略的に示している。この図か
らわかるように、燃焼室3から排出される排気ガス中の
未燃HC,COの濃度は燃焼室3内に供給される混合気
の空燃比がリッチになるほど増大し、燃焼室3から排出
される排気ガス中の酸素O2の濃度は燃焼室3内に供給
される混合気の空燃比がリーンになるほど増大する。
【0024】ケーシング18内に収容されているNOx
触媒17は、例えばアルミナを担体とし、この担体上に
例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セ
シウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カル
シウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イッ
トリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つ
と、白金Ptのような貴金属とが担持されてなる。機関
吸気通路およびNOx触媒17より上流の排気通路内に
供給された空気および燃料(炭化水素)の比をNOx触
媒17への流入排気ガスの空燃比と称する(以下、排気
空燃比と略称する)と、このNOx触媒17は、排気空
燃比がリーンのときにはNOxを吸収し、流入排気ガス
中の酸素濃度が低下すると吸収したNOxを放出するN
Oxの吸放出作用を行う。
【0025】なお、NOx触媒17より上流の排気通路
内に燃料(炭化水素)あるいは空気が供給されない場合
には、排気空燃比は燃焼室3内に供給される混合気の空
燃比に一致し、したがってこの場合には、NOx触媒1
7は燃焼室3内に供給される混合気の空燃比がリーンの
ときにはNOxを吸収し、燃焼室3内に供給される混合
気中の酸素濃度が低下すると吸収したNOxを放出する
ことになる。
【0026】上述のNOx触媒17を機関排気通路内に
配置すればこのNOx触媒17は実際にNOxの吸放出作
用を行うが、この吸放出作用の詳細なメカニズムについ
ては明かでない部分もある。しかしながら、この吸放出
作用は図4に示すようなメカニズムで行われているもの
と考えられる。次に、このメカニズムについて担体上に
白金PtおよびバリウムBaを担持させた場合を例にと
って説明するが、他の貴金属,アルカリ金属,アルカリ
土類,希土類を用いても同様なメカニズムとなる。
【0027】即ち、流入排気ガスがかなりリーンになる
と流入排気ガス中の酸素濃度が大巾に増大し、図4
(A)に示されるように酸素O2 がO2 -又はO2-の形で
白金Ptの表面に付着する。一方、流入排気ガスに含ま
れるNOは、白金Ptの表面上でO2 -又はO2-と反応
し、NO2 となる(2NO+O2 →2NO2 )。
【0028】次いで、生成されたNO2の一部は、白金
Pt上で酸化されつつNOx触媒17内に吸収されて酸
化バリウムBaOと結合しながら、図4(A)に示され
るように硝酸イオンNO3 -の形でNOx触媒17内に拡
散する。このようにしてNOxがNOx触媒17内に吸収
される。
【0029】流入排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金
Ptの表面でNO2が生成され、NOx触媒17のNOx
吸収能力が飽和しない限り、NO2がNOx触媒17内に
吸収されて硝酸イオンNO3 -が生成される。
【0030】これに対して、流入排気ガス中の酸素濃度
が低下してNO2の生成量が低下すると反応が逆方向
(NO3 -→NO2)に進み、NOx触媒17内の硝酸イオ
ンNO 3 -がNO2の形でNOx触媒17から放出される。
即ち、流入排気ガス中の酸素濃度が低下すると、NOx
触媒17からNOxが放出されることになる。図3に示
されるように、流入排気ガスのリーンの度合いが低くな
れば流入排気ガス中の酸素濃度が低下し、したがって流
入排気ガスのリーンの度合いを低くすればNOx触媒1
7からNOxが放出されることとなる。
【0031】一方、このとき、燃焼室3内に供給される
混合気がストイキまたはリッチにされて排気空燃比がス
トイキまたはリッチになると、図3に示されるように機
関からは多量の未燃HC,COが排出され、これら未燃
HC,COは、白金Pt上の酸素O2 -又はO2-と反応し
て酸化せしめられる。
【0032】また、排気空燃比がストイキまたはリッチ
になると流入排気ガス中の酸素濃度が極度に低下するた
めにNOx触媒17からNO2が放出され、このNO
2は、図4(B)に示されるように未燃HC、COと反
応して還元せしめられてN2となる。このようにして白
金Ptの表面上にNO2が存在しなくなると、NOx触媒
17から次から次へとNO2が放出され、さらにN2に還
元せしめられる。したがって、排気空燃比をストイキま
たはリッチにすると短時間の内にNOx触媒17からN
Oxが放出されることになる。
【0033】このように、排気空燃比がリーンになると
NOxがNOx触媒17に吸収され、排気空燃比をストイ
キあるいはリッチにするとNOxがNOx触媒17から短
時間のうちに放出され、N2に還元される。
【0034】ところで、この実施の形態では前述したよ
うに、全負荷運転時には燃焼室3内に供給される混合気
がリッチとされ、また高負荷運転時には混合気が理論空
燃比とされ、低中負荷運転時には混合気がリーンとされ
るので、低中負荷運転時に排気ガス中のNOxがNOx触
媒17に吸収され、全負荷運転時及び高負荷運転時にN
Ox触媒17からNOxが放出され還元されることにな
る。しかしながら、全負荷運転あるいは高負荷運転の頻
度が少なく、低中負荷運転の頻度が多くその運転時間が
長ければ、NOxの放出・還元が間に合わなくなり、N
Ox触媒17のNOxの吸収能力が飽和してNOxを吸収
できなくなってしまう。そこで、この実施の形態では、
リーン混合気の燃焼が行われている場合、即ち中低負荷
運転を行っているときには、比較的に短い周期でストイ
キまたはリッチ混合気の燃焼が行われるように混合気の
空燃比を制御し、短周期的にNOxの放出・還元を行っ
ている。このようにNOxの吸放出のために、排気空燃
比(この実施の形態では混合気の空燃比)が比較的に短
い周期で「リーン」と「ストイキまたはリッチ」に交互
に繰り返されるように制御することを、以下の説明では
リーン・リッチスパイク制御と称す。
【0035】一方、燃料には硫黄(S)が含まれてお
り、燃料中の硫黄が燃焼するとSO2やSO3などの硫黄
酸化物(SOx)が発生し、NOx触媒17は排気ガス中
のこれらSOxも吸収する。NOx触媒17のSOx吸収
メカニズムはNOx吸収メカニズムと同じであると考え
られる。即ち、NOxの吸収メカニズムを説明したとき
と同様に担体上に白金PtおよびバリウムBaを坦持さ
せた場合を例にとって説明すると、前述したように、排
気空燃比がリーンのときには、酸素O2がO2 -又はO2-
の形でNOx触媒17の白金Ptの表面に付着してお
り、流入排気ガス中のSOx(例えばSO2)は白金Pt
の表面上で酸化されてSO3となる。
【0036】その後、生成されたSO3は、白金Ptの
表面で更に酸化されながらNOx触媒17内に吸収され
て酸化バリウムBaOと結合し、硫酸イオンSO4 2-
形でNOx触媒17内に拡散し硫酸塩BaSO4を形成す
る。NOx触媒17中のBaSO4の生成量が増大すると
NOx触媒17の吸収に関与できるBaOの量が減少し
てNOxの吸収能力が低下してしまう。これが即ちSOx
被毒である。したがって、NOx触媒17のNOx吸収能
力を高く維持するためには、適宜のタイミングでNOx
触媒17に吸収されたSOxを放出させる必要がある。
NOx触媒17からSOxを放出させるには、NOxを放
出させる場合と同様に排気ガスの酸素濃度を低下させれ
ばよいことが分かっており、また、NOx触媒17の温
度が高いほど放出し易いことが分かっている。
【0037】しかしながら、NOxの吸放出処理のため
に排気空燃比のリーン・リッチスパイク制御を実行して
酸素濃度の低い排気ガスをNOx触媒17に流した場
合、NOx触媒17からNOxは放出されるが、SOxは
殆ど放出されることがない。これは、BaSO4は結晶
が粗大化し易く、比較的安定し易いため、一旦生成され
ると分解放出されにくいことによるものと考えられてい
る。このようにNOx触媒17内に安定した形で吸収さ
れているSOxを放出させるには、酸素濃度の低い排気
ガスを長時間連続的に流す必要がある。
【0038】そこで、この実施の形態では、NOx触媒
17に所定量のSOxが吸収された時にSOx放出処理を
実行することとし、そのSOx放出処理は、排気空燃比
をストイキに保持した排気ガスを長時間NOx触媒17
に流すことにより行うこととした。
【0039】次に、図5を参照して、この実施の形態に
おけるSOx放出処理実行ルーチンを説明する。このル
ーチンを構成する各ステップからなるフローチャートは
ECU30のROM32に記憶してあり、フローチャー
トの各ステップにおける処理は総てECU30のCPU
34によって実行される。
【0040】<ステップ101>まず、ECU30は、
ステップ101において、前回のSOx放出処理完了後
から現時点までの当該車両の走行距離を積算する。
【0041】<ステップ102>次に、ECU30は、
ステップ102に進んで、ステップ101で求めた走行
距離積算値Dが判定値(判定基準)D0を越えたか否か
を判定する。機関本体1から排出される排気ガス中に含
まれるSOxは、燃料中の硫黄(S)分が燃焼して生じ
たものであり、また、NOx触媒17に吸収されている
SOx量は、機関本体1での燃焼で消費された燃料量と
相関がある。したがって、燃料消費量の積算値に基づい
てNOx触媒17に吸収されているSOx量を算出するこ
とができ、燃料消費量積算値が所定量のSOx吸収量に
相当する値に達したときをSOx放出時期であるとする
ことも可能であるが、燃料消費量と走行距離との間にも
相関があることから、この実施の形態では燃料消費量の
積算に代えて走行距離を積算することとし、その走行距
離の積算値が所定量のSOx吸収量に相当する値(判定
値D0)を越えたときにSOxを放出すべき時期であると
判定し、越えていないときにはSOxを放出すべき時期
ではないと判定することとした。
【0042】尚、前記判定値D0は、NOx触媒17のS
Ox吸収飽和量の30%〜50%に相当する走行距離と
するのがよく、この実施の形態では、50%に相当する
走行距離とした。
【0043】また、前記判定値D0は、使用する燃料の
硫黄濃度によって設定値を変更してもよく、燃料の硫黄
濃度が低いほど判定値D0を大きい数値に設定すること
ができる。ECU30による一連の信号処理のうちステ
ップ102を実行する部分は、NOx触媒(NOx吸収
剤)からSOxを放出すべき時期か否かを判定するSOx
放出時期判定手段ということができる。ステップ102
で肯定判定した場合にはステップ103に進み、否定判
定した場合にはステップ106に進む。
【0044】<ステップ103>ECU30は、ステッ
プ103において、NOx触媒17に対してSOx放出処
理を実行する。SOx放出処理は、燃焼室3に供給され
る混合気の空燃比をストイキに制御することにより排気
空燃比をストイキに制御し、且つ、NOx触媒17の温
度を硫酸塩の分解温度以上でNOx触媒17が高温劣化
しにくい所定温度(例えば600〜750゜C)に制御
することにより行う。尚、この実施の形態では、NOx
触媒17の温度制御は排気ガスの温度制御によって行っ
ている。以下、排気空燃比をストイキに制御するととも
に排気ガス温度を前記所定温度に制御することを、高温
ストイキ制御と称す。
【0045】ECU30による一連の信号処理のうちス
テップ103において空燃比をストイキに制御する部分
は、NOx触媒(NOx吸収剤)に吸収されたSOxをほ
ぼ完全に放出させるために空燃比を制御する第2の空燃
比制御手段ということができ、ステップ103において
排気ガス温度を所定温度に制御する部分は、NOx触媒
(NOx吸収剤)を所定温度以上の高温状態に保持する
温度制御手段ということができる。
【0046】排気ガス温度の制御については、ECU3
0は、温度センサ25からの入力信号からNOx触媒1
7の出ガス温度を検出し、この出ガス温度が前記所定温
度以下の場合には、機関負荷を一定に保持したまま、排
気ガス温度の上昇および炭化水素(HC)や一酸化炭素
(CO)などの還元剤の排出量の増量を行い、排気ガス
温度が前記所定温度に保持されるように制御する。例え
ば、通常のアイドル運転時の排気ガス温度は300〜4
00゜C程度であるが、この実施の形態においてSOx
放出処理実行中は、ステップ103の高温ストイキ制御
によりアイドル運転中も排気ガス温度が前記所定温度に
保持されることになる。
【0047】ここで、排気ガス温度を上昇させる手段と
しては、この実施の形態では例えば点火時期を遅らせる
ことが考えられる。また、この実施の形態のガソリンエ
ンジンには装備していないが、排気ガス再循環装置(い
わゆるEGR装置)を備えるエンジンであれば、排気ガ
ス再循環量(EGR量)を増大させることにより排気ガ
ス温度を上昇させることも考えられる。さらに、この実
施の形態における内燃機関はガソリンエンジンである
が、内燃機関がディーゼルエンジンの場合であれば、予
混合を増やしたり、あるいは、吸気行程または膨張行程
または排気行程で燃料を噴射する副噴射を実行すること
によって排気ガス温度を上昇させることも考えられる。
【0048】高温ストイキ制御の実行により、高温且つ
酸素濃度の低い排気ガスがNOx触媒17に連続して流
れ、これにより、NOx触媒17に吸収されていた硫酸
塩が分解してSO3となり、さらにこのSO3が排気ガス
中の未燃HC、COによって還元せしめられ、SO2
なって放出される。この高温ストイキ制御は、NOx触
媒17に吸収されているSOxがほぼ完全に放出される
まで連続して実行する。
【0049】<ステップ104>ECU30は、ステッ
プ103からステップ104に進んで、NOx触媒17
からのSOx放出が完了したか否かを判定する。SOx放
出が完了したか否かの判定は、高温ストイキ制御による
エンジン作動の履歴から判定し、さらに具体的には、高
温ストイキ制御によるエンジンの作動時間が所定の時間
だけ連続して行われたか否かで判定する。ここで、高温
ストイキ制御によるエンジンの作動時間は、途中でエン
ジンを停止させた場合には、エンジン停止時間を除いて
高温ストイキ制御を実行した時間を積算したものとす
る。
【0050】また、判定値である前記「所定の時間」
は、ステップ102におけるSOx放出時期の判定値D0
の大小によって、あるいは高温ストイキ制御の実行にお
ける目標温度の大小によって異なるので一概には言えな
いが、数分から数時間、あるいは数日のオーダーであ
り、少なくとも、後述するステップ106におけるリー
ン・リッチスパイク制御での1回のストイキまたはリッ
チ保持時間の100倍以上である。
【0051】そして、高温ストイキ制御によるエンジン
の作動時間が所定時間に達するまでは、ステップ104
で否定判定され、ステップ103の高温ストイキ制御の
実行を継続する。
【0052】高温ストイキ制御によるエンジンの作動時
間が所定時間を超えたときには、NOx触媒17に吸収
されていたSOxがほぼ完全に放出されたものとみなし
て、ECU30は、ステップ104で肯定判定(SOx
放出完了の判定)し、ステップ105に進む。
【0053】<ステップ105>ECU30は、ステッ
プ105において、次回のSOx放出時期を判定するた
めの判定値(走行距離)D0を変更する。判定値D0を変
更する理由は次による。
【0054】NOx触媒17はSOxに被毒されるとNO
x浄化率が低下することは前述した通りであるが、NOx
触媒17は熱などの影響を受けて経時的に劣化するもの
であり、この劣化の進行はNOx触媒17のSOx被毒に
よるNOx浄化率の低下を大きくすることが分かってい
る。そのため、NOx触媒17の劣化が進むにしたがっ
て徐々にSOx放出時期を早めるようにするのが、NOx
浄化率を高く維持する上で好ましい。
【0055】そこで、この実施の形態では、予め同一エ
ンジン搭載の同仕様の車両について実走行試験を行い、
その実験データから、SOx放出処理直前のNOx浄化率
を一定にするためにはSOx放出処理の実行回数の増加
に伴ってSOx放出時期判定値となる走行距離をどの程
度減少させていったらよいかを求め、これをECU30
のROM32に記憶させておき、SOx放出処理の実行
回数に応じてSOx放出時期の判定値D0を変更するよう
にした。図6はSOx放出処理実行回数と判定値D0との
二次元マップの一例を示したものである。
【0056】ECU30による一連の信号処理のうちス
テップ105を実行する部分は、NOx触媒(NOx吸収
剤)からSOxを放出すべき時期であると判定する判定
基準を徐々に早める方向に変更する判定基準変更手段と
いうことができる。
【0057】<ステップ106>ECU30は、ステッ
プ105でSOx放出時期の判定値D0を変更した後、ス
テップ106に進み、リーン・リッチスパイク制御を実
行する。リーン・リッチスパイク制御の実行中は、リー
ン時には排気ガス中のNOxがNOx触媒17に吸収さ
れ、ストイキまたはリッチ時にNOx触媒17に吸収さ
れたNOxが放出され、N2に還元浄化される。ECU3
0による一連の信号処理のうちステップ106を実行す
る部分は、NOx触媒(NOx吸収剤)にNOxの吸放出
を行わしめるために空燃比を制御する第1の空燃比制御
手段ということができる。
【0058】以上説明したように、この実施の形態によ
れば、NOx触媒17に対するSOx放出処理が最適なタ
イミングで実行され、しかも、NOx触媒17からSOx
をほぼ完全に放出させることができるので、NOx触媒
17のNOx浄化率を常に高い状態に維持することがで
きる。
【0059】尚、ステップ103における高温ストイキ
制御実行中、あるいは、ステップ106におけるリーン
・リッチスパイク制御実行中において、エンジンに高負
荷運転が要求された場合には混合気のストイキ制御が優
先して割り込まれ、全負荷運転が要求された場合には混
合気のリッチ制御が優先して割り込まれるようになって
いる。
【0060】図7は、この第1の実施の形態における空
燃比制御の一実施例を示したものである。この実施例で
は、リーン・リッチスパイク制御においては、例えば6
0km/hでの定速走行でリーン運転保持時間を40
秒、ストイキ運転保持時間を2秒程度としてこれを交互
に繰り返す。一方、高温ストイキ制御での連続運転時間
は約半日とした。
【0061】〔第2の実施の形態〕図8は、本発明に係
る内燃機関の排気浄化装置の第2の実施の形態における
SOx放出処理実行ルーチンを示す図である。
【0062】第2の実施の形態が第1の実施の形態と相
違する点は、フローチャートにおけるステップ103だ
けであり、その他の点については第1の実施の形態と全
く同じである。
【0063】第2の実施の形態では、ECU30は、ス
テップ103において、排気空燃比のストイキ制御を実
行するだけで、排気ガスの温度制御は実行しない。つま
り、排気ガスの温度は成り行きになる。排気ガス温度を
制御しないということは、換言すればNOx触媒17に
対する温度制御をしないということである。
【0064】NOx触媒17の温度が所定温度(例え
ば、600〜750゜C)よりも低温では、排気空燃比
をストイキに保持したとしてもNOx触媒17からSOx
は放出されにくい。しかしながら、ストイキの排気ガス
を長時間連続してNOx触媒17に流していると、SOx
被毒の進行を止めることができるだけでなく、堆積して
いるSOx被毒成分(即ち、硫酸塩)も徐々に分解され
易い形に変化すると考えられる。したがって、ステップ
103において排気空燃比のストイキ制御を実行してい
ると、次にNOx触媒17が所定温度以上に昇温した時
に、極めて効率よくSOxの放出・還元が行われること
になる。
【0065】ステップ103でのストイキ制御実行中
も、加速時等のようにエンジンに対して全負荷運転の要
求があった場合には混合気のリッチ制御が割り込まれる
ので、その時には排気ガス温度が上昇し、NOx触媒1
7の温度が硫酸塩の分解温度以上になる。このような時
が前述した「次にNOx触媒17が所定温度以上に昇温
した時」ということができる。
【0066】なお、前述した実施の形態では本発明をガ
ソリンエンジンに適用した例で説明したが、本発明をデ
ィーゼルエンジンに適用することができることは勿論で
ある。ディーゼルエンジンの場合は、燃焼室での燃焼が
ストイキよりもはるかにリーン域で行われるので、通常
の機関運転状態ではNOx触媒17に流入する排気ガス
の空燃比は非常にリーンであり、NOx及びSOxの吸収
は行われるものの、NOx及びSOxの放出が行われるこ
とは殆どない。
【0067】また、ガソリンエンジンの場合には、前述
したように燃焼室3に供給する混合気をストイキあるい
はリッチにすることにより排気空燃比をストイキあるい
はリッチにし、排気ガス中の酸素濃度を低下させて、N
Ox触媒17に吸収されているNOxやSOxを放出させ
ることができるが、ディーゼルエンジンの場合には、燃
焼室に供給する混合気をストイキあるいはリッチにする
と燃焼の際に煤が発生するなどの問題があり採用するこ
とはできない。
【0068】したがって、本発明をディーゼルエンジン
に適用する場合、排気空燃比をストイキあるいはリッチ
にするためには、機関出力を得るために燃料を燃焼する
のとは別に、還元剤(例えば燃料である軽油)を排気ガ
ス中に供給する必要がある。排気ガスへの還元剤の供給
は、吸気行程や膨張行程や排気行程において気筒内に燃
料を副噴射することによっても可能であるし、あるい
は、NOx触媒17の上流の排気通路内に還元剤を供給
することによっても可能である。また、燃焼を制御する
ことにより、多量の還元剤を含む排気ガスを供給するこ
とによっても可能である。
【0069】
【発明の効果】本発明に係る内燃機関の排気浄化装置に
よれば、希薄燃焼可能な内燃機関の排気通路に配置され
流入する排気ガスの空燃比がリーンのときにNOxを吸
収し流入する排気ガスの空燃比がストイキまたはリッチ
のときに吸収したNOxを放出するNOx吸収剤と、前記
NOx吸収剤にNOxの吸放出を行わしめるためにNOx
吸収剤に流入する排気ガスの空燃比がリーン空燃比とス
トイキまたはリッチ空燃比に交互に繰り返されるように
制御する第1の空燃比制御手段と、前記NOx吸収剤に
吸収されたSOxをほぼ完全に放出させるためにNOx吸
収剤に流入する排気ガスの空燃比を前記第1の空燃比制
御手段によるストイキまたはリッチ空燃比の保持時間よ
りも長い時間ストイキに保持する第2の空燃比制御手段
と、を備えることにより、NOx吸収剤に吸収されたS
Oxをほぼ完全に放出することができ、SOx被毒に起因
して低下したNOx浄化率を確実に回復することができ
るという優れた効果が奏される。
【0070】本発明に係る内燃機関の排気浄化装置にお
いて、前記第2の空燃比制御手段が排気ガスの空燃比の
ストイキ制御を実行している間、前記NOx吸収剤を所
定温度以上の高温状態に保持する温度制御手段を備えた
場合には、NOx吸収剤からのSOxの放出がより促進さ
れるので、SOx放出処理を短時間に完了させることが
できる。
【0071】本発明に係る内燃機関の排気浄化装置にお
いて、前記NOx吸収剤からSOxを放出すべき時期か否
かを判定するSOx放出時期判定手段と、前記SOx放出
時期判定手段がSOxを放出すべき時期であると判定す
る判定基準を、前記第2の空燃比制御手段による排気ガ
スの空燃比のストイキ制御の実行回数が増えるにしたが
って、ストイキ制御の実行を徐々に早める方向に変更す
る判定基準変更手段と、を備えた場合には、NOx吸収
剤の劣化に左右されることなくNOx浄化率を高く維持
することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の第1
の実施の形態の概略構成図である。
【図2】 基本燃料噴射時間のマップの一例を示す図で
ある。
【図3】 機関から排出される排気ガス中の未燃HC,
COおよび酸素の濃度を概略的に示す線図である。
【図4】 吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸放出作用を説
明するための図である。
【図5】 前記第1の実施の形態のSOx放出処理実行
ルーチンである。
【図6】 SOx放出処理実行回数とリーン・リッチス
パイク制御運転距離の二次元マップの一例である。
【図7】 前記第1の実施の形態における空燃比制御の
一例を示す図である。
【図8】 本発明に係る内燃機関の排気浄化装置におけ
る第2の実施の形態のSOx放出処理実行ルーチンであ
る。
【符号の説明】
1 エンジン本体(内燃機関) 3 燃焼室 4 点火栓 11 燃料噴射弁 16 排気管(排気通路) 17 吸蔵還元型NOx触媒(NOx吸収剤) 18 ケーシング 19 排気管(排気通路) 30 ECU
フロントページの続き Fターム(参考) 3G091 AA02 AA11 AA12 AA13 AA17 AA18 AA23 AB06 BA04 BA11 BA14 BA33 CA18 CB02 CB03 CB05 CB08 DB06 DB10 DB11 EA01 EA03 EA05 EA17 EA26 EA30 EA38 FA06 FA12 FA13 FA14 FA17 FB03 FB10 FB11 FB12 FC08 GB02W GB03W GB04W GB05W GB06W GB10X GB16X HA37 HB05 3G301 HA01 HA02 HA04 HA13 HA15 HA18 JA15 JA25 JB09 KA06 LB02 LB11 MA01 MA11 MA12 MA18 MA26 NB12 NE01 NE06 NE13 NE14 NE15 PA01A PA01Z PD11A PD11Z PE01A PE01Z PG00A PG00Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希薄燃焼可能な内燃機関の排気通路に配
    置され流入する排気ガスの空燃比がリーンのときにNO
    xを吸収し流入する排気ガスの空燃比がストイキまたは
    リッチのときに吸収したNOxを放出するNOx吸収剤
    と、 前記NOx吸収剤にNOxの吸放出を行わしめるためにN
    Ox吸収剤に流入する排気ガスの空燃比がリーン空燃比
    とストイキまたはリッチ空燃比に交互に繰り返されるよ
    うに制御する第1の空燃比制御手段と、 前記NOx吸収剤に吸収されたSOxをほぼ完全に放出さ
    せるためにNOx吸収剤に流入する排気ガスの空燃比を
    前記第1の空燃比制御手段によるストイキまたはリッチ
    空燃比の保持時間よりも長い時間ストイキに保持する第
    2の空燃比制御手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の空燃比制御手段が排気ガスの
    空燃比をストイキに保持する保持時間は、前記第1の空
    燃比制御手段が排気ガスの空燃比をストイキまたはリッ
    チ空燃比に保持する保持時間の100倍以上であること
    を特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第2の空燃比制御手段が排気ガスの
    空燃比のストイキ制御を実行している間、前記NOx吸
    収剤を所定温度以上の高温状態に保持する温度制御手段
    を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の内
    燃機関の排気浄化装置。
  4. 【請求項4】 前記NOx吸収剤からSOxを放出すべき
    時期か否かを判定するSOx放出時期判定手段と、 前記SOx放出時期判定手段がSOxを放出すべき時期で
    あると判定する判定基準を、前記第2の空燃比制御手段
    による排気ガスの空燃比のストイキ制御の実行回数が増
    えるにしたがって、ストイキ制御の実行を徐々に早める
    方向に変更する判定基準変更手段と、 を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに
    記載の内燃機関の排気浄化装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7191590B2 (en) 2003-12-19 2007-03-20 Isuzu Motors Limited Exhaust gas purifying method and exhaust gas purifying system
JP2013148023A (ja) * 2012-01-19 2013-08-01 Mitsubishi Motors Corp 内燃機関の制御装置
JP2017048727A (ja) * 2015-09-02 2017-03-09 マツダ株式会社 シリーズハイブリッド車両のエンジン制御装置

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