JP2000170528A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2000170528A
JP2000170528A JP10351812A JP35181298A JP2000170528A JP 2000170528 A JP2000170528 A JP 2000170528A JP 10351812 A JP10351812 A JP 10351812A JP 35181298 A JP35181298 A JP 35181298A JP 2000170528 A JP2000170528 A JP 2000170528A
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nox
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nox catalyst
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 NOx触媒21に吸収されたSOxを効率的に
SO2に還元・放出することができるようにする。 【解決手段】 第1触媒コンバータ20に収容されるN
Ox触媒21の容量を通常の20%程度とし、NOx触媒
21の触媒坦持率を通常の5倍程度とし、NOx触媒2
1のメタル担体を電気発熱体で構成する。第1触媒コン
バータ20の下流に三元触媒31を収容した第2触媒コ
ンバータ30を配置する。SOx放出処理時にはNOx触
媒21のメタル担体に電気を流して発熱させ、NOx触
媒21を直接的に加熱して、SOx放出可能な温度まで
昇温する。SOx放出処理時に排気ガス中のHC,CO
が吸蔵還元型NOx触媒を素通りしても、このHC,C
Oは三元触媒31によって浄化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の排気通
路に吸蔵還元型NOx触媒を備えた排気浄化装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】希薄燃焼可能な車両用の内燃機関より排
出される排気ガスからNOxを浄化する排気浄化装置と
して、吸蔵還元型NOx触媒がある。この吸蔵還元型N
Ox触媒は、流入排気ガスの空燃比がリーン(即ち、酸
素過剰雰囲気下)のときにNOxを吸収し、流入排気ガ
スの酸素濃度が低下したときに吸収したNOxを放出し
2に還元する触媒である。
【0003】この吸蔵還元型NOx触媒(以下、単に触
媒あるいはNOx触媒ということもある)を希薄燃焼可
能な内燃機関の排気通路に配置すると、リーン空燃比の
排気ガスが流れたときには排気ガス中のNOxが触媒に
吸収され、ストイキ(理論空燃比)あるいはリッチ空燃
比の排気ガスが流れたときに触媒に吸収されていたNO
xがNO2として放出され、さらに排気ガス中のHCやC
Oなどの還元成分によってN2に還元され、即ちNOxが
浄化される。
【0004】ところで、一般に、内燃機関の燃料には硫
黄分が含まれており、内燃機関で燃料を燃焼すると、燃
料中の硫黄分が燃焼してSO2やSO3などの硫黄酸化物
(SOx)が発生する。前記NOx触媒は、NOxの吸収
作用を行うのと同じメカニズムで排気ガス中のSOxの
吸収を行うので、内燃機関の排気通路にNOx触媒を配
置すると、この触媒にはNOxのみならずSOxも吸収さ
れる。
【0005】ところが、前記NOx触媒に吸収されたS
Oxは時間経過とともに安定な硫酸塩を形成するため、
NOx触媒からNOxの放出・還元を行うのと同じ条件下
では、分解、放出されにくくNOx触媒内に蓄積され易
い傾向がある。吸蔵還元型NOx触媒内のSOx蓄積量が
増大すると、触媒のNOx吸収容量が減少して排気ガス
中のNOxの除去を十分に行うことができなくなりNOx
浄化効率が低下する。これが所謂SOx被毒である。そ
こで、吸蔵還元型NOx触媒のNOx浄化能を長期に亘っ
て高く維持するためには、触媒に吸収されているSOx
を適宜のタイミングで放出させる必要がある。
【0006】吸蔵還元型NOx触媒からのSOx放出処理
技術に関しては、特許番号第2745985号の特許公
報等に開示されている。吸蔵還元型NOx触媒に吸収さ
れたSOxを放出させるには、流入排気ガスの空燃比を
ストイキまたはリッチにし、且つ、触媒温度をNOxの
放出・還元時よりも高い所定の高温にするのが効果的で
あると考えられている。
【0007】そこで、NOx触媒に所定量のSOxが吸収
された時をSOx放出時期と判断して、その時に、触媒
温度をSOx放出可能な温度に温度制御するとともに、
流入排気ガスの空燃比をストイキまたはリッチに保持さ
れるように流入排気ガスの空燃比制御を行って、SOx
の放出処理を実行している。このSOx放出処理によ
り、NOx触媒に吸収されていた硫酸塩は分解してSO3
になり、さらにこのSO3が排気ガス中の未燃HC,C
Oによって還元せしめられ、SO2となって放出され
る。
【0008】尚、前記特許公報に開示された技術では、
触媒を温度制御するために、触媒よりも上流の排気管の
周りに電気ヒータを設け、SOx放出処理時にこの電気
ヒータに通電して排気管を加熱し、これにより排気ガス
を加熱して触媒を加熱している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の排気浄化装
置では、流入排気ガスの空燃比をストイキまたはリッチ
にしてSOx放出処理を実行中に、排気ガス中のHCや
COが触媒を素通りした場合にはそのまま大気に放出さ
れる虞れがあり、フェールセーフという点で不十分であ
った。
【0010】このように、排気管→排気ガス→触媒とい
う熱伝達ルートで触媒を加熱したのでは、触媒を迅速に
昇温することが困難であり、SOx放出処理初期におけ
るSOx放出の効率が悪かった。
【0011】また、従来の排気浄化装置は触媒の容量が
大きく、そのため触媒の熱容量が大きくなって、短時間
で触媒全体を加熱するのが困難であり、これもSOx放
出処理初期のSOx放出効率を低くする一因になってい
た。
【0012】かといって、触媒の熱容量を小さくするた
めに触媒の容量を小さくすると、流入排気ガスの空燃比
をストイキまたはリッチにしてSOx放出処理を実行し
た際に、排気ガス中のHCやCOが触媒を素通りして大
気を汚染する虞れがあるので、ただ単に触媒の容量を少
量化することはできない。
【0013】本発明はこのような従来の技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする
課題は、吸蔵還元型NOx触媒からのSOx放出を効率的
に実施でき、また、フェールセーフにも優れた内燃機関
の排気浄化装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、以下の手段を採用した。本発明に係る内燃
機関の排気浄化装置は、(イ)希薄燃焼可能な内燃機関
の排気通路に配置され、流入する排気ガスの空燃比がリ
ーンのときにNOxを吸収し流入する排気ガスの酸素濃
度が低いときに吸収したNOxを放出・還元し、一体化
された加熱手段を有する吸蔵還元型NOx触媒と、
(ロ)前記吸蔵還元型NOx触媒よりも下流の前記排気
通路に配置された三元触媒と、を備えることを特徴とす
る。
【0015】吸蔵還元型NOx触媒は、流入する排気ガ
スの空燃比がリーンのときにNOxを吸収し、流入する
排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸収したNOxを放
出し、N2に還元する触媒であるが、この吸蔵還元型N
Ox触媒はNOxを吸放出するのと同じようにSOxの吸
放出作用がある。吸蔵還元型NOx触媒にSOxが吸収さ
れ蓄積されると、NOx吸収容量が減少し、NOx浄化効
率が低下するので、所定の時期にSOx放出処理を実行
する必要がある。本発明の排気浄化装置では、SOx放
出処理を実行する際に、吸蔵還元型NOx触媒に設けら
れた加熱手段を作動させることによって吸蔵還元型NO
x触媒をSOx放出に必要な温度まで加熱することができ
る。
【0016】加熱手段は吸蔵還元型NOx触媒に一体化
されているので、吸蔵還元型NOx触媒を直接的に加熱
することができる。したがって、吸蔵還元型NOx触媒
をSOx放出温度に迅速に昇温することができ、SOxの
放出が極めて効率的に行われる。
【0017】また、SOx放出処理は排気ガスの空燃比
をストイキまたは僅かにリッチ(スライトリッチ)にし
て実行するが、SOx放出処理実行中に排気ガス中のH
C,COが吸蔵還元型NOx触媒を素通りしてしまった
場合にも、このHC,COは吸蔵還元型NOx触媒の下
流に配置された三元触媒によって浄化される。
【0018】排気ガスの空燃比とは、機関吸気通路及び
吸蔵還元型NOx触媒よりも上流での排気通路内に供給
された空気及び燃料(炭化水素)の比をいう。本発明に
おける希薄燃焼可能な内燃機関としては、筒内直接噴射
式のリーンバーンガソリンエンジンやディーゼルエンジ
ンを例示することができる。
【0019】吸蔵還元型NOx触媒は、例えば、アルミ
ナ(Al23)がコーティングされたメタル担体を備
え、このメタル担体のアルミナに例えばカリウムK、ナ
トリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなア
ルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなア
ルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希
土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Ptのような
貴金属とが担持されてなる。
【0020】吸蔵還元型NOx触媒に一体化された加熱
手段とは、前記メタル担体の一部あるいは全体を、通電
すると発熱する電気発熱体で構成してもよいし、触媒の
坦持されていないメタル部に電気発熱体を埋め込んで一
体化した構成にしてもよい。
【0021】本発明に係る内燃機関の排気浄化装置で
は、前記吸蔵還元型NOx触媒は小容量で且つ触媒が高
坦持されているのが好ましい。吸蔵還元型NOx触媒を
小容量とすることにより熱容量を小さくすることがで
き、吸蔵還元型NOx触媒をより迅速に昇温することが
できるからである。また、触媒を高坦持にするのは、小
容量化してもNOx浄化効率を低下させないようにする
ためである。前記吸蔵還元型NOx触媒の容量は内燃機
関の排気量の20%以下とすることができ、排気量の5
%程度まで小容量化は実現可能と思われる。前記「高坦
持」とは、通常の触媒坦持率の2〜8倍程度をいう。
【0022】本発明に係る内燃機関の排気浄化装置で
は、(ハ)前記吸蔵還元型NOx触媒の上流の排気通路
と前記吸蔵還元型NOx触媒から三元触媒の間の排気通
路とを接続して排気ガスを吸蔵還元型NOx触媒を迂回
して流すバイパス通路と、(ニ)前記バイパス通路を流
れる排気ガスの流量を制御するバイパス流量制御手段
と、を備えることができる。
【0023】このように構成した場合には、SOx放出
処理を実行するときに、バイパス流量制御手段を作動さ
せることによりバイパス通路に所定流量の排気ガスが流
れるようにし、これにより吸蔵還元型NOx触媒に流れ
る排気ガス流量を減少させる。これによって、内燃機関
から排出される排気ガスの流量を減少させずに吸蔵還元
型NOx触媒に流れる排気ガス流量を減少させることが
でき、吸蔵還元型NOx触媒の昇温を促進することがで
きる。前記バイパス流量制御手段は流量制御弁で構成す
ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る内燃機関の排
気浄化装置の実施の形態を図1から図4の図面に基いて
説明する。
【0025】〔第1の実施の形態〕図1は、内燃機関と
しての車両駆動用の筒内直接噴射式ディーゼルエンジン
の排気浄化装置の概略構成を示す図である。この図にお
いて、エンジン1は直列4気筒であり、吸気管2及び吸
気マニホルド3を介して各気筒に吸気が供給される。
【0026】燃料タンク4の燃料(軽油)は吐出圧制御
可能な燃料供給ポンプ5によって吸い上げられてコモン
レール6に供給される。エンジンコントロール用電子制
御ユニット(ECU)50は、コモンレール6内の燃料
圧力がエンジン1の運転状態に応じて所定圧力値となる
ように、燃料供給ポンプ5の運転を制御する。
【0027】また、エンジン1には、コモンレール6か
ら供給される燃料を各気筒内に噴射する燃料噴射弁7が
設けられており、燃料噴射弁7の開弁時期及び開弁期間
は、エンジン1の運転状態に応じてECU50によって
制御される。
【0028】各気筒の燃焼室には、各気筒における圧縮
上死点近傍において対応する燃料噴射弁7から燃料が主
噴射され、この燃料の爆発によって生じた排気が排気マ
ニホールド8を介して排気管9に排出される。
【0029】また、このエンジン1においては、所定の
時期に、所定の気筒の膨張行程あるいは排気行程におい
て対応する気筒の燃料噴射弁7から気筒内に燃料が副噴
射されるようになっている。副噴射された燃料のHC成
分は、爆発行程の熱により軽質なHCに改質されて、排
気と共に排気マニホールド8を介して排気管9に排出さ
れ、後述する吸蔵還元型NOx触媒21に供給される。
【0030】排気管9の途中には、内部に吸蔵還元型N
Ox触媒(以下、NOx触媒と略す)21を収容した第1
触媒コンバータ20と、内部に三元触媒31を収容した
第2触媒コンバータ30が設置されている。
【0031】第1触媒コンバータ20のNOx触媒21
は、アルミナ(Al23)がコーティングされたメタル
担体を備え、このメタル担体のアルミナに例えばカリウ
ムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsの
ようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaの
ようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYの
ような希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Pt
のような貴金属とが担持されてなる。
【0032】この第1触媒コンバータ20は通常のもの
よりも小型で、通常よりも触媒が高坦持されている。こ
の小型、高坦持について数値を挙げて説明すると以下の
通りである。従来は、例えば総排気量2000ccのエ
ンジンの場合、NOx触媒(吸蔵還元型NOx触媒)の容
量はエンジンの総排気量とほぼ同じ約2000ccを必
要とし、触媒の坦持率は、例えばPt/Ba触媒の場合
であれば、Ptは1〜2g/l、Baは0.1〜0.2
モル/l程度である。これに対して、本実施の形態の第
1触媒コンバータ20では、NOx触媒21の容量は前
記通常容量の約20%、即ち400ccであり、触媒坦
持率は前記通常の坦持率の約5倍、即ちPtは5〜10
g/lであり、Baは0.5〜1.0モル/lである。
第1触媒コンバータ20はNOx触媒21の容量を小型
にしたことによって、その熱容量も小さくなる。
【0033】NOx触媒21のメタル担体はヒータ機能
を備えており、電流を流すと発熱し、NOx触媒21を
加熱する。つまり、このNOx触媒21は加熱手段が一
体化されている触媒である。NOx触媒21のメタル担
体はヒータ駆動回路10に電気的に接続されており、こ
のヒータ駆動回路10はECU50からの指令信号によ
ってON/OFF制御され、これによりメタル担体から
なるヒータがON/OFF制御されるようになってい
る。
【0034】また、第1触媒コンバータ20にはNOx
触媒21の温度に対応した出力信号をECU50に出力
する触媒温度センサ11が取り付けられている。尚、N
Ox触媒21の作用(NOxの吸放出作用およびSOxの
吸放出作用)については後で詳述する。
【0035】ECU50はデジタルコンピュータからな
り、双方向バスによって相互に接続されたROM(リー
ドオンメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、
CPU(セントラルプロセッサユニット)、入力ポー
ト、出力ポートを具備し、エンジン1の燃料噴射量制御
等の基本制御を行うほか、この実施の形態では、第1触
媒コンバータ20のSOx放出処理制御等を行ってい
る。
【0036】これら制御のために、ECU50の入力ポ
ートには、アクセル開度センサ14からの入力信号と、
クランク角センサ15からの入力信号が入力される。ア
クセル開度センサ14はアクセル開度に比例した出力電
圧をECU50に出力し、ECU50はアクセル開度セ
ンサ14の出力信号に基づいてエンジン負荷を演算す
る。クランク角センサ15はクランクシャフトが一定角
度回転する毎に出力パルスをECU50に出力し、EC
U50はこの出力パルスに基づいてエンジン回転速度を
演算する。これらエンジン負荷とエンジン回転速度によ
ってエンジン運転状態が判別される。
【0037】第1触媒コンバータ20に収容されている
NOx触媒21、即ち吸蔵還元型NOx触媒は、流入排気
の空燃比(以下、排気空燃比と称す)がリーンのときは
NOxを吸収し、流入排気の空燃比がストイキまたはリ
ッチで排気中の酸素濃度が低下すると吸収したNOxを
放出するNOxの吸放出作用を行う。尚、排気空燃比と
は、ここではNOx触媒21の上流側の排気通路やエン
ジン燃焼室、吸気通路等にそれぞれ供給された空気量の
合計と燃料(炭化水素)の合計の比を意味するものとす
る。したがって、NOx触媒21よりも上流の排気通路
内に燃料、還元剤あるいは空気が供給されない場合に
は、排気空燃比はエンジン燃焼室内に供給される混合気
の空燃比に一致する。
【0038】NOx触媒21の吸放出作用の詳細なメカ
ニズムについては明かでない部分もあるが、図2に示す
ようなメカニズムで行われているものと考えられてい
る。次に、このメカニズムについて担体上に白金Ptお
よびバリウムBaを担持させた場合を例にとって説明す
るが、他の貴金属,アルカリ金属,アルカリ土類,希土
類を用いても同様なメカニズムとなる。
【0039】即ち、流入排気ガスの空燃比がかなりリー
ンになると流入排気ガス中の酸素濃度が大巾に増大し、
図2(A)に示されるように酸素O2 がO2 -又はO2-
形で白金Ptの表面に付着する。一方、流入排気ガスに
含まれるNOは、白金Ptの表面上でO2 -又はO2-と反
応し、NO2 となる(2NO+O2 →2NO2 )。
【0040】次いで、生成されたNO2は、白金Pt上
で酸化されつつNOx触媒21内に吸収されて酸化バリ
ウムBaOと結合しながら、図2(A)に示されるよう
に硝酸イオンNO3 -の形でNOx触媒21内に拡散す
る。このようにしてNOxがNOx触媒21内に吸収され
る。
【0041】流入排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金
Ptの表面でNO2が生成され、NOx触媒21のNOx
吸収能力が飽和しない限り、NO2がNOx触媒21内に
吸収されて硝酸イオンNO3 -が生成される。
【0042】これに対して、排気空燃比がリッチまたは
ストイキになると流入排気ガス中の酸素濃度が低下する
ため、NO2の生成量が低下し、反応が逆方向(NO3 -
→NO2)に進み、NOx触媒21内の硝酸イオンNO3 -
がNO2またはNOの形でNOx触媒21から放出され
る。即ち、流入排気ガス中の酸素濃度が低下すると、N
Ox触媒21からNOxが放出されることになる。
【0043】一方、このとき、排気ガス中のHC,CO
は、白金Pt上の酸素O2 -又はO2-と反応して酸化せし
められる。また、流入排気ガス中の酸素濃度の低下によ
りNOx触媒21から放出されたNO2またはNOは、図
2(B)に示されるように未燃HC、COと反応して還
元せしめられてN2となる。
【0044】即ち、流入排気ガス中のHC,COは、ま
ず白金Pt上の酸素O2 -又はO2-とただちに反応して酸
化せしめられ、次いで白金Pt上の酸素O2 -又はO2-
消費されてもまだHC,COが残っていれば、このH
C,COによってNOx触媒から放出されたNOxおよび
エンジンから排出されたNOxがN2に還元される。
【0045】このようにして白金Ptの表面上にNO2
またはNOが存在しなくなると、NOx触媒21から次
から次へとNO2またはNOが放出され、さらにN2に還
元せしめられる。したがって、排気空燃比をストイキま
たはリッチにすると短時間のうちにNOx触媒21から
NOxが放出され、N2に還元される。
【0046】このように、排気空燃比がリーンになると
NOxがNOx触媒21に吸収され、排気空燃比をストイ
キあるいはリッチにするとNOxがNOx触媒21から短
時間のうちに放出され、N2に還元される。したがっ
て、大気中へのNOxの排出を阻止することができる。
【0047】ところで、ディーゼルエンジンの場合は、
ストイキ(理論空燃比、A/F=13〜14)よりもは
るかにリーン域で燃焼が行われるので、通常の機関運転
状態ではNOx触媒21に流入する排気の空燃比は非常
にリーンであり、排気中のNOxはNOx触媒21に吸収
され、NOx触媒21から放出されるNOx量は極めて少
ない。
【0048】また、ガソリンエンジンの場合には、燃焼
室に供給する混合気をストイキまたはリッチにすること
により排気ガスの空燃比をストイキまたはリッチにし、
排気ガス中の酸素濃度を低下させて、NOx触媒21に
吸収されているNOxを放出させることができるが、デ
ィーゼルエンジンの場合には、燃焼室に供給する混合気
をストイキまたはリッチにすると燃焼の際に煤が発生す
るなどの問題があり採用することはできない。
【0049】したがって、ディーゼルエンジンでは、N
Ox触媒21のNOx吸収能力が飽和する前に所定のタイ
ミングで、燃焼用の混合気とは別に還元剤としての燃料
を直接、NOx触媒21に供給してNOxの放出を行う必
要がある。そのため、この実施の形態では、NOx触媒
21からNOxの放出を行うときには、エンジン1の膨
張行程あるいは排気行程において気筒内に燃料を副噴射
することにより、NOx触媒21に流入する排気の空燃
比をストイキまたはリッチにする。
【0050】一方、燃料には硫黄(S)が含まれてお
り、燃料中の硫黄が燃焼するとSO2やSO3などの硫黄
酸化物(SOx)が発生し、NOx触媒21は排気ガス中
のこれらSOxも吸収する。NOx触媒21のSOx吸収
メカニズムはNOx吸収メカニズムと同じであると考え
られる。即ち、NOxの吸収メカニズムを説明したとき
と同様に担体上に白金PtおよびバリウムBaを坦持さ
せた場合を例にとって説明すると、前述したように、排
気空燃比がリーンのときには、酸素O2がO2 -又はO2-
の形でNOx触媒21の白金Ptの表面に付着してお
り、流入排気ガス中のSOx(例えばSO2)は白金Pt
の表面上で酸化されてSO3となる。
【0051】その後、生成されたSO3は、白金Ptの
表面で更に酸化されながらNOx触媒21内に吸収され
て酸化バリウムBaOと結合し、硫酸イオンSO4 2-
形でNOx触媒21内に拡散し硫酸塩BaSO4を形成す
る。BaSO4は結晶が粗大化し易く、比較的安定し易
いため、一旦生成されると分解放出されにくい。このた
め、時間の経過とともにNOx触媒21中のBaSO4
生成量が増大するとNOxの吸収に関与できるBaOの
量が減少してNOx吸収能力が低下してしまう。これが
即ちSOx被毒である。したがって、NOx触媒21のN
Ox吸収能力を高く維持するためには、適宜のタイミン
グでNOx触媒21に吸収されたSOxを放出させる必要
がある。
【0052】このNOx触媒21からSOxを放出させる
には、NOxを放出させる場合と同様に排気ガスの酸素
濃度を低下させればよいことが分かっており、また、N
Ox触媒21の温度が高いほど放出し易いことが分かっ
ている。
【0053】そこで、この実施の形態では、NOx触媒
21に所定量のSOxが吸収された時にSOx放出処理を
実行することとし、そのSOx放出処理は、NOx放出処
理のときと同様に、エンジン1の膨張行程あるいは排気
行程において気筒内に燃料を副噴射することにより、N
Ox触媒21に流入する排気ガスの空燃比をストイキま
たはリッチに制御し、これと同時に、NOx触媒21の
メタル担体に電流を流して発熱させることによりNOx
触媒21をSOx放出可能な所定温度まで昇温すること
とした。
【0054】次に、本実施の形態における排気浄化装置
の作用について説明する。 <NOx吸放出処理>初めに、第1触媒コンバータ20
のNOx触媒21によるNOxの吸放出処理について説明
する。前述したように、エンジン1はディーゼルエンジ
ンのため通常の運転状態では排気ガスの空燃比はリーン
であり酸素濃度が非常に高い。したがって、この排気ガ
スを第1触媒コンバータ20のNOx触媒21に流す
と、排気ガス中のNOxはNOx触媒21に吸収される。
【0055】尚、排気ガスの空燃比がリーンのときには
第2触媒コンバータ30の三元触媒31は殆ど触媒とし
て機能せず、第1触媒コンバータ20でNOxを除去さ
れた排気ガスは第2触媒コンバータ30をほぼ素通りす
るだけである。
【0056】ここで、この実施の形態では、排気ガス中
のNOxをNOx触媒21で吸収するときには、ECU5
0は、燃料噴射弁7を、主噴射のみ実行し副噴射を実行
しないように制御する。
【0057】空燃比リーンの排気ガスを第1触媒コンバ
ータ20に流していると、NOx触媒21に吸収された
NOx量が増大し、そのまま続行しているとNOx吸収能
力が飽和してしまう。そこで、NOx触媒21のNOx吸
収能力が飽和する前の所定の時期に、第1触媒コンバー
タ20に対してNOxの放出処理を実行する。ここで、
NOx放出処理を実行する所定の時期としては、例え
ば、ECU50によりエンジン1の運転時間を積算し、
この積算時間が所定時間に達した時としてもよいし、E
CU50によりエンジン1の運転状態の履歴からNOx
吸収量を推定し、この推定吸収量が所定量に達した時と
してもよい。
【0058】NOx放出処理を実行するときには、EC
U50は、燃料噴射弁7を、主噴射と副噴射の両方を実
行するように制御し、副噴射における燃料噴射弁7の開
弁時期及び開弁期間、副噴射の回数等を制御する。膨張
行程あるいは排気行程で燃料を副噴射することによって
排気ガスの空燃比をストイキまたは僅かにリッチ(スラ
イトリッチ)に制御し、このストイキまたはスライトリ
ッチの空燃比の排気ガスを第1触媒コンバータ20に流
すことによって、NOx触媒21に吸収されていたNOx
を放出し、還元して、N2として大気に排出する。
【0059】第1触媒コンバータ20のNOx触媒21
の容量が小さいため、NOx放出処理の実行中、HCや
COなどの還元剤が第1触媒コンバータ20を通過した
排気ガス中に残存する虞れがあるが、この排気ガス中の
還元剤は第2触媒コンバータ30を通過する際に三元触
媒31に吸着されている酸素により酸化せしめられ、H
20やCO2に浄化される。
【0060】<SOx放出処理>次に、第1触媒コンバ
ータ20のNOx触媒21に対するSOx放出処理につい
て、図3に示すフローチャートを参照して説明する。こ
のフローチャートはECU50のROMに記憶してあ
り、フローチャートの各ステップにおける処理は総てE
CU50のCPUによって実行される。
【0061】<ステップ101>まず、ECU50は、
ステップ101において、前述したNOx吸放出処理の
実行中に、前回のSOx放出処理完了後から現時点まで
の当該車両の走行距離を積算する。
【0062】<ステップ102>次に、ECU50は、
ステップ102に進んで、ステップ101で求めた走行
距離積算値Dが判定値(判定基準)D0を越えたか否か
を判定する。機関本体1から排出される排気ガス中に含
まれるSOxは、燃料中の硫黄(S)分が燃焼して生じ
たものであり、また、NOx触媒21に吸収されている
SOx量は、機関本体1での燃焼で消費された燃料量と
相関がある。したがって、燃料消費量の積算値に基づい
てNOx触媒21に吸収されているSOx量を算出するこ
とができ、燃料消費量積算値が所定量のSOx吸収量に
相当する値に達したときをSOx放出時期であるとする
ことも可能であるが、燃料消費量と走行距離との間にも
相関があることから、この実施の形態では燃料消費量の
積算に代えて走行距離を積算することとし、その走行距
離の積算値が所定量のSOx吸収量に相当する値(判定
値D0)を越えたときにSOxを放出すべき時期であると
判定し、越えていないときにはSOxを放出すべき時期
ではないと判定することとした。
【0063】ECU50による一連の信号処理のうちス
テップ102を実行する部分は、NOx触媒(NOx吸収
剤)からSOxを放出すべき時期か否かを判定するSOx
放出時期判定手段ということができる。ステップ102
で肯定判定した場合にはステップ103に進み、否定判
定した場合にはステップ105に進む。
【0064】<ステップ103>ECU50は、ステッ
プ103において、NOx触媒21に対してSOx放出処
理を実行する。SOx放出処理は、燃料の副噴射による
排気ガスの空燃比制御と、NOx触媒21の温度制御に
より実行する。尚、SOx放出処理の実行中は、ECU
50は、主噴射と副噴射の両方を実行するように燃料噴
射弁7を作動制御する。
【0065】副噴射制御については、第1触媒コンバー
タ20に流入する排気ガスの空燃比がストイキまたはス
ライトリッチになるように、ECU50は、燃料噴射弁
7の開弁時期及び開弁期間、副噴射の回数等を制御す
る。
【0066】また、NOx触媒21の温度制御について
は、ECU50は、触媒温度センサ11によりNOx触
媒21の温度を検出し、NOx触媒21の温度が設定温
度以上か否かを判定し、設定温度未満と判定されたとき
にはヒータ駆動回路10をONして、NOx触媒21の
メタル担体に通電してメタル担体を発熱させ、NOx触
媒21を昇温し、設定温度以上と判定されたときにはヒ
ータ駆動回路10をOFFにする。これによって、SO
x放出処理の間、NOx触媒21の温度が設定温度以上に
保持されるように制御する。尚、前記設定温度は、硫酸
塩の分解温度以上とし、好ましくはNOx触媒21が高
温劣化しにくい所定温度とする(例えば600〜750
゜C)。
【0067】第1触媒コンバータ20は小型で熱容量が
小さいので、NOx触媒21の昇温が迅速に行われ、S
Ox放出処理を開始すると直ぐにNOx触媒21の温度を
前記設定温度にすることができる。
【0068】また、ECU50は、NOx触媒21の昇
温を迅速に行わしめるために、吸入空気量の減少制御を
実行する。NOx触媒21を流れる排気ガス流量が多い
と、NOx触媒21を昇温させるのに長い時間がかかる
からである。
【0069】上述のように排気ガスの空燃比制御とNO
x触媒21の温度制御を実行することにより、酸素濃度
の低いストイキあるいはスライトリッチの排気ガスが、
設定温度以上に制御されたNOx触媒21に流れ、これ
により、NOx触媒21に吸収されていた硫酸塩が効率
的に分解してSO3となり、さらにこのSO3が排気ガス
中の未燃HC、COによって還元せしめられ、SO2
なって放出される。
【0070】第1触媒コンバータ20のNOx触媒21
の容量が小さいため、SOx放出処理の実行中、HCや
COなどの還元剤が第1触媒コンバータ20を通過した
排気ガス中に残存する虞れがあるが、この排気ガス中の
還元剤は第2触媒コンバータ30を通過する際に三元触
媒31に吸着されている酸素により酸化せしめられ、H
20やCO2に浄化される。
【0071】<ステップ104>ECU50は、ステッ
プ103からステップ104に進んで、NOx触媒21
からのSOx放出が完了したか否かを判定する。SOx放
出が完了したか否かの判定は、SOx放出処理の実行が
所定時間だけ行われたか否かで判定する。
【0072】判定値である前記「所定の時間」は、ステ
ップ102におけるSOx放出時期の判定値D0の大小に
よって、あるいはNOx触媒21の温度制御における設
定温度の大小によって異なり、予め実験によって最適時
間を求め、これをECU50のROMに記憶しておく。
【0073】そして、SOx放出処理の実行時間が所定
時間に達するまでは、ステップ104で否定判定され、
ステップ103のSOx放出処理の実行を継続する。S
Ox放出処理の実行時間が所定時間を超えたときには、
ECU50は、ステップ104で肯定判定(SOx放出
完了の判定)し、ステップ105に進む。
【0074】<ステップ105>ECU50は、ステッ
プ105において、SOx放出処理の実行を停止する。
即ち、燃料の副噴射を停止して排気ガスの空燃比制御を
停止し、ヒータ駆動回路10をOFF、吸入空気量の減
少制御を停止してNOx触媒21の温度制御を停止し、
NOx吸放出処理時における排気ガスの空燃比制御を実
行する。
【0075】以上説明したように、この実施の形態によ
れば、NOx触媒21に対するSOx放出処理が最適なタ
イミングで実行され、しかも、第1触媒コンバータ20
を小型にし熱容量を小さくしたことにより、SOx放出
処理開始して直ぐにNOx触媒21をSOx放出に必要な
温度まで昇温することができ、極めて効率的にSOxを
放出することができるので、NOx触媒21のNOx浄化
率を常に高い状態に維持することができる。
【0076】また、第1触媒コンバータ20を小型にし
たため、NOx放出処理時やSOx放出処理時に排気ガス
中のHCやCOがNOx触媒21で消費されずに第1触
媒コンバータ20を通過する虞れがあるが、第1触媒コ
ンバータ20の下流に三元触媒31を収容した第2触媒
コンバータ30が配置されているので、第1触媒コンバ
ータ20を通過したHCやCOも第2触媒コンバータ3
0の三元触媒31に吸着されている酸素により酸化し浄
化することができ、HC,COによる大気汚染を防止す
ることができる。
【0077】〔第2の実施の形態〕図4は本発明に係る
内燃機関の排気浄化装置の第2の実施の形態における構
成図である。この第2の実施の形態は、以下の点で第1
の実施の形態と相違する。排気管9には、第1触媒コン
バータ20の上流と、第1触媒コンバータ20の下流か
ら第2触媒コンバータ30の上流の間とを接続して第1
触媒コンバータ20を迂回するバイパス管(バイパス通
路)12が連結されており、バイパス管12の途中にバ
イパス流量制御弁(バイパス流量制御手段)13が設け
られている。このバイパス流量制御弁13はその駆動部
16により弁体(図示せず)を駆動して弁開度を調節す
ることができ、バイパス管12を流れる排気ガスの流量
を制御する。バイパス流量制御弁13の駆動部16はE
CU50によって作動を制御される。その他の構成につ
いては第1の実施の形態と同じであるので、図中、同一
態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0078】次に、第2の実施の形態の作用を説明す
る。第1の実施の形態では、SOx放出処理の実行にあ
たりNOx触媒21の温度制御において温度上昇を迅速
にするために吸入空気量の減少制御を実行しているが、
この第2の実施の形態では、吸入空気量の減少制御を行
う代わりに、排気ガスの一部をバイパス管12に流すこ
とにより第1触媒コンバータ20に流れる排気ガスの流
量を減少させ、NOx触媒21の昇温を促進するように
している。
【0079】図3におけるフローチャートのステップ1
03において、ECU50は、燃料の副噴射による排気
ガスの空燃比制御とNOx触媒21の温度制御によりS
Ox放出処理を実行するが、NOx触媒21の温度制御
は、NOx触媒21のメタル担体に通電してメタル担体
を発熱させるとともに、バイパス流量制御弁13の駆動
部16を駆動して弁体を所定の開度で開弁し、バイパス
管12に所定流量の排気ガスを流すことで第1触媒コン
バータ20に流れる排気ガスの流量を減少させることに
より実行する。バイパス流量制御弁13の開度をどの程
度にするかは、第1触媒コンバータ20に流す排気ガス
流量に応じて予め設定される。尚、バイパス管12を流
れる排気ガス中に含まれるHCやCOは第2触媒コンバ
ータ30の三元触媒31に吸着されている酸素により酸
化せしめられ、H20やCO2に浄化される。
【0080】そして、ECU50は、ステップ104で
SOx放出が完了したと判定し、ステップ105におい
てSOx放出処理の実行を停止する場合には、燃料の副
噴射を停止して排気ガスの空燃比制御を停止し、ヒータ
駆動回路10をOFF、バイパス流量制御弁13を全閉
にしてNOx触媒21の温度制御を停止し、NOx吸放出
処理時における排気ガスの空燃比制御を実行する。した
がって、NOx吸放出処理時にはバイパス管12に排気
ガスは流れない。
【0081】尚、上述の第2の実施の形態では、吸入空
気量の減少制御を行う代わりに、バイパス流量制御弁1
3によるバイパス流量制御を行うことによって第1触媒
コンバータ20に流れる排気ガスの流量を減少させるよ
うにしているが、吸入空気量の減少制御とバイパス流量
制御弁13によるバイパス流量制御を併用して第1触媒
コンバータ20に流れる排気ガスの流量を減少させNO
x触媒21の昇温を促進することも可能である。
【0082】なお、前述した実施の形態では本発明をデ
ィーゼルエンジンに適用した例で説明したが、本発明を
希薄燃焼可能なガソリンエンジンに適用することもでき
る。ガソリンエンジンの場合には、燃焼室に供給する混
合気をストイキあるいはリッチにすることにより排気空
燃比をストイキあるいはリッチにし、排気ガス中の酸素
濃度を低下させて、NOx触媒21に吸収されているN
OxやSOxを放出させることができる。
【0083】また、本発明をガソリンエンジンに適用し
た場合には、NOx触媒21の温度上昇を促進するため
に、膨張行程において燃料を副噴射したり、あるいは多
気筒エンジンであれば一部の気筒に対して混合気をリッ
チ空燃比にするいわゆるバンク制御を行うなどして、排
気ガス中の還元剤量を増量し、この還元剤をNOx触媒
21において酸化せしめ、その反応熱によってNOx触
媒21の昇温を促進することもできる。
【0084】
【発明の効果】本発明に係る内燃機関の排気浄化装置に
よれば、(イ)希薄燃焼可能な内燃機関の排気通路に配
置され、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときにN
Oxを吸収し流入する排気ガスの酸素濃度が低いときに
吸収したNOxを放出・還元し、一体化された加熱手段
を有する吸蔵還元型NOx触媒と、(ロ)前記吸蔵還元
型NOx触媒よりも下流の前記排気通路に配置された三
元触媒と、を備えることにより、SOx放出処理を開始
して直ぐに吸蔵還元型NOx触媒に吸収されたSOxを効
率よく放出させることができ、SOx放出効率が向上す
るという優れた効果が奏される。また、排気ガス中のH
C,COが吸蔵還元型NOx触媒をそのまま通過した場
合であっても、そのHC,COは下流の三元触媒で浄化
されるので、大気への放出を阻止することができるとい
う優れた効果が奏される。
【0085】前記吸蔵還元型NOx触媒を小容量で且つ
高坦持とした場合には、吸蔵還元型NOx触媒をより迅
速に昇温することができて、さらにSOx放出効率が向
上する。また、(ハ)前記吸蔵還元型NOx触媒の上流
の排気通路と前記吸蔵還元型NOx触媒から三元触媒の
間の排気通路とを接続して排気ガスを吸蔵還元型NOx
触媒を迂回して流すバイパス通路と、(ニ)前記バイパ
ス通路を流れる排気ガスの流量を制御するバイパス流量
制御手段と、を備えた場合には、SOx放出処理実行中
に、内燃機関から排出される排気ガスの流量を減少させ
ることなく吸蔵還元型NOx触媒に流れる排気ガス流量
を低減することができ、これによって吸蔵還元型NOx
触媒をより迅速に昇温することができ、さらにSOx放
出効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の第1
の実施の形態の概略構成図である。
【図2】 吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸放出作用を説
明するための図である。
【図3】 前記第1の実施の形態のSOx放出処理実行
ルーチンである。
【図4】 本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の第2
の実施の形態の概略構成図である。
【符号の説明】 1 ディーゼルエンジン(内燃機関) 7 燃料噴射弁 9 排気管(排気通路) 12 バイパス通路(バイパス管) 13 バイパス流量制御弁(バイパス流量制御手段) 21 吸蔵還元型NOx触媒 31 三元触媒 50 ECU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G091 AA17 AA18 AA28 AB03 AB06 BA13 BA14 BA15 CA04 CA12 CA13 CA18 CB02 EA01 EA07 FB10 FB12 GA06 GA10 GB02W GB03W GB04W GB06W HA08 HA39 3G301 HA01 HA02 HA04 HA06 HA15 JA25 JA26 LB04 MA19 MA23 NE01 NE13 PA11A PE01A PE03A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)希薄燃焼可能な内燃機関の排気通
    路に配置され、流入する排気ガスの空燃比がリーンのと
    きにNOxを吸収し流入する排気ガスの酸素濃度が低い
    ときに吸収したNOxを放出・還元し、一体化された加
    熱手段を有する吸蔵還元型NOx触媒と、(ロ)前記吸
    蔵還元型NOx触媒よりも下流の前記排気通路に配置さ
    れた三元触媒と、 を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 前記吸蔵還元型NOx触媒は、小容量で
    且つ触媒が高坦持されていることを特徴とする請求項1
    に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 前記吸蔵還元型NOx触媒の容量が内燃
    機関の排気量の20%以下であることを特徴とする請求
    項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 【請求項4】 (ハ)前記吸蔵還元型NOx触媒の上流
    の排気通路と前記吸蔵還元型NOx触媒から三元触媒の
    間の排気通路とを接続して排気ガスを吸蔵還元型NOx
    触媒を迂回して流すバイパス通路と、(ニ)前記バイパ
    ス通路を流れる排気ガスの流量を制御するバイパス流量
    制御手段と、 を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の
    排気浄化装置。
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