JP3591320B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、燃料消費率を低減するために、リーン混合気を燃焼させる希薄燃焼内燃機関が実用化されている。希薄燃焼においては、有害なNOが比較的多量に生成され、大気中へのNO放出量を低減しなければならない。
【0003】
このために、機関排気系にNO吸蔵還元触媒を配置することが提案されている。NO吸蔵還元触媒は、排気ガス中の酸素濃度が高い時にNOを硝酸塩の形で吸収し、排気ガス中の酸素濃度が低くなると吸収したNOを放出すると共に、排気ガス中の還元成分によって放出したNOを還元浄化させるものである。このように、NO吸蔵還元触媒は、酸素濃度の高い希薄燃焼の排気ガス中からNOを良好に吸収し、定期的なリッチ混合気燃焼運転によって、排気ガス中の酸素濃度を低下させると共に排気ガス中にHC及びCO等の還元成分を存在させ、吸収したNOを大気中に放出させることなく良好に浄化することができる。
【0004】
ところで、内燃機関の燃料には硫黄が含まれており、燃焼に際してSOが生成される。SOは、NO吸蔵還元触媒へNOと同様なメカニズムにより硫酸塩の形で吸収される。硫酸塩は、安定な物質であるために、通常のリッチ混合気燃焼運転を実施してもNO吸蔵還元触媒から放出され難く、吸蔵量が徐々に増加する。NO吸蔵還元触媒への硝酸塩又は硫酸塩の吸蔵可能量は有限であり、NO吸蔵還元触媒における硫酸塩の吸蔵量が増加すれば(以下、SO被毒と称する)、その分、硝酸塩の吸蔵可能量が減少し、遂には、全くNOを吸収することができなくなる。
【0005】
このようにSO被毒されたNO吸蔵還元触媒を回復するために、特開平7−217474号公報には、NO吸蔵還元触媒に吸蔵されているSO量を推定するSO量推定手段を有し、推定SO量が許容量を越えかつNO吸蔵還元触媒が高温度である時に、排気ガスの空燃比状態を一時的にリッチにすることが提案されている。
【0006】
硫酸塩は安定な物質であるが、NO吸蔵還元触媒が高温度であり、排気ガスの空燃比状態がリッチとされて排気ガス中の酸素濃度が低下すれば、NO吸蔵還元触媒からSOとして放出させることができる。こうして、前述の従来技術では、NO吸蔵還元触媒が高温度で排気ガスの空燃比状態がリッチとされた時からSOが放出されるとして、SO量推定手段による推定SO量は徐々に減少され、推定SO量が所定値以下となった時に排気ガスの空燃比状態は再びリーンとされ、この時からSOが吸収されるとして、SO量推定手段による推定SO量は徐々に増加されるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述の従来技術において、SO量推定手段による推定SO量が実際より少なくなる傾向があり、NO吸蔵還元触媒における良好なSO被毒の回復処理が実現できない。
【0008】
従って、本発明の第一の目的は、NO吸蔵還元触媒に吸蔵された被毒物質量を正確に推定可能とする内燃機関の排気浄化装置を提供することである。
【0009】
また、本発明の第二の目的は、NO吸蔵還元触媒における良好な被毒回復を実現可能とする内燃機関の排気浄化装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述の第一の目的を達成するために、本発明による請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置は、排気ガスがリーン状態の時にNO及び被毒物質を吸蔵するNO吸蔵還元触媒と、少なくとも排気ガスの状態に基づき、前記NO吸蔵還元触媒への単位時間当たりの前記被毒物質の吸収量及び前記NO吸蔵還元触媒からの単位時間当たりの前記被毒物質の放出量を算出して前記NO吸蔵還元触媒における前記被毒物質の吸蔵量を推定する吸蔵量推定手段と、前記吸蔵量推定手段により推定された前記被毒物質の吸蔵量が所定吸蔵量となった時に前記NO吸蔵還元触媒から前記被毒物質を放出させるための回復処理を実施する回復手段、とを具備し、前記回復手段による前記回復処理の実行開始から所定時間が経過するまでは、算出された単位時間当たりの前記被毒物質の放出量を大幅に減少させることを特徴とする。
【0011】
また、前述の第二の目的を達成するために、本発明による請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置は、排気ガスがリーン状態の時にNO及び被毒物質を吸蔵するNO吸蔵還元触媒と、前記NO吸蔵還元触媒における前記被毒物質の吸蔵量が所定吸蔵量となった時に前記NO吸蔵還元触媒から前記被毒物質を放出させるための回復処理を実施する回復手段と、前記回復手段によって前記回復処理が実行開始から所定時間を越えて継続的に実施される時に、前記所定時間を越える分の前記回復処理の実施時間を積算する積算手段と、前記積算手段により積算された時間が、前記所定吸蔵量に基づき設定された必要回復処理実施時間となった時に前記回復手段による前記回復処理を停止する停止手段、とを具備することを特徴とする。
【0012】
また、本発明による請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、燃料中における前記被毒物質の前駆物質濃度に応じて前記所定時間を変更することを特徴とする。
【0013】
また、本発明による請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置におうて、前記所定吸蔵量に基づき前記所定時間を変更することを特徴とする。
【0014】
また、前述の第二の目的を達成するために、本発明による請求項5に記載の内燃機関の排気浄化装置は、排気ガスがリーン状態の時にNO及び被毒物質を吸蔵するNO吸蔵還元触媒と、前記NO吸蔵還元触媒における前記被毒物質の吸蔵量が所定吸蔵量となった時に前記NO吸蔵還元触媒から前記被毒物質を放出させるための回復処理を実施する回復手段と、前記回復処理の実際の実施時間を積算する積算手段と、前記積算手段により積算された実施時間が、前記所定吸蔵量に基づき設定された必要回復処理実施時間となった時に前記回復手段による前記回復処理を停止する停止手段と、前記積算手段による前記実施時間の積算毎に前記必要回復処理実施時間を延長する延長手段、とを具備することを特徴とする。
【0015】
また、前述の第二の目的を達成するために、本発明による請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置は、排気ガスがリーン状態の時にNO及び被毒物質を吸蔵するNO吸蔵還元触媒と、前記NO吸蔵還元触媒における前記被毒物質の吸蔵量が所定吸蔵量となった時に前記NO吸蔵還元触媒から前記被毒物質を放出させるための回復処理を開始する回復手段と、前記回復手段による前記回復処理の開始からの経過時間を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された前記経過時間が、前記所定吸蔵量に基づき設定された必要回復処理実施時間となった時に前記回復手段による前記回復処理を停止する停止手段と、前記回復手段による前記回復処理が中断する毎に、前記回復処理の中断時間以上に前記必要回復処理実施時間を延長する延長手段、とを具備することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による内燃機関の排気浄化装置が取り付けられた機関排気系を示す概略図である。同図において、1は希薄燃焼を実施する内燃機関本体である。本実施形態において、内燃機関は#1〜#4の四つの気筒を有するものである。これら四つの気筒の点火順序は、#1−#3−#4−#2である。21〜24は各気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁である。
【0017】
機関排気系において、各気筒の排気管31〜34は、#1気筒の排気管31と#4気筒の排気管34とが第1合流部41において合流し、#2気筒の排気管32と#3気筒の排気管33とが第2合流部42において合流し、第1合流部41と第2合流部42との下流側が第3合流部43において合流するように構成されており、第3合流部43の下流側にはNO吸蔵還元触媒5が配置されている。
【0018】
6はNO吸蔵還元触媒5へ流入する排気ガスの空燃比状態を検出する第一空燃比センサであり、7はNO吸蔵還元触媒5から流出する排気ガスの空燃比状態を検出する第二空燃比センサである。第一及び第二空燃比センサ6,7として、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサが使用可能である。
【0019】
20は各燃料噴射弁21〜24を介しての燃料噴射制御及び点火時期制御等の運転状態を制御する制御装置であり、第一及び第二空燃比センサ6,7が接続されると共に、例えば、機関負荷としてのアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルストロークセンサ、機関回転数を検出するための回転センサ、及び、機関温度として冷却水温を検出する冷却水温センサ(いずれも図示せず)等の機関運転状態を把握するためのセンサが接続されている。
【0020】
内燃機関1における希薄燃焼において、排気ガス中には比較的多量のNOが含まれている。NO吸蔵還元触媒5は、この排気ガス中からNOを吸蔵して還元浄化するためのものであり、例えばアルミナを担体とし、この担体上に例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、セリウムCe、イットリウムYのような希土類から選択された少なくとも一つの成分と、白金Ptのような貴金属とを担持させたものである。
【0021】
このようなNO吸蔵還元触媒5として、白金Pt及びバリウムBaを使用した場合を例として、以下にNOを吸収するメカニズムを説明する。まず、排気ガス中の酸素濃度が高いリーン状態の排気ガスにおいて、酸素が、O の形で白金Ptの表面に付着し、次いで、排気ガス中のNOが白金Ptの表面上でO と反応してNOとなる。こうして生成されたNOの一部は、白金Pt上で酸化されつつNO吸蔵還元触媒内へ吸収され、酸化バリウムBaOと結合しながら硝酸塩BaSOとして硝酸イオンNO の形で吸蔵される。
【0022】
排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金Ptの表面でNOが生成され、NO吸蔵還元触媒のNO吸蔵能力が飽和しない限りNOが吸蔵される。しかしながら、排気ガスがリッチ状態となって酸素濃度が低下することによってNOの生成量が低下すると、逆に硝酸イオンNO がNOの形でNO吸蔵還元触媒から放出される。このNOは、リッチ状態の排気ガス中に含まれる未燃HC及びCOと反応して還元浄化される。
【0023】
この一方で、ガソリン等の内燃機関の燃料には硫黄Sが含まれており、内燃機関における燃焼によってSOが生成される。排気ガス中のSOは、NOと同様なメカニズムによって硫酸イオンSO 2−の形でNO吸蔵還元触媒に吸収され、硫酸塩BaSOが生成される。この硫酸塩BaSOは安定していて分解し難く、排気ガスがリッチ状態となっても分解されずにNO吸蔵還元触媒内に残留する。こうして、徐々に、NO吸蔵還元触媒内の硫酸塩BaSOが増大する。NO吸蔵還元触媒における硝酸塩BaNO又は硫酸塩BaSOの吸蔵可能量は有限であり、硫酸塩BaSOの吸蔵によるSO被毒によって、その分、硝酸塩BaNOの吸蔵可能量が減少し、遂には、全くNOを吸収することができなくなる。それにより、NO吸蔵還元触媒からSO被毒を良好に回復させなければならない。
【0024】
制御装置20による運転状態制御は、図2に示す第一フローチャートに従って実施される。本フローチャートは、所定実行間隔で繰り返されるものである。まず、ステップ101において、詳しくは後述されるフラグF1が1であるか否かが判断される。通常時は、この判断は否定されてステップ102に進み、詳しくは後述されるフラグF2が1であるか否かが判断される。通常時は、この判断は否定されてステップ103に進み、詳しくは後述されるフラグF3が1であるか否かが判断される。通常時は、この判断は否定されてステップ104に進み、リーン運転実行処理が行われる。
【0025】
このリーン運転実行処理は、圧縮行程での燃料噴射によって点火プラグ近傍だけに可燃混合気を形成して成層燃焼を実施し、全体としてリーン混合気を燃焼を可能とするものである。もちろん、前述のセンサにより把握される現在の機関運転状態に基づき、燃料噴射量及び点火時期等は最適値に制御される。
【0026】
こうして、通常時はリーン運転が実行され、排気ガス中にはNOが比較的多量に含まれる。しかしながら、排気ガスはリーン状態であり、酸素濃度が高いために、前述したように、NO吸蔵還元触媒5が排気ガス中のNOを良好に吸蔵し、大気中に放出されるNO量を十分に低減することができる。
【0027】
フラグF1は、現在の機関運転状態が加速時又は機関高負荷時等の高出力を必要としている場合に、セットされるものである。それにより、ステップ101における判断が肯定される時には、ステップ105に進み、ストイキ運転実行処理が行われる。このストイキ運転実行処理は、吸気行程での燃料噴射によって気筒内全体に均一混合気を形成して均一燃焼を実施し、ストイキ混合気を燃焼させるものである。もちろん、前述のセンサにより把握される現在の機関運転状態に基づき、燃料噴射量及び点火時期等は最適値に制御される。
【0028】
前述のリーン運転によってNO吸蔵還元触媒5に吸蔵されたNO量は徐々に増加する。前述したように、NO吸蔵還元触媒5におけるNO吸蔵可能量は有限であり、吸蔵されたNO量がNO吸蔵可能量を越える以前にNO吸蔵還元触媒5からNOを放出させて還元浄化する必要がある。この時にはフラグF2がセットされてステップ106に進み、リッチスパイク実行処理が行われる。
【0029】
図3は、フラグF2をセットするための第二フローチャートであり、これを以下に説明する。本フローチャートは所定実行間隔で繰り返されるものである。まず、ステップ201において、リーン運転毎にNO吸蔵還元触媒5に吸蔵されるNO量が積算され、NO吸蔵量NOSが算出される。この積算には、機関運転状態(例えば、吸入空気量、回転数、機関負荷、及び空燃比等)に基づき単位時間当たりに内燃機関で生成されるNO量が考慮される。
【0030】
次いで、ステップ202において、NO吸蔵量NOSが目標NO吸蔵量NOS’に達したか否かが判断される。この目標NO吸蔵量NOS’は、例えば、NO吸蔵還元触媒5のNO吸蔵可能量の70%の値である。ステップ202における判断が否定される時はステップ203に進み、フラグF2は0のまま終了する。一方、ステップ202における判断が肯定される時にはステップ204に進み、フラグF2は1にセットされ、ステップ205において、NO吸蔵量NOSは0とされ終了する。
【0031】
リッチスパイク実行処理は、図4に示す第三フローチャートに従って実行される。まず、ステップ301において、リッチスパイクを実行する。リッチスパイクは、運転空燃比を所定のリッチ空燃比にすることである。それにより、排気ガスがリッチ状態となって酸素濃度が低くなるために、前述したように、NO吸蔵還元触媒5からNOが徐々に放出され、このNOは、この時の排気ガス中に含まれるHC及びCO等によって還元浄化される。
【0032】
次いで、ステップ302において第一空燃比センサ6の出力A1と第二空燃比センサ7の出力A2とがほぼ一致しているか否かが判断される。この判断が否定される時には、ステップ301におけるリッチスパイクを継続する。リッチスパイクによるNOの還元が行われている間は、NO吸蔵還元触媒5から流出する排気ガスの空燃比状態はストイキとなるために、NO吸蔵還元触媒5へ流入する排気ガスのリッチ空燃比状態とは異なり、第一空燃比センサ6の出力A1と第二空燃比センサ7の出力A2とは異なっている。
【0033】
これに対して、NO吸蔵還元触媒5から全てのNOが放出されて還元が完了すると、NO吸蔵還元触媒5から流出する排気ガスの空燃比状態は、NO吸蔵還元触媒5へ流入する排気ガスの空燃比状態とほぼ等しくなるために、第一空燃比センサ6の出力A1と第二空燃比センサ7の出力A2とがほぼ一致すればリッチスパイクを終了する。本実施形態において、二つの空燃比センサを設けたが、NO吸蔵還元触媒の下流側だけに空燃比センサを設け、この空燃比センサの出力がリッチスパイクの空燃比と一致した時にNO吸蔵還元触媒から全てのNOが放出されて還元が完了したとしても良い。
【0034】
この一方で、前述したようにNO吸蔵還元触媒5には、SOが徐々に吸収されSO被毒が進行する。NO吸蔵還元触媒のSO吸蔵量が、ある程度に達すれば、図6に示す第五フローチャートにおいてフラグF3がセットされ、前述の第一フローチャートのステップ103における判断が肯定されてステップ107に進み、SO被毒の回復運転実行処理が行われる。
【0035】
第五フローチャートを説明する前に、SO被毒の回復運転実行処理を実施するための図5に示す第四フローチャートを説明する。まず、ステップ401において、NO吸蔵還元触媒の温度Tが600°C以上の所定温度T1以上であるか否かが判断される。NO吸蔵還元触媒の温度Tの把握には、機関運転状態を検出して排気ガス温度を推定しても良いし、排気ガス温度を測定しても良いし、NO吸蔵還元触媒に温度センサを設けて直接的に測定しても良い。
【0036】
また、NO吸蔵還元触媒5の温度が低い時には、例えば、#1気筒及び#4気筒をリッチ空燃比で運転し、#2気筒と#3気筒をリーン空燃比で運転することにより、各気筒からはリッチ状態の排気ガスとリーン状態の排気ガスとが交互に排出され、図1の排気管の構成においては、NO吸蔵還元触媒5へリッチ状態の排気ガスとリーン状態の排気ガスとが直前で混合されて到来するために、NO吸蔵還元触媒上でHC及びCOを燃焼させ、NO吸蔵還元触媒5の温度Tを所定温度T1以上とすることができる。もちろん、NO吸蔵還元触媒にヒータ等を配置して昇温することも可能である。
【0037】
ステップ401における判断が否定される時には、ステップ403に進み、フラグF3が0であるか否かが判断されるが、当初、この判断は否定されてステップ401へ戻される。ステップ401における判断が肯定される時には、ステップ402に進み、排気ガスの空燃比状態をストイキ又はリッチの目標空燃比AFtにする運転が実施される。この運転は第五フローチャートにおいてフラグF3が0とされるまで実施される。
【0038】
排気ガスの空燃比が目標空燃比AFtとなる運転は、各気筒における燃焼空燃比を目標空燃比AFtとして運転しても良いが、点火時期が連続する二つの気筒における燃焼空燃比を合わせて目標空燃比AFtとしても良く、また、機関排気系に直接的に燃料を供給して、又は排気行程での二次燃料噴射によって、排気ガスの空燃比を目標空燃比AFtとしても良い。
【0039】
次に、フラグF3をセット又はリセットするための図6に示す第五フローチャートを説明する。本フローチャートは、所定実行間隔で繰り返されるものである。まず、ステップ501において、NO吸蔵還元触媒5の温度T及び排気ガスの空燃比AFが把握される。温度Tの把握には前述同様な方法が使用可能であり、空燃比AFの把握には第一空燃比センサ6の出力を使用することができる。次いで、ステップ502において、機関運転状態が把握される。
【0040】
次に、ステップ503において、本フローチャートの実行間隔におけるNO吸蔵還元触媒へのSOの吸放出量dSOSが算出される。dSOSは、吸収の場合は正の値となり、放出の場合は負の値となる。NO吸蔵還元触媒の温度が低い時には、排気ガスの空燃比状態でリーンであろうとリッチであろうと、SOは吸収される。この時には、燃料噴射量が多いほど単位時間当たりに内燃機関から排出されるSO量が増大するために、本フローチャートの実行間隔におけるSO吸収量dSOSは増加する。また、機関回転数が高いほど単位時間当たりに内燃機関から排出されるSO量が増大するために、本フローチャートの実行間隔におけるSO吸収量dSOSは増加する。
【0041】
一方、NO吸蔵還元触媒の温度が高い時には、排気ガスの空燃比状態がストイキ又はリッチとなると、NO吸蔵還元触媒からSOが放出される。このSO放出量dSOSは、NO吸蔵還元触媒の温度が高いほど増加し、また、排気ガスの空燃比がリッチになるほど増加する。さらに、排気ガス量が増大するほど増加する。このように、ステップ501及び502において、NO吸蔵還元触媒の温度T及び排気ガスの空燃比AFと、機関運転状態(燃料噴射量、吸入空気量、機関回転数等)とを把握し、それぞれに実験等により求められた係数を乗算することにより、本フローチャートの今回の実行間隔におけるNO吸蔵還元触媒へのSOの吸放出量dSOSを正確に算出することができる。
【0042】
次いでステップ504に進み、回復運転の条件が成立しているか否かが判断される。この条件とは、具体的には、前述の第四フローチャートにおいて、ステップ401における判断が肯定されて排気ガスの空燃比状態を目標空燃比AFtとする運転が実施されていることである。この判断が否定されれば、ステップ505に進み、後述されるカウント値tをリセットしてステップ509に進み、NO吸蔵還元触媒のSO吸蔵量SOSはステップ503において算出されたSO吸放出量dSOSが積算される。ステップ504における判断が否定される時には、SO被毒の回復運転は実施されておらず、ステップ503で算出されたSO吸放出量dSOSは正の値の吸収量となる。こうして、ステップ509における積算によってSO吸蔵量SOSは徐々に増加していく。
【0043】
次に、ステップ510において、SO吸蔵量SOSが、回復運転を必要とする第一所定量SOS1、例えば、NO吸蔵還元触媒のNO吸蔵可能量の30%に達したか否かが判断される。この判断が否定される時には、ステップ511に進み、回復運転が不要な第二所定量SOS2以下となっているか否かが判断される。当初、この判断が肯定されてステップ513に進み、フラグF3は0とされる。また、当初は、SO吸蔵量SOSが増加して第二所定量SOS2を越えてもフラグF3は変更されることなく0のままとされる。
【0044】
一方、SO吸蔵量SOSが第一所定量SOS1に達すると、ステップ510における判断が肯定されてステップ512に進み、フラグF3は1にセットされ、前述の第四フローチャートによって回復運転が実施される。それにより、NO吸蔵還元触媒は600°C以上の高温とされ、排気ガス中の酸素濃度が低下されるために、SOが放出されるはずであり、ステップ503で算出されるSO吸放出量dSOSは、負の値の放出量となる。
【0045】
しかしながら、実験によって、このような回復運転の開始後の所定時間(例えば、約90秒程度)は、SOが放出されないことが判った。この理由は、硫酸塩が安定物質であるために、NO吸蔵還元触媒の温度条件(例えば、600°C以上)と排気ガスの空燃比状態の条件(ストイキ又はリッチ)が成立して硫酸塩の活性化が開始されるが、実際に分解されてSOとして放出されるまでに、ある程度の時間を必要とするためであると考えられる。
【0046】
また、本実施形態においてもそうであるように、一般的にSO被毒の回復処理は、SO吸蔵量がNO吸蔵可能量の100%に達してから開始するわけではなく、NO吸蔵可能量の30%に達した時のように、NO吸蔵還元触媒が依然として十分な吸蔵能力を有した状態で開始される。それにより、NO吸蔵還元触媒から放出されたSOは下流側で直ぐに吸収され、SOは、このような吸放出を繰り返しながら徐々にNO吸蔵還元触媒の下流側へ移動してNO吸蔵還元触媒の最下流部から排気通路へ放出されるために、このSOの吸放出を繰り返す時間が前述の所定時間であるとも考えられる。
【0047】
本実施形態では、回復運転が実施されてステップ504における判断が肯定されると、ステップ506においてカウント値tが1だけ増加され、ステップ507において、カウント値tが所定時間を示す値t’に達しているか否かが判断される。この判断が肯定される時には、SOの放出が行われており、ステップ503において算出されたSO吸放出量(負の値)dSOSを、ステップ509においてSO吸蔵量SOSに積算する。しかしながら、ステップ507における判断が否定される時、すなわち、カウント値tが所定時間を示す値t’に達する以前は、ステップ508において、算出されたSO吸放出量dSOSは0とされる。それにより、ステップ509において積算が実施されてもSO吸蔵量SOSは、実際と同様に減少することはない。
【0048】
こうして、ステップ509における積算によって非常に正確にSO吸蔵量を算出することができ、回復運転の実施によってSO吸蔵量SOSが第二所定値SOS2以下となれば、ステップ513においてフラグF3が0とされるために、第四フローチャートのステップ403における判断が肯定されて回復運転は停止される。本フローチャートにおいて、フラグF3が0にリセットされる以前、すなわち、依然として回復運転を必要としている時に、例えば、NO吸蔵還元触媒の温度低下等によって回復運転条件が不成立となれば、前述したようにステップ505においてカウント値tは0にリセットされる。それにより、再び回復運転が開始される時にも所定時間はSO吸放出量dSOSは0とされるようになっている。すなわち、回復運転を間欠的に実施する場合において、各回復運転の開始から所定時間はSO放出量を0としている。NO吸蔵還元触媒によっては、回復運転開始後の所定時間において、僅かにSOが放出される可能性もある。このような場合には、所定時間のSO放出量を0ではなく僅かな値にする必要がある。いずれにしても、この所定時間においては、ステップ503において推定されたSO放出量を大幅に減少させない限り正確なSO吸蔵量を算出することはできない。
【0049】
また、図7は、フラグF3をセットするための第五フローチャートとは異なる第六フローチャートである。これを以下に説明する。本フローチャートも所定実行間隔で繰り返されるものである。まず、ステップ601において、SO被毒の回復運転以外の運転においてNO吸蔵還元触媒に吸蔵されるSO量が積算され、SO吸蔵量SOSが算出される。この積算には、前述同様に機関運転状態に基づく単位時間当たりの排気ガス中のSO量が考慮される。
【0050】
次いで、ステップ602において、SO吸蔵量SOSが目標SO吸蔵量SOS’に達したか否かが判断される。この目標SO吸蔵量SOS’は、例えば、NO吸蔵還元触媒5のNO吸蔵可能量の30%の値である。ステップ602における判断が否定される時はステップ603に進み、フラグF3は0のまま終了する。一方、ステップ602における判断が肯定される時にはステップ604に進み、フラグF3は1にセットされ、ステップ605において、SO吸蔵量SOSは0とされ終了する。
【0051】
こうして、本フローチャートによってフラグF3が1にセットされると、図8に示す第七フローチャートに従ってSO被毒の回復運転実行処理が実行される。まず、ステップ701及び702において、第四フローチャートと同様に、NO吸蔵還元触媒の温度Tが600°C以上の所定温度T1以上であるか否かが判断された後に、排気ガスの空燃比状態をストイキ又はリッチの目標空燃比AFtにする運転が実施される。次いで、ステップ703において、カウント値tが1だけ増加され、ステップ704において、カウント値tと所定時間を示す値t’との差aが算出される。この所定時間は、第五フローチャートで説明した所定時間であり、すなわち、この差aが負の時にはSOの放出は実施されていないこととなる。次いで、ステップ709に進む。
【0052】
一方、ステップ701における判断が否定される時、すなわち、NO吸蔵還元触媒の温度が低下して回復運転が中断された時には、ステップ705に進み、前述の差aが正であるか否かが判断される。この判断が否定される時には、ステップ707において差aは0とされ、ステップ708においてカウント値tは0とされ、ステップ709に進む。また、差aが正の場合には、ステップ705における判断が肯定されてステップ706に進み、当初0にリセットされている差aの積算値bには差aが加算され、ステップ707及び708を経てステップ709に進む。ステップ709では、今回の差aと現在の積算値bとの和a+bが所定値Bに達したか否かが判断される。この判断が否定される時にはステップ701へ戻り、前述のステップ701〜708の処理が繰り返される。
【0053】
こうして、例えば、回復運転が連続的である場合には、積算値bが増加されることはないが、カウント値tと所定時間を示す値t’との差aが所定値Bに達した時に、ステップ709における判断が肯定されてステップ710に進み、積算値bがリセットされ、ステップ711においてフラグF3が0とされ、回復運転が停止される。すなわち、カウント値tに対応する回復運転の実施時間から所定時間を減算した回復運転の有効実施時間が、所定値Bに対応する設定時間、すなわち、必要回復処理実施時間に達した時に回復運転が停止されるようになっている。こうして、回復運転は、開始からSOが放出されない所定時間を除き、目標SO吸蔵量SOS’のSOを排気ガスの目標空燃比AFtで放出させることを可能とする必要回復処理実施時間だけ確実に実施されるために、NO吸蔵還元触媒におけるSO被毒を完全に回復させることができる。
【0054】
また、例えば、回復運転が間欠的である場合には、所定時間以上の回復運転が実施された時にだけ、実施時間から所定時間を減算した有効実施時間を示す値をステップ706において積算し、この積算値bに、最後の回復運転の有効実施時間を示す今回の差aを加えて所定値Bに達した時に回復運転が停止されるようになっている。こうして、回復運転は、各回復運転の開始からSOが放出されない所定時間を除き、目標SO吸蔵量SOS’のSOを排気ガスの目標空燃比AFtで放出させることを可能とする必要回復処理実施時間だけ間欠的ではあるが確実に実施されるために、NO吸蔵還元触媒におけるSO被毒を完全に回復させることができる。
【0055】
また、図9は、前述の第七フローチャートの代わりに実行可能なSO被毒の回復運転実行処理を示す第八フローチャートである。本フローチャートのステップ801〜803は、第七フローチャートのステップ701〜703と同じであるために説明を省略する。ステップ803においてカウント値tが1だけ増加された後にステップ804において、詳しくは後述されるもう一つのカウント値mが1だけ増加される。次いで、ステップ805において、カウント値tが設定時間に対応する所定値B’に達したか否かが判断される。この設定時間には、一回の回復運転においてSOが放出されない所定時間が加算されている。それにより、回復運転が連続的である場合には、ステップ801における判断が否定されることはなく、ステップ801〜805の処理が繰り返され、カウント値tが所定値B’に達した時にステップ806においてカウント値tはリセットされ、ステップ807においてフラグF3は0とされ、回復運転は停止される。こうして、連続的な回復運転は、回復運転の開始からSOが放出されない所定時間を含み目標SO吸蔵量SOS’のSOを排気ガスの目標空燃比AFtで放出させることを可能とする設定時間、すなわち、必要回復処理実施時間だけ確実に実施されるために、NO吸蔵還元触媒におけるSO被毒を完全に回復させることができる。
【0056】
一方、ステップ801における判断が否定される時、すなわち、NO吸蔵還元触媒の温度が低下して回復運転が中断された時には、ステップ808に進み、前述のカウント値mと所定時間を示す値t’との差が正であるか否かが判断される。この判断が否定される時には、カウント値mに対応する回復運転の実施時間の全てはSOの放出に有効ではなく、ステップ809において、前述の所定値B’をカウント値mだけ増加させる。また、ステップ808における判断が肯定される時には、カウント値mに対応する回復運転の実施時間のうち所定時間だけがSOの放出に有効でないために、ステップ810において、前述の所定値B’を所定時間を示す値t’だけ増加させる。次いで、ステップ811において、カウント値mを0としてステップ805に進む。
【0057】
このように、回復運転が間欠的である場合には、回復運転が実施される毎に、SOの放出に有効でない実施時間が設定時間に加算されるために、回復運転の積算実施時間が設定時間となれば、目標SO吸蔵量SOS’のSOを排気ガスの目標空燃比AFtで放出させることを可能とする有効時間だけ回復運転が確実に実施されるために、NO吸蔵還元触媒におけるSO被毒を完全に回復させることができる。また、本実施形態においては、回復運転の実施時間を積算し、この積算実施時間と、前述のように積算毎に延長される設定時間とを比較して回復運転の停止時期を判断しているが、最初の回復運転の開始からの経過時間を測定し、回復運転が中断される毎に、前述の延長処理に加えて中断時間を設定時間から延長するようにして、経過時間と設定時間とを比較するようにしても良い。第七及び第八フローチャートによれば、燃料消費率を悪化させる回復運転が必要以上に実施されることも防止することができる。
【0058】
前述した全ての実施形態において、回復運転中のようにNO吸蔵還元触媒が高温となっている時に、排気ガスの空燃比状態をリーンにするような運転が要求された場合には、この運転要求を無視して又は排気行程における二次燃料噴射等によって、排気ガスの空燃比状態はストイキ又はリッチとすることが好ましい。これは、白金Ptのような貴金属が高温時には酸素によってシンダリングを起こして劣化するためであり、白金Pt等を使用するNOx x 吸蔵還元触媒が高温の時には排気ガスの空燃比状態をリーンにして高酸素濃度とすることは防止しなければならない。
【0059】
また、SO被毒の回復運転において、開始からSOが放出されない所定時間は、回復運転における排気ガス中のSO濃度に依存して変化する。これは、排気ガス中のSO濃度が高ければ、NO吸蔵還元触媒からSOが放出され難くなると共に、新たなSOが吸収され易くなるために、NO吸蔵還元触媒からSO吸蔵量が減少する実質的なNOの放出が起こる前述の所定時間は長くなる。逆に、排気ガス中のSO濃度が低ければ、前述の所定時間は短くなる。排気ガス中のSO濃度は、SOの前駆物質である燃料中の硫黄濃度が高いほど高くなる。
【0060】
それにより、本実施形態では、図10に示す第九フローチャートにより、ステップ901において、硫黄濃度センサによって、燃料中の硫黄濃度を直接検出し、ステップ902において、図11に示すマップから硫黄濃度に基づき第五フローチャート、第七フローチャート、及び第八フローチャートにおいて使用した所定時間を示す値t’を設定するようになっており、さらに正確にNO吸蔵還元触媒におけるSO吸蔵量の推定が可能となり、また、NO吸蔵還元触媒においてさらに完全にSO被毒を回復させることができる。燃料中の硫黄濃度は、直接的に検出する以外に、燃料の銘柄により開示された値を使用しても良い。また、前述の所定時間は、回復運転を開始する際のNO吸蔵還元触媒におけるSO吸蔵量にも依存する。すなわち、このSO吸蔵量が少なければ、放出されたSOがNO吸蔵還元触媒に再び吸収され易く、所定時間は長くなり、このSO吸蔵量が多ければ、放出されたSOがNO吸蔵還元触媒に再び吸収され難く、所定時間は短くなる。それにより、このSO吸蔵量に基づき、第五フローチャート、第七フローチャート、及び第八フローチャートにおける所定時間を示す値t′を設定すれば、さらに正確なSO吸蔵量の推定及びさらに完全なSO被毒回復が実現することができる。
【0061】
【発明の効果】
このように、本発明による内燃機関の排気浄化装置によれば、排気ガスがリーン状態の時にNO及び被毒物質を吸蔵するNO吸蔵還元触媒と、少なくとも排気ガスの状態に基づき、NO吸蔵還元触媒への単位時間当たりの被毒物質の吸収量及びNO吸蔵還元触媒からの単位時間当たりの被毒物質の放出量を算出してNO吸蔵還元触媒における被毒物質の吸蔵量を推定する吸蔵量推定手段と、吸蔵量推定手段により推定された被毒物質の吸蔵量が所定吸蔵量となった時にNO吸蔵還元触媒から被毒物質を放出させるための回復処理を実施する回復手段、とを具備し、回復手段による回復処理の実行開始から所定時間が経過するまでは、算出された単位時間当たりの被毒物質の放出量を大幅に減少させるようになっているために、回復運転における実際の被毒物質の放出現象と同様な推定が実施され、NO吸蔵還元触媒に吸蔵された被毒物質量を正確に推定することが可能となる。
【0062】
また、本発明によるもう一つの内燃機関の排気浄化装置によれば、排気ガスがリーン状態の時にNO及び被毒物質を吸蔵するNO吸蔵還元触媒と、NO吸蔵還元触媒における被毒物質の吸蔵量が所定吸蔵量となった時にNO吸蔵還元触媒から被毒物質を放出させるための回復処理を実施する回復手段とを具備し、積算手段が、回復手段によって回復処理が実行開始から所定時間を越えて継続的に実施される時に、所定時間を越える分の回復処理の実施時間を積算するために、この積算時間は、回復処理における実際の被毒物質の放出に有効な実施時間の積算値となっている。こうして、この積算時間が、所定吸蔵量に基づき設定された必要回復処理実施時間となった時に停止手段が回復手段による回復処理を停止することにより、NO吸蔵還元触媒における良好な被毒回復を実現することができる。
【0063】
また、本発明によるもう一つの内燃機関の排気浄化装置によれば、排気ガスがリーン状態の時にNO及び被毒物質を吸蔵するNO吸蔵還元触媒と、NO吸蔵還元触媒における被毒物質の吸蔵量が所定吸蔵量となった時にNO吸蔵還元触媒から被毒物質を放出させるための回復処理を実施する回復手段と、回復処理の実際の実施時間を積算する積算手段と、積算手段により積算された実施時間が、所定吸蔵量に基づき設定された必要回復処理実施時間となった時に回復手段による回復処理を停止する停止手段とを具備し、延長手段が、積算手段による実施時間の積算毎に必要回復処理実施時間を延長するために、各回復処理における実際の被毒物質の放出に有効でない時間が、当初設定された必要回復処理実施時間から延長される。こうして、積算実施時間が、この必要回復処理実施時間となった時に停止手段が回復手段による回復処理を停止することにより、NO吸蔵還元触媒における良好な被毒回復を実現することができる。
【0064】
また、本発明によるもう一つの内燃機関の排気浄化装置によれば、排気ガスがリーン状態の時にNO及び被毒物質を吸蔵するNO吸蔵還元触媒と、NO吸蔵還元触媒における被毒物質の吸蔵量が所定吸蔵量となった時にNO吸蔵還元触媒から被毒物質を放出させるための回復処理を開始する回復手段と、回復手段による回復処理の開始からの経過時間を測定する測定手段と、測定手段により測定された経過時間が、所定吸蔵量に基づき設定された必要回復処理実施時間となった時に回復手段による回復処理を停止する停止手段とを具備し、延長手段が、回復手段による回復処理が中断する毎に、回復処理の中断時間以上に必要回復処理実施時間を延長するために、当初設定された必要回復処理実施時間から回復処理の中断時間が延長されると共に回復処理における実際の被毒物質の放出に有効でない時間が延長される。こうして、経過時間が、この必要回復処理実施時間となった時に停止手段が回復手段による回復処理を停止することにより、NO吸蔵還元触媒における良好な被毒回復を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による排気浄化装置が取り付けられた内燃機関の排気系を示す概略図である。
【図2】機関運転状態を制御するための第一フローチャートである。
【図3】リッチスパイク実行処理のためのフラグF2をセットするための第二フローチャートである。
【図4】リッチスパイク実行処理のための第三フローチャートである。
【図5】回復運転実行処理のための第四フローチャートである。
【図6】第四フローチャートに関連する回復運転実行処理のためのフラグF3をセットするための第五フローチャートである。
【図7】第七及び第八フローチャートに関連する回復運転実行処理のためのフラグF3をセットするための第六フローチャートである。
【図8】回復運転実行処理のためのもう一つの第七フローチャートである。
【図9】回復運転実行処理のためのさらにもう一つの第八フローチャートである。
【図10】第五、第七、及び第八フローチャートに使用される所定時間を示す値t’を設定するための第九フローチャートである。
【図11】第九フローチャートで使用される所定時間を示す値t’を設定するためのマップである。
【符号の説明】
1…内燃機関
5…NO吸蔵還元触媒
6…第一空燃比センサ
7…第二空燃比センサ
20…制御装置

Claims (6)

  1. 排気ガスがリーン状態の時にNO及び被毒物質を吸蔵するNO吸蔵還元触媒と、少なくとも排気ガスの状態に基づき、前記NO吸蔵還元触媒への単位時間当たりの前記被毒物質の吸収量及び前記NO吸蔵還元触媒からの単位時間当たりの前記被毒物質の放出量を算出して前記NO吸蔵還元触媒における前記被毒物質の吸蔵量を推定する吸蔵量推定手段と、前記吸蔵量推定手段により推定された前記被毒物質の吸蔵量が所定吸蔵量となった時に前記NO吸蔵還元触媒から前記被毒物質を放出させるための回復処理を実施する回復手段、とを具備し、前記回復手段による前記回復処理の実行開始から所定時間が経過するまでは、算出された単位時間当たりの前記被毒物質の放出量を大幅に減少させることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 排気ガスがリーン状態の時にNO及び被毒物質を吸蔵するNO吸蔵還元触媒と、前記NO吸蔵還元触媒における前記被毒物質の吸蔵量が所定吸蔵量となった時に前記NO吸蔵還元触媒から前記被毒物質を放出させるための回復処理を実施する回復手段と、前記回復手段によって前記回復処理が実行開始から所定時間を越えて継続的に実施される時に、前記所定時間を越える分の前記回復処理の実施時間を積算する積算手段と、前記積算手段により積算された時間が、前記所定吸蔵量に基づき設定された必要回復処理実施時間となった時に前記回復手段による前記回復処理を停止する停止手段、とを具備することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  3. 燃料中における前記被毒物質の前駆物質濃度に応じて前記所定時間を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記所定吸蔵量に基づき前記所定時間を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 排気ガスがリーン状態の時にNO及び被毒物質を吸蔵するNO吸蔵還元触媒と、前記NO吸蔵還元触媒における前記被毒物質の吸蔵量が所定吸蔵量となった時に前記NO吸蔵還元触媒から前記被毒物質を放出させるための回復処理を実施する回復手段と、前記回復処理の実際の実施時間を積算する積算手段と、前記積算手段により積算された実施時間が、前記所定吸蔵量に基づき設定された必要回復処理実施時間となった時に前記回復手段による前記回復処理を停止する停止手段と、前記積算手段による前記実施時間の積算毎に前記必要回復処理実施時間を延長する延長手段、とを具備することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  6. 排気ガスがリーン状態の時にNO及び被毒物質を吸蔵するNO吸蔵還元触媒と、前記NO吸蔵還元触媒における前記被毒物質の吸蔵量が所定吸蔵量となった時に前記NO吸蔵還元触媒から前記被毒物質を放出させるための回復処理を開始する回復手段と、前記回復手段による前記回復処理の開始からの経過時間を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された前記経過時間が、前記所定吸蔵量に基づき設定された必要回復処理実施時間となった時に前記回復手段による前記回復処理を停止する停止手段と、前記回復手段による前記回復処理が中断する毎に、前記回復処理の中断時間以上に前記必要回復処理実施時間を延長する延長手段、とを具備することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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