JP4232786B2 - 希薄燃焼内燃機関 - Google Patents
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このNOX触媒としては、NOXを触媒上に吸蔵させることにより排ガス中のNOXを浄化する吸蔵型NOX触媒(トラップ型NOX触媒)が開発されている。この吸蔵型NOX触媒は、酸化雰囲気、即ち、酸素濃度過剰雰囲気では、排ガス中のNOを酸化させて硝酸塩を生成し、これによりNOXを吸蔵する一方、還元雰囲気、即ち、酸素濃度が低下した雰囲気では、NOX触媒に吸蔵した硝酸塩と排ガス中のCOとを反応させて炭酸塩を生成し、これによりNOXを放出,分解する機能を有する。もちろん、吸蔵型NOX触媒のNOX吸蔵量には限度がある。そこで、例えば、適宜の時間間隔でNOX触媒の周囲雰囲気を還元雰囲気としてやることにより、触媒上に吸蔵したNOXを放出することができる。これにより、NOX触媒によるNOX吸蔵性能を確保して、希薄燃焼運転時において排ガス中のNOXを浄化することができるようになるのである。
このため、従来より、希薄燃焼内燃機関においてNOX触媒の劣化判定を可能にした技術が開発されており、例えば、特開平7−208151号公報には、NOX触媒の下流側にNOXセンサをそなえ、酸素濃度が低下した雰囲気(還元雰囲気)としてNOXを放出した後の希薄燃焼運転時のNOX濃度を検出し、検出したNOX濃度の時間的変化に基づいてNOX触媒の劣化(例えば、S被毒)を判定する技術が開示されている。
しかしながら、NOXセンサには、個体バラツキや経時変化があるので、検出したNOX濃度の値は、単にNOX触媒の劣化(S被毒)のみならず、これらの要因によっても変化する。このような種々の要因により変化するNOX濃度値を単純に評価するのでは、正確な劣化判定をすることはできない。
まず、図1〜図4を参照して本発明に関連する第1関連実施形態の希薄燃焼内燃機関について説明する。
本希薄燃焼内燃機関の構成の概要は、図2に示すように、4サイクルエンジンであって、火花点火式で、且つ、燃焼室内に燃料を直接噴射する筒内噴射型内燃機関(筒内噴射エンジン)として構成される。
また、吸気通路2には、図示しないエアクリーナ及びスロットル弁が設けられており、排気通路3には、排気浄化装置6および図示しないマフラ (消音器)が設けられている。
このインジェクタ(燃料噴射弁)8は、その開口を燃焼室1に臨ませるように配置されている。
このような構成により、図示しないスロットル弁の開度に応じ吸入された空気は、吸気弁4の開放により燃焼室1内に吸入され、電子制御ユニット(ECU)20からの信号に基づいてインジェクタ8から直接噴射された燃料と混合される。そして、点火プラグ7の適宜のタイミングでの点火により燃焼せしめられて、エンジントルクを発生させたのち、燃焼室1内から排出ガスとして排気通路3へ排出され、排気浄化装置6で排出ガス中のCO,HC,NOXの3つの有害成分を浄化されてから、マフラで消音されて大気側へ脱離されるようになっている。
本希薄燃焼内燃機関のような筒内噴射エンジンでは、燃料噴射の態様として、上述の層状超リーン燃焼によるリーン運転を実現し燃費を向上させるために圧縮行程中で燃料噴射を行なう後期噴射モードと、予混合燃焼によるリーン運転を実現し、緩加速による出力を得るために吸気行程中に燃料噴射を行なう前期噴射モードと、予混合燃焼によるストイキオ運転を実現し、前期噴射モードより出力を向上させるために吸気行程中に燃料噴射を行なうストイキオモードと、予混合燃焼によるリッチ運転を実現し、ストイキオモードより出力を向上させるエンリッチモードとが設けられており、エンジンの運転状態に応じて切り換えられるようになっている。
モード選択手段24では、エンジン回転数Ne及び平均有効圧力Peに応じて上述のような各モードの中から一つを選択するようになっている。
また、燃料噴射制御手段25には、エンジン出力を得るための通常の燃焼を行なうべく燃料を噴射する通常燃料噴射制御手段26と、還元雰囲気をつくるための追加燃料噴射制御手段27とが備えられている。
なお、エンジン回転数Neにはエンジン回転数センサ13の検出情報(又は、演算情報)が用いられ、平均有効圧力Peは、有効圧力演算手段28の演算情報が用いられる。この有効圧力演算手段28では、エンジン回転数Ne及びアクセルポジションセンサ(APS)14で検出されたアクセル開度θの各情報から平均有効圧力Peを算出する。
NOx触媒6Aの復活とは、NOX触媒6AのNOX吸蔵性能を確保するための処理であり(この処理を復活制御という)、また、NOX触媒6Aの再生とは、NOX触媒6Aに吸蔵されたSOXを放出させることで、NOX触媒6AがSOXを吸蔵したことにより低下(劣化)したNOX吸蔵性能を再び向上させるための処理である(この処理を再生制御という)。
また、NOX触媒6Aの再生のために触媒周囲雰囲気を所定温度以上の高温とする方法としては、通常燃料噴射において点火時期を遅角する方法でもよい。
ところで、復活用追加燃料噴射は復活制御用判定手段21の判定に基づいて行なわれ、再生用追加燃料噴射は劣化判定手段としての再生制御用判定手段22の判定に基づいて行なわれるようになっている。
そして、この復活制御用判定手段21によって、リーンモードでの運転が所定時間(例えば、約60秒)行なわれたと判定された場合は、復活制御を行なう必要があると判定し、復活用追加燃料噴射に関する制御信号を追加燃料噴射制御手段27に出力するようになっている。
ところで、劣化判定手段22では、NOXセンサ10,NOX触媒温度センサ(高温センサ:NOX触媒の上流もしくは下流に取り付けて排気温を測定しこれをNOX触媒温度の代表とする)11,エンジン回転数センサ13,有効圧力演算手段28,NOX吸蔵量推定手段29からの情報に基づいて、上述のリーン運転を行なっている期間に得られるNOX濃度αを評価しながら、NOX触媒6Aの劣化を判定するようになっている。
図3に示すように、復活用の追加燃料噴射が終了すると(時点t0)、劣化判定手段22では、タイマ12のカウントを開始して、復活制御の終了(時点t0)から所定時間tt01経過した時点(時点t1)を起点として、NOXセンサ10から入力されるNOX濃度αを所定の周期でサンプリングしていく。そして、サンプリング開始(時点t1)から時間tt12経過した時点(時点t2)でサンプリングを終了し、サンプリングした各NOX濃度の平均値γを算出する。
このようにして設定されたNOXセンサ補正量α0により、サンプリングした各NOX濃度の平均値γを補正する(例えば、減算)することにより、排気ガス中に含まれるNOX濃度の平均値γを算出するようになっているのである。
しかしながら、復活制御を行なったとしても、NOX触媒6Aに吸蔵されていたNOXの全てが放出されたとは限らず、少なからぬNOXが残存している可能性は高い。そして、リーン運転再開時にNOX触媒6Aに相当のNOXが残存していた場合、NOX触媒6Aの下流のNOX濃度αは、NOX触媒6Aの劣化が進んだときと同様に短時間で上昇するため、これをNOX触媒6Aの劣化と誤判定してしまう可能性がある。
NOX吸蔵量推定手段29は、NOX触媒6Aに吸蔵されるNOX量(NOX吸蔵量)Qと、NOX触媒6Aから放出されるNOX量(NOXパージ量)Bとを推定し、推定したNOX吸蔵量QとNOXパージ量Bとに基づいてさらにNOX吸蔵総量Aを推定するようになっている。
Q=K×qNOx×KSV×KCC ・・・・・・・(1)
ここで、(1)式中の係数及び量について説明する。
KはNOX触媒6AのNOX吸蔵能力を示す係数(NOX吸蔵能力係数)であり、NOX触媒6Aの飽和状態と関係するものであり、飽和状態に近づくほど、流入したNOX量qNOxのうち吸蔵されるNOX量の割合が少なくなることを示す。そこで、NOX吸蔵能力係数Kは、さらに次式で示されるようになっている。
(2)式において、C(n)はNOX触媒6Aに吸蔵可能な空き容量率(吸蔵サイト残存率)であり、NOX触媒6Aの全NOX吸蔵容量に対する空き容量の比率である。この空き容量率C(n) が小さいほど、NOX触媒6AのNOX吸蔵能力は飽和状態に近づいていることを示す。この空き容量率C(n) の詳細については後述する。C1は空き容量率C(n)に対する補正係数であり、NOX触媒6Aの触媒特性によって設定する。なお、(2)式に示すような設定方法の他、空き容量率C(n) に対するマップよりNOX吸蔵能力係数Kを設定するようにしてもよい。
一方、NOXパージ量Bは次式により推定するようになっている。
B=qCO×KC0×KTCO×D ・・・・・・・(3)
(3)式中の係数及び量について説明する。
NOX触媒6Aへ吸蔵されたNOXは、CO(還元剤)が供給されると、NOX触媒6Aから放出される。この放出量は、当然、供給されるCO量に応じて多くなる。
そこで、NOX触媒6Aへ流入するCO量qCOをNOXパージ量Bを算出する際のパラメータとしている。この流入CO量qCOは、NOX量qNOxと同様に有効圧力Pe,エンジン回転数Neにより変化する。そこで、有効圧力Peとエンジン回転数Neとから定まるマップに基づいて流入CO量qCOを設定するようになっている。ここでは、流入CO量qCOは、一制御周期間にNOX触媒6Aへ流入するCO量とする。
こうして、NOX吸蔵量Q及びNOXパージ量Bが定まると、次式によりNOX吸蔵総量Aを算出するようになっている。ただし、今回(n)の制御周期におけるNOX吸蔵総量AをA(n) とし、前回(n−1)の制御周期におけるNOX吸蔵総量AをA(n-1) とする。
(4)式に示すように、制御周期毎にNOX吸蔵量Q(n) 及びNOXパージ量B(n) を算出し、前回(n−1)の制御周期におけるNOX吸蔵総量A(n-1) に加算又は減算していくことにより、NOX吸蔵総量A(n) を更新していくようになっているのである。
ただし、NOX触媒6Aは、周囲雰囲気によってNOXを吸蔵したり放出したりする特性であるので、常に流入NOX量qNOxや流入CO量qCOに応じてNOX触媒6A上にNOXが吸蔵,放出されるわけではない。このため、NOX触媒6Aが、リーン運転時においてNOXを吸蔵し、リッチ運転及びストイキオ運転時においてNOXを放出する触媒特性であるとすると、NOX吸蔵量Q(n) はリーン運転時においてのみ加算され、NOXパージ量B(n) はリッチ運転及びストイキオ運転時において減算されるようになっている。また、NOX触媒6Aの特性によっては、ストイキオ運転時にNOX吸蔵量Q(n) もしくはそれに所定の係数を掛けたものを加算するようにしてもよい。なお、NOX吸蔵総量A(n) の初期値A(0) は、NOX触媒6Aが未使用の時点に対応するので0である。
まず、劣化判定手段22は、制御周期毎に入力されるNOX吸蔵総量A(n) に基づきNOX触媒6Aの空き容量率C(n) を次式により求める。
(5)式において、QmaxはNOX触媒6AにおけるNOX吸蔵量の飽和値である。このNOX吸蔵量の飽和値Qmaxは、NOX触媒6Aの温度により変化するので、ここでは、NOX触媒温度センサ11で検出した触媒温度θc.c に対するマップより飽和値Qmaxを設定するようになっている。
したがって、劣化判定手段22は、算出した空き容量率C(n) を所定値C0と比較し、この所定値C0以上であれば、真にNOX触媒6Aが劣化していると判定するようになっている。なお、所定値C0は、NOx濃度平均値(評価値)γの判定基準値γ0と対応し、NOX触媒6Aが劣化しているかを判定する判定値としての空き容量率の値である。所定値C0は、判定基準値γ0とともに、有効圧力演算手段28から入力される有効圧力Peと、エンジン回転数センサ13から入力されるエンジン回転数Neとで定まるマップに基づいて設定するようになっている。
まず、第1条件は、有効圧力演算手段28から入力される有効圧力Peと、エンジン回転数センサ13から入力されるエンジン回転数Neとが、復活制御時の所定時間tta(前述のサンプリング時間tt12以上)の間、ほぼ一定である(即ち、有効圧力Peの変動が所定値以内で且つエンジン回転数Neの変動幅が所定値以内に収まっている)ことである。
また、第5条件は、NOX触媒温度センサ11が正常であることであり、第6条件は、NOXセンサ10が正常であることである。
以上の第1条件から第7条件までが全て成立した時、劣化判定手段22は、NOX触媒6Aが劣化していると判定するのである。そして、劣化判定手段22は、NOX触媒6Aに吸蔵されたSOX等を放出し、NOX触媒6AのNOX吸蔵能力の回復、即ち、NOX触媒6Aの再生処理をするべく、追加燃料噴射制御手段27に信号(再生処理用追加燃料噴射信号)を送るようになっている。
まず、フラグF1が0か否かを判定する(ステップS10)。このフラグF1は、劣化判定が開始されたか否かを示すものであり、劣化判定が開始されていない場合は0に設定され、劣化判定が開始されれば1に設定される。初期値は0に設定されており、ステップS20において、NOX触媒6AからNOXを放出するための追加の燃料噴射、即ち、復活制御が終了したと判定されたとき、フラグF1が1に設定され、タイマ12のカウント値Tが0にリセットされ(ステップS30)、ステップS40以降の劣化判定処理が開始される。なお、復活制御は、復活制御用判定手段21の判定によりリーン運転時間が所定時間(例えば60秒)に達する毎に所定時間(例えば2秒程度)だけ行なわれる。
そして、サンプリングしたNOX濃度αの平均値γを算出するとともに(ステップS120)、NOX触媒6AのNOX吸蔵総量Aに基づき、現時点におけるNOX触媒6Aの空き容量率C(n) を算出する(ステップS130)。
第1〜第6条件の全てが成立した時、条件成立回数nに1を加算する(ステップS170)。そして、劣化判定処理中を示すフラグF1を0に設定し(ステップS180)、条件成立回数nが所定回数n0に達したか否かを判定する(第7条件、ステップS190)。
この劣化判定手段22の判定に基づき、追加燃料噴射制御手段27では、NOX触媒6AからSOX等を放出させるための追加燃料噴射制御を行い、インジェクタ8より、所定の時間、SOX等放出のための追加燃料噴射が行なわれ、これにより、NOX触媒6Aが再生される。
また、判定制御中、リーン運転でなくなると、ステップS40からステップS220へ進みフラグF1を0に切り替えて判定処理を中止し、ステップS230で条件成立回数nを0にリセットする。
同様に、ステップS150,S160において各条件が成立しなかった場合も、再生処理を行なうほどNOX触媒6Aは劣化していないと判断されるため、フラグF1を0に設定して判定処理を中止し(ステップS260)、条件成立回数nを0にリセットする(ステップS270)。
ところで、上述の希薄燃焼内燃機関は、上述の実施形態に限られず、さらに、以下に説明する第2〜第6関連実施形態にかかる希薄燃焼内燃機関のように構成することも可能である。なお、以下の各実施形態の構成の説明においては、図1に示す第1関連実施形態にかかる希薄燃焼内燃機関の追加燃料噴射制御の制御系の要部構成の模式ブロック図を流用する。
本希薄燃焼内燃機関では、NOX吸蔵総量Aを以下の一次遅れ(1次フィルタによる近似)式により算出するようになっている。
上式において、fは0<f<1となる係数であり、有効圧力Peとエンジン回転数Neとから定まるマップに基づいて設定するようになっている。
本発明の第2関連実施形態の希薄燃焼内燃機関は、このように構成されているので、第1関連実施形態のものと同様の利点が得られるとともに、さらに、NOX吸蔵量Qを算出する必要がなく制御が簡単になる利点がある。なお、NOX吸蔵総量Aを算出するには、本実施形態のようにNOX吸蔵総量Aの一次遅れ(1次フィルタ)による近似式からNOXパージ量Bを減算する方法の他、二次遅れ(2次フィルタ)による近似式を用いるようにしてもよい。
なお、ここでいう完全復活制御とは、復活制御用判定手段21の判定に基づく通常の復活制御では、NOX触媒6A上に吸蔵されたNOXが完全には放出されずに残留する場合があり、NOX濃度に基づくNOX触媒6Aの劣化判定における誤判定の原因となるので、劣化判定の前においてはNOXが完全に放出されるまでNOX触媒6Aの復活制御を行なうものである。
一方、劣化判定手段22は、劣化判定の条件として上記の第3条件の判定を行なわず、代わりに完全復活制御が行なわれたかどうか、即ち、NOX触媒6A上のNOXが完全に放出されたかどうかの判定を上記の第1条件の判定に先立って行なうようになっている(即ち、前提条件)。この判定は、完全復活制御用判定手段30からの制御信号の入力の有無により行なうようになっている。
本発明の第3関連実施形態の希薄燃焼内燃機関は、上述のように構成されているので、第1,第2関連実施形態のものと同様の利点が得られるとともに、さらに、NOX触媒6Aの劣化判定を行なう前には、完全復活制御用判定手段30の判定に基づく完全復活制御により、NOX触媒6Aに吸蔵されたNOXは完全に放出されるようになっているので、リーンモードでの運転時に検出されるNOX濃度のみに基づいてNOX触媒6Aの劣化判定をすることが可能になるという利点がある。
つまり、本希薄燃焼内燃機関の劣化判定手段22では、判定基準値γ0を予め有効圧力Pe,エンジン回転数Neに対応したマップに記憶しておくのではなく、所定走行距離以下の段階(NOX触媒6AにSOX等が吸蔵されていない状態)においてNOX濃度の評価値γを算出し、算出した評価値γに所定の劣化係数b(b>1)を掛けたものを、その時の有効圧力Pe,エンジン回転数Neとともに、別に設けた記憶手段に判定基準値γ0として記憶する。
本発明の第4関連実施形態の希薄燃焼内燃機関は、上述のように各エンジン個別に判定基準値γ0を設定するよう構成されているので、第1〜第3関連実施形態のものと同様の利点のほか、各々のエンジン本体やNOX触媒の個体ばらつきに左右されずにNOX触媒6Aの劣化判定を行ないうる利点が得られる。また、判定基準値γ0の設定のためのマップを予め作成しておく必要がない利点や、有効圧力Pe,エンジン回転数Neに応じて変化する実際のNOX濃度の評価値γに基づいて判定基準値γ0を設定するので、より正確にNOX触媒6Aの劣化判定を行ないうる利点が得られる。
まず、第8条件は、上述の第1〜第7条件(第3関連実施形態においては、第0〜第2,第4〜第7条件)に対してAND条件となっており、前回のNOX触媒6Aの再生処理以降のリーンモード時の燃料積算値が所定値X以上であることが条件である。ただし、この所定値Xは、NOX触媒のばらつき下限品に対し使用が想定される最もイオウ分が多い燃料を使用した場合に、NOX触媒が劣化したと判定された時点でのリーンモードにおける燃料積算値である。
なお、NOX触媒の中には酸化雰囲気だけでなく、ストイキオ雰囲気近傍でも幾分NOXを吸蔵するものがあるため、上述の燃料積算値は、リーンモードで運転したときの燃料積算値のみならず、ストイキオモードで運転したときの燃料積算値も加えたものにしてもよく、その際、ストイキオモードで運転したときの燃料積算値には所定の係数a(0<a<1)を掛けるようにしてもよい。これにより、NOX触媒6Aの劣化の度合いをより正確に判定することができるようになる。また、燃料積算値の代わりに各モードでの走行距離に基づきNOX触媒6Aの劣化の度合いを判定するようにしてもよい。
なお、上述の時間tt34は、NOX濃度αが定常状態になるまでの時間であり、時間tt45はNOX触媒6Aから放出されるNOXの濃度を正確に評価するために十分なサンプリング数を取れる時間とする。また、判定基準値β0は、劣化判定手段22に予め記憶されている。
これにより、本実施形態の希薄燃焼内燃機関によれば、第1〜第5関連実施形態のものと同様の利点が得られるとともに、さらに、NOX触媒6Aの劣化状態を、復活制御時におけるNOX濃度の高低差に基づいても判定しており、この復活制御時のNOX濃度の高低差は、リーン運転時におけるNOX濃度の高低差に比べて差が大きいので、リーン運転時のNOX濃度に基づく劣化判定と併せて判断することにより、NOX触媒6Aの劣化状態をさらに正確に把握することができるという利点がある。
6 排気浄化装置
6A NOX触媒(吸蔵型NOX触媒)
6B 三元触媒
8 インジェクション(燃料噴射弁)
10 NOXセンサ
20 ECU
21 復活制御用判定手段
22 再生制御用判定手段(劣化判定手段)
23 雰囲気調整手段
25 燃料噴射制御手段
27 追加燃料噴射制御手段
29 NOX吸蔵量推定手段(NOX吸蔵量推定手段)
Claims (2)
- 排気通路内を酸化雰囲気とする希薄燃焼が可能な内燃機関において、
前記排気通路に設けられ酸化雰囲気にてNOXを吸蔵し還元雰囲気にてNOXを放出する吸蔵型NOX触媒と、
前記吸蔵型NOX触媒の下流に設けられNOX濃度を検出するNOXセンサと、
前記吸蔵型NOX触媒の周囲雰囲気を調整する雰囲気調整手段と、
前記雰囲気調整手段が前記吸蔵型NOX触媒の周囲雰囲気を還元雰囲気としたときの前記NOXセンサの出力値に基づいて前記吸蔵型NOX触媒の劣化状態を判定する劣化判定手段とをそなえ、
前記劣化判定手段は、前記NOXセンサの出力値から前記吸蔵型NO X 触媒に流入するNO X 濃度を減算した評価値と予め設定された判定基準値とを比較し、前記評価値が前記判定基準値以下であるときに前記吸蔵型NOX触媒が劣化していると判定する
ことを特徴とする、希薄燃焼内燃機関。 - 前記劣化判定手段は、前記吸蔵型NOX触媒の周囲雰囲気を還元雰囲気としたときにエンジン本体から排出されるNOX濃度をあらかじめ計測したものを、前記吸蔵型NOX触媒に流入するNOX濃度として、前記吸蔵型NOX触媒の劣化状態を判定する
ことを特徴とする、請求項1記載の希薄燃焼内燃機関。
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