JP6146009B2 - 直動案内装置 - Google Patents
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Description
一方、特許文献2に記載の技術は、エンドキャップのアンダーシール溝内に更に凹部を設ける構造なので、この凹部の加工が困難である。また、エンドキャップ部分の寸法の取り合い上、アンダーシール溝内に更に凹部を設けるのでは、凹部の深さも僅かしか確保できない。そのため、アンダーシールの端部の突起との係合代を十分にとることが難しく、結局、アンダーシールを拘束する力が小さいという問題もある。さらに、エンドキャップを成型で製作する際も、アンダーシール溝内に更に凹部を設ける構造なので、成型品が型から抜け難く、無理抜きすることにより、エンドキャップに割れ等の不良が生じる懸念がある。
そして、第一の態様に係る直動案内装置によれば、アンダーシールの抜け防止用の段部が、案内レール側が当該アンダーシール溝の溝幅を狭くした溝幅部とされ且つ案内レールとは反対側が狭幅部よりも溝幅を広くした広幅部とされることで狭幅部と広幅部との境によって形成されているので、脱落を防止する部位となる段部の加工が容易で製作コストを抑えることができる。
ここで、第一の態様に係る直動案内装置において、前記狭幅部と広幅部との境によって形成される段部が、前記案内レール側とは反対側に前記狭幅部を延長するように形成された傾斜面によってアリ溝状に形成されていることは好ましい。このような構成であれば、アンダーシールの装着を容易としつつも、アンダーシールの脱落をより確実に防止することができる。
さらに、第二の態様に係る直動案内装置によれば、狭幅部は、当該狭幅部が案内レール側に拡幅するように形成された傾斜面を有するので、アンダーシールの装着を一層容易としつつも、アンダーシールの脱落を防止することができる。
また、本発明の一態様に係る直動案内装置において、アンダーシールの剛性を上げる上では、前記アンダーシールは、アンダーシールの装着部の全長に亘って設けられた芯金を有することは好ましい。
図1に示すように、このリニアガイド装置は、案内レール1とスライダ(「ベアリング」とも称される。)2と複数個のボール(転動体)3とを有して構成されている。
案内レール1は、長手方向に平行に延びる転動溝11を自身の両側面1aに有する。スライダ2は、案内レール1の幅方向両側に配置される脚部2Aと、その両脚部2Aを連結する水平部2Bとからなる。水平部2Bは、案内レール1の厚さ方向(長さ方向と幅方向の両方に垂直な方向)の一端側(この図では、案内レール1の上面側)に配置され、スライダ2の両内側面2aが案内レール1の両側面に対向配置されている。
このリニアガイド装置は、エンドキャップ5のアンダーシール溝60内に抜け防止用の段部62を設け、アンダーシール溝60に差し込んだアンダーシール50の端部の突起52が、抜け防止用の段部62と案内レール1との対向方向で係合するので、アンダーシール50の保持能力がより高まり、アンダーシール50の脱落防止効果が得られる。
なお、本発明に係る直動案内装置は、上記実施形態のリニアガイド装置に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能なことは勿論である。
また、例えば図5に示す第二変形例のように、アンダーシール50の突起52を、スライダ2の上面側および下面側を向く面にそれぞれ形成し、これらの突起52に係合する段部62を、アンダーシール溝60に対し、スライダ2の下面側および上面側を向く面にそれぞれ形成してもよい。
図11(b)に示す例では、抜け防止用の段部52は、スライダ2の下面側を向く面に形成され、スライダ下面側から見た形状が矩形形状(図11(a)参照)をなしている例である。この抜け防止用の段部52の矩形形状は、長方形であってその長辺の延びる方向が、アンダーシール溝60の突起62の形成方向に沿って形成されている。
このリニアガイド装置は、エンドキャップ5のアンダーシール溝60内に突起62を設け、アンダーシール溝60に差し込んだアンダーシール50の端部の抜け防止用の段部52が、突起62と案内レール1との対向方向で係合するので、アンダーシール50の保持能力がより高まり、アンダーシール50の脱落防止効果が得られる。
例えば、上記第二実施形態では、アンダーシール50の抜け防止用の段部52を、スライダ下面側から見た形状が矩形形状とした例で説明したが、これに限らず、スライダ下面側から見た形状は、例えば円形や楕円形としてもよい。しかし、アンダーシール50を案内レール1側に抜け難くする上では、アンダーシール50の抜け防止用の段部52を矩形形状とし、その矩形形状の矩形形状は、その長辺の延びる方向が、アンダーシール溝60の抜け防止用の段部62の形成方向に沿って形成されていることが好ましい。
また、例えば図13に示す第二実施形態の第二変形例のように、アンダーシール50の抜け防止用の段部52を、スライダ2の上面側および下面側を向く面にそれぞれ形成し、これらの抜け防止用の段部52に係合する突起62を、アンダーシール溝60に対し、スライダ2の下面側および上面側を向く面にそれぞれ形成してもよい。
例えば上記第一ないし第二実施形態では、アンダーシール50の取り付け構造は、スライダ2が案内レール1に組み付けられた状態において、アンダーシール溝60から取り外すことができ、かつアンダーシール溝60へ取り付けることができる弾性材料のみで構成されている例で説明したが、これに限らず、以下の図15〜図29に示すように、アンダーシール50に芯金を入れることによって、アンダーシール50の剛性を向上させる構成としてもよい。
2 スライダ
3 ボール(転動体)
4 スライダ本体
5 エンドキャップ
50 アンダーシール
52 (アンダーシールの)突起、(又は、段部)
60 アンダーシール溝
62 (抜け防止用の)段部、(又は、突起)
64 狭幅部
66 広幅部
70 芯金
Claims (6)
- 案内レールと、該案内レールに複数の転動体を介してスライド移動自在に跨設されるスライダと、前記案内レールの側面と前記スライダの内側面との間をシールするアンダーシールとを備える直動案内装置において、
前記スライダは、スライダ本体と、該スライダ本体の両端に配設される二つのエンドキャップとを有し、前記アンダーシールは、自身の長手方向両端部が、対応する前記エンドキャップに設けられて前記長手方向の差し込み側および前記案内レールの側に貫通形成されるアンダーシール溝にそれぞれ差し込まれて保持される直動案内装置であって、
前記アンダーシールは、自身の前記両端部に且つ自身厚さ方向を向く面に弾性変形可能な突起をそれぞれ有し、前記エンドキャップは、前記アンダーシール溝内に、前記アンダーシールの突起に対して前記案内レールとの対向方向で係合するとともに前記長手方向の移動は許容する抜け防止用の段部を有してなり、
前記抜け防止用の段部は、前記案内レール側が当該アンダーシール溝の溝幅を狭くした狭幅部とされ且つ前記案内レールとは反対側が前記狭幅部よりも溝幅を広くした広幅部とされることで前記狭幅部と広幅部との境によって形成され、
前記狭幅部は、当該狭幅部が前記案内レール側に拡幅するように形成された傾斜面を有することを特徴とする直動案内装置。 - 前記狭幅部と広幅部との境によって形成される段部が、前記案内レール側とは反対側に前記狭幅部を延長するように形成された傾斜面によってあり溝状に形成されている請求項1に記載の直動案内装置。
- 前記突起は、前記段部の傾斜面に係合するように形成された傾斜面を有する請求項2に記載の直動案内装置。
- 案内レールと、該案内レールに複数の転動体を介してスライド移動自在に跨設されるスライダと、前記案内レールの側面と前記スライダの内側面との間をシールするアンダーシールとを備える直動案内装置において、
前記スライダは、スライダ本体と、該スライダ本体の両端に配設される二つのエンドキャップとを有し、前記アンダーシールは、自身の長手方向両端部が、対応する前記エンドキャップに設けられて前記長手方向の差し込み側および前記案内レールの側に貫通形成されるアンダーシール溝にそれぞれ差し込まれて保持される直動案内装置であって、
前記エンドキャップは、前記アンダーシール溝内に、自身の厚さ方向を向く面に突起をそれぞれ有し、前記アンダーシールは、自身の両端部に且つ前記エンドキャップの突起に対して前記案内レールとの対向方向で係合するとともに前記長手方向の移動は許容する弾性変形可能な抜け防止用の段部を有してなり、
前記突起は、前記案内レール側が当該アンダーシール溝の溝幅を狭くした狭幅部とされ且つ前記案内レールとは反対側が前記狭幅部よりも溝幅を広くした広幅部とされることで前記狭幅部と広幅部との境によって形成され、
前記狭幅部は、当該狭幅部が前記案内レール側に拡幅するように形成された傾斜面を有することを特徴とする直動案内装置。 - 前記アンダーシールは、前記スライダが前記案内レールに組み付けられた状態において、前記アンダーシール溝から取り外すことができ、かつ前記アンダーシール溝へ取り付けることができる弾性材料のみで構成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の直動案内装置。
- 前記アンダーシールは、アンダーシールの装着部の全長に亘って設けられた芯金を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の直動案内装置。
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