JP6574622B2 - 保持バンドを備えた直動転がり案内ユニット - Google Patents

保持バンドを備えた直動転がり案内ユニット Download PDF

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Description

この発明は,長尺な軌道レールと該軌道レール上を複数の転動体を介して相対移動するスライダとから成り,転動体をスライダに保持する保持バンドを備えた直動転がり案内ユニットに関する。
近年,直動転がり案内ユニットは,半導体製造装置,工作機械,各種組立装置,搬送機械等の各種の機械装置の摺動部への適用が拡大している。
従来,直線運動用玉軸受に設けられたボール保持体は,トラックレールに組み付けられていない時にスライドユニットの軌道面上のボール群の逸脱落下を防止するためスライドユニットの軌道面と対向してスライドユニットに取り付けられている。該ボール保持体は,断面高さが幅より大きな細長い金属をコの字形に形成された保持バンドであり,保持バンドの両端の爪をスライドユニット両端の側板の外端面に形成した係止凹所に引っ掛けて固定しているものである。該保持バンドは,ボールを保持する保持部,保持部の両端側を折曲した折曲部,及び折曲部の先端を折曲してスライダに係止する係止爪部から形成されている。保持バンドでは,ボールを保持する対向面の幅は,その反対側の背面の幅と同等の幅に形成され,断面略長方形状に形成されている(例えば,特許文献1参照)。
また,直動転がり案内ユニットに設けた保持バンドとして,本出願人が開発したものが知られている。保持バンドは,スライダに形成された軌道溝に沿って延びると共に,軌道レールの側面の軌道溝に沿って形成された保持バンド用溝に非接触状態に遊嵌し,ボールを保持する面に沿う長手方向の両側角部が鋭角に形成されている。軌道レールに形成された保持バンド用溝は,底部及び底部と軌道溝とを結ぶ斜面から形成されている。上記直動転がり案内ユニットにおける保持バンドとしては,その形状がボールを保持する対向面の幅をその反対側の背面の幅より長く,断面略台形形状に形成したものであり,ボールを保持する保持バンドの保持代及び剛性をアップしてボールの保持機能を向上させたものである(例えば,特許文献2参照)。
実開昭57−165820号公報 特開平8−232953号公報
ところで,従来の直動転がり案内ユニットは,軌道レールとスライダとの間の軌道路には転動体であるボールが介在されており,該ボールは,スライダに形成された循環路を転走するが,負荷軌道路を転走するボールは,保持バンドによってスライダに保持されている。保持バンドは,ボールを保持する保持部が直線状に延びているのが一般的である。しかしながら,直動転がり案内ユニットは,横置きの姿勢で配設して使用される場合があり,スライダと軌道レールとの間の軌道路を転走するボールが方向転換路から負荷軌道路に進入する時に,軌道路内における隣接するボールの間に隙間が無い状態に押し合って進入して転動し,ボール同士は互いに接触して接触抵抗を受け,ボールのスムーズな転走が阻害され,ひいては軌道レール上でのスライダの相対的な往復摺動がスムーズでなくなる現象が発生することがあった。即ち,直動転がり案内ユニットが,横置きの姿勢に配設されると,上側循環路におけるリターン路に位置するボールは,負荷軌道路よりも高い位置にあるため,ボールが方向転換路から軌道路へ転走する場合に,ボールが自重を受けて方向転換路内の壁面に沿って軌道路へと落下することになり,その時,方向転換路内のボールは,数珠つなぎの状態になって連続して軌道路へ入ろうとし,軌道路内に入ったボールが互いに接触干渉して接触抵抗を受け,ボールのスムーズな転走が阻害されることになる。また,下側循環路におけるリターン路に位置するボールは,負荷軌道路がリターン路よりも高い位置にあるため,軌道路内へのボールの詰まりによる接触抵抗は発生しないものである。
この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,横置きの姿勢で配設して使用される直動転がり案内ユニットに関し,転動体のボールが方向転換路から負荷軌道路即ち軌道レールの軌道溝とスライダの軌道溝とで形成される軌道路へ転走進入する時に,ボール同士が互いに接触することなく,スムーズに転走し,スライダが軌道レール上をスムーズに相対的に往復摺動でき,スライダの摺動不良を防止することができることを特徴とする保持バンドを備えた直動転がり案内ユニットを提供することである。
この発明は,長手方向に沿って第1軌道溝が形成された長尺状の軌道レール及び前記軌道レールの前記長手方向に摺動自在なスライダを有しており,前記スライダは,前記軌道レールの前記第1軌道溝に対向して延びる第2軌道溝と前記第2軌道溝に平行に延びるリターン路が形成されたケーシング,前記ケーシングの両端面にそれぞれ取り付けられ且つ前記第1軌道溝と前記第2軌道溝との間に形成される軌道路と前記リターン路とを連通する方向転換路が形成されたエンドキャップ,前記軌道路と前記リターン路と一対の前記方向転換路とで構成される循環路を転走する複数の転動体であるボール,及び前記ボールを前記ケーシングに保持する保持バンドを有しており,前記軌道路の前記ボール同士が接触する総ボールタイプから成る直動転がり案内ユニットにおいて,
前記保持バンドは,金属材料から成形された棒状部材であって,前記ボールを前記軌道路に沿って保持する保持部,前記保持部のそれぞれの両端部を前記長手方向に対して折り曲げられて前記エンドキャップの端面に形成された保持バンド用凹溝に嵌入する折曲部,及び前記折曲部のそれぞれの先端部を折り曲げられて前記エンドキャップの側面に形成された係止用凹溝に嵌入する係止爪部から構成されており,
前記保持バンドの前記保持部には,それぞれの前記方向転換路から前記軌道路へ転走してきた前記ボール前記軌道路へ進入するのを一時的に阻止する突起部がそれぞれに形成されており,
前記保持部の前記突起部は,前記ケーシングの前記端面の近傍に前記軌道路側へ断面円弧状に出っ張って屈曲させて形成されており
前記保持バンドの前記保持部は前記第1軌道溝の中央位置に前記長手方向に沿って形成された保持バンド用溝に遊嵌されて配設され,前記保持部の前記突起部は,前記保持バンド用溝から前記軌道路を転動する前記ボールに接触し得る高さにまで前記軌道路側に突出しており,
前記軌道レールの前記第1軌道溝及び前記ケーシングの前記第2軌道溝から形成されている前記軌道路の形状は,ゴシックアーチ溝に形成されており,前記ケーシングのそれぞれの前記軌道路の入口部には口元面取り部が形成されており,
前記保持バンドの前記突起部は前記口元面取り部に対向して位置決めされ,前記口元面取り部と前記突起部との間に前記ボールが転走する通路が形成されていることを特徴とする直動転がり案内ユニットに関する。
また,この直動転がり案内ユニットは,前記エンドキャップのそれぞれの端面には,前記軌道レールとの間の隙間をシールすると共に,前記エンドキャップの前記端面に形成された前記保持バンド用凹溝に嵌入された前記保持バンドを前記エンドキャップに保持するエンドシールが配置されているものである。
また,この直動転がり案内ユニットにおいて,前記ボールが転走する前記循環路の一方は前記軌道レールの上側条列を形成し且つ他方は前記軌道レールの下側条列を形成する横置きの姿勢であって,前記保持バンドに形成された前記突起部は,少なくとも前記軌道レールの前記上側条列を形成する前記循環路に配設された前記保持バンドに形成されているものである。
この直動転がり案内ユニットは,上記のように構成されているので,転動体のボールが方向転換路から負荷軌道路へ入るタイミングで,先行するボールとの間に隙間を与えることができ,即ち,ボール同士の接触を避けることができ,ボール同士の接触抵抗が発生せず,ボールが軌道路をスムーズに転動することができ,スライダが軌道レール上をスムーズに相対的に摺動することができる。また,この直動転がり案内ユニットでは,横置きに配設された際に,スライダの上側循環路に適用されている保持バンドの突起部はボールが方向転換路から軌道路へ進入する際に,ボールは先ず突起部に当たり,そこでボールは突起部で一時的に転走を阻止されて,次いで,ボールは,ケーシングに形成された口元面取り部の存在によって,突起部を乗り越えて進入して行き,先行するボールに対して隙間が生じ,ボール同士の接触抵抗即ち競り合う状態が避けられることになる。また,スライダの下側循環路に配設された保持バンドに突起部が形成されていたとしても,ケーシングには口元面取り部が形成されているので,ボールは突起部に阻止されずにスムーズに転走可能である。この直動転がり案内ユニットは,総ボールタイプのものに適用できるものであり,負荷域の軌道路へのボールの突入タイミングを調整でき,軌道路内のボール間に隙間を自動的に発生させることができ,ボール同士の競り合いに起因する摺動状態の悪化を解決することができる。
この発明による直動転がり案内ユニットの一実施例を示す一部破断の斜視図である。 図1の直動転がり案内ユニットにおける転動体であるボールの循環路を示す断面を含んだ横置き姿勢に配設されている状態を示す側面図である。 図2の直動転がり案内ユニットに示すB−B位置における直動転がり案内ユニットの横置き姿勢の状態を示す断面図である。 図3の直動転がり案内ユニットに示す符号Cの領域を示す直動転がり案内ユニットを示す拡大断面図である。 図1の直動転がり案内ユニットに組み込まれる保持バンドを示す平面図である。 図5の保持バンドに示されている符号Dの領域における保持バンドを示す平面図である。 図5の保持バンドに示されているE−E位置における保持バンドを示す拡大断面図である。 図2の直動転がり案内ユニットに示されている符号Aの領域を示しており,転動体のボールが方向転換路から軌道路へ転走する時に,ボールが保持バンドに形成された突起部で阻止されて先行するボールから離された状態を示す断面図である。 図8に示す状態からボールが突起部に乗り上げて軌道路へと転走する状態を示す断面図である。 図9に示す状態からボールが突起部を乗り越えて軌道路へ転走する状態を示す断面図である。 図2の符号Aの領域に相当する従来の直動転がり案内ユニットを示し,転動体のボールが方向転換路から軌道路へ転走する時に先行するボールに接触してボール同士が干渉している状態を示す断面図である。
以下,図面を参照して,この発明による直動転がり案内ユニットの実施例を説明する。この実施例は,2条列ボールタイプの直動転がり案内ユニットであって,転動体であるボール10間にセパレータが組み込まれていないボール10同士が接触可能な総ボール形式の直動転がり案内ユニットに関して開示されている。この直動転がり案内ユニットは,概して,図1に示すように,長手方向の両側面37に沿って延びている逃げ溝17に形成されている軌道溝11(第1軌道溝)がそれぞれ形成された軌道レール1,及び軌道レール1に跨架して転動体であるボール10を介して相対的に摺動自在なスライダ2を有している。軌道レール1には,その上面36にベッド等のベース(図示せず)に固定するために取付け用孔30が複数箇所に形成されている。また,スライダ2は,主として,軌道レール1の軌道溝11に対向して形成された軌道溝12(第2軌道溝)及び軌道溝12に沿って延びるリターン路22が形成されたケーシング3,ケーシング3の両端面31にそれぞれ取り付けられ且つ軌道路20とリターン路22とを連通する円弧状の方向転換路21が形成されたエンドキャップ4,軌道路20,リターン路22及び一対の方向転換路21で構成される循環路19を転走する複数の転動体であるボール10,エンドキャップ4の反ケーシング3側の端面33に配設されたエンドシール8,並びにボール10をスライダ2に保持するためスライダ2に支持された保持バンド7から構成されている。この発明による実施例では,軌道レール1に形成されている軌道溝11とケーシング3に形成されている軌道溝12との間に形成されている軌道路20は,その形状が図4に示されるように,ゴシックアーチ状に形成されている。また,ケーシング3に形成されているリターン路22は,ケーシング3の軌道溝12に平行に延びて形成されている。スライダ2は,ケーシング3の端面31にそれぞれ配置されたエンドキャップ4と,エンドキャップ4の端面33にそれぞれ配置されたエンドシール8とが固定ねじ28によってケーシング3に固定されている。また,この直動転がり案内ユニットでは,エンドキャップ4のそれぞれの端面33に配設されたエンドシール8は,芯金42と芯金42に固着されたリップ部34を備えたシール部材44から構成され,軌道レール1とスライダ2との間の隙間をシールすると共に,エンドキャップ4の端面33に形成された保持バンド用凹溝24に嵌入された保持バンド7をエンドキャップ4に保持する機能を果たしている。
この直動転がり案内ユニットは,スライダ2を軌道レール1から外した時に,スライダ2から転動体のボール10が脱落しないように,スライダ2にはボール10を保持する保持バンド7が設けられている。軌道レール1には,軌道溝11間に形成された逃げ溝17に位置する保持バンド溝18が形成され,保持バンド溝18に沿ってスライダ2に取り付けられた保持バンド7が長手方向に延びて配設されている。スライダ2が軌道レール1にセットされた状態では,保持バンド7の保持部25は,軌道レール1の軌道溝11が形成された逃げ溝17に長手方向に沿って形成された凹溝でなる保持バンド用溝18に遊嵌されて配設した状態になっている。保持バンド7は,特に,図5〜図7に示すように,断面が四角形の金属製の針金状材料でプレス加工で成形された棒状部材である。保持バンド7は,ボール10を軌道路20に沿って保持する保持部25,保持部25のそれぞれの両端部を長手方向に直交する方向に折り曲げた折曲部26,及び折曲部26のそれぞれの先端部を折り曲げた係止爪部27に形成されている。この発明による直動転がり案内ユニットでは,例えば,軌道レール1のサイズが断面高さが16mmで且つレール幅が42mmであってボール直径が3mm程度である小形の幅広タイプのものであり,横置きに使用されるものに適用している。
この直動転がり案内ユニットは,特に,ボール10を保持する保持バンド7に突起部9が形成された構成に特徴を有している。この直動転がり案内ユニットは,軌道レール1に形成された軌道溝11とケーシング3に形成された軌道溝12とで構成される負荷路である軌道路20を転動するボール10同士が接触する総ボール形式のものに適用して好ましいものである。また,この直動転がり案内ユニットは,主として,ボール10が転走する循環路19の一方は軌道レール1の上側条列を形成し且つ他方は軌道レール1の下側条列を形成する横置きの姿勢で使用する直動転がり案内ユニットに適用して好ましいものである。突起部9が形成された保持バンド7は,少なくとも軌道レール1の上側条列を形成する循環路19に配設されて好ましいものである。即ち,横置き姿勢で使用する直動転がり案内ユニットは,軌道レール1の上面36が側面となり,軌道レール1の下側条列に位置する循環路19は,軌道路20が上側に且つリターン路22が下側に位置し,軌道路20ではボール10が競り合うような状態は発生しないものである。特に,保持部25には,ケーシング3の端面31の近傍に軌道路20側へ断面円弧状に出っ張って屈曲させた突起部9が形成されていることを特徴としている。それに伴って,保持バンド7の保持部25に形成した突起部9の突出量に見合うように,軌道溝12が形成されたケーシング3の端面31の口元に口元面取り部40を形成して,ケーシング3の軌道溝12の口元を拡げてボール10の転動を可能にするように構成されている。即ち,この直動転がり案内ユニットは,ケーシング3の軌道溝12の負荷域直前に,突起部9の突出量だけケーシング3の軌道溝12の口元に面取りを施して拡げている。
この直動転がり案内ユニットは,上記のように,保持バンド7に突起部9を形成することによって,ボール10が方向転換路21から自重によって軌道路20に進入する際に,まず,ボール10が突起部9に接触して一時的或いは一旦阻止され,ボール10が後続のボール10に押されて突起部9を乗り越えて負荷域の軌道路20に突入する。そこで,ボール10が軌道路20内の先行するボール10との間に隙間41を形成し,ボール10同士の競り合い即ち接触を避け,ボール10同士で生じる接触抵抗を低減し,ボール10のスムーズな転動を可能にする。ケーシング3の軌道溝12の口元に形成した面取り部40は,ボール10が突起部9を乗り越える際に,ボール10がケーシング3の軌道溝12に押し付けられて循環抵抗となるのを防ぐための逃がしの役割を果たす。ケーシング3の軌道溝口元部の面取りの効果は,保持バンド7の突起部9の突出量にばらつきがあっても,面取り深さを突出量の公差の最大量にあわせて設定することによって,ボール10の突起部9の通過時にボール10がケーシング3の軌道溝12に押し付けされるのを防ぐことができる。また,エンドシール8は,軌道レール1に対してリップ部34が接触してシール機能を果たすと共に,エンドキャップ本体5の端面33に接して固定され,保持バンド7の折曲部26がエンドキャップ本体5の端面33に形成された保持バンド用凹溝24に嵌入配設された状態から外れるのを阻止する機能を有している。保持バンド7の係止爪部27は,エンドキャップ本体5の側面38に形成された係止爪部用の凹溝39に嵌入して係止されている。
この直動転がり案内ユニットでは,ケーシング3は,軌道溝11と軌道溝12との間に形成される一対の軌道路20に沿って延びる一対のリターン路22が形成されると共に各種の機器,ワーク,取付体等の物体を取り付けるための取付け用ねじ孔29が形成されている。ケーシング3は,軌道溝12及びリターン路22が形成される袖部14と,両袖部14を繋げる上部13とで構成されている。エンドキャップ4は,ケーシング3の袖部14に対向する袖部16と,両袖部16を繋げる上部15とで構成されている。エンドキャップ本体5には,方向転換路21の軌道路20側の入口部にはすくい爪であるすくい部35が形成されている。方向転換路21の入口のすくい部35は,エンドキャップ4の袖部16に位置している。また,保持バンド7は,軌道溝11の中央位置に長手方向に沿って形成された逃げ溝17に形成された保持バンド用溝18に遊嵌されており,突起部9は,保持バンド用溝18から軌道路20へ突出する大きさに形成されている。この直動転がり案内ユニットでは,特に,突起部9は,その位置がエンドキャップ本体5に形成されたすくい部35からケーシング3の端面31の間に位置して形成されている。また,保持バンド7に形成された突起部9は,ケーシング2の口元面取り部40に対向して位置決めされており,口元面取り部40と突起部9との間には,ボール10が転走する通路が形成されている。従って,ボール10は,方向転換路21から保持バンド7の突起部9を乗り越えて軌道路20へと転走できる。エンドキャップ本体5には,反ケーシング3側の端面33に保持バンド7の折曲部26を嵌入する保持バンド用凹溝24が形成され,エンドキャップ本体5の側面38には,保持バンド7の係止爪部27を嵌入係止する係止爪部用凹溝39が形成されている。保持バンド7の保持部25は,軌道レール1の軌道溝11が形成された逃げ溝17に長手方向に沿って形成された保持バンド用溝18の中央位置に設定されている。
また,エンドキャップ4は,方向転換路21の外周部が形成され且つケーシング3側の端面32側に凹部(図示せず)が形成されたエンドキャップ本体5,及び方向転換路21の内周部が形成され且つエンドキャップ本体5の凹部に嵌合配置されたスペーサ6から構成されている。エンドキャップ本体5には,図示していないが,スライダ2の端面に取り付けられたグリースニップル23から供給される潤滑油を給油するための油孔等が形成されている。更に,エンドキャップ本体5は,方向転換路21の外周部の壁面を形成する袖部16と,袖部16を繋げる上部15とで構成されている。また,スペーサ6は,エンドキャップ本体5の凹部に嵌合配置するように構成されている。方向転換路21は,エンドキャップ本体5に形成された外周部とスペーサ6に形成された内周部とが対向して整合することによって形成されている。また,スライダ2は,スペーサ6,エンドキャップ本体5に形成された取付け用孔,及びエンドシール8に形成された取付け用孔に固定ねじ28を通してケーシング3に形成された取付け用ねじ孔に螺入して,ケーシング3にエンドキャップ4及びエンドシール8が固定されている。
この直動転がり案内ユニットでは,ケーシング3は,軌道レール1の上面36側に位置する上部13,及び上部13の両側部から軌道レール1に沿ってそれぞれ垂下する軌道レール1を跨がる一対の袖部14から構成されている。ケーシング3の袖部14には,長手方向に沿った軌道溝12と貫通孔であるリターン路22とがそれぞれ形成され,また,ケーシング3の上部13には,相手部材(図示せず)を上面の取付け面に取り付けるための取付け用ねじ穴29が複数個形成されており,上部13の両側部には長手方向に沿って取付け用ねじ穴29が形成されている。また,エンドキャップ本体5は,ケーシング3の上部13に対向する上部15,及び上部15の両側部から軌道レール1に沿ってそれぞれ垂下し且つケーシング3の袖部14に対向する袖部16から構成されている。エンドキャップ本体5の両袖部16には,ボール10の循環路19を構成する方向転換路21の外周部の壁面が形成されており,また,スペーサ6の両袖部には,ボール10の循環路19を構成する方向転換路21の内周部の壁面が形成されている。方向転換路21は,エンドキャップ本体5の外周部の壁面とスペーサ6の内周部の壁面とが整合固定して形成され,軌道路20とリターン路22とを連通する円弧状の通路に形成されている。
この直動転がり案内ユニットは,上記のように,保持バンド7には,エンドキャップ4に形成された方向転換路21から負荷軌道路20の手前に転走して来たボール10が軌道路20へ進入するのを一時的に阻止する突起部9が形成されており,ボール10同士の相互摩擦をなくしてボール10の転走抵抗を低減することを特徴としている。保持バンド7に突起部9を設けることにより,軌道レール1上をスライダ2が摺動する時に,ボール10の軌道路20での転動は,図8,図9及び図10に示すように,ボール10の進入が突起部9で一時的に阻止され,ボール10間に隙間41が形成され,それによって,ボール10同士が競り合うことがなく,スライダ2が軌道レール1上をスムーズに摺動することができる。また,保持バンド9は,棒状部材から成り,ボール10を負荷軌道路20に沿って保持する保持部25,保持部25のそれぞれの両端部を長手方向に対して折り曲げてエンドキャップ4の端面33に形成された保持バンド用凹溝24に嵌入する折曲部26,及び折曲部26のそれぞれの先端部を折り曲げてエンドキャップ4の側面38に形成された保持バンド嵌入用の凹溝39に係止する係止爪部27から構成されている。保持バンド7の突起部9は,保持部25に形成され,保持部25のケーシング3の両端面31に位置する領域に形成されている。
この発明による直動案内ユニットは,半導体製造装置,精密機械,医療機器,各種ロボット,各種組立装置,搬送機械,マイクロマシーン等の各種装置における摺動部に組み込んで利用して好ましいものである。
1 軌道レール
2 スライダ
3 ケーシング
4 エンドキャップ
7 保持バンド
8 エンドシール
9 突起部
10 ボール(転動体)
11 軌道溝(第1軌道溝)
12 軌道溝(第2軌道溝)
19 循環路
20 軌道路
21 方向転換路
22 リターン路
24 保持バンド用凹溝
25 保持部
26 折曲部
27 係止爪部
31,33 端面
35 すくい部
38 側面
39 係止用の凹溝
40 口元面取り部
41 隙間

Claims (3)

  1. 長手方向に沿って第1軌道溝が形成された長尺状の軌道レール及び前記軌道レールの前記長手方向に摺動自在なスライダを有しており,前記スライダは,前記軌道レールの前記第1軌道溝に対向して延びる第2軌道溝と前記第2軌道溝に平行に延びるリターン路が形成されたケーシング,前記ケーシングの両端面にそれぞれ取り付けられ且つ前記第1軌道溝と前記第2軌道溝との間に形成される軌道路と前記リターン路とを連通する方向転換路が形成されたエンドキャップ,前記軌道路と前記リターン路と一対の前記方向転換路とで構成される循環路を転走する複数の転動体であるボール,及び前記ボールを前記ケーシングに保持する保持バンドを有しており,前記軌道路の前記ボール同士が接触する総ボールタイプから成る直動転がり案内ユニットにおいて,
    前記保持バンドは,金属材料から成形された棒状部材であって,前記ボールを前記軌道路に沿って保持する保持部,前記保持部のそれぞれの両端部を前記長手方向に対して折り曲げられて前記エンドキャップの端面に形成された保持バンド用凹溝に嵌入する折曲部,及び前記折曲部のそれぞれの先端部を折り曲げられて前記エンドキャップの側面に形成された係止用凹溝に嵌入する係止爪部から構成されており,
    前記保持バンドの前記保持部には,それぞれの前記方向転換路から前記軌道路へ転走してきた前記ボール前記軌道路へ進入するのを一時的に阻止する突起部がそれぞれに形成されており,
    前記保持部の前記突起部は,前記ケーシングの前記端面の近傍に前記軌道路側へ断面円弧状に出っ張って屈曲させて形成されており
    前記保持バンドの前記保持部は前記第1軌道溝の中央位置に前記長手方向に沿って形成された保持バンド用溝に遊嵌されて配設され,前記保持部の前記突起部は,前記保持バンド用溝から前記軌道路を転動する前記ボールに接触し得る高さにまで前記軌道路側に突出しており,
    前記軌道レールの前記第1軌道溝及び前記ケーシングの前記第2軌道溝から形成されている前記軌道路の形状は,ゴシックアーチ溝に形成されており,前記ケーシングのそれぞれの前記軌道路の入口部には口元面取り部が形成されており,
    前記保持バンドの前記突起部は前記口元面取り部に対向して位置決めされ,前記口元面取り部と前記突起部との間に前記ボールが転走する通路が形成されていることを特徴とする直動転がり案内ユニット。
  2. 前記エンドキャップのそれぞれの前記端面には,前記軌道レールとの間の隙間をシールすると共に,前記エンドキャップの前記端面に形成された前記保持バンド用凹溝に嵌入された前記保持バンドを前記エンドキャップに保持するエンドシールが配置されていることを特徴とする請求項に記載の直動転がり案内ユニット。
  3. 前記ボールが転走する前記循環路の一方は前記軌道レールの上側条列を形成し且つ他方は前記軌道レールの下側条列を形成する横置きの姿勢であって,前記保持バンドに形成された前記突起部は,少なくとも前記軌道レールの前記上側条列を形成する前記循環路に配設された前記保持バンドに形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の直動転がり案内ユニット。
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