JP6311449B2 - 直動案内装置 - Google Patents
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Description
また、スライダは、スライダ本体と、スライダ本体の両端部(前記長手方向の両端部であり、スライダの移動方向の両端部とも言える)に着脱可能に取り付けられたエンドキャップと、で構成されており、スライダの軌道面はスライダ本体の内側面に形成されている。さらに、スライダは、スライダ本体の内部に、転動通路と平行をなして前記長手方向に貫通する直線孔からなる戻し通路を備えている。
案内レールに組みつけられたスライダが案内レールに沿って前記長手方向に移動すると、転動通路内に装填されているボールは、転動通路内を転動しつつ案内レールに対してスライダと同方向に移動する。そして、ボールが転動通路の終点に達すると、エンドキャップに設けられたすくい上げ部によって転動通路からすくい上げられ方向転換路へ送られる。方向転換路に入ったボールはUターンして戻し通路に導入され、戻し通路を通って反対側の方向転換路に至る。ここで再びUターンして転動通路の始点に戻り、このような循環経路内の循環を無限に繰り返す。
転動体のすくい上げ部の強度や耐久性をより一層確保し、作動性や静粛性を向上させるために、すくい上げ部のタング先端部を案内レール側から覆うように保持器が配置された直動案内装置が提案されている(特許文献3を参照)。
このような事情から、エンドキャップの厚さを保持器の装着のために効果的に活用した直動案内装置が提案されている(特許文献5を参照)。すなわち、保持器の両端を折り曲げて、その折り曲げた両端部をエンドキャップと板状の別部品とで挟持することにより保持器をスライダに装着した直動案内装置が提案されている。
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、保持器が強固に固定されているとともに保持器による転動体の保持性に優れ、エンドキャップの厚さが小さくコンパクトな直動案内装置を提供することを課題とする。
この直動案内装置においては、前記長手方向の内側に向かう弾性力が生じるように前記第一線状部が前記長手方向の外側に弾性的に付勢されつつ前記保持器係合溝に係合されていてもよい。
そして、軌道面10,10の溝底部には、保持器4の一部(後述する直線部41)を収容して保持器4と案内レール1との干渉を防ぐ保持器用逃げ溝10a(ワイヤー溝)が、スライダ2の移動領域の両端間(例えば、案内レール1の前記長手方向の両端間)にわたって前記長手方向に沿って形成されている。保持器用逃げ溝10aの断面形状は例えば略三角形状、略矩形状である。
このようなスライダ2は、スライダ本体2Aと、スライダ本体2Aの両端部(前記長手方向の両端部であり、スライダ2の移動方向の両端部とも言える)に着脱可能に取り付けられたエンドキャップ2B,2Bと、を備えている。さらに、スライダ2の両端部(各エンドキャップ2Bの前記長手方向の外側)には、案内レール1の外面(上面1b及び側面1a,1a)に摺接して案内レール1とスライダ2との間の隙間の開口のうち前記長手方向の端面側に面する部分を密封するサイドシール5,5が装着されており、スライダ2の下部には、案内レール1とスライダ2との間の隙間の開口のうちスライダ2の下面側に面する部分を密封するアンダーシール(図示せず)が装着されている。これらサイドシール5,5及びアンダーシールにより、外部から前記隙間への異物の侵入や、前記隙間から外部への潤滑剤の漏出が防止されている。
これらの転動通路13内には複数の転動体3(ボール)が転動自在に装填されていて、転動通路13内でのこれらの転動体3の転動を介して、スライダ2が案内レール1に案内されて前記長手方向に移動可能となっている。保持器4は例えばワイヤーで形成されており、例えば案内レール1に組み付ける前など、案内レール1に組み付けられていない状態のスライダ2からの転動体3の脱落を防止するために、転動体3を保持する。
さらに、スライダ2は、スライダ本体2Aの左右両脚部6,6に、転動通路13,13と平行をなして前記長手方向に貫通する断面形状略円形の貫通孔からなる戻し通路14,14を備えている(図4,5を参照)。
案内レール1に組みつけられたスライダ2が案内レール1に沿って前記長手方向に移動すると、転動通路13内に装填されている転動体3は、転動通路13内を転動しつつ案内レール1に対してスライダ2と同方向に移動する。そして、転動体3が転動通路13の終点に達すると、エンドキャップ2Bに設けられたすくい上げ部18によって転動通路13からすくい上げられ方向転換路15へ送られる。方向転換路15に入った転動体3はUターンして戻し通路14に導入され、戻し通路14を通って反対側の方向転換路15に至る。ここで再びUターンして転動通路13の始点に戻り、このような循環経路内の循環を無限に繰り返す。
一方、スライダ2には、保持器4を装着するための機構が2つ設けられている。まず、第一の機構として、エンドキャップ2Bの前記長手方向の外端面には、保持器4の曲部42の第一線状部44を固定するための機構が設けられている。また、第二の機構として、エンドキャップ2Bの前記長手方向の外側には、保持器4をスライダ2に装着するための保持器装着部材5Bが備えられている。
この保持器係合溝21に第一線状部44を係合させることにより、保持器4をスライダ2に装着することができるが、スライダ2から保持器4がより脱落しにくくするためには、第一線状部44を保持器係合溝21に締め代を有するように係合させて保持器4の固定力を強くすることが好ましい。保持器係合溝21の溝底部の形状を以下のように形成することにより、第一線状部44を保持器係合溝21に締め代を有するように係合させることができる。
前記のように第一線状部44は湾曲しているが、第一線状部44が直線部41から前記幅方向外側に湾曲し、第二線状部45が第一線状部44の先端から前記長手方向の外側に湾曲しているので、第一線状部44のうち直線部41近傍の基部は前記長手方向外側に凸となり、第一線状部44のうち第二線状部45近傍の先端部は記長手方向内側に凸となっている。
突出部25の突出長さLは特に限定されるものではないが、スライダ2から保持器4が脱落しないような固定力を得るためには、0.3〜0.5mm程度の締め代となるように突出部25を形成することが好ましい。また、スライダ2から保持器4がより脱落しにくくするためには、第一線状部44と直線部41とのなす角度が鋭角となるように第一線状部44を直線部41から前記幅方向外側に湾曲させることが好ましい。
第二線状部45の先端部は、エンドキャップ2Bの前記長手方向の外端面よりも前記長手方向の外側に突出しており、この突出した第二線状部45の先端部がサイドシール5の芯金5B(保持器装着部材)の保持器係合孔23に収容されて係合されている。このとき、保持器係合孔23の前記幅方向の位置は、第二線状部45の先端部が本来位置するべき前記幅方向の位置(曲部42を保持器係合溝21に係合させた際に第二線状部45の先端部が位置する前記幅方向の位置)よりも前記幅方向の外側となっている。図6には、第二線状部45の先端部が本来位置するべき前記幅方向の位置を破線で示してある。
なお、保持器係合孔23の形成位置のずれ量は特に限定されるものではないが、0.1〜0.3mm程度が好ましい。また、本実施形態においては、エンドキャップ2Bの前記長手方向の外側に取り付けられたサイドシール5の芯金5Bを保持器装着部材として利用したが、芯金5B以外の部材を保持器装着部材として利用してもよいし、保持器4を装着するための専用の部材を保持器装着部材としてサイドシール5とエンドキャップ2Bとの間に配してもよい。
そのため、前記スペースの確保を優先して保持器4の厚さを可及的に小さくする必要がないので、保持器4の剛性は特許文献1,2等に開示の従来の保持器と同等以上となり、転動体3の保持性は十分なものとなる。スライダ2に対する保持器4の固定力が強く、保持器4による転動体3の保持性が高いので、直動案内装置の組立性に優れ、よって直動案内装置の生産性が高い。
このような本実施形態の直動案内装置は、半導体製造装置、液晶製造装置、実装機等に適用可能である。特に、本実施形態の保持器の装着機構は、小型の直動案内装置に対して好適である。
2 スライダ
2A スライダ本体
2B エンドキャップ
3 転動体
4 保持器
5B 保持器装着部材(芯金)
10 軌道面
11 軌道面
13 転動通路
14 戻し通路
15 方向転換路
18 すくい上げ部
21 保持器係合溝
23 保持器係合孔
41 直線部
42 曲部
44 第一線状部
45 第二線状部
Claims (2)
- 案内レールと、スライダと、複数の転動体と、を有し、
前記案内レール及び前記スライダは、互いに対向する位置に、前記転動体の転動通路を形成する軌道面をそれぞれ有し、
前記両軌道面は前記案内レールの長手方向に延び、
前記転動体は前記転動通路に配置され、
前記転動通路内での前記転動体の転動を介して、前記スライダが前記案内レールに案内されて前記長手方向に移動可能となっており、
前記案内レールに組み付けられていない状態の前記スライダから前記転動体が脱落することを防止する保持器を備える直動案内装置において、
前記スライダは、前記スライダの軌道面が形成されたスライダ本体と、前記スライダ本体の前記長手方向の両端部に着脱可能に固定されたエンドキャップと、を備えるとともに、前記スライダの軌道面に略平行な前記転動体の戻し通路を備え、前記エンドキャップに形成されたすくい上げ部で前記転動通路の終点の前記転動体をすくい上げて、前記エンドキャップに形成され且つ前記転動通路と前記戻し通路とを連通する方向転換路に送り、すくい上げた前記転動体を前記方向転換路と前記戻し通路で前記転動通路の始点へ搬送して循環させるようになっており、
前記保持器は、前記転動体を保持する中央の直線部と、前記スライダに固定される両端の曲部と、を備え、前記両曲部は、前記直線部の両端から前記案内レールの幅方向外側に曲がって延びる第一線状部と、前記第一線状部の先端から前記長手方向の外側に曲がって延びる第二線状部と、を有し、
前記エンドキャップの前記長手方向の外端面には、前記第一線状部が係合する保持器係合溝が形成されており、
前記エンドキャップの前記長手方向の外側には、前記保持器を前記スライダに装着するための保持器装着部材が備えられており、前記保持器装着部材には前記第二線状部が係合する保持器係合部が形成されており、
前記保持器は、前記直線部が前記すくい上げ部を前記案内レール側から覆うように配され、前記第一線状部が前記保持器係合溝に係合されるとともに、前記幅方向内側に向かう弾性力が生じるように前記第二線状部が前記幅方向外側に弾性的に付勢されつつ前記保持器係合部に係合されることにより、前記スライダに装着されていることを特徴とする直動案内装置。 - 前記長手方向の内側に向かう弾性力が生じるように前記第一線状部が前記長手方向の外側に弾性的に付勢されつつ前記保持器係合溝に係合されている請求項1に記載の直動案内装置。
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