JP6171391B2 - 直動案内装置 - Google Patents

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Description

本発明は直動案内装置に関する。
通常、直動案内装置においては、スライダの内部にグリース等の潤滑剤が封入され転動体や転動体軌道面の潤滑に供されるが、スライダの走行に伴って、スライダの内部の潤滑剤が転動体によって案内レールに転写されるようにしてスライダの外部に排出される。したがって、定期的なメンテナンスを行って、スライダの内部に潤滑剤を補充する必要がある。
一般的に直動案内装置には、案内レールとスライダとの間の隙間の開口を密封して、スライダの内部の潤滑剤が外部に漏出することを防ぐとともに、外部の異物がスライダの内部に侵入することを防ぐシールが備えられている。詳述すると、案内レールとスライダとの間の隙間の開口のうち、スライダの軸方向(案内レールの長手方向)端面側に面する部分を密封するサイドシールと、スライダの下面側に面する部分を密封するアンダーシールとが、スライダに装着されていて、前記開口の全体が密封されるようになっている。
しかしながら、上記のようにして前記開口の全体を密封したとしても、スライダの内部の潤滑剤が外部に漏出する場合がある。例えば、シールの形状精度や、スライダの走行によるシールの位置ずれ等により、サイドシールとアンダーシールとの継ぎ目に隙間が生じ、この隙間から潤滑剤が漏出する場合がある。
このようなシールとシールとの継ぎ目に生じた隙間から潤滑剤が漏出することを防ぐ技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1の技術においては、直動案内装置に通常備えられる複数のシールを一体化して無端状のシールとし、この無端状のシールで転動体の周囲を密封したので、シールの継ぎ目が存在せず、潤滑剤が漏出しにくい構造となっている。
特許第3802938号公報
特許文献1に記載の直動案内装置が備えるシールは、案内レールに滑り接触して密封に寄与するリップを有しているが、このリップは、被密封部である転動体周辺部分から離れる方向に傾斜しつつ案内レールに向かって延びている。このような形態のリップは、被密封部の外部から内部へ異物が侵入することを防ぐ性能は高いものの、被密封部の内部から外部へ潤滑剤が漏出することを防ぐ性能は十分高いとは言えず、改良の余地があった。
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、潤滑剤の漏出が生じにくい密封性に優れた直動案内装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の態様は、次のような構成からなる。すなわち、本発明の一態様に係る直動案内装置は、軸方向に延びる転動体軌道面を有する案内レールと、前記案内レールの転動体軌道面に対向する転動体軌道面を有するとともに軸方向に相対移動可能に前記案内レールに取り付けられたスライダと、前記案内レールの転動体軌道面及び前記スライダの転動体軌道面の間に形成される転動体転動路内に転動自在に配された複数の転動体と、前記複数の転動体を前記転動体転動路内に保持する保持器と、を備える直動案内装置であって、前記保持器は、前記転動体を収容する開口部を有するとともに、該開口部の周囲を囲んで前記開口部を密封する無端状のシール部を備え、前記シール部には、前記開口部の内側方向に傾斜しつつ前記案内レールに向かって延び前記案内レールに滑り接触する内向きリップが、前記シール部の全周にわたって連続して形成されていることを特徴とする。
前記シール部には、前記開口部の外側方向に傾斜しつつ前記案内レールに向かって延び前記案内レールに滑り接触する外向きリップがさらに形成されていてもよい。
前記スライダの軸方向端部には、前記案内レールと前記スライダとの間の隙間の開口を密封するサイドシールを装着してもよく、該サイドシールは、前記スライダの内側方向に傾斜しつつ前記案内レールに向かって延び前記案内レールに滑り接触するリップを有する内向きシールと、前記スライダの外側方向に傾斜しつつ前記案内レールに向かって延び前記案内レールに滑り接触するリップを有する外向きシールと、を備えていてもよい。
本発明の態様としては、以下の態様(1) 〜(11)が挙げられる。さらに、下記の(1) と(2)(5)(7)(9)のいずれかとを含む態様が挙げられる。
(1):軸方向に延びる転動体軌道面を有する案内レールと、前記案内レールの転動体軌道面に対向する転動体軌道面を有するとともに軸方向に相対移動可能に前記案内レールに取り付けられたスライダと、前記案内レールの転動体軌道面及び前記スライダの転動体軌道面の間に形成される転動体転動路内に転動自在に配された複数の転動体と、前記複数の転動体を前記転動体転動路内に保持する保持器と、を備える直動案内装置であって、前記保持器にアンダーシールが取り付けられていることを特徴とする直動案内装置。
(2):軸方向に延びる転動体軌道面を有する案内レールと、前記案内レールの転動体軌道面に対向する転動体軌道面を有するとともに軸方向に相対移動可能に前記案内レールに取り付けられたスライダと、前記案内レールの転動体軌道面及び前記スライダの転動体軌道面の間に形成される転動体転動路内に転動自在に配された複数の転動体と、前記複数の転動体を前記転動体転動路内に保持する保持器と、を備える直動案内装置であって、前記保持器は、前記転動体を収容する開口部を有するとともに、該開口部の周囲を囲んで前記開口部を密封する無端状のシール部を備え、前記シール部には、前記開口部の内側方向に傾斜しつつ前記案内レールに向かって延び前記案内レールに滑り接触する内向きリップが、前記シール部の全周にわたって連続して形成されていることを特徴とする直動案内装置。
(3): (2)記載の直動案内装置であって、前記シール部には、前記開口部の外側方向に傾斜しつつ前記案内レールに向かって延び前記案内レールに滑り接触する外向きリップがさらに形成されていることを特徴とする直動案内装置。
(4): (2)または(3) 記載の直動案内装置であって、前記スライダの軸方向端部には、前記案内レールと前記スライダとの間の隙間の開口を密封するサイドシールが装着され、該サイドシールは、前記スライダの内側方向に傾斜しつつ前記案内レールに向かって延び前記案内レールに滑り接触するリップを有する内向きシールと、前記スライダの外側方向に傾斜しつつ前記案内レールに向かって延び前記案内レールに滑り接触するリップを有する外向きシールと、を備えることを特徴とする直動案内装置。
(5):軸方向に延びるレール側転動体転動溝を両側面に有する案内レールと、前記案内レールの両側面に対向する位置に、前記案内レールの他の一面に対向する第1胴部を介して一体に連続する第1脚部をそれぞれ有し、各第1脚部に前記レール側転動体転動溝に対向するスライダ側転動体転動溝と内部の直線状の転動体戻し路とを有して前記案内レールへ相対移動可能に跨架されるスライダ本体と、前記案内レールの両側面に対向する位置に、前記案内レールの他の一面に対向する第2胴部を介して一体に連続する第2脚部をそれぞれ有して前記スライダ本体の軸方向両端面に個別に接合され、且つ各第2脚部に、対向する前記両転動体転動溝からなる直線状の負荷転動路と前記転動体戻し路とを連通させる円弧状の方向転換路が形成されたエンドキャップと、前記負荷転動路、前記転動体戻し路及び前記方向転換路から形成される転動体転動路内に転動自在に装填される複数の転動体と、前記案内レールの両側面に対向する各位置に、前記案内レールの他の一面に対向する第3胴部を介して一体に連続する第3脚部をそれぞれ有して前記エンドキャップの軸方向外側の端面に個別に接合され、且つ第3胴部と各第3脚部の前記案内レール側に向く面に前記案内レールに摺接するリップ部を備えたサイドシールと、前記第1脚部と第2脚部の前記案内レール側に向いた面における、前記スライダ側転動体転動溝と前記方向転換路よりも、前記第1胴部と第2胴部から遠い側に装着されて軸方向に延びるアンダーシールと、を有して、前記アンダーシールと前記サイドシールにより内外間がシールされ、前記エンドキャップに、前記案内レールに摺接し且つ中途で屈折されて当該エンドキャップと前記案内レールとの間で前記アンダーシールの端部を二方から囲む補助リップを設け、前記補助リップを、前記第2脚部の前記案内レール側に向いた面における、前記アンダーシールよりも前記第2胴部から遠い側に前記アンダーシールに沿って配置された軸方向リップと、この軸方向リップの前記サイドシール側の端部から一体をなし、前記第2脚部の前記案内レール側の面の前記サイドシールに近い縁に沿って前記軸方向と交差する方向に連続し且つ前記アンダーシールの端部に接して配置された交差方向リップと、から構成されるシール機構を有することを特徴とする直動案内装置。
(6): (5)記載の直動案内装置であって、前記補助リップにおける前記交差方向リップの側面に凹部を設け、この凹部に前記アンダーシールの端部を嵌合させたことを特徴とする直動案内装置。
(7):案内レールと、スライダと、複数個の転動体と、を備え、前記スライダは、前記案内レールの幅方向両側に配置される脚部と、この脚部および前記案内レールの上側に配置される胴部とからなり、前記案内レールおよびスライダは、互いに対向する位置に前記転動体の転動通路を形成する転動面を有し、前記スライダは、前記転動通路に転動体を保持する保持器を有し、前記案内レールの側面と前記スライダの内側面との隙間を前記脚部の先端側で密封するアンダーシールを有し、前記転動通路を前記転動体が転動することにより、前記案内レールおよび前記スライダの一方が他方に対して相対的に直線運動し、前記保持器は前記アンダーシールの取付部を有し、前記アンダーシールは、前記取付部に係合される基部と、前記案内レールの側面に押圧接触する内向きリップ部と、を有し、前記基部により前記保持器と前記脚部との間が塞がれていることを特徴とする直動案内装置。
(8): (7)記載の直動案内装置であって、前記取付部は、前記案内レール側に開口する溝部と、この溝部の下部を形成する鉤部とからなり、前記基部は、前記溝部に嵌まる凸部と、前記鉤部が嵌まる凹部を有し、前記鉤部と前記凹部が絞まり嵌め状態となっている。
(9):軸方向に延びる転動体軌道面を有する案内レールと、前記案内レールの転動体軌道面に対向する転動体軌道面を有するとともに軸方向に相対移動可能に前記案内レールに取り付けられたスライダと、前記案内レールの転動体軌道面及び前記スライダの転動体軌道面の間に形成される転動体転動路内に転動自在に配された複数の転動体と、を備え、前記転動体転動路を密封するための軸方向に延びる密封装置が、前記スライダに取り付けられ、前記案内レールに向かって延びて前記案内レールに滑り接触しており、前記密封装置の軸方向端面に当接して前記密封装置の軸方向変位を抑制するバックアップ部材が、前記スライダに設けられていることを特徴とする直動案内装置。
(10):(9)記載の直動案内装置であって、前記スライダの軸方向端部に取り付けられ前記案内レールに滑り接触して、前記案内レールと前記スライダとの間の隙間の開口のうち前記スライダの軸方向端面側に面する部分を密封するサイドシールをさらに備え、前記サイドシールは、前記案内レールに滑り接触する弾性体製のサイドシール本体と、前記サイドシール本体を補強する補強部材と、を備え、前記密封装置は前記スライダの軸方向端部まで延びて、前記密封装置の軸方向端面が前記サイドシールの補強部材に当接しており、前記サイドシールの補強部材を前記バックアップ部材としていることを特徴とする直動案内装置。
(11): (10)記載の直動案内装置であって、前記スライダの軸方向端部に取り付けられ前記案内レールに滑り接触して、前記案内レールと前記スライダとの間の隙間の開口のうち前記スライダの軸方向端面側に面する部分を密封するサイドシールをさらに備え、前記スライダの軸方向端部と前記サイドシールとの間に前記バックアップ部材が介装されており、前記スライダの軸方向端部まで延びた前記密封装置の軸方向端面が前記バックアップ部材に当接していることを特徴とする直動案内装置。
本発明の直動案内装置は、保持器がアンダーシールの取付部を有し、アンダーシールが取付部に係合される基部と案内レールの側面に押圧接触する内向きリップ部とを有し、基部により保持器と脚部との間が塞がれているので、潤滑剤の漏出が生じにくく密封性が優れている。
本発明に係る直動案内装置の一実施形態の構造を示す斜視図である。 図1の直動案内装置の断面図である。 図1の直動案内装置に使用される保持器の構造を説明する図である。 図3の保持器の軸方向端面図である。 サイドシール及び保持器が装着されたスライダの底面図である。 シート状に形成されたシール部が接着剤で接着された保持器の軸方向端面図である。 図6の保持器をA矢視方向から見た図である。 第二外向きリップを有するシール部を備える保持器の軸方向端面図である。 図8の保持器を組み込んだ直動案内装置の断面図である。 変形例のサイドシール及び保持器が装着されたスライダの底面図である。 本発明の実施形態を示す全体の斜視図である。 補助リップを装着する溝を示す拡大正面図である。 補助リップを示す図であって(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図である。 補助リップを装着した状態を示す図12と同様の拡大正面図である。 図14の状態のエンドキャップとサイドシールの各脚部の内側面を示すエンドキャップとサイドシールの断面図である。 図15の状態の補助リップとアンダーシールとの接触状態を示す図15の要部拡大図である。 図16の状態から補助リップとアンダーシールの接触状態を変更した状態を示す図16と同様の図である。 実施形態の直動案内装置を示す側面図である。 図18のA−A断面図である。 図19のB部分の拡大図である。 図18の直動案内装置のスライダからサイドシールを外した状態を示す正面図である。 図21のC部分の拡大図である。 図18の直動案内装置を構成するスライダを下から見た図である。 図18の直動案内装置のスライダを構成する第1のサイドシールのシール部材を示す正面図(a)、底面図(b)、背面図(c)、および(a)のE−E断面拡大図(d)である。 図18の直動案内装置のスライダを構成する第2のサイドシールのシール部材を示す正面図(a)、底面図(b)、背面図(c)、および(a)のE−E断面拡大図(d)である。 図23のD部分の拡大図である。 比較例の直動案内装置を示す図であって、図18のA−A断面図に対応する図である。 図27のF部分の拡大図である。 本発明に係る直動案内装置の一実施形態の構造を示す斜視図である。 図29の直動案内装置を軸方向端部側から見た正面図である。 図29の直動案内装置に使用される保持器の構造を説明する斜視図である。 図31の保持器の軸方向端面図である。 アンダーシールが装着された保持器の斜視図である。 サイドシール及び保持器が装着されたスライダの底面図である。 サイドシールの補強板の形状を説明する図である。 アンダーシールの軸方向端面がサイドシールの補強板に当接した状態を説明する図である。 インナーシールの軸方向端面がサイドシールの補強板に当接した状態を説明する図である。 従来のサイドシールの補強板の形状を説明する図である。
[第1実施形態]
本発明に係る直動案内装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係る直動案内装置の一実施形態の構造を示す斜視図である。また、図2は、図1の直動案内装置を軸方向に直交する平面で切断した場合の断面図である。さらに、図3は、図1の直動案内装置に使用される保持器の構造を説明する図である。さらに、図4は、図3の保持器の軸方向端面図である。さらに、図5は、サイドシール及び保持器が装着されたスライダの底面図である。
なお、これらの各図においては、同一又は相当する部分には、同一の符号を付してある。また、これ以降の説明において「断面」と記した場合は、特に断りがない限り、軸方向に直交する平面で切断した場合の断面を意味する。さらに、これ以降の説明における「上」,「下」,「左」,「右」等の方向を示す用語は、特に断りがない限り、説明の便宜上、図2におけるそれぞれの方向を意味するものである。
軸方向に延びる断面形状略四角形の案内レール1の上に、スライダ2が軸方向に移動可能に組み付けられている。この案内レール1の左右両側面1a,1aには、軸方向に延びる凹部がそれぞれ形成されている。そして、それら凹部内には、軸方向に延びる上下2つの傾斜面が略V字状をなすようにそれぞれ形成されていて、左右合計4つの傾斜面はそれぞれ転動体軌道面10をなしている。
また、スライダ2は、案内レール1の上面1bに沿う胴部7と、胴部7の左右両側部からそれぞれ下方に延び側面1aに沿う2つの脚部6,6と、からなり、胴部7と脚部6,6とのなす角度は略直角であるため、スライダ2の断面形状は、案内レール1の上面1b及び左右両側面1a,1aに沿う形状をなしている。そして、スライダ2は、両脚部6,6の間に案内レール1を挟むようにして、案内レール1の上に移動可能に取り付けられている。
このようなスライダ2は、スライダ本体2Aと、その軸方向両端部に着脱可能に取り付けられたエンドキャップ2B,2Bと、で構成されている。さらに、スライダ2の軸方向両端部(各エンドキャップ2Bの軸方向外端面)には、エンドキャップ2Bと同様の断面形状に形成されたサイドシール5,5が装着されている。さらに、サイドシール5は、図5に示すように、軸方向内側に配された板状の第一シール5A(本発明の構成要件である内向きシールに相当する)と、軸方向外側に配された板状の第二シール5B(本発明の構成要件である外向きシールに相当する)と、が軸方向に積層されてなる。
第一シール5Aと第二シール5Bはそれぞれ、樹脂,金属等からなる補強板21と、弾性体からなるシール本体22と、を備えている。そして、リップ部23が、シール本体22の内側面からさらに内方に突出して形成されていて、案内レール1の上面1b及び左右両側面1a,1a(転動体軌道面10を含む)に滑り接触しており、案内レール1とスライダ2との間の隙間の開口のうち、スライダ2の軸方向端面側に面する部分を密封している。
第一シール5Aのリップ部23は、スライダ2の内側方向に傾斜しつつ案内レール1に向かって延び案内レール1に滑り接触している。そのため、第一シール5Aによって、案内レール1とスライダ2との間の隙間から外部への潤滑剤の漏出が防止される(すなわち潤滑剤の密封性が優れている)。また、第二シール5Bのリップ部23は、スライダ2の外側方向に傾斜しつつ案内レール1に向かって延び案内レール1に滑り接触している。そのため、第二シール5Bによって、案内レール1とスライダ2との間の隙間への外部からの異物の侵入が防止される(すなわち防塵性が優れている)。
第一シール5A及び第二シール5Bのシール本体22を構成する弾性体としては、ゴムや可撓性の高い樹脂があげられる。具体的には、ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアセタール系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等があげられる。
なお、本実施形態においては、サイドシール5は2つのシール5A,5Bを積層してなるものであったが、3つ以上のシールを積層してなるものでもよい。また、本実施形態においては、軸方向内側に配された第一シール5Aがスライダ2の内側方向に傾斜しているリップ部23を有し、軸方向外側に配された第二シール5Bがスライダ2の外側方向に傾斜しているリップ部23を有しており、潤滑剤の密封性と防塵性とを優れたものとするためにはこのような構成が好ましい。ただし、これとは逆に、軸方向内側に配された第一シール5Aがスライダ2の外側方向に傾斜しているリップ部23を有し、軸方向外側に配された第二シール5Bがスライダ2の内側方向に傾斜しているリップ部23を有している構成とすることもできる。
さらに、スライダ本体2Aの左右両脚部6,6の内側面には、軸方向に延びる凸部が、案内レール1に向かって突出するように形成されている。そして、それら凸部上には、軸方向に延びる上下2つの傾斜面が略V字状をなすようにそれぞれ形成されていて、左右合計4つの傾斜面は、それぞれ案内レール1の転動体軌道面(転動面)10,10,10,10に対向する転動体軌道面(転動面)11,11,11,11をなしている。すなわち、案内レール1の転動体軌道面10とスライダ2の転動体軌道面11との数は同数である。
そして、案内レール1の転動体軌道面10,10,10,10とスライダ2の転動体軌道面11,11,11,11との間に、断面形状略矩形の転動体転動路13,13,13,13がそれぞれ形成されていて、これらの転動体転動路13,13,13,13は軸方向に延びている。この転動体転動路13内には、転動体である複数の円筒ころ3が、保持器8に保持されつつ転動自在に装填されていて、これらの円筒ころ3の転動を介してスライダ2が案内レール1に沿って軸方向に移動するようになっている。
この保持器8は、例えば樹脂材料(樹脂の例としてはポリアセタール、ポリアミドがあげられる)、金属材料(金属の例としてはアルミニウム、鋼があげられる)の成形品からなる。そして、保持器8は、軸方向に延びる略三角柱状の支柱部31と、支柱部31の平行な3辺のうち2辺から略V字状をなすように延びる2つの長方形枠状部32,32と、を備えている。長方形枠状部32には、長方形状の貫通孔である開口部33が形成されており、この開口部33内に複数の円筒ころ3(以下「転動体列」と記すこともある)が収容され保持されている。複数の円筒ころ3は、長方形枠状部32の長手方向に沿って並んでおり、円筒ころ3の両端面が開口部33の内面によって軸方向に案内されるようになっている。
そして、支柱部31の平行な3辺のうち長方形枠状部32が形成されていない残りの1辺が、スライダ本体2Aの脚部6の内側面に形成されている凸部の頂点部分に対向するように、且つ、2つの長方形枠状部32が転動体軌道面10,11に沿うように(すなわち、保持器8が脚部6の内側面に沿うように)、保持器8がスライダ2に固定されている。固定する部分は特に限定されるものではなく、例えば、支柱部31をスライダ本体2Aの脚部6の内側面に固定してもよいし、保持器8の軸方向両端部を両エンドキャップ2Bにそれぞれ固定してもよい。
さらに、保持器8は、開口部33の周囲を囲む無端状のシール部40を備えている。すなわち、保持器8に形成した溝にシール部40の基端部を嵌合させることにより、保持器8とシール部40を固定している。そして、シール部40には、開口部33の内側方向に傾斜しつつ案内レール1に向かって延び案内レール1に滑り接触する内向きリップ40aが、シール部40の全周にわたって連続して形成されている。よって、円筒ころ3と転動体軌道面10,11との潤滑のために供されたグリース、潤滑油等の潤滑剤(図示せず)が、無端状のシール部40によって開口部33内に密封される。
また、シール部40には、内向きリップ40aに加えて、開口部33の外側方向に傾斜しつつ案内レール1に向かって延び案内レール1に滑り接触する外向きリップ40bがさらに形成されている。この外向きリップ40bは、内向きリップ40aの外側(内向きリップ40aよりも開口部33から離れた位置)に形成されており、しかも内向きリップ40aはシール部40の全周にわたって形成されているが、外向きリップ40bは、略長方形状のシール部40のうち支柱部31から遠い側の長辺部分のみに、軸方向に沿って設けられている。すなわち、内向きリップ40aは無端状であるが、外向きリップ40bは直線状である。そして、外向きリップ40bは、その両端がサイドシール5,5に至るまで延びている。
この外向きリップ40bによって、潤滑剤の密封性がより高められるとともに、異物が転動体転動路13内に侵入することが防止される。詳述すると、2つの外向きリップ40bのうち下側の外向きリップ40b(スライダ2の下部に配されている外向きリップ40b)により、案内レール1とスライダ2との間の隙間の開口のうち、スライダ2の下面側に面する部分の防塵性が高められる。すなわち、下側の外向きリップ40bは、従来のアンダーシールの機能を有している。また、上側の外向きリップ40b(スライダ2の内側の角部近傍に配されている外向きリップ40b)により、サイドシール5を越えてスライダ2内に侵入した異物が案内レール1の上面1b側から転動体転動路13内に侵入することが防止される。すなわち、上側の外向きリップ40bは、従来のインナーシールの機能を有している。
これらシール部40は弾性体からなり、弾性体としては、ゴムや可撓性の高い樹脂があげられる。具体的には、ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアセタール系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等があげられる。
なお、外部からの異物の侵入を考慮する必要性が低い場合は、外向きリップ40bは設けなくてもよい。また、本実施形態においては、一つのシール部40に内向きリップ40aと外向きリップ40bが形成されているが、別体の二つのシール部を保持器8に設けて、一方の無端状シール部に内向きリップ40aを形成し、他方の直線状シール部に外向きリップ40bを形成してもよい。さらに、本実施形態においては、別体の部材である保持器8とシール部40は、嵌合により固定されていたが、接着剤による接着等の慣用の手段を嵌合に代えて用いることにより固定することも可能である。例えば、図6,7に示すように、シート状に形成されたシール部40を接着剤で保持器8の表面に接着してもよい。あるいは、保持器8が樹脂材料製である場合には、保持器8とシール部40は、二色成形等の方法により一体に成形されていてもよい。
さらに、スライダ2は、スライダ本体2Aの左右両脚部6,6の肉厚部分の上部及び下部に、転動体転動路13,13,13,13と平行をなして軸方向に貫通する断面形状略矩形の直線孔からなる直線状路(転動体戻し路)14,14,14,14を備えている。例えば、両脚部6に形成された軸方向に延びる孔16内に、円筒ころ3の形状に沿う断面形状の内面を有する管状部材18を挿入すれば、この管状部材18の内面で形成される直線孔により直線状路14が構成される。なお、転動体がボールである場合には、直線状路14は断面形状略円形とすることが好ましい。
一方、エンドキャップ2Bは、例えば樹脂材料の成形品からなり、スライダ本体2Aと同様の断面形状に形成されている。また、エンドキャップ2Bの裏面(スライダ本体2Aとの当接面)の左右両側には、断面形状略矩形の半ドーナツ状の湾曲路(図示せず)が上下二段に形成されている。このエンドキャップ2Bをスライダ本体2Aに取り付けると、湾曲路によって転動体転動路13と直線状路14とが連通される。これら直線状路14と両端の湾曲路とで、円筒ころ3を転動体転動路13の終点から始点へ送る転動体戻し路が構成され(転動体戻し路は転動体転動路13と同数設けられている)、転動体転動路13と前記転動体戻し路とで、略環状の転動体循環路が構成される。そして、この略環状の転動体循環路は、案内レール1を挟んで左右両側に形成される。
案内レール1に組みつけられたスライダ2が案内レール1に沿って軸方向に移動すると、転動体転動路13内に装填されている円筒ころ3は、転動体転動路13内を転動しつつ案内レール1に対してスライダ2と同方向に移動する。そして、円筒ころ3が転動体転動路13の終点に達すると、転動体転動路13からすくい上げられ湾曲路へ送られる。湾曲路に入った円筒ころ3はUターンして直線状路14に導入され、直線状路14を通って反対側の湾曲路に至る。円筒ころ3は、ここで再びUターンして転動体転動路13の始点に戻り、このような転動体循環路内の循環を無限に繰り返す。
一般に直動案内装置においては、転動体や転動体軌道面の潤滑のためにスライダの内部に配された潤滑剤が、スライダの走行(転動体の転動)に伴って、転動体によって案内レールに転写されるようにしてスライダの外部に排出される。しかしながら、本実施形態の直動案内装置は、転動体である円筒ころ3や転動体軌道面10,11の潤滑のためにスライダ2の内部に配された潤滑剤が、無端状のシール部40によって開口部33内に密封されている。
詳述すると、シール部40は無端状に連続しており継ぎ目が存在しないので、継ぎ目に生じた隙間から潤滑剤が漏出するということがなく、潤滑剤が開口部33内に密封される。しかも、シール部40のリップは、開口部33の内側方向に傾斜しつつ案内レール1に向かって延び案内レール1に滑り接触する内向きリップ40aであるため、開口部33の外側方向に傾斜しつつ案内レール1に向かって延びる外向きリップと比べて、潤滑剤がリップを越えて漏出しにくく、潤滑剤を密封する性能が高い。
よって、走行するスライダ2の内部に潤滑剤が保持され、しかも潤滑を必要とする円筒ころ3の周辺部分に潤滑剤が密封され、潤滑が必要な箇所に潤滑剤が集中するので、潤滑効果が高く、本実施形態の直動案内装置は長寿命である。なお、潤滑剤が円筒ころ3を伝ってスライダ2の内部から外部に漏出することを防ぐためには、内向きリップ40aを有する無端状のシール部40で、円筒ころ3のできるだけ直近部分を囲むことが好ましい。そうすれば、潤滑剤の漏出防止とともに、潤滑を必要とする円筒ころ3の直近部分に潤滑剤が密封されるので、潤滑効果がより高く、本実施形態の直動案内装置がより長寿命となる。
さらに、シール部40には、内向きリップ40aに加えて外向きリップ40bが形成されているので、潤滑剤の密封性がより高められるとともに、異物が外向きリップ40bを越えて内部に侵入しにくく、本実施形態の直動案内装置は防塵性が優れている。さらに、図8,9に示すように、外向きリップ40bの外側(外向きリップ40bよりも開口部33から離れた位置)に、開口部33の外側方向に傾斜しつつ案内レール1に向かって延び案内レール1に接触しない第二外向きリップ40cをさらに設けてもよい。第二外向きリップ40cの形状や構成は、外向きリップ40bとほぼ同様である。案内レール1に接触しないことにより第二外向きリップ40cは変形しないので、異物が第二外向きリップ40cを越えて内部に侵入しにくく、直動案内装置は防塵性がより優れたものとなる。
さらに、スライダ2の軸方向両端部に装着されたサイドシール5は、スライダ2の内側方向に傾斜しているリップ部23を有する第一シール5Aと、スライダ2の外側方向に傾斜しているリップ部23を有する第二シール5Bとが軸方向に積層されてなる。よって、案内レール1とスライダ2との間の隙間の開口のうち、スライダ2の軸方向端面側に面する部分の潤滑剤の密封性及び防塵性が優れている。
スライダ2の軸方向端部からは、潤滑剤の漏出や異物の侵入が生じやすいが、上記のような構成のサイドシール5によって、スライダ2の軸方向端部の潤滑剤の密封性及び防塵性が高められている。ただし、外部からの異物の侵入を考慮する必要性が低い場合は、スライダ2の内側方向に傾斜しているリップ部23を有する第一シール5Aのみでサイドシール5を構成してもよい。そうすれば、シールの摩擦力を低減することができるので、スライダ2の移動をより円滑に行うことができる。また、サイドシール5とシール部40との継ぎ目の隙間から潤滑剤が漏出するおそれがある場合には、潤滑剤の漏出を防止するために、シール部40とサイドシール5のシール本体22とが継ぎ目なく連続して形成されたシール(すなわち、シール部40とサイドシール5とが一体的に形成されたシール)を用いてもよい。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、開口部33は、転動体列の全体を収容する大きなものでもよいし、転動体列を構成する複数の円筒ころ3のうち一部を収容する開口部を複数有し、これら複数の開口部で転動体列を構成する複数の円筒ころ3の全部を収容する構成としてもよい。あるいは、各円筒ころ3を個別に収容する開口部を複数有し、これら複数の開口部で転動体列を構成する複数の円筒ころ3の全部を収容する構成としてもよい。
また、開口部を複数有する場合には、各開口部を囲む無端状のシール部40を複数有してもよいし、複数の開口部を囲む一つの無端状のシール部40を有してもよい。
さらに、上記のような構成のサイドシール5に代えて、従来の一般的なサイドシールを用いてもよい。従来の一般的なサイドシールは、図10に示すように、先端が二股に分かれたリップを備えるものである。すなわち、このサイドシール50は、スライダ2の内側方向に傾斜しつつ案内レール1に向かって延び案内レール1に滑り接触する内向きリップ51と、スライダ2の外側方向に傾斜しつつ案内レール1に向かって延び案内レール1に滑り接触する外向きリップ52とを有する。そして、内向きリップ51よりも外向きリップ52の方が大きく形成されている。
図10に示す変形例の直動案内装置は、サイドシール50が上記のような二股のリップを有していることから、前述した本実施形態の直動案内装置と比べて、内向きリップ51による潤滑剤の密封性はやや低いものの、外向きリップ52による防塵性は同等程度に優れているとともに、サイドシール50の摩擦力が低い。
さらに、ころの種類は円筒ころに限定されるものではなく、円すいころ,針状ころ等の他種のころも使用可能である。また、転動体はころに限定されるものではなく、ボールであってもよい。転動体がボールである場合には、転動体軌道面10,11は平面ではなく断面略円弧状の溝面からなり、転動体転動路13は断面形状略円形となる。さらに、転動体がころである場合は、案内レール1及びスライダ2が備える転動体軌道面10,11の数は、それぞれ複数であればよく、片側二列に限らず片側三列などであってもよい。また、転動体がボールである場合は、案内レール1及びスライダ2が備える転動体軌道面10,11の数は、それぞれ単数(片側一列)でもよいし複数(片側二列以上)でもよい。
さらに、本実施形態の直動案内装置において潤滑剤として使用可能なグリースの種類は特に限定されるものではなく、一般的なグリースを使用することが可能であるが、増ちょう剤としてウレア化合物を用いたウレアグリースや、増ちょう剤としてリチウム石けんを用いたリチウム石けんグリースが好ましい。また、グリースのちょう度は445以上475以下が好ましい。このようなちょう度を有するグリースは、流動性が高いので、転動体循環路内の全体に行き渡りやすい。そのため、直動案内装置が潤滑不良となりにくい。本実施形態の直動案内装置はシール部40を備えているので、流動性の高いグリースであっても漏出が生じにくい。
[第2実施形態]
図11は、直動案内装置の一例を示す斜視図であり、図では長さを短く表した案内レール10とスライダ本体20とエンドキャップ30とサイドシール40とを備えている。また、同図ではエンドキャップ30とサイドシール40とをスライダ本体20に固定するためのねじの図示を省略している。
直動案内装置は、図11に示すように案内レール10が軸方向とその左右方向に水平をなし、その上面に、スライダ本体20と、エンドキャップ30と、サイドシール40からなるスライダ100が跨架される例が多いため、この実施の形態においても軸方向(案内レール10の長手方向)と上下方向と左右方向の向きをこの例に沿って説明する。したがって、案内レール10の軸方向や上下方向や左右方向に傾斜などの変更が加えられた場合には、その姿勢に倣って各部の方向や傾きを解釈するものとする。
前記案内レール10は、軸方向に延びるレール側転動体転動溝(転動面)11を左右の両側面において上下2段に有する。
スライダ本体20は、前記案内レール10の左右両側面に対向する位置に、前記案内レール10の上面に対向する第1胴部21を介して一体に連続する左右の第1脚部22、22をそれぞれ有し、各第1脚部22、22に前記レール側転動体転動溝11に対向する、図には表れないスライダ側転動体転動溝(転動面)と内部の直線状の転動体戻し路とを有して前記案内レール10へ相対移動可能に上面から跨架されている。前記案内レール10のレール側転動体転動溝11と、これと対向するスライダ本体20のスライダ側転動体転動溝とによって、案内レール10とスライダ本体20との間に直線状の負荷転動路(転動体転動路)が形成されている。
エンドキャップ30もスライダ本体20と同様に案内レール10へ上面から跨架されるものである。このエンドキャップ30は、前記案内レール10の左右両側面に対向する位置に、前記案内レール10の上面に対向する第2胴部31を介して一体に連続する左右の第2脚部32、32をそれぞれ有している。このエンドキャップ30は2個あって、前記スライダ本体20の軸方向両端面に個別に接合されている。またエンドキャップ30には、各第2脚部32、32の案内レール10側の面に、前記案内レール10とスライダ本体20との間の直線状の負荷転動路とスライダ本体20内の前記転動体戻し路とを連通させる円弧状の方向転換路33、33が形成されている。
また、いずれも図示されない前記負荷転動路及び前記転動体戻し路と、図15に示された前記方向転換路33、33とにより形成される図示されない転動体転動路内には、これも図示されない多数の転動体が転動自在に装填されている。この実施形態では転動体としてはころが用いられるが、玉を用いるのものであってもよい。
サイドシール40も、スライダ本体20及びエンドキャップ30と同様に案内レール10に上面から跨架されるものである。このサイドシール40は、前記案内レール10の左右両側面に対向する各位置に、前記案内レール10の上面に対向する第3胴部41を介して一体に連続する左右の第3脚部42、42をそれぞれ有している。このサイドシール40も2個あって、前記2つのエンドキャップ30の軸方向外側の各端面に個別に接合されている。そして第3胴部41と各第3脚部42、42の内側の面、つまり前記案内レール10側に向く面に前記案内レール10に摺接するリップ部43を備えている。
前記第1脚部22と第2脚部32の前記案内レール10側に向いた面にはアンダーシール50とインナーシール51とが装着されている。アンダーシール50は、転動体転動溝と方向転換路33よりもさらに下側(請求項5に記載した、前記第1胴部21と第2胴部31から遠い側、に相当)に装着されて軸方向に延びている。第1脚部22から第2脚部32に連続して形成されるスライダ側転動体転動溝と方向転換路33の表面には、これらに沿って図示しない転動体保持器が固定されている。前記アンダーシール50とインナーシール51はその保持器の溝に、例えば前記特許文献1に記載されるように、基部が嵌合されることにより支持されている。なお、インナーシール51は直動案内装置の使用態様によっては装着していなくともよいが、この実施形態では、インナーシール51の端部はサイドシール40のリップ部43に当たっていて、これにより内外間をシールしている。また、アンダーシール50とインナーシール51の少なくともいずれかは、転動体保持器を介して前記第1及び第2脚部22、32に装着されるものでなく、両脚部22、32に直接装着されるものでもよい。
前記エンドキャップ30には、補助リップ60を装着している。この補助リップ60は、長手方向の全体において前記案内レール10に摺接し且つ中途で屈折されて当該エンドキャップ30と前記案内レール10との間で前記アンダーシール50の端部を二方から囲むものである。
この補助リップ60は、前記エンドキャップ30の第2脚部32の前記案内レール10側に向いた面に取り付けられるものであって、一例として図13(a)に斜視図で示されるように、軸方向リップ61と交差方向リップ62とから構成されている。軸方向リップ61は、前記第2脚部32の前記案内レール10側に向いた面において、前記アンダーシール50よりも下側(請求項5に記載した、前記第2胴部から遠い側)に前記アンダーシール50に沿って配置されている。
交差方向リップ62は軸方向リップ61と一体をなし、軸方向リップ61の前記サイドシール40側の端部から、前記第2脚部32の前記案内レール10側の面の前記サイドシール40に近い縁に沿って上方向(前記軸方向と交差する方向のうち第2胴部31に近づく方向)に連続し、全体としてL字型に近い形状をなしている。
かかる補助リップ60はアンダーシール50やインナーシール51と同様の材質からなり、補助リップ60と同形状のL字型に近い形状に第2脚部32の前記面に形成された凹溝34に、長手方向に沿う一側が嵌まり込んで固定されている。補助リップ60の他側は案内レール10に向けて突出されて、案内レール10には適宜の締め代をもって摺接するようになっている。補助リップ60の突出端63は楔状に尖っていて、補助リップ60の全長にわたって案内レール10への摺接により変形して案内レール10に密接するようになっている。
また、特に図16により拡大して示すように、補助リップ60の交差方向リップ62には、内側、つまりスライダ本体20側の面に前記アンダーシール50の端部が突き当てられていて、交差方向リップ62とアンダーシール50とにより、案内レール10とエンドキャップ30との間において内外間をシールしている。図17は、交差方向リップ62におけるアンダーシール50が接する位置に凹部62aを設けて、この凹部62aにアンダーシール50の端部を嵌合させた例である。
ここで、スライダ本体20内の転動体戻し路内にはグリースなどの潤滑剤が封入されている。そして案内レール10に対するスライダ100の走行に伴い、多数のころが前記負荷転動路と、方向転換路33と、転動体戻し路とを循環することになる。このとき、スライダ本体20内の潤滑剤はころによって案内レール10に転写されるようにしてスライダ100外に持ち出される。
そこで、この直動案内装置では、スライダ本体20及びエンドキャップ30の各脚部22、32と、案内レール10の左右側面との間は、アンダーシール50とインナーシール51とサイドシール40のリップ43とによって軸方向両側と上下方向が閉塞されている。よって、スライダ本体20内部からころによって案内レール10に持ち出された潤滑剤は、前記のシール50、51とリップ43とに囲まれた内部に留まることになる。
特に、この実施形態では、図16に示されるように、アンダーシール50の端部は補助リップ60により囲まれ、アンダーシール50の端部が補助リップ60の交差方向リップ62に突き当てられている。このため、エンドキャップ30の下部においては、アンダーシール50と交差方向リップ62によって潤滑剤の漏れを防止する。また、サイドシール40側には交差方向リップ62が第1次的にシールし、これを超えた潤滑剤は交差方向リップ62とサイドシール40のリップ部43とで最終的にシールする。ここで交差方向リップ62はエンドキャップ30の第2脚部32の高さ全体のうち、この実施形態では下の3分の1程度の高さのみに形成されているが、潤滑剤が漏れる場合には重力によって脚部32の下部から漏れるものであるため、この程度の高さまでシールされれば第1次的には問題はない。
ここで、運転中の変形などによって、アンダーシール50の端部が補助リップ60の交差方向リップ62に突き当てられた状態が崩れ、アンダーシール50の先端が交差方向リップ62から離れる場合が想定される。しかし、この場合であっても、アンダーシール50の端部は、補助リップ60の軸方向リップ61と交差方向リップ62に囲まれているので、下方へは、補助リップのうちの軸方向リップ61が漏れをシールする。
また、一方の軸方向リップ61はアンダーシール50の下側の近い位置にあって、両者の間隔が狭くなっており、他方の交差方向リップ62はサイドシール40のリップ部43の内側の近い位置にあって、ここでも両者の間隔が狭くなっている。このため、アンダーシール50の端部と交差方向リップ62との突き当たり部分から漏れる潤滑剤は、軸方向リップ61とアンダーシール50との狭く長い隙間により外部への漏れが抑制される。また、前記の第1次シールを超えて、交差方向リップ62の上端を乗り越える潤滑剤は、交差方向リップ62とリップ部43との、これも狭く長い隙間により外部への漏れが抑制される。
かくして、第2脚部32の内側において、狭く長い隙間による一種のラビリンス効果により下方と軸方向への潤滑剤の漏れが抑制されるが、これらの狭く長い隙間を閉じれば、潤滑剤のこれらの間からの漏れはなくなる。すなわち、軸方向リップ61とアンダーシール50との間と、交差方向リップ62とサイドシール40のリップ部43との間の隙間を、いずれもアンダーシール50やリップ部43の幅寸法を拡大することによりなくすことができる。そうすれば、潤滑剤が漏れる隙間がなくなるから、その漏れを防止することができる。アンダーシール50やリップ部43の幅寸法の拡大は、これらのエンドキャップ30やサイドシール40への取り付け部の幅寸法は従来通りのままでも可能である。つまり、アンダーシール50やリップ部43の、エンドキャップ30の第2脚部32やサイドシール40の第3脚部42から案内レール10に向けて突出する部分の幅寸法を拡げて、ここを軸方向リップ61と交差方向リップ62に接触させればよいからである。
図17は、前記交差方向リップ62の側面に凹部62aを設け、この凹部62aに前記アンダーシール50の端部を嵌合させた例である。これにより、交差方向リップ62とアンダーシール50の結合が緊密になるからシール性が向上するし、仮にここに漏れが生じても、凹凸嵌合部によりさらなるラビリンス効果を得ることができる効果がある。
なお、補助リップ60及びアンダーシール50の断面形状はこの実施形態で使用した図示のものに限定されるものはない。
[第3実施形態]
この実施形態の直動案内装置は、図18および19に示すように、案内レール1と、スライダ2と、複数個の円筒ころ(転動体)3とを備えている。案内レール1およびスライダ2は、互いに対向配置されて円筒ころ3の転動通路を形成する転動面(転動面)11,21を有する。スライダ2は、さらに、円筒ころ3の戻し通路(転動体戻し路)22と、戻し通路22と転動通路とを連通させる方向転換路(図示されない)を有する。
そして、案内レール1の転動面11とスライダ2の転動面21からなる転動通路、戻し通路22、および方向転換路で、円筒ころ3の循環経路が構成されている。この循環経路内を円筒ころ3が循環することにより、案内レール1およびスライダ2の一方が他方に対して相対的に直線運動する。
スライダ2は、金属製の本体210と、本体210の直動方向両端に固定される合成樹脂製のエンドキャップ220と、エンドキャップ220の直動方向両端に固定される第1のサイドシール230、第2のサイドシール240、およびカバー234を有する。
本体210は、図19に示すように、案内レール1の幅方向両側に配置される脚部211と、案内レール1の上側および両脚部211の上に配置される胴部212と、からなり、脚部211の案内レール1の転動面11と対向する面に転動面21が形成されている。エンドキャップ220は、図21に示すように、案内レール1の幅方向両側に配置される脚部221と、案内レール1の上側および両脚部221の上に配置される胴部222と、からなり、脚部221内に方向転換路が形成されている。
スライダ2は、さらに、転動通路に円筒ころ3を保持する保持器250と、案内レール1の側面とスライダ2の内側面との隙間を脚部211の先端側で密封するアンダーシール260と、案内レール1の側面とスライダ2の内側面との隙間を脚部211の基端側で密封するインナーシール270を有する。
保持器250は、図19に示すように、直動方向に延びる略三角柱状の支柱部251と枠状部252A,252Bとからなる。支柱部251の断面形状は略直角三角形であり、直角部を挟んで隣り合う支柱部251の二面で、上下の円筒ころ3の端面が支持される。枠状部252Aは、下側の円筒ころ3を支持する開口部253Aを有する。枠状部252Bは、上側の円筒ころ3を支持する開口部253Bを有する。
保持器250の枠状部252Aに、アンダーシール260の取付部254が形成されている。保持器250の枠状部252Bに、インナーシール270の取付溝255が形成されている。
エンドキャップ220には、図21に示すように、アンダーシール260の長手方向端部を嵌める溝226と、インナーシール270の長手方向端部を嵌める溝227が形成されている。
図19〜図23に示すように、アンダーシール260は、案内レールの側面に押圧接触する内向きリップ部261と、保持器250の取付部254に係合される基部262と、エンドキャップ220の溝226に係合される基部263を有する。
図19および21に示すように、スライダ2の本体210とエンドキャップ220とでは、脚部211,221と案内レール1の側面との隙間が異なる。そのため、アンダーシール260は、スライダ2の長手方向において、本体210の範囲に設置される基部262と、エンドキャップ220の範囲に配置される基部263の断面形状が異なる。
アンダーシール260の基部262を取り付ける保持器250の取付部254は、図20に示すように、案内レール1側に開口する溝部254aと、溝部254aの下部を形成する鉤部254bとからなる。アンダーシール260の基部262は、溝部254aに嵌まる凸部262aと、鉤部254bが嵌まる凹部262bを有し、鉤部254bと凹部262bが絞まり嵌め状態となっている。
図19および図21に示すように、インナーシール270の基部は、保持器250の取付溝255とエンドキャップ220の溝227に取り付けられている。インナーシール270のリップ部は、基部から斜め上方に延びて案内レール1の側面に接触している。
第1のサイドシール230は、図23、図24、および図26に示すように、基部231aとリップ部231bを有するシール部材231と、シール部材231を保持する保持板232とからなる。保持板232の厚さ方向の一面に、シール部材231の基部231aと凹凸の嵌め合いで係合する係合部232aが形成されている。シール部材231の基部231aは、リップ部231bの向きと反対側の面で、保持板232の係合部232aと係合されている。
第1のサイドシール230のシール部材231の下端では、基部231aとリップ部231bとの境界の溝231cが塞がれている。シール部材231の下端で溝231cが塞がれているサイドシールは、塞がれていないものと比較して密封性が向上する。
第2のサイドシール240は、図23、図25、および図26に示すように、基部241aとリップ部241bを有するシール部材241と、シール部材241を保持する保持板242とからなる。保持板242の厚さ方向の一面に、シール部材241の基部241aと凹凸の嵌め合いで係合する係合部242aが形成されている。シール部材241の基部241aは、リップ部241bの向きと反対側の面で、保持板242の係合部242aと係合されている。
第2のサイドシール240のシール部材241の下端では、基部241aとリップ部241bとの境界の溝241cが塞がれていない。
エンドキャップ220の直動方向両端部に、第1のサイドシール230がリップ部231bを内向きにして、第2のサイドシール240がリップ部241bを外向きにして、この順に配置され、さらにカバー234が配置されている。そして、第1のサイドシール230と第2のサイドシール240は、カバー234側から挿入したネジにより、エンドキャップ220を介して本体210に固定されている。
この実施形態の直動案内装置では、アンダーシール260により、案内レール1の側面とスライダ2の隙間が、本体210およびエンドキャップ220の脚部211,221の先端側で密封されている。具体的には、アンダーシール260の内向きリップ部261が案内レール1の側面に押圧接触するとともに、アンダーシール260の基部262で保持器250と本体210の脚部211との間が塞がれている。
また、第1および第2のサイドシール230,240により、スライダ2の直動方向両端部が密封されている。そして、第1のサイドシール230は内向きのリップ231bを有し、シール部材231の下端で溝231cが塞がれている。さらに、インナーシール270により、案内レール1の側面とスライダ2の内側面との隙間が、脚部211の基端側で密封されている。
したがって、この実施形態の直動案内装置は、図27および図28に示す比較例の直動案内装置と比較して、スライダ2内からの潤滑剤流出防止効果が高い。比較例の直動案内装置は、アンダーシール260とは異なるアンダーシール280が取り付けられていることを除いて、実施形態の直動案内装置と同じである。
図27および図28に示す比較例の直動案内装置では、外向きリップ部281を備えたアンダーシール280が、保持器250の枠状部252Aの溝部254aに取り付けられていて、アンダーシール280により保持器250とスライダ2の脚部211との間が塞がれていない。
また、この実施形態の直動案内装置は、アンダーシール260の基部262の凹部262bが保持器250の鉤部254bと絞まり嵌め状態となっているため、アンダーシール260が保持器250から外れにくい。
さらに、この実施形態の直動案内装置は、外向きのリップ部241bを有する第2のサイドシール240が、内向きのリップ231bを有する第1のサイドシール230より直動方向外側に配置されているため、スライダ2の内部に異物が侵入することを防止する効果も得られる。
[第4実施形態]
本発明に係る直動案内装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図29は、本発明に係る直動案内装置の一実施形態の構造を示す斜視図である。また、図30は、図29の直動案内装置を軸方向端部側から見た正面図(ただし、左側半分はサイドシール及びエンドキャップを省略して図示している)である。さらに、図31は、図29の直動案内装置に使用される保持器の構造を説明する斜視図である。さらに、図32は、図31の保持器の軸方向端面図である。さらに、図33は、アンダーシール(又はインナーシール)が装着された保持器の斜視図である。さらに、図34は、サイドシール及び保持器が装着されたスライダの底面図である。
なお、これらの各図においては、同一又は相当する部分には、同一の符号を付してある。また、これ以降の説明において「断面」と記した場合は、特に断りがない限り、軸方向に直交する平面で切断した場合の断面を意味する。さらに、これ以降の説明における「上」,「下」,「左」,「右」等の方向を示す用語は、特に断りがない限り、説明の便宜上、図30におけるそれぞれの方向を意味するものである。
軸方向に延びる断面形状略四角形の案内レール1の上に、断面形状略コ字状のスライダ2が軸方向に移動可能に組み付けられている。この案内レール1の左右両側面1a,1aには、軸方向に延びる凹部がそれぞれ形成されている。そして、それら凹部内には、軸方向に延びる上下2つの傾斜面が略ハ字状にそれぞれ形成されていて、左右合計4つの傾斜面はそれぞれ転動体軌道面10をなしている。
また、スライダ2は、案内レール1の上面1bに沿う胴部7と、胴部7の左右両側部からそれぞれ下方に延び側面1aに沿う2つの脚部6,6と、からなり、胴部7と脚部6,6とのなす角度は略直角であるため、スライダ2の断面形状は略コ字状をなしている。そして、スライダ2は、両脚部6,6の間に案内レール1を挟むようにして、案内レール1に移動可能に取り付けられている。このようなスライダ2は、スライダ本体2Aと、その軸方向両端部に着脱可能に取り付けられたエンドキャップ2B,2Bと、で構成されている。
さらに、スライダ本体2Aの左右両脚部6,6の内側面には、軸方向に延びる凸部が、案内レール1の側面1aに向かって突出するように形成されている。そして、それら凸部上には、軸方向に延びる上下2つの傾斜面が略ハ字状にそれぞれ形成されていて、左右合計4つの傾斜面は、それぞれ案内レール1の転動体軌道面(転動面)10,10,10,10に対向する転動体軌道面(転動面)11,11,11,11をなしている。すなわち、案内レール1の転動体軌道面10とスライダ2の転動体軌道面11との数は同数である。
そして、案内レール1の転動体軌道面10,10,10,10とスライダ2の転動体軌道面11,11,11,11との間に、断面形状略矩形の転動体転動路13,13,13,13がそれぞれ形成されていて、これらの転動体転動路13,13,13,13は軸方向に延びている。この転動体転動路13内には、転動体である複数の円筒ころ3が、保持器8,8に保持されつつ転動自在に装填されていて、これらの円筒ころ3の転動を介してスライダ2が案内レール1に沿って軸方向に移動するようになっている。
この保持器8は、例えば樹脂材料(樹脂の例としてはポリアセタール、ポリアミドがあげられる)、金属材料(金属の例としてはアルミニウム、鋼があげられる)の成形品からなり、軸方向に延びる略三角柱状の支柱部31と、支柱部31の平行な3辺のうち2辺から略ハ字状をなすように延びる2つの長方形枠状部32,32と、を備えている。長方形枠状部32には、長方形状の貫通孔である開口部33が形成されており、この開口部33内に複数の円筒ころ3が収容され保持されている。複数の円筒ころ3は、長方形枠状部32の長手方向に沿って並んでおり、円筒ころ3の両端面が開口部33の内面によって軸方向に案内されるようになっている。
そして、支柱部31の平行な3辺のうち長方形枠状部32が形成されていない残りの1辺が、スライダ本体2Aの脚部6の内側面に形成されている凸部の頂点部分に対向するように、且つ、2つの長方形枠状部32が転動体軌道面10,11に沿うように(すなわち、保持器8が脚部6の内側面に沿うように)、保持器8がスライダ2に固定されている。固定する部分は特に限定されるものではなく、例えば、支柱部31をスライダ本体2Aの脚部6の内側面に固定してもよいし、保持器8の軸方向両端部を両エンドキャップ2Bにそれぞれ固定してもよい。
さらに、スライダ2は、スライダ本体2Aの左右両脚部6,6の肉厚部分の上部及び下部に、転動体転動路13,13,13,13と平行をなして軸方向に貫通する断面形状略矩形の直線孔からなる直線状路14,14,14,14を備えている。例えば、両脚部6に形成された軸方向に延びる孔16内に、円筒ころ3の形状に沿う断面形状の内面を有する管状部材18を挿入すれば、この管状部材18の内面で形成される直線孔により直線状路14が構成される。なお、転動体がボールである場合には、直線状路14は断面形状略円形とすることが好ましい。
一方、エンドキャップ2Bは、例えば樹脂材料の成形品からなり、断面形状が略コ字状に形成されている。また、エンドキャップ2Bの裏面(スライダ本体2Aとの当接面)の左右両側には、断面形状略矩形の半ドーナツ状の湾曲路(図示せず)が上下二段に形成されている。このエンドキャップ2Bをスライダ本体2Aに取り付けると、湾曲路によって転動体転動路13と直線状路14とが連通される。これら直線状路14と両端の湾曲路とで、円筒ころ3を転動体転動路13の終点から始点へ送る転動体戻し路が構成され(転動体戻し路は転動体転動路13と同数設けられている)、転動体転動路13と前記転動体戻し路とで、略環状の転動体循環路が構成される。そして、この略環状の転動体循環路は、案内レール1を挟んで左右両側に形成される。
案内レール1に組みつけられたスライダ2が案内レール1に沿って軸方向に移動すると、転動体転動路13内に装填されている円筒ころ3は、転動体転動路13内を転動しつつ案内レール1に対してスライダ2と同方向に移動する。そして、円筒ころ3が転動体転動路13の終点に達すると、転動体転動路13からすくい上げられ湾曲路へ送られる。湾曲路に入った円筒ころ3はUターンして直線状路14に導入され、直線状路14を通って反対側の湾曲路に至る。ここで再びUターンして転動体転動路13の始点に戻り、このような転動体循環路内の循環を無限に繰り返す。
さらに、上記のような本実施形態の直動案内装置には、複数種のシールが備えられている。以下に、各シールについて詳細に説明する。
スライダ2の軸方向両端部(各エンドキャップ2Bの軸方向外端面)には、エンドキャップ2Bと同様に断面形状が略コ字状に形成されたサイドシール5,5が装着されている。このサイドシール5は、案内レール1の外面(上面1b及び左右両側面1a,1a)に滑り接触する弾性体製のサイドシール本体22と、サイドシール本体22を補強する樹脂,金属等からなる補強板21(本発明の構成要件である補強部材に相当する)と、を備えている(図34を参照)。
そして、サイドシール本体22のリップ部23が、サイドシール本体22の内面からさらに内方に突出して形成されていて、案内レール1の上面1b及び左右両側面1a,1a(転動体軌道面10を含む)に滑り接触しており、案内レール1とスライダ2との間の隙間の開口のうち、スライダ2の軸方向端面側に面する部分を密封している。
また、案内レール1と対向するスライダ2の両内側面の下部(下面近傍部分)には、軸方向に延びる略棒状のアンダーシール40,40(本発明の構成要件である密封装置に相当する)が保持器8を介して装着されている。アンダーシール40は弾性体で構成されており、基部40aが保持器8に取り付けられるとともに、基部40aから案内レール1の側面1aに向かって内方に突出して形成されたリップ部40bが案内レール1の左右両側面1a,1aに滑り接触しているため、案内レール1とスライダ2との間の隙間の開口のうちスライダ2の下面側に面する部分が密封されている。
スライダ2に装着されたアンダーシール40の軸方向両端面は、スライダ2の軸方向両端部にまで至っていて、サイドシール5,5の補強板21,21の板面にそれぞれ当接している。詳述すると、従来のサイドシールの補強板21Aは図38のような形状をなしていたが、本実施形態のサイドシール5の補強板21は、図35に示すような形状をなしており、従来と比べて補強板21の内側面の一部(図35の円で囲んだ部分)が案内レール1の側面1aに向かって内方に突出している。この突出部分21aにアンダーシール40の軸方向端面が当接している(図36を参照)。
これらサイドシール5,5及びアンダーシール40,40により、前記開口の全体が密封されるようになっていて、外部から前記隙間への異物の侵入や、前記隙間から外部への潤滑剤の漏出が防止されている。よって、スライダ2の内部にある転動体転動路13への異物の侵入が抑制されるとともに、転動体転動路13内の潤滑剤の漏出が抑制される。
さらに、図30に示すように、案内レール1と対向するスライダ2の両内側面の上部には、軸方向に延びる略棒状のインナーシール50,50(本発明の構成要件である密封装置に相当する)が保持器8を介して装着されている。すなわち、軸方向に延びるインナーシール50が、スライダ本体2A及びエンドキャップ2Bの内側面に、上側の転動体軌道面11に沿うように保持器8を介して取り付けられている。
インナーシール50は弾性体で構成されており、基部50aが保持器8に取り付けられるとともに、基部50aから案内レール1の側面1aに向かって内方に突出して形成されたリップ部50bが案内レール1の左右両側面1a,1aに滑り接触しているため、サイドシール5を越えてスライダ2内に侵入したゴミ,塵埃等の異物が案内レール1の上面1b側から転動体軌道面10,11(転動体転動路13の内部)に侵入することが抑制される。
スライダ2に装着されたインナーシール50の軸方向両端面は、スライダ2の軸方向両端部にまで至っていて、サイドシール5,5の補強板21,21の板面にそれぞれ当接している。詳述すると、アンダーシール40の場合と同様に、補強板21の突出部分21aにインナーシール50の軸方向端面が当接している(図37を参照)。
ここで、アンダーシール40及びインナーシール50の保持器8への取り付け方法について説明する。図31〜33に示すように、保持器8には、軸方向に延びる直線状の溝35が形成されている。この溝35の断面形状は、図32に示すように、溝開口部の溝幅が溝底部の溝幅よりも狭い略ハ字状(台形状)とされている。また、アンダーシール40の基部40a及びインナーシール50の基部50aの断面形状は、溝35の断面形状に対応する形状となっている。
よって、溝35の軸方向端部からアンダーシール40の基部40a(又はインナーシール50の基部50a)を溝35内に挿入していけば、アンダーシール40の基部40a(又はインナーシール50の基部50a)を溝35に係合することができる。そして、溝35の断面形状が前述のように略ハ字状(台形状)となっているため、アンダーシール40(又はインナーシール50)が溝開口部から簡単に抜け落ちないようになっている。
ただし、アンダーシール40やインナーシール50には、スライダ2の移動に伴って軸方向の力が作用するので、その際には、アンダーシール40やインナーシール50は 前記力を受けて軸方向に変位しようとする。しかしながら、前述したように、アンダーシール40及びインナーシール50は、その軸方向両端面がサイドシール5,5の補強板21の突出部分21aの板面に当接しているので、補強板21がバックアップ部材として機能し、アンダーシール40及びインナーシール50の軸方向変位を抑制する。
アンダーシール40及びインナーシール50の軸方向変位が抑制されるので、アンダーシール40及びインナーシール50の密封性の低下が生じにくい。また、アンダーシール40及びインナーシール50の周辺に配された部品(例えば、樹脂材料製のエンドキャップ2Bや、サイドシール5の弾性体製のサイドシール本体22)が損傷を受けて、直動案内装置の機能が損なわれるおそれもほとんどない。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、サイドシール5の補強板21をバックアップ部材としていたが、サイドシール5の補強板21とは別体の部材をスライダ2に取り付けて、バックアップ部材としてもよい。例えば、金属,樹脂材料等からなる板状部材を、スライダ2のエンドキャップ2Bの軸方向外端面とサイドシール5との間に介装し、この板状部材にアンダーシール40(又はインナーシール50)の軸方向端面を当接させる(突き当てる)ことにより、バックアップ部材として用いてもよい。
また、本実施形態においては、アンダーシール40及びインナーシール50は保持器8を介してスライダ2に取り付けられていたが、スライダ2の内側面に直接取り付けられていてもよい。すなわち、スライダ2の内側面に保持器8の溝35と同様の形状の溝を設けて、この溝にアンダーシール40,インナーシール50を係合させてもよい。
さらに、本実施形態の直動案内装置は、アンダーシール40及びインナーシール50の両方を備えていたが、いずれか一方のみを備える構成としてもよい。
さらに、サイドシール5のサイドシール本体22、アンダーシール40、及びインナーシール50を構成する弾性体の種類は特に限定されるものではなく、一般的なシールの素材として用いられる弾性体を採用することが可能である。例えば、ゴムや可撓性の高い樹脂が好ましく、具体例としてはニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアセタール系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等があげられる。
さらに、ころの種類は円筒ころに限定されるものではなく、円すいころ,針状ころ等の他種のころも使用可能である。また、転動体はころに限定されるものではなく、ボールであってもよい。転動体がボールである場合には、転動体軌道面10,11は平面ではなく断面略円弧状の溝面からなり、転動体転動路13は断面形状略円形となる。さらに、転動体がころである場合は、案内レール1及びスライダ2が備える転動体軌道面10,11の数は、それぞれ複数であればよく、片側二列に限らず片側三列などであってもよい。また、転動体がボールである場合は、案内レール1及びスライダ2が備える転動体軌道面10,11の数は、それぞれ単数(片側一列)でもよいし複数(片側二列以上)でもよい。
[第1実施形態:図1〜10]
1 案内レール
2 スライダ
3 円筒ころ(転動体)
5 サイドシール
5A 内向きシール
5B 外向きシール
8 保持器
10 転動体軌道面(転動面)
11 転動体軌道面(転動面)
13 転動体転動路
23 リップ部
33 開口部
40 シール部
40a 内向きリップ
40b 外向きリップ
[第2実施形態:図11〜17]
10 案内レール
11 レール側転動体転動溝(転動面)
20 スライダ本体
21 第1背部
22 第1袖部
30 エンドキャップ
31 第2背部
32 第2袖部
33 方向転換路
34 凹溝
40 サイドシール
41 第3背部
42 第2袖部
43 リップ部
50 アンダーシール
60 補助リップ
61 軸方向リップ
62 交差方向リップ
100 スライダ
[第3実施形態:図18〜28]
1 案内レール
2 スライダ
11 案内レールの転動面
21 スライダの転動面
3 円筒ころ(転動体)
22 戻し通路
210 本体
211 本体の脚部
212 本体の胴部
220 エンドキャップ
221 エンドキャップの脚部
222 エンドキャップの胴部
226 エンドキャップのアンダーシールを嵌める溝
227 エンドキャップのインナーシールを嵌める溝
230 第1のサイドシール
231 シール部材
231a 基部
231b リップ部
231c シール部材の溝
232 保持板
232a 係合部
234 カバー
240 第2のサイドシール
241 シール部材
241a 基部
241b リップ部
241c シール部材の溝
242 保持板
242a 係合部
250 保持器
251 支柱部
252A 枠状部
252B 枠状部
253A 開口部
253B 開口部
254 保持器のアンダーシール取付部
254a 溝部
254b 鉤部
255 保持器のインナーシール取付溝
260 アンダーシール
261 アンダーシールの内向きリップ部
262 本体に配置されるアンダーシールの基部
262a 基部の凸部
262b 基部の凹部
263 エンドキャップに配置されるアンダーシールの基部
270 インナーシール
280 アンダーシール
281 外向きリップ部
[第4実施形態:図19〜38]
1 案内レール
2 スライダ
3 円筒ころ(転動体)
5 サイドシール
8 保持器
10 転動体軌道面(転動面)
11 転動体軌道面(転動面)
13 転動体転動路
21 補強板
21a 突出部分
22 サイドシール本体
40 アンダーシール
50 インナーシール

Claims (2)

  1. 内レールと、スライダと、複数個の転動体と、を備え、
    前記スライダは、前記案内レールの幅方向両側に配置される脚部と、この脚部および前記案内レールの上側に配置される胴部とからなり、
    前記案内レールおよびスライダは、互いに対向する位置に前記転動体の転動通路を形成する転動面を有し、前記転動面は前記案内レールの長手方向に延び、
    前記複数個の転動体は、前記転動通路内に転動自在に配され、
    前記スライダは、前記転動通路に前記複数個の転動体を保持する保持器を有し、
    前記案内レールの側面と前記スライダの内側面との隙間を前記脚部の先端側で密封するアンダーシールを有し、
    前記転動通路を前記転動体が転動することにより、前記案内レールおよび前記スライダの一方が他方に対して相対的に直線運動し、
    前記保持器は前記アンダーシールの取付部を有し、
    前記アンダーシールは、前記取付部に係合される基部と、前記案内レールの側面に押圧接触する内向きリップ部と、を有し、前記基部により前記保持器と前記脚部との間が塞がれていることを特徴とする直動案内装置。
  2. 前記取付部は、前記案内レール側に開口する溝部と、この溝部の下部を形成する鉤部とからなり、
    前記基部は、前記溝部に嵌まる凸部と、前記鉤部が嵌まる凹部を有し、前記鉤部と前記凹部が絞まり嵌め状態となっている請求項記載の直動案内装置。
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