JP2015224694A - 直動案内装置 - Google Patents

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Hiroki Yamaguchi
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Abstract

【課題】取扱い性及び組立性に優れ、製造コストが低く、作動性及び静粛性が優れる直動案内装置を提供する。【解決手段】直動案内装置は、案内レール1に組み付けられていない状態のスライダ2から転動体3が脱落することを防止する保持器4を備える。樹脂材料製のエンドキャップ2Bに形成された方向転換路15の戻し通路側部分15Aの外方側内面は、戻し通路14と転動通路側部分15Bとの間で円弧状に湾曲する湾曲面21であり、転動通路側部分15Bの外方側内面は、湾曲面21とタング部18とを接続し転動通路13に対して角度αをなして傾斜する平面22である。湾曲面21の曲率中心Oは、戻し通路14と転動通路13との幅方向中間位置よりも転動通路13側に位置している。タング部18の先端と湾曲面21の曲率中心Oとを結んだ直線と、スライダ本体2Aの端面24とがなす角度βよりも、平面22の角度αの方が小さい。【選択図】図7

Description

本発明は直動案内装置に関する。
従来の直動案内装置としては、例えば下記のようなものがある。一直線状に延びる断面形状略矩形の案内レールの上に、スライダが案内レールの長手方向に移動可能に組み付けられている。スライダは凹部を有して断面形状略U字状をなしており、その凹部内に案内レールの上部を収容するようにして案内レールに組み付けられている。案内レールの両側面には、前記長手方向に延びる断面円弧状の凹溝からなる軌道面が形成されており、案内レールの側面に対向するスライダの内側面(凹部の内面)には、案内レールの軌道面に対向する断面円弧状の凹溝からなる軌道面が形成されている。
そして、案内レールの軌道面とスライダの軌道面との間に転動体であるボールが転動するための転動通路が形成されていて、この転動通路は前記長手方向に延びている。この転動通路内には複数のボールが転動自在に装填されていて、これら複数のボールの転動通路内での転動を介して、スライダが案内レールに案内されつつ前記長手方向に移動可能となっている。
また、スライダは、スライダ本体と、スライダ本体の両端部(前記長手方向の両端部であり、スライダの移動方向の両端部とも言える)に着脱可能に取り付けられたエンドキャップと、で構成されており、スライダの軌道面はスライダ本体の内側面に形成されている。さらに、スライダは、スライダ本体の内部に、転動通路と平行をなして前記長手方向に貫通する直線孔からなる戻し通路を備えている。
一方、エンドキャップの裏面(スライダ本体との当接面)には、円弧状に湾曲する方向転換路が形成されている。このエンドキャップをスライダ本体に取り付けると、方向転換路によって転動通路と戻し通路とが連通される。これら戻し通路と両端の方向転換路とで、ボールを転動通路の終点から始点へ搬送して循環させる転動体搬送路が構成され、転動通路と転動体搬送路とで、略環状の循環経路が構成される。
案内レールに組みつけられたスライダが案内レールに沿って前記長手方向に移動すると、転動通路内に装填されているボールは、転動通路内を転動しつつ案内レールに対してスライダと同方向に移動する。そして、ボールが転動通路の終点に達すると、エンドキャップに設けられたタング部によって転動通路からすくい上げられ方向転換路へ送られる。方向転換路に入ったボールはUターンして戻し通路に導入され、戻し通路を通って反対側の方向転換路に至る。ここで再びUターンして転動通路の始点に戻り、このような循環経路内の循環を無限に繰り返す。
このような直動案内装置においては、案内レールに組み付ける前など、案内レールに組み付けられていない状態のスライダからのボールの脱落を防止する必要があるため、ワイヤーで形成された保持器をスライダに装着して軌道面内のボールを保持している。保持器によりボールを保持した状態でスライダを案内レールに組み付けると、保持器は案内レールの軌道面の溝底部に形成された保持器用逃げ溝内に収容される。
幅広い用途に対して直動案内装置の採用が進む中、直動案内装置が組み込まれた機器に対して高精度化や高速化等の機能向上が常に図られている。それを受けて、直動案内装置に対しても、取扱い性や製造コストに悪影響を及ぼすことなく作動性や静粛性をより一層向上させることが求められている。
例えば特許文献1には、タング部の先端を保持器用逃げ溝内に位置させて、タング部の先端に転動体が衝突しないように転動体を掬い上げる直動案内装置が開示されている。特許文献1に開示の直動案内装置は、方向転換路の接線方向に転動体をすくい上げることができるので、タング部において転動体の移動軌跡に段差が生じることがなく、転動体が円滑に移動する上、静粛性が高い。
特開2001−214932号公報
しかしながら、特許文献1に開示の直動案内装置は、タング部の強度を高める目的でタング部の先端が肉厚とされているため、保持器を収容するスペースが不足し、保持器を備えていない。よって、案内レールにスライダを取り付ける際や案内レールからスライダを取り外す際には、案内レールに組み付けられていない状態のスライダから転動体が脱落しないように、仮軸等の別部品を使用する必要があるため、直動案内装置の取扱い性や組立性が不十分であった。
また、エンドキャップのタング部の先端がスライダ本体の前記長手方向の端面を越えてスライダ本体の内部側まで前記長手方向に突出しているため、転動通路内での転動体とタング部の先端との干渉が回避されるように、スライダの軌道面とタング部の先端との高度な位置合せが必要となる。したがって、直動案内装置の製造コストが上昇するおそれがあった。
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、取扱い性及び組立性に優れ、製造コストが低く、作動性及び静粛性が優れる直動案内装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の一態様に係る直動案内装置は、案内レールと、スライダと、複数の転動体と、を有し、前記案内レール及び前記スライダは、互いに対向する位置に、前記転動体の転動通路を形成する軌道面をそれぞれ有し、前記両軌道面は前記案内レールの長手方向に延び、前記転動体は前記転動通路に配置され、前記転動通路内での前記転動体の転動を介して、前記スライダが前記案内レールに案内されて前記長手方向に移動可能となっており、前記案内レールに組み付けられていない状態の前記スライダから前記転動体が脱落することを防止する保持器を備える直動案内装置において、前記スライダは、前記スライダの軌道面が形成されたスライダ本体と、前記スライダ本体の前記長手方向の両端部に着脱可能に固定された樹脂材料製のエンドキャップと、を備えるとともに、前記スライダの軌道面に略平行な前記転動体の戻し通路を備え、前記エンドキャップに形成されたタング部で前記転動通路の終点の前記転動体をすくい上げて、前記エンドキャップに形成され且つ前記転動通路と前記戻し通路とを連通する方向転換路に送り、すくい上げた前記転動体を前記方向転換路と前記戻し通路で前記転動通路の始点へ搬送して循環させるようになっており、前記方向転換路は、前記戻し通路に接続する戻し通路側部分と、前記転動通路に接続する転動通路側部分とを有して全体として略円弧状に湾曲しており、前記方向転換路の内面のうち径方向外方側の面は、前記戻し通路側部分については前記戻し通路と前記転動通路側部分との間で円弧状に湾曲する湾曲面であり、前記転動通路側部分については前記湾曲面と前記タング部とを接続し前記転動通路に対して角度αをなして傾斜する平面であり、前記湾曲面の曲率中心は、前記戻し通路と前記転動通路との前記案内レールの幅方向中間位置よりも前記転動通路側に位置し、前記タング部の先端と前記湾曲面の曲率中心とを結んだ直線と、前記スライダ本体の前記長手方向の端面とがなす角度βよりも、前記角度αが小さいことを特徴とする。
この直動案内装置においては、前記角度αが下記式を満足していてもよい。
cos-1((Da−2 ×Lo)/Da)<α<cos-1((L−Lo)/Ro)
ただし、上記式中のDaは前記転動体の直径であり、Loは、前記タング部の先端と前記案内レールの軌道面との間の前記幅方向距離であり、Lは、前記戻し通路と前記転動通路との前記幅方向中間位置と、前記案内レールの軌道面との間の前記幅方向距離であり、Roは、前記スライダ本体の前記長手方向の端面上で且つ前記戻し通路と前記転動通路との前記幅方向中間位置を曲率中心とし、前記タング部の先端を通る円弧の曲率半径である。
本発明の直動案内装置は、取扱い性及び組立性に優れ、製造コストが低く、作動性及び静粛性が優れている。
本発明の一実施形態に係る直動案内装置の構造を示す平面図である。 図1の直動案内装置の側面図である。 図1の直動案内装置を案内レールの長手方向から見た正面図である。 図1の直動案内装置を案内レールの長手方向から見た正面図である。ただし、右側半分は、サイドシールを省略して図示した正面図であり、左側半分は、案内レールの長手方向に直交する仮想平面で切断した場合の断面図である。 図1の直動案内装置を案内レールの長手方向に沿う仮想水平面で切断した要部拡大断面図である。 タング部及び保持器用逃げ溝の近傍部分の断面図である。 方向転換路及びその周辺部分を説明する断面図である。
本発明に係る直動案内装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、これ以降の説明で参照する各図においては、同一又は相当する部分には同一の符号を付してある。また、これ以降の説明において「断面」と記した場合は、特に断りがない限り、案内レールの長手方向に直交する仮想平面で切断した場合の断面を意味する。さらに、これ以降の説明における「上」,「下」,「左」,「右」等の方向を示す用語は、特に断りがない限り、説明の便宜上、図3及び図4におけるそれぞれの方向を意味するものである。
図1〜4に示すように、一直線状に延びる断面形状略矩形の案内レール1の上に、断面形状略U字状のスライダ2が、案内レール1の長手方向(以下「前記長手方向」と記す)に移動可能に組み付けられている。この案内レール1の幅方向左右両側面1a,1aの上下方向略中央部には、前記長手方向に延びる断面ほぼ半円形の凹溝からなる軌道面10,10が形成されている。
そして、軌道面10,10の溝底部には、保持器4の一部(後述する直線部41)を収容して保持器4と案内レール1との干渉を防ぐ保持器用逃げ溝10a(ワイヤー溝)が、スライダ2の移動領域の両端間(例えば、案内レール1の前記長手方向の両端間)にわたって前記長手方向に沿って形成されている。保持器用逃げ溝10aの断面形状は例えば略三角形状、略矩形状である。
また、スライダ2は、案内レール1の上面1bに対向する平板状の胴部7と、胴部7の左右両側部からそれぞれ下方に延び側面1aに対向する2つの脚部6,6とからなり、胴部7と脚部6,6とのなす角度は略直角であるため、スライダ2の断面形状は略U字状をなしている。そして、スライダ2は、両脚部6,6の間に案内レール1を挟むようにして、案内レール1に移動可能に取り付けられている。
このようなスライダ2は、スライダ本体2Aと、スライダ本体2Aの両端部(前記長手方向の両端部であり、スライダ2の移動方向の両端部とも言える)に着脱可能に取り付けられたエンドキャップ2B,2Bと、を備えている。さらに、スライダ2の両端部(各エンドキャップ2Bの前記長手方向の外端面)には、案内レール1の外面(上面1b及び側面1a,1a)に摺接して案内レール1とスライダ2との間の隙間の開口のうち前記長手方向の端面側に面する部分を密封するサイドシール5,5が装着されており、スライダ2の下部には、案内レール1とスライダ2との間の隙間の開口のうちスライダ2の下面側に面する部分を密封するアンダーシール(図示せず)が装着されている。これらサイドシール5,5及びアンダーシールにより、外部から前記隙間への異物の侵入や、前記隙間から外部への潤滑剤の漏出が防止されている。
さらに、スライダ本体2Aの左右両脚部6,6の内側面の上下方向略中央部には、案内レール1の軌道面10,10に対向する断面ほぼ半円形の凹溝からなる軌道面11,11が形成されている。そして、案内レール1の軌道面10,10とスライダ2の軌道面11,11との間に、断面ほぼ円形の転動通路13,13がそれぞれ形成されていて、これらの転動通路13,13は前記長手方向に延びている(図4,5を参照)。
これらの転動通路13内には複数の転動体3(ボール)が転動自在に装填されていて、転動通路13内でのこれらの転動体3の転動を介して、スライダ2が案内レール1に案内されて前記長手方向に移動可能となっている。保持器4は例えばワイヤーで形成されており、例えば案内レール1に組み付ける前など、案内レール1に組み付けられていない状態のスライダ2からの転動体3の脱落を防止するために、転動体3を保持する。
なお、転動体3の種類はボールに限定されるものではなく、ころであってもよい。また、案内レール1及びスライダ2が備える軌道面10,11の数は片側一列に限らず、例えば片側二列以上であってもよい。また、軌道面10,11の断面形状は、前述したように単一の円弧からなる円弧状でもよいが、曲率中心の異なる2つの円弧を組合せてなる略V字状(ゴシックアーク形状溝)でもよい。
さらに、スライダ2は、スライダ本体2Aの左右両脚部6,6に、転動通路13,13と平行をなして前記長手方向に貫通する断面形状略円形の貫通孔からなる戻し通路14,14を備えている(図4,5を参照)。
一方、エンドキャップ2Bは、例えば樹脂材料の成形品からなり、断面形状が略U字状に形成されている。また、エンドキャップ2Bの裏面(スライダ本体2Aとの当接面)の左右両側には、断面形状円形で略円弧状に湾曲する方向転換路15が形成されている(図5を参照)。このエンドキャップ2Bをねじ等の締結部材でスライダ本体2Aに取り付けると、方向転換路15によって転動通路13と戻し通路14とが連通される。なお、方向転換路15の断面形状は、方向転換路15の連続方向に直交する仮想平面で切断した場合の断面形状である。
これら戻し通路14と両端の方向転換路15,15とで、転動体3を転動通路13の終点から始点に搬送して循環させる転動体搬送路16が構成され(転動体搬送路16は転動通路13と同数設けられている)、転動通路13と転動体搬送路16とで、略環状の循環経路が構成される。そして、この略環状の循環経路は、案内レール1を挟んで左右両側に形成される。
案内レール1に組みつけられたスライダ2が案内レール1に沿って前記長手方向に移動すると、転動通路13内に装填されている転動体3は、転動通路13内を転動しつつ案内レール1に対してスライダ2と同方向に移動する。そして、転動体3が転動通路13の終点に達すると、エンドキャップ2Bに設けられたタング部18によって転動通路13からすくい上げられ方向転換路15へ送られる。方向転換路15に入った転動体3はUターンして戻し通路14に導入され、戻し通路14を通って反対側の方向転換路15に至る。ここで再びUターンして転動通路13の始点に戻り、このような循環経路内の循環を無限に繰り返す。
ここで、保持器4について、図5,6を参照しながらさらに詳細に説明する。保持器4は、図示しない鋼製の直線状素材(例えばワイヤー)の両端部を湾曲させて略U字状に形成したものである。なお、前記直線状素材の断面形状(前記直線状素材の長手方向に直交する仮想平面で切断した断面の形状)は略円形であるが、例えば略矩形でもよい。また、前記直線状素材の材質は鋼に限定されるものではなく、保持器に必要な弾性、強度等の特性を有するならば、他の金属材料や樹脂材料を採用することも可能である。
この保持器4は、案内レール1に組み付けられていない状態(例えば、案内レール1に組み付ける前)のスライダ2からの転動体3の脱落を防止するためにスライダ2の軌道面11に沿って配され転動体3を保持する直線部41をその中央に備え、直線部41の両端から案内レール1の幅方向(以下「前記幅方向」と記す)の外側に湾曲して延び保持器4をスライダ2に装着するためにエンドキャップ2Bに固定される曲部42をその両端に備える構成となる。
一方、スライダ2には、保持器4を装着するための機構が設けられている。すなわち、保持器4の装着機構として、図5に示すように、エンドキャップ2Bの前記長手方向の外端面には、保持器4の曲部42を固定するための保持器収容溝31が設けられている。保持器収容溝31は、前記幅方向に延び且つその溝幅が曲部42の径と略同一の凹溝からなり、保持器4の装着時には曲部42が収容される。
曲部42は、前記長手方向の外側に拡げられて前記長手方向の外側に弾性的に付勢された状態で、保持器収容溝31に係合されている。そのため、両曲部42,42には前記長手方向の内側に向かう弾性力が生じ、保持器4は、両曲部42,42でスライダ2を前記長手方向の両側から挟み込むようにして、締め代を有する締り嵌めで固定されることとなる。よって、保持器4が装着されたスライダ2を案内レール1に組み付ける際などにおいて、曲部42が保持器収容溝31から外れて保持器4がスライダ2から脱落するおそれはほとんどない。
次に、スライダ2に保持器4を装着する方法について説明する。スライダ本体2Aにエンドキャップ2B,2Bを取り付けたスライダ2に対して、直線部41が軌道面11と対向し曲部42が保持器収容溝31に対向するように、保持器4を配置する。そして、曲部42,42を前記長手方向の外側に拡げた状態で保持器4を前記幅方向外側に向かって移動させ、曲部42,42を保持器収容溝31内に収容する。
すると、曲部42が前記長手方向の外側に弾性的に付勢された状態で保持器収容溝31に係合されるので、前記長手方向の内側に向かう弾性力により両曲部42,42がスライダ2を前記長手方向の両側から挟み込み、保持器4がスライダ2に締め代を有する締り嵌めで固定される。これにより、曲部42がスライダ2に強固に固定されて、保持器4のスライダ2への装着が完了する。その後に、エンドキャップ2Bの前記長手方向の外端面にサイドシール5を取り付ける。
このようにして装着された保持器4の直線部41は、スライダ本体2Aの軌道面11と平行をなすように配され、スライダ2が案内レール1に組み付けられていない状態においては、転動体3を前記幅方向の内側から押さえる。また、図6に示すように、保持器4の直線部41がタング部18を案内レール1側(前記幅方向の内側)から覆うように配されるので、タング部18の強度や耐久性がより一層確保されるとともに、タング部18をスライダ本体2Aの前記長手方向の端面に向かって可及的に延伸することができるので、直動案内装置の作動性や静粛性も優れたものとなる。
次に、エンドキャップ2Bに設けられた方向転換路15及びタング部18について、図7を参照しながらさらに詳細に説明する。
方向転換路15は、戻し通路14に接続する戻し通路側部分15Aと、転動通路13に接続する転動通路側部分15Bとを有して全体として略円弧状に湾曲している。タング部18は、転動通路側部分15Bの転動通路13側の端部に設けられていて、方向転換路15の内面のうち径方向外方側の面(以下「外方側内面」と記す)から連続して転動通路13に向かって延びている。
また、方向転換路15の外方側内面の形状は、戻し通路側部分15Aと転動通路側部分15Bとで異なっている。すなわち、戻し通路側部分15Aの外方側内面は、戻し通路14と転動通路側部分15Bとの間で円弧状に湾曲する湾曲面21であり、転動通路側部分15Bの外方側内面は、湾曲面21とタング部18とを接続し転動通路13に対して角度αをなして傾斜する平面22である。図7は、方向転換路15の中心線(図7においては一点鎖線で示してある)を含む仮想平面で切断した断面図であるが、この図7では、戻し通路側部分15Aの外方側内面は円弧状に、転動通路側部分15Bの外方側内面は直線状に図示されている。
これにより、タング部18によって転動通路13からすくい上げられた転動体3は、方向転換路15の転動通路側部分15Bに送られ、平面22に沿って転動通路側部分15B内を移動して戻し通路側部分15Aに至り、続いて湾曲面21に沿って戻し通路側部分15A内を移動して戻し通路14へ送られる。
また、スライダ本体2Aの前記長手方向の端面24上に位置する湾曲面21の曲率中心Oは、戻し通路14と転動通路13との前記幅方向中間位置よりも転動通路13側に位置している。すなわち、図7に示すように、一点鎖線で示す戻し通路14の中心線と転動通路13の中心線との前記幅方向中間位置よりも転動通路13に近い側に、湾曲面21の曲率中心Oが位置している。
戻し通路14と転動通路13との前記幅方向中間位置からの曲率中心Oのズレ量δは、直動案内装置の実用上の問題が生じない範囲で、任意の値に設定することができる。ただし、曲率中心Oのズレ量δが大き過ぎると、方向転換路15の外方側内面とエンドキャップ2Bの前記長手方向の外端面との間の肉厚が薄くなるおそれがあるので、曲率中心Oのズレ量δは0.05mm以上0.15mm以下とすることが好ましい。
そして、平面22と湾曲面21の接続点から曲率中心Oに延ばした直線と、平面22とが90°よりも小さい角度をなすように、平面22と湾曲面21が接続されている。
このような構成により、転動通路13に向かって延びるタング部18の尖鋭な先端と湾曲面21の曲率中心Oとを結んだ直線と、スライダ本体2Aの前記長手方向の端面24とがなす角度βよりも、平面22の角度αの方が小さくなる。
その結果、転動体3をすくい上げる際に転動体3がタング部18の先端に衝突することがなく、転動体3がタング部18の先端近傍の平面22に衝突して緩やかな角度で確実にすくい上げられる。そのため、転動体3を転動通路13から円滑にすくい上げることができ、なおかつ転動体3の衝突による衝撃も緩和されるため、転動体3がタング部18の先端に衝突する場合よりも、タング部18の耐久性がより一層確保されるとともに、直動案内装置の作動性が滑らかとなり、騒音発生も低減する。
なお、転動体3のすくい上げ角度が小さいほど転動体3の衝突による衝撃が緩和され、直動案内装置の作動性や静粛性の向上効果が大きく得られるので、転動体3のすくい上げ角度でもある角度αは可及的に小さくすることが好ましい。ただし、角度αが小さいとタング部18の先端の肉厚が薄くなるので、タング部18の先端に歪みや摩耗等の損傷が生じやすい。よって、作動性、静粛性等の機能向上とタング部18の耐久性の確保とを両立するためには、角度βは5°以上20°以下とし、角度αは角度βよりも1°以上5°以下小さい角度とすることが好ましい。
また、本実施形態の直動案内装置においては、エンドキャップ2Bが樹脂材料で形成されているため、方向転換路15の外方側内面が複雑な形状であっても、低い製造コストで直動案内装置を製造することができ、生産性の問題がない。なお、エンドキャップ2Bを樹脂材料で形成すると、直動案内装置を使用するにつれてエンドキャップ2Bのエッジ部は丸まってしまうが、転動体3は平面22に衝突してすくい上げられるため、タング部18の先端が丸まったとしても、すくい上げ性能に問題が生じるおそれがない。
なお、角度αは下記不等式を満足することが好ましい。
cos-1((Da−2 ×Lo)/Da)<α<cos-1((L−Lo)/Ro)
ただし、上記不等式中のDaは転動体3の直径であり、Loは、タング部18の先端と案内レール1の軌道面10との間の前記幅方向距離であり、Lは、戻し通路14と転動通路13との前記幅方向中間位置と、案内レール1の軌道面10との間の前記幅方向距離である。また、Roは、スライダ本体2Aの前記長手方向の端面24上で且つ戻し通路14と転動通路13との前記幅方向中間位置を曲率中心Pとし、タング部18の先端を通る円弧(図7において破線で示した円弧)の曲率半径である。
上記不等式について説明する。幾何学的関係より(図7を参照)、cosβ=(L−Lo)/Roが成立する。湾曲面21の曲率半径RはRo+δである。また、転動体3がタング部18の先端に衝突しないようにすくい上げるためには、Da/2×(1−cosα)>Loを満足する必要がある。よって、角度βよりも角度αを小さくするためには、角度αは上記不等式を満足する必要がある。
さらに、上記不等式を成立させるためには、タング部18の先端と案内レール1の軌道面10との間の前記幅方向距離Loは、(Da×(Ro−L))/(2×Ro−Da)>Loとなる必要がある。
さらに、転動体3のすくい上げ角度でもある角度αを可及的に小さくするために、案内レール1に凹部を形成してタング部18の先端を凹部内に配してもよい。タング部18の先端を配するための専用の凹部を案内レール1に設けてもよいし、図6に示すように、保持器4を収容して保持器4と案内レール1との干渉を防ぐ保持器用逃げ溝10aを、タング部18の先端を配するための凹部として使用してもよい。図6の例では、タング部18の先端が保持器用逃げ溝10a内に突出していて、その突出量はMとされている。
直動案内装置が保持器4を備えていれば、案内レール1に組み付けられていない状態のスライダ2からの転動体3の脱落が防止されるので、案内レール1にスライダ2を取り付ける際や案内レール1からスライダ2を取り外す際に、案内レール1に組み付けられていない状態のスライダ2から転動体3が脱落しないように仮軸等の別部品を使用する必要がない。よって、直動案内装置の取扱い性や組立性が優れている。
このような本実施形態の直動案内装置は、搬送装置等の一般産業用途に好適に使用可能であり、特に、良好な作動性、静粛性を要求される用途に好適である。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、戻し通路側部分15Aの外方側内面は単一円弧の湾曲面21であったが、曲率半径の異なる複数の円弧が連続した湾曲面であってもよい。
1 案内レール
2 スライダ
2A スライダ本体
2B エンドキャップ
3 転動体
4 保持器
10 軌道面
10a 保持器用逃げ溝
11 軌道面
13 転動通路
14 戻し通路
15 方向転換路
15A 戻し通路側部分
15B 転動通路側部分
18 タング部
21 湾曲面
22 平面
24 スライダ本体の端面
O 湾曲面の曲率中心
P タング部の先端を通る円弧の曲率中心

Claims (2)

  1. 案内レールと、スライダと、複数の転動体と、を有し、
    前記案内レール及び前記スライダは、互いに対向する位置に、前記転動体の転動通路を形成する軌道面をそれぞれ有し、
    前記両軌道面は前記案内レールの長手方向に延び、
    前記転動体は前記転動通路に配置され、
    前記転動通路内での前記転動体の転動を介して、前記スライダが前記案内レールに案内されて前記長手方向に移動可能となっており、
    前記案内レールに組み付けられていない状態の前記スライダから前記転動体が脱落することを防止する保持器を備える直動案内装置において、
    前記スライダは、前記スライダの軌道面が形成されたスライダ本体と、前記スライダ本体の前記長手方向の両端部に着脱可能に固定された樹脂材料製のエンドキャップと、を備えるとともに、前記スライダの軌道面に略平行な前記転動体の戻し通路を備え、前記エンドキャップに形成されたタング部で前記転動通路の終点の前記転動体をすくい上げて、前記エンドキャップに形成され且つ前記転動通路と前記戻し通路とを連通する方向転換路に送り、すくい上げた前記転動体を前記方向転換路と前記戻し通路で前記転動通路の始点へ搬送して循環させるようになっており、
    前記方向転換路は、前記戻し通路に接続する戻し通路側部分と、前記転動通路に接続する転動通路側部分とを有して全体として略円弧状に湾曲しており、
    前記方向転換路の内面のうち径方向外方側の面は、前記戻し通路側部分については前記戻し通路と前記転動通路側部分との間で円弧状に湾曲する湾曲面であり、前記転動通路側部分については前記湾曲面と前記タング部とを接続し前記転動通路に対して角度αをなして傾斜する平面であり、
    前記湾曲面の曲率中心は、前記戻し通路と前記転動通路との前記案内レールの幅方向中間位置よりも前記転動通路側に位置し、
    前記タング部の先端と前記湾曲面の曲率中心とを結んだ直線と、前記スライダ本体の前記長手方向の端面とがなす角度βよりも、前記角度αが小さいことを特徴とする直動案内装置。
  2. 前記角度αが下記式を満足する請求項1に記載の直動案内装置。
    cos-1((Da−2 ×Lo)/Da)<α<cos-1((L−Lo)/Ro)
    ただし、上記式中のDaは前記転動体の直径であり、Loは、前記タング部の先端と前記案内レールの軌道面との間の前記幅方向距離であり、Lは、前記戻し通路と前記転動通路との前記幅方向中間位置と、前記案内レールの軌道面との間の前記幅方向距離であり、Roは、前記スライダ本体の前記長手方向の端面上で且つ前記戻し通路と前記転動通路との前記幅方向中間位置を曲率中心とし、前記タング部の先端を通る円弧の曲率半径である。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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