JP2008138742A - 転動体保持スペーサ及びリニアガイド - Google Patents

転動体保持スペーサ及びリニアガイド Download PDF

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Abstract

【課題】方向転換路を移動する際の摩擦を低減しつつ且つ安定した移動を可能とする転動体保持スペーサ及びその転動体保持スペーサを備えたリニアガイドを提供する。
【解決手段】転動体循環路内に収容された複数のボール6が無端環状の転動体循環路内を転動しつつ、案内レールに沿ってスライダが相対移動するリニアガイドで使用される転動体保持スペーサ9であり、複数の間座7と、その複数の間座7を一体に連結する帯状の連結腕部8とを備え、隣り合う間座7間にボール6を収容することで、前記複数のボール6からなるボール列を保持する転動体保持スペーサ9である。前記連結腕部8で一体に連結される間座7の数を、4個以上であって、前記円弧状の方向転換路5aに配置可能なボール6の数より1だけ大きな数とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、工作機械や産業機器などに使用されるリニアガイドに係り、転動体を転動体保持スペーサで保持した状態で無端転動体循環路に収容されるリニアガイド、及び前記転動体保持スペーサに関する。
従来のリニアガイドとしては、例えば特許文献1に記載のものがある。このリニアガイドは、案内レールに対し相対移動可能にスライダ(「ベアリング」とも称される。)が支持されると共に、スライダの移動方向両端面にそれぞれエンドキャップが一体に固定される。
また、対向配置する案内レール側のレール側転動溝及びスライダ側のスライダ側転動溝で形成される負荷転動路と、スライダを貫通して形成される転動体戻り路とが、エンドキャップによって形成される円弧状の方向転換路でそれぞれ連通されて転動体が転動する無端環状の転動体循環路が構成され、その転動体循環路内に当該転動体循環路に沿って複数の転動体が列を成して収容されている。
そして、前記特許文献1では、前記転動体循環路に収容された転動体間にそれぞれ配置される複数の間座と、転動体循環路内に配置された複数の間座を全て一体に連結する帯状の連結腕部とからなる転動体保持スペーサを備える。
なお、転動体保持スペーサとしては、特許文献2に記載のように、3個の間座を帯状の連結腕部で一体に連結して2個の転動体を保持するタイプや、特許文献3に記載のように、2個の間座を帯状の連結腕部で一体に連結して1個の転動体を保持するタイプがある。
このように転動体保持スペーサで転動体の列を保持させることで、隣り合う転動体同士の接触を防止して、低騒音、耐久性を向上させている。すなわち、各転動体は同一方向へ回転しつつ移動するため、隣り合う転動体体同士が直接接触すると擦れ合って転動体の円滑な転動が妨げられることで、騒音が大きくなったり、転動体の摩耗進行が早くなったりする要因となるが、転動体保持スペーサで保持することで、上述のような騒音や摩耗を低減することができる
特開平11−247854号公報 国際公開W006/012970A1 特開00−2636号公報
しかしながら、特許文献1の場合には、直線部と曲線部からなる無限環状の転動体循環路内の転動体を全て1つの転動体保持スペーサで収容保持していると、間座同士を連結する連結腕部が曲げ伸ばしを繰り返しつつ循環する転動体保持スペーサの先端が、無負荷部である方向転換路から負荷部である負荷転動路に移動する際に、円弧状の方向転換路内で外側に撓んで外方に押し込まれることから、当該転動体保持スペーサで保持・拘束されている転動体も方向転換路の外側の面に押されてしまう。このように、連結腕部が曲げ伸ばしを繰り返しつつ循環する転動体保持スペーサの長さが、曲線路である方向転換路長よりも遙かに長すぎると、撓みによる押し付けが大きくなり、方向転換路を移動する際の摩擦が大きくなる傾向にある。また、無負荷部である戻り路内では転動体保持スペーサが押し縮められるため、転動体が上下左右のすきまに揺動しようとするので、転動体保持スペーサの連結腕部に圧が掛かり摩擦を生じてしまう。
また、特許文献2や特許文献3のように、1個若しくは2個の転動体単位に、1つの転動体保持スペーサに収容保持させる場合には、1個若しくは2個の転動体単位に転動体保持スペーサが分離しているので、円弧状の方向転換路内で転動体保持スペーサが外側に撓むことよって生じる外側の面に押し付ける力は弱くできる。また、無負荷部である戻し通路内で、転動体保持スペーサが押し縮められ、転動体が上下左右のすきまに揺動しようとしても、転動体保持スペーサの長さが短い分だけ、戻り路内にある転動体保持スペーサの連結腕部の面積も小さく、戻り路の面に対する摺接力も小さくなるので、その分摩擦も小さくなる。しかし、各転動体保持スペーサの長さが短いため、転動体循環路内を移動中に戻り路の軸直方向へ揺動しやすいことから、安定せず、ぐらつきやすくなるため、スペーサの軸方向端部に引っかかりが生じてしまう傾向が強くなる。引っかかりが生じると、突発的な摩擦変動が生じる。特に、円弧状の曲線路である方向転換路を移動する際にも、円弧長に比べて各転動体保持スペーサの長さが短すぎるために、突発的な摩擦変動が大きくなる傾向にある。
本発明は、前記のような点に着目してなされたもので、方向転換路を移動する際の摩擦を低減しつつ且つ安定した移動を可能とする転動体保持スペーサ及びその転動体保持スペーサを備えたリニアガイドを提供することを課題としている。
前記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、案内レールとスライダとの間に形成された負荷転動路の端部と、スライダに形成された転動体戻り路の端部とが円弧状の方向転換路で連通されて無端環状の転動体循環路が形成されると共に、その転動体循環路内に当該転動体循環路に沿って複数の転動体が収容され、その複数の転動体が転動体循環路内を転動しつつ、案内レールに沿ってスライダが相対移動するリニアガイドで使用される転動体保持スペーサであって、
所定間隔を空けて配列する複数の間座と、その複数の間座を一体に連結する連結腕部とを備え、隣り合う間座間にそれぞれ転動体を収容することで、複数の転動体からなる転動体列を保持する転動体保持スペーサにおいて、
前記連結腕部で一体に連結される間座の数を、4個以上であって、前記円弧状の方向転換路に配置可能な転動体の数より1だけ大きな個数としたことを特徴とするものである。
ここで、「円弧状の方向転換路に配置可能な転動体の数」とは、各転動体の中心が方向転換路内に位置する当該転動体の数を言う。従って、方向転換路の端側の転動体の一部が方向転換路の外側に位置していても、転動体の中心が方向転換路内に位置している場合には、方向転換路内とみなす。
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対して、 配列方向端部に位置する間座の外側の面は、前記転動体循環路に配置されたときに対向する転動体の対向面の形状に沿った形状となっていることを特徴とするものである。
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1または請求項2に記載した転動体保持スペーサで転動体を保持させて、前記複数の転動体を前記転動体循環路内に装填したことを特徴とするリニアガイドを提供するものである。
次に、請求項4に記載した発明は、請求項3に記載した構成に対し、隣り合う転動体保持スペーサの間に1個の転動体を配置することを特徴とするものである。
本発明によれは、1つの転動体保持スペーサで保持する転動体の数が3個以上であって、1の方向転換路に配置可能な転動体の数以内であることで、転動体循環路の転動体を全て保持する場合に比べて、転動体戻り路内で当該転動体戻り路の軸と直交する方向に揺動して転動体戻り路と連結腕部が摺接しても、その摺接の際の力が弱くなって、摩擦力が低減する。
また、転動体保持スペーサの長さを円弧状の方向転換路長程度にすることで、ある程度の長さが確保されることで、転動体保持スペーサが安定して移動し、突発的な摩擦変動が減少する。そのため、結果的に転動体を1〜2個収容する転動体保持スペーサより、作動性が良くなる。
また、転動体保持スペーサの先端が、無負荷部である方向転換路から負荷部である負荷転動路に移動する際においても、その転動体保持スペーサは、無負荷部のうち、円弧状の方向転換路内だけに位置することから、転動体保持スペーサが外側に撓んで外方に押し込まれてもその力が小さくなり、方向転換路を移動する際の摩擦も小さくすることができる。
また、請求項2の発明のように、隣り合う転動体保持スペーサの間に転動体を1つ介入させることにより、転動体保持スペーサ同士の当接が防止されると共に、循環経路内における転動体の間隔が同じになるため、転動体の挙動が安定する。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、本実施形態では、転動体としてボールを用いた場合を例にして説明するが、転動体の構成は、これに限定されるものではなく、転動体として、例えば、円筒ころを用いてもよい。
図1は、本実施形態のリニアガイド1の構成を示す断面図である。
(構成)
図1に示すように、本実施形態のリニアガイド1は、案内レール2と、案内レール2に対し相対移動可能に案内レール2に跨架されるスライダ4と、エンドキャップ5、鋼球等からなる複数のボール6と、転動体保持スペーサ9と、を備える。
案内レール2は、軸方向に延びるレール側転動溝2aを外面に有している。
スライダ4は、レール側転動溝2aに対向するスライダ側転動溝4aを有し、そのスライダ側転動溝4aとレール側転動溝2aとで負荷転動路が形成される。また、スライダ4には、貫通穴からなる転動体戻り路4bが前記負荷転動路と平行に形成されている。
また、前記スライダ4の軸方向両端面には、それぞれエンドキャップ5が固定されている。エンドキャップ5には、負荷転動路と転動体戻り路4bとを連通させる円弧状の方向転換路5aが形成されている。符号10はリターンガイドを示す。
そして、前記負荷転動路、転動体戻り路4b、及び2つの方向転換路5aによって無端環状の転動体循環路が形成され、その転動体循環路内に、複数のボール6が列を成して転動自在に装填されている。そのボール6の列は、複数の転動体保持スペーサ9によって、隣り合うボール6が所定間隔をおいて保持された状態で一列に配列される。
本実施形態の転動体保持スペーサ9は、図2に示すように、1個のボール6を保持可能な間隔を空けて配列した4個の間座7と、その4個の間座7を一体に連結する帯状の連結腕部8と、が一体成形されて構成される。
なお、間座7及び連結腕部8は、例えば、東洋紡績社製ペルプレン(商品名)、東レデュポン社製ハイトレル(商品名)、三菱化学社製プリマルイ(商品名)等の、熱可塑性プラスチックからなり、所定の弾性を有する。
前記各間座7は、転動体よりも小径の円板状をしており、ボール6と対向可能な2つの平面部には、ボール6の保持部として、ボール6の外周に対して摺動自在に接触する凹部が設けられている。
連結腕部8は、帯状の部材である。そして、転動体循環路内に形成されて当該転動体循環路に沿って延びる連結腕部用案内溝(図示せず)に対し、前記連結腕部8が、移動可能に嵌め込み可能となっている。
そして、前記のように4個の間座7で1つの転動体保持スペーサ9が構成されることで、1つの転動体保持スペーサ9で3個のボール6を収容・保持可能となっている。なお、(間座7の数−1)が、1つの転動体保持スペーサ9に収容・保持可能なボール6の数となる。
そして、前記のように、1つの転動体保持スペーサ9で3個ずつボール6が保持された状態で、図1のように、転動体循環路内にボール6の列が配置されるが、ボール6の間隔を等間隔にすべく、隣り合う転動体保持スペーサ9の間に、それぞれ1個のボール6を配置するようにして、転動体であるボール6及び転動体保持スペーサ9が転動体循環路内に装填されている。
なお、本実施形態のリニアガイド1にあっては、図1のように、円弧状の方向転換路5aには、3個のボール6を配置可能(ボール6の中心を基準に数える。)であるので、各転動体保持スペーサ9は、4個の間座7から構成されている。ただし、方向転換路5aに5個のボール6が配置可能な構成の場合には、1個の転動体保持スペーサ9で保持するボール6の数が3〜5個(間座7の数が4〜6個)のいずれかになるように設定する。
(作用効果)
リニアガイドの作動時において、スライダ4が案内レール2に対して相対移動すると、負荷転動路内のボール6は、スライダ4の移動方向にスライダ4より遅い速度で移動する。そして、一端側の方向転換路5aでUターンして転動体戻り路4b4bを逆方向に転動しつつ移動し、他端側の方向転換路5aで逆Uターンして負荷転動路内に戻る循環を繰り返す。また、ボール6の移動に伴い、各転動体保持スペーサ9は、連結腕部8が曲げ伸ばしをしつつ転動体循環路内を移動する。
このとき、1つの転動体保持スペーサ9で保持するボール6の数を3個とすることで、転動体循環路のボール6を全て1つの転動体保持スペーサ9で保持する場合に比べて、転動体戻り路4b内で当該転動体戻り路4bの軸と直交する方向に揺動して転動体戻り路4bと連結腕部8が摺接しても、連結腕部の面積が小さく、その摺接の際の力が弱くなって、摩擦力が低減する。
また、転動体保持スペーサ9の長さを円弧状の方向転換路5aの長さ程度にすることで、ある程度の長さが確保されることで、転動体保持スペーサ9が移動中に安定し、突発的な摩擦変動が減少する。
また、転動体保持スペーサ9の先端が、無負荷部である方向転換路5aから負荷部である負荷転動路に移動する際においても、その転動体保持スペーサ9は、無負荷部のうち、円弧状の方向転換路5a内にのみ位置し、直線路である転動体戻り路4bに位置する他の転動体保持スペーサ9の連結腕部の撓みによる影響が小さいから、転動体保持スペーサ9が外側に撓んで外方に押し込まれてもその力が小さくなり、方向転換路5aを移動する際の摩擦も小さくすることができる。
さらに、隣り合う転動体保持スペーサ9の間にボール6を1つ介入させることにより、転動体保持スペーサ9同士の当接が防止されると共に、転動体循環路に沿った各ボール6の間隔が同じになるため、移動するボール6の挙動が安定する。
このとき、隣り合う転動体保持スペーサ9の端部に位置する間座7のボール6と対向する面も凹部が形成されてボール6の形状に沿った形状となっているので、よりボール6の間隔が同じになる。
本発明に基づく実施形態に係るリニアガイドを示す断面図である。 本発明に基づく実施形態に係る転動体保持スペーサを示す図である。
符号の説明
1 リニアガイド
2a レール側転動溝
2 案内レール
4 スライダ
4a スライダ側転動溝
4b 転動体戻り路
5 エンドキャップ
5a 方向転換路
5a 方向転換路
6 ボール
7 間座
8 連結腕部
9 転動体保持スペーサ
22 方向転換路

Claims (4)

  1. 案内レールとスライダとの間に形成された負荷転動路の端部と、スライダに形成された転動体戻り路の端部とが円弧状の方向転換路で連通されて無端環状の転動体循環路が形成されると共に、その転動体循環路内に当該転動体循環路に沿って複数の転動体が収容され、その複数の転動体が転動体循環路内を転動しつつ、案内レールに沿ってスライダが相対移動するリニアガイドで使用される転動体保持スペーサであって、
    所定間隔を空けて配列する複数の間座と、その複数の間座を一体に連結する連結腕部とを備え、隣り合う間座間にそれぞれ転動体を収容することで、複数の転動体からなる転動体列を保持する転動体保持スペーサにおいて、
    前記連結腕部で一体に連結される間座の数を、4個以上であって、前記円弧状の方向転換路に配置可能な転動体の数より1だけ大きな個数としたことを特徴とする転動体保持スペーサ。
  2. 配列方向端部に位置する間座の外側の面は、前記転動体循環路に配置されたときに対向する転動体の対向面の形状に沿った形状となっていることを特徴とする請求項1に記載した転動体保持スペーサ。
  3. 請求項1または請求項2に記載した転動体保持スペーサで転動体を保持させて、前記複数の転動体を前記転動体循環路内に装填したことを特徴とするリニアガイド。
  4. 隣り合う転動体保持スペーサの間に1個の転動体を配置することを特徴とする請求項3に記載したリニアガイド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103963199A (zh) * 2014-05-10 2014-08-06 温州捷高科技有限公司 一种橡胶轴套修边涂胶机
CN112343921A (zh) * 2020-11-02 2021-02-09 智龙传动(厦门)科技有限公司 一种具有多段式滚动组件的滑座滚动系统

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