JP4600340B2 - 転動体収容ベルトおよび直動案内装置 - Google Patents

転動体収容ベルトおよび直動案内装置 Download PDF

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本発明は、転動体収容ベルトおよび直動案内装置に係り、特に、直線運動する物体を案内する機械部品として、工作機械や射出成形機、半導体製造機械、運搬機械、産業用ロボットなど各種機械に用いられ、複数の転動体が転走する無限循環路を有する直動案内装置用として好適な転動体収容ベルトおよびこれを備える直動案内装置に関する。
この種の直動案内装置は、例えば図8に示すように、案内レール12と、その案内レール12に対して相対移動可能に配設されるスライダ16と、これら案内レール12とスライダ16との間で荷重を負荷しながら転走する複数の転動体(この例ではボール46)と、を備えて構成されている。案内レール12は、ボール46が転走する転動体案内面14を有している。スライダ16は、スライダ本体17と、その移動方向両端に取り付けられた一対の蓋部材であるエンドキャップ22とから構成される。
スライダ本体17には、例えば図9に示すように、案内レール12の転動体案内面14に対向し、この転動体案内面14とともに転動体に負荷が作用する領域である転動体軌道路26を構成する負荷転動体案内面18が形成されている。また、スライダ本体17には、無負荷状態のボール46が転走する転動体戻し通路20が形成されている。さらに、一対のエンドキャップ22には、転動体軌道路26および転動体戻し通路20の両端にそれぞれ連なる方向転換路24が形成されている。そして、上記転動体軌道路26、一対の方向転換路24、および転動体戻し通路20によって無限循環路28が複数列構成され、各無限循環路28内を複数のボール46が転動することによってスライダ16を案内レール12に対して相対移動可能になっている。
ところで、直動案内装置では、スライダが案内レールに対して相対移動すると、各転動体は同一方向へ回転しつつ移動するため、隣り合う転動体同士が擦れ合って転動体の円滑な転動が妨げられる。そのため、騒音が大きくなり、転動体の摩耗の進行も早くなる。
そこで、従来から、騒音の発生を抑制し、円滑に直動案内装置を作動させるために、無限循環路内で転動体をその並び方向で整列させて転動体列を構成する転動体収容ベルトが提案されている。
この種の直動案内装置に用いられる転動体収容ベルトは、図9に例示するように、無限循環路28内で隣り合うボール46同士の間に介装される複数の間座部151を有しており、その間座部151を連結腕部152によって相互に連結して構成されている(例えば特許文献1参照)。そして、無限循環路28内にはボール並び方向に沿って案内溝60が設けられ、連結腕部152は、その幅方向両端が案内溝60に沿って曲げられつつ循環するようになっている。この種の転動体収容ベルトによれば、隣り合う転動体相互の接触が、介装される間座部によって防止されるので、騒音を低減することができる。
ここで、特許文献1に記載の技術では、転動体収容ベルトは、可撓性をもつベルト状の連結腕部を有しており、無限循環路内で屈曲しつつ循環可能になっている。なお、この連結腕部は、無限循環路の内外周方向での厚さが一様に形成されている。
また、転動体収容ベルトの別の例として、例えば特許文献2に記載の技術では、間座部は樹脂製のヒンジ部を有しており、隣接する間座部相互をそのヒンジ部を用いて別個の連結腕部で繋ぐことで連結されて無限循環路内に配置されており、無限循環路内ではヒンジ部で屈曲しつつ循環可能になっている。
特許2607993号公報 特許2612518号公報
ところで、この種の直動案内装置では、無限循環路での摩擦抵抗は、単に転動体の循環時の循環摩擦だけではなく、転動体収容ベルトの連結腕部が方向転換路に入り、案内溝に沿って曲げられつつ循環する際の抵抗も無視できないものになっている。
しかしながら、このような転動体収容ベルト循環時の摩擦抵抗に対し、例えば特許文献1に記載の技術では、そのベルト状の連結腕部は、図10に例示するように、無限循環路の内外周方向での厚さが一様に設けられているので、隣接する間座部同士の中央に位置する部分(同図(a)ないし(b)に示すA−A断面の位置)では他の部分に比べて曲がり易く、間座部を繋ぐ部分(同図(a)ないし(b)に示すB−B断面の位置)では連結腕部が曲がり難くなる。
そのため、方向転換路において、例えば同図(e)に示すように、この連結腕部152は均等に曲げられずに、無限循環路の内外周方向での所要の幅が広くなる。一方、方向転換路内の案内溝60は、構造上の制限等から幅を広げる上での制約を受ける。したがって、連結腕部の屈曲に対応した幅を確保できない場合、幅の狭い案内溝との摺動抵抗は一層大きくなり、循環時の摩擦抵抗が増大することになる。
特に、上記特許文献2に記載の技術では、間座部は、連結腕部に繋がれてヒンジ部で屈曲しつつ循環するので、無限循環路の内外周方向での所要の幅が広く、その幅に対応した幅の案内溝を確保するのはより困難である。そのため、これに対応した幅が確保できない場合、循環時の摩擦抵抗が一層増大することになる。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、方向転換路に沿って循環する際の摩擦抵抗を抑制し得る転動体収容ベルトおよび直動案内装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明のうち第一の発明は、複数の転動体が転走する無限循環路を有する直動案内装置に用いられ、前記無限循環路内で隣り合う転動体同士の間に介装される複数の間座部と、その間座部を相互に連結する可撓性をもつベルト状の連結腕部と、を有する転動体収容ベルトにおいて、前記連結腕部は、前記無限循環路の内外周方向での断面二次モーメントが、その全長に亘り、または少なくとも隣接する間座部に亘る部分を含む一部分で一様になっていることを特徴としている。
ここで、上記断面二次モーメントは、連結腕部の、転動体の並び方向に直交する方向での断面における図心を通り、隣接する転動体の中心同士を結ぶ線分に直交する線分に平行な軸に関する断面二次モーメントである。
本発明によれば、連結腕部は、無限循環路の内外周方向での断面二次モーメントが、その全長に亘りまたは少なくとも一部分で一様になっているので、この連結腕部はほぼ均等に曲げられる。そのため、無限循環路内で平均的な曲率をもって屈曲しつつ循環可能である。したがって、この転動体収容ベルトによれば、方向転換路において、無限循環路の内外周方向での所要の幅を、例えば連結腕部自体の最大幅程度に納めることができる。つまり、上記所要の幅が広くなることが緩和される。これにより、方向転換路に沿って循環する際の摩擦抵抗を抑制することができる。また、これにより、連結腕部の屈曲に対応した幅の案内溝の確保も容易となる。
ここで、第一の発明に係る直動案内装置用転動体収容ベルトにおいて、前記連結腕部は、前記無限循環路の内外周方向での厚さを、隣接する前記間座部同士の中央に位置する部分を他の部分に比べて厚肉にしてなるものであれば好ましい。
また、本発明に係る直動案内装置用転動体収容ベルトにおいて、前記連結腕部は、前記無限循環路の内外周方向での厚さを、前記複数の転動体の並び方向とは直交する方向での幅が広い部分を幅が狭い部分に比べて薄肉にしてなるものであれば好ましい。
このような構成であれば、前記断面二次モーメントを一様に形成する上で好適である。
また、本発明のうち第二の発明は、複数の転動体が転走する無限循環路を有する直動案内装置に用いられ、前記無限循環路内で隣り合う転動体同士の間に介装される複数の間座部と、その間座部を相互に連結する可撓性をもつベルト状の連結腕部と、を有する転動体収容ベルトにおいて、前記連結腕部は、その全長に亘りまたは少なくとも一部分で、前記無限循環路の内外周方向での厚さを、隣接する前記間座部同士の中央に位置する部分を他の部分に比べて厚肉にしてなることを特徴としている。
第二の発明によれば、連結腕部の隣接する前記間座部同士の中央に位置する部分と他の部分との、転動体の並び方向に直交する方向での断面における図心を通り、隣接する転動体の中心同士を結ぶ線分に直交する線分に平行な軸に関する断面二次モーメントの差異を小さくするように設定可能なので、例えばこのように断面二次モーメントの差異を小さく設定した連結腕部はほぼ均等に曲げることができる。そのため、無限循環路内で平均的な曲率をもって屈曲しつつ循環させることができる。したがって、この転動体収容ベルトによれば、方向転換路において、無限循環路の内外周方向での所要の幅を、例えば連結腕部自体の最大幅程度に納めることができる。つまり、上記所要の幅が広くなることが緩和される。これにより、方向転換路に沿って循環する際の摩擦抵抗を抑制することができる。また、これにより、連結腕部の屈曲に対応した幅の案内溝の確保も容易となる。
また、本発明のうち第三の発明は、複数の転動体が転走する無限循環路を有する直動案内装置に用いられ、前記無限循環路内で隣り合う転動体同士の間に介装される複数の間座部と、その間座部を相互に連結する可撓性をもつベルト状の連結腕部と、を有する転動体収容ベルトにおいて、前記連結腕部は、その全長に亘りまたは少なくとも一部分で、前記無限循環路の内外周方向での厚さを、前記複数の転動体の並び方向とは直交する方向での幅が広い部分を幅が狭い部分に比べて薄肉にしてなることを特徴としている。
第三の発明によれば、連結腕部の複数の転動体の並び方向とは直交する方向での幅が広い部分と幅が狭い部分との、転動体の並び方向に直交する方向での断面における図心を通り、隣接する転動体の中心同士を結ぶ線分に直交する線分に平行な軸に関する断面二次モーメントの差異を小さくするように設定可能なので、例えばこのように断面二次モーメントの差異を小さく設定した連結腕部はほぼ均等に曲げることができる。そのため、無限循環路内で平均的な曲率をもって屈曲しつつ循環させることができる。したがって、上記第二の発明同様の作用・効果を奏する。
また、本発明のうち第四の発明は、直動案内装置であって、第一ないし第三の発明に係る直動案内装置用転動体収容ベルトを用いていることを特徴としている。
第四の発明によれば、第一ないし第三の発明に係る直動案内装置用転動体収容ベルトによる作用・効果を奏する直動案内装置を提供することができる。
上述のように、本発明によれば、方向転換路に沿って循環する際の摩擦抵抗を抑制し得る転動体収容ベルトおよび直動案内装置を提供することができる。
以下、本発明に係る直動案内装置の実施形態について説明する。なお、上記説明した従来の直動案内装置と同様の部分については、同一の符号を附して説明する。
図1は、本発明に係る直動案内装置の一実施形態のリニアガイドを示す斜視図である。また、図2は、図1のリニアガイドのスライダを横断面で示す説明図、図3は、図2のリニアガイドでのX−X線部分における断面図である。
図1および図2に示すように、このリニアガイド10は、転動体案内面14を有する案内レール12と、その案内レール12に対して相対移動可能に案内レール12上に跨設されるスライダ16とを備えている。
案内レール12は、ほぼ角形の断面形状を有し、その両側面にそれぞれ2条ずつ計4条の転動体案内面14が、その長手方向に沿って直線状に形成されている。スライダ16は、図1に示すように、スライダ本体17と、スライダ本体17の軸方向両端にそれぞれ装着された一対の蓋部材であるエンドキャップ22とを備えて構成されている。スライダ本体17およびエンドキャップ22の軸方向に連続した形状は、ともに略コ字形の断面形状である。
スライダ本体17には、図2に示すように、その略コ字形をした両袖部の内側に、案内レール12の各転動体案内面14にそれぞれ対向する断面ほぼ半円形の負荷転動体案内面18が計4条形成されている。また、エンドキャップ22には、図3に示すように、その負荷転動体案内面18の両端にそれぞれ連なる一対の方向転換路24が内部に形成されている。エンドキャップ22には方向転換路24の内周面にリターン部材25が取り付けられている。なお、部品構成によっては、リターン部材は、スライダ本体17の端面に取り付けられる場合もある。
さらに、図2および図3に示すように、スライダ本体17には、その一対の方向転換路24に連通して、負荷転動体案内面18に平行で断面円形の貫通孔からなる転動体戻し通路20が袖部の内部に形成されている。
そして、図3に示すように、案内レール12の転動体案内面14と、これに対向するスライダ本体17の負荷転動体案内面18との間に挟まれた空間が転動体軌道路26をなしている。そして、上記の、一対の方向転換路24、転動体戻し通路20、および、転動体軌道路26によって環状に連続する無限循環路28が計4列構成されている。
さらに、同図に示すように、各無限循環路28内には、案内レール12とスライダ16との間で荷重を負荷しながら転走する転動体としてのボール46が複数装填されている。そして、各無限循環路28内の複数のボール46は、一本の転動体収容ベルト50によってその転動体収容ベルト50とともに転動体列62を構成している。ここで、このリニアガイド10では、各無限循環路28内には、有端状に形成された一の転動体収容ベルト50がそれぞれ組み込まれている。
なお、この転動体収容ベルト50は、図2に示すように、無限循環路28内で幅方向に張り出す連結腕部52が、スライダ16内の無限循環路28内に形成された溝状の案内溝60に幅方向の両側で案内されている。なおまた、端部にそれぞれ位置する二つの端部間座部59は、無限循環路28内で互いに非接触な状態で対向するようになっており、対向する端部間座部59同士の間には、ボール46が一つ装填されている(図3参照)。
以下、この転動体収容ベルト50についてより詳しく説明する。
図4は、転動体収容ベルトを説明する図であり、同図(a)は、その平面図、同図(b)は正面図である。また、同図(c)は同図(b)でのA−A断面を示し、同図(d)は同図(b)でのB−B断面を示している。
この転動体収容ベルト50は、可撓性をもつ合成樹脂材料から射出成形によって有端状に形成され、図3および図4に示すように、端部にそれぞれ位置する端部間座部59と、その端部間座部59以外の間座部51と、これら端部間座部59および間座部51を連結するベルト状の連結腕部52と、を備えて構成されている。
連結腕部52は、ボール46の並び方向に連続する横断面の形状が矩形をなす薄肉で長尺のベルト形状の部材であり、無限循環路28での幅方向の両側それぞれに位置して、いわば一対をなして設けられている。そして、一対をなす連結腕部52は、その幅方向で対向する部分が、ボール46を収容するためのボール収容穴55として所定の間隔で長手方向に並んで形成されている(図4(a)参照)。このボール収容穴55は、収容するボール46のもつ円弧よりも大きな曲率の凹の円弧から形成されてなる空隙部であり、ボール46が連結腕部52の表裏の方向(厚さ方向)に自由に係合離脱可能な広さになっている。なお、この連結腕部52が端部間座部59および間座部51を連結する位置は、隣り合うボール46同士の中心を結ぶ線CLに対し、振り分けとなる位置に設けられている(図4(b)参照)。
さらに、図4(b)に示すように、この連結腕部52は、無限循環路28の内外周方向での厚さを、隣接する間座部51同士の中央に位置する部分(以下、「中央部」という)52aを、端部間座部59およびそれ以外の間座部51を繋ぐ部分(以下、「連結部」という)52bに比べて厚肉にしており、無限循環路28の内外周方向での断面二次モーメントを、その全長に亘り一様にして形成されている。
この連結腕部52は、その中央部52aと、連結部52bとの横断面を、それぞれ図4(c)および図4(d)に示すように、無限循環路28の内外周方向での厚さを異ならせており、複数のボール46の並び方向とは直交する方向での幅が広い部分を幅が狭い部分に比べて薄肉にすることで前記断面二次モーメントを一様にしている。なお、上記断面二次モーメントは、連結腕部52の、ボール46の並び方向に直交する方向での断面における図心を通り、隣接するボール46の中心同士を結ぶ線分CLに直交する線分に平行な軸に関する断面二次モーメントである。
すなわち、この連結腕部52は、ボール46の並び方向に連続する横断面の形状は、矩形である。そのため、上記断面二次モーメントIは、幅方向での幅をb、内外周方向での厚さをhとするとき、以下の(式1)で与えられる。
I=bh/12 (式1)
そこで、本実施形態の例では、図4(c)および図4(d)に示すように、上記中央部52aでの幅方向での幅をb1、内外周方向での厚さをh1とし、上記連結部52bでの幅方向での幅をb2、内外周方向での厚さをh3とするとき、I=(b1*h1)/12=(b2*h2)/12に設定している。そして、その中央部52aおよび連結部52b相互の内外周方向での厚さhの肉厚をなだらかに連続的に変化させることで、断面二次モーメントを、その全長に亘り一様にしている。
一方、端部にそれぞれ位置する端部間座部59およびそれ以外の間座部51は、共に、ボール46の外径より小さい外径を有する短円柱状をなし、その短円柱状の軸線は、転動体収容ベルト50の長手方向と一致している。
間座部51は、各ボール収容穴55の両側に所定の距離を隔てて配置され、一対の連結腕部52によって、無限循環路28の幅方向の両側で連結されている。これにより、この転動体収容ベルト50は、隣り合う間座部51同士の間且つボール収容穴55とともに画成される部分に、各ボール46を個別に収容可能になっている。
そして、各端部間座部59および間座部51は、隣接する間座部51側を向く面に、凹の円弧からなる転動体接触面54をそれぞれ有している。なお、端部間座部59は、その外側を向く端面についても凹の円弧からなる転動体接触面54が設けられている(図3参照)。
この転動体接触面54は、図3および図4(a)ないし(b)に示すように、一方の転動体接触面54が、隣り合う一方のボール46側に向いて形成され、他方の転動体接触面54が、隣り合う他方のボール46側に、前記一方の転動体接触面54とは反対側を向いて形成されている。そして、この転動体接触面54は、ボール46の外径より僅かに大きな内径をもち、ボール46の曲面に倣う凹の球面になっている。これにより、各間座部51および端部間座部59は、並び方向で対向する転動体接触面54同士が互いに対をなすことにより、各ボール収容穴55でのボール46の移動を拘束しつつボール46を転動自在に保持可能になっている。
次に、この転動体収容ベルトおよび直動案内装置の作用・効果について説明する。
上述の構成を備えてなる、このリニアガイド10によれば、その転動体収容ベルト50は、上記各ボール収容穴55で画成された空間が、各ボール46を所定の間隔で個別に収容し、無限循環路28での内周側へのボール46の移動を拘束しつつ転動自在に保持することができる。したがって、図3に示すように、無限循環路28内に転動体列62を構成してボール46を整列させることができるので、ボール46同士の擦れ合いや競り合いが抑制され、ボール46の循環性が改善される。そして、この転動体収容ベルト50によれば、無限循環路28内で隣り合うボール46同士の間に間座部51が介装されているので、隣り合うボール46相互の接触を確実に防止可能である。
さらに、このリニアガイド10によれば、その転動体収容ベルト50の連結腕部52は、無限循環路28の内外周方向での断面二次モーメントを、その全長に亘り一様に形成しているので、図5に示すように、この連結腕部52はほぼ均等に円弧状に曲げられる。そのため、無限循環路28内で平均的な曲率をもって屈曲しつつ循環可能である。したがって、この転動体収容ベルト50によれば、方向転換路24において、無限循環路28の内外周方向での所要の幅を、例えば連結腕部52自体の最大幅(この例では中央部52aの厚さh1)程度に納めることができる。つまり、上記所要の幅が広くなることが緩和され、これにより、方向転換路24に沿って循環する際の摩擦抵抗を抑制することができる。また、これにより、連結腕部52の屈曲に対応した幅の案内溝60の確保も容易となる。したがって、その分、コンパクトに構成することができる。
また、この連結腕部52は、ボール46の並び方向に連続する横断面の形状は、矩形であり、その内外周方向での厚さhの肉厚をなだらかに連続的に変化させることで、断面二次モーメントを、その全長に亘り一様にしているので、厚さhを僅かに異ならせるだけで断面二次モーメントの均一化が可能である。つまり、上記連結腕部52の構成によれば、上記(式1)から分かるように、内外周方向での厚さhが断面二次モーメントの変化に三乗で効いているので、厚さhを僅かに異ならせるだけで無限循環路28内で平均的な曲率をもって屈曲しつつ循環させることが容易にできるのである。
以上説明したように、本発明に係る転動体収容ベルト50およびリニアガイド10によれば、方向転換路に沿って循環する際の摩擦抵抗を抑制することができる。
なお、本発明に係る転動体収容ベルトおよび直動案内装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、ボール46を収容するための空隙部であるボール収容穴55は、収容するボール46のもつ円弧よりも大きな曲率の凹の円弧から形成された例で説明したが、これに限定されず、ボール46が連結腕部52の表裏の方向(厚さ方向)に自由に係合離脱可能な広さに形成されていれば、種々の形状とすることができる。
例えば、図6にその第一の変形例を示す。
同図の例では、上記実施形態に対し、ボール収容穴55が、ボール46の外径よりも僅かに大きな内径の同心円から形成されている点が異なっている。このような構成であっても、この連結腕部52の横断面を矩形とし、その内外周方向での厚さhの肉厚を、中央部52aから連結部52bに亘り、なだらかに連続的に変化させることで、上記実施形態同様に、断面二次モーメントを、その全長に亘り一様にして、無限循環路28内で平均的な曲率をもって屈曲しつつ循環させることができる。
また、例えば、図7にその第二の変形例を示す。
同図の例では、上記実施形態に対し、ボール収容穴55が矩形になっており、幅方向で対向する連結腕部52の内側面同士の距離が、ボール46の外径よりも僅かに広く形成されている点が異なっている。このような構成であっても、この連結腕部52の横断面を矩形とし、その内外周方向での厚さhの肉厚を、連結部52bおよびその近傍においてなだらかに連続的に変化させることで、上記実施形態同様に、断面二次モーメントを、その全長に亘り一様にして、無限循環路28内で平均的な曲率をもって屈曲しつつ循環させることができる。なお、この例では、連結部52bおよびその近傍以外部分(中央部52aを含むその両側の部分)については、幅方向での寸法が一定なので、内外周方向での厚さhについても一定の厚さになっている。
なおまた、例えば、上記実施形態および変形例では、連結腕部52の横断面を矩形とした例で説明したが、これに限定されず、連結腕部52の横断面を種々の形状とすることができる。しかし、断面二次モーメントを、その全長に亘り一様にして、無限循環路28内で平均的な曲率をもって屈曲しつつ循環させる構成とする上で、寸法の設定を容易とするには、上記例示したように、連結腕部52の横断面を矩形とし、その内外周方向での厚さhの肉厚を、変えることで断面二次モーメントを一様にすることは好ましい。
また、例えば上記実施形態では、断面二次モーメントが、連結腕部52の全長に亘り一様になっている例で説明したが、これに限定されず、例えば、連結腕部52の少なくとも一部分で断面二次モーメントを一様に構成すれば、その部分において上記作用・効果を奏する。この場合において、断面二次モーメントを一様に構成する一部の部分は、少なくとも、端部にそれぞれ位置する二つの端部間座部59を含むものであれば好ましい。このような構成であれば、転動体収容ベルト50の先端を、無限循環路28の内壁または案内溝60に倣って円滑に入り込ませる上で好適である。しかし、その全長に亘り一様にして、無限循環路28内で平均的な曲率をもって屈曲しつつ循環させることができる構成とする上では、上記実施形態ないし変形例に例示したように、連結腕部52の内外周方向での断面二次モーメントが、その全長に亘り一様になっていることは好ましい。
本発明に係る直動案内装置の一実施形態に係るリニアガイドを示す斜視図である。 図1のリニアガイドのスライダを横断面で示す説明図である。 図2のリニアガイドでのX−X線部分における断面図である。 転動体収容ベルトを説明する図であり、同図(a)は、転動体収容ベルトを展開して延ばした状態で示す平面図、同図(b)は、その正面図、同図(c)は、同図(b)でのAーA断面図、同図(d)は同図(b)でのBーB断面図である。 本発明に係る転動体収容ベルトの作用を説明する図である。 本発明に係る転動体収容ベルトの変形例(第一の変形例)を説明する図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は、その正面図である。 本発明に係る転動体収容ベルトの変形例(第二の変形例)を説明する図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は、その正面図である。 従来の直動案内装置の一例を説明する斜視図であり、同図ではその一部を破断した状態で示している。 従来の直動案内装置の一例を説明する図であり、同図では無限循環路の部分を転動体の並び方向での断面図にて示している。 従来の厚さが一様のベルト状の連結腕部をもつ転動体収容ベルトを説明する図であり、同図(a)は間座部が凹曲面の転動体接触面をもつ例、同図(b)は間座部が平面の転動体接触面をもつ例を示し、さらに、同図(c)は(a)ないし(b)での連結腕部のA−A断面を示し、同図(d)は連結腕部のB−B断面を示している。また、同図(e)は、これら従来の転動体収容ベルトの作用を説明する図である。
符号の説明
10 リニアガイド
12 案内レール
14 転動体案内面
16 スライダ
17 スライダ本体
18 負荷転動体案内面
20 転動体戻し通路
22 エンドキャップ
24 方向転換路
25 リターン部材
26 転動体軌道路
28 無限循環路
46 ボール
50 転動体収容ベルト
51 間座部
52 連結腕部
54 転動体接触面
55 ボール収容穴
59 端部間座部
60 案内溝
62 転動体列

Claims (3)

  1. 複数の転動体が転走する無限循環路を有する直動案内装置に用いられ、前記無限循環路内で隣り合う転動体同士の間に介装される複数の間座部と、その間座部を相互に連結する可撓性をもつベルト状の連結腕部と、を有する転動体収容ベルトにおいて、
    前記連結腕部は、その全長に亘りまたは少なくとも一部分で、前記無限循環路の内外周方向での厚さを、隣接する前記間座部同士の中央に位置する部分を他の部分に比べて厚肉にするとともに、前記無限循環路の内外周方向での厚さを、隣接する前記間座部同士の中央に位置する部分を他の部分に比べて厚肉にすることでその断面二次モーメントを一様にしてなることを特徴とする直動案内装置用転動体収容ベルト。
  2. 複数の転動体が転走する無限循環路を有する直動案内装置に用いられ、前記無限循環路内で隣り合う転動体同士の間に介装される複数の間座部と、その間座部を相互に連結する可撓性をもつベルト状の連結腕部と、を有する転動体収容ベルトにおいて、
    前記連結腕部は、その全長に亘りまたは少なくとも一部分で、前記無限循環路の内外周方向での厚さを、前記複数の転動体の並び方向とは直交する方向での幅が広い部分を幅が狭い部分に比べて薄肉にするとともに、前記無限循環路の内外周方向での厚さを、前記複数の転動体の並び方向とは直交する方向での幅が広い部分を幅が狭い部分に比べて薄肉にすることでその断面二次モーメントを一様にしてなることを特徴とする直動案内装置用転動体収容ベルト。
  3. 請求項1または2に記載の転動体収容ベルトを用いていることを特徴とする直動案内装置。
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