JP5853581B2 - 直動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、リニアガイド装置等の直動装置に関する。
従来より、動作時の騒音低減を目的とした構成を有する直動装置として、特許文献1及び特許文献2に開示されたものが知られている。
特許文献1に開示された直動装置は、スライダ本体と着脱可能な枠体で転動体循環路が構成される。枠体は転動体戻し通路及び方向転換路が合成樹脂で一体成形される。よって、転動体循環路内の両者間には段差なく、転動体が両者間を転動する際に転動体の引っ掛かり、千鳥発生が防止されるため、良好な作動性・騒音性を得られる。また、従来のスライダと比較して、スライダ本体に転動体戻し通路を切削しないため切削加工費をコストダウンすることができる。
一方、特許文献2に開示された直動装置は、樹脂を材料とした1対の方向転換路、保持器、戻り案内部材及びスライダ本体の転動溝で転動体循環路内周が構成される。そして、この4つの部品内でいずれか2つの接合部は一体成形される。つまり、(1)方向転換路と戻り案内部材、(2)方向転換路と転動体保持器、の4つの接合面(長手方向のスライダ端面で(1)、(2)とも各2つ)で2つの段差をなくすことができる。よって、転動体が上記(1)、(2)の接合面を転動する際に転動体の引っ掛かり、千鳥発生が抑制され、作動性・騒音性が向上させられる。また、部品を一体成形することで部品点数を削減できるため、組立・部品代がコストダウンできる。
特許第4221962号 特許第3571911号
しかしながら、特許文献1に記載の直動装置(直線運動案内装置)は、合成樹脂で成形した枠体の分だけ、スライダ全体に対する樹脂材料の割合が多くなる。よって、鉄製であるスライダ本体に転動体戻し通路を加工する従来の直動装置に対して剛性低下を解決する点で改善の余地がある。
一方、特許文献2では、上記(1)の方向転換路を戻り案内部材の両端で一体化すると、方向転換路が転動体戻し通路に引っ掛かり、組み立てることができない。ここで、特許文献2では、[実施の形態1]の[変更例2]において、方向転換路を戻り案内部材の両端で一体化する例が示されているが、保持器、戻り案内部材が中央で切断されている。よって、この[変更例2]では、保持器、戻り案内部材の間に段差ができ、結果として、転動体が段差を通過する際に、転動体の引っ掛かり及び千鳥発生により作動性・騒音性が悪化するという問題がある。
そこで、本発明は上記の問題点に着目してなされたものであり、その目的は、剛性を低下させることなく、作動性及び騒音性が向上し、コストダウンを実現する直動装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の請求項1に係る直動装置は、軸方向に沿って転動体転動面が形成された案内レールと、
該案内レールに対して相対移動可能に配設されて前記転動体転動面に対向して当該転動体転動面とともに転動体転走路を構成する負荷転動体転動面を有するスライダと、
前記転動体転走路を転走する複数の転動体と、
前記スライダに組み付けられた保持器とを備え、
前記スライダは、前記転動体が無負荷状態で転走する転動体戻し通路を有するスライダ本体と、該スライダ本体の移動方向両端に取り付けられて前記転動体転動路及び転動体戻し通路の両端にそれぞれ連通する方向転換溝が形成される一対のエンドキャップとを有し、
前記転動体戻し通路は、前記スライダ本体の移動方向に沿って形成された貫通孔と、その貫通孔に内嵌すると共に前記転動体が無負荷状態で転走する通路を構成する戻り案内部材とを有し、
前記戻り案内部材は、前記転動体戻し通路内で前記転動体を案内する溝部と、該溝部の両端部に一体に形成され、前記方向転換溝に対向して、該方向転換溝と共に方向転換路を形成して前記転動体を案内する方向転換案内部とを有し、かつ前記溝部と前記方向転換案内部とが平行になるにつれて前記保持器及び前記貫通孔へ挿入可能な弾性材料で形成され、前記貫通孔内で前記スライダ本体の軸方向を中心に回転させて位置決め可能とされたことを特徴としている。
また、本発明の請求項2に係る直動装置は、請求項1に記載の直動装置において、前記戻り案内部材が前記保持器に位置決めされることを特徴としている。
また、本発明の請求項3に係る直動装置は、請求項1に記載の直動装置において、隣接する前記戻り案内部材のそれぞれの前記方向転換案内部同士を連結する連結部が前記方向転換案内部に設けられることを特徴としている。
本発明によれば、方向転換路案内部を戻り案内部材の両端部で一体化することで、方向転換案内部と戻り案内部材間の段差をなくすことができる。よって、転動体が両者間を通過する際に転動体の引っ掛かり、千鳥発生が抑制でき、作動性・騒音性が向上させられる。
また、戻り案内部材と方向転換路案内部との一体成形化により部品点数を削減できるため、組立・部品代のコストダウンを実現できる。
また、貫通孔に内嵌され、方向転換路案内部が一体成形された戻り案内部材を弾性材料で成形したので、剛性を低下させることがない。
さらに、方向転換路及び転動体戻し通路で転動体の千鳥が発生し、摩擦抵抗により転動体が詰まるような状態でも、方向転換路案内部が一体成形された戻り案内部材の弾性変形により力を変形方向へ逃がすことで、作動性を向上できる。
本発明に係る直動装置の第1の実施形態における構成を示す正面図である。 本発明に係る直動装置の第1の実施形態におけるスライダの構成を示す分解斜視図である。 本発明に係る直動装置の第1の実施形態における戻り案内部材の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。 本発明に係る直動装置の第1の実施形態におけるスライダ本体の構成を示す図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。 本発明に係る直動装置の第1の実施形態における戻り案内部材の構成を示す図であり、(a)は弾性変形前の図3(b)のC−C線に沿う断面図、(b)は弾性変形後の図3(b)のC−C線に沿う断面図である。 本発明に係る直動装置の第1の実施形態における戻り案内部材の変形と伸び量との関係を示す図であり、(a)は方向転換路案内部の角度を90°としたときの伸び量を示す図3(b)のC−C線に沿う断面図、(b)は方向転換路案内部の角度を60°としたときの伸び量を示す図3(b)のC−C線に沿う断面図、(c)は方向転換路案内部の角度を45°としたときの伸び量を示す図3(b)のC−C線に沿う断面図、(d)は方向転換路案内部の角度を30°としたときの伸び量を示す図3(b)のC−C線に沿う断面図である。 本発明に係る直動装置の第1の実施形態における戻り案内部材の弾性変形を示す図であり、(a)は弾性変形前の方向転換案内部の形状を示す図3(b)のC−C線に沿う断面図、(b)は弾性変形後の方向転換案内部の形状を示す図3(b)のC−C線に沿う断面図である。 本発明に係る直動装置の第1の実施形態におけるスライダ本体に対する戻り案内部材の挿入方法を示す図4(b)のD−D線に沿う断面図であり、(a)は戻り案内部材の挿入前の断面図、(b)は戻り案内部材の挿入後の断面図、(c)は戻り案内部材の位置決めを示す断面図である。 本発明に係る直動装置の第1の実施形態における戻り案内部材の位置決めを示す図であり、(a)は保持器の位置決め突起を示す正面図、(b)は戻り案内部材の位置決め凹部を示す正面図、(c)は位置決め突起及び位置決め凹部による戻り案内部材の位置決め方法を示す正面図である。 本発明に係る直動装置の第1の実施形態における戻り案内部材の結合の構成を示す図であり、(a)は連結部を示す図3(a)のA−A線に沿う断面図、(b)は連結部を示す図3(a)のA−A線に沿う断面図、(c)は連結部を示す背面図、(d)は連結部を示す正面図である。 本発明に係る直動装置の第2の実施形態における戻り案内部材の構成を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。 本発明に係る直動装置の第2の実施形態における戻り案内部材の弾性変形を示す図であり、(a)は弾性変形前の方向転換案内部の形状を示す図3(b)のC−C線に沿う断面図、(b)は弾性変形後の方向転換案内部の形状を示す図3(b)のC−C線に沿う断面図である。 本発明に係る直動装置の第3の実施形態における戻り案内部材の構成を示す図3(b)のC−C線に沿う断面図である。 本発明に係る直動装置の第3の実施形態における戻り案内部材の変形と伸び量との関係を示す図であり、方向転換路案内部の角度を30°としたときの伸び量を示す図3(b)のC−C線に沿う断面図である。
以下、本発明に係る直動装置の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の直動装置における構成を示す正面図である。図2は、本実施形態の直動装置におけるスライダの構成を示す分解斜視図である。また、図3は、本実施形態の直動装置における戻り案内部材の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。また、図4は、本実施形態の直動装置におけるスライダ本体の構成を示す図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。また、図5は、本実施形態の直動装置における戻り案内部材の構成を示す図であり、(a)は弾性変形前の図3(b)のC−C線に沿う断面図、(b)は弾性変形後の図3(b)のC−C線に沿う断面図である。また、図6は、本実施形態の直動装置における戻り案内部材の変形と伸び量との関係を示す図であり、(a)は方向転換路案内部の角度を90°としたときの伸び量を示す図3(b)のC−C線に沿う断面図、(b)は方向転換路案内部の角度を60°としたときの伸び量を示す図3(b)のC−C線に沿う断面図、(c)は方向転換路案内部の角度を45°としたときの伸び量を示す図3(b)のC−C線に沿う断面図、(d)は方向転換路案内部の角度を30°としたときの伸び量を示す図3(b)のC−C線に沿う断面図である。また、図7は、本実施形態の直動装置における戻り案内部材の弾性変形を示す図であり、(a)は弾性変形前の方向転換案内部の形状を示す図3(b)のC−C線に沿う断面図、(b)は弾性変形後の方向転換案内部の形状を示す図3(b)のC−C線に沿う断面図である。また、図8は、本実施形態の直動装置におけるスライダ本体に対する戻り案内部材の挿入方法を示す図4(b)のD−D線に沿う断面図であり、(a)は戻り案内部材の挿入前の断面図、(b)は戻り案内部材の挿入後の断面図、(c)は戻り案内部材の位置決めを示す断面図である。また、図9は、本実施形態の直動装置における戻り案内部材の位置決めを示す図であり、(a)は保持器の位置決め突起を示す正面図、(b)は戻り案内部材の位置決め凹部を示す正面図、(c)は位置決め突起及び位置決め凹部による戻り案内部材の位置決め方法を示す正面図である。また、図10は、本実施形態の直動装置における戻り案内部材の結合の構成を示す図であり、(a)は連結部を示す図3(a)のA−A線に沿う断面図、(b)は連結部を示す図3(a)のA−A線に沿う断面図、(c)は連結部を示す背面図、(d)は連結部を示す正面図である。
<直動装置の構成>
図1及び図2に示すように、本実施形態の直動装置(リニアガイド)1は、転動体転動面11を有する案内レール10と、この案内レール10に対して、ボールなどの転動体30を介して相対移動可能に跨設され、転動体転動面11に対向する負荷転動体転動面21を有するスライダ20とを備えている。
<案内レール>
案内レール10は、その両側面にそれぞれ2条ずつ計4条の転動体転動面11が、その軸方向(長手方向)に沿って形成されている。なお、本実施形態では、転動体をボールとし、転動体列が4列のリニアガイド(直動装置)として説明するが、転動体はころでもよく、転動体列は2列の組み合わせでもよい。
<スライダ>
スライダ20は、スライダ本体22と、スライダ本体22の軸方向両端にそれぞれ装着されたエンドキャップ23とから構成されている。
スライダ本体22及びエンドキャップ23の軸方向(案内レール10の軸方向)に連続した形状は、ともに略U字形の断面形状である。略U字形をしたスライダ本体22の内側には、案内レール10の各転動体転動面11にそれぞれ対向する負荷転動体転動面21が計4条形成されている。
略U字形をしたスライダ本体22の袖部の肉厚部には、それぞれの負荷転動体転動面21に所定の間隔を隔ててほぼ平行に延びる転動体戻し通路24が形成されている。この転動体戻し通路24は、円形断面が長手方向に連続する貫通孔25と、この貫通孔25内に嵌め込まれた戻り案内部材40とから構成されている。すなわち、1つの転動体戻し通路24につき、一つの戻り案内部材40が内嵌されている。
そして、エンドキャップ23には、負荷転動体転動面21の両端にそれぞれ連通する一対の方向転換溝23aが、スライダ本体22の端部に対向する面に形成されている。
また、スライダ本体22には、そのスライダ本体22の両袖部の内側に、スライダ20を案内レール10から外した際の転動体30の脱落を防ぐための保持器50がそれぞれ設けられている(図2及び図4(a),(b)参照)。
<戻り案内部材>
図3に示すように、戻り案内部材40は、溝部41と、溝部41の両端部41,41に一体に設けられた方向転換案内部42とを有してなる。
[溝部]
溝部41の形状は、その長手方向に連続する断面形状が弧状(例えば、半円形)をなす半割管である。このように、半割管形状の溝部41を用いて転動体戻し通路24を構成すると、スライダ20に穿孔する貫通孔25の直径を大きくできるので、直動装置1の製造性を高めることができる。
溝部41は、転動体30が無負荷状態で転走するガイドとなっており、戻り案内部材40が転動体戻し通路24に内嵌されることによって、転動体30の通路となる。溝部41の曲率半径は、転動体30の直径よりも僅かに大きく設定される。従って、転動体30は、戻り案内部材40が内嵌された転動体戻し通路24内の空間を円滑に移動可能になっている。
[方向転換案内部]
溝部41の両端部41a,41aに一体に形成される方向転換案内部42は、方向転換溝23aに対向するように形成されて、転動体30の内側の軌道を案内する部材である。そして、エンドキャップ23の方向転換溝23aと方向転換案内部42とによって、エンドキャップ23内における転動体30の軌道を案内する方向転換路26が形成される。
ここで、戻り案内部材40(溝部41及び方向転換案内部42)の材料としては、弾性変形可能な材料(エラストマ樹脂及びゴム材など)が採用される。
このように、戻り案内部材40を構成する溝部41と方向転換案内部42とを一体成形したことによって、直動装置1の作動性・騒音性が向上する。
また、戻り案内部材40の材料として弾性材料を採用することで、戻り案内部材40の一方の方向転換案内部42を変形させて、転動体戻し通路24に戻り案内部材40をスムーズに内嵌させることができ、作業性が向上する。なお、戻り案内部材40の変形は、転動体戻し通路24、後述する無限循環路の曲率半径、転動体30と戻り案内部材40とのスキマ設定などの設計で異なるため、必要な弾性変形量が得られる材料を使用することが好ましい。
<無限循環路>
そして、この直動装置1においては、案内レール10の転動体転動面11と、これに対向するスライダ本体22の負荷転動体転動面21との間に挟まれた空間が転動体転走路27をなしている。
このようにして、スライダ20内には、転動体戻し通路24、方向転換路26、及び転動体転走路27によって環状に連続する無限循環路28が計4本構成されることとなる。ここで、この無限循環路28内には、転動体としての球状のボール30が複数装填され、これら複数の転動体30が無限循環路28内を転動しつつ循環するようになっている。
[戻り案内部材の設置]
ここで、上述のように形成された戻り案内部材40を弾性変形させて、転動体戻し通路24の貫通孔25に戻り案内部材40をスムーズに設置(内嵌)させる方法について説明する。
図5(a)、(b)に示すように、まず、戻り案内部材40の一方(転動体戻し通路24へ挿入する側)の方向転換案内部42を変形させる。方向転換案内部42を変形する向きとしては、溝部41の長手方向に沿う向き(転換案内部42が溝部41と平行になる向き)が好ましい。
ここで、前述したように、戻り案内部材40の伸び量dは、方向転換案内部42を変形させることによって溝部41と方向転換案内部42とが平行になるにつれて大きく要求されるので、戻り案内部材40の材料はそれに耐え得るものが採用される。弾性伸び量が必要になる。
このように方向転換案内部42を変形させると、図6(a)〜(d)に示すように、溝部41と方向転換案内部42とが平行になるにつれて保持器50及び貫通孔25へ挿入する際の、方向転換案内部の断面積が小さくなるため、挿入しやすくなる。
次に、図7(a),(b)に示すように、方向転換案内部42の断面方向の4隅の薄肉部を変形させる。このとき、変形させる量は、長手方向の変形量及び転動体戻し通路24、転動体30の無限循環路28の曲率半径、転動体と戻り案内部材40のスキマ設定など設計によって変化する。なお、図7(a),(b)は、例として、図6(d)に示した長手方向へ30°の変形時を示している。従って、戻り案内部材40の材料は、各設計に応じて必要な弾性変形が得られる材料が選定される。
次に、一方の方向転換案内部42を変形させた戻り案内部材40は、図8(a)に示すスライダ本体22に形成された貫通孔25に対して、図8(b)に示すように、変形された一方の方向転換案内部42側から挿入される。そして、図8(c)に示すように、変形された一方の方向転換案内部42を弾性力により、他方の方向転換案内部42と同様の状態に戻し、貫通孔25内でスライダ本体22の軸方向を中心に回転させて位置決めする。
[位置決め突起]
ここで、貫通孔25内に設置された戻り案内部材40を好適に位置決めするために、戻り案内部材40が保持器50に位置決めされてもよい。具体的には、図9(a)に示すように、保持器50における貫通孔25に対応する孔部51に、位置決め突起52が設けられる。一方、図9(b)に示すように、方向転換案内部42における転動体30の転走面の背面42aには、位置決め突起52に嵌合する形状をなす位置決め凹部42bが設けられている。これら位置決め突起52及び位置決め凹部42bは、貫通孔25内における戻り案内部材40の設置位置を好適に位置決めする位置に保持器50及び方向転換案内部42のそれぞれに設けられる。そして、図9(c)に示すように、位置決め突起52と位置決め凹部42bとを嵌合させることによって、保持器50を介して、貫通孔25内において戻り案内部材40が好適に位置決めされる。
[連結部]
また、本実施形態の他の例として、方向転換案内部42には、隣接する方向転換案内部42と連結するための連結部が形成されてもよい。
具体的には、スライダ本体22の袖部に形成された上下方向(スライダ20の袖部が突出する方向,図2参照)の転動体戻し通路24,24(貫通孔25,25)のそれぞれに挿入された戻り案内部材40,40同士が連結される。すなわち、図10(a)〜(d)に示すように、スライダ本体22の上下方向に隣接する2つの方向転換案内部42,42のそれぞれに、相手側と嵌合する突起又は溝をなす連結部42cが相手側の方向転換案内部42の設置される向きに形成される。そして、スライダ本体22の上下方向に隣接する2つの方向転換案内部42,42同士が結合される。
このように方向転換案内部42,42同士を連結部42c,42cによって連結することにより、上下方向の転動体戻し通路24へ給脂構造を設計しやすくなる。
以上説明したように、本実施形態の直動装置によれば、戻り案内部材は、その両端部に方向転換案内部を一体成型したため、戻り案内部材と方向転換案内部との間に段差が発生しない。よって、戻り案内部材と方向転換案内部との間を転動体が通過する際に、転動体の引っ掛かり、千鳥発生を抑制でき、直動案内製品の作動性・騒音性を向上させることができる。
また、戻り案内部材は、弾性変形可能であり、方向転換案内部を弾性変形させることで、転動体戻し通路を通り抜ける。よって、戻り案内部材の両端部に方向転換案内部を設けても組立可能となるため、部品点数を削減でき、組立・部品代のコストダウンを実現することができる。
さらに、戻り案内部材は、弾性をもつため、戻り案内部材及び方向転換案内部で転動体の千鳥が発生し、摩擦抵抗により転動体が詰まるような状態でも、戻り案内部材及び方向転換案内部の弾性変形より力を変形方向へ逃がすことができるので、作動性を向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る直動装置の第2の実施形態について説明する。
図11は、本実施形態の直動装置における戻り案内部材の構成を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。また、図12は、本実施形態の直動装置における戻り案内部材の弾性変形を示す図であり、(a)は弾性変形前の方向転換案内部の形状を示す図3(b)のC−C線に沿う断面図、(b)は弾性変形後の方向転換案内部の形状を示す図3(b)のC−C線に沿う断面図である。なお、本実施形態は、方向転換案内部の形状が異なる以外は、第1の実施形態と同様であるので、第1の実施形態と同じ符号を付した同様の構成については説明を省略する。
本実施形態の方向転換案内部42は、図11(a)〜(c)に示すように、その四隅42dが先細り形状(テーパ形状)になっている。このように、方向転換案内部42の四隅42dを先細り形状(テーパ形状)にしたのは、方向転換案内部42の断面方向の変形が、方向転換案内部42の外周形状に依存するからである。
このように、方向転換案内部42の四隅42dを先細り形状(テーパ形状)にしたことによって、第1の実施形態に対して、方向転換案内部42の断面方向で必要な変形量が少なくなり、作業効率が向上するという効果を奏する。
また、図12(a),(b)に示すように、第1の実施形態より変形箇所が薄肉のため、変形させることが容易である。なお、図12は、第1の実施形態と同様に戻り案内部材の長手方向の変形を角度30°にした例である。
このような構成を採用することにより、第1の実施形態よりも断面方向への変形が容易であり、組立サイクルが短くなるという効果を奏する。
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る直動装置の第3の実施形態について説明する。
図13は、本実施形態の直動装置における戻り案内部材の構成を示す図3(b)のC−C線に沿う断面図である。また、図14は、本実施形態の直動装置における戻り案内部材の変形と伸び量との関係を示す図であり、方向転換路案内部の角度を30°としたときの伸び量を示す図3(b)のC−C線に沿う断面図である。なお、本実施形態は、戻り案内部材の端部(方向転換案内部との連結部分)の形状が異なる以外は、第1の実施形態と同様であるので、第1の実施形態と同じ符号を付した同様の構成については説明を省略する。
図13に示すように、本実施形態では、第1の実施形態に対して、溝部41の端部(方向転換案内部42との連結部分)41aが薄肉である。
従って、本実施形態においては、図14に示すように、溝部41の端部(方向転換案内部42との連結部分)41aが、第1の実施形態に対して、薄肉になっているため、方向転換案内部42が溝部41の長手方向に伸びやすい。
このように、溝部41の端部(方向転換案内部42との連結部分)41aを薄肉にしたので、第1の実施形態よりも戻り案内部材40(方向転換案内部42)の長手方向への変形が容易であり、組立サイクルが短くなるという効果を奏する。
以上説明したように、本発明の直動装置によれば、戻り案内部材を構成する溝部と方向転換案内部とを溝部の両端部で一体化させたことで、溝部と方向転換案内部との間の段差をなくすことができる。よって、転動体が溝部と方向転換案内部との間を通過する際に転動体の引っ掛かり、千鳥発生が抑制でき、作動性・騒音性が向上させられる。
また、戻り案内部材の一体成形化により部品点数を削減できるため、組立・部品代がコストダウンできる。
また、貫通孔に内嵌され、方向転換路案内部が溝部に一体成形された戻り案内部材を弾性材料で成形したので、剛性を低下させることがない。
さらに、溝部及び方向転換案内部で転動体の千鳥が発生し、摩擦抵抗により転動体が詰まるような状態でも戻り案内部材の弾性変形により力を変形方向へ逃がすことで、作動性を向上できる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに、種々の変更、改良を行うことができる。
1 直動装置
10 案内レール
20 スライダ
22 スライダ本体
23 エンドキャップ
24 転動体戻し通路
30 転動体
40 戻り案内部材
41 溝部
42 方向転換案内部
42b 位置決め凹部
42c 連結部
50 保持器
52 位置決め突起

Claims (3)

  1. 軸方向に沿って転動体転動面が形成された案内レールと、
    該案内レールに対して相対移動可能に配設されて前記転動体転動面に対向して当該転動体転動面とともに転動体転走路を構成する負荷転動体転動面を有するスライダと、
    前記転動体転走路を転走する複数の転動体と、
    前記スライダに組み付けられた保持器とを備え、
    前記スライダは、前記転動体が無負荷状態で転走する転動体戻し通路を有するスライダ本体と、該スライダ本体の移動方向両端に取り付けられて前記転動体転動路及び転動体戻し通路の両端にそれぞれ連通する方向転換溝が形成される一対のエンドキャップとを有し、
    前記転動体戻し通路は、前記スライダ本体の移動方向に沿って形成された貫通孔と、その貫通孔に内嵌すると共に前記転動体が無負荷状態で転走する通路を構成する戻り案内部材とを有し、
    前記戻り案内部材は、前記転動体戻し通路内で前記転動体を案内する溝部と、該溝部の両端部に一体に形成され、前記方向転換溝に対向して、該方向転換溝と共に方向転換路を形成して前記転動体を案内する方向転換案内部とを有し、かつ前記溝部と前記方向転換案内部とが平行になるにつれて前記保持器及び前記貫通路へ挿入可能な弾性材料で形成され、前記貫通孔内で前記スライダ本体の軸方向を中心に回転させて位置決め可能とされたことを特徴とする直動装置。
  2. 前記戻り案内部材が前記保持器に位置決めされることを特徴とする請求項1に記載の直動装置。
  3. 隣接する前記戻り案内部材のそれぞれの前記方向転換案内部同士を連結する連結部が前記方向転換案内部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の直動装置。
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