JP6227327B2 - リニアブッシング - Google Patents

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Description

この発明は,長尺な軸と該軸を嵌挿する転動体を介して相対移動するスライダとから成り,前記スライダが外筒と該外筒内に配設されて転動体を保持する保持器とから構成されていることから成るリニアブッシングに関する。
従来,リニアブッシングは,軸を嵌挿するスライダを構成する保持器が合成樹脂又は金属から構成され,スライダを構成する外筒から保持器が抜け落ちないように,外筒の両端に形成した溝に止め輪を嵌めて保持器を固定した構造に構成されている。
また,従来知られている縦運動用ボール・ベアリングは,ボールが周囲にわたって分配されている単独で閉じた案内溝内を動かされ,それらの巡回路の一部分上でのみ負荷を受け,その際にボールが負荷された領域から負荷から解放された領域へ,又は逆の移行時にそれぞれ上げ及び下げられる数個の同心に隔なく互いに嵌入した管片即ち保持器を持っている。上記縦運動用ボール・ベアリングは,保持器が薄肉の外筒に圧入固定されて相対回転しないように構成されており,外筒の一端側を内向きに折り曲げて保持器の脱落を防止しており,他端側については保持器を外筒に軸方向に固定できない構造に構成されている(例えば,特許文献1参照)。
特公昭39−6255号公報
しかしながら,従来のリニアブッシングは,保持器の外筒への固定に止め輪を用いる構造に構成されているので,外筒の内周の両端に溝を形成し,該溝に止め輪を嵌入する必要があり,部品点数が多く,構造が複雑になるという問題があった。
この発明の目的は,上記の課題を解決することであって,長尺状の軸と該軸上を転動体を介して相対摺動自在なスライダとから成り,スライダが外筒と該外筒内に互いに係合して位置決め固定された転動体を保持する保持器とから構成され,従来のリニアブッシングで外筒に保持器を固定するのに使用された止め輪を使用することなく,外筒と保持器とをそれぞれワンピースで構成し,保持器を外筒へ嵌挿して両者を互いに係合させることによって,外筒に保持器を位置決め固定をさせることができ,部品点数を低減して簡単な構造で,しかも保持器を外筒に適正に確実に位置決め係合させて外筒に保持器を強固に組み込み,転動体の適正な転動を可能にしたことを特徴とするリニアブッシングを提供することである。
この発明は,円形状の長尺な軸と該軸を嵌挿して複数の転動体を介して前記軸の長手方向に沿って相対摺動自在なスライダとから成り,前記スライダが内周面に前記転動体が転動する軌道面が長手方向に伸びて形成された薄肉鋼板で形成されたワンピースの外筒,該外筒に嵌挿して前記転動体を循環させる循環路を形成するための循環溝が形成された筒状のワンピースの保持器,及び前記保持器に形成された開口部を通して前記軸の外周面と前記外筒の前記軌道面とを転動すると共に前記保持器に保持されて前記保持器の前記循環路に沿って転走する前記転動体から構成されており,前記循環路は,前記転動体に負荷がかかる軌道路,前記軌道路の両端にそれぞれ連通する方向転換路,及び前記方向転換路と連通するリターン路から構成されていることから成るリニアブッシングにおいて,
前記保持器には両端部の外周面からそれぞれ突出する突起部が形成され,前記外筒には前記突起部がそれぞれ嵌入する長手方向に伸びる細長い窓部が形成され,前記保持器の前記突起部が前記外筒の前記窓部の両端面に係合することによって前記保持器が前記外筒に対して長手方向及び回転方向に位置決め固定されることを特徴とするリニアブッシングに関する。
また,このリニアブッシングにおいて,前記保持器に設けた前記突起部が係合する前記外筒に形成された前記窓部は,前記循環路の外側になる前記長手方向に伸びる前記軌道面に隣接した位置に形成されている。
また,前記保持器に設けた前記突起部は,断面がそれぞれ円形の円筒部に形成され,前記保持器の前記突起部の周囲の一部分には,前記突起部を引っ込ませて弾性変形させるためのスリットが形成されており,前記突起部を弾性変形で引っ込ませて前記外筒の内周面を通して前記窓部に係合させることができる。
更に,前記保持器に設けた前記突起部は,前記円筒部の先端は傾斜面に形成され,前記保持器の前記開口部が形成された前記軌道路を形成する軌道溝の両端部にそれぞれ位置して形成されている。
また,このリニアブッシングは,前記保持器に形成された前記リターン路を形成するリターン溝に対向する前記外筒には,前記リターン路を形成するため開口した長手方向に伸びる細長いリターン窓部が形成されていると共に,前記リターン窓部は前記突起部が嵌入する前記窓部と同一形状に形成されている。
また,前記スライダの前記循環路は,円周方向に複数形成され,前記保持器に設けた前記突起部は前記循環路ごとに形成されている。
また,前記外筒は,内周面に前記軌道面が形成されている長手方向の中央部分を構成する小径円筒部,前記小径円筒部の両端に一体構造にそれぞれ構成された拡開するテーパ円筒部,及び前記テーパ円筒部の端部に一体構造で前記外筒の両端部を構成し且つ前記中央部分よりも直径が大きい大径円筒部から構成されている。
また,前記保持器の前記リターン路の両端部には,前記転動体を前記リターン路から前記方向転換路へスムーズに案内するため前記保持器の前記外周面から突出した円筒状の案内突起部が形成され,前記案内突起部の先端には,前記方向転換路を形成する壁面部が形成されている。
また,前記保持器は,合成樹脂から構成され,係合用の前記突起部とガイド用の前記案内突起部は,円周方向に等分に形成されている。
この発明によるリニアブッシングは,上記のように構成されているので,スライダを構成する外筒と保持器とをそれぞれワンピースに形成でき,保持器に保持された複数の転動体をワンピースの保持器に保持するので,部品点数が大幅に低減でき,外筒に保持器を位置決めして係合させるだけで,互いに組み込み位置決め固定されるので,従来のように外筒に保持器を固定するための止め輪が不要になり,しかも,外筒には保持器の突起部を係合させるための窓部のみでなく,転動体のリターン路に対応する部分の外筒に窓部を大きく形成でき,スライダ自体の軽量化を達成することができる。
この発明によるリニアブッシングの一実施例を示し,外筒の一部を破断した断面部分を含んだ斜視図である。 図1のリニアブッシングを示す正面図である。 図1のニアブッシングを示し,図2のリニアブッシングのA−O−A位置における断面を示す断面図である。 図1のリニアブッシングにおける外筒を示す正面図である。 図4の外筒のB−B位置における断面を示す断面図である。 図1のリニアブッシングにおける保持器を示す斜視図である。 図6の保持器を示す正面図である。 図6の保持器を示す側面図である。 図7のF方向から見た保持器を示す側面図である。 図8の保持器のC−C位置における断面を示す断面図である。 図10の保持器のD−D位置における断面を示す断面図である。 図8の保持器に設けられた突起部の周辺であるG領域を示す拡大側面図である。 図12の突起部の周辺のE−E位置における断面を示す断面図である。
以下に,図面を参照して,この発明によるリニアブッシングの実施例について説明する。この発明によるリニアブッシングは,概して,図1〜図3に示すように,断面円形でなる長尺状の軸1と軸1を嵌挿して転動体であるボール4を介して軸1の長手方向に沿って相対摺動自在なスライダ15とから構成されている。スライダ15は,内周に転動体であるボール4が転走する軌道面13が形成された薄肉鋼板で形成されたワンピースの円筒状の外筒2,外筒2の内周側に嵌挿してボール4が循環する循環路21を形成するための循環溝19が形成されたワンピースの円筒形状の保持器3,及び保持器3に形成された窓部8を通して軸1の外周面34と外筒2の軌道面13とを転動すると共に保持器3に保持されて保持器3の循環路21に沿って転走する多数のボール4から構成されている。循環路21は,ボール4に負荷がかかる軌道路14,軌道路14の両端にそれぞれ連通する一対の方向転換路22,及び一対の方向転換路22と連通するリターン路23から構成されている。このリニアブッシングは,例えば,外筒2は,直径が10mm程度であり,軸1は,直径が4mm程度である。また,外筒2は,薄肉の金属即ち鋼板で作製されており,また,保持器3は,合成樹脂で作製されている。更に,転動体は,鋼製のボール4で作製されている。
このリニアブッシングは,特に,ワンピースの保持器3には,図6に示すように,両端部27の外周面25からそれぞれ突出する少なくとも一対の突起部9が形成されており,また,ワンピースの外筒2には,一対の突起部9が嵌入する長手方向に伸びる細長い窓部8が形成されている。保持器3の一対の突起部9は,外筒2の窓部8の両端面即ち円弧面35に嵌入係合することによって,保持器3が外筒2に対して軸方向即ち長手方向及び回転方向に位置決めされて固定される。即ち,保持器3は,突起部9を外筒2の窓部8に嵌入して,保持器3を外筒2に位置決め固定されるように構成されている。保持器3は,略円筒形状に形成されており,突起部9は,保持器3の円筒部24の外周面25の軸方向の両端部27に近い位置に形成されている。保持器3の内周面26は,軸1の外周面34に相対摺動自在に嵌合し,スライダ15は,軸1の外周面34の軌道面に転動体のボール4を介して軸1に相対摺動自在に嵌挿されている。両端部27に設けられた突起部9は,保持器3を外筒2に位置決め固定するためのものであり,外筒2の窓部8の円弧面35である円形端面に密接係合するように実質的に円筒部28に形成されている。
また,このリニアブッシングでは,保持器3の両端部27に設けられた案内突起部10は,ボール4をガイドするためのものであり,外筒2のリターン路23用の窓部18に対応する位置に形成されている。保持器3には,窓部18に沿って隣接して仕切壁部11が設けられている。仕切壁部11は,循環路21用の循環溝19を仕切って軌道溝36とリターン溝37を形成し,リターン溝37によってリターン路23を形成している。また,突起部9及び案内突起部10は,円筒部28,29に形成され,これらの円筒部28,29の外側に隣接して,保持器3に形成される循環路21が形成されている。即ち,突起部9は,方向転換路22の軌道路14側に形成され,また,案内突起部10は,リターン路23側に形成されている。即ち,保持器3の循環溝19におけるリターン路23を形成するリターン溝37に対向する外筒2には,リターン路23を形成するための開口したリターン窓部18が形成される。保持器3の循環路21を形成する循環溝19は,底部の断面形状をR形状に形成されている。また,保持器3の軌道路14側の軌道溝36の底には,開口部16が形成されている。ボール4は,軌道溝36に案内されて保持器3の開口部16から軸1の外周面34で形成される軌道面に露出するように組み込まれる。
また,このリニアブッシングにおいて,外筒2は,図4及び図5に示すように,略円筒状に形成され,外筒2の軸方向両端部17の直径寸法に対し,軸方向中間部分の直径寸法が小さく,外筒2の円筒部33には,複数(図では6個)の窓部8,18が形成され,軌道路14用の窓部8とリターン路23用の窓部18とは交互に位置して,3個の循環路21に対応するように構成されている。外筒2の円筒部33に形成された窓部8,18は,軸方向に細長く直線状に開口した形状に形成される。窓部8,18の両端部は,略円弧形状に形成されている。また,外筒2のリターン路23用の窓部18の端部は,循環路21の外側になる軌道面13に隣接した位置に形成されている。即ち,窓部8,18は,図5に示すように,同一の長孔の形状に形成されており,外筒2を円周方向に6等分する角度に形成されている。従って,外筒2と保持器3との円周方向の位置合せが容易になり,組み立て性が向上する。このリニアブッシングでは,循環路21は,スライダ15を円周方向に等分する角度に形成されており,例えば,実施形態では3条列に形成されている。即ち,スライダ15の循環路21は,円周方向に複数形成され,保持器3に設けた突起部9は,循環路21ごとに形成されている。
また,保持器3は,図6〜図13に示すように,合成樹脂を用いて成形等で作製され,略円筒形状に形成されている。保持器3の円筒部24には,両端部27に2種類の突起部9と案内突起部10がそれぞれ形成され,係止用の突起部9とガイド用の案内突起部10とが円周方向に等分に形成されている。円筒部24の外周面25には,循環路21を形成するための凹溝が形成されている。保持器3に設けた突起部9は,外筒2の軌道面13側の両端部27に形成されており,保持器3の開口部16が形成された軌道路14の両端部27にそれぞれ位置して形成されている。また,案内突起部10は,リターン路23側の両端部27に形成されている。突起部9と案内突起部10とは,略円筒面の形状に形成されている(図6,図8及び図10参照)。保持器3の円筒部24には,3つの循環路21用の循環溝19と,突起部9と案内突起部10が6個ずつ形成される。1つの循環路21用の循環溝19に対して,突起部9と案内突起部10が各2個ずつ形成されている。保持器3の円周方向に隣り合う突起部9同士の突出方向がなす角度をα2とし,また,保持器3の円周方向に隣り合う案内突起部10同士の突出方向がなす角度をα3とすると,角度α2と角度α3は同じ値であり,実施形態では120°に形成されている。隣り合う突起部9と案内突起部10の突出方向がなす角度をα4とすると,実施形態では60°に形成されている。突起部9は,案内突起部10よりも保持器3の円筒部24から突出する寸法が大きく形成されており,例えば,実施形態では,突起部9は高さが約1mmであり,また,案内突起部10は高さが約0.7mmに形成されている。
突起部9の根元には,突起部9の外形の一部分に沿って細長い開口部即ちスリット12が形成されている。図8及び図3の突起部9は,その周りのスリット12によって保持器3の円筒部24の半径方向に弾性変形させて引っ込ませる弾性変形が可能である。即ち,突起部9の根元位置には,開口したスリット12が形成されているので,突起部9は,保持器3の円筒面に対して弾性変形して保持器3の中心側に引っ込み易く形成されている。外筒2に保持器3を組み込むとき,突起部9は外筒2の大径円筒部7の位置で弾性変形し,外筒2の窓部8の位置では,弾性変形が解放されて元の形状に戻る(図3参照)。突起部9の周りの一部分にスリット12を形成することによって,突起部9は,内方側に傾くように即ち保持器3の中心側に引っ込むように弾性変形し易くなる。保持器3の先端が外筒2の大径円筒部7に達すると,突起部9は弾性変形が解放されて元の形状に戻る。スリット12は,突起部9の根元周囲に略J字形に形成されている。突起部9の先端に傾斜面20が形成されている。傾斜面20は,保持器3の軸方向の内向きに形成されており,一対の突起部9の傾斜面20同士が向かい合っている。また,図13に示すように,突起部9の先端面に対する傾斜面20の角度をγとすると,例えば,実施形態での角度は,γ=45°に形成されている。
このリニアブッシングにおいて,特に,保持器3に設けた突起部9と案内突起部10との形成位置は,外筒2の窓部8,18の両端の位置と一致しており,突起部9は,窓部8の両端部に嵌まり込んで即ち嵌合するように係合し,円筒部28を窓部8の端部の円弧面35に向かい合わせて密接して嵌まり込んでいる。これに対して,保持器3に設けた案内突起部10は,大径円筒部7の内周面31と同じ位置又はわずかに引っ込んで位置し,窓部18には嵌合していない。突起部9は,外筒2の大径円筒部7の内周面31よりも突出し,円筒部33の外周面より突出することがないサイズに形成され,突起部9の先端が窓部8の円弧面35の途中に位置している。突起部9は,保持器3を外筒2に固定させる機能を果たし,また,案内突起部10は,循環路21における方向転換路22の壁面の一部を構成してボール4をガイドする機能を果たす。
また,保持器3に設けた突起部9は,断面がそれぞれ円形に形成されている。突起部9は,保持器3のそれぞれの突起部9の周囲の一部分には,突起部9を引っ込ませて弾性変形させるためのスリット12が形成され,弾性変形で半径方向に引っ込んだ突起部9が外筒2の内周面31をくぐって即ち通って端部17の窓部8に嵌入させて係合させることができるようになっている。このリニアブッシングでは,突起部9の突出量が案内突起部10の突出量より大きく形成されており,突起部9が循環路21の軌道路14側に位置し,また,案内突起部10をリターン路23側に位置するように位置決めして,保持器3が外筒2に固定される。突起部9の先端は,保持器3の軸方向の内側に傾斜面20が形成されており,先細に形成されて弾性変形しやすい形状に形成されている。突起部9の先端の傾斜面20は,内向きに傾斜させることによって,3個の突起部9を同時に外筒2の大径円筒部7の内周面31を通過させる時に引っかかりが減り,突起部9を通過させ易くなる。
このリニアブッシングでは,保持器3は,外筒2に対して突起部9が窓部8に係合して軸方向と回転方向とに固定され,外筒2から抜け落ちない構造に構成されている(図1参照)。また,外筒2に設けられた軌道路14用の窓部8,及びリターン路23用の窓部18は,循環路21ごとに形成されている。外筒2に形成されたの窓部8,18は,外筒2の円筒部を円周方向に6等分する角度に形成され,6個の窓部8と窓部18の形状は,すべて同じ形状に形成されており,隣り合う窓部8と窓部18同士が成す角度をα1とすると,例えば,実施形態ではα1=60°に形成されている。上記のように,隣り合う窓部8,18における一方側の窓部8は,ボール4が負荷を受ける軌道路14の傍に位置して形成され,他方側の窓部18は,ボール4が負荷を受けないリターン路23の傍に位置して形成されている。窓部8,18の幅寸法は,ボール4の直径寸法よりも小さく,ボール4が窓部8,18から脱落しない状態に形成されている。
このリニアブッシングにおいて,外筒2は,軸方向の中間部分が凹んだ段付きの略円筒形状の円筒部33に形成されており,内周面31に軌道面13が形成されている長手方向の中央部分を構成する小径円筒部5,小径円筒部5の両端に一体構造にそれぞれ構成された拡開するテーパ円筒部6,及びテーパ円筒部6の端部に一体構造にそれぞれ構成されて円筒部33の両端を形成し且つ中央部分の小径円筒部5よりも直径が大きい大径円筒部7から構成されている(図5参照)。言い換えれば,外筒2は,軸方向の中間部分の小径円筒部5と小径円筒部5よりも直径の大きな両端部の大径円筒部7との間に,テーパ円筒部6が形成されている。また,このリニアブッシングでは,外筒2のテーパ円筒部6及び大径円筒部7と,保持器3の円筒部24の外周面25との間にすきま30が形成されている(図3参照)。ボール4は,すきま30によって方向転換路22の位置で外筒2と接触しない状態でスムーズに転走して方向転換し,ボール4が保持器3や外筒2に対して転走抵抗とならない。外筒2の大径円筒部7と外筒2のテーパ円筒部6とが成す角度をβ1 とすると,例えば,実施形態では,β1 =30°に形成されている。
このリニアブッシングでは,外筒2の加工上の理由で,外筒2には,テーパ円筒部6が形成されており,テーパ円筒部6を設けることによって,外筒2はロール成形でも製造できるようになる。外筒2の内径の軌道面13の長手方向両端側をテーパ形状にすることによって,ボール4が転走時に,徐々に負荷域に入るようになり,急激な負荷変動を受けることが無く,転動体であるボール4が無理な転動にならないように形成されている。また,テーパ円筒部6及び大径円筒部7と,保持器3との間に形成されたすきま30は,部品同士の寸法や形状の誤差を吸収する役割を果たすことができる。外筒2のテーパ円筒部6は,高精度に形成されなくてもよく,外筒2への保持器3の組み立てが可能になっている。保持器3の突起部9は,外筒2と保持器3のすきま30を埋める形状に形成することもできる。外筒2の大端円筒部7の内周側に対するテーパ円筒部6の内周側の角度をβ2とすると,例えば,実施形態では30°に形成されている(図5参照)。
また,このリニアブッシングは,保持器3のリターン路23の両端部には,ボール4をリターン路23から方向転換路22へスムースに案内するため,保持器3の外周面25から突出した案内突起部10が形成されており(図6参照),案内突起部10には,リターン路23から方向転換路22を形成する方向転換路溝に連通する壁面部32が形成されている(図10参照)。案内突起部10の壁面部32は,循環路21の方向転換路22の壁面の一部を構成するように,上面が曲面に形成されている。また,案内突起部10は,保持器3に形成される循環路21の傍の円筒部29の外側に形成される。即ち,案内突起部10は,方向転換路22の軌道路14側とリターン路23側の外側に形成されている。
このリニアブッシングは,例えば,外筒2に保持器3を組み込むのに,次のように組み立てることができる。まず,外筒2の端部17に,保持器3の端部27を差し込む。この時,保持器3は,外筒2の軸方向に対して傾けて差し込むようにし,保持器3の突起部9のうち2つを,対応する外筒2の窓部8に嵌め込む。突起部9の先端の保持器3の軸方向内側には傾斜面20が形成されており,保持器3を外筒2に対して傾けて挿入するときに,突起部9の先端が引っかかり難くなり,窓部8に入れ易くなっている。残りの突起部9を弾性変形させて引っ込ませることによって,弾性変形した突起部9は,外筒2の大径円筒部7の内周面31を通過することができ,突起部9が窓部8の位置まで移動したときに,突起部9が復元して元の位置に戻って突出し,保持器3の一端側の突起部9が窓部8にはめ込まれた状態になって突起部9の円筒部28の円周面の一部分が外筒2の窓部8に係合する。保持器3の先端を外筒2に嵌め込んだ状態で,保持器3の各循環路溝21に所要数のボール4を組み込み,ボール4を組み込んだ保持器3を外筒2の軸方向に移動させる。外筒2の窓部8に嵌っていない保持器3の他端側の3個の突起部9は,保持器3の中心側に引っ込むように押圧手段等を用いて弾性変形させる。保持器3の他端側の弾性変形した突起部9には,傾斜面20が形成されているので,外筒2の大径円筒部7の内周面31を通過するときに,突起部9の先端が引っ掛かり難くなり,窓部8に入れ易くなっている。外筒2の窓部8の位置まで移動した突起部9は,弾性変形が解放されて元の形状に戻り,保持器3のすべての突起部9が外筒2の窓部8に嵌まって,全て(実施態様では6個)の突起部9の円筒部28の円周面の一部分が外筒2の窓部8の円弧面35に密接係合し,外筒への保持器2の組み立てが完了して,保持器3が外筒2に位置決め固定される。また,このリニアブッシングは,外筒2に保持器3を組み込んだ後は,外筒2から保持器3を取り外す分解することができず,突起部9を折損しないと即ち破壊しないと分解できないものである。
この発明によるリニアブッシングは,工作機械,各種組立装置,搬送機械,各種ロボット,半導体製造装置,精密機械,測定・検査装置,医療機器,マイクロマシーン等の各種装置における摺動部に組み込んで利用され,従来のような止め輪を不要にし,部品点数を低減して軽量化を達成できる。
1 軸
2 外筒
3 保持器
4 転動体(ボール)
5 小径円筒部
6 テーパ円筒部
7 大径円筒部
8 窓部
9 突起部
10 案内突起部
12 スリット
13 軌道面
14 軌道路
15 スライダ
16 開口部
17 端部
18 リターン窓部
19 循環溝
20 傾斜面
21 循環路
22 方向転換路
23 リターン路
25 外周面
26 内周面
27 端部
28,29 円筒部
31 内周面
32 壁面部
34 外周面
35 円弧面(端面)
36 軌道溝
37 リターン溝

Claims (9)

  1. 円形状の長尺な軸と該軸を嵌挿して複数の転動体を介して前記軸の長手方向に沿って相対摺動自在なスライダとから成り,前記スライダが内周面に前記転動体が転動する軌道面が長手方向に伸びて形成された薄肉鋼板で形成されたワンピースの外筒,該外筒に嵌挿して前記転動体を循環させる循環路を形成するための循環溝が形成された筒状のワンピースの保持器,及び前記保持器に形成された開口部を通して前記軸の外周面と前記外筒の前記軌道面とを転動すると共に前記保持器に保持されて前記保持器の前記循環路に沿って転走する前記転動体から構成されており,前記循環路は,前記転動体に負荷がかかる軌道路,前記軌道路の両端にそれぞれ連通する方向転換路,及び前記方向転換路と連通するリターン路から構成されていることから成るリニアブッシングにおいて,
    前記保持器には両端部の外周面からそれぞれ突出する突起部が形成され,前記外筒には前記突起部がそれぞれ嵌入する長手方向に伸びる細長い窓部が形成され,前記保持器の前記突起部が前記外筒の前記窓部に係合することによって前記保持器が前記外筒に対して長手方向及び回転方向に位置決め固定されることを特徴とするリニアブッシング。
  2. 前記保持器に設けた前記突起部が係合する前記外筒に形成された前記窓部は,前記循環路の外側になる前記長手方向に伸びる前記軌道面に隣接した位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のリニアブッシング。
  3. 前記保持器に設けた前記突起部は,断面がそれぞれ円形の円筒部に形成され,前記保持器の前記突起部の周囲の一部分には,前記突起部を引っ込ませて弾性変形させるためのスリットが形成されており,前記突起部を弾性変形で引っ込ませて前記外筒の内周面を通して前記窓部に係合させることを特徴とする請求項1又は2に記載のリニアブッシング。
  4. 前記保持器に設けた前記突起部は,前記円筒部の先端は傾斜面に形成され,前記保持器の前記開口部が形成された前記軌道路を形成する軌道溝の両端部にそれぞれ位置して形成されていることを特徴とする請求項3に記載のリニアブッシング。
  5. 前記保持器に形成された前記リターン路を形成するリターン溝に対向する前記外筒には,前記リターン路を形成するため開口した長手方向に伸びる細長いリターン窓部が形成されていると共に,前記リターン窓部は前記突起部が嵌入する前記窓部と同一形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリニアブッシング。
  6. 前記スライダの前記循環路は,円周方向に複数形成され,前記保持器に設けた前記突起部は前記循環路ごとに形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のリニアブッシング。
  7. 前記外筒は,内周面に前記軌道面が形成されている長手方向の中央部分を構成する小径円筒部,前記小径円筒部の両端に一体構造にそれぞれ構成された拡開するテーパ円筒部,及び前記テーパ円筒部の端部に一体構造で前記外筒の両端部を構成し且つ前記中央部分よりも直径が大きい大径円筒部から構成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のリニアブッシング。
  8. 前記保持器の前記リターン路の両端部には,前記転動体を前記リターン路から前記方向転換路へスムーズに案内するため前記保持器の前記外周面から突出した円筒状の案内突起部が形成され,前記案内突起部の先端には,前記方向転換路を形成する壁面部が形成されていることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載のリニアブッシング。
  9. 前記保持器は,合成樹脂から構成され,係合用の前記突起部とガイド用の前記案内突起部は,円周方向に等分に形成されていることを特徴とする請求項に記載のリニアブッシング。
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