JP6383553B2 - ボールスプライン - Google Patents

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Description

この発明は,スプライン軸と該スプライン軸上を相対直線移動するスライダとから成るボールスプラインに関する。
従来,ボールスプライン装置として,多数のボールを介してスプライン軸とナット部材とが相対的に直線運動自在に組み合わされたものが知られている。該ボールスプライン装置は,スプライン軸径に対してナット部材の小形化を狙った構造であり,スプライン軸のボール転走溝にボール誘導面を形成し,エンドキャップのボール偏向溝でボールをボール転走溝から持ち上げるためのボール掬い上げ部が不要に構成されている。また,無負荷直線溝とボール偏向溝がスプライン軸の外周面に向けて開放され,ナット部材の外径を小径化できる構造に構成されている。該ボールスプライン装置は,軌道溝がサーキュラアーク形状に適用される構造に構成されている(例えば,特許文献1参照)。
また,直動案内装置として,無限循環する多数のボールを介してスライド部材が案内軸に組み合わされ,スライド部材に固定された被搭載物を案内軸に沿って自在に往復運動させることができるものが知られている。該直動案内装置は,トラック溝の開口幅がボールの直径よりも小さく設定されて,スライド部材と案内軸を分離してもボールが脱落しない構造に構成されている。エンドプレートの方向転換通路部は,スプライン軸の外周面に向けて開放され,ナット部材の外径を小径化できる構造に構成されている。エンドプレートをボルト固定するので,ナット本体はねじ孔の分だけ肉厚になっている(例えば,特許文献2参照)。
本出願人は,回転機構付きボールスプラインを開発して先に特許出願した。該回転機構付きボールスプラインは,可能な限り小形化し,高精度化し,軽量化して装置そのものへの高機能化に貢献するものであり,スプライン軸,スプライン軸にボールを介して摺動自在なスライダ,及びスライダの両端部にホルダを介して機台に対して回転用のベアリングが配設されている。ホルダには,端部に一対の突起部が突出して設けられている。突起部は,スライダを構成するエンドキャップ本体に形成された凹溝,スペーサに形成された凹溝及びスライダ本体に形成された凹溝に順次挿通して,突起部に設けたねじ孔にホルダ固定ねじを螺入してスライダの両端にホルダをそれぞれ固定するものである(例えば,特許文献3参照)。
WO2008/065878号公報 WO2009/041176号公報 特開2012−072847号公報
従来のボールスプラインは,スプライン軸径がφ4で,スライダ外径がφ6. 5というサイズのものであった。また,スライダを組み立て構成するのに,ケーシングの両端面に取付け用ねじ穴を形成して,エンドキャップに取付け用孔を形成し,ケーシングにエンドキャップを接して配設してボルトを取付け用孔に通して取付け用ねじ穴にねじ込んで,ケーシングの両端面にエンドキャップをそれぞれ固定していた。そこで,ケーシングを薄型に構成して,ケーシングに取付け用ねじ孔を形成したり,エンドキャップに取付け用孔を形成することなく,ケーシングの両端面にエンドキャップを固定することができないかという課題があった。
この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,2条列のゴシックアーチ形状の軌道溝を備えたボールスプラインであって,スライダを構成する薄肉のケーシングにエンドキャップをボルトを使わずに固定するため,エンドキャップに設けた一対の腕部をケーシングの長手方向に延びる凹溝に挿通して,腕部に設けた凸部をケーシングの凹溝に形成した孔部に係合させてエンドキャップをケーシングの両端面にそれぞれ固定し,例えば,ケーシングをφ6mmの外径に形成し,ケーシングを薄肉に形成してスライダを小型化し,スライダの部品点数を低減して加工コストを低減することを特徴とするボールスプラインを提供することである。
この発明は,外周面の両側に長手方向に沿って第1軌道溝が形成された長尺状のスプライン軸,及び前記スプライン軸に嵌挿して前記スプライン軸に沿って多数の転動体であるボールを介して相対摺動自在な筒状のスライダから成り,前記スライダは,前記第1軌道溝に対向して第2軌道溝と前記第2軌道溝に平行に伸びるリターン路がそれぞれ形成されたケーシング,前記ケーシングの両端面に取り付けられて前記第1軌道溝と前記第2軌道溝とで形成される軌道路と前記リターン路とを連通する方向転換路が形成されたエンドキャップ,及び前記軌道路と一対の前記方向転換路と前記リターン路から成る循環路を転走する前記ボールから構成されていることから成るボールスプラインにおいて,
前記ケーシングの内周面の対向位置には,前記エンドキャップを周方向に位置決めするため前記長手方向の全長に渡り凹溝が形成されており,前記エンドキャップを前記長手方向に係着するため前記凹溝には孔部がそれぞれ形成されており,前記エンドキャップは,前記ケーシングの前記端面に配設される円環状のスペーサと前記スペーサの端面に密接して配設されるエンドキャップ本体とから成り,前記エンドキャップ本体は,円環状の本体部からそれぞれ突出して前記ケーシングの前記凹溝に嵌挿する一対の腕部を備えており,前記腕部の先端部には前記ケーシングの前記凹溝に形成された前記孔部に係着する凸部が形成されており,前記ケーシングの前記凹溝に前記腕部を嵌挿して前記凸部を前記ケーシングの前記孔部に係着することによって,前記エンドキャップが前記ケーシングの前記端面にそれぞれ固定されることを特徴とするボールスプラインに関する。
また,前記ケーシングに形成された前記孔部は,前記凹溝の前記長手方向に沿って隔置した2つの円形孔に形成され,前記エンドキャップの前記凸部は前記円形孔に嵌着可能な円柱形状に形成され,前記エンドキャップの前記凸部は,前記ケーシングの前記端面に近い側の前記孔部に嵌着されるものである。
或いは,前記ケーシングの前記孔部は,前記凹溝の前記長手方向の中央位置に一つの円形孔に形成され,前記エンドキャップの前記凸部は前記円形孔に嵌着可能な半円柱形状に形成されており,前記ケーシングの両側の前記エンドキャップの前記半円柱形状の前記凸部が前記ケーシングの一つの前記孔部にそれぞれ密接して嵌着されるものである。
また,前記ケーシングの一対の前記凹溝は前記第2軌道溝間で略90°隔置した位置に平行に伸びており,前記ケーシングの一対の前記リターン路が前記凹溝の一方側に形成され,一対の前記エンドキャップは同一構造にそれぞれ形成されている。
また,前記ケーシングに形成された前記リターン路を形成するリターン路用溝は,前記ケーシングの前記内周面に開口した開口部が長手方向に伸びて形成され,前記開口部は前記ボールの直径より小さいスリット幅で前記長手方向に沿って延びており,前記開口部に続く前記エンドキャップの前記方向転換路を形成する壁部分は前記本体部の前記円環状の内周面から前記スプライン軸側へ突出した膨出部に形成されている。
また,前記エンドキャップに形成された前記膨出部は,前記スプライン軸の前記第1軌道溝に沿って形成された凹溝に配設されている。
また,前記スペーサは,前記エンドキャップ本体側の端面に形成された前記方向転換路を形成する内周壁と前記スペーサの内周面に形成された前記エンドキャップ本体の前記腕部が嵌入する凹溝とが形成され,前記エンドキャップ本体は,スペーサ側端面には前記内周壁に対向して前記方向転換路を形成する外周壁を形成する前記本体部と前記本体部の端面から伸びる一体構造の前記腕部とが形成され,前記エンドキャップ本体の前記腕部は前記スペーサに形成された前記凹溝に挿通して前記ケーシングの前記凹溝に嵌入するものである。
また,前記エンドキャップの前記凸部は,前記スプライン軸に前記腕部の内周部が接する状態になっても前記ケーシングの前記孔部に締り嵌めして係着するサイズに形成されている。
また,このボールスプラインにおいて,前記エンドキャップ本体の前記方向転換路を形成する前記外周壁の近傍に形成された係止部は,前記スペーサの前記方向転換路を形成する前記内周壁の近傍に形成された嵌合部に嵌合係止されて,前記スペーサは前記エンドキャップ本体に対して周方向に位置決め固定されているものである。
この発明によるボールスプラインは,上記のように構成されているので,ケーシングへのエンドキャップの固定がボルトを使わないエンドキャップの固定用突起を用いて固定でき,ケーシングにエンドキャップ取付け用のねじ孔を設けない分だけ,ケーシングの肉厚を薄く構成でき,従来構造のボールスプラインに対し,同一構造のスプライン軸径でケーシング即ち外筒の外径を小さく構成でき,より一層小型に構成することができる。また,ケーシングのリターン路がスプライン軸側に開口しているので,その分だけリターン路位置をケーシング内径側に寄せて,ケーシング外径を小さく構成でき,小型化に貢献できる。また,このボールスプラインは,スライダの部品点数が減り,加工コストの削減でき,スライダの組立工数も削減できる。また,ケーシングの軌道溝とリターン路を同時にワイヤーカット加工でき,従来構造のリターン路の孔加工コストを低減することができる。このボールスプラインは,ケーシングの凹溝に,エンドキャップの固定用突起を挿入することによって,ケーシングに対するエンドキャップの回転方向及び軸方向に正確に位置決め固定でき,軌道路及びリターン路と方向転換路の接続部には段差が発生し難くい形状に形成でき,転動体が循環路で引っ掛かり難い状態になるので,スライダの滑らかな摺動移動を実現することができる。更に,エンドキャップ本体の係止部がスペーサの嵌合部に嵌合係止して,スペーサがエンドキャップ本体に対して周方向に位置決め固定されているので,エンドキャップ本体とスペーサとの間にガタが発生せずに外周壁と内周壁との境界に段差が発生せず,しかも,方向転換路の外周壁をエンドキャップ本体にのみに形成したので,転動体のボールが方向転換路内をスムーズに転走でき,スライダがスプライン軸を滑らかに摺動することができる。
この発明によるボールスプラインの一実施例を示す斜視図である。 図1のボールスプラインを構成するスライダを示す分解斜視図である。 図1のボールスプラインのA−A位置における断面を含むスライダを示す断面斜視図である。 図1のボールスプラインにおけるA−A位置におけるスプライン軸を取り外したスライダを示す断面図である。 図4のスライダのB−B位置におけるスライダを示す断面図である。 図4のC−C位置で,エンドキャップ本体を取り外したケーシングの端面にスペーサが取り付けられている状態を示す軌道路とリターン路付近の拡大端面図である。 図1のボールスプラインにおけるケーシングを示す平面図である。 図1のボールスプラインにおけるケーシングを示す端面図である。 図1のボールスプラインにおけるエンドキャップを構成するエンドキャップ本体を示す斜視図である。 図9のエンドキャップ本体のケーシング側を示す背面図である。 図9のエンドキャップ本体を示す側面図である。 図9のエンドキャップ本体の反ケーシング側を示す正面図である。 図11のF−F線におけるエンドキャップ本体を示す断面図である。 図10のE領域におけるエンドキャップ本体を示す背面図である。 図1のボールスプラインにおけるエンドキャップを構成するスペーサを示す正面図である。 図15のスペーサを示す側面図である。 図15のスペーサのケーシング側を示す背面図である。 図15のG領域を示す拡大正面図である。 図1のボールスプラインにおけるスプライン軸を示す端面図である。 この発明によるボールスプラインの別の実施例を示す斜視図である。 図20のボールスプラインを構成するスライダを示す分解斜視図である。 図20のボールスプラインのH−H位置におけるスライダを示す断面図である。 図20のボールスプラインにおけるスライダを構成するケーシングを示す正面図である。 図23のケーシングを示す側面図である。 図20のボールスプラインにおけるエンドキャップを構成するエンドキャップ本体を示す斜視図である。 図25のエンドキャップ本体のケーシング側を示す背面図である。 図25のエンドキャップ本体を示す側面図である。 図27のI−I位置におけるエンドキャップ本体を示す断面図である。
以下,図面を参照して,この発明によるボールスプラインの実施例を説明する。まず,図1〜図19を参照して,この発明によるボールスプラインの一実施例を説明する。
このボールスプラインは,外周面48の対向する両側に長手方向に沿って軌道溝15(第1軌道溝)が形成された長尺状のスプライン軸1,及びスプライン軸1に嵌挿してスプライン軸1に沿って多数の転動体で成るボール7を介して摺動自在な筒状のスライダ2から構成されている。スライダ2は,それぞれの軌道溝15に対向して軌道溝16(第2軌道溝)及びそれぞれの軌道溝16に平行なリターン路49を構成するリターン路用溝17が形成された外筒となるケーシング3,ケーシング3の両端面28に取り付けられ軌道溝15と軌道溝16とで形成される軌道路25とリターン路49とを連通する方向転換路20が形成されたエンドキャップ4,並びに軌道路25と一対の方向転換路20とリターン路49とで形成される循環路50を循環転走するボール7から構成されている。また,エンドキャップ4は,ケーシング3の端面28に配設されるスペーサ6とスペーサ6の外端面44に配設されるエンドキャップ本体5とから構成されている。エンドキャップ本体5は,概して内周面33と外周面34から成る円環状に形成され,スペーサ6は,概して内周面41と外周面42から成る円環状に形成されている。また,エンドキャップ本体5には,円弧状の外周壁21が形成され,スペーサ6には円弧状の内周壁22が形成され,外周壁21と内周壁22とが整合して方向転換路20が形成される。エンドキャップ本体5には,外周壁21の近傍に係止部となる凸部19が形成され,また,スペーサ6には,内周壁22の近傍に嵌合部となる凹溝43が形成されている。即ち,エンドキャップ本体5に係止部を形成し,スペーサ6に嵌合部を形成することによって,エンドキャップ本体5の凸部19をスペーサ6の凹溝43に嵌合して,スペーサ6がエンドキャップ本体5に対して周方向に位置決め固定され,エンドキャップ4として一体的に構成される。更に,エンドキャップ本体5は,方向転換路20の外周壁21の領域において,膨出部39が形成され,膨出部39における凸部19に隣接して段部38が形成されている。スペーサ6は,方向転換路20の内周壁22の領域において,膨出部27における凸部46が形成され,凸部46はエンドキャップ本体5の段部38に係合するように構成されている。また,エンドキャップ本体5の凸部19はスペーサ6の凹溝43の一部の凹部47に係止している。スペーサ6は,エンドキャップ本体5の端面31に一方の端面44が接し且つケーシング3の端面28に他方の端面45が接している。
この実施例では,スライダ2は,ケーシング3の一対の凹溝12が軌道溝16間に直交した位置に形成され,ケーシング3の一対のリターン路49が一方の凹溝12側に形成されている。また,一対のエンドキャップ4は,同一の構造にそれぞれ構成され,ケーシング3を挟んで両側に対向して配設されている。即ち,ケーシング3の両端面28に配設されるエンドキャップ4を構成するエンドキャップ本体5とスペーサ6は,同一の構造にそれぞれ形成されている。また,スペーサ6には,凹溝13,43が形成されている。エンドキャップ本体5は,円環状の本体部30と本体部30からケーシング3の凹溝12へと伸びる一対の腕部10から構成されている。即ち,エンドキャップ本体5の腕部10は,エンドキャップ本体5の本体部30の端面31からスペーサ6の凹溝13を通ってケーシング3の凹溝12へと延びて嵌挿されている。スペーサ6の腕部10は,その両側面がケーシング3の凹溝12の壁面に嵌入する傾斜面37に形成されている。また,エンドキャップ本体5には,ケーシング3の軌道溝16に対向してすくい部18が形成されており,すくい部18はスペーサ6の凹溝43に位置するように配設されている。ケーシング3には,軌道路25を転走するボール7を保持するため,爪部29が軌道溝16に沿って形成されている。スペーサ6には,ケーシング3に形成されたリターン路用溝17に対向して貫通孔24が形成されている。スペーサ6の貫通孔24は,エンドキャップ本体5側の端面44に形成された内周壁22へと連通している。また,エンドキャップ本体5には,ケーシング3に形成された軌道溝16に対向してすくい部18が形成されており,すくい部18は軌道路25からのボール7の転走をスムーズにする。
このボールスプラインについては,特に,ケーシング3の内周面26の対向位置には,エンドキャップ4を周方向に位置決めするため,長手方向の対向する全長に渡って凹溝12がそれぞれ形成されており,エンドキャップ4をケーシング3の両端面28の長手方向に係着するため,それぞれの凹溝12の底部51には外周面23へと貫通する一対の孔部9が形成されており,また,エンドキャップ4には,ケーシング3の凹溝12に対向する円環状の部分から突出してケーシング3のそれぞれの凹溝12内に延びて凹溝12に嵌挿する一対の腕部10が形成されている。エンドキャップ4に設けた一対の腕部10の先端部には,凹溝12に形成された孔部9に係着する凸部11が一体構造に形成されていることを特徴としている。ケーシング3とエンドキャップ4とを上記のように形成することによって,スライダ2は,ケーシング3の凹溝12にエンドキャップ4の腕部10を嵌挿して凸部11を孔部9に係着し,エンドキャップ4をケーシング3の端面28にそれぞれ固着して組み立てられる。また,ケーシング3の内周面26に形成された凹溝12は,エンドキャップ本体5に設けた腕部10の周方向両側に形成された固定用突起36を挿入できるサイズに形成されている。ケーシング3の凹溝12にエンドキャップ本体5の腕部10が嵌挿されると,固定用突起36が凹溝12の壁面に接して安定して係止状態になり,腕部10に設けた凸部11がケーシング3の孔部9に安定して装入係止されるように構成されている。従って,このボールスプラインでは,従来のようにケーシング3にねじ穴を形成したり,該ねじ穴にボルトを螺入してケーシング3にエンドキャップ4を固定する必要がないものである。
また,エンドキャップ本体5に形成された腕部10は,エンドキャップ本体5の内周面33と同一面でスペーサ6とケーシング3との凹溝12,13に挿通できる厚みに形成されている。腕部10に形成された凸部11は,腕部10の半径方向内向きに弾性変形して凹溝12,13を潜ってケーシング3の孔部9に嵌入し,エンドキャップ4がケーシング3に固定される。また,ケーシング3に形成された孔部9は,4個の貫通孔であり,ケーシング3の長手方向端部側に2個ずつ,円周方向180°の位置に形成されている。エンドキャップ本体5の腕部10に形成された固定用突起36は,エンドキャップ4の方向転換路20の位置から円周方向90°の位置に形成されており,ケーシング3の内周面26には,エンドキャップ4の固定用突起36を挿入可能な凹溝12が形成されており,また,スペーサ6の内周面には,エンドキャップ本体5の固定用突起36を挿入可能な凹溝13が形成されている。スペーサ6は,円環状であって,方向転換路20の位置がスプライン軸1側に突出した形状に形成されている。
スプライン軸1については,2条の軌道溝15が円周方向180°の位置に形成され,,軌道溝15の一方側に凹溝14をそれぞれ形成されている。それぞれの凹溝14は,エンドキャップ本体5とスペーサ6の方向転換路部20に形成された膨出部27,39を逃がす役割を果たすものである。即ち,スプライン軸1には,スペーサ6の方向転換路20の位置の突出部である膨出部39を逃がす2条の凹溝14が形成されている。また,スプライン軸1の軌道溝15は,スプライン軸1の外周面48の円周方向180°の位置に形成されており,凹溝12,13は,2条の軌道溝16で分けられた一方側のスプライン軸1の外周面48に形成されている。この実施例では,エンドキャップ本体5の方向転換路20を形成する外周壁21に設けた膨出部39と,スペーサ6の方向転換路20を形成する内周壁22に設けた膨出部27は,方向転換路20の壁部の強度を確保するために周壁を肉厚に形成するため設けられている。膨出部27,39によって,循環路50の方向転換路20は,スプライン軸1側を開口する必要がなく,ボール7は方向転換路20をスムーズに転走できるようになる。
この実施例では,スプライン軸1は,例えば,スプライン軸径がφ4mmであり,また,スライダ2は,スライダ外径即ちケーシング3の外径がφ6mmに構成され,また,スライダ2の長さが9.7mmの2条列のゴシックアーチ軌道溝タイプの極めて小形なボールスプラインに形成することができ,スライダ2を小型化することができる。また,転動体のボール7は,その直径が0.6mmに形成でき,ケーシング3の肉厚は1mmに形成することができる。ケーシング3(外筒)は金属製で,両端面28にエンドキャップ4を固定する。エンドキャップ本体5とスペーサ6からなるエンドキャップ4は,合成樹脂製であって弾性変形可能に形成されている。腕部10には,エンドキャップ本体5のスペーサ6側の端面31から突き出す腕のように形成された一対の固定用突起36が形成され,固定用突起36は,腕部10と先端の凸部11から構成されている。例えば,固定用突起36の幅は1.7mmであり,固定用突起36の厚みは0.4mmに形成されている。腕部10に設けた凸部11は,円柱状であり,円柱の直径がφ0.7mmに形成されている。また,スライダ2を,例えば,ハウジング等の相手部材の中空孔(図示せず)に取り付ける時に,スライダ2の回転止め用として,ケーシング3の外周面23に断面形状の角度が120°の皿ざぐり(図示せず)を形成してもよいものである。皿ざぐりは,例えば,ケーシング3の長手中央で軌道溝16やリターン路用溝17と干渉せず,ケーシング3が変形等の悪影響を受けない任意の位置に形成してもよいものである。また,エンドキャップ4の円柱状突出部である凸部11がケーシング3の貫通孔である孔部9に嵌ることによって,エンドキャップ4がケーシング3に固定されるものであり,エンドキャップ4は,固定用突起36をケーシング3の凹溝12に挿入して,回り止めの機能を果たすことになる。
この実施例では,ケーシング3に形成された孔部9は,凹溝12の長手方向に沿って2つの円形孔に形成されており,また,エンドキャップ4の凸部11は,円形孔の孔部9に嵌着可能な円柱形状に形成されている。エンドキャップ4の凸部11は,ケーシング3の端面28に近い側の孔部9に配設されて嵌着するように形成されている。また,エンドキャップ4の凸部11は,スプライン軸1に腕部10の内周部が当接してもケーシング3の孔部9に係着可能な大きさに形成されている。
ケーシング3のリターン路49は,ボール7の直径より小さい開口幅で長手方向に沿ってケーシング3の内周面26に開口した開口部52が形成されている。開口部52に対向するエンドキャップ4の方向転換路20の対向壁部分は,円環状の内周からスプライン軸1へ突出した膨出部27に形成され,リターン路49が方向転換路20へと連通している。エンドキャップ本体5とスペーサ6は,方向転換路20の壁面を肉厚にするため,スプライン軸1側に膨出した形状の膨出部27に形成されている。即ち,ケーシング3に形成されたリターン路49は,ケーシング3の内径面側がスプライン軸1側に開口部52のスリットによって開口した状態であり,ボール7がリターン路49を転走する時には,ボール7はスプライン軸1の外周面48に接触しない状態になっており,ケーシング3を可及的に薄肉に形成できるようになっている。このボールスプラインでは,金属製のケーシング3に形成される軌道溝16とリターン路49を構成するリターン路用溝17とは,例えば,ワイヤーカット放電加工で同時に加工することができる。
次に,図20〜図28を参照して,この発明によるボールスプラインの別の実施例について説明する。この実施例は,上記実施例と比較して,ケーシング3に形成した孔部9A,エンドキャップ本体5に設けた腕部10A,及び腕部10Aに設けた凸部11Aが相違している以外は,上記実施例と同一の構成であるので,図20〜図28において,同一の部材には同一の符合を付してそれらの説明を省略する。
ケーシング3に形成した孔部9Aは,ケーシング3の長手方向中央部の対向位置に1個ずつ形成したものであり,凹溝12の長手方向の中央位置に一つの円形孔に形成されている。また,エンドキャップ4を構成するエンドキャップ本体5に形成した腕部10Aは,ケーシング3の中央位置まで延びており,腕部10Aの先端部に形成された凸部11Aは,ケーシング3の円形孔の孔部9Aに嵌着可能な半円柱形状に形成されており,それぞれのエンドキャップ本体5の半円形の凸部11Aが孔部9Aに嵌着されてように構成されている。1つの孔部9Aに,エンドキャップ本体4の固定用突起36即ち腕部11Aの先端に形成された半円柱形凸部11Aを嵌合させるものであり,ケーシング3の貫通孔である孔部9Aは,ケーシング3長手方向中央に1個ずつ,円周方向180°の位置に形成されている。ケーシング3の長手方向中央に位置する円形状の孔部9Aに,エンドキャップ本体5に形成された固定用突起36である腕部10Aに設けた半円形の凸部11Aがケーシング3の両側から延びて円形状の凸部11Aとなって嵌合することになる。また,スライダ2を,例えば,ハウジング等の相手部材の中空孔(図示せず)に取り付ける時に,スライダ2の回転止め用として,ケーシング3の外周面23に断面形状の角度が120°の皿ざぐり(図示せず)を形成してもよいものである。このような皿ざぐりは,ケーシング3の長手中央である1つの孔部9Aに対して円周方向にずれた位置で,軌道溝16やリターン路用溝17と干渉せず,ケーシング3が変形等の悪影響を受けない任意の位置に形成してもよいものである。
この発明によるボールスプラインは,半導体製造装置,精密機械,測定・検査装置,医療機器,各種ロボット,各種組立装置,搬送機械,工作機械,マイクロマシーン等の各種装置に組み込んで利用して好ましいものである。
1 スプライン軸
2 スライダ
3 ケーシング
4 エンドキャップ
5 エンドキャップ本体
6 スペーサ
7 ボール(転動体)
9,9A 孔部
10,10A 腕部
11,11A 凸部
12,13 凹溝
15 軌道溝(第1軌道溝)
16 軌道溝(第2軌道溝)
17 リターン路用溝
19 凸部(係止部)
20 方向転換路
21 外周壁
22 内周壁
25 軌道路
26 内周面
27,39 膨出部
28,31,44 端面
43 凹溝(嵌合部)
48 外周面
49 リターン路
50 循環路
52 開口部

Claims (9)

  1. 外周面の両側に長手方向に沿って第1軌道溝が形成された長尺状のスプライン軸,及び前記スプライン軸に嵌挿して前記スプライン軸に沿って多数の転動体であるボールを介して相対摺動自在な筒状のスライダから成り,前記スライダは,前記第1軌道溝に対向して第2軌道溝と前記第2軌道溝に平行に伸びるリターン路がそれぞれ形成されたケーシング,前記ケーシングの両端面に取り付けられて前記第1軌道溝と前記第2軌道溝とで形成される軌道路と前記リターン路とを連通する方向転換路が形成されたエンドキャップ,及び前記軌道路と一対の前記方向転換路と前記リターン路から成る循環路を転走する前記ボールから構成されていることから成るボールスプラインにおいて,
    前記ケーシングの内周面の対向位置には,前記エンドキャップを周方向に位置決めするため前記長手方向の全長に渡り凹溝が形成されており,前記エンドキャップを前記長手方向に係着するため前記凹溝には孔部がそれぞれ形成されており,前記エンドキャップは,前記ケーシングの前記端面に配設される円環状のスペーサと前記スペーサの端面に密接して配設されるエンドキャップ本体とから成り,前記エンドキャップ本体は,円環状の本体部からそれぞれ突出して前記ケーシングの前記凹溝に嵌挿する一対の腕部を備えており,前記腕部の先端部には前記ケーシングの前記凹溝に形成された前記孔部に係着する凸部が形成されており,前記ケーシングの前記凹溝に前記腕部を嵌挿して前記凸部を前記ケーシングの前記孔部に係着することによって,前記エンドキャップが前記ケーシングの前記端面にそれぞれ固定されることを特徴とするボールスプライン。
  2. 前記ケーシングに形成された前記孔部は,前記凹溝の前記長手方向に沿って隔置した2つの円形孔に形成され,前記エンドキャップの前記凸部は前記円形孔に嵌着可能な円柱形状に形成され,前記エンドキャップの前記凸部は,前記ケーシングの前記端面に近い側の前記孔部に嵌着されることを特徴とする請求項1に記載のボールスプライン。
  3. 前記ケーシングの前記孔部は前記凹溝の前記長手方向の中央位置に一つの円形孔に形成され,前記エンドキャップの前記凸部は前記円形孔に嵌着可能な半円柱形状に形成されており,前記ケーシングの両側の前記エンドキャップの前記半円柱形状の前記凸部が前記ケーシングの一つの前記孔部にそれぞれ密接して嵌着されることを特徴とする請求項1に記載のボールスプライン。
  4. 前記ケーシングの一対の前記凹溝は前記第2軌道溝間で略90°隔置した位置に平行に伸びており,前記ケーシングの一対の前記リターン路が前記凹溝の一方側に形成され,一対の前記エンドキャップは同一構造にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のボールスプライン。
  5. 前記ケーシングに形成された前記リターン路を形成するリターン路用溝は,前記ケーシングの前記内周面に開口した開口部が長手方向に伸びて形成され,前記開口部は前記ボールの直径より小さいスリット幅で前記長手方向に沿って延びており,前記開口部に続く前記エンドキャップの前記方向転換路を形成する壁部分は前記本体部の前記円環状の内周面から前記スプライン軸側へ突出した膨出部に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のボールスプライン。
  6. 前記エンドキャップに形成された前記膨出部は,前記スプライン軸の前記第1軌道溝に沿って形成された凹溝に配設されていることを特徴とする請求項5に記載のボールスプライン。
  7. 前記エンドキャップの前記凸部は,前記スプライン軸に前記腕部の内周部が接する状態になっても前記ケーシングの前記孔部に締り嵌めして係着するサイズに形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のボールスプライン。
  8. 前記スペーサは,前記エンドキャップ本体側の端面に形成された前記方向転換路を形成する内周壁と前記スペーサの内周面に形成された前記エンドキャップ本体の前記腕部が嵌入する凹溝とが形成され,前記エンドキャップ本体は,スペーサ側端面には前記内周壁に対向して前記方向転換路を形成する外周壁を形成する前記本体部と前記本体部の端面から伸びる一体構造の前記腕部とが形成され,前記エンドキャップ本体の前記腕部は前記スペーサに形成された前記凹溝に挿通して前記ケーシングの前記凹溝に嵌入することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のボールスプライン。
  9. 前記エンドキャップ本体の前記方向転換路を形成する前記外周壁の近傍に形成された係止部は,前記スペーサの前記方向転換路を形成する前記内周壁の近傍に形成された嵌合部に嵌合係止されて,前記スペーサは前記エンドキャップ本体に対して周方向に位置決め固定されていることを特徴とする請求項8に記載のボールスプライン。
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