JP6144925B2 - チタン及びチタンアルミナイド合金鋳造用の鋳型及び鋳型の製造方法 - Google Patents

チタン及びチタンアルミナイド合金鋳造用の鋳型及び鋳型の製造方法 Download PDF

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Description

現代のガス又は燃焼タービンは、信頼性、重量、能力、経済及び運転有効寿命に関する高い要求を満足する必要がある。このようなタービンの開発では、基準を満たし、要求を満足するのに材料選定、新しい適当な材料の探求並びに新しい製造方法の探求が特に重要な役割を果たす。
ガスタービンに用いる材料には、チタン合金、ニッケル合金(超合金ともいう)及び高強度鋼がある。航空機エンジンでは、チタン合金は一般に、圧縮機部品に使用され、ニッケル合金は航空機エンジンの高温部品に適しており、高強度鋼は、例えば圧縮機ハウジング及びタービンハウジングに使用される。高負荷又は高応力ガスタービン部品、例えば圧縮機の部品は通常、鍛造部品である。一方、タービンの部品は通常、インベストメント鋳造部品として取り入れられる。
インベストメント鋳造は新しいプロセスではないが、一層緻密で複雑な部品の需要が増えるにしたがって、インベストメント鋳造の市場が拡大し続ける。高品質、精密な鋳物の需要が大きいので、インベストメント鋳物をさらに迅速、効率的、安価、高品質に製造する新しい方法を開発することがなおも必要とされている。
宝石及び義歯鋳造産業で用いる溶融シリカ、クリストバライト、石膏などからなる従来のインベストメント鋳型化合物は一般に、チタン合金などの反応性合金を鋳造するのには適していない。1つの理由は、成形されるチタンとインベストメント鋳型とが反応することである。
チタン及びチタンアルミナイド合金と実質的に反応しない単純なインベストメント鋳型が必要とされている。これまで、チタン合金鋳物のためにセラミックシェル鋳型を用いたアプローチが採用されてきた。従来技術の例では、従来のインベストメント鋳型化合物の制限を減らすために、いくつかの付加的な鋳型材料が開発されてきた。例えば、酸化マグネシウム又はジルコニアを主成分として用い、金属ジルコニウムを主成分に添加して鋳造金属の凝固のための収縮を相殺する酸化膨張タイプのインベストメント化合物が開発された。
SATO, T.; YONEDA, Y.; MATSUMOTO, N.; A Technique for Casting Titanium Alloys with Lime Refractory: Communication presented to the 58th World Foundry Congress, Cracow, September 1991.
金属又は金属合金と実質的に反応しないインベストメント鋳型が必要とされている。さらに、ニアネットシェイプ(できるだけ完成品に近い形状)の金属又は金属合金を、実質的にこの金属又は金属合金と反応しないインベストメント鋳型から簡単に抜き出すことが可能である単純で信頼性のあるインベストメント鋳造方法も必要とされている。
本発明の態様は、従来の方法の制限を克服する鋳造用鋳型組成物、鋳造方法及び鋳造物品を提供する。本発明のいくつかの態様は、航空宇宙産業の部品、例えばエンジンタービンブレードの製造に関するが、本発明の態様は、任意の産業の部品、特にチタン及び/又はチタン合金からなる部品の製造に用いることができる。
本発明の1態様は、カルシウムモノアルミネート、カルシウムジアルミネート及びマイエナイトを含むカルシウムアルミネートセメントを含有する、含チタン物品の鋳造用鋳型であり、鋳型は鋳型のバルクと鋳型穴の間に約10μm〜約250μmの固有フェースコートを有する。1実施形態では、フェースコートは連続した固有フェースコートである。1実施形態では、鋳型はさらに、シリカ、例えばコロイドシリカを含有する。
1例では、鋳型は、鋳型のバルク及び固有フェースコートを有し、鋳型のバルク及び固有フェースコートは異なる組成をもち、固有フェースコートは粒径が約50μm未満のカルシウムアルミネートを含有する。別の例では、鋳型は、鋳型のバルク及び固有フェースコートを有し、鋳型のバルクと固有フェースコートとは異なる組成をもち、鋳型のバルクは約50μm超えのアルミナ粒子を含有する。他の例では、鋳型は、鋳型のバルク及び固有フェースコートを有し、鋳型のバルクは約50μm超えのアルミナ粒子を含有し、固有フェースコートは約50μm未満の粒径のカルシウムアルミネート粒子を含有する。
ある実施形態では、固有フェースコートは、鋳型のバルクより重量分率で20%以上多いカルシウムモノアルミネートを含有する。1実施形態では、固有フェースコートは、鋳型のバルクより重量分率で20%以上少ないアルミナを含有する。別の実施形態では、固有フェースコートは、鋳型のバルクより重量分率で、20%以上多いカルシウムアルミネート、20%以上少ないアルミナ、50%以上少ないマイエナイトを含有する。
1例では、固有フェースコート中のカルシウムモノアルミネートの重量分率は0.60超え、マイエナイトの重量分率は0.10未満である。1実施形態では、鋳型のバルク中のカルシウムモノアルミネートは重量分率約0.05〜0.95を有し、固有フェースコート中のカルシウムモノアルミネートは約0.10〜0.90である。他の実施形態では、鋳型のバルク中のカルシウムジアルミネートは重量分率約0.05〜約0.80を有し、固有フェースコート中のカルシウムジアルミネートは約0.05〜0.90である。さらに他の実施形態では、鋳型組成物のバルク中のマイエナイトは重量分率約0.01〜約0.30を有し、固有フェースコート中のマイエナイトは約0.001〜0.05である。特定の実施形態では、鋳型のバルク中のカルシウムモノアルミネートは重量分率約0.05〜0.95を有し、固有フェースコート中のカルシウムモノアルミネートは約0.1〜0.90であり、鋳型のバルク中のカルシウムジアルミネートは重量分率約0.05〜約0.80を有し、固有フェースコート中のカルシウムジアルミネートは約0.05〜0.90であり、鋳型組成物のバルク中のマイエナイトは重量分率約0.01〜約0.30を有し、固有フェースコート中のマイエナイトは約0.001〜0.05である。
1例では、鋳型はさらに、鋳型のバルク中に外形寸法が約500μm未満の酸化アルミニウム粒子を含有する。1例では、酸化アルミニウム粒子は鋳型を製造するのに用いる組成物の約40重量%〜約68重量%を構成する。これらの酸化アルミニウム粒子は中空にすることができる。別の実施形態では、カルシウムアルミネートセメントは、鋳型を製造するのに用いる組成物の30重量%超えを構成する。1実施形態では、鋳型はさらに、酸化カルシウムを鋳型組成物の約10重量%超え〜約50重量%未満含有する。
1例では、鋳型はさらに、酸化アルミニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、酸化カルシウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化チタン粒子、酸化ケイ素粒子又はこれらの組成物を含有する。
1例では、鋳型を製造するのに用いる、最初のカルシウムアルミネート/液体セメント混合物中の固形分の割合は約71%〜約78%である。別の例では、鋳型を製造するのに用いる、大スケールアルミナを含有する最終のカルシウムアルミネート/液体セメント混合物中の固形分の割合は約75%〜約90%である。
本発明の1態様は、請求項1の鋳型で形成した含チタン物品である。1例では、上記物品には含チタンアルミナイドタービンブレードがある。1態様では、本発明は、含チタン物品を形成する上記の鋳型である。関連した1実施形態では、含チタン物品には含チタンアルミナイドタービンブレードがある。
本発明の1態様は、含チタン物品を鋳造するのに用いる鋳型の、カルシウムモノアルミネート、カルシウムジアルミネート及びマイエナイトを含有するフェースコート組成物であり、フェースコート組成物は、固有フェースコートであり、厚さ約10μm〜約250μmであり、鋳型のバルクと鋳型穴に開口している鋳型の表面の間に位置する。1例では、フェースコートは粒径が約50μm未満のカルシウムアルミネートを含有する。1実施形態では、フェースコート組成物はさらに、シリカ、例えばコロイドシリカを含有する。
1実施形態では、固有フェースコートは、鋳型のバルクより重量分率で20%以上多いカルシウムアルミネート、20%以上少ないアルミナ、50%以上少ないマイエナイトを含有する。1例では、固有フェースコート中のカルシウムモノアルミネートの重量分率は0.60超えであり、マイエナイトの重量分率は0.10未満である。1実施形態では、固有フェースコート中のカルシウムモノアルミネートは重量分率0.10〜0.90を有し、固有フェースコート中のカルシウムジアルミネートは重量分率0.05〜0.90を有し、固有フェースコート中のマイエナイトは重量分率0.001〜0.05を有する。
本発明の1態様は含チタン物品を鋳造する鋳造用鋳型を形成する方法であり、本方法は、カルシウムアルミネートを液体と混合してカルシウムアルミネートのスラリーを形成し、最初のカルシウムアルミネート/液体混合物中の固形分の割合が約70%〜約80%であり、スラリーの粘度が約10〜約250センチポアズであり、酸化物粒子をスラリーに添加して大スケール(50μm超え)の酸化物粒子を含有する最終のカルシウムアルミネート/液体混合物中の固形分が約75%〜約90%になるようにし、スラリーを消失模型を含む鋳型穴に導入してスラリーを鋳型穴中で硬化させて含チタン物品の鋳型を形成する工程を含む。
本発明の1態様はチタン及びチタン合金の鋳造方法であり、本方法は、カルシウムアルミネートを液体と混合してカルシウムアルミネートのスラリーを形成し、大スケールのアルミナを含有する最終のカルシウムアルミネート/液体混合物の固形物が約75%〜約90%であり、得られる鋳型が固有フェースコートを有する、カルシウムアルミネート及び酸化アルミニウムを含有するインベストメント鋳造用鋳型組成物を得、インベストメント鋳造用鋳型組成物を消失模型を含む容器に流し込み、インベストメント鋳造用鋳型組成物を硬化し、鋳型から消失模型を除去し、鋳型を焼成し、鋳型を鋳型鋳造温度に予熱し、溶融チタン又はチタン合金を予熱した鋳型に流し込み、溶融チタン又はチタン合金を凝固し、凝固チタン又はチタン合金鋳物を形成し、凝固チタン又はチタン合金鋳物を鋳型から取り出す工程を含む。本発明の1実施形態は、本発明の鋳造方法により製造したチタン又はチタン合金物品である。
本発明の1態様は、カルシウムモノアルミネート、カルシウムジアルミネート及びマイエナイトを含むカルシウムアルミネートセメントを含有する、含チタン物品を鋳造するための鋳型組成物である。1実施形態では、鋳型組成物はさらに、酸化アルミニウムの中空粒子を含有する。本発明の別の態様は、カルシウムアルミネートを含有する含チタン物品鋳造用鋳型組成物である。例えば、本発明の1態様は、含チタン及び/又は含チタン合金物品又は部品、例えば含チタンタービンブレードを鋳造するための鋳型に用いる鋳型組成物を提供するのに特に適している。
本発明の上記その他の態様、特徴及び利点は、図面を参照した本発明の種々の態様の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
本発明とされる内容を、特許請求の範囲に詳細に示し、明確に記載する。本発明の上記その他の特徴及び利点は、図面を参照した以下の本発明の態様の詳細な説明から容易に理解されるであろう。
1000℃で焼成した鋳型の断面の走査型電子顕微鏡像(後方散乱電子像)であり、高温焼成後の鋳型微細組織の1例を示す。図1aはアルミナ粒子の存在を示し、図1bはカルシウムアルミネートセメントを示す。図1aの鋳型微細組織は、鋳型のバルク、固有フェースコートの位置及び鋳型の内部表面/鋳型穴も示す。 1000℃で焼成した鋳型の断面の走査型電子顕微鏡像(後方散乱電子像)であり、高温焼成後の鋳型微細組織の1例を示す。図2aは、カルシウムアルミネートセメント及び微細スケールのアルミナ粒子の存在を示し、図2bはアルミナ粒子を示す。図2bの鋳型微細組織は、鋳型のバルク、固有フェースコートの位置及び鋳型の内部表面/鋳型穴も示す。 アルミナ及びカルシウムモノアルミネートを示す、高温焼成後の鋳型微細組織の例である。カルシウムモノアルミネートは、アルミナと反応してカルシウムジアルミネートを形成し、1例では、鋳型を焼成してマイエナイト含量をできるだけ少なくする。 アルミナ及びカルシウムモノアルミネートを示す、高温焼成後の鋳型微細組織の例である。カルシウムモノアルミネートは、アルミナと反応してカルシウムジアルミネートを形成し、1例では、鋳型を焼成してマイエナイト含量をできるだけ少なくする。 本発明の態様にしたがって含チタン物品を鋳造する鋳造用鋳型を形成する方法を説明するフロー図である。 本発明の態様にしたがってチタン及びチタン合金を鋳造する方法を説明するフロー図である。 温度の関数として鋳型のバルクの熱伝導度を示すグラフであり、鋳型の熱伝導度をモノリシックアルミナの熱伝導度(NISTデータ)と比較する。 フェースコートを有する鋳型の線図である。A)は、例えば厚さが約100μmである固有フェースコートを有する鋳型を示す。線図は、固有フェースコートを示し、鋳型穴及びカルシウムアルミネート鋳型の位置も示す。B)は、厚さが約100μmである外部フェースコートを有する鋳型を示す。線図は、外部フェースコートを示し、鋳型穴及びカルシウムアルミネート鋳型の位置も示す。
本発明は一般に、鋳型組成物及び鋳型製造の方法及び鋳型から鋳造した物品、特に、鋳型組成物、含チタン物品の鋳造方法、成形された含チタン物品に関する。
チタン及びその合金のインベストメントシェル型でのインベストメント鋳造によるチタン基部品の製造には、鋳物を「ニアネットシェイプ」に鋳造すべきであるという観点から問題がある。即ち、部品は、ほぼ最終の所望の寸法の部品に鋳造され、ほとんど又は全く最終の処理又は機械加工を必要としない。例えば、いくつかの従来の鋳物は、鋳物上に存在するαケースを除去するのに化学研磨操作だけを必要とすることがある。しかし、鋳物のαケースの下に位置する表面下セラミック混在物は通常、化学研磨操作では除去されない。この混在物は鋳型フェースコートと鋳型中の反応性金属、例えば反応性チタンアルミナイドとの反応により形成されたものであろう。
本発明は、ニアネットシェイプのチタン及びチタンアルミナイド部品、例えばタービンブレード又はエアーホイルを鋳造する新しいアプローチを提供する。本発明の実施形態は、例えば、航空宇宙産業及び海洋産業で使用する優れたチタン及びチタン合金部品を形成するインベストメント鋳造用鋳型の材料の組成物及び鋳造方法を提供する。ある態様では、鋳型組成物は鋳型製造時に鋳型強度を向上したり、鋳造時に鋳造する金属との反応に対する耐性を増加したり、その両方を行う相を含有する鋳型を実現する。本発明の態様にしたがう鋳型は、ニアネットシェイプ鋳造方法に望ましい高圧での鋳造を可能にする。優れた特性をもつ鋳物を提供する、鋳型組成物例えば、カルシウムアルミネートセメント及びアルミナ粒子を含有する組成物及び好ましい成分相を見出した。
1態様では、鋳型の成分相は、カルシウムモノアルミネート(CaAl24)を含有する。本発明者らは、カルシウムモノアルミネートが少なくとも2つの理由で望ましいことを見出した。第1に、カルシウムモノアルミネートが鋳型製造の初期段階でのセメント粒子間の水硬性結合形成を促進し、この水硬性結合が鋳型製造時に鋳型強度をもたらすと考えられると本発明者らは理解する。第2に、カルシウムモノアルミネートがチタン及びチタンアルミナイド基合金との反応の速度を非常に遅くすると本発明者らは理解する。実施形態によっては、カルシウムモノアルミネートをカルシウムアルミネートセメントの形態で本発明、例えばインベストメント鋳型の鋳型組成物に供給する。1態様では、本発明の鋳型組成物は、カルシウムアルミネートセメント及びアルミナ、即ち酸化アルミニウムの混合物を含有する。
本発明の1態様では、鋳型組成物は、鋳造時の合金との反応をできるだけ少なくし、鋳型は、必要な部品特性をもつ鋳物を形成する。鋳物の外部特性には、形状、幾何形状、表面仕上げなどの特徴がある。鋳物の内部特性には、機械的特性、微細組織、特定の寸法以下かつ許容限界内の欠陥(例えば、細孔及び混在物)がある。
1実施形態では、鋳型は鋳型のバルクと鋳型穴の間に連続した固有フェースコートを有する。関連した実施形態では、固有フェースコートは約50μm〜約250μmである。場合によっては、フェースコートは粒径が約50μm未満のカルシウムアルミネートを含有する。鋳型組成物は、鋳型のバルクがアルミナ及び約50μm超えの粒子を含有するようにできる。実施形態によっては、フェースコートは鋳型のバルクよりアルミナが少なく、フェースコートは鋳型のバルクよりカルシウムアルミネートが多い。
最初のカルシウムアルミネート/液体セメント混合物中の固形物の割合及び最終のカルシウムアルミネート/液体セメント混合物中の固形物の割合が本発明の特徴である。1例では、最初のカルシウムアルミネート/液体セメント混合物中の固形物の割合は約71%〜約78%である。1例では、最初のカルシウムアルミネート/液体セメント混合物中の固形物の割合は約70%〜約80%である。別の例では、大スケールアルミナ(100μm超え)のアルミナ粒子を含有する最終のカルシウムアルミネート/液体セメント混合物の固形物は約75%〜約90%である。最初のカルシウムアルミネートセメント及び微細スケール(10μm未満)のアルミナを水と混合して均一・均質なスラリーを形成し、大スケール(100μm超え)のアルミナを最初のスラリーに添加し、均一混合物にするために2〜15分間混合することにより最終の鋳型混合物を形成する。
本発明の1態様の鋳型組成物は、チタンアルミナイド(TiAl)タービンブレード、例えばTiAl低圧タービンブレードの低コストの鋳造を実現する。本鋳型組成物は、従来のシェル型及び重力鋳造を用いて製造する部品より、必要とされる機械加工及び/又は処理が少ないニアネットシェイプの部品を鋳造する能力がある。ここで用いる表現「ニアネットシェイプ」は、物品の最初の製造物が、物品の最終の(ネット)形状に近く、さらなる処理、例えば広範囲の機械加工及び表面仕上げの必要性を少なくすることを意味する。ここで用いる表現「タービンブレード」は蒸気タービンブレード及びガスタービンブレードの両方をいう。
したがって、本発明は、チタン及びチタンアルミナイド合金と実質的に反応しない鋳型、例えばインベストメント鋳型を製造するという課題を解決する。さらに、本発明のいくつかの態様によれば、鋳型の強度及び安定性は、高圧鋳造アプローチ、例えば遠心鋳造を可能にする。1態様では、本発明の技術的効果の1つは、本発明が、例えば、カルシウムアルミネートセメント及びアルミナインベストメント鋳型から製造するネットシェイプ鋳物の構造的完全性を向上できることである。強度、例えば疲労強度が高いほど、軽い部品を製造することができる。さらに、部品は、疲労強度が高いほど長持ちし、したがってライフサイクルコストを低くすることができる。
[鋳造用鋳型組成物]
本発明の態様は、チタン及びチタン合金の優れた部品を形成できるインベストメント鋳造用鋳型の材料の組成物を提供する。本発明の1態様では、カルシウムモノアルミネートをカルシウムアルミネートセメントの形態で供給することができる。カルシウムアルミネートセメントは「セメント」又は「バインダー」ということがある。実施形態によっては、カルシウムアルミネートセメントをアルミナ粒子と混合してキャスタブルインベストメント鋳型混合物(鋳造用鋳型組成物)を形成する。カルシウムアルミネートセメントはキャスタブル鋳型混合物中に約30重量%超えとすることができる。実施形態によっては、カルシウムアルミネートセメントはキャスタブル鋳型混合物中に約30重量%〜約60重量%とする。キャスタブル鋳型混合物中に30重量%超えのカルシウムアルミネートセメントを使用することが本発明の特徴である。適切なカルシウムアルミネートセメント化学の選択及びアルミナ処方が鋳型の上記の性能をもたらす要因である。1態様では、チタン合金との反応をできるだけ少なくするのに十分な量の酸化カルシウムを鋳型組成物中に供給する。
1態様では、鋳型組成物、例えばインベストメント鋳型組成物はカルシウムアルミネートセメント及びアルミナ粒子の多相混合物を含有することができる。カルシウムアルミネートセメントはバインダーとして機能することができ、例えばカルシウムアルミネートセメントバインダーは鋳型構造の主骨格構造を形成することができる。カルシウムアルミネートセメントは、鋳型中に連続相を構成し、硬化及び鋳造時に強度をもたらすことができる。鋳型組成物はカルシウムアルミネートセメント及びアルミナからなることができ、即ち、カルシウムアルミネートセメント及びアルミナだけが、実質的に鋳型組成物の構成要素であり、ほとんど又は全く他の構成要素は含まないことがある。1実施形態では、本発明は、カルシウムアルミネートを含有する、含チタン物品鋳造用鋳型組成物を含む。別の実施形態では、鋳造用鋳型組成物はさらに、酸化物粒子、例えば中空酸化物粒子を含有する。本発明の態様によれば、酸化物粒子は、酸化アルミニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、酸化カルシウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化チタン粒子、酸化ケイ素粒子、これらの組合せ又はこれらの組成物にすることができる。1実施形態では、酸化物粒子は、1つ又は2つ以上の異なる酸化物粒子の組合せとすることができる。
鋳造用鋳型組成物はさらに、酸化アルミニウムを、例えば中空粒子、即ち酸化物で実質的に取り囲まれた中空コア又は実質的に中空なコアを有する粒子の形態で含有することができる。これらの中空酸化アルミニウム粒子は、酸化アルミニウムを約99%含有し、幅、直径などの外形寸法が約10mm(ミリメートル)以下である。1実施形態では、中空酸化アルミニウム粒子は、幅、直径などの外形寸法が約1mm以下である。別の実施形態では、酸化アルミニウムは、外形寸法が約10μm(マイクロメートル)〜約10,000μmの範囲である粒子を含む。実施形態によっては、中空酸化物粒子は中空アルミナ球(通常、直径100μm超え)を含む。中空アルミナ球は鋳造用鋳型組成物に取り入れることができ、中空球は円形粒子、不規則な凝集体などのさまざまな幾何形状をもつことができる。実施形態によっては、アルミナは円形粒子及び中空球の両方を含んでもよい。1態様では、これらの幾何形状がインベストメント鋳型混合物の流動性を増加することを見出した。増加した流動性は通常、鋳型から製造する最終鋳物の表面仕上げ、表面特徴の忠実度又は精度を向上することができる。
酸化アルミニウムは、外形寸法が約10μm〜約10,000μmの範囲である粒子を含む。実施形態によっては、酸化アルミニウムは、直径、幅などの外形寸法が約500μm未満である粒子を含む。酸化アルミニウムは、鋳造用鋳型組成物の約0.5重量%〜約80重量%を構成することができる。また、酸化アルミニウムは、鋳造用鋳型組成物の約40重量%〜約60重量%を構成する。或いは、酸化アルミニウムは、鋳造用鋳型組成物の約40重量%〜約68重量%を構成する。
1実施形態では、鋳造用鋳型組成物はさらに、酸化カルシウムを含有する。酸化カルシウムは、鋳造用鋳型組成物の約10重量%超え〜約50重量%未満とすることができる。最終鋳型は典型的に、2g/cc(グラム/立方センチメートル)未満の密度及び500psi(ポンド/平方インチ)超えの強度を有することができる。1実施形態では、酸化カルシウムは鋳造用鋳型組成物の約30重量%超え〜約50重量%未満である。或いは、酸化カルシウムは鋳造用鋳型組成物の約25重量%超え〜約35重量%未満である。
本発明の1態様は、カルシウムモノアルミネート、カルシウムジアルミネート及びマイエナイトを含有するカルシウムアルミネートセメントを含む、含チタン物品を鋳造するための鋳型であり、鋳型は、鋳型のバルクと鋳型穴の間に約10μm〜約250μmの固有フェースコートを有する。1実施形態では、フェースコートは連続した固有フェースコートである。
特定の実施形態では、本発明の鋳造用鋳型組成物はカルシウムアルミネートセメントを含む。カルシウムアルミネートセメントは、少なくとも3つの相、即ちカルシウム及びアルミニウムを含む構成要素、具体的にはカルシウムモノアルミネート(CaAl24)、カルシウムジアルミネート(CaAl47)及びマイエナイト(Ca12Al1433)を含有する。固有フェースコート中のカルシウムモノアルミネートの重量分率は0.60超えにすることができ、マイエナイトの重量分率は0.10未満にすることができる。1実施形態では、鋳型のバルク中のカルシウムモノアルミネートは重量分率約0.05〜0.95を有し、固有フェースコート中のカルシウムモノアルミネートは約0.1〜0.90である。別の実施形態では、鋳型のバルク中のカルシウムジアルミネートは重量分率約0.05〜約0.80を有し、固有フェースコート中のカルシウムジアルミネートは約0.05〜0.90である。さらに他の実施形態では、鋳型組成物のバルク中のマイエナイトは重量分率約0.01〜約0.30を有し、固有フェースコート中のマイエナイトは約0.001〜0.05である。
鋳型のバルクと固有フェースコートの正確な組成物は異なってもよい。例えば、鋳型のバルク中のカルシウムモノアルミネートは重量分率約0.05〜0.95を有し、固有フェースコート中のカルシウムモノアルミネートは約0.1〜0.90であり、鋳型のバルク中のカルシウムジアルミネートは重量分率約0.05〜約0.80を有し、固有フェースコート中のカルシウムジアルミネートは約0.05〜0.90であり、鋳型組成物のバルク中のマイエナイトは重量分率約0.01〜約0.30を有し、固有フェースコート中のマイエナイトは約0.001〜0.05である。
カルシウムアルミネートセメント中でのカルシウムモノアルミネートの重量分率は約0.5超えにすることができ、カルシウムアルミネートセメント中のマイエナイトの重量分率は約0.15未満にすることができる。別の実施形態では、カルシウムアルミネートセメントは鋳造用鋳型組成物の30重量%超えである。1実施形態では、カルシウムアルミネートセメントの粒径は約50μm以下である。
1実施形態では、鋳型のバルクのセメントに適当であるこれらの相の重量分率は、カルシウムモノアルミネート0.05〜0.95、カルシウムジアルミネート0.05〜0.80及びマイエナイト0.01〜0.30である。1実施形態では、鋳型のフェースコート中のこれらの相の重量分率は、カルシウムモノアルミネート0.1〜0.90、カルシウムジアルミネート0.05〜0.90及びマイエナイト0.001〜0.05である。別の実施形態では、フェースコート中のカルシウムモノアルミネートの重量分率は約0.6超えであり、マイエナイトの重量分率は約0.1未満である。1実施形態では、鋳型のバルクのセメント中でカルシウムモノアルミネートの重量分率は約0.5超えであり、マイエナイトの重量分率は約0.15未満である。
1実施形態では、カルシウムアルミネートセメントの粒径は約50μm以下である。50μm未満の粒径が好ましい理由が3つある。第1に、微細粒径は鋳型組成物混合及び硬化時の水硬性結合の形成を促進すると考えられており、第2に、微細粒径は、焼成時に粒子間焼結を促進し、これにより鋳型強度を増加できると理解され、第3に、微細粒径は鋳型で製造する鋳造物品の表面仕上げを向上すると考えられる。カルシウムアルミネートセメントは、粉末として供給でき、固有の粉末形態又は噴霧乾燥凝集体などの凝集形態のどちらかで使用できる。カルシウムアルミネートセメントはまた、微細スケール(例えば、粒径10μm未満)のアルミナと予備混合できる。微細スケールアルミナは、高温焼成時の焼結により強度を増加させると考えられる。場合によっては、微細スケールアルミナの有無にかかわらず、大スケールアルミナ(即ち、粒径10μm超え)も添加できる。
中空アルミナ粒子は、少なくとも2つの機能を果たす。1)中空アルミナ粒子は、鋳型の密度及び重量を低減し、強度の低下を最小限にし、具体的には約500psi以上の強度レベル及び約2g/cc以下の密度をもたらす。2)中空アルミナ粒子は、鋳型の弾性係数を低減し、鋳造後の鋳型及び部品の冷却時のコンプライアンスを増加させる。鋳型のコンプライアンス及び粉砕性を増加することにより部品への引張応力を低減することができる。
[カルシウムアルミネートセメント組成物]
本発明の態様に用いるカルシウムアルミネートセメントは典型的に、3つの相、即ちカルシウム及びアルミニウムを含む構成要素、具体的にはカルシウムモノアルミネート(CaAl24)、カルシウムジアルミネート(CaAl47)及びマイエナイト(Ca12Al1433)を含有する。カルシウムモノアルミネートは、カルシウムアルミナセメントに存在する水硬性鉱物である。カルシウムモノアルミネートの水和はインベストメント鋳型の高い初期強度に寄与する。マイエナイトは、水硬性結合の迅速な形成により鋳型硬化の初期段階に強度をもたらすのでセメントに望ましい。しかし、マイエナイトは通常、鋳造前の鋳型の熱処理時に除去される。
1態様では、最初のカルシウムアルミネートセメント処方物は通常、セメント製造釜中での焼成後、熱力学的平衡ではない。しかし、鋳型製造及び高温焼成後、鋳型組成物は熱力学的に安定な構成に向かって移行し、この安定性が次の鋳造プロセスに有利である。1実施形態では、セメント中のカルシウムモノアルミネートの重量分率は、0.5超えであり、マイエナイトの重量分率は0.15未満である。マイエナイトを鋳型(鋳型のバルク及びフェースコート両方)に取り込む。マイエナイトは迅速に硬化するカルシウムアルミネートであり、硬化の初期段階に鋳型のバルク及びフェースコートに強度を与えると考えられるからである。消失ろう模型は温度の影響を受けやすく、約35℃より高い温度の熱曝露で形状や特性を失うので、硬化は低温、例えば温度15℃〜40℃で行う。鋳型を30℃より低い温度で硬化することが好ましい。
カルシウムアルミネートセメントは通常、高純度アルミナを高純度酸化カルシウム又は炭酸カルシウムと混合することにより製造することができる。化合物の混合物は通常、炉又は窯中で高温、例えば1000〜1500℃の温度に加熱させて反応させる。
その後、窯の中で生じたセメント「クリンカー」として当業界で既知である得られた生成物を粉砕し、すり砕き、ふるいにかけて好ましい粒径のカルシウムアルミネートセメントを製造する。さらに、カルシウムアルミネートセメントを不純物、例えばシリカ、ナトリウムや他のアルカリ及び鉄の酸化物を最小量にするように設計、加工する。1態様では、カルシウムアルミネートセメントに対する不純物の目標レベルは、Na2O、SiO2、Fe23及びTiO2の合計で約2重量%未満にすることである。1実施形態では、Na2O、SiO2、Fe23及びTiO2の合計で約0.05重量%未満にすることである。
本発明の1態様では、アルミナ(Al23)の形態で35重量%超えのバルクアルミナ濃度及び65重量%未満の酸化カルシウムを含有するカルシウムアルミネートセメントを提供する。関連した実施形態では、酸化カルシウムのこの量は50重量%未満である。1例では、セメントの最大アルミナ濃度は約88%(例えば、約12%のCaO)にすることができる。1実施形態では、カルシウムアルミネートセメントは、高純度であり、70%以下のアルミナを含有する。カルシウムモノアルミネートの重量分率は、鋳造前の焼成鋳型で最大にすることができる。鋳造する合金と鋳型間の反応をできるだけ少なくするのに、最小限の酸化カルシウムが必要となることがある。セメント中に50%超えの酸化カルシウムがある場合、マイエナイト、トリカルシウムアルミネートなどの相を生じるおそれがあり、これらは鋳造時にカルシウムモノアルミネートのようには機能しない。酸化カルシウムの好ましい範囲は約10重量%超え〜約50%未満である。
前述したように、鋳型中のカルシウムアルミネートセメント/バインダーの3つの相は、カルシウムモノアルミネート(CaAl24)、カルシウムジアルミネート(CaAl47)及びマイエナイト(Ca12Al1433)である。フェースコートを形成するセメント中のカルシウムモノアルミネートは他のカルシウムアルミネート相に比べて3つの利点がある。1)カルシウムモノアルミネートは、迅速な硬化応答(マイエナイトよりは遅い)をもち、硬化の初期段階に強度を鋳型に与えると考えられるので鋳型に取り入れられる。鋳型強度の迅速な発生は鋳造用鋳型の寸法安定性をもたらし、この特徴は最終の鋳造部品の寸法一貫性を向上する。2)カルシウムモノアルミネートは、鋳造するチタン及びチタンアルミナイド合金に関して化学的に安定である。カルシウムモノアルミネートは、高いアルミナ活性をもつカルシウムジアルミネート及び他のカルシウムアルミネート相に比べて好ましい。これらの相は、鋳造するチタン及びチタンアルミナイド合金との反応性がより高いからである。3)カルシウムモノアルミネート及びカルシウムジアルミネートは、膨張が小さい相であり、硬化、脱ろう及び次の鋳造時に鋳型中で高いレベルの応力ができるのを防ぐと理解されている。カルシウムモノアルミネートの熱膨張挙動はアルミナとほぼ一致する。
[フェースコート]
実施形態によっては、鋳型は、鋳型のバルクと鋳型穴の間に連続した固有フェースコートを有する。鋳型は、鋳型製造時の鋳型強度を向上する相を含有するように設計され、連続フェースコートは、鋳造時の反応に対する耐性を増加するように設計される。鋳型は、ネットシェイプ鋳造方法に望ましい高圧で鋳造することが可能である。優れた特性をもつ鋳物を提供する鋳造用鋳型組成物、フェースコート組成物及びフェースコート及び鋳型のバルクのための好ましい成分相を見出した。
フェースコートは、鋳型の内部表面、即ち鋳型穴に隣接した鋳型の領域として定義される。1実施形態では、フェースコートは通常、厚さ約100μmの領域となると考えられる。一層効果的にするためには、フェースコートは連続にする。フェースコートの後ろかつ鋳型穴からさらに離れた領域を鋳型のバルクという。
本発明の1態様は、含チタン物品を鋳造するのに用いる鋳型の、カルシウムモノアルミネート、カルシウムジアルミネート及びマイエナイトを含有するフェースコート組成物であって、フェースコート組成物は、固有フェースコートであり、厚さ約10μm〜約250μmであり、鋳型のバルクと鋳型穴に開口している鋳型の表面の間に位置する。1例では、フェースコートは粒径が約50μm未満のカルシウムアルミネートを含有する。
固有フェースコートの使用は外部フェースコートの使用よりも有利である。特に、イットリア、ジルコンなどの、鋳造に用いる鋳型中の外部フェースコートは、鋳型加工及び鋳造、特に高圧鋳造時に劣化し、割れ、剥落するおそれがある。外部フェースコートから剥離したフェースコートの破片は、鋳型が溶融金属で満たされたときに鋳物中に運ばれ、セラミックフェースコートは最終部品中の混在物になる。混在物は、鋳物から製造する部品の機械的性能を低減する。
1実施形態では、本発明は、組合せて、チタン及びチタン合金の優れた鋳造部品を提供することができるインベストメント鋳造用鋳型の固有フェースコート組成物及びバルク鋳型組成物を提供する。1実施形態では、鋳型はカルシウムアルミネートセメント及びアルミナ粒子を含有する。1例では、カルシウムアルミネートセメントは2つの機能を果たす。第1に、セメントは、消失模型の除去により形成される鋳型の穴にその場フェースコートを形成し、第2に、セメントはフェースコートの後ろの鋳型のバルク中のアルミナ粒子間のバインダーとして働く。1実施形態では、鋳型中のCaOのバルク組成物範囲は10重量〜50重量%である。1実施形態では、フェースコート中のCaOの組成物は20重量〜40重量%である。1実施形態では、最終の鋳型は、2g/cc未満の密度及び500psi超えの強度をもつ。
鋳型は、鋳型のバルク及び固有フェースコートを有することができ、鋳型のバルクと固有フェースコートとは異なる組成をもち、固有フェースコートは粒径が約50μm未満のカルシウムアルミネートを含有する。鋳型は、鋳型のバルク及び固有フェースコートを有することができ、鋳型のバルクと固有フェースコートとは異なる組成をもち、鋳型のバルクは約50μm超えのアルミナ粒子を含有する。1例では、鋳型は、鋳型のバルク及び固有フェースコートを有し、鋳型のバルクは約50μm超えのアルミナ粒子を含有し、固有フェースコートは約50μm未満の粒径のカルシウムアルミネート粒子を含有する。
本発明で提供されたネットシェイプ鋳造アプローチは、部品を非破壊方法、例えばX線、超音波又は渦電流でさらに詳細に低コストで検査できるようにする。過剰な厚み部分での検査放射線の減衰及び散乱に伴う障害が低減される。小欠陥は消滅される可能性があり、これにより、優れた機械的性能を部品にもたらすことができる。
本発明は、チタン及びチタン合金の優れた部品を形成できる鋳造用鋳型組成物及び鋳造方法を提供する。1実施形態では、鋳型をカルシウムアルミネートセメント、即ちバインダー及びアルミナ粒子を用いて製造する。1実施形態では、鋳型は鋳型のバルクと鋳型穴の間に固有フェースコートを有する。フェースコート中の粒子の寸法は典型的に、50μm未満である。鋳型のバルク中の粒子の寸法は50μm超えにすることができる。1実施形態では、鋳型のバルク中の粒子の寸法は1mm超えにする。1実施形態では、フェースコート中の粒子の寸法は50μm未満であり、鋳型のバルク中の粒子の寸法は50μm超えである。通常、フェースコートが連続した固有フェースコートであると、一層効果的になる。
固有フェースコートは、鋳型のバルクより重量分率で20%以上多いカルシウムアルミネート、20%以上少ないアルミナ、50%以上少ないマイエナイトを含有することができる。固有フェースコート中のカルシウムモノアルミネートの重量分率は0.60超えにすることができ、マイエナイトの重量分率は0.10未満にすることができる。1例では、固有フェースコート中のカルシウムモノアルミネートは重量分率0.1〜0.9を有し、固有フェースコート中のカルシウムジアルミネートは重量分率0.05〜0.90を有し、固有フェースコート中のマイエナイトは重量分率0.001〜0.05を有する。固有フェースコート中のカルシウムモノアルミネートの重量分率を増加すると、鋳造時の溶融合金と鋳型との反応の速度が遅くなる。
固有フェースコートは、鋳型のバルクより重量分率で20%以上多いカルシウムモノアルミネートを含有することができる。固有フェースコートは、鋳型のバルクより重量分率で20%以上少ないアルミナを含有することができる。1例では、固有フェースコートは、鋳型のバルクより重量分率で20%以上多いカルシウムアルミネート、20%以上少ないアルミナ、50%以上少ないマイエナイトを含有することができる。
実施形態によっては、フェースコートの成分相は鋳型のバルクの成分相と同様に鋳物特性に対して重要である。前述したように、鋳型のフェースコートは、鋳造時の合金との反応をできるだけ少なくし、その結果、鋳型が必要な部品特性を鋳物に与える。鋳物の外部特性には、形状、幾何形状、表面仕上げなどの特徴がある。鋳物の内部特性には、機械的特性、微細組織及び致命的な寸法より小さい欠陥(例えば、細孔及び混在物)がある。
鋳型のフェースコート及び鋳型のバルクの成分相に関して、カルシウムモノアルミネート(CaAl24)は、少なくとも2つの理由で望ましい。第1に、カルシウムモノアルミネートは、鋳型製造の初期段階でセメント粒子間の水硬性結合形成を促進し、この水硬性結合は鋳型製造時に鋳型強度をもたらす。第2に、カルシウムモノアルミネートは、チタン及びチタンアルミナイド基合金との反応の速度を非常に遅くする。
1実施形態では、フェースコートは、カルシウムモノアルミネート(CaAl24)、カルシウムジアルミネート(CaAl47)、マイエナイト(Ca12Al1433)及びアルミナを含有する。1実施形態では、フェースコート中の粒子の寸法は50μm未満である。フェースコート中、カルシウムモノアルミネート(CaAl24)とカルシウムジアルミネート(CaAl47)は合わせて50重量%超えであり、アルミナ濃度は50重量%未満である。1実施形態では、フェースコート中に30重量%超えのカルシウムモノアルミネート(CaAl24)が存在する。フェースコートの後ろかつ鋳型穴からさらに離れた領域を鋳型のバルクという。1実施形態では、鋳型部分のこのバルク中のカルシウムモノアルミネート(CaAl24)とカルシウムジアルミネート(CaAl47)は合わせて50重量%未満であり、鋳型のバルク中のアルミナ濃度は50重量%超えである。
宝石及び義歯鋳造で用いる溶融シリカ、クリストバライト、石膏などからなる従来のインベストメント鋳型化合物は、チタン合金などの反応性合金を鋳造するのには適していない。チタンとインベストメント鋳型とが反応するからである。溶融合金と鋳型との反応は最終鋳物の特性を劣化する。劣化は気泡による劣悪な表面仕上げのような単純なものがあり、より深刻な場合は、鋳物の化学、微細組織及び特性を損なうおそれがある。
チタン及びチタンアルミナイド合金と実質的に反応しないインベストメント鋳型を製造することが、課題とされてきた。この点で、構造的チタン及びチタンアルミナイド合金のための要求を満たす従来の流し込みセラミックインベストメント化合物は、存在するとしてもごくわずかである。チタン及びチタンアルミナイド合金と実質的に反応しないインベストメント鋳型が必要とされている。これまでのアプローチでは、従来のインベストメント鋳型化合物の制限を減らすために、いくつかの付加的な鋳型材料が開発された。例えば、酸化マグネシウム又はジルコニアを主成分として用い、金属ジルコニウムを主成分に添加して鋳造金属の凝固のための収縮を相殺する酸化膨張タイプのインベストメント化合物が開発された。
しかし、従来技術のインベストメント化合物には制限がある。例えば、金属ジルコニウムの酸化膨張により鋳造金属の凝固による収縮を相殺することを目指したインベストメント鋳型化合物は、いくつかの理由で実現するのが困難である。第1に、ろう模型の表面をジルコニウムを含有する新しいインベストメント化合物で被覆し、その後、被覆ろう模型を、ジルコニウムの必要量をできるだけ少なくするように従来のインベストメント化合物中に埋封するが、ジルコニウムでのろう模型の被覆は非常に難しく、再現性がそれほどよくない。第2に、複雑な形状の部品のろう模型は十分に均一に被覆できない。さらに、インベストメント鋳型混合物を被覆層の外側に配置させると被覆層がろう模型から剥げ、その結果、チタンが、外側に配置されたインベストメント鋳型混合物と反応することがある。
固有フェースコートの使用は外部フェースコートの使用よりも著しく有利である。チタン合金を鋳造するのに用いる外部フェースコートは通常、イットリア基フェースコート又はジルコニア基フェースコートである。特に、鋳造に用いる鋳型中の外部フェースコートは、鋳型加工(例えば、消失模型の除去及び焼成)及び鋳造時に劣化し、割れ、剥落するおそれがある。外部フェースコートから剥離したフェースコートの破片は、鋳型が溶融金属で満たされたときに鋳物中に運ばれ、セラミックフェースコート破片は最終部品中の混在物になる。混在物は、鋳物から製造する部品の機械的性能を低減する。
カルシウムアルミネートセメントはセメント又はバインダーと呼ばれ、1実施形態では、カルシウムアルミネートセメントをアルミナ粒子と混合してキャスタブルインベストメント鋳型混合物を製造する。カルシウムアルミネートセメントは通常、キャスタブルインベストメント鋳型混合物中に30重量%超えとし、この比率のカルシウムアルミネートセメントを用いることは、本発明の特徴であり、固有フェースコートの形成に有利である。適切なカルシウムアルミネートセメント化学及びアルミナ処方が鋳型の性能を決定するうえで重要となることを本発明者は見出した。1例では、カルシウムアルミネートセメントに関して、チタン合金との反応をできるだけ少なくするのに特定量の酸化カルシウム(CaO)を含有することが必要であることも本発明者は見出した。
1実施形態では、フェースコートは、約50μm未満の粒径のカルシウムアルミネートセメントを含有する。別の実施形態では、カルシウムアルミネートセメントの粒径は約10μm未満である。1例では、鋳型のバルクは、50μm超えの寸法の粒子を含み、アルミナを含有することができる。
フェースコートは、鋳型のバルクより、アルミナが少なく、カルシウムアルミネートセメントが多い。固有フェースコートは、鋳型のバルクより重量分率で20%以上多いカルシウムアルミネート、20%以上少ないアルミナ、50%以上少ないマイエナイトを含有する。1例では、固有フェースコート中のカルシウムモノアルミネートは重量分率0.1〜0.9を有し、固有フェースコート中のカルシウムジアルミネートは重量分率0.05〜0.90を有し、固有フェースコート中のマイエナイトは重量分率0.001〜0.05を有する。固有フェースコート中のカルシウムモノアルミネート及びジアルミネートの重量分率を増加すると、鋳造中の溶融合金と鋳型との反応の速度が遅くなる。
最初のセメントスラリーは、粘度が50〜150センチポアズになるように混合する。1実施形態では、粘度範囲は80〜120センチポアズである。粘度が低すぎる場合、スラリーはすべての固形物を浮遊状態で維持できず、硬化時に重い粒子の沈降が起こり、偏析につながり、固有フェースコートは形成しない。粘度が高すぎる場合、カルシウムアルミネート粒子は消失模型に移行せず、固有フェースコートは形成しない。カルシウムアルミネートセメント及びアルミナ粒子を含有する最終スラリーは、粘度が約2000〜8000センチポアズになるように混合する。1実施形態では、この最終スラリー粘度範囲は3000〜6000センチポアズである。最終スラリー混合物の粘度が高すぎると最終スラリー混合物は消失模型のまわりを流れず、鋳型の内部穴は最終必要部品を鋳造するのに適切でない。最終スラリー混合物の粘度が低すぎると、硬化時に重い粒子の沈降が起こり、鋳型は、鋳型のバルク全体に必要とされる均一な組成物を含有しない。
インベストメント鋳型は、微細スケール(50μm未満)のカルシウムアルミネートセメント粒子、微細スケール(50μm未満)のアルミナ粒子及び大スケール(100μm超え)のアルミナ粒子の多相混合物からなる。固有フェースコートは50μm超えのアルミナ粒子を全く含有しない。水性インベストメント混合物中の浮遊状態の微細スケールセメント粒子が、鋳型製造時に消失ろう模型に優先的に移行し、カルシウムモノアルミネート、カルシウムジアルミネート及びアルミナ粒子を含む微細スケール粒子(50μm未満)に富む固有フェースコート層を形成する。1実施形態では、フェースコート中には大スケールのアルミナ粒子(50μm超え)は存在しない。スラリー粘度及び固形物配合量が固有フェースコートの形成での因子である。固有フェースコート中に大スケール(100μm超え)の粒子が存在しないことにより鋳型及び得られる鋳物の表面仕上げを向上する。固有フェースコート中のカルシウムモノアルミネート及びジアルミネートの重量分率を増加することにより、鋳造時の溶融合金と鋳型との反応の速度を遅くする。
鋳型のバルクでは、カルシウムアルミネートセメントはバインダーであり、バインダーはフェースコートの後ろの鋳型構造の主骨格と考えられる。カルシウムアルミネートセメントは、鋳型中で連続した相であり、硬化及び鋳造時に強度をもたらす。1実施形態では、鋳型組成物のバルクは微細スケール(50μm未満)のカルシウムアルミネートセメント粒子及び大スケール(100μm超え)のアルミナ粒子を含有する。別の実施形態では、フェースコート組成物はカルシウムアルミネートセメントを含有する。
フェースコートを構成するカルシウムアルミネートセメントは少なくとも3つの相、具体的には、カルシウムモノアルミネート(CaAl24)、カルシウムジアルミネート(CaAl47)及びマイエナイト(Ca12Al1433)を含有する。1実施形態では、フェースコートは微細スケールアルミナ粒子も含有することができる。別の実施形態では、フェースコートの後ろの鋳型のバルクはカルシウムモノアルミネート(CaAl24)、カルシウムジアルミネート(CaAl47)、マイエナイト(Ca12Al1433)及びアルミナを含有する。アルミナはアルミナ粒子、例えば中空アルミナ粒子として取り込むことができる。粒子は円形粒子、不規則な凝集体などのさまざまな幾何形状をもつことができる。アルミナ粒径は10μm〜10mmにすることができる。
1実施形態では、アルミナは円形粒子及び中空粒子の両方からなる。これらの幾何形状がインベストメント鋳型混合物の流動性を増加するからである。典型的に、鋳型のバルク中のアルミナ粒径は50μm超えである。流動性は、消失模型のまわりへのインベストメント鋳型混合物の流し込み及び硬化時、セメントの消失模型(例えば、ろう)への移行の仕方に影響を与える。流動性は、鋳型から製造する最終鋳物の表面仕上げ及び表面特徴の忠実度に影響を与える。
最初のセメント混合物の粘度が低すぎる場合、スラリーはすべての固形物を浮遊状態で維持できず、硬化時に重い粒子の沈降が起こり、偏析につながり、固有フェースコートは形成しない。粘度が高すぎる場合、カルシウムアルミネート粒子は消失模型に移行せず、固有フェースコートは形成しない。最終の混合物粘度が高すぎる場合、最終スラリー混合物が消失模型のまわりを流れず、スラリー混合物及び模型の間に空気が混入し、鋳型の内部穴は最終必要部品を鋳造するのに適切でなくなる。最終スラリー混合物の粘度が低すぎる場合、硬化時に重い粒子の沈降が起こり、鋳型は、鋳型のバルク全体に必要とされる均一な組成物を含有せず、得られる鋳物の品質は損なわれる。
フェースコートを形成するカルシウムアルミネートセメント粒子の寸法は典型的に、50μm未満である。50μm未満の粒径にはいくつかの利点がある。第1に、微細粒径は鋳型混合及び硬化時の水硬性結合の形成を促進する。第2に、微細粒径は、焼成時に粒子間焼結を促進し、これにより鋳型強度を増加することができる。第3に、微細粒径は鋳型穴の表面仕上げを向上する。カルシウムアルミネートセメント粉末は固有の形態又は噴霧乾燥凝集体などの凝集形態のどちらかで使用できる。カルシウムアルミネートセメントはまた、大スケールアルミナとの混合前に微細スケール(例えば、粒径10μm未満)のアルミナと予備混合でき、微細スケールアルミナは、高温焼成時の焼結により強度を増加できる。しかし、アルミナ粒子がフェースコートに移行する場合、鋳物特性が低下するおそれがある。
例えば、アルミナ粒子がフェースコートに移行し、固有フェースコートが鋳型のバルクより多くのアルミナを含有する場合、溶融合金は、アルミナと望ましくない状態で反応し、表面欠陥及び鋳物自体の内部の欠陥を形成する気泡を発生する。得られる鋳物の特性、例えば強度及び疲労強度は低減される。本発明の方法は、固有フェースコート中のアルミナが鋳型のバルクより実質的に少ないフェースコートの形成が可能である。
室温から最終焼成温度までのフェースコート及び鋳型の処理、特に熱履歴及び湿度分布も重要となることがある。焼成温度への加熱速度及び焼成後の冷却速度が非常に重要である。フェースコート及び鋳型は、加熱が急速すぎると内部及び/又は外部で割れるおそれがあり、鋳造前のフェースコート及び鋳型の割れはきわめて望ましくなく、少なくとも劣悪な表面仕上げをもたらす。さらに、鋳型及びフェースコートは、加熱が急速すぎると、鋳型のフェースコートが割れたり剥落したりするおそれがあり、これにより、最悪の場合、最終鋳物中に望ましくない混在物をもたらし、混在物がなかったとしても劣悪な表面仕上げをもたらすことがある。フェースコート及び鋳型は最高鋳型焼成温度に達した後の冷却が急速すぎると、フェースコート又は鋳型のバルクは内部及び/又は外部で割れるおそれもある。
以下に説明するように、最初のセメント混合物の固形物配合量及び最終の鋳型混合物の固形物配合量は、鋳型構造及び鋳型内部に固有フェースコートを形成する能力に重要な影響を与える。固形物の配合量の割合は、混合物中の総固形物を混合物中の液体と固形物の総質量で割った値を%で示したものと定義される。1実施形態では、最初のカルシウムアルミネート/液体セメント混合物中の固形物の割合は約71%〜78%である。
最初のセメントスラリー中の固形物配合量が約70%未満の場合、セメント粒子は浮遊状態で残ることができなく、鋳型の硬化時、セメント粒子は水から分離し、組成物は鋳型全体で均一ではなくなる。これに対して、固形物配合量がセメント中で多すぎる(例えば、約78%超え)場合、大スケールアルミナを含有する最終の混合物の粘度が高くなりすぎ(添加する大スケールアルミナ粒子の量、粒径、形態に応じて、例えば約85%超え)、混合物中のセメント粒子が鋳型内部の消失模型に移行することができず、固有フェースコートは形成しない。
1実施形態では、大スケール(1実施形態では約50μm超え、別の実施形態では約100μm超えを意味する)のアルミナ粒子を含有する、最終のカルシウムアルミネート/液体セメント混合物の固形物の割合は、約75%〜約90%である。1実施形態では、大スケールアルミナ粒子を含有する、最終のカルシウムアルミネート/液体セメント混合物の固形物の割合は、約78%〜約88%である。別の実施形態では、大スケールアルミナ粒子を含有する、最終のカルシウムアルミネート/液体セメント混合物の固形物の割合は、約78%〜約84%である。特定の実施形態では、大スケールアルミナ粒子を含有する、最終のカルシウムアルミネート/液体セメント混合物の固形物の割合は、約80%である。
[鋳型及び鋳造方法]
インベストメント鋳型は、セラミック成分のインベストメント混合物を処方し、混合物を消失模型を含む容器に流し込むことにより形成する。模型上に形成したインベストメント鋳型を完全に硬化させていわゆる「未処理鋳型」を形成する。固有フェースコート及びインベストメント鋳型が模型上で形成され、それらを完全に硬化させてこの未処理鋳型を形成する。典型的に、未処理鋳型の硬化は1時間〜48時間行われる。その後、消失模型を未処理鋳型から溶融、溶解、強熱又はその他の既知の模型除去方法により選択的に除去する。ろう模型除去の典型的な方法には、オーブン脱ろう(150℃未満)、炉脱ろう(150℃超え)、スチームオートクレーブ脱ろう及びマイクロ波脱ろうがある。
チタン合金及びチタンアルミナイド及びその合金を鋳造するには、その後、未処理鋳型を600℃超え、例えば600〜1400℃の温度で1時間より長時間、好ましくは2〜10時間焼成して鋳造のための鋳型強度を発現させ、鋳型中の望ましくない残留不純物、例えば金属種(Fe、Ni、Cr)及び含炭素種を除去する。1例では、焼成温度は950℃以上である。鋳型を焼成する雰囲気には、不活性ガス又は還元ガス雰囲気を用いることができるが、通常、周囲空気である。
焼成プロセスはまた、鋳型から水を除去し、マイエナイトをカルシウムアルミネートに転化する。鋳型焼成工程の別の目的は、鋳造前にフェースコート及び鋳型中に残った遊離シリカをできるだけ少なくすることである。他の目的は、高温強度を増加し、カルシウムモノアルミネート及びカルシウムジアルミネートの量を増加することである。
鋳型を室温から最終の焼成温度に加熱し、特に熱履歴を制御する。焼成温度への加熱速度及び焼成後の冷却速度は通常、調節、即ち制御される。鋳型は、加熱が急速すぎると内部及び/又は外部で割れるおそれがあり、鋳造前の鋳型の割れはきわめて望ましくない。さらに、鋳型は、加熱が急速すぎると、鋳型の内部表面が割れたり剥落したりするおそれがある。これは、最終鋳物中に望ましくない混在物をもたらし、混在物がなかったとしても劣悪な表面仕上げをもたらすことがある。同様に鋳型は最高温度に達した後の冷却が急速すぎると、鋳型は内部及び/又は外部で割れるおそれもある。
本発明の鋳型組成物は特に、チタン及びチタンアルミナイド合金に適している。焼成後及び鋳造前の鋳型組成物のフェースコート及びバルク、特に成分相に関しては、鋳型特性に影響を与えることがある。1実施形態では、鋳造のためには、鋳型中のカルシウムモノアルミネートの重量分率は高いことが好ましく、例えば重量分率0.15〜0.8である。さらに、鋳造のためには、マイエナイトの重量分率はできるだけ低いことが望ましく、例えば重量分率0.01〜0.2を用いる。マイエナイトは、水に弱く鋳造時の水の放出及びガス発生を伴う問題を引き起こすおそれがあるからである。焼成後、鋳型は、低い重量分率のアルミノケイ酸塩及びアルミノケイ酸カルシウムも含有することがある。アルミノケイ酸塩及びアルミノケイ酸カルシウムの重量分率の合計は典型的に、鋳型と鋳物の反応をできるだけ少なくするために鋳型のバルク中に5%未満、フェースコート中に0.5%未満にすることができる。
本発明の1態様は、含チタン物品を鋳造する鋳造用鋳型を形成する方法であり、本方法は、カルシウムアルミネートを液体と混合してカルシウムアルミネートのスラリーを形成し、最初のカルシウムアルミネート/液体混合物の固形物の割合は約70%〜約80%であり、スラリーの粘度は約50〜約150センチポアズであり、酸化物粒子をスラリーに添加して大スケール(50μm超え)の酸化物粒子を含有する最終のカルシウムアルミネート/液体混合物の固形物が約75%〜約90%になるようにし、スラリーを消失模型を有する鋳型穴に導入し、スラリーを鋳型穴中で硬化させて含チタン物品の鋳型を形成する工程を含む。
実施形態によっては、本発明の鋳造用鋳型組成物には、インベストメント鋳造用鋳型組成物がある。インベストメント鋳造用鋳型組成物には、ニアネットシェイプの含チタン金属インベストメント鋳造用鋳型組成物がある。1実施形態では、インベストメント鋳造用鋳型組成物には、ニアネットシェイプのチタンアルミナイド物品を鋳造するためのインベストメント鋳造用鋳型組成物がある。ニアネットシェイプのチタンアルミナイド物品には、例えば、ニアネットシェイプのチタンアルミナイドタービンブレードがある。
適切なカルシウムアルミネートセメント化学の選択及びアルミナ処方が鋳造時の鋳型の性能をもたらす要因である。カルシウムアルミネートセメントに関して、遊離酸化カルシウムの量を最小限にしてチタン合金との反応をできるだけ少なくする必要がある。セメント中の酸化カルシウム濃度が約10重量%未満である場合、アルミナ濃度は高くなりすぎるので合金は鋳型と反応し、反応は、鋳物中に望ましくない酸素濃度レベル、鋳造部品に気泡及び劣悪な表面仕上げをもたらす。遊離アルミナは、チタン及びチタンアルミナイド合金と激しく反応するので鋳型材料中でさらに望ましくない。
セメント中の酸化カルシウム濃度が50重量%超えの場合、鋳型は、環境からの水及び二酸化炭素の捕捉に敏感である。したがって、インベストメント鋳型中の酸化カルシウム濃度は典型的に50%未満に維持する。1実施形態では、インベストメント鋳型のバルク中の酸化カルシウム濃度は10重量%〜50重量%である。1実施形態では、インベストメント鋳型のバルク中の酸化カルシウム濃度は10重量%〜40重量%である。或いは、インベストメント鋳型のバルク中の酸化カルシウム濃度は25重量%〜35重量%にすることができる。1実施形態では、フェースコート中のCaOの組成物は20重量%〜40重量%である。別の実施形態では、鋳型のフェースコート中の酸化カルシウム濃度は、15重量%〜30重量%である。
二酸化炭素は、加工時及び鋳造前に鋳型中で炭酸カルシウムの形成を引き起こすおそれがあり、炭酸カルシウムは鋳造操作時に不安定である。したがって、鋳型中の水及び二酸化炭素は低い鋳物特性をもたらすおそれがある。吸着水レベルが高すぎる、例えば0.05重量%超えの場合、鋳造時に溶融金属が鋳型に入ると、水を放出し、水は合金と反応することがある。これは、劣悪な表面仕上げ、鋳物中の気泡、高酸素濃度及び低い機械的特性をもたらす。さらに、ある量の水は、鋳型の不完全な充填の原因となるおそれがある。同様に、二酸化炭素レベルが高すぎる場合、鋳型中で炭酸カルシウムが形成し、鋳造時に溶融金属が鋳型に入ると炭酸カルシウムが分解して二酸化炭素を発生し、二酸化炭素は合金と反応することがあり、大量の二酸化炭素が放出した場合、気体が鋳型の不完全な充填の原因となるおそれがある。生じる炭酸カルシウムは、鋳型中に1重量%未満にする。
溶融金属又は合金を鋳造する前に、インベストメント鋳型は通常、特定部品幾何形状又は鋳造する合金に依存する鋳型鋳造温度に余熱される。例えば、典型的な鋳型余熱温度は600℃である。通常、鋳型温度範囲は450℃〜1200℃であり、好ましい温度範囲は450℃〜750℃であり、場合によっては、温度範囲は500℃〜650℃である。
1態様によれば、重力、反重力、圧力、遠心力及び当業者に既知のその他の鋳込み方法などの従来の方法を用いて溶融金属又は合金を鋳型に流し込む。真空又は不活性ガス雰囲気を用いることができる。複雑な形の薄肉幾何形状には、高圧を用いる方法が好ましい。凝固チタンアルミナイド又は合金鋳物は典型的に650℃未満、例えば室温まで冷却し、それを鋳型から取り出し、従来の方法、例えばグリットブラスト及び研磨により仕上げをする。
本発明の1態様はチタン及びチタン合金の鋳造方法であり、本方法は、カルシウムアルミネートを液体と混合してカルシウムアルミネートのスラリーを形成し、大スケールのアルミナを含有する最終のカルシウムアルミネート/液体混合物の固形物が約75%〜約90%であり、得られる鋳型が固有フェースコートを有する、カルシウムアルミネート及び酸化アルミニウムを含有するインベストメント鋳造用鋳型組成物を得、インベストメント鋳造用鋳型組成物を消失模型を含む容器に流し込み、インベストメント鋳造用鋳型組成物を硬化し、鋳型から消失模型を除去し、鋳型を焼成し、鋳型を鋳型鋳造温度に予熱し、溶融チタン又はチタン合金を予熱した鋳型に流し込み、溶融チタン又はチタン合金を凝固し、凝固チタン又はチタン合金鋳物を形成し、凝固チタン又はチタン合金鋳物を鋳型から取り出す工程を含む。本発明の1実施形態は、本発明の鋳造方法により製造したチタン又はチタン合金物品である。
本発明の1態様はチタン及びチタン合金の鋳造方法に関しており、本方法は、カルシウムアルミネート及び酸化アルミニウムを含有するインベストメント鋳造用鋳型組成物を得、インベストメント鋳造用鋳型組成物を消失模型を含む容器に流し込み、インベストメント鋳造用鋳型組成物を硬化し、鋳型から消失模型を除去し、鋳型を焼成し、鋳型を鋳型鋳造温度に予熱し、溶融チタン又はチタン合金を予熱した鋳型に流し込み、溶融チタン又はチタン合金を凝固し、凝固チタン又はチタン合金を鋳型から取り出す工程を含む。
鋳型からの消失模型の除去と鋳型鋳造温度への鋳型の予熱の間に、まず鋳型を約600℃〜約1400℃、例えば約950℃以上の温度に加熱又は焼成し、その後室温まで冷却する。1実施形態では、硬化工程は、約30℃未満の温度で1時間〜48時間行われる。消失模型の除去には、溶融、溶解、強熱、オーブン脱ろう、炉脱ろう、スチームオートクレーブ脱ろう及びマイクロ波脱ろうの工程がある。1実施形態では、チタン又はチタン合金を鋳型から取り出した後、鋳物をグリッドブラスト又は研磨で仕上げることができる。1実施形態では、凝固した鋳物を鋳型から取り出し、それをX線又は中性子ラジオグラフィー(透過画像法)で検査する。
凝固鋳物を鋳造及び仕上げ後、表面検査及びX線ラジオグラフィーにかけて鋳物内部の任意の位置の表面下混在物粒子を検出する。X線ラジオグラフィーは鋳物の外表面の目視検査によって検出できない混在物を見つけ出すのに用いる。チタンアルミナイド鋳物を従来のX線装置を用いたX線ラジオグラフィー(フィルム又はデジタル)にかけてX線写真を得、その後、チタンアルミナイド鋳物内部に表面下混在物が存在するかを見極めるためにX線写真を検査又は分析する。
X線ラジオグラフィーの代わり或いはそれに加えて、凝固鋳物を他の非破壊試験、例えば従来の中性子線ラジオグラフィーにかけることができる。本発明の鋳型組成物では、少量で大きい中性子吸収断面積をもつ材料を与える。1態様では、鋳造物品の中性子線写真を準備する。チタン合金鋳造物品は、中性子に対して実質的に透明であるので、鋳型材料は通常、得られた中性子線写真にはっきりと現れる。1態様では、中性子照射は透過画像的に高密度の元素の「中性子放射化」をもたらすと考えられている。中性子放射化は、中性子線と鋳物の透過画像的に高密度の元素との相互作用を伴って鋳型組成物の透過画像的に高密度の元素の放射性同位体を形成させる。その後、従来の放射線検出装置により放射性同位体を検出して鋳造物品に存在する透過画像的に高密度の元素の同位体を計数する。
本発明の別の態様は、含チタン物品を鋳造する鋳造用鋳型を形成する方法である。本方法は、カルシウムアルミネートを水などの液体と混合してこの液体でのカルシウムアルミネートのスラリーを形成し、消失模型を含む容器にスラリーを導入し、スラリーを鋳型穴で硬化させて含チタン物品の鋳型を形成する工程を含む。1実施形態では、本方法はさらに、スラリーを鋳型穴に導入する前に、酸化物粒子、例えば中空酸化物粒子をスラリーに導入する工程を含む。
形成した鋳型は未処理鋳型であり、本発明はさらに、未処理鋳型を焼成する工程を含む。1実施形態では、鋳造用鋳型には、例えば含チタン物品を鋳造するためのインベストメント鋳造用鋳型がある。1実施形態では、含チタン物品にはチタンアルミナイド物品がある。1実施形態では、インベストメント鋳造用鋳型組成物には、ニアネットシェイプのチタンアルミナイド物品を鋳造するためのインベストメント鋳造用鋳型組成物がある。ニアネットシェイプのチタンアルミナイド物品には、ニアネットシェイプのチタンアルミナイドタービンブレードがある。1実施形態では、本発明は、ここで教示した含チタン物品鋳造用鋳型組成物から形成する鋳型に関する。本発明の別の態様は上述の鋳型で形成した物品に関する。
本発明のさらに他の態様は、カルシウムアルミネート及び酸化アルミニウムを含有するインベストメント鋳造用鋳型組成物を得、インベストメント鋳造用鋳型組成物を消失模型を含む容器に流し込み、インベストメント鋳造用鋳型組成物を硬化し、鋳型から消失模型を除去し、鋳型を焼成し、鋳型を鋳型鋳造温度に予熱し、溶融チタン又はチタン合金を予熱した鋳型に流し込み、溶融チタン又はチタン合金を凝固して鋳物を形成し、凝固チタン又はチタン合金鋳物を鋳型から取り出す工程を含む鋳造方法で製造したチタン又はチタン合金鋳物である。1実施形態では、本発明は本明細書で教示した鋳造方法によって製造したチタン又はチタン合金物品に関する。
表面粗さは、鋳物及び機械加工部品の表面完全性を表す重要な指標の1つである。表面粗さの特性は、光学的プロフィロメトリーにより測定した指定領域での中心線平均粗さ値「Ra」及び平均山頂谷底間距離「Rz」で表す。粗さ値は、プロファイル(断面)又は表面に基づいて計算することができる。プロファイル粗さパラメータは(Ra、Rqなど)がより一般的である。各粗さパラメータは、表面を表す式を用いて計算する。多種多様の粗さパラメータが用いられているが、Raが最も一般的である。当業界で既知であるように、表面粗さは工具摩耗と相関している。典型的に、研削及びホーニングによる表面仕上げ加工は、0.1mm〜1.6mmの範囲のRaをもつ表面を与える。最終の皮膜の表面粗さRa値は、皮膜又は被覆物品の所望の機能に依存する。
平均粗さRaは高さの単位で表す。英単位系では、1Raは典型的に、1インチの「100万分の1」で表す。これは「マイクロインチ」ともいう。ここで示すRa値はマイクロインチでのものをいう。Ra値70は約2μmに相当し、Ra値35は約1μmに相当する。高性能物品、例えばタービンブレード、タービンベーン/ノズル、ターボチャージャー、レシプロエンジンベーン、ピストンなどの表面は、約20以下のRaをもつことが必要である。本発明の1態様は、チタン又はチタン合金からなり、その表面積の少なくとも一部の端から端までの平均粗さRaが20未満である、タービンブレードである。
溶融金属は、高温に加熱されるほど反応性がより一層高くなる(例えば、鋳型表面との望ましくない反応を起こす)傾向がある。このような反応は、金属部品を汚染する不純物の形成を引き起こし、種々の有害な結果をもたらす。不純物の存在は、金属の組成物を変えて望ましい基準を満たすことができないようにし、その結果、鋳造部品を対象とする用途に使用不可能にする。さらに、不純物の存在は、金属材料の機械的特性に悪影響を与える(例えば、材料の強度を低下する)おそれがある。
その上、このような反応は、鋳造部品の表面に実質的に望ましくない粗さをもたらす表面組織化につながるおそれがある。例えば、表面粗さを特徴づける当業界で既知の表面粗さ値Raを用いると、ステンレス鋼合金及び/又はチタン合金を用いた鋳造部品は典型的に、良好な作業環境下で約100〜200のRa値を示す。これらの悪影響により低温を用いた鋳型の充填を余儀なくされる。しかし、溶融金属が十分に加熱されない場合、鋳造材料の冷却が急速すぎて鋳造用鋳型の充填は不完全となるおそれがある。
本発明の1態様は、カルシウムアルミネートを含有する、含チタン物品を鋳造する鋳型組成物に関する。鋳型組成物はさらに、中空アルミナ粒子を含有する。物品には金属物品がある。1実施形態では、物品には含チタンアルミナイド物品がある。別の実施形態では、物品には、チタンアルミナイドタービンブレードがある。さらに他の実施形態では、物品には、ニアネットシェイプのチタンアルミナイドタービンブレードがある。このニアネットシェイプのチタンアルミナイドタービンブレードは、取り付け前にほとんど又は全く材料の除去を必要としない。
本発明について概要を説明してきたが、以下の実施例を参照にすることによって一層容易に理解することができるであろう。実施例は本発明の態様及び実施形態を示すものにすぎず、いかなる意味でも本発明を限定するためのものではない。
図1a及び1bは高温焼成後の鋳型微細組織の1例を示す。1000℃で焼成した鋳型の断面の走査型電子顕微鏡像(後方散乱電子像)を示す。図1aはアルミナ粒子210の存在、鋳型フェースコート212、鋳型のバルク214及び鋳型の鋳型穴に開口している内部表面216を示す。図1bはカルシウムアルミネートセメント220を示す。微細スケールのカルシウムアルミネートセメント220は、鋳型の骨格構造を形成する。1例では、カルシウムアルミネートセメントはカルシウムモノアルミネート及びカルシウムジアルミネートを含有する。
図2a及び図2bは、高温焼成後の鋳型微細組織の1例を示す。1000℃で焼成した鋳型の断面の走査型電子顕微鏡像(後方散乱電子像)を示す。図2aは、フェースコート微細組織の一部としてカルシウムアルミネートセメント310の存在を示す。図2bは、アルミナ粒子320を示し、鋳型の内部表面/鋳型穴322並びに固有フェースコート領域324を示す。
図3及び4は、アルミナ510(図3)及び610(図4)及びカルシウムモノアルミネート520(図3)及び620(図4)を示す、高温焼成後の鋳型微細組織の2つの例を示し、1例では、鋳型を焼成してマイエナイト含量をできるだけ少なくする。
[インベストメント鋳型組成物及び処方]
カルシウムアルミネートセメントをアルミナと混合してインベストメント鋳型混合物を形成させ、インベストメント鋳型化学の範囲を試験した。1例では、インベストメント混合物は、70%のアルミナ及び30%のカルシアを含有するカルシウムアルミネートセメント、アルミナ粒子、水及びコロイドシリカから構成された。
図5aに示すように、本方法では、カルシウムアルミネートを液体と混合してこの液体でのカルシウムアルミネートのスラリーを形成する(工程705)。最初のカルシウムアルミネート/液体混合物の固形物の割合は約70%〜約80%であり、スラリーの粘度は約50〜約150センチポアズである。1実施形態では、酸化物粒子をスラリーに添加し(工程707)、大スケール(50μm超え)の酸化物粒子を含有する最終のカルシウムアルミネート/液体混合物の固形物が約75%〜約90%となるようにする。カルシウムアルミネートスラリーを消失模型を含む鋳型穴に導入する(工程710)。スラリーを鋳型穴中で硬化させてチタン又は含チタン物品の鋳型を形成する(工程715)。
図5bに示す別の例では、カルシウムアルミネート及び酸化アルミニウムを含有するインベストメント鋳造用鋳型組成物を得る(工程725)。1例ではカルシウムアルミネートを液体と混合してカルシウムアルミネートのスラリーを形成し、大スケールアルミナを含有する最終のカルシウムアルミネート/液体混合物の固形物は約75%〜約90%である。インベストメント鋳造用鋳型組成物を消失模型を含む容器に流し入れる(工程730)。鋳造用鋳型組成物を硬化させることによりインベストメント鋳造用鋳型を形成する(工程735)。消失模型を鋳型から除去し(工程740)、鋳型を焼成する。鋳型を鋳型鋳造温度に余熱し(工程745)、溶融チタン又はチタン合金を余熱した鋳型に流し入れる(工程750)。溶融チタン又はチタン合金を凝固し、凝固チタン又はチタン合金鋳物を形成する(工程755)。最後に、凝固チタン又はチタン合金鋳物を鋳型から取り出す(工程760)。
実施例1
インベストメント鋳型を製造する典型的なセメントスラリー混合物は、3000グラム(g)のカルシウムアルミネートセメント(約10重量%のマイエナイト、約70重量%のカルシウムモノアルミネート及び約20重量%のカルシウムジアルミネートを含有する)、1500gの、10μm未満の粒径をもつか焼アルミナ粒子、2450gの、0.5mm〜1.0mmの粒径範囲をもつ高純度アルミナ粒子、1650gの脱イオン水及び150gのコロイドシリカで構成された。最終の鋳型混合物の固形物配合量は80%であり、固形物配合量は、混合物中の総固形物を混合物中の液体と固形物の総質量を基準にして正規化し、%で示したものと定義される。
大スケールアルミナ粒子以外のすべての成分を含有する最初のセメントスラリー混合物の固形物配合量は72%である。鋳型は、約100μmの厚さをもつ固有フェースコートを形成した。この処方では、直径約120mm及び長さ400mmである鋳型を製造した。鋳型処方は、焼成時の鋳型のフェースコート及び鋳型のバルク両方の線収縮が1%未満であるように設計された。製造した鋳型の密度は、2グラム/立方センチメートル(g/cc)未満であった。
典型的な高純度か焼アルミナ粒子の種類には、溶融、タビュラー(tabular)及び微粒子状(levigated)のアルミナがある。典型的な適当なコロイドシリカには、Remet LP30、Remet SP30、Nalco1030、Ludoxがある。製造した鋳型を用いて良好な表面仕上げをもつ、タービンブレードなどの含チタンアルミナイド物品を鋳造した。粗さ(Ra)値は100マイクロインチ未満であり、酸素含量は2000ppm未満であった。この処方では、直径約120mm及び長さ400mmである鋳型を製造した。この処方では、2g/cc未満の密度をもつ鋳型が製造された。
鋳型はカルシウムアルミネート相からなる固有フェースコートを有し、フェースコートの厚さは約100μmであった。このように製造した鋳型を用いて良好な表面仕上げをもつチタンアルミナイドタービンブレードを鋳造するのに成功し、具体的にはRaは100未満であり、酸素含量は2000ppm未満であった。この処方では、2g/cc未満の密度をもつ鋳型が製造された。
鋳型混合物は、カルシウムアルミネートセメント、水及びコロイドシリカを混合容器中で混合することにより製造した。高剪断混合を用いた。セメントが、完全に混合されない場合、ゲル化し、流動性が低下するので、鋳型混合物は、消失模型を均一に覆わず、固有フェースコートを形成しない。セメントが混合物中で完全な浮遊状態になったら、アルミナ粒子を添加する。セメントが混合物中で完全な浮遊状態になったら、微細スケールのアルミナ粒子を添加した。微細スケールアルミナ粒子が完全にセメントと混合したら、大粒径(例えば、0.5〜1.0mm)のアルミナ粒子を添加し、セメント−アルミナ処方と混合した。最終の混合物の粘度は、高品質の連続した固有フェースコートを形成するための別の因子であり、粘度は低すぎても高すぎてもいけない。本発明の他の主な因子にはセメント混合物の固形物配合量及び水の量がある。さらに、鋳型製造プロセス工程時、所定の時点で促進剤及び遅延剤を用いることができる。
混合後、インベストメント混合物を消失ろう模型を含む容器に制御した方法で流し入れた。容器は鋳型の外側幾何形状を与え、消失模型は内側幾何形状を形成する。適切な流し込み速度がさらなる特徴であり、速すぎると空気が鋳型に閉じ込められ、遅すぎるとセメント及びアルミナ粒子の分離が起こるおそれがある。適当な流し込み速度は約1〜約20L/minの範囲である。1実施形態では、流し込み速度は約2〜約6L/minである。特定の実施形態では、流し込み速度は約4L/minである。
実施例2
インベストメント鋳型を製造するためのスラリー混合物は、3000gのカルシウムアルミネートセメント(約10重量%のマイエナイト、約70重量%のカルシウムモノアルミネート及び約20重量%のカルシウムジアルミネートからなる)、1500gの、10μm未満の粒径をもつか焼アルミナ粒子、2650gの、0.5〜1mmの粒径範囲をもつ高純度アルミナ中空粒子、1650gの脱イオン水及び150gのコロイドシリカで構成された。実施例1で説明したように、混合後、インベストメント混合物を消失ろう模型を含む容器に制御した方法で流し入れた。大スケールアルミナ粒子以外のすべての成分を含有する最初のセメントスラリー混合物の固形物配合量は72%である。最終の鋳型混合物の固形物配合量は80.3%であり、これは実施例1の相当する値に比べてわずかに多い。カルシウムアルミネートセメントの重量分率は42%であり、アルミナの重量分率は58%である。この処方では、直径約120mm及び長さ400mmである鋳型を製造した。
その後、固有フェースコートを有する鋳型を高温で硬化及び焼成した。このように製造した固有フェースコートを有する鋳型を用いて良好な表面仕上げをもつチタンアルミナイドタービンブレードを鋳造するのに成功し、具体的にはRaは100未満であり、酸素含量は2000ppm未満であった。この処方では、1.8g/cc未満の密度をもつ鋳型が製造された。鋳型はカルシウムアルミネート相を含有する固有フェースコートを有した。鋳型は、約100μmの厚さをもつ固有フェースコートを形成した。鋳型処方は、焼成時の鋳型のフェースコート及び鋳型のバルク両方の線収縮が1%未満であるように設計された。混合物中に取り入れた軽量溶融アルミナ中空粒子は低い熱伝導度を実現する。
アルミナ中空粒子は低い密度及び低い熱伝導度(熱伝導度を図6のグラフに示す)をもつ鋳型を実現する。鋳型中に35重量%の中空アルミナ粒子が存在する。この処方では、直径約120mm及び長さ400mmである鋳型を製造した。その後、鋳型を高温で硬化及び焼成した。製造した鋳型を用いて良好な表面仕上げをもつ、タービンブレードなどの含チタンアルミナイド物品を鋳造した。粗さ(Ra)値は100未満であり、酸素含量は2000ppm未満であった。この処方では、1.8g/cc未満の密度をもつ鋳型が製造された。図6に室温〜1000℃の温度の関数として、鋳型のバルクの熱伝導度をアルミナと比較する。鋳型のバルクの熱伝導度は、すべての温度でアルミナより著しく低い。熱伝導度は熱線白金抵抗温度計法(ASTM試験C−1113)を用いて測定した。
実施例3
インベストメント鋳型を製造するためのスラリー混合物は、600gのカルシウムアルミネートセメント(約10重量%のマイエナイト、約70重量%のカルシウムモノアルミネート及び約20重量%のカルシウムジアルミネートからなる)、300gの、10μm未満の粒径をもつか焼アルミナ粒子、490gの、0.5〜1mmの粒径範囲をもつ高純度アルミナ中空粒子、305gの脱イオン水及び31gのコロイドシリカRemet LP30で構成された。実施例1で説明したように、混合後、インベストメント混合物を消失ろう模型を含む容器に制御した方法で流し入れた。この処方では、直径約120mm及び長さ150mmである、小さい部品用の小さい鋳型を製造した。その後、鋳型を高温で硬化及び焼成した。このように製造した鋳型を用いて良好な表面仕上げをもつチタンアルミナイドタービンブレードを鋳造するのに成功し、具体的にはRaは100未満であり、酸素含量は1600ppm未満であった。
大スケールアルミナ粒子以外のすべての成分を含有する最初のセメントスラリー混合物の固形物配合量は65%である。この固形物配合量は、鋳型中にフェースコートを形成することができるセメントスラリーを製造する理想範囲より少ない。最終の鋳型混合物の固形物配合量は77%であり、これは鋳型を製造するための好ましい範囲よりわずかに少ない。
実施例4
インベストメント鋳型を製造するためのスラリー混合物は、2708gのカルシウムアルミネートセメント(約10重量%のマイエナイト、約70重量%のカルシウムモノアルミネート及び約20重量%のカルシウムジアルミネートからなる)、1472gの、0.5〜1mmの粒径範囲をもつ高純度アルミナ中空粒子、1061gの脱イオン水及び96gのコロイドシリカRemet LP30で構成された。実施例1で説明したように、混合後、インベストメント鋳型混合物を消失ろう模型を含む容器に制御した方法で流し入れた。大スケールアルミナ粒子以外のすべての成分を含有する最初のセメントスラリー混合物の固形物配合量は70%である。最終の鋳型混合物の固形物配合量は79%であり、これは実施例1の相当する値よりわずかに少ない。鋳型は、約100μmの厚さをもつ固有フェースコートを形成した。この処方では、小さい部品用の低アルミナ含量の小さい鋳型を製造した。その後、鋳型を高温で硬化及び焼成した。製造した鋳型を用いてタービンブレードなどの含チタンアルミナイド物品を鋳造した。
実施例5
インベストメント鋳型を製造するためのスラリー混合物は、1500gの、商業的にブレンドされた80%カルシウムアルミネートセメントCA25C(Almatis社製)で構成された。製品CA25Cは名目上、70%カルシウムアルミネートセメントをアルミナとブレンドして組成物を80%アルミナに調節したもので構成される。最初の固形物配合量が73.5%であるセメントスラリーを460gの脱イオン水及び100gのコロイドシリカを用いて製造した。スラリーを妥当な粘度まで混合したら、550gの、0.5mm超え〜0.85mm未満の粒径範囲をもつアルミナ中空粒子をスラリーに添加した。Washington Mills社の製品である商品名Duralum ABを用いた。実施例1で説明したように、混合後、インベストメント鋳型混合物を消失ろう模型を含む容器に制御した方法で流し入れた。最終の鋳型混合物の固形物配合量は79.1%であった。これは好ましい範囲の下限である。鋳型混合物を直径4インチ及び長さ6インチの鋳型を製造する器具に流し入れた。
鋳型が固有フェースコートを形成したが、鋳型のバルクの組成物、特にフェースコートの組成物は過剰な量のシリカを含有した。鋳型中のバルク組成物のシリカは1.4重量%であった。反応混合物中の高濃度のコロイドシリカは、最終焼成鋳型中に、残留結晶シリカ及びアルミノケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸塩などのケイ酸塩をもたらすおそれがある。鋳型及び特にフェースコートの高いシリカ含量は、この鋳型処方に2つの限界を生じる。第1に、焼成時に収縮が起こることがあり、これが、フェースコートの割れ、部品の寸法制御などの問題を引き起こす。第2に、鋳造の際、鋳型を充填するとき、フェースコート中の高いシリカ含量は、溶融チタン及びチタンアルミナイド合金との反応を引き起こすおそれがあり、この反応は許容できない鋳物品質をもたらす。
実施例6
1500gのカルシウムアルミネートセメントCA25C、510gの水及び50gのコロイドシリカRemet LP30からなるスラリー混合物を用いて直径4インチ及び長さ6インチの鋳型を以下のように製造した。この混合物処方は、上記の実施例の処方よりコロイドシリカ濃度が低い。鋳型中のバルク組成物のシリカは0.7重量%であった。商業的にブレンドされた80%カルシウムアルミネートセメントCA25Cを用いた。最初の固形物配合量が73.0%であるセメントスラリーを製造した。この時点で、550gの、0.5mm超え〜0.85mm未満の粒径範囲をもつアルミナ中空粒子Duralum ABをスラリーに添加した。最終の鋳型混合物の固形物配合量は80.2%である。実施例1で説明したように、混合後、インベストメント混合物を消失ろう模型を含む容器に制御した方法で流し入れた。鋳型中のバルク組成物のシリカは0.7重量%であった。鋳型は、上記の実施例に比べシリカ含量の低い固有フェースコートを形成した。鋳型、特に、固有フェースコートのシリカ含量を低くすることで、チタン及びチタンアルミナイド合金を鋳造するのに好ましい鋳型を実現する。
実施例7
4512gのカルシウムアルミネートセメントCA25C、1534gの水及び151gのコロイドシリカLP30からなるスラリー混合物を用いて直径100mm及び長さ400mmの鋳型を以下のように製造した。最初の固形物配合量が73.0%であるセメントスラリーを製造した。商業的にブレンドされた80%カルシウムアルミネートセメントCA25Cを用いた。この時点で、2452gの、0.5mm超え〜0.85mm未満の粒径範囲をもつアルミナ中空粒子Duralum ABをスラリーに添加した。実施例1で説明したように、混合後、インベストメント鋳型混合物を消失ろう模型を含む容器に制御した方法で流し入れた。最終の鋳型混合物の固形物配合量は81%である。鋳型は、鋳型のバルク及び鋳型のフェースコートの両方で鋳型の長さ16インチの端から端まで均一な組成物を有した。鋳型中のバルク組成物のシリカは0.6重量%であった。鋳型は、シリカ含量の低い固有フェースコートを形成した。鋳型、特に、固有フェースコートのシリカ含量を低くすることで、チタン及びチタンアルミナイド合金を鋳造するのに好ましい鋳型を実現する。鋳型中のアルミナ中空粒子は35重量%であった。鋳型は厚さ約100μmをもつ固有フェースコートを形成した。焼成時の鋳型の線収縮は1%未満であった。
実施例8
765gの市販カルシウムアルミネートセメントRescor780及びコロイドシリカRemet LP30からなるスラリー混合物を用いて直径100mm及び長さ150mmの鋳型を以下のように製造した。Rescor780はCotronics社製である。最初のセメントスラリーをLP30と混合したところ、最初の固形物配合量は76%であった。最初のスラリーを適当な粘度まで混合したら、1122gのZiralcast95を添加した。最終の鋳型混合物の固形物配合量は81%であった。実施例1で説明したように、混合後、インベストメント混合物を消失ろう模型を含む容器に制御した方法で流し入れた。アルミナキャスタブル耐火物Ziralcast95はZircar Ceramics社製である。Ziralcast95は、溶融アルミナ中空粒子と混合された高純度アルミナセメントである。Ziralcast95は約44重量%のアルミナ中空粒子及び56重量%のアルミナセメントを含有し、アルミナ中空粒子径は上記の実施例で使用されたものより大きく、典型的に1mm超えである。
このように製造したこの鋳型処方物は、いくつかの魅力的な特質があるがいくつかの限界もあった。第1に、鋳型中の固有フェースコートは所望より薄く、これは、流し込み前の最終の混合物の高い固形物配合量に起因する。第2に、鋳型混合物中に過剰のコロイドシリカがあり、これにより、過剰なシリカをもたらし、焼成後の鋳型のバルク及び最終の鋳型のフェースコート中にアルミノケイ酸カルシウムなどのケイ酸塩を生じた。鋳型及びフェースコートの高いシリカ及びケイ酸塩の含量は特に、この鋳型処方物に2つの限界を生じる。第1に、焼成時に収縮が起こることがあり、これが、フェースコートの割れ、部品の寸法制御などの問題を引き起こす。第2に、鋳造の際、鋳型を充填するとき、フェースコート中の高いシリカ含量は、溶融チタンアルミナイド合金との反応を引き起こすおそれがあり、この反応は許容できない鋳物品質をもたらす。最後に、アルミナ中空粒子径が大きすぎ、これが形成する混合物の流動性を低減させた。流動性が低いと薄い固有フェースコートをもたらし、形成する鋳型は低品質の鋳物を製造する。
実施例9
2708gのカルシウムアルミネートセメントSecar80、820gの脱イオン水及び80gのコロイドシリカLP30を用いてスラリー混合物を製造した。セメントSecar80はアルミナ含量が約80%の市販の水硬性セメントである。Secar80は、Kerneos社製であり、以前はLaFargeとして知られていた。カルシウムアルミネートセメントクリンカーは固相反応で製造される。その後、焼結クリンカーを高い表面積アルミナとブレンドして高温強度に寄与できる水硬性セメントを形成する。Secar80の主要な鉱物学的な相は、カルシウムアルミネート(CaAl24)、カルシウムジアルミネート(CaAl47)及びアルミナ(Al23)である。
実施例10
4500gのカルシウムアルミネートセメントCA25C及び1469gの脱イオン水からなるスラリー混合物を用いて直径約100mm及び長さ約400mmの鋳型を以下のように製造した。最初の固形物配合量が75.3%であるセメントスラリーを製造した。商業的にブレンドされた80%のカルシウムアルミネートセメントCA25Cを用いた。この時点で、2445gの、0.5mm超え〜0.85mm未満の粒径範囲をもつアルミナ中空粒子Duralum ABをスラリーに添加した。実施例1で説明したように、混合後、インベストメント鋳型混合物を消失ろう模型を含む容器に制御した方法で流し入れた。最終の鋳型混合物の固形物配合量は81%である。鋳型は、鋳型のバルク及び鋳型のフェースコートの両方で鋳型の長さ16インチの端から端まで均一な組成物を有した。鋳型中のアルミナ中空粒子は35重量%であった。焼成時の鋳型の線収縮は1%未満であった。鋳型は鋳造に適していた。
2708gのSecar80を含有し、最初の固形物配合量が73.0%のセメントスラリーを製造した。このセメントで、好ましい固有フェースコートを有する鋳型が製造されるスラリーを形成することはできなかった。インベストメント鋳型混合物の可使時間が短すぎる場合、複雑な形状の部品の大きな鋳型を製造するのに時間が不十分である。
インベストメント鋳型混合物の可使時間が長すぎ、カルシウムアルミネートセメントが十分に速く硬化しない場合、微細スケールセメントと大スケールアルミナの分離が起こり、これは偏析した鋳型をもたらし、鋳型中で処方物がばらつき、得られる鋳型特性が均一ではない。
コロイドシリカは、カルシウムアルミネート相と水との反応の速度に影響を与えることがあり、硬化時の鋳型強度に影響を与えるおそれもある。カルシウムアルミネート相と水との反応のこの速度は、鋳型製造時のインベストメント鋳型混合物の可使時間を支配する。この時間は約30秒〜約10分間であった。インベストメント鋳型混合物の可使時間が短すぎる場合、複雑な形状の部品の大きな鋳型を製造するのに時間が不十分であり、連続した固有フェースコートは形成しない。インベストメント鋳型混合物の可使時間が長すぎ、カルシウムアルミネートセメントが十分に速く硬化しない場合、微細スケールセメントと大スケールアルミナの分離が起こり、これは偏析した鋳型をもたらし、鋳型中で処方物がばらつき、得られる鋳型特性が均一ではなく、具体的には、それは、連続でなかったり、成分や特性にばらつきがあったりするフェースコートを望ましくない位置に有することにもつながる。
本発明の特徴は、鋳型の連続したフェースコートを製造し、鋳型のバルクのためのバインダーを提供するセメント中の成分相である。カルシウムアルミネートセメントの3つの相は、カルシウムモノアルミネート(CaAl24)、カルシウムジアルミネート(CaAl47)及びマイエナイト(Ca12Al1433)で構成され、発明者がいくつかの目的を達成するのにこの選択をした。第1に、相は、溶解又は部分的に溶解し、その後インベストメント鋳型製造用スラリー中に凝集相をすべて保持できる懸濁液を形成する必要がある。第2に、相は、流し込み後の鋳型の硬化を促進する必要がある。第3に、相は、鋳造時及び鋳造後に鋳型に強度を与える必要がある。第4に、相は鋳型で鋳造するチタン合金との反応をできるだけ少なくする必要がある。第5に、鋳型は、凝固後冷却時に発生する、部品への熱応力をできるだけ少なくするのにチタン合金鋳物との熱膨張の整合性が適当である必要がある。
鋳型中及び鋳型のフェースコート中のカルシウムアルミネートセメント/バインダーの3つの相は、カルシウムモノアルミネート(CaAl24)、カルシウムジアルミネート(CaAl47)及びマイエナイト(Ca12Al1433)である。マイエナイトを鋳型に取り入れるのは、マイエナイトは、迅速に硬化するカルシウムアルミネートであり、硬化の初期段階に鋳型のフェースコート及びバルクに強度を与えるからである。消失ろう模型は、温度の影響を受けやすく、約35℃超えの熱曝露で形状及び特性を失うので、硬化は低温で行わなければならない。30℃未満の温度で鋳型を硬化することが好ましい。
上記の説明は、例示するためのものであり、制限するためのものではない。例えば、上記の実施形態(及び/又はその態様)は互いに組合せて用いることができる。さらに、本発明の要旨から逸脱することなく、個別の状況や材料を種々の実施形態に適合させる多くの変更が可能である。ここで示した材料の寸法や種類は、種々の実施形態のパラメータを定義するためのものであるが、それらは、決して制限するものではなく、単に例である。多くの他の実施形態は上記の説明を読むことで当業者に明らかになるであろう。したがって、種々の実施形態の技術範囲は、特許請求の範囲及びこのような特許請求の範囲が認めた均等物の技術範囲のすべてに準じて決定される。特許請求の範囲では、用語「第1」、「第2」、「第3」などは、単に分類するために用い、対象物に数的な要求があるわけでない。さらに、特許請求の範囲の制限は、「の手段」という言い回しをはっきりと用いて、その後にさらなる構造がない機能の記載がくるのでなければ、手段及び機能の形式で記載されていなく、米国特許法(35U.S.C.)第112条第6項に基づいて解釈されるものではない。なお、上記のこのような目的又は効果のすべては特定の実施形態にしたがって達成される必要はない。したがって、例えば、上記のシステム及び方法は、ここで教示した1つの効果又は効果の集まりを達成又は最適化する方法で具体化又は実施することができ、必ずしもここで教示又は示唆される他の目的又は効果を達成する必要はないことは当業者には明らかである。
以上、本発明をいくつかの実施形態についてのみ詳細に説明したが、本発明は、開示した実施形態に限定されるものではないことは明らかである。むしろ、本発明を変更して、本発明の要旨及び技術的範囲に相当するがこれまで説明しなかった変種、改変、置換又は均等物の組合せをいくつでも取り入れることができる。さらに、本発明の種々の実施形態を説明したが、本発明の態様は上記の実施形態の一部のみを含むものでもよい。したがって、本発明は前述の説明によって制限を受けるものではなく、特許請求の範囲のみによって制限を受けるものである。
明細書では、具体例を挙げて、最良の形態を含む本発明を開示するとともに、装置又はシステムの製造及び使用、必要な方法の実行を含めて当業者が本発明を実施できるようにしている。本発明の要旨は、特許請求の範囲に規定された通りで、当業者が想起できる他の例を含むことができる。このような他の例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有するか、特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない均等な構造要素を含むならば、特許請求の範囲に含まれる。
210 アルミナ粒子
212 鋳型フェースコート
214 鋳型のバルク
216 鋳型の内部表面
220 カルシウムアルミネートセメント
310 カルシウムアルミネートセメント
320 アルミナ粒子
322 鋳型の内部表面/鋳型穴
324 固有フェースコート領域
510 アルミナ
520 カルシウムモノアルミネート
610 アルミナ
620 カルシウムモノアルミネート

Claims (15)

  1. 含チタン物品の鋳造用の鋳型であって、カルシウムモノアルミネート、カルシウムジアルミネート及びマイエナイトを含むカルシウムアルミネートセメントを含んでおり、鋳型が鋳型のバルクと鋳型キャビティとの間に10μm〜250μmの固有フェースコートを有しており、固有フェースコート中のカルシウムモノアルミネートの重量分率が0.1以上である、鋳型。
  2. フェースコートが連続した固有フェースコートである、請求項1記載の鋳型。
  3. 鋳型が鋳型のバルク及び固有フェースコートを有し、鋳型のバルクと固有フェースコートとが異なる組成を有していて、固有フェースコートが粒径50μm未満のカルシウムアルミネートを含有する、請求項1又は請求項2記載の鋳型。
  4. 鋳型が鋳型のバルク及び固有フェースコートを有し、鋳型のバルクと固有フェースコートとが異なる組成を有していて、鋳型のバルクが50μm超のアルミナ粒子を含有する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の鋳型。
  5. 固有フェースコートが、鋳型のバルクよりも重量分率で20%以上多いカルシウムモノアルミネートを含有する、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の鋳型。
  6. 固有フェースコートが、鋳型のバルクよりも重量分率で20%以上少ないアルミナを含有する、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の鋳型。
  7. 固有フェースコートが、鋳型のバルクよりも重量分率で20%以上多いカルシウムアルミネート、20%以上少ないアルミナ、50%以上少ないマイエナイトを含有する、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の鋳型。
  8. 固有フェースコート中のカルシウムモノアルミネートの重量分率が0.60超、マイエナイトの重量分率が0.10未満である、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の鋳型。
  9. 鋳型のバルク中のカルシウムモノアルミネートが重量分率0.05〜0.95を有し、固有フェースコート中のカルシウムモノアルミネートが0.10〜0.90である、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の鋳型。
  10. 鋳型のバルク中のカルシウムジアルミネートが重量分率0.05〜0.80を有し、固有フェースコート中のカルシウムジアルミネートが0.05〜0.90である、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の鋳型。
  11. 鋳型組成物のバルク中のマイエナイトが重量分率0.01〜0.30を有し、固有フェースコート中のマイエナイトが0.001〜0.05である、請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の鋳型。
  12. さらに、鋳型のバルク中に外形寸法が500μm未満の酸化アルミニウム粒子を含有する、請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の鋳型。
  13. さらに、酸化アルミニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、酸化カルシウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化チタン粒子、酸化ケイ素粒子又はこれらの組成物を含有する、請求項1乃至請求項12のいずれか1項記載の鋳型。
  14. さらに、酸化アルミニウムの中空粒子を含有する、請求項1乃至請求項13のいずれか1項記載の鋳型。
  15. 請求項1乃至請求項14のいずれか1項記載の鋳型の製造方法であって、
    カルシウムアルミネートを液体と混合してカルシウムアルミネートのスラリーを形成し、最初のカルシウムアルミネート/液体混合物中の固形分の割合が70%〜80%であり、スラリーの粘度が50〜150センチポアズであり、
    酸化物粒子をスラリーに添加して大スケールの酸化物粒子を含有する最終のカルシウムアルミネート/液体混合物中の固形分が75%〜90%になるようにし、
    スラリーを消失模型を含む鋳型キャビティに導入し、
    スラリーを鋳型キャビティ中で硬化させて含チタン物品用の鋳型を形成する
    工程を含む方法。
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