JP4287991B2 - TiAl基合金及びその製造方法並びにそれを用いた動翼 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、TiAl基合金及びその製造方法並びにそれを用いた動翼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、過給機やタービン等の動翼や航空機に用いる材料として、軽量(比重約4)で耐熱性に優れるTiAl基合金が注目されている。特に、大型の回転動翼の場合、動翼の構成部材が軽量であるほど遠心応力が少なくなるので、最高到達回転数の向上や動翼の大面積化、さらには動翼のディスク部分への負荷応力の低減を図ることができる。
【0003】
このTiAl基合金は、高温強度に優れた金属間化合物であるTiAlやTi3 Alを主体とする合金であり、上述の如く耐熱性に優れているが、室温での延性に劣るという問題があり、従来からその対策として組織の制御や第3元素の添加が種々行われている。例えば、特開平6−49565号公報には、TiAl基合金の常温延性を向上させるため第3元素としてCrやVを添加し、さらに強度の向上を図るため、TiAl相とTi3 Al相を交互に積層して成る層状組織(ラメラー相)領域を金属組織中に形成させる技術が開示されている。又、Kim は、平均粒径30〜3000μmのラメラー粒を有するTiAl合金において、ラメラー粒の平均粒径が大きくなるほど、室温での延性と引張応力が低下することを報告している (Young-Won Kim.Intermetallics. (6) 1998 pp.623-628.)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術の場合、室温での延性向上の点ではなお不充分なものがあった。特に、産業用のエンジン等に用いる動翼では、運転時に該動翼にスラッジ等の異物が衝突したり、動翼の製造時においてディスクの外周に翼をハンマーで植え付ける際の衝撃で翼が破壊することがあるので、TiAl基合金の衝撃特性を向上させることが必要になってくる。ところが、上記従来技術では、かかる衝撃特性を向上させることは困難であった。
【0005】
又、従来、TiAl基合金は鋳造によって製造されることが多いが、鋳造組織は一般に粗大であり、材料の衝撃特性がさらに低下する傾向にあった。そして、鋳造の場合、自動車部品等の小型部品の製造は比較的容易であるが、鋳型への湯流れの問題から、大型部品の製造が困難であった。一方、TiAl基合金の鍛造方法として恒温鍛造も一般に用いられている。ここで、ラメラー組織を発達させるためにはα相が存在する領域を経る必要があるが、恒温鍛造では装置の問題から1150℃以上の高温で加工することができないために、鍛造材中に機械的特性向上に必要なラメラー組織が発達しないという問題がある。又、大型部品の製造も困難である。
【0006】
本発明者らは、上記ラメラー粒を金属組織中に形成させることがTiAl基合金の強度を向上させるには必須であると考え、この前提のもと、ラメラー粒の平均粒径を種々に変化させたところ、所定の平均粒径において室温での延性、特に衝撃特性が大幅に改善されるという知見を得、本発明の完成に至ったものである。
【0007】
又、本発明は、ラメラー粒の平均粒径を小さくする方法として、TiAl基合金素材をα相の平衡温度領域又は(α+β)相の平衡温度領域に保持した後に、その後の冷却過程で高速塑性加工することを着想し、さらにそのための具体的な方法を見出したものである。
【0008】
つまり、本発明は、TiAl基合金における上記した問題を解決し、強度に優れるとともに室温での延性、特に室温での衝撃特性を向上させた、加工性に優れたTiAl基合金及びその製造方法の提供を目的とする。
さらに本発明は、衝撃特性を向上させたTiAl基合金からなる動翼を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のTiAl基合金はα2 相とγ相が交互に積層された平均粒径1〜50μmのラメラー粒が密に配列してなる微細組織を有することを特徴とする。さらに詳しくは、その一つの組織形態(以下、組織1と言う)として、α2 相とγ相が交互に積層された平均粒径1〜50μmのラメラー粒が密に配列している組織、ならびにもう一つの組織形態(以下、組織2と言う)として、該ラメラー粒の間隙をβ相を主体とする基地が網目状に埋め、この基地の比率が10%以上、40%以下である組織の2種類の微細組織を特徴とする。
このような金属組織とすることにより、金属組織中に形成されたラメラー粒自体により強度が向上するとともに、粒径の小さいラメラー粒が密集して微細に分散しているので、室温延性、特に耐衝撃性が向上する。他の特性として、組織1では高温強度が高くなるので、ガスタービンの動翼等として利用できる。また、組織2では、ラメラー粒間のβ相の効果によって高温変形能が向上し、塑性加工は容易となるが、クリープ強度はやや低下する。従って、使用温度上限が低い蒸気タービン等の動翼として利用できる。
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明のTiAl基合金の一つは、Al:42〜48原子%、Cr及びVから選ばれる1種以上:5〜10原子%、残部:Ti及び不可避不純物からなる組成のTiAl基合金とすることができる。この組成のTiAl基合金は、高温で広いα相又は(α+β)相の平衡領域を有し、後述の本発明の製造方法によれば、高速塑性加工がし易く、ラメラー粒が密集して配列する微細組織になるため、室温延性、特に衝撃特性に優れたTiAl基合金が得られる。なお、α域で保持することで組織1が、また、(α+β)域で保持することで組織2が得られる。
【0011】
本発明のTiAl基合金の他の一つは、Al:38〜43原子%、Mn:4〜10原子%、残部:Ti及び不可避不純物からなる組成のTiAl基合金とすることもできる。この組成のTiAl基合金においても、高温のα相又は(α+β)の平衡領域が存在し、同様にα域で保持することで組織1が、また(α+β)域で保持することで組織2が得られる。この組織では組織1、組織2とも上記のTiAl基合金よりも硬さは低くなるため、機械加工性及び耐衝撃性は向上する。ただし、高温強度は若干低下する。従って、組織1、組織2とも上記のTiAl基合金よりもやや低温で使用される用途に適している。
【0012】
本発明のTiAl基合金のさらに他の一つは、上記2種類のTiAl基合金において、さらにC,Si,Ni,W,Nb,B,Hf,Ta,Zrの群から選ばれる1種以上の元素を合計で0.1〜3原子%含有したTiAl基合金である。これらの元素を少量添加することにより、高温強度、クリープ強度、耐酸化性を高めることができる。
【0013】
本発明のTiAl基合金は、JIS−Z2242に規定するシャルピー衝撃試験値が、室温で3J以上であり、条件によって室温で5J以上も達成可能である。このように優れた衝撃値を有することから、エンジンの過給器や各種タービンの動翼とすれば、衝撃に対する耐久性、すなわち信頼性を維持したまま、回転数の上昇によるエネルギー効率の向上や、軽量化に貢献することが可能となる。
【0014】
本発明のTiAl基合金を得る方法の一つであり、先に述べた組織1を得る方法は、少なくとも43〜48原子%のAlを含むTiAl基合金素材を、α相の平衡温度領域に保持する工程と、該温度に保持したTiAl基合金素材を、所定の加工最終温度まで冷却しながら高速塑性加工する工程とを備えたことを特徴とするTiAl基合金の製造方法である。
このような構成によれば、TiAl基合金素材がα相の平衡領域から冷却される際に、ラメラー粒の発生の起点となる歪みが高速塑性加工によって金属組織中に導入されるので、粒径の小さいラメラー粒が多数形成し、微細な組織とすることができる。
Alを43〜48原子%含むTiAl基合金のα相の平衡温度領域の下限は、組成によって1150℃〜1250℃まで広く分布しているから、1230℃〜1400℃のα相の平衡温度領域に保持した後、高速塑性加工の最終温度である1200℃まで冷却する間に高速塑性加工を施し、ラメラー粒形成の起点となる歪みを与えて微細な組織とする。この間の冷却速度は50〜700℃/分が適当である。また、前記高速塑性加工として鍛造法あるいは圧延法等を用いることができる。
【0015】
上記のTiAl基合金の製造方法においては、前記TiAl基合金素材を断熱材で覆った状態で前記保持温度に保持した後、該断熱材と共にこのTiAl基合金素材を高速塑性加工しても良い。
このような構成にすれば、高速塑性加工中の素材の温度降下を抑えることができ、高速塑性加工を施す装置として通常の冷間加工用のものを適用できるので、装置が簡便になる。又、通常の金型を使用でき、金型の大きさを自由に設定することができるので、大型のTiAl基合金製品を製造することができる。
【0016】
本発明のTiAl基合金を得る方法の他の一つであり、先に述べた組織2を得る方法は、少なくとも38〜44原子%のAlを含むTiAl基合金素材を、(α+β)相の平衡温度領域に保持する工程と、該温度に保持したTiAl基合金素材を、所定の加工最終温度まで冷却しながら高速塑性加工する工程とを備えたTiAl基合金の製造方法である。
先の方法と比較すると、高温において(α+β)相の平衡温度領域に保持して、軟らかなβ相が存在する状態で高速塑性加工を施すので、加工性が大幅に向上する。従って、前述のようなTiAl基合金素材を断熱材で覆う必要はなく、通常の金属と同様に塑性加工ができるようになる。また、より大型の構造部材も製造可能となる。
【0017】
Alを38〜44原子%含むTiAl基合金の(α+β)相の平衡温度領域の下限は、組成によって1120〜1220℃まで分布しているから、1000〜1300℃の(α+β)相の平衡温度領域に保持した後、最終加工温度である1120℃まで冷却する間に塑性加工を施し、ラメラー粒形成の起点となる歪みを与えて微細な組織とする。この場合においても冷却速度は50〜700℃/分が適当であり、前記高速塑性加工としては鍛造法あるいは圧延法等を用いることができる。
【0018】
本発明の動翼は、上記のようにして得られた優れた延性、特に衝撃特性に優れたTiAl基合金を用いた動翼である。
このような素材を用いた動翼は、優れた衝撃値を有することから、エンジンの過給器や各種タービンの動翼とすれば、信頼性を維持しつつ、回転数の上昇によるエネルギー効率の向上や、軽量化に貢献することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
先ず、以下に本発明で組織1のTiAl基合金につい説明する。
図1は先に述べた組織1のTiAl基合金の顕微鏡組織の模式図である。
図1において、TiAl基合金10は、平均粒径の1〜50μmのラメラー粒3が密に配列してなる微細組織を有しており、各ラメラー粒3の間には基地4が形成されている。このラメラー粒3はα2 相(Ti3 Al)1’とγ相(TiAl)2が交互に積層された、層状のいわゆるラメラー組織からなり、各ラメラー粒3における積層方向はそれぞれ異なっている。又、基地4は主にγ相からなる。そして、積層方向が異なるラメラー組織により、材料に生じる亀裂がジグザグになるので、亀裂が進行し難くなり、材料の靱性や強度が向上するものと考えられる。
【0020】
本発明においては、平均粒径1〜50μmのラメラー粒が密に配列されていることが金属組織上の特徴である。さらに好ましくは、平均粒径1〜30μmのラメラー粒が密に配列されていると、金属組織がより微細となり、低温での延性(衝撃特性)が向上する。又、すべてのラメラー粒のうち、粒径20μm以下のラメラー粒が40%以上含まれていると、金属組織の微細化、低温での延性(衝撃特性)の向上の点でより好ましい。ここで、本発明における「平均粒径」は、JIS−G0552に規定する方法で測定される。
【0021】
そして、本発明における「密に配列」とは、各ラメラー粒を金属組織中に均一に配列したときに、各ラメラー粒が比較的接近している状態をいい、具体的には、金属組織の断面を見たときに、金属組織中に占めるラメラー粒の面積割合が60%以上になっている状態で定義される。この場合、各ラメラー粒が成長する過程で隣接するラメラー粒の周縁同士は衝突又は接近し、基地4は隣接するラメラー粒の間の狭い領域に押し込まれるので、基地4が単独で大きな面積(例えば平均粒径5μmのラメラー粒に相当する面積)を占めることはない。
【0022】
ここで、ラメラー粒の平均粒径を1μm未満とすることは工業的に困難であり、又、平均粒径が50μmを超えると、室温延性、特に衝撃特性が低下する。そして、平均粒径1〜50μmのラメラー粒、より好ましくは平均粒径1〜30μmのラメラー粒を金属組織中に密集して形成させると、ラメラー粒自体により強度が向上するとともに、粒径の小さいラメラー粒が密集するために金属組織が微細になり、室温の靱性、特に衝撃特性が向上する。又、詳しくは後述するが、本発明においては熱間鍛造後に所定の冷却速度で冷却が行われ、この冷却速度は通常の熱処理のように炉内で徐冷する場合に比べて大きいため、隣接するα2 相とγ相との間隔(ラメラー間隔)もより狭まり、これによっても強度が向上する効果が得られる。この場合、ラメラー間隔を例えば0.5μm以下とすることが好ましい。なお、本発明のTiAl基合金の衝撃特性を、JIS−Z2242に規定する室温でのシャルピー衝撃試験値で表すと、3J以上、条件によっては5J以上にすることも可能である。
【0023】
次に、本発明の組織1のTiAl基合金の生成過程について、図2及び図3に基づいて説明する。なお、図2は各工程をTi−Alの2元系状態図に対応させて説明したものであり、図3は各工程での金属組織の変化を示す。
【0024】
図2において、まず、Alを43〜48原子%含む、所定の組成のTiAl基合金素材を、α相の平衡温度領域である1230〜1400℃内の温度TAに保持する(工程A)。次に、保持温度TAから高速塑性加工の最終温度TBに至るまで冷却しながら高速塑性加工を行なう(工程B)。つまり、本発明の製造方法は、α域から材料を冷却させてラメラー相への相変態を生じさせながら、同時に塑性加工を行なう点で、1種の加工熱処理といえる。このようにして各工程A、Bで生じる金属組織について、図3に基づいて説明する。
【0025】
この図3において、工程Aではα相の平衡温度領域である1230〜1400℃内の温度TA に保持されているので、金属組織は平衡状態にあるα相1の単一相から成り、各α相1は比較的粗大な粒になっている(図3(1))。次に、工程Aから工程Bに至る段階では、工程Aから平衡状態の(α+γ)相に到達する前に、すなわちα単相、あるいはα相から若干のγ相が析出した状態で直ちに高速塑性加工が行なわれ、この時、金属組織中に歪みtが多数導入される。そして、この歪みtを起点としてここからもγ相が析出するので、金属組織中に多数のラメラー粒3が発生する(図3(2))。そして、塑性加工の最終段階である工程Bでは、各ラメラー粒3が充分に成長する前に、隣接するラメラー粒3が競合した時点で粒成長が妨げられるので、結果として粒径の小さなラメラー粒3が多数密集した微細組織が得られる。なお、ラメラー粒間の基地はγ相を主体とする組織である。
【0026】
ところで、2元系のTiAl基合金ではAl濃度45〜48原子%で機械的特性が良好になる。ところが、前述の図2に示したように、かかる成分のTiAl基合金のα相領域の温度は1300℃を超え、この温度に材料を保持することは加熱炉の性能の制限から工業的に困難な場合がある。従って、かかる場合にはTiAl基合金の組成を変え、その状態図上の平衡領域がを変化することを利用して、α相の平衡温度領域の温度を低下させれば良い。具体的には、Al:43〜48原子%、Cr及びVから選ばれる1種以上:5〜10原子%、残部:Ti及び不可避不純物から成る多元系のTiAl基合金を用いる。Cr又はVのうち少なくとも1種を使用することにより、α相の平衡温度領域の下限が降下する。
Cr又はVを添加した3元系合金の状態図を図4に示す。なお、図中破線で描かれた状態図はTi−Al−Cr系合金(Cr:10原子%)の場合を示し、実線で描かれた状態図はTi−Al−V系合金(V:10原子%)の場合を示している。
【0027】
図4において、まず、Ti−Al−Cr系合金のα相の平衡領域の最低温度は約1250℃であり、この温度以上ではα相が安定相として存在する。又、Ti−Al−V系合金のα相領域の最低温度は約1150℃であり、この温度以上でα相が安定相として存在する。従って、上記した各成分を含む多元系TiAl基合金を用いれば、α相の平衡領域での保持温度を1300℃以下とすることができ、一般的な加熱炉が使用できるなど工業的にも有利である。
【0028】
なお、これらの3元系TiAl基合金においては、α相の平衡温度領域下限より低温側ではγ相の他にβ相が析出するという特徴があるが、α相からはγ相が先に析出するため、最終的に形成される金属組織はほとんどラメラー相であり、基地の部分にγ相とともにわずかのβ相が存在することとなる。このβ相は低温では規則化したB2構造となる。
このような組成を有する本発明のTiAl基合金の金属組織は、図5及び図6に示すとおりとなる。
【0029】
図5に示すようにAlを45原子%、Vを10原子%含むTiAl基合金の電子顕微鏡組織は、平均粒径が小さいラメラー粒が密に配列してなっており、各ラメラー粒の間には黒色又は白色の基地が形成されている。図6はさらに倍率を拡大した電子顕微鏡組織を示し、ラメラー粒間には黒色のγ相とごく一部に白色に輝くβ相が認められる。
【0030】
又、上記した例では、Cr又はVのいずれかを添加した場合について述べたが、Cr及びVの両方を全体で5〜10原子%になるように添加してもよい。そして、Ti−Al−Cr系の合金の方がTi−Al−V系の合金より高温特性に優れているので、前者は高温用途(例えばガスタービンの動翼)に用い、後者は低温用途(例えば舶用タービンの動翼)に用いると良い。
【0031】
又、本発明のTiAl基合金10の組成の他の一つは、Cr又はVに替えて4〜10原子%のMnを使用することもできる。すなわち、Al:43〜48原子%、Mn:4〜10原子%、残部:Ti及び不可避不純物からなる組成とする。
Mnを使用した場合の状態図上での変化は、図4のCrの場合とVの場合のほぼ中間となり、α相の平衡温度領域の下限を引き下げることができる。
Mnを使用することでラメラー粒を構成するα相とγ相の硬さを低下させ、塑性加工がよりやり易くなる。また、耐衝撃性や後続の動翼加工で必要となる機械加工性も向上する。
反面Mnを使用すると各相の硬さが低下するので、高温強度やクリープ強度がやや低下するので、使用温度環境が低温域に制限されるが、蒸気タービンの動翼等の用途には充分使用可能である。
【0032】
次に、以下に本発明での組織2のTiAl基合金について説明する。
図7は組織2のTiAl基合金の金属組織の模式図である。図7において、平均粒径が1〜50μmのラメラー粒3は組織1と同じである。又、基地4の面積率は10%以上40%未満であり、β相とγ相が等軸的に複合化した組織である。ラメラー粒微細化による衝撃特性と強度に関しては、先に述べた組織1と同じであるが、この組織2では基地のβ相の効果で高温塑性加工性が向上する。
【0033】
この組織を得るためには、(α+β)相の平衡領域で保持する必要があるが、2元系のTiAl基合金では図2に示したように、α域よりさらに高温になるため、工業的には困難である。従って、かかる場合にはTiAl基合金の組成を変え、(α+β)相の平衡領域を低下させると良い。具体的には、Al:40〜44原子%、Cr又はVから選ばれる1種以上:5〜10原子%、残部不可避的不純物からなる多元系のTiAl基合金を用いれば良い。Cr又はVのうち少なくとも1種を使用することにより、(α+β)相の平衡域が広がるとともに、温度が低下する。なお、Cr又はVを添加した3元系合金の状態図は図4に示したものであり、α相域の左側に(α+β)相域が存在している。
【0034】
これらの3元系TiAl基合金を(α+β)相域に保持した場合、高温ではα相とβ相が共存して存在する。その後、冷却過程で高速加工した場合、α相は組織1と同じ過程によって微細なラメラー組織に変化する。またβ相からは冷却過程でγ相が析出するが、特定の方位関係をとらないため、等軸的な微細組織となる。なお、このβ相は低温では規則化したB2構造となる。このTiAl基合金の電子顕微鏡写真は図8に示すとおりである。
【0035】
図8に示すようにAlを42原子%、Vを10原子%含むTiAl基合金の電子顕微鏡組織は、平均粒径が小さいラメラー粒が密に配列してなる微細組織で占められており、ラメラー粒間の基地には黒色のγ相と白色のβ相が存在している。この例では、Cr又はVのいずれかを添加した場合について述べたが、Cr及びVの両方を全体で5〜10原子%になるように添加しても良い。
また、本発明のTiAl基合金の組織の他の一つは、Cr又はVに替えて4〜10原子%のMnを使用することもできる。なお、この場合(α+β)相域は図4の状態図上で若干左側(低Al濃度側)に広がる。すなわち、Al:38〜44原子%、Mn:4〜10原子%、残部:Ti及び不可避的不純物からなる組成とする。
【0036】
Mnを使用することでラメラー粒を構成するα2相とγ相ならびにβ相の硬さを低下させ、塑性加工がよりやり易くなる。また、耐衝撃性や後続の動翼成形で必要となる機械加工性も向上する。
反面Mnを使用すると各相の硬さが低下するので、使用温度環境が低温域に制限される。
【0037】
さらに、組織1、組織2の合金とも他の元素として、C、Si,Ni,W,Nb,B,Hf,Ta,Zrの群から選ばれる1種以上を合計で0.1〜3原子%含有していてもよい。これらの微量元素は、適宜高温強度、クリープ強度、耐酸化性を向上させるものである。この場合、各元素の合計含有量が0.1原子%未満であると、上記した効果が不充分であり、又、3原子%を超えても効果が飽和するとともに耐衝撃性の低下をもたらすため望ましくない。
【0038】
(第1の実施形態)
ここで、上記した高速塑性加工においては、塑性変形率を毎秒100%以上の高速として、ラメラー組織の起点となる歪みを与える。材料が高いひずみ速度下で変形を受けるので、高速塑性加工時の材料をなるべく高温に保ち、その変形能を大きくすることが必要である。そのため塑性加工の最終温度TB を1200℃以上とすることが好ましい。塑性加工の最終温度TB が1200℃未満であると、加工時の材料温度が低くなるので、変形能が低下して材料が割れる虞があるからである。又、α相からの冷却速度が速すぎると、マッシブ変態を生じてラメラー相が形成されず、冷却速度が遅すぎるとラメラー間隔が広がって材料強度が低下するので好ましくない。従って、ラメラー間隔の狭いラメラー組織が形成されるよう、例えば50〜700℃/分程度の冷却速度とすると良い。
【0039】
高速塑性加工としては、例えば鍛造、圧延等を用いることができる。この場合、対象材を炉内で所定の保持温度に保持した後、炉から取り出すと材料が急冷されることになるので、加工終了時までに素材の温度を1200℃以上に保つことは、対象材の大きさによっては困難なこともある。従って、このような場合には、以下の図9に示す製造方法を適用することにより、通常の冷間加工用の装置をそのまま使用できる。
【0040】
すなわち、この図9において、まず、TiAl基合金素材8を用意する(図9(1))。このTiAl基合金素材8は、溶製材又は加工材(恒温鍛造材、熱間加工材)等どのようなものを用いてもよい。
【0041】
次に、TiAl基合金素材8を断熱材20で覆い、さらに断熱材20の外側に該断熱材20を支持するカバー22を装着し、この状態で素材8をα相領域の保持温度になっている炉内等に保持する(図9(2)の工程A’)。断熱材20は、炉から取り出したTiAl基合金素材8を高速塑性加工終了時まで保温し、所定の冷却速度にするとともに素材温度が低くなるのを防止するものであり、断熱材20とカバー22は、TiAl基合金素材8と共に加工されるようになっている。従って、断熱材20としてはSiO2 等を紙状や綿状に加工した軟質なものを用い、カバー22としては容易に塑性変形する鉄鋼材料製の板材等を用いるとよい。
【0042】
そして、TiAl基合金素材8を断熱材20及びカバー22ごと炉外に取り出し、通常の冷間鍛造に用いる鍛造装置の上型30Aと下型30Bの間に設置し、鍛造を行なう(図9(3)の工程B’)。この鍛造の際、炉外に取り出されたTiAl基合金素材8は断熱材20で覆われていて、炉内温度に近い温度に保たれるので、鍛造割れ等が生じることが防止されるとともに、適切な冷却速度で相変態を生じさせるので、ラメラー粒が安定的に形成される。そして、このようにして、図3(3)に示した金属組織を有する最終製品(TiAl基合金10)が得られる(図9(4))。なお、この最終製品に適宜後加工や熱処理等を施してもよい。
【0043】
以上述べたように、図9に示した製造方法を採用すれば、鍛造装置に通常の冷間鍛造装置を適用できるので、装置が簡便になる。又、従来TiAl合金に対して行われていた恒温鍛造のように特殊な耐熱金型(例えばTZM等のMo合金)を使用する必要がなく、通常の金型を使用でき、金型の大きさを自由に設定することができるので、大型のTiAl基合金製品を製造することができる。なお、以上の説明では鍛造について例示したが、これに限られることはなく、例えば圧延を行なってもよく、この場合には板状のTiAl基合金を製造することもできる。
【0044】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。
本発明の第2の実施形態は、先に説明した図4の状態図において(α+β)相の平衡温度領域に保持して、軟らかく加工の容易なβ相を利用して高速塑性加工するものである。組成加工後においてもβ相が比較的多く残留しているため、高温強度、特にクリープ強度が低下するものの、舶用タービンのようなやや低温で使用する動翼には十分使用可能である。
本発明の第2の実施形態の顕微鏡組織は、上述の図8に示したものである。
【0045】
次に、第2の実施形態のTiAl基合金の製造方法について説明する。
第2の実施形態におけるラメラー粒の生成機構も、先に説明した第1の実施形態の場合と同様である。ここでは高速塑性加工方法について状態図を参照して説明する。
図4において、例えば、Ti−Al−Cr系合金の(α+β)相の平衡領域の最低温度は約1220℃であり、この温度以上では(α+β)相が安定相として存在する。又、Ti−Al−V系合金の(α+β)相領域の最低温度は約1120℃であり、この温度以上で(α+β)相が安定相として存在する。従って、上記した各成分を含む3元系TiAl基合金を用いれば、(α+β)相の平衡領域での保持温度を1300℃以下の1150℃〜1300℃、好ましくは1200℃〜1250℃とすることができる。高速塑性加工の最終温度も変形能が良好なβ相の効果によって1000℃まで引下げられるので、材料の保温対策も特に必要は無く、通常の金属材料の鍛造法や圧延法により成形加工することができるので工業的にも有利である。また、β相は鍛造後の工程である動翼の成形加工時の機械加工性を向上させる利点もある。金属組織中に占めるβ相の面積割合は、10%〜40%となるようにするのが適当である。
【0046】
最後にこれらの組成を有する本発明のTiAl基合金を使用した動翼について説明する。
図10に動翼の外観形状を例示する。この図10に示す動翼において、動翼50は羽根50Aと基部50Bから成り、基部50Bを円盤状のディスク(図示省略)の外周の溝部に打ち込むことにより、動翼の全体が構成される。なお、上記動翼50の他、ディスク自体を本発明のTiAl基合金を用いて製造してもよい。
本発明の動翼は、軽量でしかも耐衝撃性に優れているので、航空機用、船舶用あるいは各種産業用のガスタービンや蒸気タービンの動翼に使用することが可能で、信頼性を維持したままタービンの高性能化と軽量化に寄与するものとなる。
【0047】
【実施例】
(実施例1)
1.TiAl基合金素材の作製
表1に示すようなAl:45原子%、V:10原子%、残部:Ti及び不可避不純物からなる組成を有するるTiAl基合金をプラズマスカル溶解した後、鋳造してインゴットとし、さらに適宜切り出して表面加工を施し、95mmφ×109mmの円柱状の溶製材を得た。
【0048】
2.素材の保温処理
次に、この溶製材を厚さ3mmのイソウール(アルミナとシリカの混合材)製の断熱シートで覆い、さらに該断熱シートの外側をCr−Mo鋼から成るカバーで覆った。カバーを含めた溶製材の外寸は115mmφであった。なお、この断熱シートは、1250℃に保持した対象物が1200℃に冷却されるまでの時間が3分間となるような断熱性能を有していた。
【0049】
3.素材の前加工(押出し)
そして、このカバー付き溶製材を1250℃の炉に1時間保持した後取り出し、1パス押出し(押出速度30mm/s)を行なった。押出しは、炉から溶製材を取り出してから約30秒で行なった。押出材自体の寸法は40mmφ×300mmで、カバーを含めた押出材の外寸は48mmφ×320mmであった。
【0050】
4.高速塑性加工(鍛造)
上記押出材を覆っている断熱シートとカバーを一旦除去して押出材の表面を平滑化した。次に上記と同様に押出材に断熱シートとカバーを装着し、1250℃で1時間保持した後取り出し、2800トンの冷間プレス機にて押出材自体の径方向の厚みが10mmの所定形状になるまで鍛造し、平板状にした。鍛造は、炉から押出材を取り出してから約30秒で行ない、鍛造後空冷放置することにより、ラメラー粒の平均粒径4μmの試料を得た。
【0051】
(比較例1〜3)
なお、比較として、Ti−47Al−2Cr−2Nb(原子%)合金をプラズマスカル溶解して上記と同一サイズのインゴットとし、これを1100℃で初期厚みの1/4の厚さとなるまで恒温鍛造した後、1400℃で10分間熱処理して、ラメラー粒の平均粒径100μmの試料を得た。これを比較例1とする。又、Ti−47Al−2Cr−2Nb(原子%)合金を鋳造したものを比較例2とする。さらに、インコネル713Cを用いて鋳造したものを比較例3とする。これらの供試材の加工方法を表1に併せて示す。
【0052】
3.鍛造後試料の特性評価
常法にて、これら実施例1及び比較例1〜3の供試材について、室温及び高温(700℃)での引張強さを測定した。又、これらの供試材について、JIS−Z2242に規定するシャルピー衝撃試験を室温で行なった。それぞれの結果を表2に示す。また、電子顕微鏡組織写真は図5及び図6に示したとおりである。また、比較例2における電子顕微鏡組織写真を図11、図12に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
表1及び表2から明らかなように、実施例1においては、室温及び700℃での引張強さ、シャルピー衝撃試験値がともに優れたものになっている。
一方、ラメラー粒の平均粒径がそれぞれ100μm、150μmである比較例1、比較例2の場合は、いずれも引張強さ及び室温でのシャルピー衝撃試験値が大幅に低下している。又、インコネル713Cから成る比較例3の場合は、室温でのシャルピー衝撃試験値に優れるものの、引張強さが実施例1よりは低く、又、比重がTiAl基合金の2倍であるために、回転体として必要な比強度(強度/比重)はさらに低くなる。
【0056】
(実施例2)
表1に示すように、Al:40原子%、V:10原子%、残部:Ti及び不可避不純物からなる組成を有するるTiAl基合金をプラズマスカル溶解した後、直径95mm、長さ120mmのインゴットに鋳造した。このインゴットを特別な保温手段を講じることなしに加熱炉内に挿入し、(α+β)相の安定温度領域である1250℃に保持した。その後炉から取り出したインゴットを通常の鍛造装置を使用して鍛伸加工した。鍛伸加工は90度回転させて側面を2回連続して鍛造した後、加熱炉中に戻して再加熱する操作を繰り返した。この操作を繰り返して亀裂等の欠陥を生ずること無しに、50mm×50mm×3400mmのサイズのTiAl基合金材料を得た。
【0057】
このようにして得たTiAl基合金材料の電子顕微鏡組織写真は図8に示したものである。粒状に見えるのがラメラー粒である。ラメラー粒の間隙を黒色の部分又は白色の基地が埋めているのが判る。図5、図6に示す実施例1のTiAl基合金の電子顕微鏡組織写真と比較すると、白色のβ相が多く晶出している。
さらに、このようにして得たTiAl基合金材料の諸特性を実施例1と同様にして測定した。これらの結果を表2に併記する。実施例2のTiAl基合金はβ相が多く晶出しているので、表2に示すとおり実施例1と比較して室温硬さと高温における引張強さがやや低くなるものの、シャルピー衝撃試験値は同等である。すなわち、実施例2は高温の組成加工性と耐衝撃性に優れていると言える。
【0058】
(実施例3)
表1に示すように、Al:45原子%、Mn:5原子%、残部:Ti及び不可避不純物からなる組成を有するるTiAl基合金をプラズマスカル溶解した後、直径95mm、長さ120mmのインゴットに鋳造した。このインゴットに実施例1と同様な保温処理を施して加熱炉内に挿入し、α相の安定温度領域である1250℃に保持した。その後炉から取り出したインゴットを保温処理を施したまま通常の鍛造装置を使用して据込み加工した。据込み加工はインゴットの上下面を1回で圧縮して、亀裂等の欠陥を生ずること無しに直径190mm、厚さ30mmの円盤に加工した。
【0059】
このようにして得られた円盤状のTiAl基合金材料の電子顕微鏡組織は、実施例1と同様の組織を呈していた。
また、このようにして得たTiAl基合金材料の諸特性を実施例1と同様にして測定した。これらの結果を表2に併記する。実施例3のTiAl基合金はMnを含有していることから、室温硬さは低下し、引張強さも低くなっているが、シャルピー衝撃試験値が向上している。また硬さが低下したので機械加工は容易となる。
【0060】
(実施例4)
表1に示すように、Al:40原子%、Mn:7原子%、残部:Ti及び不可避不純物からなる組成を有するるTiAl基合金をプラズマスカル溶解した後、直径95mm、長さ120mmのインゴットに鋳造した。このインゴットを実施例2と同様に特別な保温手段を講じることなしに加熱炉内に挿入し、(α+β)相の安定温度領域である1250℃に保持した。その後炉から取り出したインゴットを実施例2と同様な方法で、通常の鍛造装置を使用して鍛伸加工した。鍛伸加工は90度回転させて側面を2回連続して鍛造した後、加熱炉中に戻して再加熱する操作を繰り返した。この操作を繰り返して亀裂等の欠陥を生ずること無しに、50mm×50mm×340mmのサイズのTiAl基合金材料を得た。
【0061】
このようにして得られた円盤状のTiAl基合金材料の電子顕微鏡組織は、実施例2と同様の組織を呈していた。
また、このようにして得たTiAl基合金材料の諸特性を実施例1と同様にして測定した。これらの結果を表2に併記する。実施例4のTiAl基合金は実施例2と比較すると室温硬さと引張強さは低下するが、シャルピー衝撃試験値は一層向上している。また軟らかいことから機械加工性に優れている。
【0062】
(実施例5)
表1に示すように、Al:45原子%、V:10原子%、C:0.2原子%、残部:Ti及び不可避不純物からなる組成を有するTiAl基合金をプラズマスカル溶解した後、直径95mm、長さ120mmのインゴットに鋳造した。このインゴットに実施例1と同様な保温処理を施して加熱炉に挿入し、α相の安定温度領域である1250℃に保持した。その後炉から取り出したインゴットを保温処理を施したまま通常の鍛造装置を使用して据え込み加工した。据え込み加工はインゴットの上下面を1回で圧縮して、亀裂等の欠陥を生ずること無しに直径190mm、厚さ30mmの円盤に加工した。
【0063】
このようにして得られた円盤状のTiAl基合金材料の電子顕微鏡組織は、実施例1と同様の組織を呈していた。
また、このようにして得たTiAl基合金材料の諸特性を上記と同様にして測定した。これらの結果を表2に併記する。実施例5のTiAl基合金は、C以外がこの合金と同じである実施例1の合金に比べ、特に高温強度の向上が著しいが、反面シャルピー衝撃試験値は若干低下している。つまり、Cは本発明のTiAl基合金に対して若干の衝撃値の低下をもたらすものの、高温強度向上には非常に有効であることが判る。なお、この効果はSi、B、Taにおいても同様である。
【0064】
(実施例6)
表1に示すように、Al:45原子%、V:10原子%、Ni:1原子%、残部:Ti及び不可避不純物からなる組成を有するTiAl基合金をプラズマスカル溶解した後、直径95mm、長さ120mmのインゴットに鋳造した。このインゴットに実施例1と同様な保温処理を施して加熱炉に挿入し、α相の安定温度領域である1250℃に保持した。その後炉から取り出したインゴットを保温処理を施したまま通常の鍛造装置を使用して据え込み加工した。据え込み加工はインゴットの上下面を1回で圧縮して、亀裂等の欠陥を生ずること無しに直径190mm、厚さ30mmの円盤に加工した。
【0065】
このようにして得られた円盤状のTiAl基合金材料の電子顕微鏡組織は、実施例1と同様の組織を呈していた。
また、このようにして得たTiAl基合金材料ならびに実施例1の合金について、800℃×500hの大気酸化試験を行い、酸化増量から耐酸化性を比較した。これらの結果を表2に併記する。実施例6のTiAl基合金は、Ni以外がこの合金と同じである実施例1の合金に比べ、酸化増量は大幅に低下している。つまり、Niは本発明のTiAl基合金の耐酸化性向上には非常に有効であることが判る。なお、この効果はW、Nb、Hf、Zrにおいても同様である。
【0066】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明のTiAl基合金は、粒径の小さいラメラー粒が密集して配列しているために金属組織が微細になり、強度とともに室温靱性、特に衝撃特性が向上する。
又、本発明のTiAl基合金の製造方法は、TiAl基合金素材がα相の平衡温度領域又は(α+β)相の平衡温度領域から冷却される際に、高速塑性加工によってラメラー粒の発生の起点となる歪みが金属組織中に導入されることで、ラメラー結晶粒の微細化が可能となる。また、加工後は比較的速い速度で冷却されるため、ラメラー組織のラメラー間隔を小さくすることができる。
【0067】
また、(α+β)領域で保持することにより、高温での塑性加工性が向上し、通常のプレス加工で作業できるなど、工業的に有利となる。
さらに、状態図を図4に示すように変化させる成分としてCr又はVを用いれば、高温強度に優れたTiAl基合金が得られ、また、Mnを用いれば高温強度は低下するものの靱性や機械加工性がさらに向上したTiAl基合金が得られる。
【0068】
本発明による動翼は、耐衝撃性に優れているので航空機用、船舶用あるいは各種産業機械用のガスタービンや蒸気タービンの動翼として使用すれば、タービンの性能向上と軽量化に大いに役立つものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の組織1のTiAl基合金の金属組織を示す模式図である。
【図2】 本発明のTiAl基合金のラメラー組織の生成過程を説明する状態図である。
【図3】 各工程での金属組織の変化を示す模式図である。
【図4】 本発明の3元系のTiAl基合金の状態図である。
【図5】 本発明の組織1のTiAl基合金の電子顕微鏡組織写真である。
【図6】 本発明の組織1のTiAl基合金の倍率を変えた電子顕微鏡組織写真である。
【図7】 本発明の組織2のTiAl基合金の金属組織を示す模式図である。
【図8】 本発明の組織2のTiAl基合金の電子顕微鏡組織写真である。
【図9】 本発明のTiAl基合金を製造する方法の一例を示す工程図である。
【図10】 本発明の動翼を示す斜視図である。
【図11】 比較例2の電子顕微鏡組織写真である。
【図12】 比較例2の倍率を変えた電子顕微鏡組織写真である。
【符号の説明】
1・・・・・α相、1’・・・・・α2 相、2・・・・・γ相、3・・・・・ラメラー粒、4 ・・・・・基地、8・・・・・TiAl基合金素材、10・・・・・TiAl基合金、20 ・・・・・断熱材、22・・・・・カバー、30A・・・・・上型、30B・・・・・下型、50・・・・・動翼
Claims (17)
- Al:43〜48原子%、残部:Ti及び不可避不純物からなり、α2相とγ相が交互に積層された平均粒径1〜50μmのラメラー粒が密に配列してなる微細組織を有し、該微細組織の断面に占める該ラメラー粒の面積割合が60%以上であり、粒径20μm以下のラメラー粒の割合が40%以上であることを特徴とするTiAl基合金。
- Cr及びVから選ばれる1種以上:5〜10原子%、または、Mn:4〜10原子%を含有することを特徴とする請求項1に記載のTiAl基合金。
- Al:40〜44原子%、Cr及びVから選ばれる1種以上:5〜10原子%、残部:Ti及び不可避不純物、または、Al:38〜44原子%、Mn:4〜10原子%、残部:Ti及び不可避不純物からなり、α2相とγ相が交互に積層された平均粒径1〜50μmのラメラー粒が密に配列しており、該ラメラー粒の間隙をβ相を含む基地が埋めてなる微細組織を有することを特徴とするTiAl基合金。
- 前記微細組織の断面に占める前記ラメラー粒の面積割合が60%以上であることを特徴とする請求項3に記載のTiAl基合金。
- C,Si,Ni,W,Nb,B,Hf,Ta,Zrの群から選ばれる1種以上の元素を、合計で0.1〜3原子%含有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のTiAl基合金。
- JIS−Z2242に規定するシャルピー衝撃試験値が室温で3J以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のTiAl基合金。
- α 2 相とγ相が交互に積層された平均粒径1〜50μmのラメラー粒が密に配列してなる微細組織を有し、該微細組織の断面に占める該ラメラー粒の面積割合が60%以上であるTiAl基合金を製造する方法であって、Al:43〜48原子%、残部:Ti及び不可避不純物からなるTiAl基合金素材を、α相の平衡温度領域に保持する工程と、該温度に保持したTiAl基合金素材を、(α+γ)相の平衡温度領域内の所定の加工最終温度まで冷却しながら高速塑性加工する工程とを備えたことを特徴とするTiAl基合金の製造方法。
- 前記TiAl基合金素材が、Cr及びVから選ばれる1種以上:5〜10原子%、または、Mn:4〜10原子%を含有することを特徴とする請求項7に記載のTiAl基合金の製造方法。
- 前記保持温度が1230〜1400℃であることを特徴とする請求項7に記載のTiAl基合金の製造方法。
- 前記加工最終温度が1200℃であることを特徴とする請求項7に記載のTiAl基合金の製造方法。
- 請求項7に記載のTiAl基合金の製造方法において、前記TiAl基合金素材を断熱材で覆った状態で前記保持温度に保持した後、該断熱材と共にこのTiAl基合金素材を高速塑性加工することを特徴とするTiAl基合金の製造方法。
- Al:40〜44原子%、Cr及びVから選ばれる1種以上:5〜10原子%、残部:Ti及び不可避不純物、または、Al:38〜44原子%、Mn:4〜10原子%、残部:Ti及び不可避不純物からなるTiAl基合金素材を、(α+β)相の平衡温度領域に保持する工程と、該温度に保持したTiAl基合金素材を、(γ+β)相の平衡温度領域内の所定の加工最終温度まで冷却しながら高速塑性加工する工程とを備えたことを特徴とするTiAl基合金の製造方法。
- 前記保持温度が1150〜1300℃であることを特徴とする請求項12に記載のTiAl基合金の製造方法。
- 前記加工最終温度が1000℃であることを特徴とする請求項12に記載のTiAl基合金の製造方法。
- 前記高速塑性加工として鍛造法を用いることを特徴とする請求項7ないし請求項12のいずれかに記載のTiAl基合金の製造方法。
- 前記高速塑性加工時の冷却速度を50〜700℃/分として冷却することを特徴とする請求項7又は請求項12に記載のTiAl基合金の製造方法。
- 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のTiAl基合金を用いた動翼。
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