JPH0649569A - 高強度Ti−Al系金属間化合物 - Google Patents

高強度Ti−Al系金属間化合物

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JPH0649569A
JPH0649569A JP4203934A JP20393492A JPH0649569A JP H0649569 A JPH0649569 A JP H0649569A JP 4203934 A JP4203934 A JP 4203934A JP 20393492 A JP20393492 A JP 20393492A JP H0649569 A JPH0649569 A JP H0649569A
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JP
Japan
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intermetallic compound
ductility
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grain size
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Pending
Application number
JP4203934A
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English (en)
Inventor
Kazuhisa Shibue
和久 渋江
Bokujiyun Kin
睦淳 金
Masaki Kumagai
正樹 熊谷
Tadashi Minoda
正 箕田
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定の金属組織の構成によって、高強度なT
i−Al系金属間化合物を実現すること。 【構成】 Alが40〜46at%からなるTi−Al
系金属間化合物であって、該Ti−Al系金属間化合物
中に、Ti3AlとTiAlとが交互に積層されたラメ
ラ組織を体積率で50%以上含むととも、該ラメラ組織
の結晶粒径が100μm未満であること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航空宇宙分野,産業機
械分野等の軽量耐熱或は高比剛性が要求される分野に使
用される高強度Ti−Al系金属間化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、Ti−Al系金属間化合物
は、軽量で高温強度に優れていることが知られており、
次世代の耐熱材料として期待されている。これまでの研
究により、常温強度及び延性の兼ね合いにより、TiA
lの化学量論組成より1〜3at%程度Tiに富んだ組
成領域、即ち、二相領域(TiAl(γ)+Ti3Al
(α2))が研究・開発の中心となってきている。例え
ば、恒温鍛造法等を利用して結晶粒径を微細化し、γ粒
を主体とした等軸粒を形成する研究が知られている。
【0003】一方、Ti−Al系金属間化合物の鋳造材
などでは、α2+γの二相からなるラメラ組織が発達す
ることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このラ
メラ組織の結晶粒径(結晶粒径:コロニーの大きさ)
は、数100μm以上と大きく、微細なラメラ組織を有
するTi−Al系金属間化合物に関する研究は行われて
おらず、その常温強度や延性は不明であった。
【0005】つまり、Ti−Al系金属間化合物は、軽
量で高温強度に優れていることが知られているにもかか
わらず、従来のものより一層優れた性質を有するTi−
Al系金属間化合物を得ることはなかなか困難であっ
た。本発明は、Ti−Al系金属間化合物の強度の改善
について多面的に研究を実施した結果として得られたも
のであり、その目的は、特定の金属組織の構成によっ
て、高強度なTi−Al系金属間化合物を実現すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の請求項1の発明は、Alが40〜46at%からなる
Ti−Al系金属間化合物であって、該Ti−Al系金
属間化合物中に、Ti3AlとTiAlとが交互に積層
されたラメラ組織を体積率で50%以上含むととも、該
ラメラ組織の結晶粒径が100μm未満であることを特
徴とする高強度Ti−Al系金属間化合物を要旨とす
る。
【0007】また、請求項2の発明は、Mnを0.5〜
3at%含む前記請求項1記載の高強度Ti−Al系金
属間化合物を要旨とする。ここで、各請求項の数値を規
定する理由を説明する。
【0008】1) ラメラ組織の体積率:50%以上 50%未満では、強度が向上しない。 2) ラメラ組織の結晶粒径:100μm以下 100μmを越えると、強度の向上がない。
【0009】3)Mn:0.5〜3at% 0.5at%未満では強度及び延性の向上に効果がな
く、一方3at%を越えると強度の向上が飽和するだけ
でなく、密度も高くなるという悪作用がある。
【0010】4)Al:40〜46at% 40at%未満では、ラメラ組織の結晶粒が粗大にな
り、強度及び延性が低下する。一方、46at%を越え
るとラメラ組織の体積率が50vol%未満となり、強度
が向上しない。
【0011】
【作用】Ti−Al系金属間化合物において、引張強度
と金属組織との関係を詳細に調査検討したところ、γと
α2からなるラメラ組織の結晶粒を100μm未満と微細
な結晶粒とし、しかもラメラ組織を体積率で50%以上
含む金属組織とすることにより、Ti−Al系金属間化
合物の強度を向上できることが明かとなった。
【0012】この強度が向上する理由は、前記の様な構
成のラメラ組織の存在が、金属の転位の障害になってい
ると推測される。
【0013】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を、比較例
とともに説明する。 (実施例1)チタン粉末を粒径149μm以下にふるい
わけた後、ヘリウムガスアトマイズ法で作製したAl粉
末或はAl−Mn合金粉末を粒径149μm以下にふる
いわけ、化学成分が最終組成で下記表1の試料No.1〜
9となる様にTiAlを混合した。そして、アルミニウ
ム容器に挿入し、本容器内を加熱しながら真空排気し脱
気処理(脱気温度:450℃)を実施した。その後、容
器ごと熱間押出を行った。押出条件は400℃,押出比
60とした。得られた押出材からアルミニウム容器に相
当する外皮を除去し、反応合成用素材とした。
【0014】この押出材について、HIPにて反応合成
(合成開始温度:560℃)を行い、Ti−Al系金属
間化合物とした後、引き続いてHIP中にて、表1の種
々の条件(HIP条件)で金属組織の均質化処理を実施
した。そして、前記製造方法によって得られたTi−A
l系金属間化合物について、ラメラ組織の体積率および
結晶粒径を測定した。また、このTi−Al系金属間化
合物の引張試験片を作製し(平行部径:φ5mm、標点間
距離:15mm)、常温にて引張試験(ひずみ速度:10
-3/秒)を実施した。この実験の結果を、同じく表1に
示す。
【0015】更に、前記得られたTi−Al系金属間化
合物について、そのラメラ組織の体積率や平均の結晶粒
径を測定した。その結果を同じく表1に示す。尚、図1
に試料No.6のミクロ組織の写真を示すが、ラメラ組織
の体積率は85%であり、結晶粒径は35μmであっ
た。
【0016】表1から明らかな様に、本実施例のもの
は、いずれもラメラ組織の体積率が50%以上であり、
しかもラメラ組織の結晶粒径が100μm未満である。
従って、この様な組織を有する本実施例のTi−Al系
金属間化合物は、引張強さ500MPa以上,伸び0.
5%以上であり、優れた強度と延性を共に有しているこ
とが明かである。
【0017】特に、Mnを0.5〜3at%の範囲で添
加した試料No.5〜8のものは、他の条件にかからわ
ず、いずれも引張強さ610MPa以上,伸び0.7%
以上であり、強度及び延性のいずれも一層好適である。
尚、試料No.4のものは、Mn添加量が0.3at%と下
限(0.5at%)未満であり、Mn添加の効果がみら
れなかった。また、試料No.9のものは、Mn添加量が
3.3at%と上限(3at%)を越えており、Mn添
加の効果が飽和していた。
【0018】
【表1】
【0019】(比較例1)チタン粉末(粒径149μm
以下)と、アルミニウム粉末或はAl−Mn合金粉末
(粒径149μm以下)とを混合し、化学成分が最終組
成で下記表2に示す比較例1の試料No.10〜13とな
る様に調製した。その後、実施例1と同条件で押出及び
反応合成を行った後、表2に示す条件(HIP条件)で
均質化処理を実施した。
【0020】得られた化合物について、ラメラ組織の体
積率および結晶粒径を測定し、常温引張試験を実施し
た。その結果を、表2及び以下に示す。 No.10:Al量が下限未満であり、ラメラ組織の結晶
粒が125μmと粗大になり、強度および延性が低かっ
た。
【0021】No.11:Al量が上限を越えており、ラ
メラ組織の結晶粒径は小さいが体積率が50%未満であ
るため、引張強度が低かった。図2にそのミクロ組織の
結晶構造を示すが、ラメラ組織の体積率45%,結晶粒
径50μmであった。
【0022】No.12:均質化処理に用いたHIP条件
が1000℃であり、得られた組織はラメラ組織を含ま
ない二相組織(γ+α2)であるため、伸びが低かっ
た。 No.13:均質化処理に用いたHIP条件が1410℃
であり、ラメラ組織の結晶粒径が120μmと100μm
以上であるため引張強度が低かった。
【0023】
【表2】
【0024】(比較例2)プラズマアーク溶解によりT
i−43at%Al−1.6at%Mn合金インゴット
を作製し、前記実施例1と同様にHIP処理を実施し、
得られたAl−Ti系金属間化合物(前記表2の試料N
o.14)について、ラメラ組織の体積率および結晶粒径
を測定し、また常温引張試験を実施した。その結果を、
同じく表2に示す。
【0025】この表2から明かな様に、試料No.14の
ものは、溶製材であるのでラメラ組織が粗大であり、強
度が低かった。尚、図3にそのミクロ組織を示すが、ラ
メラ組織の結晶粒径は100μmを上回るものであっ
た。つまり、本実施例No.1〜9のTi−Al系金属間
化合物は、上述した体積率及び結晶粒径のラメラ組織を
備えているので、その常温引張り力や伸びの性質が優れ
ており、高強度部材として好適である。それに対して、
比較例No.10〜14のものは、その様なラメラ組織を
備えていないので、常温引張り力や伸びの性質に劣り、
高強度部材として必ずしも好ましくない。
【0026】尚、本発明は、上記実施例に何等限定され
ず、本発明の要旨の範囲内において各種の態様で実施で
きることは勿論である。
【0027】
【発明の効果】以上詳述したことから明らかな様に、請
求項1の高強度Ti−Al系金属間化合物では、Alが
40〜46at%からなり、Ti3AlとTiAlとが
交互に積層されたラメラ組織を体積率で50%以上含む
ととも、ラメラ組織の結晶粒径が100μm未満である
ので、常温引張り力等で示される強度が大きく、しかも
延性に富み、優れた高強度材料となる。
【0028】特に請求項2の高強度Ti−Al系金属間
化合物は、更にMnを0.5〜3at%含むので、一層
強度や延性が向上する。従って、本発明より高強度のT
i−Al系金属間化合物が得られるので、軽量耐熱材料
として実用に共するものが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例試料No.6のミクロ組織の結晶構造を
示す写真である。
【図2】 比較例試料No.11のミクロ組織の結晶構造
を示す写真である。
【図3】 比較例試料No.14のミクロ組織の結晶構造
を示す写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 箕田 正 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Alが40〜46at%からなるTi−
    Al系金属間化合物であって、該Ti−Al系金属間化
    合物中に、Ti3AlとTiAlとが交互に積層された
    ラメラ組織を体積率で50%以上含むととも、該ラメラ
    組織の結晶粒径が100μm未満であることを特徴とす
    る高強度Ti−Al系金属間化合物。
  2. 【請求項2】 Mnを0.5〜3at%含む前記請求項
    1記載の高強度Ti−Al系金属間化合物。
JP4203934A 1992-07-30 1992-07-30 高強度Ti−Al系金属間化合物 Pending JPH0649569A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7618504B2 (en) 2000-02-23 2009-11-17 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. TiA1 based alloy, production process therefor, and rotor blade using same
WO2020235201A1 (ja) * 2019-05-23 2020-11-26 株式会社Ihi TiAl合金及びその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7618504B2 (en) 2000-02-23 2009-11-17 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. TiA1 based alloy, production process therefor, and rotor blade using same
WO2020235201A1 (ja) * 2019-05-23 2020-11-26 株式会社Ihi TiAl合金及びその製造方法
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