JP7190286B2 - Al-Fe-Er系アルミニウム合金 - Google Patents

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本発明は、Al-Fe-Er系アルミニウム合金に関し、より詳細には、熱安定性及び可塑性に優れた粉末冶金用Al-Fe-Er系アルミニウム合金に関する。
以下の関連技術の説明は、関連技術に関する発明者の知識及びその中の特定の問題を提示しており、先行技術における知識を自認したものとして解釈されるべきではない。
最近では、特に軽量自動車の統合や航空宇宙部品の需要が高まるにつれて、高温用途向けのアルミニウム合金の開発がますます注目されている。
過去から現在に至るまで、チタン合金は、その高強度及び高耐熱性という優れた特性のために航空宇宙部品用の最も有望な合金の1つである。近年、アルミニウム合金の研究が増加しており、そのいくつかの調査・研究は、伝統的なチタン合金がその優れた特性、より低いコスト、及びより低い密度のために、アルミニウム合金に置き換えられ得ることを明らかにした。
豊富なアルミニウム合金が世界中で市販されている。何十年もの開発の間、例えばA2618、A4032、及びA2218のような約400MPaの高い引張強度で処理されたアルミニウム合金が広く使用されてきた。更に、これらの合金は、温度が摂氏200度に達すると、270MPaより高い引張強度を得ることができた。より良い特性のために、アルミニウム共晶Si系合金が強調されてきた。努力によって、200℃で330MPaの引張強度が得られた。
米国特許出願公開第2017/0058386号
しかしながら、高温で適用される傾向があり、かつ軽量化が要求されるために、アルミニウム合金はより良好な高温特性を有することが要求される。このため新しい合金が設計されなければならない。
アルミニウム合金において高温特性を達成するために、新しい合金及び新しい金属間析出物分散が研究されてきた。
Al-Fe系アルミニウム合金は、高温で適用するための最も有望な合金の1つである。Al-Fe-Ce系アルミニウム合金、Al-Fe-V-Si系アルミニウム合金、及びAl-Fe-Mo-V系アルミニウム合金は、いずれも熱安定性があることを示している。アルミニウム合金中の析出分散としては、bcc構造のAl-Fe-Si相、立方晶構造のAl-Cu-Ce-Fe相、L12構造のAl3(Zr、Ti、V)が、高温特性を改善するためには一般的である。
これらの析出物のうち、高温で粗大化することは困難であり、転位をマイグレーションから停止させるための良好なピン止め効果を有するので、L12相が注目されている。Zrの他に、Ti、V、及び例えばSc、Er、Tm、及びYbのような希土類元素が、それらの結晶粒を微細化し、かつアルミニウムと共にL12相を形成する能力のために、アルミニウム合金に添加されてきた。
ScやTmのようにほとんどの希土類元素が高価であることはよく知られている。Erは比較的経済的である。多くの論文により、Erが、安定した高温強度のための説得力のある添加元素であることを明らかにしている。主なメカニズムは、L12相析出とその粒界のピニングであり、これは粒界拡散と過度の再結晶化を防ぐ。
希土類合金を含有する高強度合金は長い間研究されてきており、そして素晴らしい結果が米国特許出願公開第2017/0058386に開示されている。
この特許は、Er、Tm、Tb、Luのような希土類元素を添加することによってナノ相析出が強化された一種のAl-Zr系合金を明らかにしている。約2%ないし1.5%の希土類元素を添加すると、Al-Zr合金中に含有するL12相粒子ができ、その結果、その合金は300度未満でも高い強度を維持することができる。
工学に応用される材料については、加工が必要である。そのため、材料は適切な伸びを備えていなければならず、そのため材料がほんのわずかな変形で容易に破壊されなくなる。確かに、各合金の元素を添加することは、分散液の成分及び構造、製造方法に強く影響を与え、別の方法では、分散に大きな影響を与える。例えば、Al-Fe系合金は、他の合金より偏析の傾向が高い。その結果、より速い冷却速度が主な影響因子となる。製造には、平面流延、霧化等の方法が用いられる。
本開示における幾つかの実施形態は、関連技術における上述した及び/または他の問題に鑑みて開発されたものである。本開示における実施形態は、既存の方法及び/または装置を大幅に改善することができる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、熱安定性及び可塑性に優れたAl-Fe-Er系アルミニウム合金を提供することを目的とする。
本発明の幾つかの実施形態の他の目的及び利点は、以下の好ましい実施形態から明らかになる。
上記課題を解決するために、本発明の幾つかの実施形態は以下の構成を有する。
[1] Al-Fe-Er系アルミニウム合金は、Feと、Erとを含み、残部がAl及び不可避の不純物であり、Feが、約5重量%~約15重量%であり、Erが、約0.2重量%~約1.2重量%である。
[2] 前記[1]に記載のアルミニウム合金は、好ましくは、更に、Mo:1重量%~4重量%を含む。
[3] 前記[1]に記載のアルミニウム合金は、好ましくは、V:1重量%~4重量%を含む。
[4] 前記[1]に記載のアルミニウム合金は、好ましくは、更に、Zr:0重量%~4重量%を含む。
[5] 前記[1]に記載のアルミニウム合金は、好ましくは、更に、Ti:0重量%~4重量%を含む。
[6] 前記[1]に記載のアルミニウム合金は、好ましくは、更に、Mo:1重量%~4重量%と、V:1重量%~4重量%とを含む。
[7] 前記[1]に記載のアルミニウム合金は、好ましくは、更に、Mo:1重量%~4重量%と、Zr:0重量%~4重量%とを含む。
[8] 前記[1]に記載のアルミニウム合金は、好ましくは、更に、Mo:1重量%~4重量%と、Ti:0重量%~4重量%とを含む。
[9] 前記[1]に記載のアルミニウム合金は、好ましくは、更に、V:1重量%~4重量%と、Zr:0重量%~4重量%とを含む。
[10] 前記[1]に記載のアルミニウム合金は、好ましくは、更に、V:1重量%~4重量%と、Ti:0重量%~4重量%とを含む。
[11] 前記[1]に記載のアルミニウム合金は、好ましくは、更に、Zr:0重量%~4重量%と、Ti:0重量%~4重量%とを含む
[12] 前記[1]に記載のアルミニウム合金は、好ましくは、更に、Mo:1重量%~4重量%と、V:1重量%~4重量%と、Zr:0重量%~4重量%とを含む。
[13] 前記[1]に記載のアルミニウム合金は、好ましくは、更に、Mo:1重量%~4重量%と、V:1重量%~4重量%と、Ti:0重量%~4重量%とを含む。
[14] 前記[1]に記載のアルミニウム合金は、好ましくは、更に、Mo:1重量%~4重量%と、Zr:0重量%~4重量%と、Ti:0重量%~4重量%とを含む。
[15] 前記[1]に記載のアルミニウム合金は、好ましくは、更に、V:1重量%~4重量%と、Zr:0重量%~4重量%と、Ti:0重量%~4重量%とを含む。
[16] 前記[1]に記載のアルミニウム合金は、好ましくは、更に、Mo:1重量%~4重量%と、V:1重量%~4重量%と、Zr:0重量%~4重量%と、Ti:0重量%~4重量%とを含む。
前記[1]ないし[16]項に記載の本発明によれば、熱安定性及び可塑性に優れた粉末冶金用Al-Fe-Er系アルミニウム合金を提供することができる。
以下の段落では、本開示における幾つかの実施形態は、限定としてではなく例として説明する。本開示に基づいて、これらの例示された実施形態に基づいて他の様々な実施形態が当業者によってなされ得ると理解されるべきである。
一般に、高温での良好な特性の要求を満たし、密度の限度を考慮すると、粉末冶金によって製造された、より良い熱安定性のために、添加元素を有するAl-Fe-Er系合金処理L12構造は、Mo、V、Zr、及びTiを含む。
本実施形態に係るAl-Fe-Er系アルミニウム合金は、FeとErとを含み、残部がAlと不可避的不純物からなる組成を有する。FeとErは合金元素である。Feは、5重量%~15重量%程度、Erは、0.2重量%~1.2重量%程度である。
本実施形態において、アルミニウム合金の各構成成分(添加元素)の添加量(含有量)及びその効果は以下の通りである。
Feの添加量は、約5重量%から約15重量%である。Feは、高温特性を向上させる効果がある。Feの添加量が5重量%未満であると、高温引張強度が低下する。一方、Feの添加量が15重量%を超えると、伸びが低下し、可塑性が悪化する。そのため、Feの添加量は約5重量%~約15重量%であることが必要であり、より好ましくは6重量%~12重量%である。
Erの添加量は、約0.2重量%から約1.2重量%である。Erは、不純物を除去してAlを用いてL12析出物を形成することで析出促進効果を高めることで溶融物の品質を向上させる効果がある。Erの添加量が0.2重量%未満であると、溶融物が精製されにくくなり、粉末冶金による析出物が少なくなるおそれがある。一方、Erの添加量が約1.2重量%を超えると、密度が高すぎると合金は軽量車両に適さなくなる。そのため、Erの添加量は、約0.2重量%~約1.2重量%である必要があり、より好ましくは0.5重量%~1重量%である。
上記Al-Fe-Er系アルミニウム合金において、更に、1重量%~4重量%のMoを含むことが好ましい。
Moの添加量は、1重量%~4重量%である。Moは、引張強度を向上させる効果がある。Moの添加量が1重量%未満の場合、引張強度が低下する。一方、Moの添加量が4重量%を超えると、伸びが低下し、可塑性が悪化する。そのため、Moの添加量は1重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは1.5重量%~3.5重量%である。
上記のAl-Fe-Er系アルミニウム合金において、更に、1重量%~4重量%のVを含むことが好ましい。
Vの添加量は、1重量%から4重量%である。Vは、ある範囲で可塑性を向上させる効果がある。Vの添加量が1重量%未満では可塑性が低下する。一方、Vの添加量が4重量%を超えると、可塑性も低下し、これはAl-Fe-V金属間化合物の形成に起因すると考えられる。そのため、Vの添加量は1重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは1.5重量%~3.5重量%である。
上記Al-Fe-Er系アルミニウム合金において、更に、0重量%~4重量%のZrを含むことが好ましい。
Zrの添加量は、0重量%から4重量%である。Zrは、析出強化の効果を向上させる効果を有する。Zrの添加量が0重量%未満であると、析出促進が弱くなる。一方、Zrの添加量が4重量%を超えると、材料の液相線の増加は合金の製造にとって有害となる。そのため、Zrの添加量は0重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは0.5重量%~3重量%である。
上記Al-Fe-Er系アルミニウム合金において、更に、Tiを0重量%~4重量%含有することが好ましい。
Tiの添加量は0重量%~4重量%である。Tiは、析出強化により引張強度を向上させる効果がある。Tiの添加量が0重量%未満では、析出強化が弱くなる。一方、Tiの添加量が4重量%を超えると、伸びが低下し、可塑性が悪化する。そのため、Tiの添加量は0重量%~4重量%であり、より好ましくは0.5重量%~3重量%である。
上記Al-Fe-Er系アルミニウム合金において、更に、1重量%~4重量%のMoと、1重量%~4重量%のVとを含むことが好ましい。
Moの添加量は、1重量%~4重量%、Vは、1重量%~4重量%である。Moは、引張強度を向上させる効果がある。Moの添加量が1重量%未満の場合、引張強度が低下する。一方、Moの添加量が4重量%を超えると、伸びが低下し、可塑性が悪化する。このため、Moの添加量は1重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは1.5重量%~3.5重量%である。Vは、ある範囲で可塑性を向上させる効果がある。この添加量が1重量%未満では可塑性が低下する。一方、Vの添加量が4重量%を超えると、可塑性も低下し、これはAl-Fe-Mo-V金属間化合物の形成に起因すると考えられる。このため、Vの添加量は1重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは1.5重量%~3.5重量%である。
上記Al-Fe-Er系アルミニウム合金において、更に、1重量%~4重量%のMoと、0重量%~4重量%のZrとを含むことが好ましい。
Moの添加量は、1重量%~4重量%、Zrの添加量は、0重量%~4重量%である。Moは、引張強度を向上させる効果がある。Moの添加量が1重量%未満の場合、引張強度が低下する。一方、Moの添加量が4重量%を超えると、伸びが低下し、可塑性が悪化する。このため、Moの添加量は1重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは1.5重量%~3.5重量%である。Zrは、析出強化の効果を向上させる効果を有する。Zrの添加量が0重量%未満であると、析出促進が弱くなる。一方、Zrの添加量が4重量%を超えると、材料の液相線の増加は合金の製造にとって有害となる。このため、Zrの添加量は0重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは0.5重量%~3重量%である。
上記Al-Fe-Er系アルミニウム合金において、更に、1重量%~4重量%のMoと、0重量%~4重量%のTiとを含むことが好ましい。
Moの添加量は、1重量%~4重量%、Tiの添加量は、0重量%~4重量%である。Moは、引張強度を向上させる効果がある。Moの添加量が1重量%未満の場合、引張強度が低下する。一方、Moの添加量が4重量%を超えると、伸びが低下し、可塑性が悪化する。このため、Moの添加量は1重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは1.5重量%~3.5重量%である。Tiは、析出強化により引張強度を向上させる効果がある。Tiの添加量が0重量%未満では、析出強化が弱くなる。一方、Tiの添加量が4重量%を超えると、伸びが低下し、可塑性が悪化する。このため、Tiの添加量は0重量%~4重量%であり、より好ましくは0.5重量%~3重量%である。
上記Al-Fe-Er系アルミニウム合金において、更に、1重量%~4重量%のVと、0重量%~4重量%のZrとを含むことが好ましい。
Vの添加量は、1重量%~4重量%、Zrの添加量は、0重量%~4重量%である。Vは、ある範囲で可塑性を向上させる効果がある。Vの添加量が1重量%未満では可塑性が低下する。一方、Vの添加量が4重量%を超えると、可塑性も低下し、これはAl-Fe-V金属間化合物の形成に起因すると考えられる。このため、Vの添加量は1重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは1.5重量%~3.5重量%である。Zrは、析出強化の効果を向上させる効果を有する。Zrの添加量が0重量%未満であると、析出促進が弱くなる。一方、Zrの添加量が4重量%を超えると、材料の液相線の増加は合金の製造にとって有害となる。このため、Zrの添加量は、0重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは0.5重量%~3重量%である。
上記Al-Fe-Er系アルミニウム合金において、更に、1重量%~4重量%のVと、0重量%~4重量%のTiとを含むことが好ましい。
Vの添加量は、1重量%~4重量%、Tiの添加量は、0重量%~4重量%である。Vは、ある範囲で可塑性を向上させる効果がある。Vの添加量が1重量%未満では可塑性が低下する。一方、Vの添加量が4重量%を超えると、可塑性も低下し、これはAl-Fe-V金属間化合物の形成に起因すると考えられる。このため、Vの添加量は1重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは1.5重量%~3.5重量%である。Tiは、析出強化により引張強度を向上させる効果がある。Tiの添加量が0重量%未満では、析出強化が弱くなる。一方、Tiの添加量が4重量%を超えると、伸びが低下し、可塑性が悪化する。このため、Tiの添加量は0重量%~4重量%であり、より好ましくは0.5重量%~3重量%である。
上記Al-Fe-Er系アルミニウム合金において、更に、1重量%~4重量%のZrと、0重量%~4重量%のTiとを含むことが好ましい。
Zrの添加量は、0重量%~4重量%、Tiの添加量は、0重量%~4重量%である。Zrは、析出強化の効果を向上させる効果を有する。Zrの添加量が0重量%未満であると、析出促進が弱くなる。一方、Zrの添加量が4重量%を超えると、材料の液相線の増加は合金の製造にとって有害となる。このため、Zrの添加量は0重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは0.5重量%~3重量%である。Tiは、析出強化により引張強度を向上させる効果がある。Tiの添加量が0重量%未満では、析出強化が弱くなる。一方、Tiの添加量が4重量%を超えると、伸びが低下し、可塑性が悪化する。このため、Tiの添加量は0重量%~4重量%であり、より好ましくは0.5重量%~3重量%である。
上記Al-Fe-Er系アルミニウム合金において、更に、1重量%~4重量%のMoと、1重量%~4重量%のVと、0重量%~4重量%のZrとを含むことが好ましい。
Moの添加量は、1重量%~4重量%、Vは、1重量%~4重量%、Zrは、0重量%~4重量%である。Moは、引張強度を向上させる効果がある。Moの添加量が1重量%未満の場合、引張強度が低下する。一方、Moの添加量が4重量%を超えると、伸びが低下し、可塑性が悪化する。このため、Moの添加量は1重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは1.5重量%~3.5重量%である。Vは、ある範囲で可塑性を向上させる効果がある。Vの添加量が1重量%未満では可塑性が低下する。一方、Vの添加量が4重量%を超えると、可塑性も低下し、これはAl-Fe-Mo-V系金属間化合物の形成に起因すると考えられる。このため、Vの添加量は1重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは1.5重量%~3.5重量%である。Zrは、析出強化の効果を向上させる効果を有する。Zrの添加量が0重量%未満であると、析出促進が弱くなる。一方、Zrの添加量が4重量%を超えると、材料の液相線の増加は合金の製造にとって有害となる。このため、Zrの添加量は0重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは0.5重量%~3重量%である。
上記Al-Fe-Er系アルミニウム合金において、更に、1重量%~4重量%のMoと、1重量%~4重量%のVと、0重量%~4重量%のTiとを含むことが好ましい。
Moの添加量は、1重量%~4重量%、Vは、1重量%~4重量%、Tiは、0重量%~4重量%である。Moは、引張強度を向上させる効果がある。Moの添加量が1重量%未満の場合、引張強度が低下する。一方、Moの添加量が4重量%を超えると、伸びが低下し、可塑性が悪化する。このため、Moの添加量は1重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは1.5重量%~3.5重量%である。Vは、ある範囲で可塑性を向上させる効果がある。Vの添加量が1重量%未満では可塑性が低下する。一方、Vの添加量が4重量%を超えると、可塑性も低下し、これはAl-Fe-Mo-V系金属間化合物の形成に起因すると考えられる。このため、Vの添加量は1重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは1.5重量%~3.5重量%である。Tiは、析出強化により引張強度を向上させる効果がある。Tiの添加量が0重量%未満では、析出強化が弱くなる。方、Tiの添加量が4重量%を超えると、伸びが低下し、可塑性が悪化する。このため、Tiの添加量は0重量%~4重量%であり、より好ましくは0.5重量%~3重量%である。
上記Al-Fe-Er系アルミニウム合金において、更に、1重量%~4重量%のMoと、0重量%~4重量%のZrと、0重量%~4重量%のTiとを含むことが好ましい。
Moの添加量は、約1重量%~4重量%、Zrは、0重量%~4重量%、Tiは、0重量%~4重量%である。Moは、引張強度を向上させる効果がある。Moの添加量が1重量%未満の場合、引張強度が低下する。一方、Moの添加量が4重量%を超えると、伸びが低下し、可塑性が悪化する。このため、Moの添加量は1重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは1.5重量%~3.5重量%である。Zrは、析出強化の効果を向上させる効果を有する。Zrの添加量が0重量%未満であると、析出促進が弱くなる。一方、Zrの添加量が4重量%を超えると、材料の液相線の増加は合金の製造にとって有害となる。このため、Zrの添加量は0重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは0.5重量%~3重量%である。Tiは、析出強化により引張強度を向上させる効果がある。Tiの添加量が0重量%未満では、析出強化が弱くなる。一方、Tiの添加量が4重量%を超えると、伸びが低下し、可塑性が悪化する。このため、Tiの添加量は0重量%~4重量%であり、より好ましくは0.5重量%~3重量%である。
上記Al-Fe-Er系アルミニウム合金において、更に、1重量%~4重量%のVと、0重量%~4重量%のZrと、0重量%~4重量%のTiとを含むことが好ましい。
Vの添加量は、1重量%~4重量%、Zrは、0重量%~4重量%、Tiは、0重量%~4重量%である。Vは、ある範囲で可塑性を向上させる効果がある。Vの添加量が1重量%未満では可塑性が低下する。一方、Vの添加量が4重量%を超えると、可塑性も低下し、これはAl-Fe-V金属間化合物の形成に起因すると考えられる。このため、Vの添加量は1重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは1.5重量%~3.5重量%である。Zrの添加量は0重量%~4重量%である。Zrは、析出強化の効果を向上させる効果を有する。Zrの添加量が0重量%未満であると、析出促進が弱くなる。一方、Zrの添加量が4重量%を超えると、材料の液相線の増加は合金の製造にとって有害となる。このため、Zrの添加量は0重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは0.5重量%~3重量%である。Tiは、析出強化により引張強度を向上させる効果がある。Tiの添加量が0重量%未満では、析出強化が弱くなる。一方、Tiの添加量が4重量%を超えると、伸びが低下し、可塑性が悪化する。このため、Tiの添加量は0重量%~4重量%であり、より好ましくは0.5重量%~3重量%である。
上記Al-Fe-Er系アルミニウム合金において、更に、1重量%~4重量%のMoと、1重量%~4重量%のVと、0重量%~4重量%のZrと、0重量%~4重量%のTiとを含むことが好ましい。
Moの添加量は、約1重量%~4重量%、Vの添加量は、1重量%~4重量%、Zrの添加量は、0重量%~4重量%、Tiは、0重量%~4重量%である。Moは、引張強度を向上させる効果がある。Moの添加量が1重量%未満の場合、引張強度が低下する。一方、Moの添加量が4重量%を超えると、伸びが低下し、可塑性が悪化する。このため、Moの添加量は1重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは1.5重量%~3.5重量%である。Vは、ある範囲で可塑性を向上させる効果がある。Vの添加量が1重量%未満では可塑性が低下する。一方、Vの添加量が4重量%を超えると、可塑性も低下し、これはAl-Fe-Mo-V系金属間化合物の形成に起因すると考えられる。このため、Vの添加量は1重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは1.5重量%~3.5重量%である。Zrは、析出強化の効果を向上させる効果を有する。Zrの添加量が0重量%未満であると、析出促進が弱くなる。一方、Zrの添加量が4重量%を超えると、材料の液相線の増加は合金の製造にとって有害となる。このため、Zrの添加量は0重量%~4重量%であることが必要であり、より好ましくは0.5重量%~3重量%である。Tiは、析出強化により引張強度を向上させる効果がある。Tiの添加量が0重量%未満では、析出強化が弱くなる。一方、Tiの添加量が4重量%を超えると、伸びが低下し、可塑性が悪化する。このため、Tiの添加量は0重量%~4重量%であり、より好ましくは0.5重量%~3重量%である。
次に、本実施形態に係るアルミニウム合金の製造方法の一例について説明する。なお、本発明はこの製造方法に限定されないことに留意すべきである。
本実施形態に係るアルミニウム合金の製造方法は、いわゆる粉末冶金法と呼ばれるものであり、簡単にまとめると以下のようになる。
ステップ1:原料を摂氏約1,000度で溶かす。
ステップ2:溶融物を空気噴霧して粉末にし、それらの直径に応じて分離する。偏析のある質の悪い粉末を使用する場合は、直径120μmを超える粉末を除外する。
ステップ3:粉末をプレスして直径203mmのビレットにする。
ステップ4:ビレットを、例えば400℃等の適切な温度で、83mmまで押し出す。
ステップ5:材料を試験片に加工し、これを引張実験などに適用する。
[実施例]
以下、本発明に係る実施例及び実施例と比較するための比較例について説明する。
Figure 0007190286000001
表1に、実施例1~16及び比較例17~19のアルミニウム合金材料(試料)の組成成分をその伸び、評価、密度、評価及び総合評価と共に示す。
[引張強度実験の詳細]
試料を調製し、続いてASTM-R3を用いて引張強度実験を室温で1mm/分の伸び速度で試験した。
[密度測定と計算の詳細]
密度はアルキメデスの原理によって、重さを体積で割って測定する。
比較合金の密度の計算に関しては、それらはおよそErの添加量(0と1%)と各サンプルの重さによって決定される線形方程式によって仮定した。
表1の結果から明らかなように、Fe、Er、Mo、V、Zr、Tiの添加量を本発明の特定範囲及び好ましい範囲内で適宜調整した実施例1~16のアルミニウム合金において、総合評価は良かった。
一方、Er添加量が本発明の特定範囲外である比較例17~19に示すように、総合評価は不良であった。
本発明の実施において、より良い特性を達成するために多くの合金が試みられた。多くの要因が考慮された。それが表に示されているように、高温引張強度の他に、加工能力の伸び、軽量の密度もまた、測定要因の一つである。
比較的安価な希土類元素であるErは、溶融物の不純物を除去することができるだけでなく、Alと一緒にL12構造化合物を形成することができることから、添加元素として考えられる主なものである。
Erを合金から除外すると、微量の不純物が残留するために伸びが3%に減少し、加工中に破断しにくくなる。Erを添加すると、高温引張強度は低下するが、伸びは改善され、そしてより良い加工能力をもたらす。
しかしながら、添加量が増加すると、Erは8.795 g/cmの重金属であるため、密度も急激に増加し、2.7g/cmのAlと比較する。明らかに、大量のErは軽量の要件に適合しない。
本明細書で使用される用語及び表現は説明のために使用されるものであり、限られた方法に解釈するために使用する意図はなく、ここに示され言及された特徴と同等のものを排除せず、本発明の特許請求の範囲内に包含される様々な変更を可能にするものであることを理解されたい。

Claims (8)

  1. Feと、
    Erとを含み、
    残部がAl及び不可避の不純物であり、
    Feが、重量%~5重量%であり、
    Erが、.2重量%~.2重量%であり、
    金属組織としてL12相を有している
    ことを特徴とする、Al-Fe-Er系アルミニウム合金。
  2. Feと、
    Erとを含み、
    残部がAl及び不可避の不純物であり、
    Feが、5重量%~15重量%であり、
    Erが、0.2重量%~1.2重量%であり、
    金属粉末の圧縮成型品によって構成されている
    ことを特徴とする、Al-Fe-Er系アルミニウム合金。
  3. 更に、Mo:1重量%~4重量%を含む、
    請求項1または2に記載のアルミニウム合金。
  4. 更に、V:1重量%~4重量%を含む、
    請求項1~3のいずれか1項に記載のアルミニウム合金。
  5. 更に、Zr:0重量%4重量%以下を含む、
    請求項1~4のいずれか1項に記載のアルミニウム合金。
  6. 更に、Ti:0重量%4重量%以下を含む、
    請求項1~4のいずれか1項に記載のアルミニウム合金。
  7. 更に、Zr:0重量%超4重量%以下と、
    Ti:0重量%超4重量%以下とを含む、
    請求項3または4に記載のアルミニウム合金。
  8. Feと、Erとを含み、残部がAl及び不可避の不純物であり、Feが、5重量%~15重量%であり、Erが、0.2重量%~1.2重量%であるAl-Fe-Er系アルミニウム合金の製造方法であって、
    粉末冶金法を用いて製造するようにした
    ことを特徴とする、Al-Fe-Er系アルミニウム合金の製造方法。
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