JP3332615B2 - TiAl系金属間化合物基合金及びその製造方法 - Google Patents
TiAl系金属間化合物基合金及びその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発電用ガスタービン、航
空機用エンジン等に用いるのに適した高強度、高温耐酸
化性TiAl系金属間化合物基合金及びその製造方法に
関する。
空機用エンジン等に用いるのに適した高強度、高温耐酸
化性TiAl系金属間化合物基合金及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】金属間化合物TiAlを主相とする合金
は従来のTi合金と比べると軽量、高強度であり、約7
00℃程度までは耐酸化性も良好であるとの好ましい特
性を有しているため、タービンブレード、タービンロー
タ等の高温環境下において遠心応力が主応力となる部
位、すなわち材料特性として比強度(比重で規格化した
強度)が要求される部位に適用できるのではないかと期
待されてきた。これらの部位には現状超合金が用いられ
ていることから、TiAl系金属間化合物が超合金の代
替材として用いられるためには、前提として比強度が超
合金を上回る必要がある。また高温環境下で使用される
ことから耐酸化性が良好である必要がある。
は従来のTi合金と比べると軽量、高強度であり、約7
00℃程度までは耐酸化性も良好であるとの好ましい特
性を有しているため、タービンブレード、タービンロー
タ等の高温環境下において遠心応力が主応力となる部
位、すなわち材料特性として比強度(比重で規格化した
強度)が要求される部位に適用できるのではないかと期
待されてきた。これらの部位には現状超合金が用いられ
ていることから、TiAl系金属間化合物が超合金の代
替材として用いられるためには、前提として比強度が超
合金を上回る必要がある。また高温環境下で使用される
ことから耐酸化性が良好である必要がある。
【0003】TiAl系に限らず金属間化合物は通常の
金属材料と較べると延性が乏しいことから、従来の研究
は常温延性の向上に主眼を置いてなされてきた。今日ま
で最もよいとされているTiAl系金属間化合物基合金
の組成はAl濃度を48原子%程度と化学量論組成より
若干少なくし、添加成分としてV,Mn,Cr,Nb等
を単独で、あるいは複合して2〜5原子%程度添加する
ものである。また組織は1300℃付近のα+γ域の熱
処理で形成されるγ粒とラメラー(γ相とα2相の層状
組織)粒の比率がほぼ半々のいわゆる二重(duplex) 組
織が最もよいとされている。しかしながら上記組織の高
温強度は低く、例えば800℃の強度は約40Kgf/
mm2 である。一方、代表的な超合金であるインコネル
713Cの800℃の強度は約90Kgf/mm2 であ
ることから、TiAlは軽量であるにも係わらず(Ti
Al:比重3.8、インコネル713C:比重7.
9)、比強度では超合金に劣るため、超合金の代替材と
はなり得ないといえる。
金属材料と較べると延性が乏しいことから、従来の研究
は常温延性の向上に主眼を置いてなされてきた。今日ま
で最もよいとされているTiAl系金属間化合物基合金
の組成はAl濃度を48原子%程度と化学量論組成より
若干少なくし、添加成分としてV,Mn,Cr,Nb等
を単独で、あるいは複合して2〜5原子%程度添加する
ものである。また組織は1300℃付近のα+γ域の熱
処理で形成されるγ粒とラメラー(γ相とα2相の層状
組織)粒の比率がほぼ半々のいわゆる二重(duplex) 組
織が最もよいとされている。しかしながら上記組織の高
温強度は低く、例えば800℃の強度は約40Kgf/
mm2 である。一方、代表的な超合金であるインコネル
713Cの800℃の強度は約90Kgf/mm2 であ
ることから、TiAlは軽量であるにも係わらず(Ti
Al:比重3.8、インコネル713C:比重7.
9)、比強度では超合金に劣るため、超合金の代替材と
はなり得ないといえる。
【0004】従来技術の組成においては二重組織以外に
も、1200℃以下のγ域の熱処理で形成されるγ粒が
大半を占める組織、あるいは1400℃程度のα域の熱
処理で形成される1〜3mmの粗大なラメラー粒のみで
構成される組織があるが、前者ではラメラーがないため
高温強度は二重組織よりも更に低い。また後者では高温
の硬さは高いが、脆く劈開破壊し易いため、材料が潜在
的にもっている強度を発揮する前に破壊に至るため、結
果として同様に高温強度は低い。更に従来技術の組成で
は耐酸化性は800℃を越えると急激に劣化するため、
この点からも使用可能温度に制約を受ける。
も、1200℃以下のγ域の熱処理で形成されるγ粒が
大半を占める組織、あるいは1400℃程度のα域の熱
処理で形成される1〜3mmの粗大なラメラー粒のみで
構成される組織があるが、前者ではラメラーがないため
高温強度は二重組織よりも更に低い。また後者では高温
の硬さは高いが、脆く劈開破壊し易いため、材料が潜在
的にもっている強度を発揮する前に破壊に至るため、結
果として同様に高温強度は低い。更に従来技術の組成で
は耐酸化性は800℃を越えると急激に劣化するため、
この点からも使用可能温度に制約を受ける。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の事情に
鑑みてなされたものであり、高温強度を改善した高温耐
酸化性TiAl系金属間化合物基合金及びその製法を提
供しようとするものである。
鑑みてなされたものであり、高温強度を改善した高温耐
酸化性TiAl系金属間化合物基合金及びその製法を提
供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者はTiAl系金
属間化合物基合金の高温強度を向上させるためには、粒
径100μm以下の微細なラメラー粒で組織を構成させ
ればよく、このためにはラメラー粒とラメラー粒との間
に微細な第2相を分散させればよいと考え、添加成分、
並びに熱処理条件を検討した。そしてこの結果、Al濃
度を44〜47原子%と従来技術より少なくし、Crを
1〜3原子%を添加した材料の1300〜1400℃に
おいて従来技術の組成では存在しないα+β域があるこ
とを、そしてまたこの領域で熱処理すれば上記組織は実
現できることを把握した。更に耐酸化性向上のための添
加成分を検討した結果、Nbの添加が有効であることを
把握した。
属間化合物基合金の高温強度を向上させるためには、粒
径100μm以下の微細なラメラー粒で組織を構成させ
ればよく、このためにはラメラー粒とラメラー粒との間
に微細な第2相を分散させればよいと考え、添加成分、
並びに熱処理条件を検討した。そしてこの結果、Al濃
度を44〜47原子%と従来技術より少なくし、Crを
1〜3原子%を添加した材料の1300〜1400℃に
おいて従来技術の組成では存在しないα+β域があるこ
とを、そしてまたこの領域で熱処理すれば上記組織は実
現できることを把握した。更に耐酸化性向上のための添
加成分を検討した結果、Nbの添加が有効であることを
把握した。
【0007】本発明は以上の検討結果に基づいてなされ
たもので、次の構成を有する。 (1)Ti濃度:42〜48原子%、Al濃度:44〜
47原子%、Nb濃度:6〜10原子%、Cr濃度:1
〜3原子%を含有し、粒径:100μm以下の微細なラ
メラー粒が発達していることを特徴とする高強度、高温
耐酸化性TiAl系金属間化合物基合金。 (2)Ti濃度:42〜48原子%、Al濃度:44〜
47原子%、Nb濃度:6〜10原子%、Cr濃度:1
〜3原子%を含有する合金の鍛造素材を1300〜14
00℃の範囲で熱処理し、微細なラメラー粒を発達させ
ることを特徴とする高強度、高温耐酸化性TiAl系金
属間化合物基合金の製造方法。
たもので、次の構成を有する。 (1)Ti濃度:42〜48原子%、Al濃度:44〜
47原子%、Nb濃度:6〜10原子%、Cr濃度:1
〜3原子%を含有し、粒径:100μm以下の微細なラ
メラー粒が発達していることを特徴とする高強度、高温
耐酸化性TiAl系金属間化合物基合金。 (2)Ti濃度:42〜48原子%、Al濃度:44〜
47原子%、Nb濃度:6〜10原子%、Cr濃度:1
〜3原子%を含有する合金の鍛造素材を1300〜14
00℃の範囲で熱処理し、微細なラメラー粒を発達させ
ることを特徴とする高強度、高温耐酸化性TiAl系金
属間化合物基合金の製造方法。
【0008】
【作用】以下、本発明に係わる合金における各成分の作
用並びに限定理由及び熱処理温度の限定理由を示す。
用並びに限定理由及び熱処理温度の限定理由を示す。
【0009】(1)Ti Tiは本発明合金の主要構成元素である。Ti濃度が4
2原子%未満になるとラメラー粒の比率が少なくなるた
め高温強度は低い。一方、Ti濃度が48原子%を超え
るとラメラー粒微細化のための第2相の比率が増加し過
ぎるため、ラメラー粒が減少し高温強度は低くなる。
2原子%未満になるとラメラー粒の比率が少なくなるた
め高温強度は低い。一方、Ti濃度が48原子%を超え
るとラメラー粒微細化のための第2相の比率が増加し過
ぎるため、ラメラー粒が減少し高温強度は低くなる。
【0010】(2)Al Alは本発明合金の主要構成元素である。Al濃度が4
4原子%未満になるとラメラー粒微細化のための第2相
の比率が増加し過ぎるため、ラメラー粒が減少し高温強
度は低くなる。一方、Al濃度が47原子%を超えると
従来技術の合金と同様にラメラー粒の比率が少なくなる
ため高温強度は低くなる。
4原子%未満になるとラメラー粒微細化のための第2相
の比率が増加し過ぎるため、ラメラー粒が減少し高温強
度は低くなる。一方、Al濃度が47原子%を超えると
従来技術の合金と同様にラメラー粒の比率が少なくなる
ため高温強度は低くなる。
【0011】(3)Nb 耐酸化性を向上させるための添加成分である。Nb濃度
が6原子%未満では添加効果が認められない。一方、N
b濃度が10原子%を超えると添加量が多過ぎ逆に耐酸
化性が低下する。
が6原子%未満では添加効果が認められない。一方、N
b濃度が10原子%を超えると添加量が多過ぎ逆に耐酸
化性が低下する。
【0012】(4)Cr 第2相を安定化させラメラー粒を微細化する作用をも
つ。Cr濃度が1原子%未満では添加効果が認められな
い。一方、Cr濃度が3原子%を超えると第2相の割合
が多くなり過ぎ、ラメラー粒の比率が減少するため高温
強度が低下する。
つ。Cr濃度が1原子%未満では添加効果が認められな
い。一方、Cr濃度が3原子%を超えると第2相の割合
が多くなり過ぎ、ラメラー粒の比率が減少するため高温
強度が低下する。
【0013】(5)熱処理温度 本発明に係わる合金では鍛造素材の熱処理はα+β域で
行い、ラメラーを発達させると同時に、微細な第2相を
分散させてラメラー粒の粒径を100μm以下にするこ
とを目的として行う。1300℃未満ではα+β+γ域
であり、γ粒の割合が多くなるため従来技術の合金と同
様に高温強度は低い。一方、1400℃を超えるとα単
相域であり、第2相がないため従来技術の合金を140
0℃を超える温度で熱処理する場合と同様に粗大なラメ
ラー粒で構成されるため脆くなり、高温強度も低下す
る。
行い、ラメラーを発達させると同時に、微細な第2相を
分散させてラメラー粒の粒径を100μm以下にするこ
とを目的として行う。1300℃未満ではα+β+γ域
であり、γ粒の割合が多くなるため従来技術の合金と同
様に高温強度は低い。一方、1400℃を超えるとα単
相域であり、第2相がないため従来技術の合金を140
0℃を超える温度で熱処理する場合と同様に粗大なラメ
ラー粒で構成されるため脆くなり、高温強度も低下す
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。純
度99.8%のTi、純度99.9%のAl、Nb、及
びCrを原料として用い、高周波溶解によって表Aに示
す組成のインゴットを作製した。次にこのインゴットに
1200℃×3hの熱処理を施した後、1025℃にお
いて初期高さの1/3まで自由鍛造を行って鍛造素材を
作製した。
度99.8%のTi、純度99.9%のAl、Nb、及
びCrを原料として用い、高周波溶解によって表Aに示
す組成のインゴットを作製した。次にこのインゴットに
1200℃×3hの熱処理を施した後、1025℃にお
いて初期高さの1/3まで自由鍛造を行って鍛造素材を
作製した。
【0015】この鍛造素材を表Aに示す種々の温度で熱
処理した後、機械加工により平行部の直径5mm、標点
間距離22mmの丸棒状試験片を加工して引張り試験を
実施した。引張り試験温度は800℃である。また15
mm×20mm×2mmの平板状の酸化試験片を切り出
し、エメリー紙で1000番まで研磨した後、酸化試験
を行った。試験温度は900℃であり大気中で100時
間保持した後の酸化増量により耐酸化性を評価した。
処理した後、機械加工により平行部の直径5mm、標点
間距離22mmの丸棒状試験片を加工して引張り試験を
実施した。引張り試験温度は800℃である。また15
mm×20mm×2mmの平板状の酸化試験片を切り出
し、エメリー紙で1000番まで研磨した後、酸化試験
を行った。試験温度は900℃であり大気中で100時
間保持した後の酸化増量により耐酸化性を評価した。
【0016】例1〜3は従来技術の合金であり、Ti:
50原子%、Al:48原子%、Cr:2原子%を含有
する合金の1200℃、1300℃及び1400℃で熱
処理したものの結果であるが、引張り強度はいずれも4
4Kgf/mm2 以下と低かった。また耐酸化性につい
ても酸化増量が23mg/cm2 以上と不十分であっ
た。
50原子%、Al:48原子%、Cr:2原子%を含有
する合金の1200℃、1300℃及び1400℃で熱
処理したものの結果であるが、引張り強度はいずれも4
4Kgf/mm2 以下と低かった。また耐酸化性につい
ても酸化増量が23mg/cm2 以上と不十分であっ
た。
【0017】例4〜7は本発明に係わる合金であり、T
i:42原子%、Al:47原子%、Nb:10原子
%、Cr:1原子%を含有する合金の1280℃、13
20℃、1380℃、1420℃で熱処理したものの結
果である。1320℃、1380℃熱処理後では引張り
強度は62Kgf/mm2 以上と高かった。一方128
0℃、1420℃熱処理後では引張り強度は50Kgf
/mm2 以下と1320℃、1380℃熱処理後に比べ
ると低かった。また耐酸化性は酸化増量がいずれも3.
6mg/cm2 以下と例1〜3の従来技術の合金と比較
すると大幅に優れていた。
i:42原子%、Al:47原子%、Nb:10原子
%、Cr:1原子%を含有する合金の1280℃、13
20℃、1380℃、1420℃で熱処理したものの結
果である。1320℃、1380℃熱処理後では引張り
強度は62Kgf/mm2 以上と高かった。一方128
0℃、1420℃熱処理後では引張り強度は50Kgf
/mm2 以下と1320℃、1380℃熱処理後に比べ
ると低かった。また耐酸化性は酸化増量がいずれも3.
6mg/cm2 以下と例1〜3の従来技術の合金と比較
すると大幅に優れていた。
【0018】例8〜11は本発明に係わる合金であり、
Ti:45原子%、Al:45原子%、Nb:8原子
%、Cr:2原子%を含有する合金の1280℃、13
20℃、1380℃、1420℃で熱処理したものの結
果である。1320℃、1380℃熱処理後では引張り
強度は65Kgf/mm2 以上と高かった。一方128
0℃、1420℃熱処理後では引張り強度は52Kgf
/mm2 以下と1320℃、1380℃熱処理後に比べ
ると低かった。また耐酸化性は酸化増量がいずれも2.
8mg/cm2 以下と従来技術の合金と比較すると大幅
に優れていた。
Ti:45原子%、Al:45原子%、Nb:8原子
%、Cr:2原子%を含有する合金の1280℃、13
20℃、1380℃、1420℃で熱処理したものの結
果である。1320℃、1380℃熱処理後では引張り
強度は65Kgf/mm2 以上と高かった。一方128
0℃、1420℃熱処理後では引張り強度は52Kgf
/mm2 以下と1320℃、1380℃熱処理後に比べ
ると低かった。また耐酸化性は酸化増量がいずれも2.
8mg/cm2 以下と従来技術の合金と比較すると大幅
に優れていた。
【0019】例12〜15は本発明に係わる合金であ
り、Ti:48原子%、Al:44原子%、Nb:6原
子%、Cr:2原子%を含有する合金の1280℃、1
320℃、1380℃、1420℃で熱処理したものの
結果である。1320℃、1380℃熱処理後では引張
り強度は59Kgf/mm2 以上と高かった。一方12
80℃、1420℃熱処理後では引張り強度は46Kg
f/mm2 以下と1320℃、1380℃熱処理後に比
べると低かった。また耐酸化性は酸化増量がいずれも
3.6mg/cm2 以下と従来技術の合金と比較すると
大幅に優れていた。
り、Ti:48原子%、Al:44原子%、Nb:6原
子%、Cr:2原子%を含有する合金の1280℃、1
320℃、1380℃、1420℃で熱処理したものの
結果である。1320℃、1380℃熱処理後では引張
り強度は59Kgf/mm2 以上と高かった。一方12
80℃、1420℃熱処理後では引張り強度は46Kg
f/mm2 以下と1320℃、1380℃熱処理後に比
べると低かった。また耐酸化性は酸化増量がいずれも
3.6mg/cm2 以下と従来技術の合金と比較すると
大幅に優れていた。
【0020】例16〜19は本発明に係わる合金であ
り、Ti:45原子%、Al:45原子%、Nb:7原
子%、Cr:3原子%を含有する合金の1280℃、1
320℃、1380℃、1420℃で熱処理したものの
結果である。1320℃、1380℃熱処理後では引張
り強度は58Kgf/mm2 以上と高かった。一方12
80℃、1420℃熱処理後では引張り強度は48Kg
f/mm2 以下と1320℃、1380℃熱処理後に比
べると低かった。また耐酸化性は酸化増量がいずれも
3.1mg/cm2 以下と従来技術の合金と比較すると
大幅に優れていた。
り、Ti:45原子%、Al:45原子%、Nb:7原
子%、Cr:3原子%を含有する合金の1280℃、1
320℃、1380℃、1420℃で熱処理したものの
結果である。1320℃、1380℃熱処理後では引張
り強度は58Kgf/mm2 以上と高かった。一方12
80℃、1420℃熱処理後では引張り強度は48Kg
f/mm2 以下と1320℃、1380℃熱処理後に比
べると低かった。また耐酸化性は酸化増量がいずれも
3.1mg/cm2 以下と従来技術の合金と比較すると
大幅に優れていた。
【0021】例20、21はTi濃度が本発明の請求範
囲外のものの結果であるが、1380℃熱処理後におい
て引張り強度は53Kgf/mm2 以下と低かった。な
お耐酸化性は酸化増量が3.5mg/cm2 以下と従来
技術の合金と比較すると大幅に優れていた。
囲外のものの結果であるが、1380℃熱処理後におい
て引張り強度は53Kgf/mm2 以下と低かった。な
お耐酸化性は酸化増量が3.5mg/cm2 以下と従来
技術の合金と比較すると大幅に優れていた。
【0022】例22、23はAl濃度が本発明の請求範
囲外のものの結果であるが、1380℃熱処理後におい
て引張り強度は51Kgf/mm2 以下と低かった。な
お耐酸化性は酸化増量が3.0mg/cm2 以下と従来
技術の合金と比較すると大幅に優れていた。
囲外のものの結果であるが、1380℃熱処理後におい
て引張り強度は51Kgf/mm2 以下と低かった。な
お耐酸化性は酸化増量が3.0mg/cm2 以下と従来
技術の合金と比較すると大幅に優れていた。
【0023】例24、25はNb濃度が本発明の請求範
囲外のものの結果であるが、1380℃熱処理後におい
て引張り強度は59Kgf/mm2 以上と高かった。し
かしながら耐酸化性は酸化増量が6.9mg/cm2 以
上と本発明の合金と比較すると劣っていた。
囲外のものの結果であるが、1380℃熱処理後におい
て引張り強度は59Kgf/mm2 以上と高かった。し
かしながら耐酸化性は酸化増量が6.9mg/cm2 以
上と本発明の合金と比較すると劣っていた。
【0024】例26、27はCr濃度が本発明の請求範
囲外のものの結果であるが、1380℃熱処理後におい
て引張り強度は53Kgf/mm2 以下と低かった。な
お耐酸化性は酸化増量が2.5mg/cm2 以下と従来
技術の合金と比較すると大幅に優れていた。
囲外のものの結果であるが、1380℃熱処理後におい
て引張り強度は53Kgf/mm2 以下と低かった。な
お耐酸化性は酸化増量が2.5mg/cm2 以下と従来
技術の合金と比較すると大幅に優れていた。
【0025】
【表1】
【0026】以下、異なる相領域で熱処理した場合の金
属組織の違いを光学顕微鏡写真で示す。図1は例8の金
属組織であり、Ti:45原子%、Al:45原子%、
Nb:8原子%、Cr:2原子%を含有する合金をα+
β+γ域である1280℃で熱処理した場合の金属組織
である。ラメラーは層状に見える組織であるが、この場
合ラメラー粒が占める比率は半分以下と少ないことがわ
かる。
属組織の違いを光学顕微鏡写真で示す。図1は例8の金
属組織であり、Ti:45原子%、Al:45原子%、
Nb:8原子%、Cr:2原子%を含有する合金をα+
β+γ域である1280℃で熱処理した場合の金属組織
である。ラメラーは層状に見える組織であるが、この場
合ラメラー粒が占める比率は半分以下と少ないことがわ
かる。
【0027】図2は例10の金属組織であり図1と同じ
組成の合金をα+β域である1380℃で熱処理した場
合の金属組織である。ほとんどがラメラー粒で占められ
ており、ラメラー粒とラメラー粒の間に微細な第2相が
存在していることが分かる。また、ラメラー粒の粒径は
約50μmと非常に微細であることが分かる。
組成の合金をα+β域である1380℃で熱処理した場
合の金属組織である。ほとんどがラメラー粒で占められ
ており、ラメラー粒とラメラー粒の間に微細な第2相が
存在していることが分かる。また、ラメラー粒の粒径は
約50μmと非常に微細であることが分かる。
【0028】図3は例11の金属組織であり図1と同じ
組成の合金をα域である1420℃で熱処理した場合の
金属組織である。全面が2mm程度の粗大なラメラー粒
のみで構成されていることが分かる。
組成の合金をα域である1420℃で熱処理した場合の
金属組織である。全面が2mm程度の粗大なラメラー粒
のみで構成されていることが分かる。
【0029】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、ター
ビンブレード、タービンロータ等の高温環境下において
遠心応力が主応力となる部位、すなわち材料特性として
比強度(比重で規格化した強度)が要求される部位に適
用するに適した高強度、高温耐酸化性TiAl系金属間
化合物基合金が提供できる。
ビンブレード、タービンロータ等の高温環境下において
遠心応力が主応力となる部位、すなわち材料特性として
比強度(比重で規格化した強度)が要求される部位に適
用するに適した高強度、高温耐酸化性TiAl系金属間
化合物基合金が提供できる。
【図1】本発明の実施例において製造した例8のTiA
l系金属間化合物基合金(比較例)の金属組織を示す光
学顕微鏡写真。
l系金属間化合物基合金(比較例)の金属組織を示す光
学顕微鏡写真。
【図2】本発明の実施例において製造した例10のTi
Al系金属間化合物基合金(実施例)の金属組織を示す
光学顕微鏡写真。
Al系金属間化合物基合金(実施例)の金属組織を示す
光学顕微鏡写真。
【図3】本発明の実施例において製造した例11のTi
Al系金属間化合物基合金(比較例)の金属組織を示す
光学顕微鏡写真。
Al系金属間化合物基合金(比較例)の金属組織を示す
光学顕微鏡写真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 14/00 C22F 1/18
Claims (2)
- 【請求項1】 Ti濃度:42〜48原子%、Al濃
度:44〜47原子%、Nb濃度:6〜10原子%、C
r濃度:1〜3原子%を含有し、粒径:100μm以下
の微細なラメラー粒が発達していることを特徴とする高
強度、高温耐酸化性TiAl系金属間化合物基合金。 - 【請求項2】 Ti濃度:42〜48原子%、Al濃
度:44〜47原子%、Nb濃度:6〜10原子%、C
r濃度:1〜3原子%を含有する合金の鍛造素材を13
00〜1400℃の範囲で熱処理し、微細なラメラー粒
を発達させることを特徴とする高強度、高温耐酸化性T
iAl系金属間化合物基合金の製造方法。
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- 1994-10-25 JP JP28395294A patent/JP3332615B2/ja not_active Expired - Fee Related
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