JP2569710B2 - 常温靱性を有するTi−A▲l▼系金属間化合物型鋳造合金 - Google Patents
常温靱性を有するTi−A▲l▼系金属間化合物型鋳造合金Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、常温靭性を有し、かつ軽量にして、高温
強度および耐熱性にすぐれたTi−Al系金属間化合物型鋳
造合金に関するものである。
強度および耐熱性にすぐれたTi−Al系金属間化合物型鋳
造合金に関するものである。
近年、軽量にして、高温強度および耐熱性にすぐれた
鋳造合金として、例えば米国特許第4294615号明細書に
記載されるように、 Al:30〜36%、 を含有し、さらに必要に応じて、 V:4%以下、 を含有し、残りがTiと不可避不純物からなる組成(以上
重量%、以下%は重量%を示す)を有するTi−Al系金属
間化合物型鋳造合金が提案されている。
鋳造合金として、例えば米国特許第4294615号明細書に
記載されるように、 Al:30〜36%、 を含有し、さらに必要に応じて、 V:4%以下、 を含有し、残りがTiと不可避不純物からなる組成(以上
重量%、以下%は重量%を示す)を有するTi−Al系金属
間化合物型鋳造合金が提案されている。
上記の通り、上記従来Ti−Al系金属間化合物型鋳造合
金は、すぐれた特性を有するので、これらの特性が要求
される、例えば自動車や特殊車輌の過給器用タービンホ
イールやガスタービンのタービンブレードなどの製造に
適用する試みがなされたが、この合金は常温において非
常に脆いために、実用化が不可能であるのが現状であ
る。
金は、すぐれた特性を有するので、これらの特性が要求
される、例えば自動車や特殊車輌の過給器用タービンホ
イールやガスタービンのタービンブレードなどの製造に
適用する試みがなされたが、この合金は常温において非
常に脆いために、実用化が不可能であるのが現状であ
る。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、特に
上記の従来Ti−Al系金属間化合物型鋳造合金に着目し、
これに常温靭性を付与すべく研究を行なった結果、上記
従来Ti−Al系金属間化合物型鋳造合金においては、組織
がTiAl単相、あるいはTiAl相とTi3Al相の2相混合組織
を有し、破壊が粒界にそって進行するので脆いが、これ
に合金成分としてReを添加含有させると、前記組織を保
持した状態で、粒界が強化されるようになり、この結果
合金は靭性をもつようになるという知見を得たのであ
る。
上記の従来Ti−Al系金属間化合物型鋳造合金に着目し、
これに常温靭性を付与すべく研究を行なった結果、上記
従来Ti−Al系金属間化合物型鋳造合金においては、組織
がTiAl単相、あるいはTiAl相とTi3Al相の2相混合組織
を有し、破壊が粒界にそって進行するので脆いが、これ
に合金成分としてReを添加含有させると、前記組織を保
持した状態で、粒界が強化されるようになり、この結果
合金は靭性をもつようになるという知見を得たのであ
る。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたもので、 Al:30〜38%、Re:0.01〜3%、 を含有し、さらに必要に応じて、 (a) Si:0.01〜1%および/またはC:0.01〜0.2%、 (b) Ta,Zn,Nb,Zr、およびHfのうちの1種または2
種以上:0.1〜5%未満、 以上(a)および(b)のいずれか、あるいは両方を
含有し、残りがTiと不可避不純物からなる組成をもった
常温靭性を有するTi−Al系金属間化合物型鋳造合金に特
徴を有するものである。
種以上:0.1〜5%未満、 以上(a)および(b)のいずれか、あるいは両方を
含有し、残りがTiと不可避不純物からなる組成をもった
常温靭性を有するTi−Al系金属間化合物型鋳造合金に特
徴を有するものである。
つぎに、この発明の鋳造合金において、成分組成を上
記の通りに限定した理由を説明する。
記の通りに限定した理由を説明する。
(a) Al その含有量が30%未満では、相対的にTiの含有量が多
くなって、TiAlマトリックス相に対するTi3Al相が多く
なりすぎ、一方その含有量が38%を越えると、TiAl相中
のAl濃度が高くなり、場合によってはTiAl2相が析出す
るようになり、いずれの場合も合金は著しく硬化し、脆
化するようになることから、その含有量を30〜38%と定
めた。
くなって、TiAlマトリックス相に対するTi3Al相が多く
なりすぎ、一方その含有量が38%を越えると、TiAl相中
のAl濃度が高くなり、場合によってはTiAl2相が析出す
るようになり、いずれの場合も合金は著しく硬化し、脆
化するようになることから、その含有量を30〜38%と定
めた。
(b) Re Re成分には、上記の通り粒界を強化し、もって合金が
靭性を具備するようになる作用があるが、その含有量が
0.01%未満では所望の靭性付与効果が得られず、一方そ
の含有量が3%を越えるとマトリックス組織が影響され
るようになり、合金脆化の原因となることから、その含
有量を0.01〜3%と定めた。
靭性を具備するようになる作用があるが、その含有量が
0.01%未満では所望の靭性付与効果が得られず、一方そ
の含有量が3%を越えるとマトリックス組織が影響され
るようになり、合金脆化の原因となることから、その含
有量を0.01〜3%と定めた。
(c) SiおよびC これらの成分には、Reとの共存において粒界強化を一
段と促進する作用があるので、必要に応じて含有される
が、その含有量がそれぞれ0.01%未満では、所望の粒界
強化促進作用が得られず、一方、その含有量がSi:1%、
C:0.2%をそれぞれ越えると、合金が脆化するようにな
ることから、その含有量をSi:0.01〜1%、C:0.01〜0.2
%と定めた。
段と促進する作用があるので、必要に応じて含有される
が、その含有量がそれぞれ0.01%未満では、所望の粒界
強化促進作用が得られず、一方、その含有量がSi:1%、
C:0.2%をそれぞれ越えると、合金が脆化するようにな
ることから、その含有量をSi:0.01〜1%、C:0.01〜0.2
%と定めた。
(d) Ta,Zn,Nb,ZrおよびHf(以下、これらを総称し
て強度向上成分という) これらの成分には、合金の強度を向上させる作用があ
るので、必要に応じて含有されるが、その含有量が0.1
%未満では所望の強度向上効果が得られず、一方その含
有量が5%以上になると常温靭性が低下するようになる
ことから、その含 有量を0.1〜5%未満と定めた。
て強度向上成分という) これらの成分には、合金の強度を向上させる作用があ
るので、必要に応じて含有されるが、その含有量が0.1
%未満では所望の強度向上効果が得られず、一方その含
有量が5%以上になると常温靭性が低下するようになる
ことから、その含 有量を0.1〜5%未満と定めた。
つぎに、この発明の鋳造合金を実施例により具体的に
説明する。
説明する。
通常のアーク溶解炉を用い、Ar雰囲気中でそれぞれ第
1表に示される組成を有する合金溶湯を調製し、セラミ
ックス鋳型に遠心鋳造して直径:12mm×長さ:70mmの寸法
をもった本発明鋳造合金1〜12および従来鋳造合金1〜
5をそれぞれ製造した。
1表に示される組成を有する合金溶湯を調製し、セラミ
ックス鋳型に遠心鋳造して直径:12mm×長さ:70mmの寸法
をもった本発明鋳造合金1〜12および従来鋳造合金1〜
5をそれぞれ製造した。
ついで、この結果得られた各種の鋳造丸棒から、機械
加工にて直径:6mm×30mmの標点間距離を有する試験片を
切出し、常温引張試験に供し、引張強さと伸びを測定
し、常温強度と常温靭性を評価した。これらの結果を第
1表に示した。
加工にて直径:6mm×30mmの標点間距離を有する試験片を
切出し、常温引張試験に供し、引張強さと伸びを測定
し、常温強度と常温靭性を評価した。これらの結果を第
1表に示した。
第1表に示される結果から、本発明鋳造合金1〜12
は、いずれもReの含有によって常温靭性を有し、かつ従
来鋳造合金1〜5と同等あるいはこれ以上の常温強度を
有するのに対して、従来鋳造合金1〜5は、いずれもほ
とんど靭性を具備せず、脆いものであることが明らかで
ある。
は、いずれもReの含有によって常温靭性を有し、かつ従
来鋳造合金1〜5と同等あるいはこれ以上の常温強度を
有するのに対して、従来鋳造合金1〜5は、いずれもほ
とんど靭性を具備せず、脆いものであることが明らかで
ある。
上述のように、この発明のTi−Al系金属間化合物型鋳
造合金は、従来Ti−Al系金属間化合物型鋳造合金と同等
の軽量にして、高温強度および耐熱性にすぐれた特性を
具備した上で、さらに常温靭性を有するので、これらの
特性が要求される各種のタービンホイールやタービンブ
レードなどへの実用化を可能とするものである。
造合金は、従来Ti−Al系金属間化合物型鋳造合金と同等
の軽量にして、高温強度および耐熱性にすぐれた特性を
具備した上で、さらに常温靭性を有するので、これらの
特性が要求される各種のタービンホイールやタービンブ
レードなどへの実用化を可能とするものである。
Claims (4)
- 【請求項1】Al:30〜38%、Re:0.01〜3%、 を含有し、残りがTiと不可避不純物からなる組成(以上
重量%)を有することを特徴とする常温靭性を有するTi
−Al系金属間化合物型鋳造合金。 - 【請求項2】Al:30〜38%、Re:0.01〜3%、 を含有し、さらに、 Si:0.01〜1%および/またはC:0.01〜0.2%、 を含有し、残りがTiと不可避不純物からなる組成(以上
重量%)を有することを特徴とする常温靭性を有するTi
−Al系金属間化合物型鋳造合金。 - 【請求項3】Al:30〜38%、Re:0.01〜3%、 を含有し、さらに、 Ta,Zn,Nb,Zr、およびHfのうちの1種または2種以上:0.
1〜5%未満、 を含有し、残りがTiと不可避不純物からなる組成(以上
重量%)を有することを特徴とする常温靭性を有するTi
−Al系金属間化合物型鋳造合金。 - 【請求項4】Al:30〜38%、Re:0.01〜3%、 を含有し、さらに、 Si:0.01〜1%および/またはC:0.01〜0.2%、 Ta,Zn,Nb,Zr、およびHfのうちの1種または2種以上:0.
1〜5%未満、 を含有し、残りがTiと不可避不純物からなる組成(以上
重量%)を有することを特徴とする常温靭性を有するTi
−Al系金属間化合物型鋳造合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63082830A JP2569710B2 (ja) | 1988-04-04 | 1988-04-04 | 常温靱性を有するTi−A▲l▼系金属間化合物型鋳造合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63082830A JP2569710B2 (ja) | 1988-04-04 | 1988-04-04 | 常温靱性を有するTi−A▲l▼系金属間化合物型鋳造合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01255632A JPH01255632A (ja) | 1989-10-12 |
JP2569710B2 true JP2569710B2 (ja) | 1997-01-08 |
Family
ID=13785318
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63082830A Expired - Lifetime JP2569710B2 (ja) | 1988-04-04 | 1988-04-04 | 常温靱性を有するTi−A▲l▼系金属間化合物型鋳造合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2569710B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104060125A (zh) * | 2014-07-07 | 2014-09-24 | 林娟娟 | 一种发动机叶片的热处理方法 |
Families Citing this family (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2510141B2 (ja) * | 1989-08-18 | 1996-06-26 | 日産自動車株式会社 | Ti―Al系軽量耐熱材料 |
DE59106459D1 (de) * | 1990-05-04 | 1995-10-19 | Asea Brown Boveri | Hochtemperaturlegierung für Maschinenbauteile auf der Basis von dotiertem Titanaluminid. |
JP2678083B2 (ja) * | 1990-08-28 | 1997-11-17 | 日産自動車株式会社 | Ti―Al系軽量耐熱材料 |
JPH0543958A (ja) * | 1991-01-17 | 1993-02-23 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 耐酸化性チタニウムアルミナイドの製造方法 |
US5264051A (en) * | 1991-12-02 | 1993-11-23 | General Electric Company | Cast gamma titanium aluminum alloys modified by chromium, niobium, and silicon, and method of preparation |
FR2732038B1 (fr) * | 1995-03-24 | 1997-06-06 | Onera (Off Nat Aerospatiale) | Alliage intermetallique a base d'aluminiure de titane pour la fonderie |
US5908516A (en) * | 1996-08-28 | 1999-06-01 | Nguyen-Dinh; Xuan | Titanium Aluminide alloys containing Boron, Chromium, Silicon and Tungsten |
JP2000192176A (ja) * | 1998-10-23 | 2000-07-11 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 耐異物衝撃性に優れたTi―Al系合金およびタ―ビン部品 |
FR2868791B1 (fr) * | 2004-04-07 | 2006-07-14 | Onera (Off Nat Aerospatiale) | Alliage titane-aluminium ductile a chaud |
CN102181748B (zh) * | 2011-05-26 | 2013-01-02 | 洛阳双瑞精铸钛业有限公司 | 一种室温塑性及铸造流动性能优异的钛铝基合金及其制法 |
CN108842099A (zh) * | 2018-10-08 | 2018-11-20 | 广州宇智科技有限公司 | 一种轻量化火车制动系统紧固件用钛合金及其加工工艺 |
CN115627386B (zh) * | 2022-11-07 | 2023-10-24 | 西北工业大学 | 一种适用于轧制变形的TiAlRe合金及其轧制方法 |
CN115725874B (zh) * | 2022-11-22 | 2023-11-10 | 哈尔滨工业大学 | 一种兼具强度和塑性的TiAlCrRe合金及其制备方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0735554B2 (ja) * | 1986-10-31 | 1995-04-19 | 大同特殊鋼株式会社 | Ti−Al系粉末冶金用合金 |
JP2588889B2 (ja) * | 1987-04-02 | 1997-03-12 | 住友軽金属工業株式会社 | Ti−Al系金属間化合物部材の成形法 |
-
1988
- 1988-04-04 JP JP63082830A patent/JP2569710B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH01255632A (ja) | 1989-10-12 |
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