JP2737500B2 - 耐熱チタン合金 - Google Patents
耐熱チタン合金Info
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Description
ン合金、特に高温クリープ特性に優れた耐熱チタン合金
に関するものである。
ためにチタンおよびチタン合金の需要は急激な伸びを示
してきたが、特にチタン合金は軽量にしてより高強度で
あると言う特徴を生かすため、今日でも、様々な分野で
の応用、用途開発が試みられている。
の代表的なものとして、Ti-6Al-4V合金を挙げることが
できるが、最近では高温環境用チタン合金構造材に対す
る要望が強くなり、米国においてこれに応えるためNear
−α型のTi-6Al-2Sn-4Zr-2Mo合金等の“高温用チタン合
金”が開発された。その後、米国、英国において次々と
新しいNear−α型の耐熱チタン合金が開発され、日本に
おいてもその開発が進行している。特開平1−242743号
公報、同2−19436 号公報、同2−22435 号公報参照。
ここに、Near−α型のチタン合金とは、少量のβ相を含
み大部分がα相からなるチタン合金を言い、上述のTi-6
Al-2Sn-4Zr-2Mo系合金が代表例である。
機の高速度化を図るためにも航空機エンジンの高性能化
が求められており、それに応えるべく、上記Near−α型
チタン合金が注目され、かかるNear−α型チタン合金の
耐用温度の更なる上昇が強く望まれている。すなわち、
航空機エンジンにチタン合金を適用するには、従来合金
では高温強度、高温クリープ強度、さらにはサイクル疲
労強度のバランスが不充分であり、耐用温度の更なる上
昇を実現するには上記性質のより優れたバランスを有す
るチタン合金が必要であることが判明した。
高温強度および高温クリープ強度、高サイクル疲労強度
に優れた耐熱チタン合金を提供することにある。さら
に、本発明のより具体的な目的は、常温における引張強
度1060 MPa以上、600 ℃での引張強度640MPa以上、600
℃引張伸び25%以上、クリープ歪量0.120%以下(540℃,
300MPa,100Hr)、疲労強度4.0 ×107 以上( 破断サイク
ル数,540℃,300MPa,R=0.1)を満足する耐熱チタン合金
を提供することである。
温強度、高温クリープ強度等の高温特性の優れた耐熱チ
タン合金としてAl、Sn、Zr、Mo、Si、Taを添加した耐熱
Ti合金 (特開平2−19436 号) が提案されている。この
合金にあっては、Ta添加によりα−transus 、β−tran
sus 温度の両方を上昇させ強度的に優れるα相を高温ま
で安定化することにより、高温強度、高温クリープ強度
を向上させている。
に際してはクリープ強度はまだ充分とは言えなかった。
ここに、本発明者らの知見によれば、上述の系の耐熱チ
タン合金にさらにHfを添加することにより、クリープ強
度が改善されるとともに、さらに一層高い高温強度、高
温クリープ強度、疲労強度が得られることを知り、本発
明を完成した。
量%で、 さらに、Nb:1.50%以下、Ta:0.50%以
下、W:0.50%以下、Cu:1.00%以下、 また
はC:0.10%以下の一種または二種以上、残部Ti
および不可避的不純物からなる耐熱チタン合金である。
限定した理由を詳述する。 Al:Alはα相安定化元素であり、αトランザス温度を上
昇させ、固溶硬化により高温強度、クリープ強度の向上
に寄与する。しかし、Al添加量が5.0 %未満では、α相
安定化効果および固溶硬化が十分ではなく、必要とする
高温強度、クリープ強度が得られない。また、添加量が
7.0 %を越えると、TiとAlとの金属間化合物であるTi3A
l が析出し、脆化する。そのため、本発明においてAl含
有量は5.0 〜7.0 %に設定する。
溶硬化能があり、高温強度を向上させ、耐クリープ特性
を改善し得る。しかし、添加量が2.0 %未満では、その
効果が充分ではない。一方、添加量が5.0 %を越える
と、密度が大きくなること、および脆化相(Ti3Al) が析
出するため望ましくない。したがって、Sn含有量は2.0
〜5.0 %に設定する。
る。中低温域では固溶硬化により強化元素として有効で
あり、また高温ではTi、ZrとSiとの微細な金属間化合物
を析出させ、クリープ強度を向上させている。Zr添加に
より組織が微細になり、その結果、クリープ強度等の望
ましい機械的性質が実現される。添加量が2.0 %未満で
はその効果は充分ではないが、添加量が5.0 %を越える
と延性に加えクリープ強度も低下する。したがって、Zr
含有量は2.0 〜5.0 %に設定する。
での強度上昇に寄与すると共に( α+β) の2相とする
ことにより、高温強度と疲労強度のバランスを向上させ
る。すなわち、Al、Snを添加すると疲労強度が低下する
が、Moは疲労強度を低下させることなく高温強度を上昇
させる。0.10%以上の添加でその効果はあらわれるが、
添加量が1.00%を越えるとβ相が過度に増加し、高温強
度とクリープ強度が低下する。また、溶接性、熱処理性
も低下する。したがって、Mo含有量は0.10〜1.00%に設
定する。
上をもたらす元素である。また、TiやZrと結びついて非
常に微細な金属間化合物を析出させ、高温強度を向上さ
せる。しかし、余り多量の添加は金属間化合物の増加あ
るいは粗大化をもたらし脆化する。したがってSi含有量
は0.20〜0.60%に設定する。
固溶の中性型元素である。過度のα相安定化を防ぎ、か
つ高温強度向上に寄与することができる。また、Hf添加
により、Ti、ZrとSiとの微細な金属間化合物の析出を促
進する。したがって、Zrの場合、過度に添加するとクリ
ープ強度、延性が劣化してしまうが、Hf添加ではクリー
プ強度は低下しない。本発明者らの実験によれば、0.10
%以上でその効果はあらわれる。添加量が1.00%を越え
ると、Ti、ZrとSiとの金属間化合物の析出能が過大にな
り、粗大な析出物を形成し、延性の低下をもたらす。し
たがってHfの含有量は1.00%以下に設定する。
W、Cu、およびCの少なくとも1種を配合することで
高温強度、クリープ強度、そして疲労強度のバランス改
善を図っている。各添加元素の限定理由は次の通りであ
る。
強度と疲労強度のバランスを向上させる。耐酸化性にも
効果のある添加元素である。添加量が1.50%を越えると
β相比率の増加により高温強度、クリープ強度が低下す
る。したがってNb含有量は1.50%以下に設定する。
度、疲労強度のバランスを向上させる。多量の添加は溶
け残り、偏析、密度上昇、β相増加による高温強度、高
温クリープの低下をもたらす。これらの低下から、添加
量は0.50%以下とする。
ープ強度と高温強度をより向上させる。ただし、多量の
添加は密度上昇、β相の過度の増加による高温強度、ク
リープ強度の低下をもたらす。したがって添加量は0.50
%以下に設定する。
ごく微量の添加で疲労特性が向上する。添加量が1.00%
を越えるとより金属間化合物が析出し脆化する。したが
って添加量は1.00%以下に設定する。
元素であり、さらに室温から高温に至るまでの温度域で
強度の上昇に寄与し、高温クリープ強度も向上させる。
添加量が0.10%を越えると脆化するので添加量は0.1 %
以下に設定する。好ましくは、C含有量が0.02%の添加
でその効果はあらわれるので、C:0.02 〜0.10%であ
る。次に、本発明の作用効果をその実施例によってさら
に具体的に説明する。
マアーク溶解により溶製し、直径60mm×長さ300 mmの大
きさのインゴットに鋳込んだ。得られたインゴットをβ
変態点以上、β変態点+50℃以下の温度域に加熱し、直
径20mmにまで鍛造した後、1050℃に1時間加熱してから
油焼入れを行う溶体化処理を施し、次いで、625 ℃で2
時間加熱してから空冷する時効処理を行った。
試験片、および疲労試験片を切り出し、各々の試験に供
した。常温および高温引張試験、クリープ試験、そして
疲労試験の結果を表1にまとめて示す。高温引張試験、
クリープ試験および疲労試験はは大気中で実施した。
発明のチタン合金は常温における引張強度が1060MPa 以
上、600 ℃における引張強度が640MPa以上と常温から60
0 ℃まで引張強度が高く、常温においても12%以上の伸
びを示している。しかも、540 ℃、300MPa、100Hr 後の
クリープ歪量は0.120 %以下と、クリープ強度も高いこ
とがわかる。さらに540 ℃、300MPa(R=0.1)の疲労試験
においても、破壊サイクル数は4.0 ×107 サイクル以上
と高い疲労強度を示している。
2では多量のTaが配合されていることからTaの偏析
が認められた。また、合金No.12、13ではHfが
添加されていないため、上記クリープ歪量が多くなって
おり、特に合金No.9と対比するとHfの有無による
クリープ強度の低下が著しいことが分かる。しかし、合
金No.14のように過度のHf配合を行うと延性の低
下がもたらされる。
ことで、室温から高温までの広い範囲において、高いク
リープ強度を得ることができ、さらに高い高温強度、高
サイクル疲労強度も得られる。上記効果の結果として、
本発明にかかる耐熱チタン合金はジェットエンジン用コ
ンプレッサーブレード・ディスクなどの航空機部品ある
いはその他の耐熱構造材料に使用することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で、 さらに、Nb:1.50%以下、Ta:0.50%以
下、W:0.50%以下、Cu:1.00%以下、 またはC:0.10%以下の一種または二種以上、 残部Tiおよび不可避的不純物からなる耐熱チタン合
金。
Priority Applications (1)
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JP3345222A JP2737500B2 (ja) | 1991-12-13 | 1991-12-26 | 耐熱チタン合金 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-330836 | 1991-12-13 | ||
JP33083691 | 1991-12-13 | ||
JP3345222A JP2737500B2 (ja) | 1991-12-13 | 1991-12-26 | 耐熱チタン合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05214469A JPH05214469A (ja) | 1993-08-24 |
JP2737500B2 true JP2737500B2 (ja) | 1998-04-08 |
Family
ID=26573647
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP3345222A Expired - Lifetime JP2737500B2 (ja) | 1991-12-13 | 1991-12-26 | 耐熱チタン合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
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US20010041148A1 (en) | 1998-05-26 | 2001-11-15 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | Alpha + beta type titanium alloy, process for producing titanium alloy, process for coil rolling, and process for producing cold-rolled coil of titanium alloy |
KR102332018B1 (ko) * | 2019-01-30 | 2021-11-29 | 한국재료연구원 | 고온용 타이타늄 합금 및 그 제조방법 |
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JPH05163542A (ja) * | 1991-12-13 | 1993-06-29 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 耐熱チタン合金 |
-
1991
- 1991-12-26 JP JP3345222A patent/JP2737500B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05214469A (ja) | 1993-08-24 |
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