JPH05163542A - 耐熱チタン合金 - Google Patents

耐熱チタン合金

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JPH05163542A
JPH05163542A JP33083591A JP33083591A JPH05163542A JP H05163542 A JPH05163542 A JP H05163542A JP 33083591 A JP33083591 A JP 33083591A JP 33083591 A JP33083591 A JP 33083591A JP H05163542 A JPH05163542 A JP H05163542A
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JP
Japan
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strength
high temperature
creep
less
alloy
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Application number
JP33083591A
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English (en)
Inventor
Masakatsu Hosomi
政功 細見
Hisashi Maeda
尚志 前田
Minoru Okada
岡田  稔
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Near−α型のチタン合金の耐用温度の上昇を
図って航空機エンジン用材料を開発する。 【構成】 Ti-6Al-2Sn-4Zr-2Mo系のTi合金において、N
b:0.20 〜1.10%、Ta:0.10 〜0.45%とするとともに、
1.5 ≦Nb/Ta ≦2.5 に制限する。 【効果】 酸化増量10mg/cm2以下(100Hr,600℃, 大気
中) 、600 ℃引張強度620MPa以上、クリープ歪量0.2 %
以下(540℃,300MPa,100Hr)、疲労強度4.0 ×107 以上(
破断サイクル数,540℃,300MPa,R=0.1)を満足する耐熱
チタン合金が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Near−α型の耐熱チタ
ン合金に関し、特に高温強度、高温クリープ特性、疲労
強度、そして耐酸化性に優れた耐熱チタン合金に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、その優れた耐食性と高い比強度の
ためにチタンおよびチタン合金の需要は急激な伸びを示
してきたが、特にチタン合金は軽量にしてより高強度で
あると言う特徴をさらに生かすため、今日でも、様々な
分野での応用、用途開発が試みられている。
【0003】従来から使用されてきた高強度チタン合金
の代表的なものとして、Ti-6Al-4V合金を挙げることが
できるが、最近では高温環境用チタン合金構造材に対す
る要望が強くなり、米国においてこれに応えるためNear
−α型のTi-6Al-2Sn-4Zr-2Mo合金等の“高温用チタン合
金”が開発された。その後、米国、英国において次々と
新しいNear−α型の耐熱チタン合金が開発され、日本に
おいてもその開発が進行している。特開平1−242743号
公報、同2−19436 号公報、同2−22435 号公報参照。
ここに、Near−α型のチタン合金とは、少量のβ相を含
み大部分がα相からなるチタン合金を言い、上述のTi-6
Al-2Sn-4Zr-2Mo系合金が代表例である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、航空
機の高速度化を図るためにも航空機エンジンの高性能化
が求められており、それに応えるべく、上記Near−α型
チタン合金が注目され、かかるNear−α型チタン合金の
耐用温度の更なる上昇が強く望まれている。すなわち、
航空機エンジンにチタン合金を適用するには、従来合金
では高温強度、高温クリープ強度、高サイクル疲労強
度、さらには耐酸化性のバランスが不充分であり、耐用
温度の更なる上昇を実現するには上記性質のより優れた
バランスを有するチタン合金が必要であることが判明し
た。
【0005】ここに、本発明の目的は、従来合金よりも
耐酸化性、高温強度および高温クリープ強度に優れ、そ
して高サイクル疲労強度を備えた耐熱チタン合金を提供
することにある。さらに、本発明のより具体的な目的
は、酸化増量10mg/cm2以下(100Hr,600℃,大気中) 、600
℃引張強度620MPa以上、クリープ歪量0.2%以下(540
℃,300MPa,100Hr)、疲労強度4.0 ×107 以上 (破断サイ
クル数,540℃,300MPa,R=0.1)を満足する耐熱チタン合
金を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題を達成すべ
く、本発明者は種々検討を重ね、次のような知見を得
た。 (1) 高温強度、高温クリープ等の高温特性の優れた耐熱
チタン合金として弾性定数が高く、クリープ特性の優れ
たNear−α型チタン合金としてTi-Al-Sn-Zr-Mo-Si 系の
チタン合金が開発されている。このような合金系の中
で、Ta:0.5〜2.5 %添加し、α、β−トランザス温度を
上昇させて高温特性を改善した合金 (特開平2−19436
号) が最近提案され、Ta添加によりα相が安定化するこ
とが報告されている。
【0007】(2) しかしながら、Taを多量に添加すると
溶け残りや偏析の問題があり、溶解回数を増やさなけれ
ばならず、また溶解回数を増やしたところで、その量に
よっては溶け残りや偏析を生じてしまうという問題があ
った。
【0008】(3) 本発明者らが、Ta添加量を減らして高
温強度、クリープ等の特性を調査した結果、Taが0.10%
以上で充分な高温強度、クリープ特性が得られること、
Taが0.45%以下であれば、通常のチタン合金の溶解法で
ある消耗式アーク溶解の2回溶解で溶け残りや偏析を生
じないことが判明した。しかし、Taが0.45%以下と少量
の場合には、耐酸化性が悪化するという新たな問題点に
直面した。
【0009】(4) 本発明者らが、さらに検討した結果、
少量のTaと同時にNbを添加し、Taの約2倍となる少量の
Nbを添加することにより、耐酸化性 (高温酸化に対する
抵抗性) も飛躍的に上昇し、Taが0.5 %以上の場合と同
等の耐酸化性が得られることが判明した。
【0010】(5) Taは0.10%以上で充分な高温強度、ク
リープ強度が得られるが、Taの添加量は多い方が高温強
度および耐酸化性は上昇するものの、含有量が0.45%超
になると溶解時にTaの偏析が生じ、実用上製造しにく
い。そのためTa含有量は0.45%以下に設定する。
【0011】(6) また、その場合、Nb:0.20 %以上で充
分な疲労強度、高温強度、クリープ特性のバランスが得
られる。しかし、Nb含有量が1.10%超になると、β相が
安定化され、高温強度およびクリープ強度が低下する。
【0012】(7) したがって、耐熱チタン合金として求
められる高温強度、クリープ特性、疲労強度、そして耐
酸化性のすべてを、上記条件のNb、Ta添加により改善す
ることが可能になった。
【0013】(8)Hf 、Cu、W、Cの一種または二種以上
を含有すると、高温強度、疲労強度、クリープ特性のバ
ランスの改善に一層効果的である。
【0014】よって、本発明の要旨とするところは、重
量%で、Al:5.0〜7.0 %、 Sn:2.0〜5.0 %、 Zr:2.
0 〜5.0 %、Mo:0.10 〜1.00%、Nb:0.20 〜1.10%、 S
i:0.20〜0.60%、Ta:0.10 〜0.45%、1.5 ≦Nb/Ta ≦2.
5 残部Tiおよび不可避的不純物からなる耐熱チタン合金で
ある。
【0015】本発明の別の態様によれば、さらに、Hf:
1.00 %以下、Cu:1.00 %以下、W:1.0 %以下、および
C:0.10 %以下の一種または二種以上を含むものであっ
てもよい。
【0016】
【作用】次に、本発明において合金組成を上述のように
限定した理由を説明する。 Al:Alはα相安定化元素であり、αトランザス温度を上
昇させ、固溶硬化により高温強度、クリープ強度向上に
寄与する。5.0 %未満では、α相安定化効果および固溶
硬化が十分ではなく、必要とする高温強度、クリープ強
度が得られない。しかし、添加量が7.0 %を越えると、
TiとAlとの金属間化合物であるTi3Al が析出し、脆化す
る。そのため、本発明においてAl含有量は5.0 〜7.0 %
に設定する。
【0017】Sn:Sn は中性型元素であり、Alと同様の固
溶硬化能があり、高温強度を向上させ、耐クリープ特性
を改善し得る。添加量が2.0 %未満では、その効果が充
分ではない。添加量が5.0 %を越えると、密度が大きく
なること、および脆化相(TiAl)が析出するため
望ましくない。したがって、Sn含有量は2.0 〜5.0 %
に設定する。
【0018】Zr:Zrは中性型元素であり、α相、β相の
両方に固溶し硬化する。さらに添加元素であるSiと結び
ついて、Ti、ZrとSiとの間に微細な金属間化合物を形成
しクリープ強度を大きく向上させる。添加量が2.0 %未
満ではその効果は充分ではないが、添加量が5.0 %を越
えると、クリープ強度、延性の低下をもたらす。したが
って、Zr含有量は2.0 〜5.0 %に設定する。
【0019】Mo:Moはβ相安定化元素であり、中低温で
の強度上昇に寄与すると共にα+β2相とすることによ
り、高温強度と疲労強度のバランスを向上させる。すな
わち、Al、Snを添加すると疲労強度が低下するが、Moは
疲労強度を低下することなく高温強度を上昇できる。0.
10%以上の添加でその効果はあらわれる。しかし、添加
量が1.00%を越えるとβ相が過度に増加し、高温強度、
クリープ強度が低下する。また、溶接性、熱処理性も低
下する。したがって、Mo含有量は0.10〜1.00%に設定す
る。
【0020】Nb:Nbはβ相安定化元素であり、高温強度
と疲労強度のバランスを向上させる。またTaとの配合比
により耐酸化性改善にも効果のある添加元素である。添
加量が0.20%未満では高温強度と疲労強度のバランスの
向上効果はなく、添加量が1.10%を越えるとβ相比率の
増加により高温強度が低下する。したがって、Nb含有量
は0.20〜1.10%に設定する。
【0021】Nb/Taは1.5 〜2.5 の範囲とする。Nb/Ta
が1.5 未満の場合、本発明の特徴である耐酸化性改善効
果は得られず、一方、Nb/Taが2.5 を越えると耐酸化性
および高温強度が低下する。
【0022】Si:Siは、高温強度、耐クリープ性の向上
をもたらす元素である。また、TiやZrと結びついて非常
に微細な金属間化合物を析出させ、高温強度を向上させ
る。多量の添加は金属間化合物の増加あるいは粗大化に
より脆化する。したがって、Si含有量は0.20〜0.60%に
設定する。
【0023】Ta:Taはβ相安定化元素であり、0.10%以
上で高温クリープ、高温強度を向上させる。多量の添加
を行うと、溶製に際して一部は溶け残り、偏析、密度上
昇をもたらす。偏析、溶け残り抑制のため、添加量は0.
45%以下に設定する。
【0024】さらに、本発明にあってはHf、Cu、W 、お
よびCの少なくとも1種を配合することで高温強度、ク
リープ強度、疲労強度のバランスの一層の改善を図って
もよい。
【0025】Hf:Hfは過度のα相安定化を防ぎ、かつ高
温強度およびクリープ強度に寄与することができる。0.
2 %でその効果はあらわれる。添加量が1.00%を越える
と、Ti、ZrとSiとの金属間化合物の析出能が過大にな
り、粗大な析出物を形成し、延性の低下をもたらす。し
たがってHfの含有量は1.00%以下に設定する。
【0026】Cu:Cuはβ相共析型の安定化元素である。
ごく微量の添加で疲労特性が向上する。添加量が1.00%
を越えると金属間化合物が析出し脆化する。したがっ
て、Cu添加量は1.00%以下に設定する。
【0027】W:Wはβ相安定化元素であり、高温クリ
ープ強度と高温強度をより一層向上させる。ただし、多
量の添加は密度上昇、β相の過度の増加による高温強
度、クリープ強度の低下をもたらす。したがって、W添
加量は1.00%以下、好ましくは0.50%以下に設定する。
【0028】C:Cは、Oと同様にα相安定化元素であ
り、さらに室温から高温に至るまで強度の上昇に寄与
し、高温クリープ強度も向上する。0.10%以下の添加で
その効果はあらわれる。添加量が0.10%を越えると脆化
するので添加量は0.10%以下に設定する。好ましくは、
0.02〜0.10%である。次に、本発明の作用効果をその実
施例によってさらに具体的に説明する。
【0029】
【実施例】表1に示す成分のTi合金インゴットをV.A.R.
溶解により直径60mm×長さ300 mmの大きさに溶製した。
ここで、本発明合金の合金元素Al、Sn、Zr、Mo、Nb、S
i、Taの添加原料および溶解操作について説明する。
【0030】Alは純度99.99 %の小片を用い、Snは粒状
(99.99%) の原料を用いた。Zr (純度99.5%) は、スポ
ンジ状原料であって、Nb (純度99.9%) 、およびTa (純
度99.99 %) は小片を使用した。Siは高純度 (純度99.9
999 %) の微小塊を用いた。Moについては母合金として
Al−Mo(Al:Mo=24.6:75.4)合金を用いた。
【0031】スポンジTiを上記原料と共に均質に混合
し、圧縮成形して電極を作製した。一次溶解したインゴ
ットをアーク溶接により接続し二次溶解の電極とした。
合金No. 10 No.14 については二次溶解後もTaの溶け残
りが認められ、三回目の溶解を実施した。
【0032】得られたインゴットをβ変態点以上、β変
態点+50℃以下の温度域に加熱し、直径20mmにまで鍛造
した後、1050℃に1時間加熱してから油焼入れする溶体
化処理を施し、次いで625 ℃×2時間加熱後、空冷の時
効処理を行った。
【0033】熱処理後の棒材から引張試験片、クリープ
試験片、疲労試験片、および酸化試験片を切り出し、各
々の試験に供した。
【0034】常温および高温引張試験、クリープ試験、
疲労試験、および酸化試験の結果を表1に示す。高温引
張試験、クリープ試験、疲労試験、酸化試験は大気中で
実施した。
【0035】これらの結果からも分かるように、本発明
にかかる合金は、Taが0.45%以下と少量であっても、耐
酸化性を損なうことなく、高温強度、高温クリープ、お
よび疲労強度のいずれにおいてもバランスのとれた特性
を有していることが分かる。なお、本例では、酸化層量
10mg/cm2以下(100Hr,600℃, 大気中) 、600 ℃引張強度
620MPa以上、クリープ歪量0.2 %以下(540℃,300MPa,10
0Hr)、疲労強度4.0 ×107 以上( 破断サイクル数,540
℃,300MPa,R=0.1)を満足する耐熱チタン合金を合格と
した。
【0036】Nb /Taが1.5 未満のNo.15 、2.5 超のNo.
16 の比較合金は、耐酸化性に劣る。また、Ta含有量の
高いNo.14 の比較合金とNo.10 の従来合金は、2回溶解
ではTaの溶け残りが生じ、3回溶解して、ようやく溶け
残りがなくなった。ただし、Taの成分のばらつきは平均
値に対し20%であり、偏析は本発明合金 (5%) より大
きかった。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、室温から高温までの広
い範囲において、高い引張強度およびクリープ強度、さ
らには高いサイクル疲労強度、そして耐酸化性も得られ
る。
【0039】上記効果の結果として、本発明にかかる耐
熱チタン合金はジェットエンジン用コンプレッサーブレ
ード・ディスクなどの航空機部品、その他の耐熱構造材
料に使用することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 Al:5.0〜7.0 %、 Sn:2.0〜5.0 %、 Zr:2.0 〜5.0
    %、 Mo:0.10 〜1.00%、Nb:0.20 〜1.10%、 Si:0.20〜0.60
    %、 Ta:0.10 〜0.45%、1.5 ≦Nb/Ta ≦2.5 残部Tiおよび付随不純物から成る耐熱チタン合金。
  2. 【請求項2】 さらに、Hf:1.00 %以下、Cu:1.00 %以
    下、W:1.00%以下、およびC:0.10 %以下の一種または
    二種以上を含む請求項1記載の耐熱チタン合金。
JP33083591A 1991-12-13 1991-12-13 耐熱チタン合金 Pending JPH05163542A (ja)

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