JPH0931572A - 高温疲労強度に優れた耐熱チタン合金 - Google Patents
高温疲労強度に優れた耐熱チタン合金Info
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- JPH0931572A JPH0931572A JP18574095A JP18574095A JPH0931572A JP H0931572 A JPH0931572 A JP H0931572A JP 18574095 A JP18574095 A JP 18574095A JP 18574095 A JP18574095 A JP 18574095A JP H0931572 A JPH0931572 A JP H0931572A
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- Japan
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- fatigue strength
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- titanium alloy
- solid solution
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 600 ℃の引張強度が600 MPa 以上、540 ℃の
疲労強度が350 MPa 以上のチタン合金を提供する。 【構成】 Near- α型チタン合金において、Nb、Cを下
記範囲に特定する。 Al:5.0 〜7.0 %、 Sn:2.0 〜5.0 %、 Zr:2.
0 〜5.0 %、Si:0.1 〜0.6 %、 Nb:0.5 〜3.0
%、 C:0.10〜0.20%
疲労強度が350 MPa 以上のチタン合金を提供する。 【構成】 Near- α型チタン合金において、Nb、Cを下
記範囲に特定する。 Al:5.0 〜7.0 %、 Sn:2.0 〜5.0 %、 Zr:2.
0 〜5.0 %、Si:0.1 〜0.6 %、 Nb:0.5 〜3.0
%、 C:0.10〜0.20%
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来のチタン合金より
も500 〜600 ℃の高温域での疲労強度が向上した耐熱チ
タン合金に関するものである。
も500 〜600 ℃の高温域での疲労強度が向上した耐熱チ
タン合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、その優れた耐食性と高い比強度の
ために純チタンおよびチタン合金の需要は急激な伸びを
示してきたが、特にチタン合金は軽量にしてより高強度
であるという特徴があるため、そのような特性をさらに
一層生かすべく、今日でも航空機関係、エネルギ関係、
化学工業関係等の様々な分野での応用、用途開発が試み
られている。そのなかで、高温環境に耐え得るチタン合
金開発の要望が高く、欧米を中心にクリープ強度の改善
を主眼として、合金開発が進められてきた。
ために純チタンおよびチタン合金の需要は急激な伸びを
示してきたが、特にチタン合金は軽量にしてより高強度
であるという特徴があるため、そのような特性をさらに
一層生かすべく、今日でも航空機関係、エネルギ関係、
化学工業関係等の様々な分野での応用、用途開発が試み
られている。そのなかで、高温環境に耐え得るチタン合
金開発の要望が高く、欧米を中心にクリープ強度の改善
を主眼として、合金開発が進められてきた。
【0003】最近になって、日本でも高温用チタン合金
の開発が始められ、例えば特開平2−22435 号公報にお
いて高温強度およびクリープ強度に優れた耐熱チタン合
金に関する発明が報告されている。しかし、この発明は
引張強度、クリープ強度の改善を図ったチタン合金に関
するものであり、疲労強度については、全く検討されて
いない。
の開発が始められ、例えば特開平2−22435 号公報にお
いて高温強度およびクリープ強度に優れた耐熱チタン合
金に関する発明が報告されている。しかし、この発明は
引張強度、クリープ強度の改善を図ったチタン合金に関
するものであり、疲労強度については、全く検討されて
いない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、発電用タービ
ン、航空機エンジン、船舶用エンジンの高性能化が求め
られている。その要求に対して軽量で高温強度の高いNe
ar−α型チタン合金が活用されているが、材料として50
0 〜600 ℃における高温強度、クリープ強度の改善が課
題となっている。
ン、航空機エンジン、船舶用エンジンの高性能化が求め
られている。その要求に対して軽量で高温強度の高いNe
ar−α型チタン合金が活用されているが、材料として50
0 〜600 ℃における高温強度、クリープ強度の改善が課
題となっている。
【0005】ところが、本合金系はその比強度 (強度を
比重で割った値) が高いことを特長としており、回転軸
や回転翼およびそれらの支持具あるいはケース材として
使用される。これらの部材には、使用中に振動や周期的
な応力変化が生じる。そのため、実際に、部材設計の際
には疲労強度、特に高サイクル域での疲労強度の向上が
要求されている。ここに、Near−α型チタン合金とは、
少量のβ相を含み大部分がα相からなるチタン合金を指
す。
比重で割った値) が高いことを特長としており、回転軸
や回転翼およびそれらの支持具あるいはケース材として
使用される。これらの部材には、使用中に振動や周期的
な応力変化が生じる。そのため、実際に、部材設計の際
には疲労強度、特に高サイクル域での疲労強度の向上が
要求されている。ここに、Near−α型チタン合金とは、
少量のβ相を含み大部分がα相からなるチタン合金を指
す。
【0006】ここに、本発明の目的は500 〜600 ℃の温
度範囲で従来合金よりもさらに高サイクルの疲労強度に
優れた耐熱チタン合金を提供することにある。さらに、
本発明のより具体的な目的は、各用途で使用されている
Near−α型合金であって、600 ℃の引張強度が600 MPa
以上、540 ℃の疲労強度が350 MPa 以上のチタン合金を
提供することである。
度範囲で従来合金よりもさらに高サイクルの疲労強度に
優れた耐熱チタン合金を提供することにある。さらに、
本発明のより具体的な目的は、各用途で使用されている
Near−α型合金であって、600 ℃の引張強度が600 MPa
以上、540 ℃の疲労強度が350 MPa 以上のチタン合金を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】これまでにあっても、高
温強度、クリープ強度の高温特性の優れたチタン合金と
してはAl、Sn、Zr、Mo、SiおよびCが添加されてきた。
温強度、クリープ強度の高温特性の優れたチタン合金と
してはAl、Sn、Zr、Mo、SiおよびCが添加されてきた。
【0008】例えば、代表例として前述の特開平2−22
435 号公報に示された高温強度およびクリープ強度に優
れた下記組成の耐熱チタン合金が挙げられる。 Al:5.5 〜6.5 %、 Sn:1.5 〜3.0 %、 Zr:0.7 〜
5.0 %、Mo:0.3 〜3.0 %、 Si:0.15〜0.50%、
C:0.04〜0.30%。
435 号公報に示された高温強度およびクリープ強度に優
れた下記組成の耐熱チタン合金が挙げられる。 Al:5.5 〜6.5 %、 Sn:1.5 〜3.0 %、 Zr:0.7 〜
5.0 %、Mo:0.3 〜3.0 %、 Si:0.15〜0.50%、
C:0.04〜0.30%。
【0009】しかし、上記組成のチタン合金は高温強
度、クリープ強度の改善のみを図っただけで、疲労強度
の改善については、全く検討されていない。ここに、本
発明者らは、疲労強度の改善のため検討を進めてきた結
果、Near−α型合金において、0.10〜0.20%のC添加と
0.5 〜3.0 %のNb添加を同時に満たすことで高温疲労強
度が著しく改善されることを見い出し、本発明を完成し
た。
度、クリープ強度の改善のみを図っただけで、疲労強度
の改善については、全く検討されていない。ここに、本
発明者らは、疲労強度の改善のため検討を進めてきた結
果、Near−α型合金において、0.10〜0.20%のC添加と
0.5 〜3.0 %のNb添加を同時に満たすことで高温疲労強
度が著しく改善されることを見い出し、本発明を完成し
た。
【0010】よって、本発明の要旨とするところは、重
量%で、Al:5.0 〜7.0 %、 Sn:2.0 〜5.0 %、
Zr:2.0 〜5.0 %、Si:0.10〜0.60%、 Nb:0.5
〜3.0 %、 C:0.10〜0.20%、Mo:0〜4.0 %、
Hf:0〜2.0 %、 Ta:0〜2.5 %、W:0〜
2.0 %、残部Tiおよび不可避的不純物からなる高温疲労
強度に優れた耐熱チタン合金である。
量%で、Al:5.0 〜7.0 %、 Sn:2.0 〜5.0 %、
Zr:2.0 〜5.0 %、Si:0.10〜0.60%、 Nb:0.5
〜3.0 %、 C:0.10〜0.20%、Mo:0〜4.0 %、
Hf:0〜2.0 %、 Ta:0〜2.5 %、W:0〜
2.0 %、残部Tiおよび不可避的不純物からなる高温疲労
強度に優れた耐熱チタン合金である。
【0011】さらに別の面からは、上記成分組成におい
てHf:0.1 〜2.0 および/またはMo:0.1 〜4.0 %、T
a:0.1 〜2.5 %およびW:0.1 〜2.0 %から成る群か
ら選んだ少なくとも1種を含む高温疲労強度に優れた耐
熱チタン合金である。
てHf:0.1 〜2.0 および/またはMo:0.1 〜4.0 %、T
a:0.1 〜2.5 %およびW:0.1 〜2.0 %から成る群か
ら選んだ少なくとも1種を含む高温疲労強度に優れた耐
熱チタン合金である。
【0012】
【作用】次に、本発明において合金組成を上述のように
限定した理由をその作用とともに詳述する。なお、本明
細書において「%」は特にことわりがない限り、重量%
である。
限定した理由をその作用とともに詳述する。なお、本明
細書において「%」は特にことわりがない限り、重量%
である。
【0013】Al:Alはα安定化元素であり、αトランザ
ス温度を上昇させ、固溶強化により高温強度、クリープ
強度の向上に寄与する。本発明においては高温域での疲
労強度についても5.0 〜7.0 %の範囲が適正である。す
なわち、Al量が5.0 %未満では、α相安定化効果および
固溶強化が十分ではなく、要求される高温疲労強度が得
られない。また、Al添加量が7.0 %を超えると、TiとAl
との金属間化合物であるTi3Al が析出し、脆化する。そ
のため、疲労強度が著しく低下する。したがって、本発
明においてAl含有量は5.0 〜7.0 %に設定する。好まし
くは、5.3 〜6.7 %である。
ス温度を上昇させ、固溶強化により高温強度、クリープ
強度の向上に寄与する。本発明においては高温域での疲
労強度についても5.0 〜7.0 %の範囲が適正である。す
なわち、Al量が5.0 %未満では、α相安定化効果および
固溶強化が十分ではなく、要求される高温疲労強度が得
られない。また、Al添加量が7.0 %を超えると、TiとAl
との金属間化合物であるTi3Al が析出し、脆化する。そ
のため、疲労強度が著しく低下する。したがって、本発
明においてAl含有量は5.0 〜7.0 %に設定する。好まし
くは、5.3 〜6.7 %である。
【0014】Sn:Snは中性型元素であり、Alと同様の固
溶強化能があり、高温強度、疲労強度を改善し得る。し
かし、添加量が2.0 %未満では、その効果が十分ではな
い。一方、添加量が5.0 %を超えると、密度が大きくな
ること、および脆化相 (Ti3Al)が析出するため望ましく
ない。したがって、Sn添加量は2.0 〜5.0 %に設定す
る。好ましくは、2.5 〜4.0 %である。
溶強化能があり、高温強度、疲労強度を改善し得る。し
かし、添加量が2.0 %未満では、その効果が十分ではな
い。一方、添加量が5.0 %を超えると、密度が大きくな
ること、および脆化相 (Ti3Al)が析出するため望ましく
ない。したがって、Sn添加量は2.0 〜5.0 %に設定す
る。好ましくは、2.5 〜4.0 %である。
【0015】Zr:ZrはTiと全率で固溶する中性元素であ
る。中低温域では固溶強化により強化元素として有効で
あり、また高温ではTi、Zr、Siとの微細な金属間化合物
が析出し、クリープ強度を向上させている。Zr添加によ
り組織が微細になり、その結果、材料の強靱化が促進さ
れ、疲労強度の改善につながる。添加量が2.0 %未満で
はその効果は十分ではないが、添加量が5.0 %を超える
と延性に加え疲労強度も低下する。したがって、Zr含有
量は2.0 〜5.0 %に設定する。好ましくは、2.5 〜4.0
%である。
る。中低温域では固溶強化により強化元素として有効で
あり、また高温ではTi、Zr、Siとの微細な金属間化合物
が析出し、クリープ強度を向上させている。Zr添加によ
り組織が微細になり、その結果、材料の強靱化が促進さ
れ、疲労強度の改善につながる。添加量が2.0 %未満で
はその効果は十分ではないが、添加量が5.0 %を超える
と延性に加え疲労強度も低下する。したがって、Zr含有
量は2.0 〜5.0 %に設定する。好ましくは、2.5 〜4.0
%である。
【0016】Si:Siは高温強度および耐クリープ性の向
上をもたらす元素であり、耐熱チタン合金には必須の元
素である。しかし、Siの多量の添加は(Ti,Zr)xSiy の析
出物形成、粗大化をもたらし、脆化する。したがって、
Si含有量が0.10〜0.60%に設定する。好ましくは、0.20
〜0.50%とする。
上をもたらす元素であり、耐熱チタン合金には必須の元
素である。しかし、Siの多量の添加は(Ti,Zr)xSiy の析
出物形成、粗大化をもたらし、脆化する。したがって、
Si含有量が0.10〜0.60%に設定する。好ましくは、0.20
〜0.50%とする。
【0017】Nb:Nbはβ相安定化元素であり、本発明に
おいてC添加との併用により、高温強度と疲労強度のバ
ランスを著しく向上させる作用を有する。耐酸化性の改
善にも効果のある添加元素である。疲労強度改善効果は
添加量が0.5 %未満では現れない。一方、添加量が3.0
%を超えるとβ相比率が過剰になり疲労強度が低下す
る。したがって、Nb含有量は0.5 %以上3.0 %以下に限
定する。好ましくは、0.5 〜2.5 %とする。
おいてC添加との併用により、高温強度と疲労強度のバ
ランスを著しく向上させる作用を有する。耐酸化性の改
善にも効果のある添加元素である。疲労強度改善効果は
添加量が0.5 %未満では現れない。一方、添加量が3.0
%を超えるとβ相比率が過剰になり疲労強度が低下す
る。したがって、Nb含有量は0.5 %以上3.0 %以下に限
定する。好ましくは、0.5 〜2.5 %とする。
【0018】C:Cは本発明の重要な元素で、α安定化
元素であり、さらに室温から高温に至るまでの温度域で
強度の向上に寄与し、クリープ強度も向上することが知
られている。また、本発明により、Nb添加と併用するこ
とによりC添加量が0.10〜0.20%の範囲で疲労強度が極
大値を示すことが明らかとなった。添加量が0.10%未満
であれば、α相の安定化が十分ではないため、疲労強度
に有利な等軸粒組織形成が不完全で、疲労強度の改善効
果は十分現れない。一方、添加量が0.20%を超えるとTi
Cが析出し、疲労強度は低下する。したがって、C添加
量は0.10〜0.20%と設定する。
元素であり、さらに室温から高温に至るまでの温度域で
強度の向上に寄与し、クリープ強度も向上することが知
られている。また、本発明により、Nb添加と併用するこ
とによりC添加量が0.10〜0.20%の範囲で疲労強度が極
大値を示すことが明らかとなった。添加量が0.10%未満
であれば、α相の安定化が十分ではないため、疲労強度
に有利な等軸粒組織形成が不完全で、疲労強度の改善効
果は十分現れない。一方、添加量が0.20%を超えるとTi
Cが析出し、疲労強度は低下する。したがって、C添加
量は0.10〜0.20%と設定する。
【0019】本発明において、その他の合金元素として
は必要応じてHf、Mo、Ta、W を必要に応じて適宜添加し
てもよい。それらの元素は少なくとも1種含有されれば
よいが、より好ましくはHfおよび/またはMo、Ta、Wの
少なくとも1種が添加される。
は必要応じてHf、Mo、Ta、W を必要に応じて適宜添加し
てもよい。それらの元素は少なくとも1種含有されれば
よいが、より好ましくはHfおよび/またはMo、Ta、Wの
少なくとも1種が添加される。
【0020】Hf:HfはZrと同様の全率固溶型の中性元素
である。過度のα相の安定化を防ぎ、かつ高温疲労強度
向上に寄与することができる。Zrが多量に添加されると
(Ti,Zr)xSiy の析出物が生成され、疲労強度低下につな
がるが、Hfではそのような反応は起こらず、疲労強度の
低下はない。添加量は0.10%以上でその効果は現れる。
添加量が2.0 %を超えると、(Ti,Zr)xSiy の析出を間接
的に促進される。また、Hfは比重が大きく、多量の添加
により合金全体の比重も増加させる。したがって、Hfを
添加する場合、その添加量は0.1 〜2.0 %に設定する。
好ましくは、0.2 〜1.5 %とする。
である。過度のα相の安定化を防ぎ、かつ高温疲労強度
向上に寄与することができる。Zrが多量に添加されると
(Ti,Zr)xSiy の析出物が生成され、疲労強度低下につな
がるが、Hfではそのような反応は起こらず、疲労強度の
低下はない。添加量は0.10%以上でその効果は現れる。
添加量が2.0 %を超えると、(Ti,Zr)xSiy の析出を間接
的に促進される。また、Hfは比重が大きく、多量の添加
により合金全体の比重も増加させる。したがって、Hfを
添加する場合、その添加量は0.1 〜2.0 %に設定する。
好ましくは、0.2 〜1.5 %とする。
【0021】Mo:Moはβ安定化元素であり、中低温域で
の強度上昇に寄与すると共に、α+βの2相とすること
により、2相層状組織が形成され、高温域での疲労強度
が向上する。Moは高温強度と疲労強度の両立を図るうえ
で重要な元素である。0.1 %以上の添加でその効果は現
れるが、添加量が4.0 %を超えるとβ相が過度に増加
し、高温域での疲労試験中に強度低下が著しくなる。ま
た、溶接性、熱処理性も低下する。したがって、添加す
る場合、Mo量は0.1 〜4.0 %に設定する。好ましくは、
0.2 〜3.0 %とする。
の強度上昇に寄与すると共に、α+βの2相とすること
により、2相層状組織が形成され、高温域での疲労強度
が向上する。Moは高温強度と疲労強度の両立を図るうえ
で重要な元素である。0.1 %以上の添加でその効果は現
れるが、添加量が4.0 %を超えるとβ相が過度に増加
し、高温域での疲労試験中に強度低下が著しくなる。ま
た、溶接性、熱処理性も低下する。したがって、添加す
る場合、Mo量は0.1 〜4.0 %に設定する。好ましくは、
0.2 〜3.0 %とする。
【0022】Ta:Taはβ相安定化元素であり、高温強
度、疲労強度のバランスを向上させる。0.1 %以上の添
加でその効果が発揮されるが、多量の添加は溶け残り、
偏析、比重上昇、β相安定化による疲労強度低下をもた
らす。したがって、添加量は0.1 〜2.5 %に設定する。
好ましくは、0.2 〜2.0 %とする。
度、疲労強度のバランスを向上させる。0.1 %以上の添
加でその効果が発揮されるが、多量の添加は溶け残り、
偏析、比重上昇、β相安定化による疲労強度低下をもた
らす。したがって、添加量は0.1 〜2.5 %に設定する。
好ましくは、0.2 〜2.0 %とする。
【0023】W:Wはβ相安定化元素であり、高温強
度、疲労強度のバランスを向上させる。0.1 %以上の添
加でその効果が発揮されるが、多量の添加はβ相安定化
による疲労強度低下をもたらす。したがって、添加量は
0.1〜2.0 %に設定する。好ましくは、0.2 〜1.7 %と
する。次に、本発明の作用効果をその実施例によってさ
らに具体的に説明する。
度、疲労強度のバランスを向上させる。0.1 %以上の添
加でその効果が発揮されるが、多量の添加はβ相安定化
による疲労強度低下をもたらす。したがって、添加量は
0.1〜2.0 %に設定する。好ましくは、0.2 〜1.7 %と
する。次に、本発明の作用効果をその実施例によってさ
らに具体的に説明する。
【0024】
【実施例】本例では、表1に示す組成成分の各チタン合
金を供試材として溶解した。溶解方法は一次溶解をプラ
ズマアーク溶解とし、二次溶解を真空アーク溶解とし
た。得られた鋳塊の寸法は直径140 mm、長さは250 mmで
あった。
金を供試材として溶解した。溶解方法は一次溶解をプラ
ズマアーク溶解とし、二次溶解を真空アーク溶解とし
た。得られた鋳塊の寸法は直径140 mm、長さは250 mmで
あった。
【0025】この鋳塊をβ変態点+50℃以下の温度に加
熱し、直径20mmにまで鍛造した後、β変態点−15℃に2
時間加熱してから油焼入れを行う溶体化処理を施し、次
いで700 ℃で2時間加熱してから空冷する時効処理を行
った。なお、これらの溶体化−時効処理はいずれもチタ
ン合金の熱処理法として慣用的に行われている処理条件
である。
熱し、直径20mmにまで鍛造した後、β変態点−15℃に2
時間加熱してから油焼入れを行う溶体化処理を施し、次
いで700 ℃で2時間加熱してから空冷する時効処理を行
った。なお、これらの溶体化−時効処理はいずれもチタ
ン合金の熱処理法として慣用的に行われている処理条件
である。
【0026】熱処理後の棒材から引張試験片、疲労試験
片を切り出し、引張試験および疲労試験に供した。疲労
試験は小野式回転曲げ疲労試験法を採用した。結果を表
2に示す。疲労強度は107 サイクルにおける破断強度で
示す。引張試験および疲労試験はいずれも大気中で実施
した。
片を切り出し、引張試験および疲労試験に供した。疲労
試験は小野式回転曲げ疲労試験法を採用した。結果を表
2に示す。疲労強度は107 サイクルにおける破断強度で
示す。引張試験および疲労試験はいずれも大気中で実施
した。
【0027】表2に示す結果からも明らかなように、本
発明にかかるチタン合金は、各用途で使用されているNe
ar−α型合金において、含有C量およびNb量を適正に組
み合わせることにより、540 ℃において、107 サイクル
破断強度が350 MPa 以上の疲労強度を得ることができ
る。一方、上記範囲を外れる比較合金および従来合金は
いずれもそのような特性を満足することができない。
発明にかかるチタン合金は、各用途で使用されているNe
ar−α型合金において、含有C量およびNb量を適正に組
み合わせることにより、540 ℃において、107 サイクル
破断強度が350 MPa 以上の疲労強度を得ることができ
る。一方、上記範囲を外れる比較合金および従来合金は
いずれもそのような特性を満足することができない。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、適正Nb量およびC量を
設定することで600 ℃の引張強度が600 MPa 以上、540
℃の疲労強度が350 MPa 以上という優れた高温強度およ
び疲労強度を備えた耐熱チタン合金が得られ、ジェット
エンジン用やそのほかの航空機部品、発電用ガスタービ
ン部品、およびその周囲部品から一般機械部品までの耐
熱構造用材料として使用した場合、従来材料と比較して
耐振動の性能向上が期待できるなどその実用上の意義は
大きい。
設定することで600 ℃の引張強度が600 MPa 以上、540
℃の疲労強度が350 MPa 以上という優れた高温強度およ
び疲労強度を備えた耐熱チタン合金が得られ、ジェット
エンジン用やそのほかの航空機部品、発電用ガスタービ
ン部品、およびその周囲部品から一般機械部品までの耐
熱構造用材料として使用した場合、従来材料と比較して
耐振動の性能向上が期待できるなどその実用上の意義は
大きい。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で、 Al:5.0 〜7.0 %、 Sn:2.0 〜5.0 %、 Zr:2.
0 〜5.0 %、 Si:0.10〜0.60%、 Nb:0.5 〜3.0 %、 C:0.
10〜0.20%、 Mo:0〜4.0 %、 Hf:0〜2.0 %、 Ta:0
〜2.5 %、 W:0〜2.0 %、 残部Tiおよび不可避的不純物 からなる高温疲労強度に優れた耐熱チタン合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18574095A JPH0931572A (ja) | 1995-07-21 | 1995-07-21 | 高温疲労強度に優れた耐熱チタン合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18574095A JPH0931572A (ja) | 1995-07-21 | 1995-07-21 | 高温疲労強度に優れた耐熱チタン合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0931572A true JPH0931572A (ja) | 1997-02-04 |
Family
ID=16176037
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18574095A Pending JPH0931572A (ja) | 1995-07-21 | 1995-07-21 | 高温疲労強度に優れた耐熱チタン合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0931572A (ja) |
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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