JPH0789789A - Si結晶、結晶成長方法および結晶成長装置 - Google Patents

Si結晶、結晶成長方法および結晶成長装置

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JPH0789789A
JPH0789789A JP23395793A JP23395793A JPH0789789A JP H0789789 A JPH0789789 A JP H0789789A JP 23395793 A JP23395793 A JP 23395793A JP 23395793 A JP23395793 A JP 23395793A JP H0789789 A JPH0789789 A JP H0789789A
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JP
Japan
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crystal
crucible
silicon
graphite
concentration
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JP23395793A
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Tetsuo Fukuda
哲生 福田
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶欠陥を制御したSi結晶、その製造方
法、製造装置およびSi結晶を用いた機構に関し、低炭
素濃度のシリコン結晶を提供することを目的とする。 【構成】 Siソース材料を収容するための石英製るつ
ぼと、前記石英製るつぼを保持するためのグラファイト
製るつぼと、前記グラファイト製るつぼの全表面を覆
い、SiC、TiC、NbC、TaC、ZrCおよびこ
れらの混合物のいずれかで形成されたグラファイト製る
つぼコーティングと、前記石英製るつぼの少なくともグ
ラファイト製るつぼと接触する面を覆い、溶融Siと接
する面は露出する窒化シリコン製コーティングとを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Si結晶、その製造方
法、製造装置およびSi結晶を用いた機構に関し、特に
結晶欠陥を制御したSi結晶、その製造方法、製造装置
およびSi結晶を用いた機構に関する。
【0002】今日、ULSI用シリコンウエハの90%
以上がチョクラルスキ(Czochralski、以下
CZと略す)法で成長したCZシリコン単結晶で形成さ
れている。以下、主としてCZシリコン単結晶を例にと
って説明する。
【0003】
【従来の技術】CZシリコン単結晶は、るつぼ内でSi
を溶融させ、引上げ法によって成長させた結晶である。
量産性に優れているが、るつぼ材料からの不純物が混入
し易い。
【0004】また、るつぼ周囲にヒータを配置し、14
00℃以上の高温に加熱するので、ヒータ等からの蒸発
物も混入し易い。さらに、Siのソース材料は同属元素
であるCを含み易い。
【0005】るつぼは、通常内側を石英(SiO2 )、
外側をグラファイトとした2重構成を有し、ヒータは通
常グラファイトヒータで構成される。したがって、るつ
ぼ、ヒータ等から酸素、炭素が混入し易い。
【0006】ULSIの高性能化のためには、基板とな
るシリコンウエハの有害な結晶欠陥密度を低減すること
が望まれる。また、ULSIの低価格化のためには、シ
リコンウエハの大口径化が望まれる。
【0007】高性能化の例を、ダイナミックランダムア
クセスメモリ(DRAM)を例にとって説明する。DR
AMの特性の1つは、リフレッシュ時間の長さで与えら
れる。リフレッシュ時間は、DRAM中のキャパシタが
電荷を蓄積できる時間(リテンション時間)に比例す
る。
【0008】シリコン結晶の結晶欠陥には、酸素がクラ
スタ状に析出した酸素析出物と呼ばれるものがある。酸
素析出物は、電子−正孔の再結合中心となり、結晶内の
キャリアのライフタイムを低下させる。
【0009】DRAMのシリコンウエハに酸素析出物が
多量に存在すると、蓄積電荷が消滅し易く、リテンショ
ン時間が短くなる。高品質のDRAMを提供するには、
ライフタイムの長い、したがってリテンション時間の長
い結晶を用いる必要がある。
【0010】ULSIの低価格化には、ウエハを大口径
化し、一連のプロセスでなるべく数多くのチップを生産
することが望まれる。しかし、ウエハを大口径化する
と、熱処理プロセスにおいて、ウエハに作用する熱応力
が増大する。
【0011】熱応力がウエハの降伏応力を上回ると、多
数の転位が導入され、ウエハの反りが増大する。ウエハ
の反りは、リソグラフィ工程における焦点深度等との関
係でプロセスの歩留り低下を招く。
【0012】半導体装置の製造プロセスにおいては、多
くの熱処理プロセスがある。熱処理プロセスにおいて、
ウエハ内に固溶している酸素が、核を中心として析出
し、酸素析出物を形成する傾向がある。
【0013】結晶内に固溶している酸素は、転位を固着
し、降伏応力を高める積極的機能を有するが、酸素析出
物が形成されると、逆に降伏応力が低下する(たとえ
ば、Lawrenceら Mat. Res. Soc. Symp. Proc.
59, 389 (1986) 、Yonenagaら J. Appl. Phy
s. 56, 2346 (1984)等)。また、析出物は、ウエハの
反りを増大させる(Shimizuら J. Appl. Phys.
25, 68 (1986)等)。
【0014】したがって、今後大口径化が進んで、熱応
力がますます増大することを考えると、析出物密度を低
減し、降伏応力の低下を防ぎつつ、熱応力に強いウエ
ハ、すなわち反り難いウエハを開発する必要がある。
【0015】炭素が酸素析出の核になることを実験的に
示した報告が数多くある(Kishinoら J. Appl.
Phys. 50, 8240 (1979)、Kishinoら Appl. Phy
s. Lett. 35, 213 (1979) 、Matsushitaら
J. Appl. Phys. 19, L101 (1980) 等)。
【0016】炭素濃度が1015cm-3以上の領域におい
て、酸素析出が炭素濃度の増大と共に多くなることが報
告されている。したがって、酸素析出を防止するために
は、低炭素濃度の結晶が望まれている。
【0017】しかしながら、従来のシリコン結晶成長技
術によれば、1015cm-3以下の低炭素濃度の結晶を成
長することは不可能、あるいは固化率の小さい部分以外
では実現不可能であった。たとえば、特公昭56−21
758号に示された方法では、固化率30%以下の部分
においてのみ1015cm-3以下の低炭素濃度が実現され
ている。
【0018】また、特開平5−4358号においては、
固化率85%以下の部分で5×10 14cm-3以下の低炭
素濃度を実現したと報告されているが、炭素濃度の測定
方法は赤外線吸収であり、この測定方法によれば、液体
ヘリウム温度の測定においても信頼性のある測定限界は
1×1015cm-3である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
シリコン結晶において、キャリアのライフタイムを長く
し、降伏応力の低下を防止し、反りの増大を防止するた
めには、結晶中における炭素濃度の低下が望まれてい
る。
【0020】本発明の目的は、低炭素濃度のシリコン結
晶を提供することである。本発明の他の目的は、低炭素
濃度のシリコン結晶を実現する結晶成長方法および結晶
成長装置を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明のSiの結晶成長
装置は、Siソース材料を収容するための石英製るつぼ
と、前記石英製るつぼを保持するためのグラファイト製
るつぼと、前記グラファイト製るつぼの全表面を覆い、
SiC、TiC、NbC、TaC、ZrCおよびこれら
の混合物のいずれかで形成されたグラファイト製るつぼ
コーティングと、前記石英製るつぼの少なくともグラフ
ァイト製るつぼと接触する面を覆い、溶融Siと接する
面は露出する窒化シリコン製コーティングとを有する。
【0022】また、本発明のシリコン結晶は、約1.0
×1014cm-3以下の炭素濃度を有する。
【0023】
【作用】Siの結晶成長において、SiメルトにO2
供給し、Siメルト中のCと化学反応させ、COまたは
CO2 として蒸発させることにより、低炭素濃度を実現
することができる。このような方法により、初めて約
1.0×1014cm-3以下の低炭素濃度を有するSi結
晶が得られた。
【0024】Siメルトを収容するるつぼとして石英を
用いると、SiメルトにO2 を供給することができる。
ところで、Siを溶融させるには、1400℃以上の高
温を必要とする。このような高温での構造材料としてグ
ラファイト(カーボン)は極めて有用である。ただし、
グラファイトは酸素と接すると炭酸ガスに変化する。
【0025】石英製るつぼを保持する外側るつぼとして
グラファイトるつぼないしSiC等の炭化物コーティン
グを備えたグラファイトるつぼを用いると、このグラフ
ァイトないし炭化物コーティングと石英との間の反応に
より、石英中にCが混入し、石英中を移動してSiメル
ト中に溶け出すことにより、炭素濃度を所望の値に低減
することが困難になる。
【0026】グラファイト製るつぼの表面を炭化物コー
ティングでコートし、炭素の蒸発を防止すると共に、石
英製るつぼがグラファイト製るつぼと接する面において
石英製るつぼを窒化シリコンでコーティングすることに
より、炭化物コーティングと石英との反応を防止するこ
とができる。
【0027】このような構成により、Siメルト中に酸
素を供給しつつ、石英中に炭素が供給されることを防止
し、SiメルトへのCの供給を防止することが可能とな
る。
【0028】
【実施例】本発明の理解を容易にするため、本発明者ら
の先の研究を説明する。図3は、Si結晶中のキャリア
のライフタイムと炭素濃度の関係を示すグラフである。
横軸は炭素濃度を対数スケールで示し、縦軸はライフタ
イムをリニアスケールで示す。
【0029】図のデータから明らかなように、炭素濃度
が減少するにつれ、ライフタイムは向上している。ただ
し、従来入手できる結晶中の炭素濃度は、1015cm-3
以上であったため、データはこの範囲に限られている。
【0030】キャリアのライフタイムは、結晶中の酸素
析出物に大きく依存すると考えられる。すなわち、酸素
析出物と炭素濃度とが後に説明するように強い関係を有
し、ライフタイムと炭素濃度の関係が生じるものと考え
られる。
【0031】酸素析出物は、炭素濃度のみに依存すると
は限らない。そこで、本発明者らは、Si結晶を急冷
し、点欠陥を誘起することにより、酸素析出物の量がど
のように変化するかを調べた。Si結晶をN2 雰囲気中
で1290℃に40分間加熱し、種々の冷却速度で冷却
した。
【0032】結果を図4に示す。図中、横軸は冷却速度
を℃/minで示し、縦軸は析出酸素量を1017cm-3
を単位として示す。結晶を急冷すると、冷却速度が大き
いほど高い密度の点欠陥が発生すると考えられる。図4
のグラフは、冷却速度が高いほど析出酸素量が高いこと
を示し、点欠陥によって酸素の析出が促進されることを
示している。
【0033】しかしながら、通常の熱プロセスにおいて
ウエハの冷却速度は30℃/min以下であり、このよ
うな遅い冷却速度においては、析出酸素量はほとんど変
化しなくなっている。
【0034】すなわち、通常の半導体製造プロセスにお
いて、熱プロセスによって誘起される点欠陥に起因する
析出酸素は無視し得るものと考えられる。また、結晶成
長においても結晶の成長速度は約1mm/min程度で
あり、冷却速度は30℃/minである。
【0035】したがって、成長時の冷却プロセスも点欠
陥密度を増大させるには至らないものと考えられる。し
たがって、ライフタイムを左右する析出酸素の原因とし
ては、炭素濃度のみを考慮すればよいであろう。
【0036】本発明者ら(鈴木、福田)は、特願平4−
243860号(92−11166)において、低炭素
濃度のSi結晶成長方法を提案した。この結晶成長方法
により、Si結晶中の炭素濃度を3.6×1014cm-3
まで低減することができた。なお、炭素濃度測定法とし
ては、重水素照射による放射化分析を用いた。この測定
法の検出限界は2.5×1014cm-3であり、3.6×
1014cm-3の炭素濃度には測定の信頼性がある。
【0037】そこで、本発明者らは本発明によるSi結
晶も含め、炭素濃度による酸素析出量の変化を測定し
た。試料として、酸素濃度が1.8×1018cm-3、炭
素濃度が1014〜1016cm-3の範囲のCZシリコン結
晶を用い、(1300℃、0.5時間)+(700℃、
20時間)+(1000℃、3〜10時間)の熱処理を
行なった。
【0038】図5に酸素析出量の炭素濃度依存性を示
す。なお、最も炭素濃度の低い試料については炭素濃度
を直接測定できなかったため、後述するように、偏析現
象から炭素濃度は1014cm-3以下であると結論した。
この試料の測定値は、図中矢印を付して示してある。
【0039】図のグラフに示すように、最後の1000
℃の熱処理時間が長いほど酸素析出量は増加している。
同一の熱処理に対しては、炭素濃度が減少するほど酸素
析出量は減少している。しかしながら、炭素濃度が1×
1014cm-3以下の領域では、酸素析出量はほとんど変
化していない。
【0040】なお、1.0×1015cm-3以上の高炭素
濃度の2種の試料は市販結晶である。また、酸素濃度の
測定方法は、1100cm-1付近の赤外吸収によって行
ない、換算係数は4.81×1017cm-2を用いた。減
少した酸素濃度から酸素析出量を算出した。
【0041】上述の3段階の熱処理において、1300
℃、0.5時間の熱処理は、溶体化処理と言われ、炭素
以外の析出要因を全ての試料の間において一致させるた
めのものである。
【0042】次の700℃、20時間の熱処理は、析出
核を形成するための処理である。また、最後の1000
℃、3〜10時間の熱処理は、形成された析出核の回り
に酸素原子を集積させて酸素析出物を形成するための熱
処理である。なお、これらはULSIプロセスの中の典
型的な熱処理である。
【0043】図5のグラフから明らかなように、炭素濃
度が1015cm-3以上のシリコンウエハは、従来入手で
きず、新たに得られた1015cm-3以下のウエハより酸
素析出量がかなり多い。そのため、従来のシリコンウエ
ハにおいては、ウエハの反りや素子の劣化が生じている
ものと考えられる。
【0044】なお、酸素析出量はSi結晶中の酸素濃度
に依存する。図6は、酸素析出量の酸素濃度依存性を示
すグラフである。横軸は酸素濃度を1018cm-3の単位
で示し、縦軸は酸素析出量を1017cm-3の単位で示
す。このグラフに示されるように、酸素濃度を1.3×
1018cm-3以下に低減すると、熱処理後も酸素がほと
んど析出しない。
【0045】酸素濃度は低ければ低いほどよいわけでは
ない。転位の固着応力は、酸素濃度にほぼ比例する(た
とえば、Maroudas et al., Defects in Silico
n II, The Electrochemical Society, Pennington, NY
(1991), pp.181)。
【0046】たとえば、酸素濃度を1.8×1018cm
-3から1.3×1018cm-3に低減すると、結晶の強度
は約28%低下する。結晶の強度を保つ観点からは、酸
素濃度は高いことが望ましい。
【0047】しかしながら、従来のSi結晶において
は、高酸素濃度は高酸素析出量を意味し、強度とライフ
タイム等の両観点から妥協的な酸素濃度を決定してい
た。酸素濃度が高く、酸素析出量の少ない結晶を得るこ
とはできなかった。
【0048】以上説明した本発明者らの先の研究によ
り、低炭素濃度を実現すれば、酸素析出を減少させ、か
つウエハの機械的強度を高く維持することが可能にな
る。また、炭素濃度が1×1014cm-3以下では、酸素
析出量は炭素濃度にほとんど依存しなくなる。したがっ
て、結晶の機械的強度も1×1014cm-3以下の炭素濃
度では炭素濃度に依存しないようにできると結論でき
る。
【0049】このため、ULSIプロセスにおいて、結
晶欠陥が極めて形成されにくく、かつ高強度である使い
やすいウエハが提供される。このように、物性的および
機械的に優れた特性を有するSi結晶の製造方法を以下
に説明する。
【0050】このように、炭素濃度が約1.0×1014
cm-3以下のSi結晶は、炭素濃度が1.0×1015
-3以上の結晶と異なり、優れた特徴を有する。以上説
明した炭素濃度低減の効果は、酸素濃度が1.8×10
18cm-3のSi結晶に対して実験的に確かめられた。酸
素濃度が1.8×1018cm-3以下の低酸素濃度結晶の
場合は、酸素析出が抑制される方向に変わるので、さら
に低欠陥化が可能である。従来は、酸素濃度が約1.3
×1018以上になると、酸素析出が避け難かった。
【0051】本発明によれば、酸素濃度が約1.3×1
18cm-3以上であっても、炭素濃度を低減することに
より、酸素析出を低減することができる。より現実的に
は、酸素濃度は1.4×1018〜1.8×1018cm-3
が好ましい。
【0052】図7は、本発明者らが先に提案したSi結
晶成長用るつぼの構造を示す。図7(A)は、るつぼの
外観を示す斜視図である。また、図7(B)は、るつぼ
の構成を示す断面図である。
【0053】石英るつぼ31は、グラファイトるつぼ3
2によって保持される。結晶成長温度が高いため、石英
るつぼのみではSiメルトを収容した石英るつぼの強度
が不足する。このため、グラファイトるつぼ32によ
り、るつぼの強度を増加している。グラファイトるつぼ
32には、通常3つのスリット33が形成されている。
図には2つのスリットを示した。
【0054】グラファイト表面を露出しておくと、グラ
ファイトから蒸発するCがSiメルト中に混入する。こ
のため、成長Si結晶のC濃度を低減することが困難に
なる。このため、グラファイトるつぼ32の表面はSi
Cコーティング34によって被覆する。グラファイトる
つぼ32の表面をSiCコーティング34によって被覆
することにより、グラファイトるつぼ32からのCの蒸
発が防止される。
【0055】石英るつぼ31中にSiソース材料を収容
し、加熱してSiメルトにする。この状態において、石
英るつぼ31からSiメルトにO2 が供給され、Siメ
ルト中のCと結合し、CO2 またはCOとなって蒸発す
る。このように、Siメルト中に酸素を供給することに
より、SiメルトのC濃度が低減する。
【0056】このとき、SiメルトにCが供給される
と、Siメルト中のC濃度はある値以上には低下しなく
なる。高温に保持される部分のC含有部材は、コーティ
ング等を施すことにより、Cを蒸発させないようにする
ことが望まれる。
【0057】たとえば、ヒータとしてカーボン(グラフ
ァイト)ヒータを用いるが、このカーボンヒータ表面に
もSiCコーティングを形成し、ヒータからCが蒸発し
ないようにする。
【0058】また、ヒータ外側には非常に大きな表面積
を有するグラファイト繊維からなる断熱材が配置される
が、このグラファイト繊維の断熱材の表面から多量のC
O、CO2 等が発生する。しかし、グラファイト繊維の
全表面にSiC等のコーティングを形成することは現実
的には不可能である。
【0059】このCO、CO2 がSiメルトに到達する
ことを防ぐため、グラファイト繊維断熱材を包む壁を形
成し、かつこのグラファイト断熱材を収容する空間にパ
ージガスを流し、CO、CO2 と共に排気する。
【0060】また、成長結晶にCが侵入することを防止
するため、成長結晶直上にパージチューブを取付け、パ
ージガスを流して成長結晶表面を保護する。このパージ
ガスは、Siメルト上にも流れ、Siメルト表面も保護
する。
【0061】このような方法で成長したSi結晶の炭素
濃度を放射化分析法で測定したところ、3.6×1014
cm-3(固化率:15%)、5.0×1014cm-3(固
化率:70%)が得られた。すなわち、従来の1015
-3レベルを下回る炭素濃度を有するSi結晶が得られ
た。
【0062】本発明者らは、Si結晶の更なる低炭素濃
度化を目指し、上述のるつぼ構造を改善した。図1は、
本発明の実施例によるSi結晶成長装置を示す。図1
(A)は結晶装置の断面構成を示し、図1(B)はるつ
ぼの拡大断面図である。
【0063】図1(A)において、内側の石英るつぼ1
と外側のグラファイトるつぼ3で構成されたるつぼ5
は、シャフト6に支持されてチャンバ17中に配置され
る。なお、シャフト6はチャンバ17外に配置されたモ
ータ7によって回転駆動される。
【0064】るつぼ5は、図1(B)に拡大して示すよ
うに、所定のコーティングを施されている。外側のグラ
ファイトるつぼ3の全表面は、SiCコーティング4に
よって覆われている。このSiCコーティング4によっ
てグラファイトるつぼ3からのCの蒸発が防止される。
【0065】さらに、内側の石英るつぼ1の全外側表面
は、Si3 4 コーティング2によって覆われている。
このSi3 4 コーティングは、O、Cの透過を遮断す
る機能を有する。なお、Si3 4 コーティングはるつ
ぼと接する面を覆えばよい。るつぼ内側のSiメルトと
接する面には、Si3 4 コーティングは設けない。
【0066】図7に示したるつぼ構造においては、内側
の石英るつぼが外側のグラファイトるつぼ表面のSiC
コーティングに接していた。この構成によれば、高温下
では石英るつぼと接するグラファイトるつぼのSiCコ
ーティングからSiCが次の反応によって分解し、C
O、CO2 が発生し易い。
【0067】2SiC+SiO2 →3Si+2CO↑ SiC+SiO2 →2Si+CO2 ↑ すなわち、石英るつぼとグラファイトるつぼの接触面に
おいて、CO、CO2が発生し、Siメルト中に溶け込
むことができる。
【0068】Siメルト中のC濃度を著しく低く抑制し
た状態においては、このようにるつぼから供給されるC
濃度は無視できない大きさであり、Siメルト中のC濃
度低減を制限してしまう。
【0069】本構成においては、石英るつぼ1外側表面
をSi3 4 コーティング2が被覆しているため、石英
るつぼ1はSiCコーティング4と直接接触しない。石
英るつぼから発生するOは、Si3 4 コーティング2
によって遮蔽され、SiCコーティングには到達しな
い。
【0070】したがって、るつぼ5は、Siメルトに酸
素のみを供給する。供給された酸素は、Siメルト8中
に溶融しているCと会合すると、CO、CO2 となって
メルト外に排出される。
【0071】るつぼ5の周囲には、SiCコーティング
を備えた筒状のグラファイトヒータ13が配置されてい
る。このヒータ13に所定の電流を流すことにより、る
つぼ5を所定温度に加熱する。
【0072】ヒータ13とチャンバ17の間には、カー
ボンファイバ断熱材15が配置され、チャンバ17の加
熱を防止している。ただし、カーボンファイバ断熱材1
5は、極めて広い表面積を有し、CO、CO2 を発生す
る。発生したCO、CO2 がSiメルト8に接すると、
Siメルト8にCが導入されてしまう。
【0073】このため、まずカーボンファイバ断熱材1
5をチャンバ17の内壁との間に閉じ込めるため、Si
Cコートを設けたグラファイトのシールド19がヒータ
13と断熱材15との間に配置され、断熱材15を収容
する部屋を画定する。また、チャンバ17には排気孔2
5を形成し、シールド19には通気孔を形成する。
【0074】Siメルト8には、シード結晶10を接触
させ、引き上げることによって成長結晶11を育成す
る。この成長結晶11を包むように、SiCコーティン
グを備えた高融点金属のパージチューブ21が上方から
下方に突き出すように配置されている。チャンバ17に
は、パージ用Arガスを供給するめたの配管22が接続
されている。
【0075】配管22から供給されたArパージガス
は、パージチューブ21から下方に吹き出し、成長結晶
11、Siメルト8表面付近のCO、CO2 を速やかに
除去すると共に、シールド19の通気孔を通り、断熱材
15から発生するCO、CO2を伴って排気孔25から
排気される。
【0076】ヒータ13によってるつぼ5内を1400
℃以上の温度に加熱し、シード結晶10をSiメルト8
に接触させ、シード結晶10をSiメルトから引き上げ
ることにより、成長結晶11が育つ。なお、結晶成長中
るつぼ5はモータ7によって回転される。
【0077】シード結晶10は、W線9でつり下げら
れ、結晶成長中上方に引き上げられる。なお、固液界面
を一定位置に保つため、結晶成長に伴い、るつぼ5を液
面の移動分僅かに上方に移動させるようにシャフト6を
駆動してもよい。
【0078】グラファイト製構造部材をコートするコー
ティングは、SiCに限らず、チタンカーバイド(Ti
C)、ニオビウムカーバイド(NbC)、タンタルカー
バイド(TaC)、ジルコニアカーバイド(ZrC)等
の他の炭化物であってもよい。
【0079】これらのコーティングは、少なくとも10
0μmの厚さに形成することが好ましい。石英るつぼ1
の外側表面を被覆するSi3 4 コーティング2も、少
なくとも100μm厚さに形成する。
【0080】パージチューブ21は、Wの他、モリブデ
ン(Mo)、グラファイト等で形成してもよい。パージ
チューブがグラファイトの場合には、少なくとも厚さ1
00μmの上述の炭化物コーティングを設けることが好
ましい。
【0081】このように、内面で酸素を供給するが、外
面でOとCを完全に遮蔽したるつぼを用いることによ
り、1×1014cm-3以下の炭素濃度を有するSi結晶
を成長するが可能となる。
【0082】図1に示すSi結晶成長装置を用いたSi
結晶の具体的成長を説明する。まず、成長炉の空焼きを
行なう。空焼き時には石英るつぼを設置しない。この空
焼きの目的は、SiCコーティングを施したホットゾー
ン内のグラファイト構造物表面に吸着している水分を除
去することである。
【0083】まず、Ar流雰囲気(約10torr)で
ヒータ温度を多結晶シリコンの溶解時に必要な1600
℃まで上昇し、約5時間保持する。次にAr流を止め、
炉内圧力を約10-2torrまで低下させ、1時間保持
する。
【0084】最後に炉内にN2 を約10torr流し、
1時間維持した後、ヒータの電流を切り、炉を冷却す
る。ここでN2 を流す理由は、水分の混入を防止するた
めである。
【0085】空焼きの後、炉を開放し、多結晶シリコン
をチャージするが、このとき全てのホットゾーンが大気
と接触する。大気と接触した表面は、大気中の水分を吸
着する危険性がある。N2 は高温ではArよりやや活性
なため、ホットゾーン表面に吸着され、SiCが大気中
の水分を吸着することを防ぐ。
【0086】続いて、多結晶シリコンのチャージを行な
う。標準的な石英るつぼは、直径約40cmであり、標
準チャージ量は約45Kgである。多結晶シリコンのチ
ャージ終了後、炉内を約10-2torr程度まで真空排
気し、炉にリーク等の異常がないことを確認した後、直
ちにヒータに電流を流し、多結晶シリコンの溶融を開始
する。
【0087】ヒータ表面は、SiCでコーティングされ
ているが、入力電流が同じときには通常のグラファイト
ヒータとほとんど同じ熱量を発生し、ほとんど同じ温度
に到達する。多結晶Si溶解中のその後の成長プロセス
においても、電力の入力値は従来の成長と同様でよい。
【0088】加熱後約4時間で全ての多結晶シリコンが
溶解する。Siメルトを結晶成長に適切な温度分布に制
御した後、結晶成長を開始する。6インチウエハを製造
する場合は、直径を15.7±0.2cm以内に制御し
つつ、長さ85cmに成長した後、径を徐々に細らせ、
テールを形成して成長を終了する。
【0089】SiCコーティングを設けたホットゾーン
は、従来のグラファイトホットゾーンの約3倍の価格と
なるが、SiCの酸化速度はグラファイトの数百分の1
であるため、酸化による劣化は従来のグラファイト製ホ
ットゾーンより極めて遅い。したがって、価格的にもさ
ほど高価なホットゾーンとはならない。
【0090】以上の手順でシリコンインゴットを製造し
た後、通常の加工工程を行なう。すなわち、粗斬り、外
周研削、スライス、ラッピング、研磨の各工程を行な
い、シリコンウエハを得る。
【0091】図2は、上述の工程で得られたシリコン結
晶中の炭素濃度を示すグラフである。横軸に固化率を示
し、縦軸に放射化分析による炭素濃度を示す。固化率8
0%のサンプルにおいても、炭素濃度は測定限界の2.
5×1014cm-3以下であった。この固化率80%のサ
ンプルの炭素濃度が仮に2.5×1014cm-3であった
場合、固化率が80%以下の各サンプルについて予測さ
れる炭素濃度は破線のようになる。
【0092】この曲線から予想されるように、固化率5
5%以下の結晶においては、1.0×1014cm-3以下
の炭素濃度が保証される。このように製造したSiウエ
ハは、そのまま使用に供することもできるが、その上に
エピタキシャル層等をさらに形成することもできる。
【0093】図8は、シリコンウエハ41の上にエピタ
キシャル42を形成したエピタキシャルウエハの構成を
示す。エピタキシャル層42は、ボロン(B)、アルミ
ニウム(Al)、ガリウム(Ga)、またはインジウム
(In)等のp型不純物を添加したp型シリコン結晶、
または燐(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)等
のn型不純物を添加したn型シリコン結晶層である。シ
リコンウエハ41はノンドープでもp型またはn型にド
ープした結晶でもよい。
【0094】図9は、表面にドーピングを行なったウエ
ハを示す。ウエハ41は上述の方法により作成したシリ
コンウエハであり、その表面に上述のようなp型または
n型の不純物をドープしたドープ層43が形成されてい
る。
【0095】シリコン結晶の上には、シリコンのみでな
く、他の種々の半導体をエピタキシャルに成長すること
ができる。図10はヘテロ接合ウエハの構成例を示す。
シリコンウエハ41の表面上に、ガリウム結晶層45と
アルミニウム−ガリウム砒素結晶層46とが交互に成長
され、ヘテロ接合構造を構成している。ヘテロ接合の数
は適宜増減することができる。
【0096】このような構成は、たとえばHEMT集積
回路を形成するのに利用することができる。なお、各層
に適宜不純物をドープできることは自明であろう。な
お、図10においては、シリコンウエハの上にガリウム
砒素層とアルミニウムガリウム砒素層を形成したが、ヘ
テロ接合を形成する半導体はこれら制限されない。たと
えば、ガリウム燐等の他のIII−V族化合物半導体層
を形成することもできる。
【0097】III−V族化合物半導体はシリコンと較
べ、機械的強度に劣るが、シリコン基板上にIII−V
族化合物半導体層を成長することにより、全体として機
械的強度に優れたIII−V族半導体装置を提供するこ
とが可能となる。
【0098】図11は、ヘテロ接合ウエハの他の構成例
を示す。シリコンウエハ41の上にシリコン−ゲルマニ
ウムバッファ層47を形成した後、シリコン結晶層48
とシリコン−ゲルマニウム結晶層49が交互に成長され
ている。
【0099】図12は、SOIウエハの構成例を示す。
SOI型半導体装置は、誘電分離した半導体素子を作成
することができるため、高速用半導体装置等に期待され
る構造である。
【0100】シリコンウエハ41の上に、シリコン酸化
膜51が配置され、その上に薄いデバイス層を形成する
シリコン結晶層52が配置されている。このような構成
は、シリコンウエハ41とシリコン酸化膜51を備えた
他のシリコンウエハを熱的に接着し、デバイス層を形成
するシリコンウエハを研磨することによって作成するこ
とができる。接着剤による接着を用い、同様の構造を作
成することもできる。
【0101】SOIウエハは、シリコン結晶でシリコン
酸化膜を挟んだ構造を有するため、シリコン結晶と酸化
膜の熱膨張率の差に起因する歪みが界面に蓄積される。
このため、デバイスプロセス中の熱処理によって変形し
易い欠点を有する。
【0102】上述のような機械的強度に優れたシリコン
ウエハを用いることにより、SOIウエハの機械強度を
向上することができる。このため、熱応力起因の不良率
を下げることができる。
【0103】上述のように、炭素濃度を低減したシリコ
ン結晶は結晶性に優れると共に機械的強度を高く維持す
ることができる。このため、シリコンの弾性的性質を利
用した各種デバイスに有利に利用することができる。
【0104】図13は、シリコンを用いた加速度センサ
の構成例を示す。シリコン結晶部材55は、保持部55
cから厚さを薄く成形したカンチレバー部55bを介し
て、可動電極となる可動部55aに連続している。
【0105】可動部55aの上下には、固定電極57が
ガラス基板56に固定して配置されている。また、可動
部55aの左側には、他の固定電極58が配置されてい
る。可動部55aが上下に変位すると、容量が変位に伴
って変化する。可動部55aと固定電極58の対向面は
それぞれ角部を形成するように研磨され、可動部55a
が上下に移動するとき、その容量を大幅に変更する。
【0106】固定電極57、58は、検出回路59に接
続され、容量変化を検出する。検出された容量変化は、
増幅器61を介してパルス幅変調回路62に供給され
る。パルス幅変調回路62の出力は、インバータ63を
介して検出回路59にフィードバックされている。固定
電極からの一方の信号は、低域ろ波器64を介してゼロ
点測定範囲調整回路65に供給されている。
【0107】このような加速度センサにおいて、シリコ
ン結晶部材55を、上述のように炭素濃度が低く、かつ
機械的強度に優れたシリコン結晶で形成することによ
り、感度が高く耐久性に優れた加速度センサを提供する
ことができる。
【0108】図14は、シリコン結晶を利用した集積化
質量流量制御装置の構成例を示す。図14(A)はバル
ブが閉じた状態を示し、図14(B)はバルブが開いた
状態を示す。
【0109】シリコン結晶部材155は、リング状に厚
さを薄くしたダイヤフラム部155bを有し、その中央
に弁として働く肉厚部155aを有する。また、ダイヤ
フラム部155bの外側には固定部材として機能する肉
厚部155cが形成されている。
【0110】このようなシリコンウエハ155は、中央
の肉厚部155aにガラスアクチュエータ158aが固
定され、その外側の肉厚部にピエゾアクチュエータ16
1a、161bが固定されている。
【0111】ピエゾアクチュエータ161a、161
b、…、およびガラスアクチュエータ158aは、支持
用ガラス基板158aに共通に固定されている。また、
シリコン結晶部材155の上方には、ガラス部材157
が配置され、シリコンウエハ155との間にガス流路1
63を形成している。
【0112】ガラス部材157には開口164が形成さ
れており、ガラス部材157下のガス流路と連絡する。
ガス流路中には、熱型フローセンサ165が配置されて
いる。
【0113】ピエゾアクチュエータ161に電圧を印加
しない状態で、シリコンウエハ155中央の肉厚部15
5bがガラス基板157の開口を閉じ、流路を遮蔽す
る。ピエゾアクチュエータ161に電圧を印加すると、
ピエゾアクチュエータは延び、ガラス基板158bを介
してガラスアクチュエータ158aを下方に駆動する。
このガラスアクチュエータの移動により、肉厚部155
aが上方のガラス基板157から離れ、ガス流路を上方
のガス流路に連続させる。
【0114】このような質量流量制御装置において、機
械的強度に優れたシリコンウエハを用いることにより、
流量の変化幅が大きく、耐久性に優れた質量流量制御装
置を提供することができる。
【0115】以上、限られた実施例につき、本発明を説
明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。
シリコン単結晶を用いたほぼ全ての半導体装置および機
械的機構に本発明を利用することができる。
【0116】その他、種々の変更、改良、組み合わせ等
が可能なことは当業者に自明であろう。
【0117】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
C濃度が低く、結晶欠陥が少ないSi結晶が得られる。
【0118】さらに、酸素析出物濃度を低く保ち、かつ
機械的強度に優れたSi結晶が得られる。このようなS
i結晶を種々の半導体装置や機構部材に利用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるSi結晶成長装置を示す
断面図である。
【図2】図1に示す成長装置で成長したSi結晶の炭素
濃度の測定例を示すグラフである。
【図3】Si結晶中のキャリアのライフタイムの炭素濃
度依存性を示すグラフである。
【図4】Si結晶の冷却速度と析出酸素量との関係を示
すグラフである。
【図5】酸素析出量の炭素濃度に対する濃度依存性を示
すグラフである。
【図6】酸素析出量の酸素濃度依存性を示すグラフであ
る。
【図7】本発明者らの先の提案によるSi結晶成長用る
つぼの構成を示す斜視図および断面図である。
【図8】本発明の実施例によるシリコンウエハの構成を
示す断面図である
【図9】本発明の実施例によるシリコンウエハの構成を
示す断面図である
【図10】本発明の実施例によるヘテロ接合半導体ウエ
ハの構成を示す断面図である。
【図11】本発明の実施例によるヘテロ接合半導体ウエ
ハの構成を示す断面図である。
【図12】本発明の実施例によるSOIウエハの構成を
示す断面図である。
【図13】本発明の実施例による加速度センサの構成を
概略的に示す断面図である。
【図14】本発明の実施例による集積化質量流量制御装
置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 石英るつぼ 2 Si3 4 コーティング 3 グラファイトるつぼ 4、14 SiCコーティング 5 (複合)るつぼ 6 シャフト 7 モータ 8 Siメルト 9 タングステン(W)線 10 シード結晶 11 成長結晶 13 グラファイトヒータ 15 カーボンファイバ断熱材 17 チャンバ 19 シールド 21 パージチューブ 25 排気孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C30B 29/06 C 8216−4G

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Siソース材料を収容するための石英製
    るつぼ(1)と、 前記石英製るつぼを保持するためのグラファイト製るつ
    ぼ(3)と、 前記グラファイト製るつぼ(3)の全表面を覆い、Si
    C、TiC、NbC、TaC、ZrCおよびこれらの混
    合物のいずれかで形成されたグラファイト製るつぼコー
    ティング(4)と、 前記石英製るつぼ(1)の少なくともグラファイト製る
    つぼと接触する面を覆い、溶融Siと接する面は露出す
    る窒化シリコン製コーティング(2)とを有するSiの
    結晶成長装置。
  2. 【請求項2】 さらに、前記石英製るつぼ(1)、グラ
    ファイト製るつぼ(3)を収容する気密チャンバ(1
    7)と、 前記気密チャンバ(17)内で前記グラファイト製るつ
    ぼの周囲に配置され、SiC、TiC、NbC、Ta
    C、ZrCおよびこれらの混合物のいずれかで形成され
    たコーティングを備えたグラファイト製ヒータ(13)
    とを有する請求項1記載のSiの結晶成長装置。
  3. 【請求項3】 さらに、前記気密チャンバ(17)の内
    壁と結合し、中間空間を画定し、SiC、TiC、Nb
    C、TaC、ZrCおよびこれらの混合物のいずれかで
    形成されたコーティングを備えたサーマルシールド(1
    9)と、 前記中空空間内に配置されたカーボンファイバ断熱材
    (15)とを有する請求項2記載のSiの結晶成長装
    置。
  4. 【請求項4】 さらに、前記石英製るつぼ(1)上方に
    配置され、底部が開放した筒状部材(21)と、 前記筒状部材の上方よりパージガスを導入し、前記中空
    空間より気密チャンバ外部にパージガスを排気するパー
    ジガス流路手段(24、25)とを有する請求項3記載
    のSiの結晶成長装置。
  5. 【請求項5】 前記筒状部材(21)がSiC、Ti
    C、NbC、TaC、ZrCおよびこれらの混合物のい
    ずれかで形成されたコーティングを備えた高融点金属の
    筒状部材で形成されている請求項4記載のSiの結晶成
    長装置。
  6. 【請求項6】 Siソース材料を収容するための石英製
    るつぼ(1)と、前記石英製るつぼを保持するためのグ
    ラファイト製るつぼ(3)と、前記グラファイト製るつ
    ぼ(3)の全表面を覆い、SiC、TiC、NbC、T
    aC、ZrCおよびこれらの混合物のいずれかで形成さ
    れたグラファイト製るつぼコーティング(4)と、前記
    石英製るつぼ(1)の少なくともグラファイト製るつぼ
    と接触する面を覆い、溶媒Siと接する面は露出する窒
    化シリコン製コーティング(2)とを有するるつぼ内に
    Siソース材料を収容し、溶融させてSiメルトを形成
    する工程と、 前記るつぼ内のSiメルトに種結晶を接触させ、種結晶
    を引き上げて種結晶上にSi結晶を成長させる成長工程
    とを含むSiの結晶成長方法。
  7. 【請求項7】 さらに、前記成長工程の間、パージガス
    を成長結晶およびSiメルト表面上に流し、発生する酸
    化炭素ガスを排気する工程を含む請求項6記載のSiの
    結晶成長方法。
  8. 【請求項8】 約1.0×1014cm-3以下の炭素濃度
    を有するシリコン結晶。
  9. 【請求項9】 さらに、約1.3×1018cm-3以上の
    酸素濃度を有する請求項8記載のシリコン結晶。
  10. 【請求項10】 さらに、固溶限度以下のB、Al、G
    a、Inの少なくとも1種の不純物濃度を有する請求項
    8ないし9記載のシリコン結晶。
  11. 【請求項11】 さらに、固溶限度以下のP、As、S
    bの少なくとも1種の不純物濃度を有する請求項8ない
    し9記載のシリコン結晶。
  12. 【請求項12】 約1.0×1014cm-3以下の炭素濃
    度を有するシリコン層を有するウエハ。
  13. 【請求項13】 さらに、前記シリコン層が約1.3×
    1018以上の酸素濃度を有する請求項12記載のウエ
    ハ。
  14. 【請求項14】 さらに、前記シリコン層が固溶限度以
    下のB、Al、Ga、Inの少なくとも1種の不純物濃
    度を有する請求項12ないし13記載のウエハ。
  15. 【請求項15】 さらに、前記シリコン層が固溶限度以
    下のP、As、Sbの少なくとも1種の不純物濃度を有
    する請求項12ないし13記載のウエハ。
  16. 【請求項16】 さらに、前記シリコン層上に形成され
    たエピタキシャル層を有する請求項12〜15のいずれ
    かに記載のウエハ。
  17. 【請求項17】 前記エピタキシャル層が固溶限度以下
    のB、Al、Ga、Inの少なくとも1種の不純物濃度
    を有する他のシリコン層である請求項16記載のウエ
    ハ。
  18. 【請求項18】 前記エピタキシャル層が固溶限度以下
    のP、As、Sbの少なくとも1種の不純物濃度を有す
    る他のシリコン層である請求項16記載のウエハ。
  19. 【請求項19】 前記エピタキシャル層がGaAs、G
    aP、AlGaAsの少なくとも1種を主成分とする請
    求項12〜15のいずれかに記載のウエハ。
  20. 【請求項20】 前記エピタキシャル層がシリコン層と
    シリコン−ゲルマニウム混晶層の交互層を含む請求項1
    2〜15のいずれかに記載のウエハ。
  21. 【請求項21】 さらに、前記シリコン層上に配置され
    た酸化シリコン層と、 前記酸化シリコン層の上に配置された単結晶シリコン層
    とを有する請求項12〜15のいずれかに記載のウエ
    ハ。
  22. 【請求項22】 約10×1014cm-3以下の炭素濃度
    と約1.3×1018cm-3以上の酸素濃度とを有するシ
    リコンで形成された弾性部材と、 前記弾性部材に応力を印加する手段とを有する機構。
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