JP6117831B2 - 鞍乗り型車両の吸気構造 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、雨水の浸入を抑制させながら、外気をより多く吸入させることが可能な鞍乗り型車両の吸気構造を提供することにある。
また、上記構成において、前記吸気ダクト(38,178)は、外気を吸入する吸入口(38a,178a)が、車体側方斜め下方に指向するようにしても良い。
また、上記構成において、前記第1開口(174b)は、前記サイドボディカバー(174)に沿って流れる走行風に対して略直交する方向に延びる複数のスリット(174c)により形成されるようにしても良い。
また、上記構成において、前記吸気ダクト(38,178)は、前記吸入口(38a,178a)が、車体右方斜め下方に指向し、前記第2開口(77b)は、車体の右側に設けられるようにしても良い。
また、第1開口は、サイドボディカバーの背面に設けられるので、サイドボディカバーに付着した雨水が、走行中に車体後方へ流れるときに第1開口に浸入するのを抑制することができる。
また、吸気ダクトは、外気を吸入する吸入口が、車体側方斜め下方に指向するので、雨水が吸気ダクト内に浸入するのを防ぐことができる。
また、第1開口は、サイドボディカバーに沿って流れる走行風に対して略直交する方向に延びる複数のスリットにより形成されるので、走行中にサイドボディカバーの表面を走行風と共に車体後方へ流れる雨水に対してスリットの長手方向が平行となりにくい構造なので、雨水が第1開口から浸入することを抑制することができる。
また、吸気ダクトは、吸入口が、車体右方斜め下方に指向し、第2開口は、車体の右側に設けられるので、第2開口から外気を吸気ダクトに向けてスムーズに供給することができ、吸入空気量を増やすことができる。
図1は、本発明に係る吸気構造を備えた自動二輪車10の右側面図である。
自動二輪車10は、車体フレーム(不図示)の前端部にフロントフォーク12を介して前輪13が支持され、車体フレームの下部(詳しくは、左右一対のピボットフレーム11)にスイングアーム14を介して後輪16が支持され、車体フレームの上部に運転者用のメインシート17が支持された鞍乗り型車両である。
フロントフォーク12は、上部にバーハンドル21が取付けられ、下部に車軸22を介して前輪13が支持される。スイングアーム14は、その前端部が左右のピボットフレーム11に設けられたピボット軸23に揺動可能に支持され、後端部に車軸24を介して後輪16が支持される。
エンジン26は、クランク軸が回転可能に収容されたクランクケース26aと、クランクケース26aの前部上部から上方斜め前方に立ち上げられたシリンダ部26bとを備える。シリンダ部26bの後部には吸気装置36が接続されている。吸気装置36は、エアクリーナボックス37と、エアクリーナボックス37の後部に接続された吸気ダクト38とを備える。また、シリンダ部26bの前部には排気装置39が接続されている。
自動二輪車10は、車体カバー31で覆われている。車体カバー31は、フロントカウル32、左右一対のサイドボディカバー33、左右一対のリヤサイドボディカバー34を備える。
アッパカウル41は、フロントカウル32の前面を形成し、車幅方向中央及び下部に位置するセンタアッパカウル45と、車幅方向外側に位置する左右一対のサイドアッパカウル46とを備え、左右のサイドアッパカウル46にウインドスクリーン47が取付けられている。サイドアッパカウル46の下方にはヘッドライト51が配置されている。
ミドルカウル42は、フロントカウル32の左右側面を形成し、車体前部を前輪13の車軸22よりも低い位置まで車体側方から覆う部分である。ロアカウル43は、ミドルカウル42の下端部に接続された前端部からエンジン26の下部の側方まで延びている。アッパインナカウル44は、左右のミドルカウル42の上縁部に取付けられている。
アッパサイドボディカバー55は、ロアサイドボディカバー54と、メインシート17と、燃料タンク29とで囲まれた部分に配置されている。
リヤサイドボディカバー34は、運転者用のメインシート17の後部、及びメインシート17の後方に配置された同乗者用のリヤシート57のそれぞれの側縁部の下方を覆っている。
エアクリーナボックス37及び吸気ダクト38は、サイドボディカバー33の車幅方向内側に配置され、特に吸気ダクト38は、ロアサイドボディカバー54の後部の車幅方向内側に配置されている。
図中の符号61は、前輪13を上方から覆うフロントフェンダ、62はサイドアッパカウル46に取付けられた左右一対のバックミラー、63はミドルカウル42の前部上部に取付けられた左右一対のフロントウインカ、64は左右一対の運転者用ステップ、66は左右一対の同乗者用ステップ、67は後輪16を上方から覆うリヤフェンダ、68は同乗者が掴むグラブレール、69は左側のピボットフレーム11の下端部に取付けられたサイドスタンド、74,75は排気装置39を構成する排気管及びマフラである。
エアクリーナボックス37は、燃料タンク29及びメインシート17の下方に配置され、吸気ダクト38は、エアクリーナボックス37の後部に設けられる。吸気ダクト38は、車体前後方向では、左右の運転者用ステップ64,64と同じ位置に有る。
本実施形態では、吸気ダクト38よりも後方に、車体カバー31内に外気を取り入れて吸気ダクト38へ向けて供給するための複数の開口が車体カバー31に設けられている。
メインシート17の後端部の近傍で、左右のリヤサイドボディカバー34,34にそれぞれルーバー部材77L,77Rが設けられ、右側のルーバー部材77Rに、上記の開口の一つ(後で詳述するルーバー開口77b)が設けられている。ルーバー部材77L,77Rは、それぞれ左右のリヤサイドボディカバー34,34のそれぞれの一部を構成している。
車体カバー31内には、完全な密閉状態とはなっていないが複数の壁で囲まれた半密閉空間と、外気を各開口から吸気ダクト38側へ効果的に導くための構造とが形成されている。半密閉空間内では、エンジン26の運転に伴う吸気ダクト38からの吸引による負圧が発生する。この負圧によって、外気は吸気ダクト38へ導かれやすくなる。
エアクリーナボックス37の後部に管状の吸気ダクト38が接続されている。
吸気ダクト38は、空気を吸入する吸入口38aと、吸入口38aからエアクリーナボックス37内に空気を取り入れるために吸入口38a内のエアクリーナボックス37側に開けられた取入れ口38bとを備える。なお、符号38cは吸入口38aの開口である。
吸入口38aの長手方向に延びるとともに吸入口38aの幅の中心を通る吸入口中心線120は、取入れ口38b側から開口38c側へ車体右方斜め下方に傾いて延びている。
吸入口中心線120は、水平線121に対して角度θだけ傾いている。このように、吸入口38aが傾いているのは、車体フレームを構成する左側のピボットフレーム11(図1参照)の下端部に設けられたサイドスタンド69(図1参照)を使用して車両を停車又は駐車させた場合に、車体が左側に傾いても吸入口中心線120を車体右方斜め下方に傾かせて、吸入口38a内に開口38cから雨水が入り込まないようにするためである。
吸気部品48の左右側方は、ロアサイドボディカバー54で覆われているので、吸気部品48は、底板17a、ABSモジュールカバー124、左右のロアサイドボディカバー54,54で囲まれた空間125内に配置される。
右側のサブフレーム128の近傍であって、右側のロアサイドボディカバー54の下縁部54eとABSモジュールカバー124の右壁124aとの間にはロア開口131が設けられている。ロア開口131は、吸気ダクト38の右側方斜め下方に位置するので、ロア開口131から吸気ダクト38に空気を吸入しやすくなっている。
右側のロアサイドボディカバー54の下縁部54eと、右側のロアフレームカバー136との間には隙間165が設けられる。従って、外気は、隙間165とロア開口131とを通って吸気ダクト38へ向かう。
エアクリーナボックス37は、エアクリーナケース本体141と、エアクリーナケース本体141の開口を塞ぐエアクリーナケースカバー142と、エアクリーナケース本体141に着脱可能に取付けられたエアフィルタエレメント143とからなる。
吸気ダクト38は、エアクリーナケース本体141の後部に接続されている。
吸気ダクト38の吸入口38aから吸入された空気は、エアクリーナボックス37内の一方の室であるダーティサイドに流入し、エアフィルタエレメント143を通過することで浄化される。更に空気は、エアクリーナボックス37内の他方の室であるクリーンサイドに入り込み、クリーンサイドから吸気装置36(図1参照)の各部品を通過してエンジン26に供給される。
(1)前後に配置されたエアクリーナボックス37と、バッテリ144及びバッテリ収容部67a、(2)左右に配置されたロアサイドボディカバー54,54によって、空間146が形成され、空間146内に吸気ダクト38が位置する。
左右のロアサイドボディカバー54のそれぞれの後端面54aには、バッテリ収容部67aの左右側方にそれぞれ位置するロアサイド開口54b,54bが設けられている。
左右一対のロアサイド開口54bによって、空間146内に外気が取り込まれ、吸気ダクト38から吸入される。ロアサイド開口54bを、左右両側に設けているが、右側だけに設けても良い。
図5(A)に示すように、ロアサイド開口54bは、ロアサイドボディカバー54の後端面54aで且つロアサイドボディカバー54に隣接するリヤサイドボディカバー34の直下に設けられている。後端面54aは、ロアサイドボディカバー54の車体側方に指向する外面54dの後縁から車幅方向内側へ屈曲した平坦面で形成される。
ロアサイド開口54bの後方には、シートレール127(図3参照)とサブフレーム128とに渡されるとともに後端面54aに略平行に配置された補強フレーム151が近接配置されている。また、ロアサイド開口54b及び補強フレーム151の近傍のサブフレーム128には、リヤステップブラケット152が取付けられ、リヤステップブラケット152に同乗者用ステップ66が取付けられている。
ロアサイドボディカバー54の下方にはロアフレームカバー136が隣接している。なお、符号153はピボット軸23(図1参照)の側方を覆うためにロアフレームカバー136に取付けられたキャップ部材である。
上記したように、ロアサイドボディカバー54の後縁に略車幅方向に幅を有する平面状の後端面54aを設け、後端面54aにロアサイド開口54bを設けることで、ロアサイドボディカバー54の外面54dに付着して走行風により後方に流れる雨水をロアサイド開口54bから内側へ入り込みにくくするとともに、ロアサイド開口54bを車体側方から目立たなくすることができる。
また、ロアサイド開口54bの後方に近接させて後端面54aに沿うように補強フレーム151(図1も参照)を設けることで、ロアサイド開口54bと補強フレーム151との前後方向の隙間を確保してロアサイド開口54bから外気が吸入されるのを邪魔することがない。更に、ロアサイド開口54bへ後方から石等が入り込むのを防止するとともにロアサイド開口54bをより一層目立たなくして外観性を向上させることができる。
ルーバー部材77Rは、メインシート17の後端部に近接してリヤサイドボディカバー34の前部上部に設けられ、ルーバー部材77Rの後端位置は、前後方向ではリヤシート57の前端部の位置と略一致する。
ルーバー部材77Rには、横長の複数のスリット77aが上下に並ぶように形成されている。複数のスリット77aは、ルーバー開口77bを構成し、ルーバー開口77bから外気が車体カバー31内の吸気ダクト38(図4参照)に供給される。
ルーバー部材77Rは、メインシート17に着座した乗員の後方に位置するため、雨天時の車両走行中であっても、ルーバー部材77Rのルーバー開口77bから雨水が内部に入りにくい。
左右の同乗者用ステップ66、同乗者用ステップ66を支持するリヤステップブラケット152のステップ支持部152aに対して前後方向で重なる位置に左右のルーバー部材77L,77Rが配置されている。
左側のルーバー部材77Rにはスリットが形成されておらず、右側のルーバー部材77Rには複数のスリット77aが形成されてルーバー開口77bが設けられる。従って、右側に開口した吸気ダクト38(図4参照)へ外気を供給しやすい。外気は、ルーバー開口77bから、ルーバー部材77Rの車幅方向内側で且つメインシート17の底板17aとリヤフェンダ67とで形成された空間155に入り込む。なお、符号157は左右のシートレール127,127間に渡されたクロスパイプ、158はスイングアーム14を構成する左右のアーム部材である。
右側のルーバー部材77Rは、複数の羽板部77cと、各羽板部77cの間に形成されたスリット77aと、隣り合う羽板部77cで形成された凹部77dとを備える。
羽板部77cは、スリット77aから取り込んだ後の空気の流れを所定の方向に設定する部分である。スリット77aは、各羽板部77cの下方に形成され、上方から羽板部77cによって覆われているので、上方からは見えない。凹部77dは、隣り合う羽板部77cの間にスリット77aが形成されない部分であり、凹部77dにスリット77aを設ける、又はスリット77aを設けないことでスリット数を変更し、取り込む空気量を変更することが可能である。
外気は、ルーバー部材77Rのルーバー開口77bを通じて車体カバー31内の底板17a、リヤフェンダ67、左右のリヤサイドボディカバー34,34で囲まれた空間155に流入し、吸気ダクト38(図4参照)に供給される。
ルーバー部材77Lの下方には、リヤサイドボディカバー34の側部に取付けられたキーシリンダ161が配置されている。キーシリンダ161は、リヤシート57(図2参照)を開閉するためのシートロック装置(不図示)を作動させる部品であり、キーシリンダ61とシートロック装置とはケーブルで繋がれている。
シートロック装置は、車体フレームに取付けられ、シートロック装置に設けられた係合部が、リヤシート57に設けられた被係合部に係合することで、リヤシート57が閉じた状態でロックされる。キーシリンダ161にキーを挿入して回せば、係合部が被係合部から外れ、リヤシート57のロック状態が解除されるので、リヤシート57を開けることが可能になる。
図9(A),(B)に示すように、ルーバー部材77Lの近傍であってリヤサイドボディカバー34の車幅方向内側には、ルーバー部材77Lの下方に位置するキーシリンダ161と、ルーバー部材77Lの後方斜め上方に位置するアラーム装置163とが配置されている。
アラーム装置163は、キーシリンダ161に挿入されるキーを使用しないでリヤシート57を無理に開けようとした、あるいは開けた場合や、カバー類の隙間からドライバー等の棒状の物を内部に挿入してキーシリンダ161とシートロック装置とを繋ぐケーブルを引っ張る等の行為を行った場合に、警告音を鳴らす機能を有する。
図10は、車体カバー31に設けられた複数の開口の作用を示す作用図である。図10(A)は図4の要部拡大図であり、ロアサイドボディカバー54に設けられたロアサイド開口54bの作用を示す作用図、図10(B)は図7の要部拡大図であり、ルーバー部材77Rに設けられたルーバー開口77bの作用を示す作用図である。
図10(A)に示すように、外気は、矢印Aに示すように車体後方から、あるいは車体前方から回り込んでロアサイド開口54bを通じてロアサイドボディカバー54の車幅方向の内側の空間、即ち前後がエアクリーナボックス37とリヤフェンダ67のバッテリ収容部67a、車幅方向が左右一対のロアサイドボディカバー54,54に挟まれて出来た空間146に入り込む。そして、矢印Bに示すように、右方斜め下方に開口する吸気ダクト38に進んで、吸気ダクト38内に吸入される。
外気は、矢印L,Mに示すように、車体上方又は車体側方から、隣り合う羽板部77c間のスリット77aを通ってルーバー部材77及びリヤサイドボディカバー34の内側に位置する空間155内に流入する。半密閉空間である空間155内では、吸気部品48による吸気によって負圧が発生するため、ルーバー開口77bよりも前方に位置する吸気ダクト38側へ外気が流れて吸入される。
また、スリット77aは、上方から羽板部77cで覆われているため、雨滴が、スリット77aから車体カバー31の内部に直接に浸入するのを防止することができる。
外気は、車体右側方から矢印Pに示すように、(1)まず、ロアサイドボディカバー54の下縁部54eとロアフレームカバー136との間の隙間165を通過し、(2)次に、下縁部54eとABSモジュールカバー124の右壁124aとの間のロア開口131を通過する。そして、外気は、上下に離間したメインシート17の底板17aとABSモジュールカバー124、車幅方向に離間した左右のロアサイドボディカバー54及びABSモジュールカバー124の左右、でそれぞれ形成された空間125内に入り込む。そして、外気は、矢印Qに示すように上昇し、更に、矢印Rに示すように空間125から吸気ダクト38内に吸入される。
上記したように、車体右側に設けられたロア開口131から空間125に入り込んで上昇した空気は、右側方斜め下方に開口する吸気ダクト38に吸入されやすい。例えば、ロア開口131から空間125内に入り込んだ外気に雨水が混じっていたとしても、外気が上昇するときに雨水が分離され、吸気ダクト38に達しにくくなる。更に、吸気ダクト38は右下に傾いているので、吸気ダクト38の上方から落下した雨水は、吸気ダクト38内に入りにくい。
図13(A)に示すように、サイドボディカバー33の一部を構成するロアサイドボディカバー174は、左右一対設けられる。ロアサイドボディカバー174の後端面174aには、ロアサイド開口174bが設けられている。左右のロアサイド開口174bによって、車体カバー31の内部の空間146(図4参照)内に外気が取り込まれ、吸気ダクト38(図4参照)から吸入される。
図13(B)に示すように、ロアサイド開口174bは、縦長の楕円に形成された複数のスリット174cから構成されている。
エアクリーナボックス37の後部には、吸気ダクト178が接続され、前後方向で、エアクリーナボックス37と、バッテリ144及びバッテリ収容部67aとで挟まれた空間146内に吸気ダクト178が配置されている。
吸気ダクト178は、空気をエアクリーナボックス37内に取り込む管状の吸入口178aを備え、吸入口178aの開口178cが、平面視で後方斜め右方に指向している。開口178cの前端部と後端部との車幅方向の寸法差はδである。
また、図3に示すような背面視では、吸入口178aの長手方向に延びるとともに吸入口178aの幅の中心を通る吸入口中心線は、吸気ダクト38(図3参照)の吸入口中心線120(図3参照)と同じように、吸気ダクト178においてエアクリーナボックス37との接続部に設けられる空気の取入れ口側から開口178c側へ車体右方斜め下方に傾いて延びている。
吸気ダクト178の開口178cを後方斜め右方に指向させることで、吸気ダクト178よりも車体後方で車体右側に位置するロアサイド開口54bから、外気の流れを吸気ダクト178に向けてより一層直線状にでき、外気の吸気ダクト178への導入を効率良く行うことができ、より多くの外気を吸気ダクト178から吸入させることができる。
この構成によれば、吸気ダクト38よりも後方にロアサイド開口54b,174bが配置されるため、車両前方からの雨水や泥水の浸入を抑えることができる。また、雨水等の浸入を防止する構造を設ける必要がなく、外気を吸気ダクト38からより多く吸入させることができる。
また、図2、図6及び図7に示したように、ロアサイドボディカバー54よりも後方であってメインシート17の後端部左右の後方に一対のカバー部材としてのリヤサイドボディカバー34が設けられ、左右一対のリヤサイドボディカバー34のうち、一方側のみに、外気を吸気ダクト38に向けて供給する第2開口としてのルーバー開口77bが設けられるので、吸気ダクト38に向けて供給される外気を増やすことができる。
また、図5及び図13(A),(B)に示したように、ロアサイド開口174bは、サイドボディカバー33のロアサイドボディカバー174に沿って流れる走行風に対して略直交する方向に延びる複数のスリット174cにより形成されるので、走行中にロアサイドボディカバー174の表面を走行風と共に車体後方へ流れる雨水に対してスリット174cの長手方向が平行となりにくい構造なので、雨水がロアサイド開口174bから浸入するのを抑制することができる。
また、図3、図7及び図8に示したように、吸気ダクト38は、吸入口38aが、車体右方斜め下方に指向し、ルーバー開口77bは、車体の右側に設けられるので、ルーバー開口77bから外気を吸気ダクト38に向けてスムーズに供給することができ、吸気ダクト38からの吸入空気量を増やすことができる。
例えば、上記実施形態において、図5及び図13(A),(B)に示したスリット54c,174cを楕円としたが、これに限らず、長穴や、楕円、長穴に近い形状でも良い。
また、図4に示したように、左右のロアサイドボディカバー54のそれぞれの後端面54aにロアサイド開口54bを設けたが、これに限らず、アッパサイドボディカバー55を後方へ延ばし、このアッパサイドボディカバーの後端面に開口を設けても良い。またロアサイドボディカバー54とアッパサイドボディカバー55とを一体に形成したカバー部材の後端面に開口を設けても良い。更に、サイドボディカバー33を上下に2分割したが、これに限らず、3分割であっても、前後2分割、前後3分割のようにしても良い。
本発明は、自動二輪車10に適用する場合に限らず、自動二輪車10以外も含む鞍乗り型車両にも適用可能である。
13 前輪(車輪)
16 後輪(車輪)
17 メインシート
26 エンジン
29 燃料タンク
33 サイドボディカバー
34 リヤサイドボディカバー(カバー部材)
37 エアクリーナボックス
38,178 吸気ダクト
38a,178a 吸入口
54,174 ロアサイドボディカバー(サイドボディカバー)
54a,174a 後端面
54b,174b ロアサイド開口(第1開口)
54c,174c スリット
55 アッパサイドボディカバー(サイドボディカバー)
77b ルーバー開口(第2開口)
123 ABSモジュール
124 ABSモジュールカバー
131 ロア開口(第3開口)
Claims (6)
- 運転者が着座するメインシート(17)と、前記メインシート(17)の前方に設けられてエンジン(26)に燃料を供給する燃料タンク(29)と、前記エンジン(26)に外気を供給するエアクリーナボックス(37)と、前記エアクリーナボックス(37)に接続される吸気ダクト(38,178)と、前記メインシート(17)及び前記燃料タンク(29)の少なくとも一方の下方に配置される前記エアクリーナボックス(37)を側方から覆うサイドボディカバー(33,54,55,174)と、を備えた鞍乗り型車両の吸気構造において、
前記サイドボディカバー(33,54,55,174)に、前記吸気ダクト(38,178)よりも後方に配置される第1開口(54b,174b)が設けられ、前記第1開口(54b,174b)から前記吸気ダクト(38,178)に向けて外気を供給し、
前記サイドボディカバー(54,174)よりも後方であって前記メインシート(17)の後方に左右一対のカバー部材(34)が設けられ、前記左右一対のカバー部材(34)のうち、一方側のみに、外気を前記吸気ダクト(38,178)に向けて供給する第2開口(77b)が設けられることを特徴とする鞍乗り型車両の吸気構造。 - 前記第1開口(54b,174b)は、前記サイドボディカバー(54,174)の背面に設けられることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の吸気構造。
- 前記吸気ダクト(38,178)は、外気を吸入する吸入口(38a,178a)が、車体側方斜め下方に指向することを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両の吸気構造。
- 前記第1開口(174b)は、前記サイドボディカバー(174)に沿って流れる走行風に対して略直交する方向に延びる複数のスリット(174c)により形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両の吸気構造。
- 前記吸気ダクト(38,178)の下方に、急制動時等に車輪のロックを防止するABSモジュール(123)と、前記ABSモジュール(123)を覆うABSモジュールカバー(124)とが配置され、前記サイドボディカバー(54,174)と、前記ABSモジュールカバー(124)とで車体の左右一方に第3開口(131)が形成され、前記第3開口(131)から前記吸気ダクト(38,178)に向けて外気を供給することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両の吸気構造。
- 前記吸気ダクト(38,178)は、前記吸入口(38a,178a)が、車体右方斜め下方に指向し、前記第2開口(77b)は、車体の右側に設けられることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両の吸気構造。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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