JP6110421B2 - フォノン散乱材、ナノコンポジット熱電材料及びその製造方法 - Google Patents

フォノン散乱材、ナノコンポジット熱電材料及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱電変換材料母材中に、フォノン散乱材として分散させる化合物、この化合物を含むナノコンポジット熱電材料及びその製造方法に関する。
近年、地球温暖化問題から二酸化炭素排出量を削減するために、化石燃料から得られるエネルギーの割合を低減する技術への関心が益々増大しており、その1つとして未利用廃熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換し得る熱電変換材料が挙げられる。熱電変換材料とは、火力発電のように熱を一旦運動エネルギーに変換しそれから電気エネルギーに変換する2段階の工程を必要とせず、熱から直接に電気エネルギーに変換することを可能とする材料である。
そして、熱から電気エネルギーへの変換は熱電変換材料から成形したバルク体の両端の温度差を利用して行われる。この温度差によって電圧が生じる現象はゼーベックにより発見されたのでゼーベック効果と呼ばれている。
この熱電変換材料の性能は、次式で求められる性能指数ZTで表わされる。
ZT=α2σT/κ(=Pf・T/κ)
ここで、αは熱電変換材料のゼーベック係数、σは熱電変換材料の導電率、κは熱電変換材料の熱伝導率である。α2σの項をまとめて出力因子Pfという。そして、Zは温度の逆数の次元を有し、この性能指数Zに絶対温度Tを乗じて得られるZTは無次元の値となる。そしてこのZTを無次元性能指数と呼び、熱電変換材料の性能を表す指標として用いられている。
熱電変換材料が幅広く使用されるためにはその性能をさらに向上させることが求められている。そして、熱電変換材料の性能向上には前記の式から明らかなように、より高いゼーベック係数α、より高い導電率σ、より低い熱伝導率κが求められる。
しかし、これらすべての項目を同時に改良することは困難であり、熱電変換材料の前記項目のいずれかを改良する目的で多くの試みがなされている。
例えば、特許文献1には、平均粒径が1〜100nmであるセラミックス等のナノ粒子をフォノン散乱用の粒子として熱電変換材料母材中に分散させ、熱伝導の担い手の1つであるフォノンを散乱させることにより熱伝導率を低減することが提案されている。
特開2010−114419号公報
上記従来の熱電変換材料では、フォノン散乱用の粒子の界面においてフォノンが散乱されているが、このフォノン散乱粒子が粒子形状であるため、フォノン散乱界面積が不十分であった。
従って、本発明の目的は、十分なフォノン散乱界面積を有する化合物、この化合物を含むナノコンポジット熱電材料及びその製造方法を提供することである。
本発明によれば、熱電変換材料母材中にフォノン散乱材として混合される化合物であって、下式
(上式中、G1は熱電変換材料母材と結合することのできる官能基であり、G2は独立にG1であるか又はCH3であり、0≦m≦5であり、0≦m’≦5であり、6≦n≦1000であり、1/1000<(前記G1の数/n)≦1である)
で表される化合物が提供される。
また本発明によれば、熱電変換材料母材と上記の化合物をフォノン散乱材として含むナノコンポジット熱電材料であって、前記化合物が熱電変換材料母材と前記官能基G1を介して結合していることを特徴とするナノコンポジット熱電材料が提供される。
さらに本発明によれば、熱電変換材料の原料物質の塩の溶液に、還元剤と上記の化合物を混合し、この混合物を撹拌・熟成させ、次いでこの混合物に対して水熱処理を行うことを含む、ナノコンポジット熱電材料の製造方法が提供される。
本発明によれば、フォノン散乱材としての上記化合物が熱電変換材料母材に結合することにより、熱電変換材料母材とフォノン散乱材との界面が微細かつ複雑な構造となり、界面積が増加することになる。その結果、界面においてフォノンが散乱されるため、フォノンに起因する熱伝導率(格子熱伝導率)が低下する。
本発明のナノコンポジット熱電材料の模式図である。 実施例において得られたバルク体の高分解能STEM像である。 ナノコンポジット熱電変換材料のフォノン散乱材の体積分率に対する格子熱伝導率のグラフである。 ナノコンポジット熱電変換材料のフォノン散乱材の体積分率に対する格子熱伝導率のグラフである。 ナノコンポジット熱電変換材料のフォノン散乱材の体積分率に対する電気伝導率のグラフである。
本発明の化合物は、下式で表される、熱電変換材料母材中にフォノン散乱材として混合される化合物である。
上記化合物において、G1は熱電変換材料母材と結合することのできる官能基であり、具体的には、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、イソシアヌレート基、ウレイド基、スルフィド基、イソシアネート基及びこれらの混合物からなる群より選ばれる基である。またG2は独立に、上記官能基G1であるか又はCH3のいずれかである。
この化合物のサイズ(分子長さ)はSiの数、すなわちn、並びにm及びm’を調整することにより制御可能であり、0≦m≦5、0≦m’≦5、6≦n≦1000とすることにより、サイズ、すなわち分子の長さを0.3〜5nmに調整することができる。ここで、mは好ましくは0であり、m’は好ましくは0である。
この化合物において、熱電変換材料母材との結合性を高めるため、前記官能基G1の数は、
1/1000<(前記G1の数/n)≦1
とする。
本発明のナノコンポジット熱電材料は、図1(1)に模式的に示すように、熱電変換材料の母材2の表面に上記化合物が官能基G1を介して結合していることを特徴とする。
母材2を構成する熱電変換材料としては、P型であってもN型であってもよい。P型熱電変換材料の材質としては特に制限なく、例えば、Bi2Te3系、PbTe系、Zn4Sb3系、CoSb3系、ハーフホイスラー系、フルホイスラー系、SiGe系などを用いることができる。N型熱電変換材料の材質としても特に制限なく公知の材料を適用することができ、例えば、Bi2Te3系、PbTe系、Zn4Sb3系、CoSb3系、ハーフホイスラー系、フルホイスラー系、SiGe系、Mg2Si系、Mg2Sn系、CoSi系などを用いることができる。これらのうち、一般に高性能として知られている熱電変換材料であり、(Bi,Sb)2(Te,Se)3系、CoSb3系、PbTe系、SiGe系等から選ばれるものを用いることが好ましい。
このナノコンポジット熱電材料において、フォノン散乱材としての上記化合物は、所定の効果を奏するため、ナノコンポジット熱電変換材料中の体積分率が、好ましくは0.1〜20vol%、より好ましくは0.2〜10vol%である。熱電変換材料母材に結合される化合物において、この熱電変換材料母材に結合する官能基以外の基は、反応性のないメチル基であり、この化合物同士が縮重合することなく、官能基が熱電変換材料母材と結合した際に、母材とこの化合物の間に十分なフォノン散乱界面積を提供することができる。従って、粒子形状のフォノン散乱粒子を添加していた従来のナノコンポジット熱電材料と比較して、本発明では少量の化合物の使用により十分なフォノン散乱効果を達成することができる。
本発明のナノコンポジット熱電材料は、従来の方法により熱電変換材料母材粒子を還元により析出させた後、この粒子を含むスラリーにフォノン散乱材としての化合物を添加し、熱電変換材料母材粒子に前記化合物を結合させ、合金化することによって製造することができる。
具体的にはまず、熱電変換材料の構成元素のナノ粒子を合成する。望ましくは、この工程は、各構成元素の塩を溶液中で還元することにより行なう。この各構成元素の塩としては、塩化ビスマス、塩化テルル、塩化セレン等の塩化物を用いることが好ましい。この還元は、熱電変換材料の構成元素の塩を含むアルコール溶液に還元剤を含む溶液を滴下して行う。この分散液の溶媒であるアルコールは、上記熱電変換材料の構成元素の塩を分散できるものであれば特に制限されないが、エタノールを用いることが好適である。また必要に応じてpH調整剤を添加してもよい。pH調整剤は、スラリー中で粒子等が凝集するのを抑制するために用いられ、公知のものを適宜適用することができ、例えば、塩酸、酢酸、硝酸、アンモニア水、水酸化ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)などを用いることができる。
この分散液のpHとしては、3〜6又は8〜11に調製することが好ましく、4〜6又は8〜10であることがより好ましい。こうして分散液を調製した後、還元剤を含む溶液をこの分散液に滴下する。還元剤としては、熱電変換材料を構成する元素のイオンを還元できるものであればよく、例えばNaBH4、ヒドラジン等を用いることができる。
熱電変換材料の構成元素の塩を含む分散液中には熱電変換材料の原料イオン、例えばBiイオンやTeイオンが存在する。従って、還元剤を含む溶液と混合されると、例えば下式に示すように、これらのイオンは還元され、熱電変換材料を構成する元素の粒子、例えばBi粒子やTe粒子が析出することになる。
BiCl3+NaBH4+H2O→Bi+NaCl+H3BO3+H2
この還元において、Bi粒子やTe粒子の他に、副生物、例えばNaClとNaBO3等が生成する。この副生物を除去するために、濾過を行うことが好ましい。さらに、濾過後、アルコールや水を加えて、副生物を洗い流すことが好適である。
熱電変換材料の構成元素のナノ粒子のスラリーに、本発明の化合物を添加し、1〜48時間撹拌し熟成させる。その結果、本発明の化合物上の官能基G1は熱電変換材料の構成元素のナノ粒子の表面に結合する。
こうしてフォノン散乱材が表面に結合した各構成元素のナノ粒子を水熱処理することにより合金化し、熱電変換材料のナノ粒子を生成させる。この水熱処理は、通常オートクレーブ中にて、合金化に十分な温度、例えば240℃にて48時間加熱することにより行われる。この水熱処理により、Bi粒子やTe粒子等の熱電変換材料の構成元素の粒子が合金化され、熱電変換材料粒子が形成される。
最後に、酸化物粒子が分散した熱電変換材料粒子を焼結する。これにより、バルク体としての熱電変換材料が得られる(図1(2))。本発明の化合物は0.3〜5nmのサイズのフォノン散乱材として熱電変換材料母材中に分散した状態になる。
実施例1
下記の手順および条件により、(Bi、Sb)Te熱電変換材料母材にフォノン散乱粒子が結合したナノコンポジット熱電変換材料を製造した。
熱電変換材料母材の構成元素の塩をそれぞれ塩化物BiCl(0.24g)、TeCl(1.51g)、SbCl(0.68g)としてエタノール150mL中に溶解し、熱電材料原料溶液を調製した。還元剤として水素化ホウ素ナトリウムNaBH(1.60g)をエタノール150mLに加え、この還元剤溶液を熱電材料原料溶液に滴下して、熱電変換材料母材の構成元素であるBi、Te、Sbのナノ粒子を析出させた。
得られたナノ粒子を含んだエタノールスラリーに下式
で表される化合物(粒径1.3nm)をフォノン散乱粒子として、体積分率が0.4vol%及び6.0vol%となるように加え、58時間撹拌熟成させ、Bi、Te、Sbのナノ粒子に結合させた。
こうして作製したナノ粒子を含むエタノールスラリーを水で洗浄ろ過し、次いでエタノールで洗浄ろ過した。その後、密閉のオートクレーブに入れ、240℃、48時間の水熱処理を行い、合金化させた。次いで窒素ガスフロー雰囲気中で乾燥させ、上記式のフォノン散乱粒子が結合したBiSbTe系合金の粉末が回収された。最後に、この粉末を360℃においてSPS焼結を行い、ナノコンポジット熱電変換材料のバルク体を作製した。
得られたバルク体の高分解能STEM観察結果を図2に示す。微細なフォノン散乱材が分散していることが確認され、ポイントA及びポイントBにおけるSTEM−EDX定量分析結果を以下の表に示す。
ポイントAにおける官能基数/Siは1.9/38.9=0.049であった。
実施例2
フォノン散乱粒子として下式
で表される化合物を用いることを除き、実施例1と同様にしてナノコンポジット熱電変換材料のバルク体を作製した。なお、実施例1と同様に、体積分率が0.4vol%及び6.0vol%となるように加えた。
比較例1
BiCl(0.24g)、TeCl(1.51g)、及びSbCl(0.68g)を2−プロパノール100mL中に溶解し、熱電材料原料溶液(第1溶液)を調製した。一方、TEOS(0.14g)を2−プロパノール100mLに溶解して第2溶液を調製した。また、還元剤として水素化ホウ素ナトリウムNaBH(1.59g)を2−プロパノール100mLに溶解した溶液(還元剤溶液)を調製した。
前記第1溶液に還元剤溶液を滴下し、Bi、Te、Seのナノ粒子を析出させた後、第2溶液を投入し、SiO2を析出させた。その際、Bi、Te、Seの析出速度のほうがSiO2と比較して速いため、Bi、Te、Seのナノ粒子が先に析出・成長して球状のナノ粒子となり、このナノ粒子の表面あるいはナノ粒子間の隙間にSiO2のナノ粒子が円弧状に成長すると考えられる。
得られた2−プロパノールのスラリーを水で洗浄ろ過し、次いで2−プロパノールで洗浄ろ過した。次いで、密閉のオートクレーブに入れ、240℃、48時間の水熱処理を行い、合金化させた。次いで窒素ガスフロー雰囲気中で乾燥させ、BiSbTe系合金ナノ粒子とSiO2ナノ粒子との複合ナノ粒子の粉末が回収された。最後に、この粉末を360℃においてSPS焼結を行い、ナノコンポジット熱電変換材料のバルク体を作製した。
比較例2
BiCl(0.24g)、TeCl(1.51g)、及びSbCl(0.68g)をエタノール100mL中に溶解し、市販品SiO2(粒径5nm)を5vol%、13vol%及び20vol%となるように加え、得られたスラリーに、還元剤として水素化ホウ素ナトリウムNaBH(1.59g)をエタノール100mLに溶解した溶液を滴下し、Bi、Te、Seのナノ粒子とSiO2のナノ粒子の混合物を得た。この混合物を密閉のオートクレーブに入れ、240℃、48時間の水熱処理を行い、合金化させた。次いで窒素ガスフロー雰囲気中で乾燥させ、BiSbTe系合金ナノ粒子とSiO2ナノ粒子との複合ナノ粒子の粉末が回収された。最後に、この粉末を360℃においてSPS焼結を行い、SiO2ナノ粒子が分散したナノコンポジット熱電変換材料のバルク体を作製した。
比較例3
SiO2(粒径5nm)に代え、SiO2(粒径15nm)を10vol%及び20vol%となるように加えることを除き、比較例2と同様にしてSiO2ナノ粒子が分散したナノコンポジット熱電変換材料のバルク体を作製した。
図3〜5に、本発明の実施例と比較例について、ナノコンポジット熱電変換材料のフォノン散乱材の体積分率と各特性との関係を示す。
図3及び図4に、フォノン散乱材の体積分率に対して格子熱伝導率をプロットした。図中、上部の水平破線は、フォノン散乱材を含まないBiSbTe系熱電変換材料のみの格子熱伝導率であり、0.90W/m/Kである。このBiSbTe系熱電変換材料母材に球状のSiO2粒子をフォノン散乱材として加えた比較例2及び3においては、体積分率5vol%以上で格子熱伝導率の大きな低下が確認された。また、熱電変換材料母材上でSiO2を析出させた比較例1では、体積分率0.5vol%以上で格子熱伝導率の大きな低下が確認された。一方、熱電変換材料母材表面に所定の化合物を結合させた本発明の実施例1及び2では、体積分率0.5vol%という少量でさらに格子熱伝導率を大きく低下させることができた。
次に図5に、フォノン散乱材の体積分率に対して電気伝導率をプロットした。図中、上部の水平破線は、フォノン散乱材を含まないBiSbTe系熱電変換材料のみの電気伝導率であり、900S/cmである。このBiSbTe系熱電変換材料母材に球状のSiO2粒子をフォノン散乱材として加えた比較例2においては、体積分率10vol%以上で電気伝導率の大きな低下が確認された。また、熱電変換材料母材上でSiO2を析出させた比較例1では、フォノン散乱材の体積分率増加に応じて、複合則に則った電気伝導率の低下が確認された。一方、熱電変換材料母材表面に所定の化合物を結合させた本発明の実施例1及び2においても、上記と同様の傾向がみられた。

Claims (6)

  1. 熱電変換材料母材中にフォノン散乱材として混合される化合物であって、下式
    (上式中、G1は熱電変換材料母材と結合することのできる官能基であり、G2は独立にG1であるか又はCH3であり、0≦m≦5であり、0≦m’≦5であり、6≦n≦1000であり、1/1000<(前記G1の数/n)≦1である)
    で表される化合物。
  2. 前記G1が、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、イソシアヌレート基、ウレイド基、スルフィド基、イソシアネート基及びこれらの混合物からなる群より選ばれる、請求項1記載の化合物。
  3. 0.3〜5nmのサイズを有する、請求項1記載の化合物。
  4. 熱電変換材料母材と請求項1記載の化合物をフォノン散乱材として含むナノコンポジット熱電材料であって、前記化合物が熱電変換材料母材と前記官能基G1を介して結合していることを特徴とするナノコンポジット熱電材料。
  5. 前記化合物の体積分率が0.1〜20vol%である、請求項4記載のナノコンポジット熱電材料。
  6. 熱電変換材料の原料物質の塩の溶液に、還元剤と請求項1記載の化合物を混合し、この混合物を撹拌・熟成させ、次いでこの混合物に対して水熱処理を行うことを含む、ナノコンポジット熱電材料の製造方法。
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