JP6158755B2 - 熱電変換材料及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、熱電変換材料母材中に、フォノン散乱材として炭化水素化合物を含む熱電変換材料及びその製造方法に関する。
近年、地球温暖化問題から二酸化炭素排出量を削減するために、化石燃料から得られるエネルギーの割合を低減する技術への関心が益々増大しており、その1つとして未利用廃熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換し得る熱電変換材料が挙げられる。熱電変換材料とは、火力発電のように熱を一旦運動エネルギーに変換しそれから電気エネルギーに変換する2段階の工程を必要とせず、熱から直接に電気エネルギーに変換することを可能とする材料である。
そして、熱から電気エネルギーへの変換は熱電変換材料から成形したバルク体の両端の温度差を利用して行われる。この温度差によって電圧が生じる現象はゼーベックにより発見されたのでゼーベック効果と呼ばれている。
この熱電変換材料の性能は、次式で求められる性能指数ZTで表わされる。
ZT=α2σT/κ(=Pf・T/κ)
ここで、αは熱電変換材料のゼーベック係数、σは熱電変換材料の導電率、κは熱電変換材料の熱伝導率である。α2σの項をまとめて出力因子Pfという。そして、Zは温度の逆数の次元を有し、この性能指数Zに絶対温度Tを乗じて得られるZTは無次元の値となる。そしてこのZTを無次元性能指数と呼び、熱電変換材料の性能を表す指標として用いられている。
熱電変換材料が幅広く使用されるためにはその性能をさらに向上させることが求められている。そして、熱電変換材料の性能向上には前記の式から明らかなように、より高いゼーベック係数α、より高い導電率σ、より低い熱伝導率κが求められる。
しかし、これらすべての項目を同時に改良することは困難であり、熱電変換材料の前記項目のいずれかを改良する目的で多くの試みがなされている。
例えば、特許文献1には、平均粒径が1〜100nmであるセラミックス等のナノ粒子をフォノン散乱用の粒子として熱電変換材料母材中に分散させ、熱伝導の担い手の1つであるフォノンを散乱させることにより熱伝導率を低減することが提案されている。
特開2010−114419号公報
上記従来の熱電変換材料は、エタノール、熱電変換材料の原料物質(Bi、Sb、Te)を含む原料溶液を240℃×48時間の水熱処理を1回行うことにより合金化して製造している。しかしながら、この工法では、得られる熱電変換材料の熱伝導率の低下が不十分であった。
従って、本発明の目的は、十分な熱伝導率の低下を示す熱電変換材料及びその製造方法を提供することである。
本発明によれば、熱電変換材料の製造方法において、
(1)熱電変換材料の構成元素の粒子を、極性を有する有機溶媒中において、前記熱電変換材料の構成元素の合金化温度よりも低い温度において水熱処理することにより前記極性を有する有機溶媒由来の炭化水素化合物を前記熱電変換材料の構成元素の粒子表面に結合させる工程、
(2)次いで前記熱電変換材料の構成元素の合金化温度以上の温度において水熱処理することにより前記熱電変換材料の構成元素を合金化して熱電変換材料粒子を形成する工程
を含むことを特徴とする。
また本発明によれば、上記方法により得られる熱電変換材料であって、熱電変換母材中に極性を有する有機溶媒由来の炭化水素化合物が炭素量0.1wt%以上含まれる、熱電変換材料が提供される。
本発明によれば、合金化の水熱処理の前に、合金化温度よりも低い温度において水熱処理することにより、熱電変換材料の構成元素の粒子表面に溶媒由来の炭化水素化合物が結合し、その後の高温における水熱処理において、熱電変換材料母材マトリックス中にこの溶媒由来の炭化水素化合物が取り込まれる形で前記熱電変換材料の構成元素が合金化される。その結果、この取り込まれた炭化水素化合物が熱伝導の担い手の1つであるフォノンを散乱させるフォノン分散材として機能し、熱伝導率低下作用を奏することとなる。
実施例1の工程2において得られた熱電変換材料の構成元素の粒子の模式図である。 実施例1の工程3において得られた熱電変換材料の構成元素の合金粒子の模式図である。 得られたバルク体のEDX測定結果を図3に示すチャートである。 本発明の実施例と比較例において得られた熱電変換材料について、炭素量と格子熱伝導率の測定結果を示すグラフである。
本発明は、熱電変換材料からなる母相中にフォノン散乱材としての炭素化合物が分散している熱電変換材料の製造方法を提供する。以下、本発明の製造方法の各工程について説明する。
本発明の製造方法においては、まず第一の工程において、熱電変換材料の構成元素の粒子を、極性を有する有機溶媒中において、前記熱電変換材料の構成元素の合金化温度よりも低い温度において水熱処理する。この第一の工程において、図1に示すように、極性を有する有機溶媒由来の炭化水素化合物1を前記熱電変換材料の構成元素の粒子2の表面に結合させる。
この熱電変換材料の構成元素としては、例えば、Bi、Sb、Ag、Pb、Ge、Cu、Sn、As、Se、Te、Fe、Mn、Co、Siから選択される少なくとも1種以上の元素などが挙げられる。
この極性を有する有機溶媒としては、アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンを用いることができる。
この水熱処理温度は、前記熱電変換材料の構成元素が合金化しないよう、前記熱電変換材料の構成元素の合金化温度よりも低い温度であることが必要であり、また水熱処理の条件は、極性を有する有機溶媒由来の炭化水素化合物が前記熱電変換材料の構成元素の粒子表面に結合するような条件であり、用いる熱電変換材料の構成元素及びアルコール系溶媒によって異なるが、例えば80〜200℃において1時間維持する。
次に、第二の工程において、前記熱電変換材料の構成元素の合金化温度以上の温度において水熱処理を行う。この第二の工程において、第一の工程で得られた、極性を有する有機溶媒由来の炭化水素化合物が表面に結合した熱電変換材料の構成元素が合金化し、熱電変換材料粒子を形成する。この水熱処理は、通常オートクレーブ中にて、合金化に十分な温度、例えば240℃にて48時間加熱することにより行われる。
この合金化により、図3に示すように、前記熱電変換材料の構成元素の粒子表面に結合している極性を有する有機溶媒由来の炭化水素化合物1は熱電変換材料の構成元素に取り込まれ、熱電変換材料の母材3中に分散することになる。
この後、必要に応じて、得られた熱電変換材料粒子を焼結する。これにより、バルク体としての熱電変換材料が得られる。
こうして得られた本発明の熱電変換材料は、熱電変換母材中に極性を有する有機溶媒由来の炭化水素化合物が炭素量0.1wt%以上が含まれる。この炭化水素化合物の粒径は3nm以下であることが好ましい。ここで熱電変換材料中に分散させる炭化水素化合物の体積分率は、従来用いられてきた分散材の場合と同様に、30vol%以下とすることが好ましい。30vol%を超えると、熱電変換材料の電気伝導率σまで低下してしまい、パワーファクターP=S2σあるいは無次元性能指数ZT=(S2σ/κ)Tで表される熱電変換特性の向上効果が小さくなるか、むしろ熱電変換特性が低下してしまう。また、体積分率が30vol%を超えると、母相を構成する熱電変換材料の体積分率が少なくなるため、焼結工程において緻密なバルク体が得られ難くなるからである。
本発明の熱電変換材料においては、分散材としての炭化水素化合物の量が少なくてもフォノン散乱界面積が著しく増加し、熱伝導率を大幅に低減することができる。また、相対的に少ない分散材の量でも、熱伝導率が大幅に低下するため、電気伝導率の低下を従来よりも抑えることができる。その結果、熱電変換効率ZTが大幅に向上することになる。
実施例1
下記の手順および条件により、Bi2(Te、Se)3熱電変換材料母材に炭化水素が結合した熱電変換材料を製造した。
(工程1)
熱電変換材料母材構成元素をそれぞれ塩化物BiCl(1.467g)、TeCl(15.66g)、SeCl4(3.34g)としてエタノール1500mL中に溶解し、熱電材料原料溶液を調製した。還元剤として水素化ホウ素ナトリウムNaBH(10.23g)をエタノール1mLに加え、この還元剤溶液を熱電材料原料溶液に滴下して、熱電変換材料母材構成元素であるBi、Te、Seのナノ粒子を析出させた。
得られたナノ粒子を含んだエタノールスラリーを、水とエタノールの混合溶液にてろ過洗浄した。
(工程2)
得られたナノ粒子を含んだエタノールスラリーを、密閉したオートクレーブ中において160℃、10時間の条件で水熱処理を施し、ナノ粒子表面にエタノール由来の炭化水素化合物を結合させた。自然冷却後、ナノ粒子を回収し、洗浄によって不純物を除去した。
(工程3)
炭化水素化合物を結合させたナノ粒子を含んだエタノールスラリーを、密閉したオートクレーブ中において270℃、10時間の条件で水熱処理を施し、合金化させた。次いでナノ粒子を回収し、濾過、乾燥により粉末を得た。最後に、この粉末を400℃においてSPS焼結を行い、熱電変換材料のバルク体を作製した。
得られたバルク体のEDX測定結果を図3に示す。熱電変換材料母材を構成するBi、Te、Seに加えて、Cのピークが検出されており、炭化物からなる微細な相を形成していることがわかる。
比較例1
比較として、実施例1における工程2を行うことなく、工程1に続いて工程3を行い、熱電変換材料のバルク体を作製した。
図4に、本発明の実施例と比較例において得られた熱電変換材料について、炭素量と格子熱伝導率の測定結果を示す。図中、上部の水平破線は、フォノン散乱材を含まないBiTeSe系熱電変換材料のみの格子熱伝導率であり、0.90W/m/Kである。
この図より明らかなように、炭化水素化合物の重量分率が低くても格子熱伝導率が大幅に低下した。また熱電変換材料の製造工程において、合金化前に低温にて水熱処理を施すことにより、この水熱処理を施さない材料に比べて、熱電変換母材中の炭素量が増大した。
熱電変換材料の熱電変換効率ZTは下式で表される。
Figure 0006158755
熱電変換材料中の炭素量増加に伴い、電気伝導率σは低下し、例えば炭素量0.18wt%のとき、従来材と比べ約30%低下する。一方、格子熱伝導率κphは従来材と比較して80%低下する。このように、σ低下によるZTの低下に比較して、κph低下によるZTの増加の方が大きいため、結果としてZTが向上することになる。

Claims (2)

  1. 熱電変換材料の製造方法であって、
    (1)熱電変換材料の構成元素の粒子を、極性を有する有機溶媒中において、前記熱電変換材料の構成元素の合金化温度よりも低い温度において水熱処理することにより前記極性を有する有機溶媒由来の炭化水素化合物を前記熱電変換材料の構成元素の粒子表面に結合させる工程、
    (2)次いで前記熱電変換材料の構成元素の合金化温度以上の温度において水熱処理することにより前記熱電変換材料の構成元素を合金化して熱電変換材料粒子を形成する工程
    を含む、熱電変換材料の製造方法。
  2. 請求項1記載の方法により得られる熱電変換材料であって、熱電変換母材中に極性を有する有機溶媒由来の炭化水素化合物が炭素量0.1wt%以上含まれる、熱電変換材料。
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