JP6109128B2 - シーブ面の加工方法 - Google Patents
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前記砥粒面の幅が前記シーブ面の径方向の幅より狭いラッピングフィルムを、前記径方向に振動させながら前記シーブ面に圧接させたのち、前記砥粒面と前記シーブ面との接触位置を前記径方向に変位させて、前記シーブ面を前記径方向の全面に亘って研磨すると共に、
前記ラッピングフィルムの前記径方向の振動速度を、前記砥粒面と前記シーブ面との接触位置が、前記シーブ面の内径側から外径側になるにつれて速くする構成のシーブ面の加工方法とした。
振動速度を変えずに、中心軸回りに回転するシーブ面を研磨した場合には、周速度が大きい外径側の研磨量が、周速度の小さい内径側の研磨量よりも小さくなる結果、シーブ面の内径側と外径側とで表面粗さに差が生じてしまうが、上記のように構成して、回転軸X回りの周速度が大きい外径側での研磨量が多くすることで、シーブ面の内径側と外径側とで表面粗さの差を抑えて、表面粗さをより均一にすることができる。
図1は、プーリ2のシーブ面23の加工方法を説明する図であって、(a)は、シーブ面加工用のラッピング装置1の概略図であり、(b)は、ラッピングフィルム8でシーブ面23を研磨している状態を示す要部拡大図であり、(c)は、(b)におけるA−A断面図であって、シーブ面23をラッピングフィルム8で研磨するときのシーブ部22とラッピングフィルム8の回転方向を説明する図である。
なお、図1では、プーリ2が、円筒状の基部21の長手方向の一端部にシーブ部22が設けられた可動側のプーリである場合を示している。
ローラ53、54の回転軸R1、R2は、それぞれ駆動部3で支持されたプーリ2のシーブ面23に沿う直線Lnに対して平行となるように設定されており、これらローラ53、54の支持部材52は、フィルムヘッド5の可動部51で、シーブ面23の直交方向に進退移動可能に設けられている。
そのため、シーブ面23をラッピングフィルム8で研磨する際には、外周に巻き掛けたラッピングフィルム8をシーブ面23に圧接させているローラ53の位置が、シーブ面23に沿って径方向(例えば、内径側から外径側)に変位するように、駆動機構による可動部51の変位方向および変位量と、図示しない駆動機構による支持部材52の変位方向および変位量とを制御することで、シーブ面23を全面に亘って研磨するようにしている。
そのため、実施の形態では、シーブ面23をラッピングフィルム8の砥粒面81aで研磨する際に、ローラ53を回転させて、シーブ面23に圧接する砥粒面81aの位置を順次切り替えながら、シーブ面23の研磨を行えるようになっている。
図2は、ラッピングフィルム8を用いるフィルムラップ加工により、シーブ面23を研磨する方法を説明する図であって、プーリ2周りの断面図である。図3は、プーリ2を回転軸Xの軸方向におけるシーブ面23側から見た平面図であって、(a)は、本願発明にかかる方法でシーブ面23を研磨した際に、シーブ面23に形成される溝24を模式的に示した図であり、(b)は、従来例にかかる方法でシーブ面23を研磨した際に、シーブ面23に形成される溝24a、24bを模式的に示した図である。
なお、図3では、説明の便宜上、回転軸Xの軸方向から見てシーブ面23の内径側と外径側の部分に形成される溝のみを模式的に示している。
この状態においてプーリ2は、シーブ面23を上方に向けた状態で、基部21の回転軸Xを鉛直方向に沿わせた向きで配置される。
これにより、プーリ2が、シーブ面23を上方に向けた状態で、ラッピング装置1にセットされる。
そして、ローラ53をシーブ面23に近づける方向に変位させて(図中矢印M1参照)、ローラ53に巻き掛けられたラッピングフィルム8の砥粒面81aをシーブ面23上の研磨開始位置Psに圧接させる。
なお、実施の形態では、ローラ53の回転軸R1の軸方向における中央が、シーブ面23上の研磨開始位置Psとなるように設定されている。
なお、ローラ53の位置をシーブ面23の内径側から外径側(径方向)に変位させている間、ローラ53のシーブ面23から離れる方向の変位は規制されている。シーブ面23を研磨する深さにバラツキが生じないようにするためである。
ここで、シーブ面23を研磨する際にプーリ2は、回転軸X回りの周方向に所定の回転速度Naで回転しており、外径側の方が、内径側よりも回転軸X周りの周速度が大きくなっている。そのため、ローラ53の振動速度Vを一定(図3の(b):Vc)にすると、シーブ面23の外径側に向かうにつれて、回転軸X回りの周速度が大きくなる結果、ローラ53に巻き掛けられたラッピングフィルム8の砥粒面81aと、シーブ面23の回転軸X回りの各角度位置の領域との接触時間が短くなるので、外径側の方が内径側よりも荒く研磨されてしまうからである(図3の(b)、溝24a、24b参照)。
この場合にも、シーブ面23の砥粒面81aによる研磨量が、内径側から外径側に向かうにつれて多くなって、回転軸X回りの周方向の周速度が大きいシーブ面23の外径側での研磨量を増やすことができるで、シーブ面23の全面に亘ってほぼ同じ表面粗さにすることが可能である。
(1)回転軸X回りに回転させているプーリ2のシーブ面23に、ラッピングフィルム8の砥粒面81aを圧接させて、シーブ面23を研磨するシーブ面の加工方法であって、
砥粒面81aの幅が、シーブ面23の径方向の幅W2より狭いラッピングフィルム8を、径方向に振動させながらシーブ面23の内径側の研磨開始位置Psに圧接させたのち、砥粒面81aとシーブ面23との接触位置を、外径側の研磨終了位置Peまで変位させて、シーブ面23を径方向の全面に亘って研磨すると共に、
ラッピングフィルムの振動速度Vが、砥粒面81aとシーブ面23との接触位置がシーブ面23の内径側から外径側に変位するにつれて速くなるようにした構成のシーブ面の加工方法とした。
振動速度Vを変えずに、中心軸回りに回転するシーブ面23を研磨した場合には、周速度が大きい外径側の研磨量が、周速度の小さい内径側の研磨量よりも小さくなる結果、シーブ面の内径側と外径側とで表面粗さに差が生じてしまうが、上記のように構成して、回転軸X回りの周速度が大きい外径側での研磨量が多くすることで、シーブ面23の内径側と外径側とで表面粗さの差を抑えて、より均一にすることができる。
シーブ面23にこのような同心円状の溝を形成した場合には、シーブ面23の径方向の表面粗さと、シーブ面23の回転軸X回りの周方向の表面粗さに差が生じてしまう。
上記のように構成して、ラッピングフィルム8の砥粒面81aを、径方向に振動(往復運動)させながらシーブ面に圧接させると、シーブ面23には単なる同心円状の溝ではなく、周方向と径方向に所定間隔をおいた波状の溝が形成されるので、周方向と径方向の両方で、シーブ面23の表面粗さに差が生じることを抑制して、シーブ面23の表面粗さを、全面に亘ってより均一にすることができる。
シーブ面23を研磨する際には、ローラ53を回転軸R1回りに回転させて、ラッピングフィルム8のシーブ面23に圧接する砥粒面81aの領域を、ラッピングフィルム8の長手方向に順次変更するように構成されており、
ローラ53の回転速度を、砥粒面81aとシーブ面23との接触位置が、シーブ面23の内径側から外径側になるにつれて速くして、砥粒面81aによるシーブ面23の研磨量が、シーブ面23の内径側から外径側に向かうにつれて多くなるように構成とした。
これにより、回転軸X回りの周速度が大きい外径側での研磨量が多くすることで、シーブ面23の内径側と外径側とで表面粗さの差を抑えて、より均一にすることができる。
前記した実施の形態では、ラッピングフィルム8の砥粒面81aがシーブ面23に圧接する位置(接触位置)を、シーブ面23の内径側から外径側に向けて変位させる場合を例示したが、(1)図4の(a)に示すように、砥粒面81aがシーブ面23に圧接する位置を、外径側から内径側に向けて変位させることで、シーブ面23を研磨する構成とすることや、(2)図4の(b)に示すように、砥粒面81aがシーブ面23に圧接する位置を、シーブ面23の内径側から外径側に変位させたのち、外径側から内径側に向けて移動させて、砥粒面81aがシーブ面23に圧接する位置のプーリ2の径方向の一往復の変位により、シーブ面23を研磨する構成としても良い。
このように構成することによっても、前記した実施の形態の場合と同等の効果が奏されることになる。
ラッピングフィルム8を、径方向に振動させながらシーブ面23に圧接させたのち、ラッピングフィルム8の径方向の振動速度Vを所定速度で保持した状態で、砥粒面81aシーブ面23との接触位置を径方向に変位させて、シーブ面23を径方向の全面に亘って研磨する際に、プーリ2の回転速度を、砥粒面81aとシーブ面23との接触位置が、前記シーブ面の内径側から外径側になるにつれて遅くする構成としても良い。
2 プーリ
3 駆動部
4 支持部
5 フィルムヘッド
8 ラッピングフィルム
20 軸穴
21 基部
22 シーブ部
23 シーブ面
31 チャック
41 支持軸
51 可動部
52 支持部材
53、54 ローラ
81 基部
81a 砥粒面
Ln、Ls、Lm 直線
Na、Nb 回転速度
Ps 研磨開始位置
Pe 研磨終了位置
R1 回転軸
V(Va、Vb) 振動速度
X プーリ
X 中心軸
X1 軸線
Y1 軸線
Claims (6)
- 回転軸回りに回転させているプーリのシーブ面に、ラッピングフィルムの砥粒面を圧接させて、前記シーブ面を研磨するシーブ面の加工方法であって、
前記砥粒面の幅が前記シーブ面の径方向の幅より狭いラッピングフィルムを、前記径方向に振動させながら前記シーブ面に圧接させたのち、前記砥粒面と前記シーブ面と接触位置を前記径方向に変位させて、前記シーブ面を前記径方向の全面に亘って研磨すると共に、
前記ラッピングフィルムの前記径方向の振動速度を、前記砥粒面と前記シーブ面との接触位置が、前記シーブ面の内径側から外径側になるにつれて速くすることを特徴とするシーブ面の加工方法。 - 回転軸回りに回転させているプーリのシーブ面に、ラッピングフィルムの砥粒面を圧接させて、前記シーブ面を研磨するシーブ面の加工方法であって、
前記砥粒面の幅が前記シーブ面の径方向の幅より狭いラッピングフィルムを、前記径方向に振動させながら前記シーブ面に圧接させたのち、前記ラッピングフィルムの前記径方向の振動速度を所定速度で保持した状態で、前記砥粒面と前記シーブ面との接触位置を前記径方向に変位させて、前記シーブ面を前記径方向の全面に亘って研磨すると共に、
前記プーリの回転速度を、前記砥粒面と前記シーブ面との接触位置が、前記シーブ面の内径側から外径側になるにつれて遅くすることを特徴とするシーブ面の加工方法。 - 前記ラッピングフィルムは、前記シーブ面に対して平行かつ前記回転軸方向から見た前記シーブ面の半径方向に沿う軸線回りに回転可能な回転部材の外周に巻き掛けられた状態で、前記砥粒面を前記シーブ面に圧接させており、
前記シーブ面を研磨する際には、回転部材を前記軸線回りに回転させて、前記ラッピングフィルムの前記シーブ面に圧接する前記砥粒面の領域を、前記ラッピングフィルムの長手方向に順次変更するように構成されており、
前記回転部材の回転速度を、前記砥粒面と前記シーブ面との接触位置が、前記シーブ面の内径側から外径側になるにつれて速くすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシーブ面の加工方法。 - 前記シーブ面の研磨は、前記砥粒面と前記シーブ面との接触位置の前記シーブ面の内径側から外径側に向けた一方向の変位を少なくとも1回行うことで、実施されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のシーブ面の加工方法。
- 前記シーブ面の研磨は、前記砥粒面と前記シーブ面との接触位置の前記シーブ面の外径側から内径側に向けた一方向の変位を少なくとも1回行うことで、実施されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のシーブ面の加工方法。
- 前記シーブ面の研磨は、前記砥粒面と前記シーブ面との接触位置の前記シーブ面の内径側から外径側に向けた一方向の変位と、前記シーブ面の外径側から内径側に向けた他方向の変位とを交互に行うことで、実施されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のシーブ面の加工方法。
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