JP5033066B2 - ワーク外周部の研磨装置および研磨方法 - Google Patents

ワーク外周部の研磨装置および研磨方法 Download PDF

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本発明はシリコンウエハ等の円板状ワークの外周部を研磨する研磨技術に関する。
半導体集積回路装置つまり半導体デバイスは、シリコン製の半導体ウエハやガリウムヒ素などの化合物半導体ウエハに集積回路を形成した後に、半導体ウエハを切り出すことにより製造されており、半導体ウエハに集積回路を形成する前に、半導体ウエハは表面側の回路形成面とその反対側の裏面のみならず、外周部も研磨加工される。
半導体ウエハの外周部の形状にはT形タイプと円形タイプとがある。T形タイプの半導体ウエハは、Tシェィプ形状とも言われており、外周部が表裏両面に対してほぼ直角方向の平坦な外周面と、表裏両面と外周面との間が傾斜面となった端面とにより形成されている。傾斜面となった端面はチャンファ面とも言われており、表裏両面側のチャンファ面と外周面との間には円弧形状の先端R部が形成されている。一方、円形タイプの半導体ウエハは、ラウンド形状とも言われており、外周部が外周面と端面とにより全体的にほぼ半円形状に形成されている。外周部の端面は縁面とも言われている。
半導体ウエハを研磨仕上げするには、上述のように、表裏両面と外周部とを研磨加工する必要があり、外周部の研磨加工は表面側の端面と背面側の端面とが別々の工程により行われるとともに、外周面の研磨加工も端面の加工とは別工程により行われている。例えば、チャンファ面となった端面つまり縁面の研磨加工には、特許文献1に記載されるように、凹面形状の内周面に研磨パッドが貼り付けられた研磨リングを有し、凹面形状の研磨面に端面を押し付けてこれを研磨加工する研磨装置が使用されている。一方、外周面の研磨加工には、特許文献2に記載されるように、回転体の回転中心軸に平行な方向の支持ピンを中心に水平方向に揺動自在となった水平型の研磨アームを有する研磨装置が使用されている。この研磨装置は、研磨アームの先端には研磨パッドが貼り付けられた研磨具が設けられ、研磨アームの基端部には重り部が設けられており、回転体の回転により重り部に加えられる遠心力によって研磨パッドに対して押し付け力を発生させている。
特許第3445237号公報 特許第3320674号公報(図10〜図12)
研磨リングに貼り付けられた研磨パッドにより環状に連なって形成された凹面形状の研磨面にチャンファ面を押し付けてこれを研磨する研磨方式では、半導体ウエハの表裏両側のチャンファ面を同時に研磨加工することができない。このため、一方側のチャンファ面を研磨加工した後に半導体ウエハを表裏反転させて他の研磨装置により他方側のチャンファ面を研磨加工しなければならず、研磨効率を向上させることができないだけでなく、チャンファ面を加工しているときに既に加工済みの反対側のチャンファ面に傷を付ける可能性があり、チャンファ面の加工精度を低下させるおそれがある。
凹面形状の研磨面にチャンファ面を押し付けて研磨加工する方式においては、研磨リングの回転中心軸に対してワークの中心軸を傾斜させて研磨加工しており、チャンファ面に対して凹面形状の研磨パッドは一定の角度で線接触することになる。したがって、硬度の硬い研磨パッドを使用すると、先端R部には研磨バッドが接触しなくなるので、従来では硬度の柔らかい研磨パッドを使用している。柔らかい研磨パッドを使用すると、研磨バッドがチャンファ面により沈み込むことになるので、先端R部の研磨加工も行うことができる。しかしながら、研磨パッドの沈み込みによって、チャンファ面よりも内側の回路形成面にまで研磨パッドが接触して半導体ウエハの形状を変化させたり、チャンファ面を過度に研磨加工したりしてオーバーポリッシュ量が大きくなるおそれがあり、半導体ウエハの研磨パッドに対する押し付け力の調整を容易に行い難く、研磨品質を低下させるおそれがある。
一方、外周面の研磨加工を上述のように水平型の研磨アームを用いて研磨加工すると、研磨パッドの半導体ウエハに対する押し付け力は、研磨具の揺動中心点からの距離によって変化することになり、押し付け力の荷重分布は半導体ウエハの円周方向では均一とならない。このため、研磨欠陥を生じる可能性が高くなるだけでなく、荷重分布が不均一となると、研磨バッドの摩耗が研磨具の位置に応じて相違することになる。
半導体ウエハの外周部の形状としては、上述したように、主としてT形タイプと円形タイプとがあり、これらのタイプ以外にも種々の外周部形状の半導体ウエハが製造されている。上述したように、凹面形状の研磨面を有する研磨装置はチャンファ面を有するT形タイプの半導体ウエハには好適であるが、他のタイプの断面形状を有する外周部の研磨加工には有効ではない。
本発明の目的は、円板状ワークの外周部の研磨品質を向上させることにある。
本発明の他の目的は、外周部断面形状が相違する複数種類の円板状ワークを高品質で研磨加工し得るようにすることにある。
本発明のワーク外周部の研磨装置は、円板状ワークの外周部を研磨加工するワーク外周部の研磨装置であって、主回転体および当該主回転体に研磨スペースを介して連結されるとともに前記ワークが進入する貫通孔が設けられた副回転体を有する回転ヘッドと、前記回転ヘッドを回転駆動するヘッド回転手段と、前記研磨スペース内において前記ワークを前記回転ヘッドの回転中心軸と同心状として前記回転ヘッドに対して相対的に軸方向に往復動自在に保持するワーク保持台と、前記回転ヘッドの回転中心軸に対して直角方向に伸びる支持ピンを中心に揺動自在に前記主回転体に装着されるとともに前記ワーク外周部の一方側の端面に沿う円弧形状の研磨具が先端部に設けられる一方、前記回転ヘッドの回転時の遠心力により前記研磨具を前記一方側の端面に押し付ける重り部としての基端部を備えた第1の端面研磨アームと、前記回転ヘッドの回転中心軸に対して直角方向に伸びる支持ピンを中心に揺動自在に前記副回転体に装着されるとともに前記ワーク外周部の他方側の端面に沿う円弧形状の研磨具が先端部に設けられる一方、前記回転ヘッドの回転時の遠心力により前記研磨具を前記他方側の端面に押し付ける重り部としての基端部を備えた第2の端面研磨アームとを有し、前記回転ヘッドを回転させつつ前記ワークを軸方向に往復動し、それぞれの前記端面研磨アームの前記研磨具により前記一方側の端面と前記他方側の端面とを同時に研磨加工することを特徴とする。
本発明のワーク外周部の研磨装置は、前記回転ヘッドの回転中心軸に対して直角方向に伸びる支持ピンを中心に揺動自在に前記主回転体と前記副回転体の少なくとも一方に装着されるとともに、前記ワーク外周部の外周面に沿う円弧形状の研磨具が先端部に設けられる一方、前記回転ヘッドの回転時の遠心力により前記研磨具を前記外周面に押し付ける重り部としての基端部を備えた外周面研磨アームを有し、前記一方側の端面と他方側の端面と前記外周面とを同時に研磨加工することを特徴とする。
本発明のワーク外周部の研磨装置は、前記主回転体と前記副回転体とにそれぞれ前記外周面研磨アームを相互に対向して装着することを特徴とし、前記ワーク保持台を前記研磨ヘッドの回転方向に対して逆方向に回転駆動する駆動手段を有し、前記ワークを回転させながら研磨加工することを特徴とする。
本発明のワーク外周部の研磨方法は、円板状ワークの外周部を研磨加工するワーク外周部の研磨方法であって、主回転体および当該主回転体に研磨スペースを介して連結されるとともに前記ワークが進入する貫通孔が設けられた副回転体を有する回転ヘッドと、前記回転ヘッドの回転中心軸と同心状に前記ワークを保持するワーク保持台とを軸方向に相対移動させて前記研磨スペース内に前記ワークを搬入する搬入工程と、前記回転ヘッドの回転中心軸に対して直角方向に伸びる支持ピンを中心に揺動自在に前記主回転体に装着されるとともに前記ワーク外周部の一方側の端面に沿う円弧形状の研磨具を先端部に有する第1の端面研磨アームの重り部としての基端部と、前記回転ヘッドの回転中心軸に対して直角方向に伸びる支持ピンを中心に揺動自在に前記副回転体に装着されるとともに前記ワーク外周部の他方側の端面に沿う円弧形状の研磨具を先端部に有する第2の端面研磨アームの重り部としての基端部とに、前記回転ヘッドを回転駆動することにより遠心力を加えてそれぞれの前記研磨具をそれぞれの前記端面に押し付けながら、前記ワーク保持台と前記研磨ヘッドとを軸方向に相対移動させる研磨工程とを有し、それぞれの前記端面研磨アームの前記研磨具により前記一方側の端面と前記他方側の端面とを同時に研磨加工することを特徴とする。
本発明のワーク外周部の研磨方法は、前記回転ヘッドの回転中心軸に対して直角方向に伸びる支持ピンを中心に揺動自在に前記主回転体と前記副回転体の少なくとも一方に装着されるとともに前記ワーク外周部の外周面に接触する円弧形状の研磨具を先端部に有する外周面研磨アームの重り部としての基端部に、前記回転ヘッドの回転時の遠心力を加えることにより前記研磨具を前記外周面に押し付け、前記一方側の端面と前記他方側の端面と前記外周面とを同時に研磨加工することを特徴とする。
本発明によれば、ワークの一方側の端面を研磨加工する第1の端面研磨アームと、他方側の端面を研磨加工する第2の端面研磨アームとが回転ヘッドに揺動自在に装着されており、回転ヘッドを回転駆動するとそれぞれの端面研磨アームの基端部に加わる遠心力により研磨具が表裏両側の端面に押し当てられて両方の端面が同時に研磨加工される。それぞれの端面研磨アームは、回転ヘッドの回転中心軸に対して直角方向の支持ピンを中心に揺動自在となって垂直式となっているので、研磨具の表面の研磨面の各部位における端面に対する押し付け力が均一となり、端面を高品質に研磨加工することができる。
本発明によれば、ワークの外周面を研磨加工する外周面研磨アームが回転ヘッドに揺動自在に装着されており、回転ヘッドを回転駆動するとそれぞれの外周面研磨アームの基端部に加わる遠心力により研磨具がワークの外周面に押し当てられて外周面が研磨加工される。外周面研磨アームは、回転ヘッドの回転中心軸に対して直角方向の支持ピンを中心に揺動自在となって垂直式となっているので、研磨具の表面の研磨面の各部位における外周面に対する押し付け力が均一となり、外周面を高品質に研磨加工することができる。
表裏両面の端面に対する研磨加工と外周面の研磨加工とを同時に行うようにすると、それぞれの研磨処理を別々に行う場合に比して、ワークの持ち替え工程や搬送工程が少なくなり、これらの工程におけるワークへの異物付着が防止されて、高品質の研磨処理が可能となる。
本発明によれば、ワークを回転ヘッドの回転中心軸の方向に相対的に直線往復動して研磨加工するので、ワークの外周部に倣うように研磨具の研磨面が接触するので、外周部の断面形状が相違する種々のワークの外周部を研磨加工することができる。
本発明によれば、ワークを回転ヘッドの回転方向に対して逆方向に回転させると、それぞれの回転速度を高めることなく、研磨具のワークに対する相対的な回転速度を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態である研磨装置の要部を示す断面図であり、図2は図1に示された回転ヘッドの斜視図であり、図3は図2の平面図であり、図4(A)は図3における4A−4A線断面図であり、図4(B)は図3における4B−4B線断面図である。
図1に示されるように、この研磨装置は、半導体ウエハを円板状ワークWとしてこれの外周部を研磨するために使用されており、ワークWを保持するためのワーク保持台10を有し、ワークWはワーク保持台10の上面に載置される。ワークWはワーク保持台10の表面に開口して形成された真空路に供給される負圧空気によってワーク保持台10の上面に吸着されて保持される。ワーク保持台10には回転シャフト11が固定されており、回転シャフト11は支持台12に固定された台座13に軸受14を介して回転自在に支持されている。回転シャフト11には真空つまり負圧空気を案内する真空路15が形成されている。回転シャフト11を駆動するために、支持台12の下側には電動モータ16がワーク回転手段として取り付けられている。この電動モータ16の主軸17に固定された歯車18は、回転シャフト11に固定された歯車19に噛み合っている。これにより、電動モータ16により回転シャフト11を介してワーク保持台10はワーク中心軸O1を中心に回転駆動される。
支持台12には複数本の駆動ロッド21が取り付けられ、それぞれの駆動ロッド21は支持台12の下方に向けて突出しており、駆動ロッド21の下端部は駆動板22に固定されている。駆動板22に設けられたナット23には、軸方向往復動手段としての電動モータ24の主軸により回転駆動されるボールねじ25がねじ結合されている。ボールねじ25により駆動ロッド21を介してワーク保持台10は上下方向に往復動自在となっている。
ワーク保持台10の上方には回転ヘッド30が装着されており、回転ヘッド30は上側の主回転体31と下側の副回転体32とを有し、これらは相互に平行となっている。主回転体31と副回転体32は複数本の連結ロッド33により連結され、主回転体31と副回転体32の間には研磨スペース34が形成されている。上側の主回転体31は円板形状の板材により形成されているのに対し、下側の副回転体32は環状の板材により形成されており、内周部には補強リング35が下方に突出して設けられ、補強リング35の内周面は貫通孔36となっている。貫通孔36の内径は、ワークWの外径よりも大径となっており、ワーク保持台10を回転ヘッド30に向けて上昇移動させると、ワークWは貫通孔36から研磨スペース34内に進入することになる。
回転ヘッド30の主回転体31は、支持筒体37により回転自在に支持される中空シャフト38に取り付けられており、この中空シャフト38はヘッド回転手段としての電動モータ26によって回転中心軸O2を中心に回転駆動される。電動モータ26の回転を中空シャフト38に伝達するために、電動モータ26の主軸に固定されたプーリ27と中空シャフト38に固定されたプーリ28には図示しないベルトが掛け渡されている。回転中心軸O2はワーク保持台10のワーク中心軸O1と同心状となっており、両方の中心軸O1,O2は一致している。円板状のワークWはその中心点がワーク保持台10のワーク中心軸O1となるようにワーク保持台10に載置される。中空シャフト38の内部には研磨液を供給する供給管29が組み込まれており、ワークWの表面には研磨液が供給されるようになっている。
図3および図4(A)に示されるように、主回転体31には第1の端面研磨アーム41aが設けられ、この端面研磨アーム41aに対して回転ヘッド30の円周方向に180度ずらして端面研磨アーム41aに対向するようにして第2の端面研磨アーム42aが副回転体32に設けられている。両方の端面研磨アーム41a,42aにより端面研磨アーム対40aが構成される。端面研磨アーム対40aを構成する第1の端面研磨アーム41aに対して図3において時計方向に120度ずらして第1の端面研磨アーム41bが主回転体31に設けられ、これに対して回転ヘッド30の円周方向に180度ずらして端面研磨アーム41bに対向するようにして第2の端面研磨アーム42bが副回転体32に設けられている。両方の端面研磨アーム41b,42bにより端面研磨アーム対40bが構成される。このように、回転ヘッド30には2対の端面研磨アーム対40a,40bが相互に回転ヘッド30の円周方向に120度ずらして設けられている。
図4(A)に示されるように、主回転体31に固定されたホルダー43には回転ヘッド30の回転中心軸O2に対して直角方向に伸びる支持ピン44が取り付けられ、端面研磨アーム対40aを構成する端面研磨アーム41aは、ほぼ垂直方向を向いて支持ピン44に揺動自在に装着されている。これにより、端面研磨アーム41aは、支持ピン44およびホルダー43を介して主回転体31に対して揺動自在に装着されている。端面研磨アーム41aの先端部つまり下端部には研磨具45が設けられている。この研磨具45はワークWの外周部に沿って円弧状に伸びる樹脂製のセグメント45aと、この内側面に貼り付けられるシート状の研磨パッド45bとを有しており、研磨パッド45bの表面が研磨面46となっている。研磨面46は、回転ヘッド30の回転中心軸O2に対し傾斜して伸びてワークWの下側の端面に対向するようになっている。
端面研磨アーム41aの基端部は重り部となっており、基端部には調整重り48が設けられている。回転ヘッド30を回転させると基端部に加わる遠心力により端面研磨アーム41aは図4において時計方向に揺動する。これにより、研磨具45にはこれをワークWの一方側の端面、つまり図4において下側の端面に押し付ける方向の押し付け力が加えられ、研磨面46が下側の端面に押し付けられる。回転ヘッド30の回転を停止させて端面研磨アーム41aに対して遠心力が加えられていない状態のもとでは、研磨具45の内側部が貫通孔36の内径よりも径方向外方の初期位置となるように、端面研磨アーム41aとホルダー43との間には引っ張りコイルばね49が装着されている。
副回転体32に設けられる端面研磨アーム42aは、端面研磨アーム41aと同一構造となっているが、それぞれの端面研磨アーム41a,42aは先端部と基端部とが上下逆向きとなっている。
副回転体32に固定されたホルダー43には、図4(A)に示されるように、回転ヘッド30の回転中心軸O2に対して直角方向に伸びる支持ピン44が取り付けられ、端面研磨アーム対40aを構成する端面研磨アーム42aは、ほぼ垂直方向を向いて支持ピン44に揺動自在に装着されている。これにより、端面研磨アーム42aは、端面研磨アーム41aと同様に、支持ピン44およびホルダー43を介して副回転体32に対して揺動自在に装着されている。端面研磨アーム42aの先端部つまり上端部には研磨具45が設けられている。この研磨具45はワークWの外周部に沿って円弧状に伸びる樹脂製のセグメント45aと、この内側面に貼り付けられるシート状の研磨パッド45bを有しており、研磨パッド45bの表面が研磨面47となっている。研磨面47は、回転ヘッド30の軸方向に傾斜して伸びてワークWの上側の端面に対向するようになっている。
端面研磨アーム42aの基端部は、端面研磨アーム41aと同様に重り部となっており、基端部には調整重り48が設けられている。回転ヘッド30を回転させると基端部に加わる遠心力により端面研磨アーム42aは図4において時計方向に揺動する。これにより、研磨具45にはこれをワークWの他方側の端面、つまり図4において上側の端面に押し付ける方向の押し付け力が加えられ、研磨面47が上側の端面に押し付けられる。回転ヘッド30の回転を停止させて端面研磨アーム42aに対して遠心力が加えられていない状態のもとでは、研磨具45の内側部が貫通孔36の内径よりも径方向外方の初期位置となるように、端面研磨アーム42aとホルダー43との間には引っ張りコイルばね49が装着されている。
端面研磨アーム対40bを構成する端面研磨アーム41bは、図4(A)に示された端面研磨アーム41aと同様の構造であり、端面研磨アーム42bも図4(A)に示された端面研磨アーム42aと同様の構造であり、それぞれの説明は省略する。
ワークWの表裏両面の端面に対する研磨加工は、それぞれの端面研磨アーム対40a,40bの2つの端面研磨アーム41a,41bの研磨具45により図4(A)において下側の端面が研磨され、これと同時に2つの端面研磨アーム42a,42bの研磨具45により上側の端面が研磨加工される。この研磨加工時には、ワーク保持台10が上下方向つまり回転中心軸O2に沿う方向に直線往復動される。
図示する実施の形態においては、2対の端面研磨アーム対40a,40bが設けられているが、1対の端面研磨アーム対によってもワークWの表裏両面の端面を同時に研磨加工することは可能である。ただし、端面研磨アーム対40a,40bを2対設けることによって、各々の研磨具45の円周方向の長さ寸法を短くしつつ、全ての研磨具45により形成される研磨面全体の長さを確保して研磨効率を高めることができる。
図3および図4(B)に示されるように、主回転体31には端面研磨アーム41aに対して図3において反時計方向に120度ずらして第1の外周面研磨アーム51が設けられている。この外周面研磨アーム51に対して回転ヘッド30の円周方向に180度ずらして外周面研磨アーム51に対向するようにして第2の外周面研磨アーム52が副回転体32に設けられている。それぞれの外周面研磨アーム51,52は研磨具の形状が相違することを除いて端面研磨アーム41a,41b,42a,42bと同様の構造となっている。
図4(B)に示されるように、主回転体31に固定されたホルダー43には回転ヘッド30の回転中心軸O2に対して直角方向に伸びる支持ピン44が取り付けられ、外周面研磨アーム51はほぼ垂直方向を向いて支持ピン44に揺動自在に装着されている。これにより、外周面研磨アーム51は、支持ピン44およびホルダー43を介して主回転体31に対して揺動自在に装着されている。外周面研磨アーム51の先端部つまり下端部には研磨具53が設けられている。この研磨具53はワークWの外周部に沿って円弧状に伸びる樹脂製のセグメント53aと、この内側面に貼り付けられるシート状の研磨パッド53bとを有しており、研磨パッド53bの表面が研磨面54となっている。外周面研磨アーム51の研磨面54は、ワーク外周面に対応した曲率半径の円弧状内周面を有し、この円弧状内周面の幅方向は回転ヘッド30の回転中心軸O2にほぼ平行となっている。
副回転体32に固定されたホルダー43には、図4(B)に示されるように、回転ヘッド30の回転中心軸O2に対して直角方向に伸びる支持ピン44が取り付けられ、外周面研磨アーム52はほぼ垂直方向を向いて支持ピン44に揺動自在に装着されている。これにより、外周面研磨アーム52は、支持ピン44およびホルダー43を介して副回転体32に対して揺動自在に装着されている。外周面研磨アーム52の先端部つまり上端部には研磨具53が設けられている。この研磨具53はワークWの外周部に沿って円弧状に伸びる樹脂製のセグメント53aと、この内側面に貼り付けられるシート状の研磨パッド53bとを有しており、研磨パッド53bの表面が研磨面55となっている。外周面研磨アーム52の研磨面55は、回転ヘッド30の回転中心軸O2に平行となってワークWの外周面に対向している。
外周面研磨アーム51,52の基端部は重り部となっており、基端部には調整重り48が設けられている。回転ヘッド30を回転させると基端部に加わる遠心力により外周面研磨アーム51,52は図4(B)において時計方向に揺動する。これにより、研磨具53にはこれをワークWの外周面に押し付ける方向の押し付け力が加えられる。回転ヘッド30の回転を停止させて外周面研磨アーム51,52に対して遠心力が加えられていない状態のもとでは、研磨具53の内周面が貫通孔36の内径よりも径方向外方の初期位置となるように、外周面研磨アーム51,52とホルダー43との間にはそれぞれ引っ張りコイルばね49が装着されている。
それぞれの端面研磨アーム41a,42aおよび外周面研磨アーム51,52の調整重り48は、図4に示されるように、複数の重り片を積層することにより形成されており、重り片の枚数を調整することによってワークWに加えられる押し付け力を調整することができる。このように、端面研磨アーム41a,42aおよび外周面研磨アーム51,52の基端部は重り部を構成しており、基端部の長さを長くすることにより重り片を積層することなく、基端部自体によって遠心力を設定することもできる。ただし、基端部に複数の重り片を積層することによって、端面研磨アーム41a,42aおよび外周面研磨アーム51,52を含めた回転ヘッド30の軸方向長さを短くすることができる。
外周面研磨アーム51,52は研磨面55が回転中心軸O2に平行となって線対称となっているので、主回転体31と副回転体32のいずれか一方に設けられる1つの外周面研磨アームによってもワークWの外周面を研磨加工することができる。ただし、2つの外周面研磨アーム51,52を180度ずらして対向させて回転ヘッド30に設けることによって、ワークWには径方向中心部に向けて押し付け力が加えられるので、両方の研磨具53による押し付け力は相殺される。また、2つの外周面研磨アーム51,52を主回転体31と副回転体32の一方に設けることも可能である。ただし、両方に分散して外周面研磨アーム51,52を設けることによって、それぞれの重り部により回転ヘッド30に加わるの遠心力をバランスさせて、回転ヘッド30の回転バランスを十分に確保することができる。
研磨方式としては、回転ヘッド30とワーク保持台10とをともに回転させる双方向回転方式と、ワーク保持台10を回転させることなく回転ヘッド30のみを回転させるヘッド回転方式とがあり、双方向回転方式においては回転ヘッド30とワーク保持台10の回転方向を逆方向とすることによってワークWの外周部と研磨具45,53との相対速度を高めることができる。図示する実施の形態においては、ワーク保持台10を回転ヘッド30に対して軸方向に往復動させているが、ワークWの回転ヘッド30に対する軸方向移動は相対的な軸方向移動であれば良く、回転ヘッド30を軸方向に移動させるようにしても良い。
図2に示すようにワークWの外周部のうち下側の端面を研磨加工する端面研磨アーム41a,41bと上側の端面を研磨加工する端面研磨アーム42a,42bとが回転ヘッド30に設けられているので、この研磨装置はワークの表裏両面の端面を同時に研磨加工することができる。回転ヘッド30にはさらにワークの外周部のうち外周面を研磨加工する外周面研磨アーム51,52が設けられているので、ワークWの表裏両面の端面を同時に研磨加工することできるとともに外周面をも同時に研磨加工することができる。これにより、ワークWの外周部の研磨処理を複数の処理工程で行うことが不要となり、研磨処理能率を向上させることができる。さらに、表裏両面の端面に対する研磨加工を同時に行うようにすると、それぞれの研磨処理を別々に行う場合に比して、ワークWの持ち替え工程や搬送工程が少なくなり、これらの工程におけるワークへの異物付着が防止されて、高品質の研磨処理が可能となる。表裏両面側の端面に対する研磨処理と同時に外周面の研磨処理をも同時に行うようにすると、さらに、搬送工程等が少なくなって外周部全体に対する高品質の研磨処理が可能となる。
図1においては回転ヘッド30のうち主回転体31と副回転体32のみが示されており、それぞれの研磨アームは図示省略されており、図4(A)には端面研磨アーム対40aを構成する端面研磨アーム41a,42aのみが示され、図4(B)には外周面研磨アーム51,52のみが示されている。
図5は上述した研磨装置による研磨加工手順を示す概略図であり、図5には端面研磨アーム41a,42aのみが示されている。
ワークWの外周部を研磨加工するには、回転ヘッド30の回転を停止させて全ての研磨アームの研磨具45,53を貫通孔36の径方向外方に退避させた状態のもとで、ワーク保持台10を上昇移動させてワークWを研磨スペース34内に搬入する。図4はワークWが研磨スペース34内に搬入されて加工前状態となった状態を示す。この状態のもとで回転ヘッド30を電動モータ26により回転駆動し、ワーク保持台10を電動モータ16により回転ヘッド30とは逆方向に回転駆動する。回転ヘッド30が所定の回転数になると、それぞれの研磨アームの基端部に調整重り48とともに加わる遠心力によって端面研磨アーム41a,41bの研磨面46はワークWの下側の端面に押し付けられ、端面研磨アーム42a,42bの研磨面47はワークWの上側の端面に押し付けられる。さらに、外周面研磨アーム51,52の研磨面54,55はワークWの外周面に押し付けられる。
図5(A)は遠心力により端面研磨アーム41aの研磨面46がワークWの下側の端面に押し付けられ、端面研磨アーム42aの研磨面47がワークWの上側の端面に押し付けられた状態を示す。この状態のもとで、電動モータ24を駆動してワーク保持台10を回転ヘッド30に対して軸方向に往復動すると、ワークWは、図5(B)に示すように回転ヘッド30に対して相対的に最前進限位置となった上限位置と、図5(C)に示すようにワークWが回転ヘッド30に対して相対的に後退限位置となった下限位置との間の研磨ストロークSの範囲を往復動する。研磨ストロークSは図4に示されている。この移動過程では端面研磨アーム41a,42a,41b,42bはそれぞれの研磨面46,47がワークWに押し付けられた状態となって支持ピン44を中心に揺動する。これにより、ワークWの表裏両面の端面は同時に研磨具45の研磨面46,47により研磨加工され、研磨処理能率が向上されるとともに、研磨加工品質を向上させることができる。
ワークWがワーク保持台10によって軸方向に往復動すると、ワークWの外周面には、図4(B)に示す外周面研磨アーム51,52の研磨面54,55が押し付けられた状態となって、研磨ストロークの範囲でワークWが研磨面54,55に対して軸方向に移動する。これにより、ワークWの外周面は端面と同時に研磨具53の研磨面54,55により研磨加工される。
図6(A)は端面研磨アームの研磨具45の横断面形状を示す拡大断面図であり、研磨具45の表面つまり研磨パッド貼り付け面は凹面形状となっており、これに貼り付けられる研磨パッド45bの表面の研磨面46は研磨具45の表面に対応した凹面形状となる。このタイプの研磨具45を有する端面研磨アーム41a,41bにおいては、ワークWが上昇限位置となったときにおける端面と研磨面46の接触角をθ1とし、下限位置となったときにおける端面と研磨面46との接触角をθ2とすると、研磨ストロークSの範囲でワークWが軸方向に移動する際の単位ストローク当たりの接触角の変化量ΔSは│θ1−θ2│/Sとなる。なお、端面研磨アーム42a,42bにおいては、ワークWが上昇限位置となったときにおける端面と研磨面47の接触角はθ2となり、下限位置となったときにおける端面と研磨面47との接触角をθ1となる。
図6(B)は端面研磨アームの研磨具45の他の実施の形態を示す拡大断面図であり、研磨具45の表面は平坦な傾斜面となっている。このタイプの研磨具45を有する端面研磨アーム41a,41bにおいては、ワークWが上昇限位置となったときにおける端面と研磨面46の接触角θ3は前述したθ1よりも小さい角度となり、下限位置となったときにおける端面と研磨面46との接触角θ4は前述したθ2よりも大きくなる。したがって、接触角の変化量は図6(A)に示した研磨具よりも大きくなる。接触角の変化量は、ワークWの外周部の断面形状や遠心力の大きさ等により任意に設定される。なお、端面研磨アーム42a,42bにおいては、図6(A)に示した場合と同様に上下関係が逆になって、ワークWが上昇限位置となったときにおける端面と研磨面47の接触角はθ4となり、下限位置となったときにおける端面と研磨面47との接触角をθ3となる。
図7(A)は外周部がT形タイプとなった半導体ウエハであるワーク外周部の断面形状を示す拡大断面図であり、図7(B)は外周部が円形タイプとなった半導体ウエハであるワーク外周部の断面形状を示す拡大断面図である。
T形タイプのワークWは、図7(A)に示されるように、図における上下両面の縁面つまり端面Cは平坦な傾斜面つまりチャンファ面となっている。外周面Qは厚み方向に平坦となっており、外周面Qと端面Cとの境界部は円弧形状の先端R部となっている。これに対し、円形タイプのワークWは、図7(B)に示されるように、端面Cと外周面Qとが全体的に半円形状となって連なっている。
図8(A)は、図7(A)に示した外周部形状のワークWを回転ヘッド30に対して軸方向に相対移動したときにおける上側のチャンファ面つまり端面Cに対する端面研磨アーム42aの研磨面移動軌跡を示す接触状態図であり、図8(B)は、図7(B)に示した外周部形状のワークWを同様に軸方向に相対移動したときにおける端面Cに対する端面研磨アーム42aの研磨面移動軌跡を示す接触状態図である。
図8(A)に示すように、外周部がT形タイプとなったワークWを研磨加工するときには、ワークWが上限位置となったときに研磨具45が径方向最外方位置にワークWによって揺動されるので、研磨面47が符号47aで示す位置となって先端R部と外周面Qの境界部に接触した状態となる。この状態からワークWが下限位置に向けて回転ヘッド30に対して相対移動すると、研磨面47は符号47aに示す位置から符号47hに示すように端面Cの最内周部に接触する位置まで時々刻々と端面Cに接触する位置が変化する。符号47hに示す位置となると、研磨具45が径方向最内方位置となるように端面研磨アーム42aが揺動する。他の端面研磨アーム42bについても同様であり、下側の端面Cを研磨加工するための端面研磨アーム41b,41bについては、ワークWの上限位置と下限位置とにおける研磨面47の接触角が端面研磨アーム41a,42aと逆の関係になるが同様である。
それぞれの端面研磨アームが垂直方向となって回転ヘッド30に取り付けられているので、ワークWを回転ヘッド30に対して軸方向に相対移動させると、相対移動に伴って研磨面46,47の端面Cに対する接触角が時々刻々と端面Cに倣うように変化することになり、先端R部を含めて端面Cの研磨が良好に行われる。また、研磨面46,47は端面Cに倣って接触角が変化するので、外周部の断面形状を崩すことなく研磨作業が行われ、高品質の仕上げ面を研磨することができる。
しかも、接触角を変化させて研磨することができるので、研磨パッド45bとしては比較的硬度が高いものを使用することができ、従来のように硬度が低い研磨パッドを使用する場合に比して過度な研磨処理となってしまうオーバーポリッシュの発生を抑制することができることからも高品質の研磨面を仕上げることができる。従来の研磨装置のように、凹面形状の研磨面が形成された環状の研磨リングを用いた場合には、研磨面は図8(A)において符号47hで示した一定の接触角となって端面Cに接触することになる。先端R部を端面とともに研磨するためには、硬度が低い研磨パッドを用いて、端面を研磨バッドに沈み込ませるようにして先端R部にまで研磨パッドを接触させる必要がある。このため、端面の沈み込みによってオーバーポリッシュの量が大きくなるが、垂直式の端面研磨アームを用いて研磨加工することにより、オーバーポリッシュの発生を抑制し高品質の研磨面を仕上げ加工することができる。
上下両方の端面Cの研磨加工と同時に、2つの外周面研磨アーム51,52の研磨具53により外周面Qが研磨加工される。回転ヘッド30の回転が停止された状態のもとでは、ワークWを研磨スペースS内に進入させるために研磨面54,55とワークWの外周面Qとの間には僅かな隙間が存在しており、回転ヘッド30を回転させて遠心力により研磨面54,55を外周面Qに押し付けると、研磨面54,55は僅かに傾斜するが、2つの外周面研磨アーム51,52は相互に上下逆向きとなっているので、両方の外周面研磨アーム51,52の研磨面54,55により外周面Qは、全体的に均一の押し付け力となって接触する研磨面54,55によって高品質に仕上げ加工される。
図8(B)に示すように、外周部が円形となったワークWを研磨加工するときには、ワークWが上限位置となったときに研磨具45が径方向最外方位置にワークWによって揺動されるので、研磨面47が符号47aで示す位置となって円形となって連なった端面Cと外周面Qの境界部に接触した状態となる。この状態からワークWが下限位置に向けて回転ヘッド30に対して相対移動すると、研磨面47は符号47aに示す位置から符号47hに示すように円弧状の端面Cの最内周部に接触する位置まで時々刻々と端面Cに接触する位置が変化する。符号47hに示す位置となると、研磨具45が径方向最内方位置となるように端面研磨アーム42aが揺動する。他の端面研磨アーム42bについても同様であり、下側の端面Cを研磨加工するための端面研磨アーム41b,41bについては、ワークWの上限位置と下限位置とにおける研磨面47の接触角が端面研磨アーム41a,42aと逆の関係になるが同様である。
外周部が円形となったワークWを研磨加工する場合にも、T形タイプのワークWを研磨加工する場合と同様に、研磨面46,47の端面Cに対する接触角が時々刻々と端面Cに倣うように変化することになり、先端R部を含めて端面Cの研磨が良好に行われる。また、研磨面46,47は端面Cに倣って接触角が変化するので、外周部の断面形状を崩すことなく研磨作業が行われ、高品質の仕上げ面を研磨することができる。しかも、接触角を変化させて研磨することができるので、研磨パッド45bとしては比較的硬度が高いものを使用することができ、オーバーポリッシュの発生を抑制することができる、高品質で端面を仕上げることができる。
図7(A)は外周部がT形タイプとなったワークWを示し、図7(B)は外周部が円形となったワークWを示しているが、垂直式の端面研磨アームの先端に設けられた研磨具により端面を研磨加工するようにすると、図7に示した断面形状以外の種々の断面形状の外周部を研磨加工することができる。
図9(A)は本発明の垂直式の研磨アームに設けられた研磨具が遠心力によりワークに押し付けられた状態における押し付け荷重の分布状態を示す概略図であり、図9(B)は比較例として水平式の研磨アームに設けられた研磨具が遠心力によりワークに押し付けられた状態における押し付け荷重の分布状態を示す概略図である。
回転ヘッド30を回転させると、図5(A)に符号Fで示すように研磨アームには遠心力が加わり、ワークWには符号Pで示す押し付け荷重が加わることになる。この押し付け荷重Pは図9(A)に示すように、研磨アームを垂直式とすると研磨アームの揺動時における研磨面の円周方向に沿う各部位とワークWとの間の荷重分布は均一となる。このように、研磨面からワークに加えられる押し付け荷重が研磨面の各部位において均一となると、ワークの端面Cと外周面Qとを高精度で仕上げることができる。
これに対し、図9(B)に示されるように、水平式の研磨アームを用いると、研磨アームの揺動時における押し付け荷重は、支持ピンからの距離によって変化することになる。つまり、図9(B)に示されるように、押し付け荷重は研磨アームの基端部側のP1から先端部側のPnに向けて小さくなるように変化する。したがって、水平式の研磨アームを用いると、ワークの各部位において押し付け力が不均一となり、研磨欠陥を生じる可能性が高まる。本発明の研磨アームは端面用と外周面用の全てが垂直式となっているので、図9(A)に示すように、均一分布荷重となり研磨品質を向上させることができる。
図10は本発明の他の実施の形態である研磨装置を示す斜視図であり、図11は図10の平面図である。この研磨装置の回転ヘッド30には、図2,図3に示した外周面研磨アーム51,52が設けられておらず、外周面研磨アーム51に代えて端面研磨アーム41cが主回転体31に設けられ、外周面研磨アーム52に代えて端面研磨アーム42cが副回転体32に設けられている。したがって、図10,図11に示す研磨装置は、合計3対の端面研磨アーム対を有している。このように、端面研磨アーム対の数を図2,図3に示した研磨装置よりも増加させると、端面の研磨操作時間を短縮させることができる。ただし、図10,図11に示す研磨装置を用いる場合には、他の研磨装置によって外周面のみを研磨加工することになる。外周面のみを研磨加工する研磨装置としては、図2,図3に示した外周面研磨アーム51,52により対となった外周面研磨アーム対が3対設けられた研磨装置を用いることができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、図1における研磨装置においてはワーク保持台10の上側に回転ヘッド30が設けられているが、これらの上下関係を逆転させて、ワーク保持台10を回転ヘッド30の上側に設け、回転ヘッド30をワーク保持台10の下側に配置するようにしても良い。また、図2,図3に示される回転ヘッド30には2対の端面研磨アーム対と、1対の外周面研磨アーム対が設けられているが、ワークの外径が図示する場合よりも大きい場合には、端面研磨アーム対を3対としても良く、外周面研磨アーム対を2対としても良い。
本発明の一実施の形態である研磨装置の要部を示す断面図である。 図1に示された回転ヘッドの斜視図である。 図2の平面図である。 (A)は図3における4A−4A線断面図であり、(B)は図3における4B−4B線断面図である。 (A)〜(C)は研磨装置による研磨加工手順を示す概略図である。 (A)は端面研磨アームの研磨具の横断面形状を示す拡大断面図であり、(B)は端面研磨アームの研磨具の他の実施の形態を示す拡大断面図である。 (A)は外周部がT形となったワーク外周部の断面形状を示す拡大断面図であり、(B)は外周部が円形となったワーク外周部の断面形状を示す拡大断面図である。 (A)は図7(A)に示したワークの端面に対する端面研磨アームの研磨面移動軌跡を示す接触状態図であり、(B)は、図7(B)に示したワークの端面に対する端面研磨アームの研磨面移動軌跡を示す接触状態図である。 (A)は本発明の垂直式の研磨アームに設けられた研磨具が遠心力によりワークに押し付けられた状態における押し付け荷重の分布状態を示す概略図であり、(B)は比較例としての水平式の研磨アームに設けられた研磨具が遠心力によりワークに押し付けられた状態における押し付け荷重の分布状態を示す概略図である。 本発明の他の実施の形態である研磨装置を示す斜視図である。 図10の平面図である。
符号の説明
10 ワーク保持台
11 回転シャフト
16 電動モータ
22 駆動板
24 電動モータ
26 電動モータ
31 主回転体
32 副回転体
41a,41b,42a,42b 端面研磨アーム
44 支持ピン
45 研磨具
46,47 研磨面
51,52 外周面研磨アーム
53 研磨具
54,55 研磨面

Claims (6)

  1. 円板状ワークの外周部を研磨加工するワーク外周部の研磨装置であって、
    主回転体および当該主回転体に研磨スペースを介して連結されるとともに前記ワークが進入する貫通孔が設けられた副回転体を有する回転ヘッドと、
    前記回転ヘッドを回転駆動するヘッド回転手段と、
    前記研磨スペース内において前記ワークを前記回転ヘッドの回転中心軸と同心状として前記回転ヘッドに対して相対的に軸方向に往復動自在に保持するワーク保持台と、
    前記回転ヘッドの回転中心軸に対して直角方向に伸びる支持ピンを中心に揺動自在に前記主回転体に装着されるとともに前記ワーク外周部の一方側の端面に沿う円弧形状の研磨具が先端部に設けられる一方、前記回転ヘッドの回転時の遠心力により前記研磨具を前記一方側の端面に押し付ける重り部としての基端部を備えた第1の端面研磨アームと、
    前記回転ヘッドの回転中心軸に対して直角方向に伸びる支持ピンを中心に揺動自在に前記副回転体に装着されるとともに前記ワーク外周部の他方側の端面に沿う円弧形状の研磨具が先端部に設けられる一方、前記回転ヘッドの回転時の遠心力により前記研磨具を前記他方側の端面に押し付ける重り部としての基端部を備えた第2の端面研磨アームとを有し、
    前記回転ヘッドを回転させつつ前記ワークを軸方向に往復動し、それぞれの前記端面研磨アームの前記研磨具により前記一方側の端面と前記他方側の端面とを同時に研磨加工することを特徴とするワーク外周部の研磨装置。
  2. 請求項1記載のワーク外周部の研磨装置において、前記回転ヘッドの回転中心軸に対して直角方向に伸びる支持ピンを中心に揺動自在に前記主回転体と前記副回転体の少なくとも一方に装着されるとともに、前記ワーク外周部の外周面に沿う円弧形状の研磨具が先端部に設けられる一方、前記回転ヘッドの回転時の遠心力により前記研磨具を前記外周面に押し付ける重り部としての基端部を備えた外周面研磨アームを有し、前記一方側の端面と他方側の端面と前記外周面とを同時に研磨加工することを特徴とするワーク外周部の研磨装置。
  3. 請求項2記載のワーク外周部の研磨装置において、前記主回転体と前記副回転体とにそれぞれ前記外周面研磨アームを相互に対向して装着することを特徴とするワーク外周部の研磨装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のワーク外周部の研磨装置において、前記ワーク保持台を前記研磨ヘッドの回転方向に対して逆方向に回転駆動する駆動手段を有し、前記ワークを回転させながら研磨加工することを特徴とするワーク外周部の研磨装置。
  5. 円板状ワークの外周部を研磨加工するワーク外周部の研磨方法であって、
    主回転体および当該主回転体に研磨スペースを介して連結されるとともに前記ワークが進入する貫通孔が設けられた副回転体を有する回転ヘッドと、前記回転ヘッドの回転中心軸と同心状に前記ワークを保持するワーク保持台とを軸方向に相対移動させて前記研磨スペース内に前記ワークを搬入する搬入工程と、
    前記回転ヘッドの回転中心軸に対して直角方向に伸びる支持ピンを中心に揺動自在に前記主回転体に装着されるとともに前記ワーク外周部の一方側の端面に沿う円弧形状の研磨具を先端部に有する第1の端面研磨アームの重り部としての基端部と、前記回転ヘッドの回転中心軸に対して直角方向に伸びる支持ピンを中心に揺動自在に前記副回転体に装着されるとともに前記ワーク外周部の他方側の端面に沿う円弧形状の研磨具を先端部に有する第2の端面研磨アームの重り部としての基端部とに、前記回転ヘッドを回転駆動することにより遠心力を加えてそれぞれの前記研磨具をそれぞれの前記端面に押し付けながら、前記ワーク保持台と前記研磨ヘッドとを軸方向に相対移動させる研磨工程とを有し、
    それぞれの前記端面研磨アームの前記研磨具により前記一方側の端面と前記他方側の端面とを同時に研磨加工することを特徴とするワーク外周部の研磨方法。
  6. 請求項5記載のワーク外周部の研磨方法において、前記回転ヘッドの回転中心軸に対して直角方向に伸びる支持ピンを中心に揺動自在に前記主回転体と前記副回転体の少なくとも一方に装着されるとともに前記ワーク外周部の外周面に接触する円弧形状の研磨具を先端部に有する外周面研磨アームの重り部としての基端部に、前記回転ヘッドの回転時の遠心力を加えることにより前記研磨具を前記外周面に押し付け、
    前記一方側の端面と前記他方側の端面と前記外周面とを同時に研磨加工することを特徴とするワーク外周部の研磨方法。
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