JP2000158306A - 両面研削装置 - Google Patents
両面研削装置Info
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- JP2000158306A JP2000158306A JP10339839A JP33983998A JP2000158306A JP 2000158306 A JP2000158306 A JP 2000158306A JP 10339839 A JP10339839 A JP 10339839A JP 33983998 A JP33983998 A JP 33983998A JP 2000158306 A JP2000158306 A JP 2000158306A
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- grinding
- workpiece
- wafer
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- Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 円板状の被加工物の両面に対向して設けられ
た一対の円環状研削工具と、この円環状研削工具の外側
に被加工物の両面に対向して設けられた静圧保持部材と
しての一対の静圧パッドと、を具備する両面研削装置に
おいて、連続加工による研削砥石の砥粒層の摩耗に起因
する静圧パッドの位置調整を不要とするとともに、加工
前後の研削砥石の離反時においても静圧パッドによる被
加工物の保持機能が正常に働くようにする。 【解決手段】 一対の静圧パッドに関して、一方の静圧
パッドについてはこの静圧パッドが被加工物を挟持する
よう付勢する弾性体を介して固定軸に取り付けられ、他
方の静圧パッドについてはこの静圧パッドが被加工物を
挟持するよう付勢する他の弾性体を介して円環状研削工
具の回転軸方向に移動可能にされた移動軸に取り付けら
れているようにした。
た一対の円環状研削工具と、この円環状研削工具の外側
に被加工物の両面に対向して設けられた静圧保持部材と
しての一対の静圧パッドと、を具備する両面研削装置に
おいて、連続加工による研削砥石の砥粒層の摩耗に起因
する静圧パッドの位置調整を不要とするとともに、加工
前後の研削砥石の離反時においても静圧パッドによる被
加工物の保持機能が正常に働くようにする。 【解決手段】 一対の静圧パッドに関して、一方の静圧
パッドについてはこの静圧パッドが被加工物を挟持する
よう付勢する弾性体を介して固定軸に取り付けられ、他
方の静圧パッドについてはこの静圧パッドが被加工物を
挟持するよう付勢する他の弾性体を介して円環状研削工
具の回転軸方向に移動可能にされた移動軸に取り付けら
れているようにした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばIC基板等
に用いられる半導体ウエハに代表される円板状の被加工
物の両面を平面研削加工するための両面研削装置に関
し、特に、加工中に被加工物を安定して保持することに
適した保持部材を有する両面研削装置に関する。
に用いられる半導体ウエハに代表される円板状の被加工
物の両面を平面研削加工するための両面研削装置に関
し、特に、加工中に被加工物を安定して保持することに
適した保持部材を有する両面研削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高脆性材を材質とする円板状の被加工
物、例えばIC基板等に用いられる半導体ウエハの表面
の研削(または研磨)においては、ウエハ表面を片面ず
つ研削する方法では研削工具から受ける応力により研削
中のウエハに反りが発生し、その結果平面度の高い研削
加工が行われないという問題があるため、ウエハ両面の
同時研削が一般に行われている。ウエハ両面を同時に研
削する方法としては、ウエハをその外周位置に設けた複
数個のローラにより支持し、ウエハ両面に対向して設け
られた一対の研削工具により、ウエハ両面を同時研削す
る方法が従来から行われていた。
物、例えばIC基板等に用いられる半導体ウエハの表面
の研削(または研磨)においては、ウエハ表面を片面ず
つ研削する方法では研削工具から受ける応力により研削
中のウエハに反りが発生し、その結果平面度の高い研削
加工が行われないという問題があるため、ウエハ両面の
同時研削が一般に行われている。ウエハ両面を同時に研
削する方法としては、ウエハをその外周位置に設けた複
数個のローラにより支持し、ウエハ両面に対向して設け
られた一対の研削工具により、ウエハ両面を同時研削す
る方法が従来から行われていた。
【0003】しかし、一般に、ウエハを支持するローラ
は、ウエハの研削面と直交する方向については高荷重に
対処できる機構とはなっていないために、ウエハ両面に
対向して設けられた一対の研削工具のそれぞれが研削中
にウエハに与える切削荷重に偏りがあると、加工中のウ
エハに反りが発生し、また、ウエハ両面の切削量にも偏
りが発生するために、平面度の高い研削加工が行われな
いという問題があった。
は、ウエハの研削面と直交する方向については高荷重に
対処できる機構とはなっていないために、ウエハ両面に
対向して設けられた一対の研削工具のそれぞれが研削中
にウエハに与える切削荷重に偏りがあると、加工中のウ
エハに反りが発生し、また、ウエハ両面の切削量にも偏
りが発生するために、平面度の高い研削加工が行われな
いという問題があった。
【0004】そこで、この問題に対処するものとして、
特開平9−262747号では、被加工物の両面に対向
して設けられた一対の静圧パッドからなる静圧保持部材
により研削加工中の被加工物を支持するような両面研削
装置が提供されており、これにより被加工物が、その両
面に対向して設けられた一対の研削工具の代わりに、一
対の静圧パッドからなる静圧保持部材により非接触状態
で支持されるようにしている。さらに、このものは、静
圧保持部材を研削工具と連動して動作させるようにして
いるので、研削によって被加工物の厚みが薄くなっても
各静圧パッドと被加工物との間隔が良好に保たれるよう
配慮している。
特開平9−262747号では、被加工物の両面に対向
して設けられた一対の静圧パッドからなる静圧保持部材
により研削加工中の被加工物を支持するような両面研削
装置が提供されており、これにより被加工物が、その両
面に対向して設けられた一対の研削工具の代わりに、一
対の静圧パッドからなる静圧保持部材により非接触状態
で支持されるようにしている。さらに、このものは、静
圧保持部材を研削工具と連動して動作させるようにして
いるので、研削によって被加工物の厚みが薄くなっても
各静圧パッドと被加工物との間隔が良好に保たれるよう
配慮している。
【0005】この両面研削装置によれば、被加工物はこ
れを保持する静圧パッドのほぼ中間位置で非接触で支持
されることになる。一般に、被加工物の表面には微小な
凹凸が多く存在し、そのような被加工物を自転させた場
合、前記凹凸の影響を受け、被加工物は厚み方向に振動
しながら回転することになる。従来の接触式の支持方法
では、接触点での前記凹凸によって被加工物全体の姿勢
が決まるため高精度に支持することが難しい。それに対
して、特開平9−262747号に開示されているよう
に、被加工物を静圧パッドで支持した場合には、面での
支持であること、及び浮上した状態で支持していること
から、前記凹凸の影響が平均化されかつ低減されるた
め、高精度な支持が可能となるという利点がある。
れを保持する静圧パッドのほぼ中間位置で非接触で支持
されることになる。一般に、被加工物の表面には微小な
凹凸が多く存在し、そのような被加工物を自転させた場
合、前記凹凸の影響を受け、被加工物は厚み方向に振動
しながら回転することになる。従来の接触式の支持方法
では、接触点での前記凹凸によって被加工物全体の姿勢
が決まるため高精度に支持することが難しい。それに対
して、特開平9−262747号に開示されているよう
に、被加工物を静圧パッドで支持した場合には、面での
支持であること、及び浮上した状態で支持していること
から、前記凹凸の影響が平均化されかつ低減されるた
め、高精度な支持が可能となるという利点がある。
【0006】また、従来の接触式の支持方法では、被加
工物に圧痕や擦り傷などのダメージを与える可能性が高
いが、特開平9−262747号に開示されているよう
に、被加工物を静圧パッドで支持した場合には、圧痕や
擦り傷などのダメージのない高品位な加工が可能となる
という利点もある。
工物に圧痕や擦り傷などのダメージを与える可能性が高
いが、特開平9−262747号に開示されているよう
に、被加工物を静圧パッドで支持した場合には、圧痕や
擦り傷などのダメージのない高品位な加工が可能となる
という利点もある。
【0007】さらに、特開平9−262747号に開示
されている構成では、静圧保持部材を研削工具と連動し
て動作させることにより、被加工物に対してはこれを保
持する静圧パッドによってその中間位置に移動させる力
が作用するため、両研削砥石による被加工物各面の研削
が同時に実行されることになる。そのため、上記のとお
り高精度に支持されることと合わせて、平面度の高い両
面研削加工が可能となるという利点もある。
されている構成では、静圧保持部材を研削工具と連動し
て動作させることにより、被加工物に対してはこれを保
持する静圧パッドによってその中間位置に移動させる力
が作用するため、両研削砥石による被加工物各面の研削
が同時に実行されることになる。そのため、上記のとお
り高精度に支持されることと合わせて、平面度の高い両
面研削加工が可能となるという利点もある。
【0008】さらにまた、特開平9−262747号に
開示されている構成では、静圧パッドから放出される静
圧流体としてクーラントを使用しているので、静圧保持
部材は、被加工物の保持だけではなく、研削時に発生す
る切屑の排出および被加工物の冷却にも寄与することに
なる。
開示されている構成では、静圧パッドから放出される静
圧流体としてクーラントを使用しているので、静圧保持
部材は、被加工物の保持だけではなく、研削時に発生す
る切屑の排出および被加工物の冷却にも寄与することに
なる。
【0009】以上のことから、特開平9−262747
号に開示されている静圧保持部材による非接触な被加工
物保持機構は、作動流体による潤滑という、静圧軸受の
持つ特徴を最大限に利用した保持方法であるといえる。
号に開示されている静圧保持部材による非接触な被加工
物保持機構は、作動流体による潤滑という、静圧軸受の
持つ特徴を最大限に利用した保持方法であるといえる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開平9−
262747号に開示されているように、静圧パッドか
らなる静圧保持部材を研削工具と連動して動作させる場
合、研削工具は静圧パッドよりも被加工物に対して接近
した位置にあることが必要であり、よって研削工具の研
削面を静圧パッド面より突き出す形で両者の間に一定の
段差を設けることが必要となる。被加工物に対する保持
力などの静圧パッドの特性は、この段差の大きさによっ
て大きく影響されるので、加工によって研削工具が摩耗
することに起因して段差が変化すると、静圧パッドの特
性が変化することになる。一般に、段差を小さくした方
が、言い換えれば被加工物表面に対する静圧パッドの浮
上量を小さくした方が、静圧パッドの支持能力や姿勢の
矯正能力は高くなる。そのため、研削工具と静圧パッド
との段差はできるだけ小さく設定することが好ましい
が、この場合、研削工具のわずかな摩耗の進行により、
静圧パッドが被加工物に接触することになってしまう。
262747号に開示されているように、静圧パッドか
らなる静圧保持部材を研削工具と連動して動作させる場
合、研削工具は静圧パッドよりも被加工物に対して接近
した位置にあることが必要であり、よって研削工具の研
削面を静圧パッド面より突き出す形で両者の間に一定の
段差を設けることが必要となる。被加工物に対する保持
力などの静圧パッドの特性は、この段差の大きさによっ
て大きく影響されるので、加工によって研削工具が摩耗
することに起因して段差が変化すると、静圧パッドの特
性が変化することになる。一般に、段差を小さくした方
が、言い換えれば被加工物表面に対する静圧パッドの浮
上量を小さくした方が、静圧パッドの支持能力や姿勢の
矯正能力は高くなる。そのため、研削工具と静圧パッド
との段差はできるだけ小さく設定することが好ましい
が、この場合、研削工具のわずかな摩耗の進行により、
静圧パッドが被加工物に接触することになってしまう。
【0011】このように、静圧保持部材の特性を設計緒
元どおりに維持させるためには、研削工具と静圧パッド
との段差を常に正確に維持することが必要となるが、研
削工具の研削面が具備している砥粒層には微小な凹凸が
多く存在するため、計測装置などによりその端面位置を
測定することは困難であり、よって研削工具と静圧パッ
ドとの段差の大きさを正確に維持し続けることが困難な
ものとなっている。
元どおりに維持させるためには、研削工具と静圧パッド
との段差を常に正確に維持することが必要となるが、研
削工具の研削面が具備している砥粒層には微小な凹凸が
多く存在するため、計測装置などによりその端面位置を
測定することは困難であり、よって研削工具と静圧パッ
ドとの段差の大きさを正確に維持し続けることが困難な
ものとなっている。
【0012】また、被加工物の保持は加工中だけでな
く、加工開始前の研削工具接近時には既に被加工物の姿
勢を矯正するという形で機能している必要があり、また
加工終了後は研削工具を被加工物に接触させることなく
離反させるために機能している必要がある。しかし、特
開平9−262747号に開示されているように、静圧
パッドと研削工具との段差を固定し、移動動作を連動さ
せる構成では、静圧パッドが被加工物に対して機能する
範囲が非常に小さく、特に静圧パッドにて被加工物をそ
の研削面に対して直交する方向に支持し加工する両面研
削装置に適用しようとする場合、静圧パッドの機能範囲
が小さいという点が顕在化することになる。この場合、
特に加工終了後に研削工具が離反しようとする際、静圧
パッドの機能が低下するため、被加工物の姿勢が乱れ、
研削工具との接触する可能性が高くなる。
く、加工開始前の研削工具接近時には既に被加工物の姿
勢を矯正するという形で機能している必要があり、また
加工終了後は研削工具を被加工物に接触させることなく
離反させるために機能している必要がある。しかし、特
開平9−262747号に開示されているように、静圧
パッドと研削工具との段差を固定し、移動動作を連動さ
せる構成では、静圧パッドが被加工物に対して機能する
範囲が非常に小さく、特に静圧パッドにて被加工物をそ
の研削面に対して直交する方向に支持し加工する両面研
削装置に適用しようとする場合、静圧パッドの機能範囲
が小さいという点が顕在化することになる。この場合、
特に加工終了後に研削工具が離反しようとする際、静圧
パッドの機能が低下するため、被加工物の姿勢が乱れ、
研削工具との接触する可能性が高くなる。
【0013】以上の点に鑑み、被加工物の加工中だけで
はなく、加工前後の研削工具の離反時においても、静圧
パッドを適正な状態で機能させるための機構の付与が必
要となる。
はなく、加工前後の研削工具の離反時においても、静圧
パッドを適正な状態で機能させるための機構の付与が必
要となる。
【0014】本発明は、かかる従来技術の課題を解決す
るためになされたものであり、被加工物の両面に対向し
て設けられた一対の静圧パッドからなる静圧保持部材に
より研削加工中の被加工物を保持するような両面研削装
置において、連続加工による研削砥石の砥粒層の摩耗に
起因する静圧パッドの位置調整を不要とするとともに、
研削工具と静圧パッドとの段差を常に正確に維持し、さ
らには加工中に加えて加工前後の研削砥石の接近時及び
離反時においても、静圧パッドによる被加工物への保持
機能が正常に働くような両面研削装置を提供することを
目的とする。
るためになされたものであり、被加工物の両面に対向し
て設けられた一対の静圧パッドからなる静圧保持部材に
より研削加工中の被加工物を保持するような両面研削装
置において、連続加工による研削砥石の砥粒層の摩耗に
起因する静圧パッドの位置調整を不要とするとともに、
研削工具と静圧パッドとの段差を常に正確に維持し、さ
らには加工中に加えて加工前後の研削砥石の接近時及び
離反時においても、静圧パッドによる被加工物への保持
機能が正常に働くような両面研削装置を提供することを
目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、各静圧パッドとウエハ表面との間隔
が、研削砥石の砥粒層の摩耗量に係わりなく、加工中及
び繰り返しの加工において常に一定になるような機構を
設けるようにした。
めに、本発明は、各静圧パッドとウエハ表面との間隔
が、研削砥石の砥粒層の摩耗量に係わりなく、加工中及
び繰り返しの加工において常に一定になるような機構を
設けるようにした。
【0016】すなわち、請求項1にかかる発明では、円
板状の被加工物の両面に対向して設けられた一対の円環
状研削工具と、この円環状研削工具の外側に被加工物の
両面に対向して設けられた静圧保持部材としての一対の
静圧パッドと、を具備する両面研削装置において、この
一対の静圧パッドに関して、一方の静圧パッドについて
はこの静圧パッドが被加工物を挟持するよう付勢する弾
性体を介して固定軸に取り付けられ、他方の静圧パッド
についてはこの静圧パッドが被加工物を挟持するよう付
勢する他の弾性体を介して円環状研削工具の回転軸方向
に移動可能にされた移動軸に取り付けられているように
した。なお、「円環状研削工具の回転軸方向に移動可能
にされた」とあるのは、円環状研削工具の回転軸と平行
な方向に移動可能にされているとの意である。
板状の被加工物の両面に対向して設けられた一対の円環
状研削工具と、この円環状研削工具の外側に被加工物の
両面に対向して設けられた静圧保持部材としての一対の
静圧パッドと、を具備する両面研削装置において、この
一対の静圧パッドに関して、一方の静圧パッドについて
はこの静圧パッドが被加工物を挟持するよう付勢する弾
性体を介して固定軸に取り付けられ、他方の静圧パッド
についてはこの静圧パッドが被加工物を挟持するよう付
勢する他の弾性体を介して円環状研削工具の回転軸方向
に移動可能にされた移動軸に取り付けられているように
した。なお、「円環状研削工具の回転軸方向に移動可能
にされた」とあるのは、円環状研削工具の回転軸と平行
な方向に移動可能にされているとの意である。
【0017】これにより、一対の静圧パッドには、弾性
体の作用により被加工物を挟持する力が働くが、一方、
静圧パッドから放出される静圧流体の作用により被加工
物から離反する力も働き、その結果、各静圧パッドとウ
エハ表面とは一定の間隔を保ちつつ、ウエハは静圧保持
部材としての一対の静圧パッドに静圧保持されることに
なる。ここで、研削砥石が摩耗した場合について論ずる
と、本構成においては静圧パッドと研削工具との間には
弾性体が介在しているので、従来技術のように研削砥石
の摩耗につれて静圧パッド相互の間隔が許容量以上に接
近することは起こりえず、したがって静圧パッドがウエ
ハ表面に接触するという状態も起こり得ないことにな
る。
体の作用により被加工物を挟持する力が働くが、一方、
静圧パッドから放出される静圧流体の作用により被加工
物から離反する力も働き、その結果、各静圧パッドとウ
エハ表面とは一定の間隔を保ちつつ、ウエハは静圧保持
部材としての一対の静圧パッドに静圧保持されることに
なる。ここで、研削砥石が摩耗した場合について論ずる
と、本構成においては静圧パッドと研削工具との間には
弾性体が介在しているので、従来技術のように研削砥石
の摩耗につれて静圧パッド相互の間隔が許容量以上に接
近することは起こりえず、したがって静圧パッドがウエ
ハ表面に接触するという状態も起こり得ないことにな
る。
【0018】請求項2にかかる発明では、請求項1にか
かる発明において、2つの弾性体は共にバネであり、こ
のバネは弾性力を調整可能とした。これにより、一対の
静圧パッドからなる静圧保持部材の保持力は、バネの弾
性力を調整することにより容易に変更可能になる。
かる発明において、2つの弾性体は共にバネであり、こ
のバネは弾性力を調整可能とした。これにより、一対の
静圧パッドからなる静圧保持部材の保持力は、バネの弾
性力を調整することにより容易に変更可能になる。
【0019】請求項3にかかる発明では、請求項1また
は2にかかる発明において、一対の円環状研削工具に関
して、一方の円環状研削工具は固定軸に取り付けられ、
他方の円環状研削工具は移動軸の動作に連動して移動可
能に取り付けられるよう構成した。これにより、静圧パ
ッドの一方は被加工物に対してこれと同方向にある円環
状研削工具とは弾性体を介して共に固定軸に取り付けら
れ、静圧パッドの他方は被加工物に対してこれと同方向
にある円環状研削工具とは弾性体を介して共に移動軸に
取り付けられることになるので、加工中、移動軸の動作
に連動して移動軸側の円環状研削工具が被加工物に対し
て切削切り込みを行う場合でも、被加工物は常に一対の
静圧パッドの中間位置に存在することになるので、被加
工物の両面は互いに等しく研削されることになる。
は2にかかる発明において、一対の円環状研削工具に関
して、一方の円環状研削工具は固定軸に取り付けられ、
他方の円環状研削工具は移動軸の動作に連動して移動可
能に取り付けられるよう構成した。これにより、静圧パ
ッドの一方は被加工物に対してこれと同方向にある円環
状研削工具とは弾性体を介して共に固定軸に取り付けら
れ、静圧パッドの他方は被加工物に対してこれと同方向
にある円環状研削工具とは弾性体を介して共に移動軸に
取り付けられることになるので、加工中、移動軸の動作
に連動して移動軸側の円環状研削工具が被加工物に対し
て切削切り込みを行う場合でも、被加工物は常に一対の
静圧パッドの中間位置に存在することになるので、被加
工物の両面は互いに等しく研削されることになる。
【0020】請求項4にかかる発明では、請求項1乃至
3のいずれかにかかる発明において、各静圧パッドの被
加工物の表面に対向した面には複数個のクーラント吐出
口を設けるようにした。このため、被加工物は弾性体の
弾性力に対抗して吐出されるクーラントの圧力により安
定して静圧保持されるとともに、被加工物表面を満たす
ことになるクーラントは、研削時に発生する切粉の排出
及び被加工物の冷却にも寄与することになる。
3のいずれかにかかる発明において、各静圧パッドの被
加工物の表面に対向した面には複数個のクーラント吐出
口を設けるようにした。このため、被加工物は弾性体の
弾性力に対抗して吐出されるクーラントの圧力により安
定して静圧保持されるとともに、被加工物表面を満たす
ことになるクーラントは、研削時に発生する切粉の排出
及び被加工物の冷却にも寄与することになる。
【0021】請求項5にかかる発明では、請求項1乃至
4のいずれかにかかる発明において、各静圧パッドの外
周部に研削用クーラント放出用のクーラントノズルをそ
れぞれ設け、それぞれのクーラントノズルを静圧パッド
に保持された被加工物のそれぞれの表面のうち円環状研
削工具と接触する箇所に向けるようにした。前述したよ
うに、静圧パッドに設けたクーラント吐出口から吐出さ
れる静圧流体としてのクーラントは、研削時に発生する
切粉の排出及び被加工物の冷却にも寄与するが、切粉の
排出効率及び冷却効率の向上のために、研削用クーラン
ト放出用のクーラントノズルを上記構成のように別個に
設けるようにしてもよい。これにより、加工中は静圧パ
ッドの中間位置に静圧保持されている被加工物の研削面
に対して、効率よく研削用クーラントを放出することが
できる。
4のいずれかにかかる発明において、各静圧パッドの外
周部に研削用クーラント放出用のクーラントノズルをそ
れぞれ設け、それぞれのクーラントノズルを静圧パッド
に保持された被加工物のそれぞれの表面のうち円環状研
削工具と接触する箇所に向けるようにした。前述したよ
うに、静圧パッドに設けたクーラント吐出口から吐出さ
れる静圧流体としてのクーラントは、研削時に発生する
切粉の排出及び被加工物の冷却にも寄与するが、切粉の
排出効率及び冷却効率の向上のために、研削用クーラン
ト放出用のクーラントノズルを上記構成のように別個に
設けるようにしてもよい。これにより、加工中は静圧パ
ッドの中間位置に静圧保持されている被加工物の研削面
に対して、効率よく研削用クーラントを放出することが
できる。
【0022】請求項6にかかる発明では、請求項1乃至
5のいずれかにかかる発明において、一対の静圧パッド
の間隔をインプロセスで測定することにより、加工中の
被加工物の厚みを測定するようにした。加工中の静圧パ
ッドの浮上量(静圧パッドと被加工物との間隙の量)は
予圧(弾性体の弾性力)によって決まるため、予圧が予
め判っていれば、対向する一対の静圧パッドの間隔を測
定することにより、被加工物に接触することなく、被加
工物の厚みを測定することができる。
5のいずれかにかかる発明において、一対の静圧パッド
の間隔をインプロセスで測定することにより、加工中の
被加工物の厚みを測定するようにした。加工中の静圧パ
ッドの浮上量(静圧パッドと被加工物との間隙の量)は
予圧(弾性体の弾性力)によって決まるため、予圧が予
め判っていれば、対向する一対の静圧パッドの間隔を測
定することにより、被加工物に接触することなく、被加
工物の厚みを測定することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、被加工物としての
ウエハ1、円環状研削砥石としての固定軸側研削砥石2
a及び移動軸側研削砥石2b、静圧保持部材としての固
定軸側静圧パッド3a及び移動軸側静圧パッド3b、弾
性体としての固定軸側バネ4a及び移動軸側バネ4b、
固定軸5a及び移動軸5b、固定軸側静圧パッド保持ア
ーム6a及び移動軸側静圧パッド保持アーム6b、固定
軸側クーラント供給源7a及び移動軸側クーラント供給
源7b、ローラ10を含む、本発明の一実施形態にかか
る両面研削装置の要部の側断面を示した概念図である。
て図面を参照して説明する。図1は、被加工物としての
ウエハ1、円環状研削砥石としての固定軸側研削砥石2
a及び移動軸側研削砥石2b、静圧保持部材としての固
定軸側静圧パッド3a及び移動軸側静圧パッド3b、弾
性体としての固定軸側バネ4a及び移動軸側バネ4b、
固定軸5a及び移動軸5b、固定軸側静圧パッド保持ア
ーム6a及び移動軸側静圧パッド保持アーム6b、固定
軸側クーラント供給源7a及び移動軸側クーラント供給
源7b、ローラ10を含む、本発明の一実施形態にかか
る両面研削装置の要部の側断面を示した概念図である。
【0024】固定軸5aは図示しない両面研削装置本体
ベース上に固定されている。ウエハ1に関して固定軸5
aに対向して配置された移動軸5bは、本体ベースに対
して回転軸11と平行な方向に移動可能にされている。
この移動軸5bの送り機構は、加工時にはウエハ1への
砥石の切り込みすなわち切削送りのために使用され、ま
たウエハ1の脱着時には、図示しないウエハ搬入出機構
が研削砥石2a、2b間の加工領域に進入できるよう、
移動軸側研削砥石2bの加工領域からの離反のために用
いられる。ウエハの平面研削の場合、切削送りはミクロ
ン単位で行う必要があるために、送り機構にはサーボモ
ータを使用し、これを図示しない数値制御装置により制
御するようにしている。
ベース上に固定されている。ウエハ1に関して固定軸5
aに対向して配置された移動軸5bは、本体ベースに対
して回転軸11と平行な方向に移動可能にされている。
この移動軸5bの送り機構は、加工時にはウエハ1への
砥石の切り込みすなわち切削送りのために使用され、ま
たウエハ1の脱着時には、図示しないウエハ搬入出機構
が研削砥石2a、2b間の加工領域に進入できるよう、
移動軸側研削砥石2bの加工領域からの離反のために用
いられる。ウエハの平面研削の場合、切削送りはミクロ
ン単位で行う必要があるために、送り機構にはサーボモ
ータを使用し、これを図示しない数値制御装置により制
御するようにしている。
【0025】固定軸5aと移動軸5bにはそれぞれ、ウ
エハ1に関して対向して固定軸側研削砥石2aと移動軸
側研削砥石2bが、それぞれの回転軸11が同一となる
ように連結されている。研削砥石2a、2bは、それぞ
れの回転駆動用モータに接続されている。これにより、
移動軸側研削砥石2bは移動軸5bの動作に連動して移
動することになる。なお、これら研削砥石2a、2bの
回転方向は互いに逆向きとしている。この理由は、もし
回転方向を互いに同一とした場合、ウエハ1を回転軸1
1と直交する方向に支持するローラ10に対して大きな
押し付け力が加わるために、ローラ10の摩耗が激しく
なることによるものである。
エハ1に関して対向して固定軸側研削砥石2aと移動軸
側研削砥石2bが、それぞれの回転軸11が同一となる
ように連結されている。研削砥石2a、2bは、それぞ
れの回転駆動用モータに接続されている。これにより、
移動軸側研削砥石2bは移動軸5bの動作に連動して移
動することになる。なお、これら研削砥石2a、2bの
回転方向は互いに逆向きとしている。この理由は、もし
回転方向を互いに同一とした場合、ウエハ1を回転軸1
1と直交する方向に支持するローラ10に対して大きな
押し付け力が加わるために、ローラ10の摩耗が激しく
なることによるものである。
【0026】これら研削砥石2a、2bと同様にウエハ
1に関して対向して固定軸側静圧パッド3a及び移動軸
側静圧パッド3bが配置されている。このうち固定軸側
静圧パッド3aは固定軸側静圧パッド保持アーム6aを
介して固定軸側バネ4aの一端に連結され、この固定軸
側バネ4aの他端は固定軸側バネ固定部材12aにより
固定軸5aに固定されている。同様に、移動軸側静圧パ
ッド3bは移動軸側静圧パッド保持アーム6bを介して
移動軸側バネ4bの一端に連結され、この移動軸側バネ
4bの他端は移動軸側バネ固定部材12bにより移動軸
5bに固定されている。
1に関して対向して固定軸側静圧パッド3a及び移動軸
側静圧パッド3bが配置されている。このうち固定軸側
静圧パッド3aは固定軸側静圧パッド保持アーム6aを
介して固定軸側バネ4aの一端に連結され、この固定軸
側バネ4aの他端は固定軸側バネ固定部材12aにより
固定軸5aに固定されている。同様に、移動軸側静圧パ
ッド3bは移動軸側静圧パッド保持アーム6bを介して
移動軸側バネ4bの一端に連結され、この移動軸側バネ
4bの他端は移動軸側バネ固定部材12bにより移動軸
5bに固定されている。
【0027】固定軸側バネ4a及び移動軸側バネ4bは
共に弾性力を調整可能にされているので、一対の静圧パ
ッド3a、3bからなる静圧保持部材の保持力を容易に
変更可能としている。具体的には、バネ4a、4bのそ
れぞれの一端を固定するバネ固定部材12a、12bの
それぞれの取り付け位置を、回転軸11方向に変更可能
にしている。これにより、研削工具の研削面と静圧パッ
ド面との段差の設定値を容易に変更できるので、この段
差の大きさによって影響される被加工物に対する保持力
などの静圧パッドの特性が容易に変更可能となる。な
お、固定軸側静圧パッド保持アーム6aは固定軸5aに
載置されている固定軸側保持アーム支持部材8aによ
り、回転軸11方向に摺動可能に支持されており、同様
に、移動軸側静圧パッド保持アーム6bは移動軸5bに
載置されている移動軸側保持アーム支持部材8bによ
り、回転軸11方向に摺動可能に支持されている。
共に弾性力を調整可能にされているので、一対の静圧パ
ッド3a、3bからなる静圧保持部材の保持力を容易に
変更可能としている。具体的には、バネ4a、4bのそ
れぞれの一端を固定するバネ固定部材12a、12bの
それぞれの取り付け位置を、回転軸11方向に変更可能
にしている。これにより、研削工具の研削面と静圧パッ
ド面との段差の設定値を容易に変更できるので、この段
差の大きさによって影響される被加工物に対する保持力
などの静圧パッドの特性が容易に変更可能となる。な
お、固定軸側静圧パッド保持アーム6aは固定軸5aに
載置されている固定軸側保持アーム支持部材8aによ
り、回転軸11方向に摺動可能に支持されており、同様
に、移動軸側静圧パッド保持アーム6bは移動軸5bに
載置されている移動軸側保持アーム支持部材8bによ
り、回転軸11方向に摺動可能に支持されている。
【0028】ウエハ1は、研削砥石2a、2bの回転軸
11と直交する方向に関しては、少なくとも3個以上の
ローラ10にて、その外周を支持されている。このロー
ラ10は、固定軸側静圧パッド3aの動作に連動して回
転軸11と平行な方向に移動可能にされている。また、
数種類のウエハに対応するために、複数個からなるロー
ラ10の幾つかはウエハ1の外径の大きさに合わせて回
転軸11と直交する方向に対して移動可能にされてい
る。これら複数個のローラ10のうち少なくとも一つに
は図示しないローラ駆動用モータが接続されており、加
工中はこのローラ駆動用モータに接続されたローラの駆
動によりウエハ1が回転し、これによりウエハ1の全面
が研削されるようにしている。なお、ローラ駆動用モー
タに接続されていないローラはウエハ1の回転に伴い連
れ回りすることになる。
11と直交する方向に関しては、少なくとも3個以上の
ローラ10にて、その外周を支持されている。このロー
ラ10は、固定軸側静圧パッド3aの動作に連動して回
転軸11と平行な方向に移動可能にされている。また、
数種類のウエハに対応するために、複数個からなるロー
ラ10の幾つかはウエハ1の外径の大きさに合わせて回
転軸11と直交する方向に対して移動可能にされてい
る。これら複数個のローラ10のうち少なくとも一つに
は図示しないローラ駆動用モータが接続されており、加
工中はこのローラ駆動用モータに接続されたローラの駆
動によりウエハ1が回転し、これによりウエハ1の全面
が研削されるようにしている。なお、ローラ駆動用モー
タに接続されていないローラはウエハ1の回転に伴い連
れ回りすることになる。
【0029】固定軸側研削砥石2a及び移動軸側研削砥
石2bは、通称カップ砥石と呼ばれる皿状の形態のもの
であり、皿の縁部がウエハ1の表面に接触することによ
り研削が行われる。本発明ではウエハ1の両面に対して
同時研削を行うため、研削砥石は2個一対として使用す
ることになる。また、ウエハ1の両面を均等に研削する
ために、これら一対の研削砥石2a、2bのそれぞれの
形状及び材質は同一なものを用いる。各研削砥石2a、
2bの縁部にはダイヤモンド砥粒からなる砥粒層2cが
設けられている。
石2bは、通称カップ砥石と呼ばれる皿状の形態のもの
であり、皿の縁部がウエハ1の表面に接触することによ
り研削が行われる。本発明ではウエハ1の両面に対して
同時研削を行うため、研削砥石は2個一対として使用す
ることになる。また、ウエハ1の両面を均等に研削する
ために、これら一対の研削砥石2a、2bのそれぞれの
形状及び材質は同一なものを用いる。各研削砥石2a、
2bの縁部にはダイヤモンド砥粒からなる砥粒層2cが
設けられている。
【0030】本発明における重要な構成要素である静圧
保持部材は、ウエハ1の両面に対向して設けられた一対
の静圧パッドすなわち固定軸側静圧パッド3a及び移動
軸側静圧パッド3bからなっている。各静圧パッド3
a、3bのウエハ1の表面に対向した面には複数個の静
圧ポケットが設けられており、さらにそれぞれの静圧ポ
ケットの内部には、クーラント供給源7a、7bに接続
されたクーラント吐出口が設けられている。各静圧ポケ
ットのクーラント吐出口から規定圧のクーラントを吐出
することにより、各静圧ポケットの内部、及びウエハ表
面と静圧パッドとの隙間はクーラントにより満たされ、
この結果ウエハ1は静圧パッド3a、3bの間に非接触
状態で静圧保持されることになる。静圧パッド3a、3
bがウエハ1を安定して静圧保持するために、固定軸側
静圧パッド3aと移動軸側静圧パッド3bの形状を互い
に等しくし、なおかつ吐出されるクーラントの圧力を等
しくする。
保持部材は、ウエハ1の両面に対向して設けられた一対
の静圧パッドすなわち固定軸側静圧パッド3a及び移動
軸側静圧パッド3bからなっている。各静圧パッド3
a、3bのウエハ1の表面に対向した面には複数個の静
圧ポケットが設けられており、さらにそれぞれの静圧ポ
ケットの内部には、クーラント供給源7a、7bに接続
されたクーラント吐出口が設けられている。各静圧ポケ
ットのクーラント吐出口から規定圧のクーラントを吐出
することにより、各静圧ポケットの内部、及びウエハ表
面と静圧パッドとの隙間はクーラントにより満たされ、
この結果ウエハ1は静圧パッド3a、3bの間に非接触
状態で静圧保持されることになる。静圧パッド3a、3
bがウエハ1を安定して静圧保持するために、固定軸側
静圧パッド3aと移動軸側静圧パッド3bの形状を互い
に等しくし、なおかつ吐出されるクーラントの圧力を等
しくする。
【0031】なお、この時ウエハ表面を満たすことにな
るクーラントは研削時に発生する切粉の排出及び被加工
物であるウエハ1の冷却にもある程度寄与することにな
るが、切粉の排出効率及び冷却効率の向上のために、研
削用クーラント放出用のクーラントノズルを別途設ける
ようにしてもよい。具体的には、クーラントノズルを各
静圧パッド3a、3bの外周部にそれぞれ取り付けるこ
とによりクーラントノズルを各静圧パッド3a、3bの
動作に追随して移動するようにし、加工時には各研削砥
石2a、2bとウエハ1の研削面に向けて研削用クーラ
ントが放出されるようにする。これにより、加工中は静
圧パッド3a、3bの中間位置に静圧保持されているウ
エハ1の研削面に対して、効率よく研削用クーラントを
放出することができる。
るクーラントは研削時に発生する切粉の排出及び被加工
物であるウエハ1の冷却にもある程度寄与することにな
るが、切粉の排出効率及び冷却効率の向上のために、研
削用クーラント放出用のクーラントノズルを別途設ける
ようにしてもよい。具体的には、クーラントノズルを各
静圧パッド3a、3bの外周部にそれぞれ取り付けるこ
とによりクーラントノズルを各静圧パッド3a、3bの
動作に追随して移動するようにし、加工時には各研削砥
石2a、2bとウエハ1の研削面に向けて研削用クーラ
ントが放出されるようにする。これにより、加工中は静
圧パッド3a、3bの中間位置に静圧保持されているウ
エハ1の研削面に対して、効率よく研削用クーラントを
放出することができる。
【0032】ところで、静圧パッド3a、3bがウエハ
1を安定して保持するためには、ウエハ1を挟み込む方
向に静圧パッド3a、3bを付勢するバネ4a、4bの
弾性力と、これに対向する静圧パッド3a、3bから吐
出されるクーラントの設定圧とを、適正な値に設定しな
ければならない。例えば、クーラントの設定圧に対して
バネ4a、4bの弾性力が著しく大きい場合は、静圧パ
ッドの浮上量(ウエハ1の表面と静圧パッドとの間隙)
は著しく小さくなるので、研削中に静圧パッドとウエハ
との接触が発生する恐れがある。一方、クーラントの設
定圧に対してバネ4a、4bの弾性力が著しく小さい場
合は、静圧パッドの浮上量は著しく大きくなるので、ウ
エハが安定して保持されないばかりか、クーラントの吐
出量の増大を招くことになる。
1を安定して保持するためには、ウエハ1を挟み込む方
向に静圧パッド3a、3bを付勢するバネ4a、4bの
弾性力と、これに対向する静圧パッド3a、3bから吐
出されるクーラントの設定圧とを、適正な値に設定しな
ければならない。例えば、クーラントの設定圧に対して
バネ4a、4bの弾性力が著しく大きい場合は、静圧パ
ッドの浮上量(ウエハ1の表面と静圧パッドとの間隙)
は著しく小さくなるので、研削中に静圧パッドとウエハ
との接触が発生する恐れがある。一方、クーラントの設
定圧に対してバネ4a、4bの弾性力が著しく小さい場
合は、静圧パッドの浮上量は著しく大きくなるので、ウ
エハが安定して保持されないばかりか、クーラントの吐
出量の増大を招くことになる。
【0033】ここで、本実施形態における、バネ4a、
4bの弾性力、静圧パッド3a、3bから吐出されるク
ーラントの設定圧、及び研削砥石2a、2bの摩耗の関
係について詳述する。
4bの弾性力、静圧パッド3a、3bから吐出されるク
ーラントの設定圧、及び研削砥石2a、2bの摩耗の関
係について詳述する。
【0034】上述したが、本実施形態では、静圧パッド
3a、3bを支持方向に可動式にしてバネ4a、4bに
より予圧を掛ける機構としている。また、静圧パッド3
a、3bは、それぞれ研削砥石2a、2bとはバネ4
a、4bを介して間接的に連動する機構としている。静
圧パッド3a、3bの浮上量は、静圧パッド3a、3b
から吐出されるクーラントの圧力とパッドの面積および
負荷によって決定される。このうちクーラントの圧力と
パッドの面積が決まっている場合は、負荷すなわち予圧
によって静圧パッド3a、3bの浮上量は変化する。し
たがって、バネ4a、4bにより適切な予圧を与えるこ
とによって、静圧パッド3a、3bの浮上量を最適値に
設定することが可能となる。
3a、3bを支持方向に可動式にしてバネ4a、4bに
より予圧を掛ける機構としている。また、静圧パッド3
a、3bは、それぞれ研削砥石2a、2bとはバネ4
a、4bを介して間接的に連動する機構としている。静
圧パッド3a、3bの浮上量は、静圧パッド3a、3b
から吐出されるクーラントの圧力とパッドの面積および
負荷によって決定される。このうちクーラントの圧力と
パッドの面積が決まっている場合は、負荷すなわち予圧
によって静圧パッド3a、3bの浮上量は変化する。し
たがって、バネ4a、4bにより適切な予圧を与えるこ
とによって、静圧パッド3a、3bの浮上量を最適値に
設定することが可能となる。
【0035】ここで、研削砥石2a、2bに摩耗が生じ
た場合を想定すると、本実施形態の構成においては、前
述したように、静圧パッド3a、3bが支持方向に移動
可能なこと、静圧パッド3a、3bがウエハ1の両面そ
れぞれの表面に対して浮上すること、このときの浮上量
がバネ4a、4bの弾性力すなわち予圧によって決まる
ことから、研削砥石2a、2bの状態により浮上量が影
響を受けることはなく、常に一定のすきまでウエハ1を
非接触で支持することが可能ので、研削砥石2a、2b
の摩耗が進行しても、摩耗前と同様の状態で静圧パッド
3a、3bによりウエハ1を保持することができる。も
ちろん、従来技術のように、研削砥石2a、2bの摩耗
前すなわち初期状態において、摩耗の度合いを見込ん
で、研削砥石の表面位置と静圧パッドの表面位置との段
差を大きく設定するようなことは本実施形態では不要で
あり、よって、静圧パッドの特性を落とした状態で使用
することなく、静圧パッドからなる静圧保持部材は常に
最適な支持能力を維持することが可能となる。
た場合を想定すると、本実施形態の構成においては、前
述したように、静圧パッド3a、3bが支持方向に移動
可能なこと、静圧パッド3a、3bがウエハ1の両面そ
れぞれの表面に対して浮上すること、このときの浮上量
がバネ4a、4bの弾性力すなわち予圧によって決まる
ことから、研削砥石2a、2bの状態により浮上量が影
響を受けることはなく、常に一定のすきまでウエハ1を
非接触で支持することが可能ので、研削砥石2a、2b
の摩耗が進行しても、摩耗前と同様の状態で静圧パッド
3a、3bによりウエハ1を保持することができる。も
ちろん、従来技術のように、研削砥石2a、2bの摩耗
前すなわち初期状態において、摩耗の度合いを見込ん
で、研削砥石の表面位置と静圧パッドの表面位置との段
差を大きく設定するようなことは本実施形態では不要で
あり、よって、静圧パッドの特性を落とした状態で使用
することなく、静圧パッドからなる静圧保持部材は常に
最適な支持能力を維持することが可能となる。
【0036】また、前述したように、本実施形態では静
圧パッド3a、3bを支持方向に移動可動とし、バネ4
a、4bを介して研削砥石2a、2bと間接的に連動す
る機構としているので、静圧パッド3a、3bでウエハ
1を支持した状態のまま、移動軸側研削砥石2bの移動
量に対して一定の比率でウエハ1を移動させることが可
能となっている。詳述すると、静圧パッド3a、3bに
かかる予圧(バネ4a、4bの弾性力)及びクーラント
の圧力が固定軸側と移動軸側とで等しいものとすると、
図2に示すように、移動軸5bが固定軸5a側に距離x
だけ移動したとき、バネ4aとバネ4bは共にx/2ず
つ圧縮することになるので、ウエハ1は静圧保持状態を
維持したままx/2だけ固定軸5a側に移動することに
なる。
圧パッド3a、3bを支持方向に移動可動とし、バネ4
a、4bを介して研削砥石2a、2bと間接的に連動す
る機構としているので、静圧パッド3a、3bでウエハ
1を支持した状態のまま、移動軸側研削砥石2bの移動
量に対して一定の比率でウエハ1を移動させることが可
能となっている。詳述すると、静圧パッド3a、3bに
かかる予圧(バネ4a、4bの弾性力)及びクーラント
の圧力が固定軸側と移動軸側とで等しいものとすると、
図2に示すように、移動軸5bが固定軸5a側に距離x
だけ移動したとき、バネ4aとバネ4bは共にx/2ず
つ圧縮することになるので、ウエハ1は静圧保持状態を
維持したままx/2だけ固定軸5a側に移動することに
なる。
【0037】したがって、本実施形態では、対向する研
削砥石2a、2bのうち一方のみを移動させることによ
り、ウエハ1の両面を同時研削することができる。この
機構により、加工開始前の研削砥石2a、2bの接近時
にウエハ1の姿勢を矯正することが可能になり、また加
工中にはウエハ1は移動側研削砥石2bの移動量とは異
なった移動量が与えられるため、ウエハ1の両面の同時
研削が実行され、さらに加工終了後は研削砥石2a、2
bをウエハ1に接触させることなく離反させることが可
能となる。すなわち、静圧パッド3a、3bからなる静
圧保持部材は、ウエハ1のローディング/アンローディ
ング機構や切り込み機構を合わせ持った支持機構という
ことになる。
削砥石2a、2bのうち一方のみを移動させることによ
り、ウエハ1の両面を同時研削することができる。この
機構により、加工開始前の研削砥石2a、2bの接近時
にウエハ1の姿勢を矯正することが可能になり、また加
工中にはウエハ1は移動側研削砥石2bの移動量とは異
なった移動量が与えられるため、ウエハ1の両面の同時
研削が実行され、さらに加工終了後は研削砥石2a、2
bをウエハ1に接触させることなく離反させることが可
能となる。すなわち、静圧パッド3a、3bからなる静
圧保持部材は、ウエハ1のローディング/アンローディ
ング機構や切り込み機構を合わせ持った支持機構という
ことになる。
【0038】ところで、加工中の静圧パッド3a、3b
の浮上量(静圧パッドと被加工物との間隙の量)は予圧
(弾性体の弾性力)によって決まるという特性がある。
この特定を利用すれば、静圧パッド3a、3bの間隔を
測定器等により測定し、この測定値から予圧より求めら
れる静圧パッドの浮上量を差し引くことにより、ウエハ
1の厚みを測定することができる。この測定方法を用い
れば、ウエハ1を傷つけることなくその厚みを測定で
き、しかもインプロセスで測定することができるので、
測定結果を移動軸5bを制御する数値制御装置にフィー
ドバックすることにより、精度の高い加工を行うことが
できるようになる。測定器としては一般によく使用され
るリニアスケールを使用し、これを用いて静圧パッド3
a、3bあるいはこれを支持する静圧パッド保持アーム
6a、6bの位置を測定するようにすればよい。
の浮上量(静圧パッドと被加工物との間隙の量)は予圧
(弾性体の弾性力)によって決まるという特性がある。
この特定を利用すれば、静圧パッド3a、3bの間隔を
測定器等により測定し、この測定値から予圧より求めら
れる静圧パッドの浮上量を差し引くことにより、ウエハ
1の厚みを測定することができる。この測定方法を用い
れば、ウエハ1を傷つけることなくその厚みを測定で
き、しかもインプロセスで測定することができるので、
測定結果を移動軸5bを制御する数値制御装置にフィー
ドバックすることにより、精度の高い加工を行うことが
できるようになる。測定器としては一般によく使用され
るリニアスケールを使用し、これを用いて静圧パッド3
a、3bあるいはこれを支持する静圧パッド保持アーム
6a、6bの位置を測定するようにすればよい。
【0039】次に、前述の両面研削装置を用いた研削方
法の一実施形態について図2を参照して説明する。
法の一実施形態について図2を参照して説明する。
【0040】ステップ1:移動軸5bを加工原点に位置
決めする(図2(a))。この位置は、図示しないウエ
ハ搬入出装置によりウエハ1を着脱するための位置でも
ある。静圧パッド3a、3bは前進端にある。図には示
していないが、静圧パッド保持アーム6a、6bはスト
ロークが限られており、その前進端および後退端にはス
トッパがあるものとする。加工原点では、静圧パッド3
a、3bは前進端のストッパに当たった状態にある。こ
のときの静圧パッド3a、3bの表面は、それぞれ研削
砥石2a、2bよりもウエハ1側に突き出した状態にあ
る。
決めする(図2(a))。この位置は、図示しないウエ
ハ搬入出装置によりウエハ1を着脱するための位置でも
ある。静圧パッド3a、3bは前進端にある。図には示
していないが、静圧パッド保持アーム6a、6bはスト
ロークが限られており、その前進端および後退端にはス
トッパがあるものとする。加工原点では、静圧パッド3
a、3bは前進端のストッパに当たった状態にある。こ
のときの静圧パッド3a、3bの表面は、それぞれ研削
砥石2a、2bよりもウエハ1側に突き出した状態にあ
る。
【0041】ステップ2:ウエハ1をローラ10に挟持
させる。このステップでは、図示しないウエハ搬入出装
置を用いて、ウエハ1をローラ10に挟持させる。ま
ず、複数個あるローラのうちの少なくとも1個以上を回
転軸11と直交する方向に退避させ、次いで、ウエハ搬
入出装置を作動させてウエハ1をローラ10の挟持位置
に搬入させ、最後に、ウエハ搬入出装置が退避した後、
退避させていたローラをウエハ挟持位置に戻すことによ
り、ローラ10によるウエハ1の挟持が完了する。これ
により、加工中、ウエハ1はローラ10により回転軸1
1と直交する方向に保持されることになる。このときの
ウエハ1と各静圧パッド3a、3bとの位置関係は、図
2(a)に示すように、ウエハ1は、固定軸側静圧パッ
ド3aの近傍にあり、逆に、移動軸側静圧パッド3bと
は離反した位置にある。このステップにおいてウエハ1
は取り敢えず加工機にセットされたことになるが、ロー
ラの遊びなどに起因して、ウエハ1の研削面が研削砥石
2a、2bに対して傾いて取り付けられていることもあ
る。この傾きは、後述する静圧パッド3a、3bによる
保持動作により矯正されることになる。
させる。このステップでは、図示しないウエハ搬入出装
置を用いて、ウエハ1をローラ10に挟持させる。ま
ず、複数個あるローラのうちの少なくとも1個以上を回
転軸11と直交する方向に退避させ、次いで、ウエハ搬
入出装置を作動させてウエハ1をローラ10の挟持位置
に搬入させ、最後に、ウエハ搬入出装置が退避した後、
退避させていたローラをウエハ挟持位置に戻すことによ
り、ローラ10によるウエハ1の挟持が完了する。これ
により、加工中、ウエハ1はローラ10により回転軸1
1と直交する方向に保持されることになる。このときの
ウエハ1と各静圧パッド3a、3bとの位置関係は、図
2(a)に示すように、ウエハ1は、固定軸側静圧パッ
ド3aの近傍にあり、逆に、移動軸側静圧パッド3bと
は離反した位置にある。このステップにおいてウエハ1
は取り敢えず加工機にセットされたことになるが、ロー
ラの遊びなどに起因して、ウエハ1の研削面が研削砥石
2a、2bに対して傾いて取り付けられていることもあ
る。この傾きは、後述する静圧パッド3a、3bによる
保持動作により矯正されることになる。
【0042】ステップ3:ウエハ1を静圧保持状態にす
る(図2(b))。このステップでは、まず、加工原点
にある移動軸5bを動作させ、移動軸側研削砥石2bを
ウエハ1に接近させる。このとき、バネ4bを介して移
動軸5bに連結されている移動軸側静圧パッド3bもウ
エハ1に接近することになる。そして、移動軸側研削砥
石2bがウエハ1に接触する直前で、静圧パッド3a、
3bから静圧流体としてのクーラントを吐出させる。次
いで、ローラ駆動用モータを作動させることにより、こ
れに連結されたローラ10を駆動させ、ウエハ1を回転
させる。この状態からさらに移動軸側研削砥石2bをウ
エハ1に接近させると、静圧パッド3a、3bがその静
圧保持能力を発揮し、これによりウェハ1の姿勢が矯正
されるとともに、ウェハ1を固定軸側静圧パッド3a側
へ押しやる力が生じる。前述したように、このとき、ウ
ェハ1は回転しているので、ウェハ1はローラ10の外
周を滑りやすくなり、その結果、ウェハ1の姿勢矯正や
移動がスムーズに行われるものとなっている。最終的
に、ウェハ1はこれを保持する各静圧パッド3a、3b
から受ける力の吊りあった位置に移動して静圧保持され
ることになる。なお、このとき、各静圧パッド3a、3
bは共に、ストッパに当たった状態で、前進端位置にあ
る。
る(図2(b))。このステップでは、まず、加工原点
にある移動軸5bを動作させ、移動軸側研削砥石2bを
ウエハ1に接近させる。このとき、バネ4bを介して移
動軸5bに連結されている移動軸側静圧パッド3bもウ
エハ1に接近することになる。そして、移動軸側研削砥
石2bがウエハ1に接触する直前で、静圧パッド3a、
3bから静圧流体としてのクーラントを吐出させる。次
いで、ローラ駆動用モータを作動させることにより、こ
れに連結されたローラ10を駆動させ、ウエハ1を回転
させる。この状態からさらに移動軸側研削砥石2bをウ
エハ1に接近させると、静圧パッド3a、3bがその静
圧保持能力を発揮し、これによりウェハ1の姿勢が矯正
されるとともに、ウェハ1を固定軸側静圧パッド3a側
へ押しやる力が生じる。前述したように、このとき、ウ
ェハ1は回転しているので、ウェハ1はローラ10の外
周を滑りやすくなり、その結果、ウェハ1の姿勢矯正や
移動がスムーズに行われるものとなっている。最終的
に、ウェハ1はこれを保持する各静圧パッド3a、3b
から受ける力の吊りあった位置に移動して静圧保持され
ることになる。なお、このとき、各静圧パッド3a、3
bは共に、ストッパに当たった状態で、前進端位置にあ
る。
【0043】ステップ4:ウエハ1を各研削砥石2a、
2b間の中央に位置させる。ステップ3に引き続いて、
さらに移動軸側研削砥石2bをウエハ1に接近させる
と、ウェハ1と各静圧パッド3a、3bとの間隔がさら
に狭くなり、静圧により各静圧パッド3a、3bをウェ
ハ1とは逆向きに押し返す力が大きくなる。そして、こ
の力が、バネ4a、4bが静圧パッド支持アーム6a、
6bをストッパに押し付けている力よりも大きくなる
と、各静圧パッド3a、3bのいずれか一方がストッパ
から外れ後方(ウエハ1とは反対方向)に移動する。こ
のときの移動量は静圧とバネの押し付け力のつり合う位
置となる。なお、各静圧パッド3a、3bのうち、どち
らが先に移動するかについては、各バネ4a、4bの位
置や長さなどの初期設定に依存するが、この点に関して
は本発明が奏する作用・効果には影響しない。通常は、
ウェハ1の両面を同時に研削砥石2a、2bに接触させ
るように設定するため、どちらの静圧パッドが先に動く
かはその設定によって変わることになる。この状態でさ
らに移動軸5bを動作させ移動軸側研削砥石2bをウエ
ハ1に接近させると、静圧は更に高まり、残る一方の静
圧パッドについても、バネの押し付け力を越えた時点で
ストッパから外れることになる。最終的に、ウエハ1は
静圧パッド3a、3bを介してバネ4a、4bで挟み込
まれた状態になる。バネ4a、4bのそれぞれのバネ定
数が等しいという設定においては、ウエハ1は各研削砥
石2a、2b間の中央に位置することになる。
2b間の中央に位置させる。ステップ3に引き続いて、
さらに移動軸側研削砥石2bをウエハ1に接近させる
と、ウェハ1と各静圧パッド3a、3bとの間隔がさら
に狭くなり、静圧により各静圧パッド3a、3bをウェ
ハ1とは逆向きに押し返す力が大きくなる。そして、こ
の力が、バネ4a、4bが静圧パッド支持アーム6a、
6bをストッパに押し付けている力よりも大きくなる
と、各静圧パッド3a、3bのいずれか一方がストッパ
から外れ後方(ウエハ1とは反対方向)に移動する。こ
のときの移動量は静圧とバネの押し付け力のつり合う位
置となる。なお、各静圧パッド3a、3bのうち、どち
らが先に移動するかについては、各バネ4a、4bの位
置や長さなどの初期設定に依存するが、この点に関して
は本発明が奏する作用・効果には影響しない。通常は、
ウェハ1の両面を同時に研削砥石2a、2bに接触させ
るように設定するため、どちらの静圧パッドが先に動く
かはその設定によって変わることになる。この状態でさ
らに移動軸5bを動作させ移動軸側研削砥石2bをウエ
ハ1に接近させると、静圧は更に高まり、残る一方の静
圧パッドについても、バネの押し付け力を越えた時点で
ストッパから外れることになる。最終的に、ウエハ1は
静圧パッド3a、3bを介してバネ4a、4bで挟み込
まれた状態になる。バネ4a、4bのそれぞれのバネ定
数が等しいという設定においては、ウエハ1は各研削砥
石2a、2b間の中央に位置することになる。
【0044】ステップ5:研削砥石2a、2bを回転駆
動させ、研削送り速度で移動軸側研削砥石2bをウエハ
1に接近させる(図2(c))。ステップ4に引き続い
て、さらに移動軸側研削砥石2bをウエハ1に接近させ
ながら、研削砥石2a、2bのそれぞれの回転駆動用モ
ータを駆動させ、研削砥石2a、2bを回転駆動させ
る。さらに、必要に応じて研削用クーラントを放出す
る。ここで、必要に応じてとしたのは、静圧パッド3
a、3bから吐出される静圧用のクーラントは、加工面
の冷却機能や切粉の排出機能も有することになるが、さ
らにこの機能を高める必要がある場合は、別個に設けた
研削用クーラントを使用するものとしたためである。な
お、この状態において移動軸側研削砥石2bがウエハ1
に接近していくと、その移動量の半分だけウェハ1が固
定軸側研削砥石2a側に移動していくので、移動軸側研
削砥石2bと固定軸側研削砥石2aとはそれぞれ同じ移
動量ずつウエハ1の各研削面に近づいていくことにな
る。最終的に、固定軸側研削砥石2aと移動軸側研削砥
石2bとは、同時にウエハ1に接触することになる。
動させ、研削送り速度で移動軸側研削砥石2bをウエハ
1に接近させる(図2(c))。ステップ4に引き続い
て、さらに移動軸側研削砥石2bをウエハ1に接近させ
ながら、研削砥石2a、2bのそれぞれの回転駆動用モ
ータを駆動させ、研削砥石2a、2bを回転駆動させ
る。さらに、必要に応じて研削用クーラントを放出す
る。ここで、必要に応じてとしたのは、静圧パッド3
a、3bから吐出される静圧用のクーラントは、加工面
の冷却機能や切粉の排出機能も有することになるが、さ
らにこの機能を高める必要がある場合は、別個に設けた
研削用クーラントを使用するものとしたためである。な
お、この状態において移動軸側研削砥石2bがウエハ1
に接近していくと、その移動量の半分だけウェハ1が固
定軸側研削砥石2a側に移動していくので、移動軸側研
削砥石2bと固定軸側研削砥石2aとはそれぞれ同じ移
動量ずつウエハ1の各研削面に近づいていくことにな
る。最終的に、固定軸側研削砥石2aと移動軸側研削砥
石2bとは、同時にウエハ1に接触することになる。
【0045】ステップ6:ウェハ1の両研削面に対して
研削加工を行う。研削砥石2a、2bがウエハ1に接触
した後、さらに研削送り速度で移動軸側研削砥石2bを
移動させると、バネ4a、4bによってウェハ1に対し
ては研削砥石2a、2b間の中央位置に移動させる力が
作用するため、ウェハ1の両研削面は研削砥石2a、2
bのそれぞれにより、同じ量だけ研削加工されることに
なる。移動軸側研削砥石2bを移動させることにより所
定の切り込み量だけ研削動作を行った後、スパークアウ
ト、すなわち移動軸側研削砥石2bの移動を停止させ、
その位置にて数秒間研削加工を行う。この動作を行う理
由は、本実施形態ではウェハ1を回転させながら研削送
りを与えるため、ウェハ1の研削面は螺旋状に削られる
ことになるので、これを平面仕上げする目的で、研削砥
石の送りを止め、その位置での削り残し分の加工を行う
ためである。このスパークアウトにて研削加工は終了す
る。
研削加工を行う。研削砥石2a、2bがウエハ1に接触
した後、さらに研削送り速度で移動軸側研削砥石2bを
移動させると、バネ4a、4bによってウェハ1に対し
ては研削砥石2a、2b間の中央位置に移動させる力が
作用するため、ウェハ1の両研削面は研削砥石2a、2
bのそれぞれにより、同じ量だけ研削加工されることに
なる。移動軸側研削砥石2bを移動させることにより所
定の切り込み量だけ研削動作を行った後、スパークアウ
ト、すなわち移動軸側研削砥石2bの移動を停止させ、
その位置にて数秒間研削加工を行う。この動作を行う理
由は、本実施形態ではウェハ1を回転させながら研削送
りを与えるため、ウェハ1の研削面は螺旋状に削られる
ことになるので、これを平面仕上げする目的で、研削砥
石の送りを止め、その位置での削り残し分の加工を行う
ためである。このスパークアウトにて研削加工は終了す
る。
【0046】ステップ7:ウエハ1から研削砥石2a、
2bを離反させる(図2(c)の状態から図2(b)の
状態へ移行)。ステップ6において研削加工が終了した
のち、移動軸5bをウエハ1から離反する方向に動作さ
せる。これによりウエハ1は移動軸5bに連結されてい
る移動軸側研削砥石2bから離反することになるのは当
然であるが、バネ4a、4bに付勢された静圧パッド3
a、3bの作用により、この状態においてもウエハ1は
各研削砥石2a、2b間の中央に位置し続けるので、ウ
エハ1は固定軸側研削砥石2aからも離反することにな
る。研削砥石2a、2bがウエハ1から離反しても、ウ
エハ1は依然として静圧パッド3a、3bに保持された
状態にあるので、研削砥石の離反時に発生しがちなウェ
ハの姿勢の乱れなどによる傷の発生はない。ウエハ1が
研削砥石2a、2bからある程度離反したところで、研
削砥石2a、2bの回転駆動及び研削用クーラントの放
出を停止させる。
2bを離反させる(図2(c)の状態から図2(b)の
状態へ移行)。ステップ6において研削加工が終了した
のち、移動軸5bをウエハ1から離反する方向に動作さ
せる。これによりウエハ1は移動軸5bに連結されてい
る移動軸側研削砥石2bから離反することになるのは当
然であるが、バネ4a、4bに付勢された静圧パッド3
a、3bの作用により、この状態においてもウエハ1は
各研削砥石2a、2b間の中央に位置し続けるので、ウ
エハ1は固定軸側研削砥石2aからも離反することにな
る。研削砥石2a、2bがウエハ1から離反しても、ウ
エハ1は依然として静圧パッド3a、3bに保持された
状態にあるので、研削砥石の離反時に発生しがちなウェ
ハの姿勢の乱れなどによる傷の発生はない。ウエハ1が
研削砥石2a、2bからある程度離反したところで、研
削砥石2a、2bの回転駆動及び研削用クーラントの放
出を停止させる。
【0047】ステップ8:静圧保持状態の解除。ステッ
プ7に引き続いて移動軸5bがさらに後退すると、静圧
パッド保持アーム6a、6bが前進端のストッパに達す
る。ストッパに達した後は、静圧のつり合いでウエハ1
は若干移動することになるが、ローラ駆動用モータを停
止させることによりウエハ1の回転を停止させ、さらに
静圧パッド3a、3bからのクーラントの吐出を停止さ
せることにより、ウエハ1の移動は完全に停止し、ウエ
ハ1はローラ10のみにより保持された状態になる。
プ7に引き続いて移動軸5bがさらに後退すると、静圧
パッド保持アーム6a、6bが前進端のストッパに達す
る。ストッパに達した後は、静圧のつり合いでウエハ1
は若干移動することになるが、ローラ駆動用モータを停
止させることによりウエハ1の回転を停止させ、さらに
静圧パッド3a、3bからのクーラントの吐出を停止さ
せることにより、ウエハ1の移動は完全に停止し、ウエ
ハ1はローラ10のみにより保持された状態になる。
【0048】ステップ9:移動軸5bを加工原点に戻す
(図2(a))。移動軸5bを加工原点まで動作させる
ことにより、移動軸側研削砥石2b及び移動軸側静圧パ
ッド3bを加工部位から大きく退避させる。次いで、回
転軸11と直交する方向に退避可能にしているローラ1
0を退避させた後、図示しないウエハ搬入出装置を作動
させることにより、ウエハ1をローラ10の挟持位置か
ら搬出させる。
(図2(a))。移動軸5bを加工原点まで動作させる
ことにより、移動軸側研削砥石2b及び移動軸側静圧パ
ッド3bを加工部位から大きく退避させる。次いで、回
転軸11と直交する方向に退避可能にしているローラ1
0を退避させた後、図示しないウエハ搬入出装置を作動
させることにより、ウエハ1をローラ10の挟持位置か
ら搬出させる。
【0049】以上、研削方法の一実施形態を詳述した
が、サイクルタイムを問題とする場合は、研削砥石2
a、2bの回転駆動については、上述のように1枚のウ
エハの加工毎に0N/OFFさせずに、回転し続けるよ
うにしてもよい。
が、サイクルタイムを問題とする場合は、研削砥石2
a、2bの回転駆動については、上述のように1枚のウ
エハの加工毎に0N/OFFさせずに、回転し続けるよ
うにしてもよい。
【0050】以上、本発明が適用される両面研削装置の
構成、及びこの両面研削装置を用いた両面研削方法につ
いて説明した。本実施形態では、半導体ウエハのような
高脆性材を材質とする被加工物への適用について示した
が、鋼やアルミ等に代表される金属材料やガラス(レン
ズ)等の非金属材料への適用も、本発明の技術範囲内で
可能である。特にレンズに代表される割れやすく傷つき
易い被加工物の表面を両面研削する場合は、被加工物を
静圧保持部材により非接触状態で静圧保持することによ
り、被加工物が研削工具(あるいは研磨工具)から受け
る研削荷重を極力小さくするように研削工具の研削送り
量を微小に設定することができ、その結果加工中の被加
工物の割れを防ぐとともに加工完了後の被加工物表面の
研削傷を最小限に抑えることが可能となる。また、本実
施形態では、クーラント圧による静圧保持について示し
たが、この代わりに空気圧による静圧保持としても本実
施形態のものとほぼ同等の効果が得られる。ただし、こ
の場合は別個に研削用のクーラント供給手段を設けるこ
とが必須となる。
構成、及びこの両面研削装置を用いた両面研削方法につ
いて説明した。本実施形態では、半導体ウエハのような
高脆性材を材質とする被加工物への適用について示した
が、鋼やアルミ等に代表される金属材料やガラス(レン
ズ)等の非金属材料への適用も、本発明の技術範囲内で
可能である。特にレンズに代表される割れやすく傷つき
易い被加工物の表面を両面研削する場合は、被加工物を
静圧保持部材により非接触状態で静圧保持することによ
り、被加工物が研削工具(あるいは研磨工具)から受け
る研削荷重を極力小さくするように研削工具の研削送り
量を微小に設定することができ、その結果加工中の被加
工物の割れを防ぐとともに加工完了後の被加工物表面の
研削傷を最小限に抑えることが可能となる。また、本実
施形態では、クーラント圧による静圧保持について示し
たが、この代わりに空気圧による静圧保持としても本実
施形態のものとほぼ同等の効果が得られる。ただし、こ
の場合は別個に研削用のクーラント供給手段を設けるこ
とが必須となる。
【0051】
【発明の効果】請求項1にかかる発明によれば、円板状
の被加工物の両面に対向して設けられた一対の円環状研
削工具と、この円環状研削工具の外側に被加工物の両面
に対向して設けられた静圧保持部材としての一対の静圧
パッドと、を具備する両面研削装置において、この一対
の静圧パッドに関して、一方の静圧パッドについてはこ
の静圧パッドが被加工物を挟持するよう付勢する弾性体
を介して固定軸に取り付けられ、他方の静圧パッドにつ
いてはこの静圧パッドが被加工物を挟持するよう付勢す
る他の弾性体を介して円環状研削工具の回転軸方向に移
動可能にされた移動軸に取り付けられているようにし
た。そのため、一対の静圧パッドには、弾性体の作用に
より被加工物を挟持する力が働くが、一方、静圧パッド
から放出される静圧流体の作用により被加工物から離反
する力も働き、その結果、各静圧パッドと被加工物表面
とは一定の間隔を保ちつつ、被加工物は静圧保持部材と
しての一対の静圧パッドに静圧保持されることになるの
で、研削砥石の砥粒層の摩耗に起因する静圧パッドの位
置調整の必要はなくなった。
の被加工物の両面に対向して設けられた一対の円環状研
削工具と、この円環状研削工具の外側に被加工物の両面
に対向して設けられた静圧保持部材としての一対の静圧
パッドと、を具備する両面研削装置において、この一対
の静圧パッドに関して、一方の静圧パッドについてはこ
の静圧パッドが被加工物を挟持するよう付勢する弾性体
を介して固定軸に取り付けられ、他方の静圧パッドにつ
いてはこの静圧パッドが被加工物を挟持するよう付勢す
る他の弾性体を介して円環状研削工具の回転軸方向に移
動可能にされた移動軸に取り付けられているようにし
た。そのため、一対の静圧パッドには、弾性体の作用に
より被加工物を挟持する力が働くが、一方、静圧パッド
から放出される静圧流体の作用により被加工物から離反
する力も働き、その結果、各静圧パッドと被加工物表面
とは一定の間隔を保ちつつ、被加工物は静圧保持部材と
しての一対の静圧パッドに静圧保持されることになるの
で、研削砥石の砥粒層の摩耗に起因する静圧パッドの位
置調整の必要はなくなった。
【0052】これにより、静圧パッドと被加工物表面と
の間隔は砥粒層の摩耗を考慮しなければならない従来技
術のものよりも小さく設定できるので、静圧パッドから
吐出される静圧流体の量も少なくてすむことになり、そ
の結果、静圧流体を吐出するポンプの小容量化も図られ
ることとなった。また、静圧パッドと被加工物表面との
間隔を小さく設定できることは、静圧パッドの被加工物
に対する姿勢の矯正能力の向上にも寄与することとなっ
た。さらに、静圧パッドが弾性体を介して研削砥石と連
結されていることに起因して、各研削砥石が互いに離反
している状態、例えば、加工開始前あるいは加工開始後
においても、弾性体の作用により静圧パッドによる被加
工物への保持機能が正常に働くものとなった。さらにま
た、研削砥石の砥粒層の材質としては、従来技術のよう
に摩耗量の少ないダイヤモンド砥粒の使用に限定する必
要はなくなった。
の間隔は砥粒層の摩耗を考慮しなければならない従来技
術のものよりも小さく設定できるので、静圧パッドから
吐出される静圧流体の量も少なくてすむことになり、そ
の結果、静圧流体を吐出するポンプの小容量化も図られ
ることとなった。また、静圧パッドと被加工物表面との
間隔を小さく設定できることは、静圧パッドの被加工物
に対する姿勢の矯正能力の向上にも寄与することとなっ
た。さらに、静圧パッドが弾性体を介して研削砥石と連
結されていることに起因して、各研削砥石が互いに離反
している状態、例えば、加工開始前あるいは加工開始後
においても、弾性体の作用により静圧パッドによる被加
工物への保持機能が正常に働くものとなった。さらにま
た、研削砥石の砥粒層の材質としては、従来技術のよう
に摩耗量の少ないダイヤモンド砥粒の使用に限定する必
要はなくなった。
【0053】請求項2にかかる発明によれば、請求項1
にかかる発明において、2つの弾性体は共にバネであ
り、このバネは弾性力を調整可能とした。そのため、一
対の静圧パッドからなる静圧保持部材の保持力は、バネ
の弾性力を調整することにより容易に変更可能になった
ので、静圧パッドと被加工物表面との間隔(段差)の設
定も容易になった。
にかかる発明において、2つの弾性体は共にバネであ
り、このバネは弾性力を調整可能とした。そのため、一
対の静圧パッドからなる静圧保持部材の保持力は、バネ
の弾性力を調整することにより容易に変更可能になった
ので、静圧パッドと被加工物表面との間隔(段差)の設
定も容易になった。
【0054】請求項3にかかる発明によれば、請求項1
または2にかかる発明において、一対の円環状研削工具
に関して、一方の円環状研削工具は固定軸に取り付けら
れ、他方の円環状研削工具は移動軸の動作に連動して移
動可能に取り付けられるよう構成した。そのため、加工
中、移動軸の動作に連動して移動軸側の円環状研削工具
が被加工物に対して切削切り込みを行う場合でも、被加
工物は常に一対の静圧パッドの中間位置に存在すること
になるので、被加工物の両面は互いに等しく研削される
ことになった。
または2にかかる発明において、一対の円環状研削工具
に関して、一方の円環状研削工具は固定軸に取り付けら
れ、他方の円環状研削工具は移動軸の動作に連動して移
動可能に取り付けられるよう構成した。そのため、加工
中、移動軸の動作に連動して移動軸側の円環状研削工具
が被加工物に対して切削切り込みを行う場合でも、被加
工物は常に一対の静圧パッドの中間位置に存在すること
になるので、被加工物の両面は互いに等しく研削される
ことになった。
【0055】請求項4にかかる発明によれば、請求項1
乃至3のいずれかにかかる発明において、各静圧パッド
の被加工物の表面に対向した面には複数個のクーラント
吐出口を設けるようにした。そのため、被加工物は弾性
体の弾性力に対抗して吐出されるクーラントの圧力によ
り安定して静圧保持されるとともに、被加工物表面を満
たすことになるクーラントは、研削時に発生する切粉の
排出及び被加工物の冷却にも寄与することになった。
乃至3のいずれかにかかる発明において、各静圧パッド
の被加工物の表面に対向した面には複数個のクーラント
吐出口を設けるようにした。そのため、被加工物は弾性
体の弾性力に対抗して吐出されるクーラントの圧力によ
り安定して静圧保持されるとともに、被加工物表面を満
たすことになるクーラントは、研削時に発生する切粉の
排出及び被加工物の冷却にも寄与することになった。
【0056】請求項5にかかる発明によれば、請求項1
乃至4のいずれかにかかる発明において、各静圧パッド
の外周部に研削用クーラント放出用のクーラントノズル
をそれぞれ設け、それぞれのクーラントノズルを静圧パ
ッドに保持された被加工物のそれぞれの表面のうち円環
状研削工具と接触する箇所に向けるようにした。そのた
め、静圧保持用のクーラントとは別に研削用のクーラン
トが研削面に対して直接放出されることになったので、
切粉の排出効率及び研削砥石と被加工物の冷却効率が向
上するものとなった。
乃至4のいずれかにかかる発明において、各静圧パッド
の外周部に研削用クーラント放出用のクーラントノズル
をそれぞれ設け、それぞれのクーラントノズルを静圧パ
ッドに保持された被加工物のそれぞれの表面のうち円環
状研削工具と接触する箇所に向けるようにした。そのた
め、静圧保持用のクーラントとは別に研削用のクーラン
トが研削面に対して直接放出されることになったので、
切粉の排出効率及び研削砥石と被加工物の冷却効率が向
上するものとなった。
【0057】請求項6にかかる発明によれば、請求項1
乃至5のいずれかにかかる発明において、一対の静圧パ
ッドの間隔をインプロセスで測定することにより、加工
中の被加工物の厚みを測定するようにした。そのため、
加工中においても、被加工物に接触することなく、被加
工物の厚みを測定することができるものとなった。さら
に、インプロセスで測定された被加工物の厚みデータを
研削砥石の切削送りを制御する数値制御装置にフィード
バックすることにより、より精度の高い加工を行うこと
ができるようになった。
乃至5のいずれかにかかる発明において、一対の静圧パ
ッドの間隔をインプロセスで測定することにより、加工
中の被加工物の厚みを測定するようにした。そのため、
加工中においても、被加工物に接触することなく、被加
工物の厚みを測定することができるものとなった。さら
に、インプロセスで測定された被加工物の厚みデータを
研削砥石の切削送りを制御する数値制御装置にフィード
バックすることにより、より精度の高い加工を行うこと
ができるようになった。
【図1】本発明の一実施形態における、被加工物1、円
環状研削工具2a、2b、及び静圧保持部材3a、3b
の位置関係を含む、両面研削装置の要部の側断面を示す
概念図である。
環状研削工具2a、2b、及び静圧保持部材3a、3b
の位置関係を含む、両面研削装置の要部の側断面を示す
概念図である。
【図2】本発明の一実施形態における、被加工物1の保
持から研削に至までの形態の変化を示す概念図である。
持から研削に至までの形態の変化を示す概念図である。
1 ウエハ(被加工物) 2a 固定軸側研削砥石(円環状研削工具) 2b 移動軸側研削砥石(円環状研削工具) 3a 固定軸側静圧パッド(静圧保持部材) 3b 移動軸側静圧パッド(静圧保持部材) 4a 固定軸側バネ(弾性体) 4b 移動軸側バネ(弾性体) 5a 固定軸 5b 移動軸 6a 固定軸側静圧パッド保持アーム 6b 移動軸側静圧パッド保持アーム 7a 固定軸側クーラント供給源 7b 移動軸側クーラント供給源 8a 固定軸側保持アーム支持部材 8b 移動軸側保持アーム支持部材 10 ローラ 11 回転軸 12a 固定軸側バネ固定部材 12b 移動軸側バネ固定部材
Claims (6)
- 【請求項1】円板状の被加工物の両面に対向して設けら
れた一対の円環状研削工具と、該円環状研削工具の外側
に前記被加工物の両面に対向して設けられた静圧保持部
材としての一対の静圧パッドと、を具備する両面研削装
置において、 前記一対の静圧パッドに関して、一方の静圧パッドにつ
いては該静圧パッドが前記被加工物を挟持するよう付勢
する弾性体を介して固定軸に取り付けられ、他方の静圧
パッドについては該静圧パッドが前記被加工物を挟持す
るよう付勢する他の弾性体を介して前記円環状研削工具
の回転軸方向に移動可能にされた移動軸に取り付けられ
ていることを特徴とする両面研削装置。 - 【請求項2】前記2つの弾性体は共にバネであり、該バ
ネは弾性力を調整可能にされていることを特徴とする請
求項1に記載の両面研削装置。 - 【請求項3】前記一対の円環状研削工具に関して、一方
の円環状研削工具は前記固定軸に取り付けられ、他方の
円環状研削工具は前記移動軸の動作に連動して移動可能
に取り付けられていることを特徴とする請求項1または
2に記載の両面研削装置。 - 【請求項4】前記各静圧パッドの被加工物の表面に対向
した面には複数個のクーラント吐出口を設けたことを特
徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の両面研削装
置。 - 【請求項5】前記各静圧パッドの外周部に研削用クーラ
ント放出用のクーラントノズルをそれぞれ設け、該それ
ぞれのクーラントノズルを静圧パッドに保持された被加
工物のそれぞれの表面のうち前記円環状研削工具と接触
する箇所に向けるようにしたことを特徴とする請求項1
乃至4のいずれかに記載の両面研削装置。 - 【請求項6】前記一対の静圧パッドの間隔をインプロセ
スで測定することにより、加工中の被加工物の厚みを測
定するようにしたことを特徴とする請求項1乃至5のい
ずれかに記載の両面研削装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10339839A JP2000158306A (ja) | 1998-11-30 | 1998-11-30 | 両面研削装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10339839A JP2000158306A (ja) | 1998-11-30 | 1998-11-30 | 両面研削装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000158306A true JP2000158306A (ja) | 2000-06-13 |
Family
ID=18331312
Family Applications (1)
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JP10339839A Withdrawn JP2000158306A (ja) | 1998-11-30 | 1998-11-30 | 両面研削装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2000158306A (ja) |
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- 1998-11-30 JP JP10339839A patent/JP2000158306A/ja not_active Withdrawn
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