JP2003300133A - センタレス研削装置及びセンタレス研削方法 - Google Patents

センタレス研削装置及びセンタレス研削方法

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JP2003300133A JP2002101281A JP2002101281A JP2003300133A JP 2003300133 A JP2003300133 A JP 2003300133A JP 2002101281 A JP2002101281 A JP 2002101281A JP 2002101281 A JP2002101281 A JP 2002101281A JP 2003300133 A JP2003300133 A JP 2003300133A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的簡単な構成でありながら、略円筒状の
ワークの外径面と端面とを同時に研削できるセンタレス
研削装置及びセンタレス研削方法を提供する。 【解決手段】 略円筒状のワーク1の外径面を研削する
外径面研削砥石11と、外径面研削砥石11とともにワ
ーク1の外径面を支持する調整車12と、ワーク1の端
面を研削する端面研削砥石21とを備え、外径面研削砥
石11と調整車12との間にワーク1が配されて外径面
研削砥石11によりワーク1の外径面を研削しつつ、端
面研削砥石21によりワーク1の端面を研削することを
特徴とするセンタレス研削装置10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インフィードタイ
プのセンタレス研削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、転がり軸受のころの製造に使用
するセンタレス研削装置は、インフィードタイプのも
の、スルーフィードタイプのもの、タンジェンシャルタ
イプのものに大別することができる。インフィードタイ
プでは、回転砥石と回転する調整車との間の研削用隙間
にワークをセットした状態で、これらの回転砥石または
調整車のいずれかに切込み送りをさせることにより、ワ
ークを所定形状に研削する。
【0003】従来、ワーク外径面の研削と端面の研削と
は、別個の研削装置により行っており、熱処理後のワー
クに先ず外径面研削してから、次に端面研削している。
また、高精度が要求されるものは、外径面研削時の基準
となる端面精度を得るために、外径面研削してから端面
研削し、さらに仕上げ外径面研削を施している。
【0004】特公昭62−58870号公報や特許第2
678144号公報には、環状ワークの外径面と内径面
とを同時に研削する技術が開示されている。
【0005】特開平6−339842号公報には、環状
ワークの内径面と端面とを研削する装置が開示されてい
る。この装置は、第一の研削加工位置に内径面研削砥石
が配置され、第二の研削加工位置に端面研削砥石が配置
されたもので、ワークを2つの研削加工位置に順次イン
デックスして、内径面の研削と端面の研削とを順次行
う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】転がり軸受のころ等の
研削加工を迅速に行えるように、ワークの外径面と端面
とを同時に研削できる研削装置が要望されている。前記
特公昭62−58870号公報や特許第2678144
号公報には、ワークの端面を研削する技術が何ら記載さ
れていない。前記特開平6−339842号公報に記載
された装置では、一度のチャッキングでワークの内径面
と端面の両面を加工できるが、ワークの外径面と端面と
を同時に研削することは、チャックと砥石の干渉がある
ので不可能である。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、比較的簡単な構成でありながら、略円
筒状のワークの外径面と端面とを同時に研削できるセン
タレス研削装置及びセンタレス研削方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成により達成される。 (1) 略円筒状のワークの外径面を研削する外径面研
削砥石と、前記外径面研削砥石とともに前記ワークの外
径面を支持する調整車と、前記ワークの端面を研削する
端面研削砥石とを備え、前記外径面研削砥石と前記調整
車との間に前記ワークが配されて前記外径面研削砥石に
より前記ワークの外径面を研削しつつ、前記端面研削砥
石により前記ワークの端面を研削することを特徴とする
センタレス研削装置。 (2) 前記外径面研削砥石が円盤状に形成されてその
外周面により前記ワークの外径面を研削する前記(1)
に記載のセンタレス研削装置。 (3) 前記端面研削砥石がカップ砥石であり、前記外
径面研削砥石との干渉を避けつつ前記ワークの端面を研
削する前記(1)又は(2)に記載のセンタレス研削装
置。 (4) 前記カップ砥石は、その回転軸線の延長線が前
記外径面研削砥石と前記調整車との間に支持された状態
の前記ワークの回転軸線の延長線と交差するように配さ
れて、前記ワークの端面を球面状に研削する前記(3)
に記載のセンタレス研削装置。 (5) 前記カップ砥石をテーパ状又は球面状にドレス
するドレス装置を備えている前記(3)又は(4)に記
載のセンタレス研削装置。 (6) 前記端面研削砥石が円盤状に形成されて、前記
外径面研削砥石との干渉を避けつつその外周面により前
記ワークの端面を研削する前記(1)又は(2)に記載
のセンタレス研削装置。 (7) 前記調整車は、前記外径面研削砥石とともに前
記ワークの外径面を支持しつつ、前記ワークに前記端面
研削砥石へ向かう方向の推力を与える前記(1)〜
(6)のいずれかに記載のセンタレス研削装置。 (8) 略円筒状のワークの外径面を、外径面研削砥石
と調整車とにより支持するとともに前記外径面研削砥石
により研削しつつ、前記ワークの端面を端面研削砥石に
より研削するセンタレス研削方法であって、前記ワーク
の外径面研削を開始してから所定の時間遅れの後に、前
記ワークの端面研削を開始することを特徴とするセンタ
レス研削方法。 (9) 前記ワークの外径面研削が終了する前に前記端
面研削を終了する前記(8)に記載のセンタレス研削方
法 (10) 前記外径面研削及び前記端面研削が、粗切込
み工程と仕上げ切込み工程とを有し、前記外径面研削の
粗切込み工程が終了する前に前記端面研削の粗切込み工
程を終了する前記(8)又は(9)に記載のセンタレス
研削方法。
【0009】上記構成においては、外径面研削砥石と調
整車とでワークの外径面を支持しつつ外径面研削砥石に
よりワークの外径面を研削する時に、ワークの軸線方向
の移動が抑制されることを利用して、ワークの端面研削
を行う。これにより、ワークを持ち替えたり、違う研削
加工位置にインデックスしたりすることなく、ワークの
外径面研削と端面研削とを同時に行うことができる。本
発明によれば、装置の構成を簡素化できるとともに、研
削時間を短くでき、加工コストを下げることができる。
また、より高精度な加工が可能になる。なお、略円筒状
のワークとしては、転がり軸受の円錐ころや自動調心こ
ろを例示できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。図1は、本発明第1実施形態
のセンタレス研削装置10の概略平面図である。このセ
ンタレス研削装置10は、円錐ころ1等のワークを研削
するのに好適なものである。ワーク1の外径面を研削す
る第一の研削機構として、円盤状に形成された外径面研
削砥石11と、調整車12と、調整車12を外径面研削
砥石11に対して接近・離反させる外径面切込みテーブ
ル13と、ワーク1を下から支持する(図ではワーク1
を紙面奥側から支持する)支持ブレードと、外径面研削
砥石11や調整車12のドレス装置(図示せず)とを備
えている。これらは、通常のインフィードセンタレス研
削盤にも備えられるものである。本実施形態のセンタレ
ス研削装置10は、ワーク1の端面(ここでは円錐ころ
の大径端面)を研削する第二の研削機構として、端面研
削砥石であるカップ砥石21と、カップ砥石21をワー
ク1の端面に対して接近・離反させる端面切込みテーブ
ル23と、カップ砥石21のドレス装置26とを備えて
いる。
【0011】外径面研削砥石11の外周面は、ワーク1
の回転軸線の延長線と後述する端面を研削するカップ砥
石21の回転軸線の延長線とが所望の距離で交差するよ
うに、外径面研削砥石11の回転軸線に対して若干傾斜
した円錐外面状に形成されている。本実施形態では、外
径面研削砥石11の回転軸線が、水平方向(装置の設置
面に対して平行な方向)を向いている。
【0012】調整車12の外周面は、調整車12の回転
軸線に対して平行な円筒面状に形成されている。外径面
切込みテーブル13は、図中矢印Aで示すようにほぼ直
線的に移動されて、調整車12の回転軸線と外径面研削
砥石11の回転軸線との交差角をほぼ一定に保ちつつ、
調整車12を外径面研削砥石11に対して接近・離反さ
せる。
【0013】外径面研削砥石11の外周面と調整車12
の外周面との間に、ワーク1が配される。ここでは、円
錐ころ1の大径端面が、外径面研削砥石11の大径端面
から若干突出するように、円錐ころ1が外径面研削砥石
11の外周面と調整車12の外周面との間に挟持され
る。その状態で、外径面研削砥石11によって円錐ころ
1の外径面が研削される。
【0014】本実施形態では、外径面切込みテーブル1
3上で、ワーク1の大径端面が配される側に、第二の研
削機構が配されている。カップ砥石21の回転軸線の延
長線は、外径面研削砥石11と調整車12との間に挟持
された状態のワーク1の回転軸線の延長線と交差する
(交差角θ)。交差角θは、交点からワーク1の端面ま
での距離が所望の端面の曲率半径に一致するようにセッ
トされる。端面研削のための第二の研削機構は、ワーク
レストと同じ外径切込みテーブル上にあるので、外径面
研削砥石11又は調整車12の径がドレスにより変化し
ても、ワーク1との位置関係は変化することなく、同様
の端面研削を実現できる。端面切込みテーブル23は、
図中矢印Bで示すように直線的に移動されて、カップ砥
石21の回転軸線の延長線とワーク1の回転軸線の延長
線との交差角θを一定に保ちつつ、カップ砥石21をワ
ーク1及び外径面研削砥石11の大径端面に対して接近
・離反させる。端面切込みテーブル23は、送りモータ
24aと、送りモータ24aに直結された送りねじ24
bとを備える直動装置24によって直線的に移動され
る。カップ砥石21は、端面切込みテーブル23上に備
えられたスピンドル25によって回転される。
【0015】カップ砥石21がワーク1及び外径面研削
砥石11の大径端面から離反した状態で、ドレス装置2
6によってカップ砥石21をドレスすることができる。
ドレス装置26は、砥石ドレススライド26aと、砥石
ドレススライド26a上のアームの先端に設けられた砥
石ドレスダイヤモンド26bとを備えている。砥石ドレ
ススライド26aは、図中矢印Cで示すように直線的に
移動され、その際に砥石ドレスダイヤモンド26bがカ
ップ砥石21をテーパ状にドレスする。図示しないが、
外径面研削砥石11と調整車12のドレスは通常のイン
フィードセンタレス研削盤と同様に行われる。
【0016】ワーク1の大径端面のうち、外径面研削砥
石11寄りの部分に、カップ砥石21が当接して、その
状態でワーク1及びカップ砥石21がそれぞれ回転する
ことで、ワーク1の端面研削が行われる。一方、ワーク
1の大径端面のうち、調整車12寄りの部分に、端面ス
トッパー17が当接して、ワーク1の端面を支持する。
ワーク1の回転軸線に対して傾斜した回転軸線を持つ
(スキューした)調整車12が、ワーク1に端面ストッ
パー17側へ向かう軸線方向の推力を与え、ワーク1を
端面ストッパー17へ押し付ける。その状態で、カップ
砥石21がワーク1の端面を研削する。
【0017】本実施形態では、カップ砥石21が、その
回転軸線の延長線と、外径面研削砥石11及び調整車1
2間に挟持された状態のワーク1の回転軸線の延長線と
が交差するように配置されているので、ワーク1の端面
を球面状に研削できる。カップ砥石21の回転軸線の延
長線とワーク1の回転軸線の延長線との交差角θを調整
することで(外径面研削砥石11の円錐外面状の外周面
の傾斜角度を変えることで)、ワーク1の端面の曲率半
径を調整することができる。
【0018】図2に拡大図示するように、ワーク1のチ
ャンファ部分は研削しない。すなわち、外径面研削砥石
11の大径端面から、ワーク1のチャンファ部分が軸線
方向に突出している。したがって、外径面研削砥石11
とカップ砥石21とが干渉しないように、すきま(クリ
アランス)を確保できる。クリアランスは、ワーク1の
大径端面をD、外径面研削砥石11のエッジ近傍でのダ
レによる余裕量を考えると「クリアランス=チャンファ
−D/2sinθ−砥石エッジ余裕量」となる。
【0019】端面研削時には、ワーク1が外径面研削砥
石11と調整車12との間にクランプされている必要が
あるので、図3に示すように研削工程を設定する。すな
わち、外径面研削の急速送りの後、外径面研削の粗切込
み工程を開始し、実際に外径面研削が開始されてその研
削力でワーク1のクランプが充分になってから、端面研
削を開始する。つまり、外径面の実研削開始から所定の
時間遅れの後に端面の実研削が開始されるようにする。
端面研削の急速送りの後、端面研削の粗切込み工程を開
始して実際に端面研削を開始するのは、外径面の実研削
開始から所定の時間遅れの後になる。
【0020】また、外径面研削が終了する前に端面研削
が終了するように研削工程を設定する。外径面研削及び
端面研削は、双方とも、粗切込み工程の後仕上げ切込み
工程を行うが、粗切込み工程と仕上げ切込み工程とでは
研削力が異なる。外径面研削の粗切込み工程が終了する
前に端面研削の粗切込み工程が終了するように研削条件
をセットすることが望ましい。つまり、端面研削の仕上
げ切込み工程開始から所定の時間遅れの後に外径面研削
の仕上げ切込み工程が開始されるようにすることが望ま
しい。さらに、端面研削の仕上げ切込み工程終了から所
定の時間遅れの後に外径面研削の仕上げ切込み工程が終
了することが望ましい。
【0021】図4(B)は、センタレス研削装置10の
概略側面図である。図4(A)は、図4(B)における
A矢視図である。図4(B)に示すように、ワーク1
は、外径面研削砥石11の外周面と調整車12の外周面
とにより外径面を両側方から支持され、支持ブレード1
6により外径面を下方から支持され、端面ストッパー1
7により端面を支持される。
【0022】センタレス研削装置10は、ローディング
機構30を備えている。ローディング機構30は、水平
方向に延びたローダーレール31と、ローダーレール3
1上で水平方向に移動されるとともにハンド32を上下
させる上下アーム33と、インシュート34と、アウト
シュート35とを有している。また、ローディング機構
30は、外径面研削砥石11と調整車12との間であっ
て、支持ブレード16の奥側(端面研削砥石が無い側)
に水平に並設された、図4(A)に示すようなガイド3
7を備えている。ガイド37は、ガイドレール37aと
プッシャー37bとを有している。
【0023】図4(A)に示すように、上下アーム33
には、水平方向に間隔をあけて2つのハンド32,32
が設けられている。それらハンド32,32は、同時に
水平移動及び上下移動される。先ず、一方の(図では左
側の)ハンド32により、インシュート34から1個の
ワーク1を取り出し、ガイドレール37a上に置くと同
時に、他方の(図では右側の)ハンド32により、ブレ
ード16上にある研削済みのワーク1をクランプする。
その後、ハンド32,32を上昇させ、研削済みのワー
ク1をアウトシュート35上に置く。ハンド32,32
が上昇した後に、ガイドレール37a上に置かれたワー
ク1をプッシャー37bにより支持ブレード16上の研
削ポジションにセットする。この時、調整車12はあら
かじめ逃げておく。ワーク1が研削ポジションへ押し出
されて安定した状態となったら、研削を開始する。その
研削と並行して、次のローディングのために一方のハン
ド32によりインシュート34側でワーク1をクランプ
して研削終了を待つ。
【0024】次に、図5に基づいて、本発明第2実施形
態のセンタレス研削装置40について説明する。なお、
以下に説明する実施形態において、既に説明した部材等
と同様な構成・作用を有する部材等については、図中に
同一符号又は相当符号を付すことにより、説明を簡略化
或いは省略する。図5(A)はセンタレス研削装置40
の要部の概略平面図であり、図5(B)は図5(A)に
おけるB矢視図である。調整車42の外周面は、外径面
研削砥石41の外周面と同様に、円錐外面状(又はつづ
み形状)に形成されている。外径面研削砥石41の外周
面と調整車42の外周面との間に、ワーク(円錐ころ)
1が配される。そのワーク1の略軸線方向に、端面研削
砥石であるカップ砥石21と、端面ストッパー47とが
配される。カップ砥石21の回転軸線は、水平方向を向
いている。
【0025】ワーク1が外径面研削砥石41と調整車4
2とで支持された状態で、ワーク1の回転軸線の延長線
は、カップ砥石21の回転軸線の延長線と交差する。す
なわち、ワーク1は、水平方向に対して大径端面側が高
い方向に傾斜した状態で、外径面研削砥石41と調整車
42との間に挟持され、ワーク1の大径端面の下側の部
分がカップ砥石21によって研削される。端面ストッパ
ー47は、ワーク1の大径端面の上側の部分を支持す
る。
【0026】図5(B)に示すように、側面視におい
て、ワーク1とカップ砥石21とが、外径面研削砥石4
1と調整車42との間の同一線上に、かつ双方の一部が
重なるようなずれた位置に配される。外径面研削砥石4
1と調整車42とが同一方向(図では時計回りの方向)
に回転することで、ワーク1が反対方向に回転される。
【0027】図5(A)におけるC矢視図を図6に示
す。前述の通り、ワーク1の回転軸線の延長線は、カッ
プ砥石21の回転軸線の延長線と交差する(交差角
θ)。交差角θは、所望の端面曲率半径を得るために交
点からワーク1の端面までの距離が端面曲率半径に一致
するようにセットされる。ワーク1の大径端面の直径を
Dとしたとき、外径面研削砥石41とカップ砥石21と
のクリアランスとして、例えば「クリアランス=チャン
ファ+D/2sinθ−砥石エッジ余裕量−D/2si
nθ=チャンファ−砥石エッジ余裕量」程度を確保でき
る。したがって、外径面研削砥石41とカップ砥石21
とのクリアランスを充分にとることができる。
【0028】ワーク1の外径面研削砥石41と当接する
研削部は、ワーク外径面の母線(投影視におけるワーク
外径面の輪郭線)と一致しないので、母線形状が直線の
外径面研削砥石では、ワーク1の外径面母線形状を直線
に加工することはできなく、ワーク1の外径面が中凹形
状となる。このような場合、ワーク1の外径面を円錐外
面状にするには、外径面研削砥石41の外周面を、図7
に示すようなつづみ形状になるようドレスすればよい。
【0029】次に、図8に基づいて、本発明第3実施形
態のセンタレス研削装置50を説明する。本実施形態
は、第1実施形態とおおむね同様な構成であるが、本実
施形態では、カップ砥石21及び端面ストッパー17の
位置が、第1実施形態のときと逆になっている。ワーク
1の大径端面のうち、外径面研削砥石51寄りの部分
に、端面ストッパー17が当接して、ワーク1の端面を
支持する。一方、ワーク1の大径端面のうち、調整車1
2寄りの部分に、カップ砥石21が当接して、その状態
でワーク1及びカップ砥石21がそれぞれ回転すること
で、ワーク1の端面研削が行われる。本実施形態でも、
調整車12をスキューさせることで、ワーク1に端面ス
トッパー17側へ向かう軸線方向の推力を与え、ワーク
1を端面ストッパー17へ押し付ける。その状態で、カ
ップ砥石21がワーク1の端面を研削する。
【0030】外径面研削砥石51は、外径面の研削が必
要なワーク1の面全体に接する必要があるが、調整車1
2はワーク1の姿勢が安定し適切な駆動力が得られる範
囲で狭くすることができる。したがって、本実施形態で
は、調整車12とカップ砥石21とのクリアランスを容
易に広くとることができる。
【0031】通常、研削点では、外径面研削砥石51は
下向きに回転し、ワーク1も下向きに回転するので、上
記第3実施形態においては、端面ストッパー17上には
上向きの摩擦力が生じ、この摩擦力がワーク1を支持ブ
レードから浮かそうとする。しかし、適正な研削条件を
選べば問題ない。ワーク1と外径面研削砥石51との回
転方向を逆にすれば摩擦力が下向きになるが、研削力が
上向きに作用する、研削点へのクーラントの入り方が変
わる等、動作が異なってくる。
【0032】次に、図9に基づいて、本発明第4実施形
態のセンタレス研削装置60を説明する。本実施形態
は、第3実施形態とおおむね同様な構成であるが、本実
施形態では、調整車62の外周面が円錐外面状に形成さ
れ、かつその調整車62の大径端面に、砥石ドレスダイ
ヤモンド66が一体的に設けられている。本実施形態で
は、カップ砥石21の回転軸線の延長線とワーク1の回
転軸線の延長線との交点に、調整車62の回転軸線の延
長線も交差する。調整車62の回転軸線まわりの回転に
より、砥石ドレスダイヤモンド66によりカップ砥石2
1を球面状にドレスすることができる。
【0033】次に、図10に基づいて、本発明第5実施
形態のセンタレス研削装置70を説明する。本実施形態
は、第3実施形態とおおむね同様な構成であるが、本実
施形態では、端面研削砥石として、カップ砥石の代わり
に円盤状の砥石71を用いている。砥石71の外周面に
より、ワーク1の端面を研削する。砥石71の外周面を
つづみ形状とすれば、ワーク1の端面を球面状に研削す
ることもできる。
【0034】なお、本発明は前述した実施形態に限定さ
れるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
図4に示したように、支持ブレード16の奥側からワー
クローディングを行う他に、カップ砥石(端面研削砥
石)を逃がしておいて、手前側(端面研削砥石がある
側)からローディングやアンローディングすることもで
きる。
【0035】端面研削用カップ砥石のドレスが不要とな
るように、すなわち砥石が自生作用を奏するように、研
削条件を選択することもできる。この場合、砥石の作用
面位置が機械的に検知できなくなるので、定圧研削方法
や、砥石とワークの接触検知に基づいた研削方法が必要
となる。定圧研削方法は、次のようにして実施できる。
すなわち、一定以上の力が作用すると砥石がワークから
逃げるよう、砥石スピンドルを備えた切込みテーブルを
ばね支持として、所定の時間、ワークへ砥石を押し当て
て研削する。こうすれば、砥石表面(作用面)の位置に
関係なく、押し当て力と研削時間から、所望の研削取代
をワークから除去できる。またこの時の研削力は、ワー
クをストッパーへ押し当てる推力より小さく選ぶ必要が
ある。砥石とワークの接触検知に基づいた研削方法は、
次のようにして実施できる。すなわち、砥石とワークと
の接触検知手段を設け、その接触検知手段により、切込
み中に接触を検知した後、所定量だけ切り込む。こうす
れば、砥石表面がばらついても、またはその位置が不明
でも、所望の研削取代をワークから除去できる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
比較的簡単な構成でありながら、略円筒状のワークの外
径面と端面とを同時に研削できるセンタレス研削装置及
びセンタレス研削方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す概略平面図であ
る。
【図2】第1実施形態の要部拡大図である。
【図3】第1実施形態の研削動作を説明するタイムチャ
ートである。
【図4】第1実施形態の要部の概略側面図である。
【図5】第2実施形態の要部拡大図である。
【図6】第2実施形態の要部拡大図である。
【図7】第2実施形態の要部拡大図である。
【図8】第3実施形態の概略平面図である。
【図9】第4実施形態の概略平面図である。
【図10】第5実施形態の概略平面図である。
【符号の説明】
1 ワーク 10 センタレス研削装置 11 外径面研削砥石 12 調整車 21 カップ砥石(端面研削砥石) 26 ドレス装置

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略円筒状のワークの外径面を研削する外
    径面研削砥石と、前記外径面研削砥石とともに前記ワー
    クの外径面を支持する調整車と、前記ワークの端面を研
    削する端面研削砥石とを備え、前記外径面研削砥石と前
    記調整車との間に前記ワークが配されて前記外径面研削
    砥石により前記ワークの外径面を研削しつつ、前記端面
    研削砥石により前記ワークの端面を研削することを特徴
    とするセンタレス研削装置。
  2. 【請求項2】 前記外径面研削砥石が円盤状に形成され
    てその外周面により前記ワークの外径面を研削する請求
    項1に記載のセンタレス研削装置。
  3. 【請求項3】 前記端面研削砥石がカップ砥石であり、
    前記外径面研削砥石との干渉を避けつつ前記ワークの端
    面を研削する請求項1又は2に記載のセンタレス研削装
    置。
  4. 【請求項4】 前記カップ砥石は、その回転軸線の延長
    線が前記外径面研削砥石と前記調整車との間に支持され
    た状態の前記ワークの回転軸線の延長線と交差するよう
    に配されて、前記ワークの端面を球面状に研削する請求
    項3に記載のセンタレス研削装置。
  5. 【請求項5】 前記カップ砥石をテーパ状又は球面状に
    ドレスするドレス装置を備えている請求項3又は4に記
    載のセンタレス研削装置。
  6. 【請求項6】 前記端面研削砥石が円盤状に形成され
    て、前記外径面研削砥石との干渉を避けつつその外周面
    により前記ワークの端面を研削する請求項1又は2に記
    載のセンタレス研削装置。
  7. 【請求項7】 前記調整車は、前記外径面研削砥石とと
    もに前記ワークの外径面を支持しつつ、前記ワークに前
    記端面研削砥石へ向かう方向の推力を与える請求項1〜
    6のいずれかに記載のセンタレス研削装置。
  8. 【請求項8】 略円筒状のワークの外径面を、外径面研
    削砥石と調整車とにより支持するとともに前記外径面研
    削砥石により研削しつつ、前記ワークの端面を端面研削
    砥石により研削するセンタレス研削方法であって、 前記ワークの外径面研削を開始してから所定の時間遅れ
    の後に、前記ワークの端面研削を開始することを特徴と
    するセンタレス研削方法。
  9. 【請求項9】 前記ワークの外径面研削が終了する前に
    前記端面研削を終了する請求項8に記載のセンタレス研
    削方法
  10. 【請求項10】 前記外径面研削及び前記端面研削が、
    粗切込み工程と仕上げ切込み工程とを有し、前記外径面
    研削の粗切込み工程が終了する前に前記端面研削の粗切
    込み工程を終了する請求項8又は9に記載のセンタレス
    研削方法。
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