JP2015077662A - ころ素材の研削方法及び研削装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ころの外周面を研削する方法として、例えば、特許文献1に開示されているスルーフィードセンタレス研削の他に、インフィードセンタレス研削が知られている。
外周面92の研削を終えると、図9(B)に示すように、この外周面92に第2の基準部材96を面接触させ、この外周面92を基準面として、ころ素材90を回転させ、その端面91の研削を行う。なお、基準とする外周面92の仕上がり精度は前記のとおり低いことから、ころ素材90の端面91の研削による仕上がり精度も低くなる。
そこで、図9(C)に示すように、再度、このころ素材90の端面91に第1の基準部材95を面接触させた状態で、ころ素材90を回転させ、その外周面92の研削を行い、また、図9(D)に示すように、再度、この外周面92を基準面として、ころ素材90を回転させ、その端面91の研削を行う。更に、外周面92の精度が未だ設計値に達しない場合には、図9(E)に示すように、端面91を基準面として、ころ素材90の外周面92の研削を行う。
この場合、外周面加工ステップにおいて、ころ素材の外周面の研削が進むにしたがって、ころ素材の軸方向の進退移動を抑制することができる。
この場合、外周面加工ステップの開始から、ころ素材の軸方向の進退移動を抑制することができる。
この場合、外周面加工ステップの開始から、設計寸法に従って外周面の研削が完了するまでの間にわたって、ころ素材の軸方向の進退移動を抑制することができる。
この場合、外周面加工ステップの開始から、設計寸法に従って外周面の研削が完了するまでの間にわたって、ころ素材の軸方向の進退移動を抑制することができる。
図1〜図3は、転がり軸受用のころとなるころ素材を研削する研削装置の概略構成を説明する図である。図1は側面図であり、図2は平面図であり、図3は正面図である。図4は、この研削装置によって外周面が研削されたころ30を備えている転がり軸受7の縦断面図である。この転がり軸受7の概略構成について先ず説明する。
図4に示すように、この転がり軸受7は、内輪10、外輪20、これら内輪10と外輪20との間に介在する複数のころ30、及びこれらころ30を保持する環状の保持器35を備えている。本実施形態のころ30は円錐ころであり、この転がり軸受7はテーパころ軸受である。
保持器35は、複数のころ30を周方向に沿って所定の間隔(等間隔)でかつ各ころ30が転動自在となるようにして保持する。
図1に示す研削装置40によって、外周面33及び端面31が研削されてころ30は得られるが、この研削の対象となるころの中間品(以下、ころ素材という)は、鍛造された後に熱処理されたものである。ころ30は円錐台形状であるため、ころ素材も円錐台形状であり、また、ころ素材の表面は黒皮面であって各面の寸法精度は低い状態にある。
図1〜図3において、研削装置40は、ころ素材37を下から支持するブレード(支持部材)41と、調整車42と、ころ素材37の外周面33を研削するための砥石43と、基準部材44とを備えている。また、この研削装置40は、砥石43によってころ素材37の外周面33を研削している間に基準部材44を移動させるアクチュエータ48,49を更に備えている。
なお、図2に示すように、平面視において、調整車42の外周面42aと砥石43の外周面43aとの間隔は、ころ素材37の軸方向一方側(図2の場合、上側)へ向かうにしたがって狭くなっている。このため、ころ素材37は、軸方向一方側(図2の場合、上側)へ向かう移動が規制された状態となって、研削が行われる。
また、本実施形態では、接触子51の形状は球形状(半球形状)としている。このため、端面31の中心Pに必ず点接触することができ、また、相互間が摺接する際の抵抗を小さくすることが可能となる。
以上より、基準部材44の接触子51は、ころ素材37の端面31の中心Pに点接触することで、ころ素材37の軸方向移動(軸方向他方側へ向かう移動)を規制し、この状態で、中心Pを基準として砥石43による研削が行われる。なお、この研削による外周面33の削り代は、ころ素材37の直径により様々であるが、例えば0.1〜0.2mm(直径)である。
そして、固定フレーム46にはアクチュエータ48,49が設置されている。第1のアクチュエータ48は、固定フレーム46に対して上下方向に可動フレーム47を移動可能とし、第2のアクチュエータ49は、固定フレーム46に対して横方向(前記上下方向の直交方向;本実施形態では、水平方向)に可動フレーム47を移動可能とする。
アクチュエータ48,49それぞれは、例えば、内部のねじ軸が正逆回転することで伸縮する構成である。そこで、このねじ軸の回転を数値制御することで、基準部材44を所定の方向に所定の値について移動させることが可能となる。なお、このアクチュエータ48,49を数値制御することによって基準部材44を移動させる機能については後に説明する。
前記研削装置40によって行われるころ素材37の研削方法について説明する。
図5は、この研削方法のフロー図である。ころ素材37の研削方法には、ころ素材37の外周面33の研削を行う外周面加工ステップと、ころ素材37の端面31を研削する端面加工ステップとが含まれる。
そして、このころ素材37に調整車42及び砥石43を接近させ、図1と図2に示すように、これら調整車42と砥石43との間にころ素材37を挟んだ状態とする。なお、ころ素材37の端面に対する接触子51の位置調整は、前記アクチュエータ48,49によって行うことができる。
調整車42を駆動させ、この調整車42の外周面42aにころ素材37の外周面33が接触することで、ころ素材37は中心線Ca回りに回転する。調整車42の回転に応じて砥石43を回転駆動させることで、ころ素材37の外周面33のセンタレス研削(インフィードセンタレス研削)が行われる。
そこで、本実施形態では、研削完了時の端面31の中心点(P2)、つまり、設計寸法に従って外周面33の研削を完了すると得られるはずのころ素材37の端面31の設計中心点P2に、研削の当初から接触子51を点接触させる。なお、研削の間、基準部材44(接触子51)はいずれの方向にも移動させない。
研削方法の他の形態について説明する。研削装置40の構成は同じであり、また、外周面加工ステップにおいて、ころ素材37の端面31の中心Pに基準部材44の接触子51を点接触させてころ素材37の外周面33の研削を行う点についても、前記研削方法(その1)と同じである。
前記研削方法(その1;図6参照)の外周面加工ステップでは、接触子51を端面31に点接触させる前記中心Pは設計中心点P2であるが、この中心P(P2)について、研削方法(その2)では異なる。
この研削方法によれば、研削の対象となるころ素材37の端面31の寸法精度が低くても、外周面加工ステップにおいて、このステップ開始から、ころ素材37の軸方向の進退移動を抑制することができ、外周面33の仕上がり精度を高くすることができる。なお、図7において、中心点P2は、研削完了時点でのころ素材37(ころ30)の端面31の中心点(設計中心点)である。
研削方法の他の形態について説明する。研削装置40の構成は同じであり、また、外周面加工ステップにおいて、ころ素材37の端面31の中心Pに基準部材44の接触子51を点接触させてころ素材37の外周面33の研削を行う点についても、前記研削方法(その1)及び(その2)と同じである。
外周面加工ステップにおいて、前記研削方法(その1;図6参照)では、接触子51を端面31に点接触させる中心Pは、設計中心点P2であり、前記研削方法(その2:図7参照)では、接触子51を端面31に点接触させる中心Pは、外周面33の研削開始時のころ素材37の端面31の中心点P1であるが、これら中心P(P2,P1)について、研削方法(その3)では異なる。
また、ころ素材37の直径の大小に応じて、前記研削方法(1)〜(3)のうちの一つが選択されてもよい。例えば、ころ素材37の直径が比較的大きい場合、これに併せて削り代も大きくなる。したがって、この場合、研削方法(3)のような基準部材44を移動させる方法を採用するのが好ましい。
前記実施形態(図2と図3参照)では、ころ素材37の端面31の中央部に凹部が形成されていない場合について説明したが、端面31には凹部が形成されていてもよく、この場合、端面31の中心Pは凹部内に位置することから、接触子51はこの凹部の底面に当接することとなる。
32:端面 33:外周面 37:ころ素材
41:ブレード(支持部材) 42:調整車 42a:外周面
43:砥石 44:基準部材 48:アクチュエータ
49:アクチュエータ P:中心 P1:中心点 P2:設計中心点
この場合、外周面加工ステップの開始から、設計寸法に従って外周面の研削が完了するまでの間にわたって、ころ素材の軸方向の進退移動を抑制することができる。
Claims (7)
- 転がり軸受用のころとなるころ素材を研削する方法であって、
支持部材によって下から支持する前記ころ素材の外周面に、回転する調整車の外周面を接触させ、当該ころ素材を回転させ、この回転するころ素材の外周面に砥石を接触させ、当該ころ素材の外周面の研削を行う外周面加工ステップを有し、
前記外周面加工ステップでは、前記ころ素材の端面の中心に基準部材を点接触させて当該ころ素材の外周面の研削を行うことを特徴とするころ素材の研削方法。 - 前記外周面加工ステップにおいて前記基準部材を前記端面に点接触させる前記中心は、設計寸法に従って前記外周面の研削を完了すると得られる前記ころ素材の端面の設計中心点である請求項1に記載のころ素材の研削方法。
- 前記外周面加工ステップにおいて前記基準部材を前記端面に点接触させる前記中心は、前記砥石による前記外周面の研削開始時の前記ころ素材の端面の中心点である請求項1に記載のころ素材の研削方法。
- 前記外周面加工ステップにおいて前記基準部材を前記端面に点接触させる位置を、前記砥石による前記外周面の研削開始時の前記ころ素材の端面の中心点から、設計寸法に従って前記外周面の研削を完了すると得られるころの端面の中心点まで移動させる請求項1に記載のころ素材の研削方法。
- 前記ころ素材は円錐台形状である請求項1〜4のいずれか一項に記載のころ素材の研削方法。
- 転がり軸受用のころとなるころ素材を研削する装置であって、
前記ころ素材を下から支持する支持部材と、
前記ころ素材の外周面に接触し回転駆動することによって当該ころ素材を回転させる調整車と、
回転する前記ころ素材の外周面を研削するための砥石と、
前記ころ素材の端面の中心に点接触することで当該ころ素材の軸方向移動を規制し、当該中心を基準として前記砥石による研削を行わせるための基準部材と、
を備えていることを特徴とするころ素材の研削装置。 - 前記砥石によって前記ころ素材の外周面を研削している間に前記基準部材を移動させるアクチュエータを、更に備えており、
前記アクチュエータが前記基準部材を移動させることによって、当該基準部材を前記端面に点接触させる位置を、前記砥石による前記外周面の研削開始時の前記ころ素材の端面の中心点から、設計寸法に従って前記外周面の研削を完了すると得られる前記ころ素材の端面の中心点まで移動させる請求項6に記載のころ素材の研削装置。
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