JP6701675B2 - リング状部材の真円度矯正方法、リング状部材の製造方法、及び機械装置の製造方法 - Google Patents
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Description
先ず、図8の(A)に示す様な円柱状のビレット1に対し、熱間鍛造による、据込み、押出し(前方押出し、後方押出し、前後方押出し)、打ち抜き等の、適宜の加工を順番に施す。これにより、図8の(B)に示す様な、厚肉円筒状の中間素材2を得る。
次いで、前記中間素材2に対し、特許文献1等に記載されて従来から知られている様な、熱間リングローリング加工を施す。即ち、前記中間素材2を熱間加工が可能な所定の温度にまで加熱した状態で、前記中間素材2の円周方向の一部分を径方向両側から挟み込んだ主ロール及びマンドレルと、前記中間素材2の円周方向の他の一部分を軸方向両側から挟み込んだ1対のアキシャルロールとにより、前記中間素材2を回転させながら圧延(転造)する事によって、前記中間素材2の径方向及び軸方向の肉厚を減少させつつ、前記中間素材2の径寸法を増大させる。これにより、図8の(C)に示す様な、所定の形状及び寸法を有する(図示の例では、前記中間素材2よりも径寸法が大きく且つ径方向及び軸方向の肉厚が小さい円筒状の)リング状部材3を得る。
この様なリング状部材の真円度矯正方法を実施する場合には、例えば、前記リング状部材の円周方向(前記基準軸を中心とする円周方向)に関する前記各外側ロールの配置の位相を、当該円周方向に関して前記各内側ロールと交互に配置した位相となる様にする事ができる。
より具体的には、前記基準軸を中心とする円周方向に関する前記各外側ロールの配置の位相を、当該円周方向に関して前記内側ロールと前記外側ロールとが交互に且つ等ピッチで配置される位相とすることができる。
本発明の機械装置の製造方法は、前記リング状部材を、本発明のリング状部材の真円度矯正方法を用いて製造する。
即ち、本発明の場合には、各内側ロールの外周面を前記リング状部材の内周面に押し付けると共に、各外側ロールの外周面を前記リング状部材の外周面に押し付けた状態で、少なくとも1つのロールを自身の中心軸を中心として回転駆動する事により、前記リング状部材を自身の中心軸を中心として回転させる事によって、前記リング状部材の真円度矯正を行う。この為、本発明の場合には、真円度を矯正すべきリング状部材の内径寸法(外径寸法)に合わせて、前記各内側ロール(前記各外側ロール)の放射方向位置を変更する事により、前記リング状部材の真円度矯正を行える。従って、径寸法の異なる複数種類のリング状部材を対象として真円度矯正を行う場合でも、前記各内側ロール(前記各外側ロール)を交換する必要がない。この結果、径寸法の異なる複数種類のリング状部材を対象として真円度矯正を行う場合のコストを抑えられる。
本発明に関連する参考例の1例に就いて、図1〜4を参照しつつ説明する。
本参考例で使用する真円度矯正装置は、ターンテーブル装置4と、複数個(本参考例の場合には8個)の内側ロール5、5と、昇降装置6と、前記各内側ロール5、5に対して1つずつの(合計8つの)ロール駆動装置7、7とを備える。
前記各内側ロール5、5は、それぞれ前記各ロール駆動装置7、7を介して、前記ベース板11に支持されている。
又、前記第一電動モータ13は、サーボモータであり、前記支持板18の下面に支持されている。前記第一電動モータ13は、前記ボールねじ軸16の一端部(本参考例の場合には、前記放射方向の外側の端部)に、回転駆動力の伝達を可能に接続されている。
尚、本参考例の場合には、この際の前記各内側ロール5、5の回転方向及び回転速度を、前記リング状部材3を所定方向に回転させる事ができ、且つ、前記リング状部材3の内周面と前記各内側ロール5、5の外周面との接触部に滑りが生じない様に規制している。
又、本参考例の場合、前記テーブル9の上面には、前記リング状部材3との芯出しを行い易くする構成{例えば、前記リング状部材3との接触部の摩擦力を低くする為のテフロン(登録商標)などのコーティングを施す構成や、多数のボールベアを埋め込む構成}が施されている。この様な構成とする事で、前記リング状部材3が前記テーブル9の上面で移動し易くなるので、上述の様に前記各内側ロール5、5による前記リング状部材3の芯出しを容易に行う事ができる。
即ち、本参考例の場合には、真円度を矯正すべきリング状部材3の内径寸法に合わせて、前記各内側ロール5、5の放射方向位置を変更する事により、前記リング状部材3の真円度矯正を行える。又、本参考例の場合、前記リング状部材3の真円度矯正を行う際には、前記リング状部材3の外周面を内嵌する内周面を備えた矯正用治具を使用しない。この為、径寸法の異なる複数種類のリング状部材3を対象として真円度矯正を行う場合でも、前記各内側ロール5、5を交換したり、対象となるリング状部材3の外径寸法に応じた内径寸法を有する矯正用治具を用意したりする必要がない。従って、径寸法の異なる複数種類のリング状部材3を対象として真円度矯正を行う場合のコストを抑えられる。
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図5〜6を参照しつつ説明する。
本例で使用する真円度矯正装置は、上述した参考例で使用した真円度矯正装置と同様の構成に加えて、複数個(本例の場合には8個)の外側ロール22、22と、前記各外側ロール22、22に対して1つずつの(合計8つの)ロール駆動装置7aとを備える。
尚、本例の場合には、この際の前記各内側ロール5、5の回転方向及び回転速度と前記各外側ロール22、22の回転方向及び回転速度とを、前記リング状部材3を所定方向に回転させる事ができ、且つ、前記リング状部材3の内外両周面と前記内側、外側各ロール5、22の外周面との接触部に滑りが生じない様に規制している。
即ち、本例の場合には、真円度を矯正すべきリング状部材3の内径寸法及び外径寸法に合わせて、前記各内側ロール5、5及び前記各外側ロール22、22の放射方向位置を変更する事により、前記リング状部材3の真円度矯正を行える。又、本例の場合、前記リング状部材3の真円度矯正を行う際には、前記リング状部材3の外周面を内嵌する内周面を備えた矯正用治具を使用しない。この為、径寸法の異なる複数種類のリング状部材3を対象として真円度矯正を行う場合でも、前記各内側ロール5、5や前記各外側ロール22、22を交換したり、対象となるリング状部材3の外径寸法に応じた内径寸法を有する矯正用治具を用意したりする必要がない。従って、径寸法の異なる複数種類のリング状部材3を対象として真円度矯正を行う場合のコストを抑えられる。
その他の構成及び作用は、上述した参考例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図7を参照しつつ説明する。
本例の場合には、各内側ロール5(各外側ロール22)に就いてのロール駆動装置7b(7c)の構成が、上述した参考例及び実施の形態の第1例の場合と異なる。
本例の場合、前記ロール駆動装置7b(7c)は、ベース板11に固定された支持片とボールナット17(17a)との間にばね23(23a)を設置している。そして、前記ばね23(23a)により、前記ボールナット17(17a)に対し、ボールねじ軸16(16a)に沿う方向の弾力を付与している。
そして、前記各内側ロール5(前記各外側ロール22)の放射方向の移動及び位置決めを、前記ボールねじ軸16(16a)に対する第一電動モータ13(13a)の駆動力に基づいて行うと共に、リング状部材3(図1〜3及び図5〜6参照)の真円度矯正を行う際には、前記第一電動モータ13(13a)の電源を切った状態{前記ボールねじ軸16(16a)を自由に回転できる様にした状態で}、前記各内側ロール5(前記各外側ロール22)から前記リング状部材3に対して付与する押し付け力を、前記ばね23(23a)の弾力に基づいて発生させる様にしている。
その他の構成及び作用は、上述した参考例及び実施の形態の第1例の場合と同様である。
又、本発明を実施する場合、真円度矯正を行うリング状部材は、図8に示した製造方法以外の製造方法(例えば、冷間プレス加工や削り出し)によって造られたものであっても良い。
2 中間素材
3 リング状部材
4 ターンテーブル装置
5 内側ロール
6 昇降装置
7、7a〜7c ロール駆動装置
8 架台
9 テーブル
10 スラスト転がり軸受
11 ベース板
12、12a ボールねじ
13、13a 第一電動モータ
14、14a 支持軸
15、15a 第二電動モータ
16、16a ボールねじ軸
17、17a ボールナット
18、18a 支持板
19、19a 案内板
20、20a 案内長孔
21、21a 動力伝達機構
22 外側ロール
23、23a ばね
Claims (4)
- 基準軸を中心とする円周方向に等間隔に配置され、かつ、それぞれの外周面の外接円の中心軸が前記基準軸に一致している3個以上の内側ロールのそれぞれを、前記基準軸を中心とする放射方向外側に向け互いに同じ量だけ変位させる事により、該内側ロールのそれぞれの外周面を、リング状部材の内周面に転動可能に押し付けると共に、前記基準軸を中心とする円周方向に関する配置の位相が、当該円周方向に関する前記各内側ロールの配置の位相と異なる様に、当該円周方向に間隔をあけて配置した複数個の外側ロールの外周面を、前記リング状部材の外周面に転動可能に押し付けた状態で、前記各内側ロール及び前記各外側ロールのうち、少なくとも1つのロールを、自身の中心軸を中心として回転駆動する事により、前記リング状部材を自身の中心軸を中心として回転させるリング状部材の真円度矯正方法であって、
前記基準軸を中心とする円周方向に関する前記各外側ロールの配置の位相を、当該円周方向に関して前記内側ロールと前記外側ロールとが交互に且つ等ピッチで配置される位相とする、
リング状部材の真円度矯正方法。 - 前記リング状部材を自身の中心軸を中心として回転させる作業を、熱間加工により成形された後、未だ加熱状態にある前記リング状部材を、常温状態に向けて冷却しながら行う
請求項1に記載したリング状部材の真円度矯正方法。 - リング状部材の製造方法であって、
前記リング状部材を、請求項1又は2に記載したリング状部材の真円度矯正方法を用いて製造する、リング状部材の製造方法。 - リング状部材を備えた機械装置の製造方法であって、
前記リング状部材を、請求項1又は2に記載したリング状部材の真円度矯正方法を用いて製造する、機械装置の製造方法。
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