JP2009226422A - 高精度な金属製筒状部材の加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高強度の金属を素材とした場合にあっても、寸法精度および量産性の双方に優れた金属製筒状部材の製造方法を提供する。
【解決手段】板材に打抜き加工を施して所定の外径および内径を有するドーナツ状円板を得た後、当該ドーナツ状円板をブランクとして絞り加工を施して筒状成形体を得、その後に、当該筒状成形体に内面しごき加工および/または外面しごき加工を施す。
内面しごきを施すことにより製品の内径真円度が向上し、外面しごきを施すことにより製品の外径真円度が向上する。また、内面しごきと外面しごきの両方を施すことにより、真円度が向上するとともに、内径と外径の同軸度が向上する。
【選択図】図2
【解決手段】板材に打抜き加工を施して所定の外径および内径を有するドーナツ状円板を得た後、当該ドーナツ状円板をブランクとして絞り加工を施して筒状成形体を得、その後に、当該筒状成形体に内面しごき加工および/または外面しごき加工を施す。
内面しごきを施すことにより製品の内径真円度が向上し、外面しごきを施すことにより製品の外径真円度が向上する。また、内面しごきと外面しごきの両方を施すことにより、真円度が向上するとともに、内径と外径の同軸度が向上する。
【選択図】図2
Description
本発明は、高強度材料のドーナツ状円板から筒体を製造するプレス加工方法に関する。
近年、自動車,建材,家電,OA機器,一般金具等、種々の分野の様々な部材に金属製の筒状部品が多用されている。金属製筒状部品は、一般的には鋳造や機械的な切削で製造されている。比較的小さな筒状部品は、ワイヤーカットやプレス打抜き等により製造されることもある。また金属製筒状部品の形状、材質、強度は求められる機能によって様々に変えられている。
一方、ピストンリングや軸部品等の精密部品は形状、材質、強度に加え、真円度、同軸度等に非常に厳しい寸法精度が求められている。特に、センサー部材に使用される筒状部材は、厳しい寸法精度に加え、高い強度が要求されている。
一方、ピストンリングや軸部品等の精密部品は形状、材質、強度に加え、真円度、同軸度等に非常に厳しい寸法精度が求められている。特に、センサー部材に使用される筒状部材は、厳しい寸法精度に加え、高い強度が要求されている。
現在、高強度の筒状精密部品は精密鋳造により製造されている場合が非常に多い。しかし、この方法はプレス成形に比べると材料歩留まりが低く、しかも工程数が多いためにランニングコストが非常に高くなる。また生産タクトも長いために大量生産への対応は非常に困難となる。
筒状精密部品の製造に厚板材のプレス打抜き法も採用されているが、高強度材を打ち抜こうとすると、金型への負担が非常に大きく、軟質材を打ち抜く場合と比べて金型寿命が非常に短くなる。特に、抜き径に比べて板厚が厚くなるほど金型負担は大きくなり、場合によってはチッピング等が発生することがある。このため、金型メンテナンスを頻繁に行う必要がある。
筒状精密部品の製造に厚板材のプレス打抜き法も採用されているが、高強度材を打ち抜こうとすると、金型への負担が非常に大きく、軟質材を打ち抜く場合と比べて金型寿命が非常に短くなる。特に、抜き径に比べて板厚が厚くなるほど金型負担は大きくなり、場合によってはチッピング等が発生することがある。このため、金型メンテナンスを頻繁に行う必要がある。
このような背景下にあって、成形力を低下する手段として、例えば特許文献1では、曲げ絞りによる成形が検討されている。同特許文献では、延性を持ち塑性加工可能な板材から打ち抜きまたは切断によってドーナツ状円板を作成した後、これを絞り加工して筒状の管状体としている。
また、製品内径および外径の寸法精度(真円度または同軸度または真円度と同軸度の両方)を出すための方法として、例えば特許文献2では、曲げ絞り後に鍛造押出し成形を行うことが紹介されている。
特開平7−155877号公報
特開平10−146642号公報
また、製品内径および外径の寸法精度(真円度または同軸度または真円度と同軸度の両方)を出すための方法として、例えば特許文献2では、曲げ絞り後に鍛造押出し成形を行うことが紹介されている。
しかし、特許文献1の方法では、成形品の寸法精度を向上させることは非常に難しい。また、特許文献2で紹介された方法に従って、引張強さが1000MPaを超えるような高強度材料に2次的な鍛造押出し成形を行うと、金型への焼付きが発生して製品の寸法精度(真円度および同軸度)がかえって低下することがある。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、高強度の金属を素材とした場合にあっても、寸法精度および量産性の双方に優れた金属製筒状部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、高強度の金属を素材とした場合にあっても、寸法精度および量産性の双方に優れた金属製筒状部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の高精度な金属製筒状部材の製造方法は、その目的を達成するため、板材に打抜き加工を施して所定の外径および内径を有するドーナツ状円板を得た後、当該ドーナツ状円板に絞り加工を施して筒状成形体を得、その後に、当該筒状成形体の内面および/または外面にしごき加工を施すことを特徴とする。
筒状成形体の内面および/または外面に施すしごき加工は合計で20%未満のしごき率で行うことが好ましい。
このような加工法を採用することにより、引張強さが1000MPaを超えるような高強度鋼板を素材とすることができる。
筒状成形体の内面および/または外面に施すしごき加工は合計で20%未満のしごき率で行うことが好ましい。
このような加工法を採用することにより、引張強さが1000MPaを超えるような高強度鋼板を素材とすることができる。
本発明により、高精度が要求される金属製筒状部品を低コストで大量生産することができる。また所望の厚さの筒状部品がしごき加工により安定的に得られるため、単なる打抜き加工のみによる方法と比べて金型への負担が軽減される。さらに適正なしごき率を選定することにより、高強度鋼を素材としても金型損傷が低減され、金型補修によるメンテナンス回数の低減および補修費用の軽減に繋がって、加工コストを大幅に低減することができる。
ドーナツ状に打抜いた円板に絞り加工を施して筒状の金属製品を製造することは、前記したように例えば特許文献1等に見られるように当業者がごく普通に行っている方法である。しかしながら、このように、ドーナツ状円板に単に絞り加工を施すのみでは、成形品の精度が良くない。
そこで、まず、精度を低下させる要因は何かについて検討した。
そこで、まず、精度を低下させる要因は何かについて検討した。
ドーナツ状円板に絞り加工を施すと、円板内径側は延びフランジ変形となるため材料は減肉し、円板外径側は縮みフランジ変形となるため材料は増肉する。その結果、完成した筒状成形体の板厚は高さ方向に変化し、周方向においても金型の芯ズレや材料の異方性などの影響から板厚変動が生じ、真円度または同軸度等の寸法精度が著しく低下する。また、従来の絞り加工では円板外径部の増肉量を見越した十分なクリアランスを付与していないことが多く、製品と金型にカジリが発生し、製品の寸法不良と外観不良、金型の低寿命化などを引き起こす結果となる。
本発明者等は、上記のような背景の下で、まず第一工程でクリアランスを比較的大きく取ってドーナツ状円板を絞り加工した後、次の第二工程で内面および/または外面にしごき加工を施して製品の成形精度を高める手段を採用することとした。
後工程として精度向上が可能なしごき加工を施すために、第一工程での絞り加工をいわゆる“ラフ”な加工を採用することができる。また、絞り加工およびしごき加工により筒の高さを成形するため、厚板の打抜き加工にくらべ金型への負荷は軽減される。
後工程として精度向上が可能なしごき加工を施すために、第一工程での絞り加工をいわゆる“ラフ”な加工を採用することができる。また、絞り加工およびしごき加工により筒の高さを成形するため、厚板の打抜き加工にくらべ金型への負荷は軽減される。
次に、実際の加工手順について説明する。
図1に示すように、製造しようとする筒状製品(図1(b))の外径D2と高さL1’に応じて、D2なる外径とD2−2Lなる内径を有するドーナツ状円板(図1の(a))を金属板から打ち抜く。
図1(a)で示すドーナツ状円板をブランクとして、図2(a)に示すように、ダイスおよびパンチを用いて絞り加工する。次に図2(b)に示すように、絞り品を所定の切り欠きを形成したダイスに収容し、パンチを押し込んで内面にしごき加工を施す。さらに、図2(c)に示すように、内面にしごき加工が施された内面しごき品を所定の切り欠きを形成したパンチに収容した状態でパンチとともにダイスに押し込んで外面にしごき加工を施す。
なお、内面しごき加工と外面しごき加工はその順序が逆であっても構わない。また、内面のみ、あるいは外面のみにしごき加工を施しても良い。
図1に示すように、製造しようとする筒状製品(図1(b))の外径D2と高さL1’に応じて、D2なる外径とD2−2Lなる内径を有するドーナツ状円板(図1の(a))を金属板から打ち抜く。
図1(a)で示すドーナツ状円板をブランクとして、図2(a)に示すように、ダイスおよびパンチを用いて絞り加工する。次に図2(b)に示すように、絞り品を所定の切り欠きを形成したダイスに収容し、パンチを押し込んで内面にしごき加工を施す。さらに、図2(c)に示すように、内面にしごき加工が施された内面しごき品を所定の切り欠きを形成したパンチに収容した状態でパンチとともにダイスに押し込んで外面にしごき加工を施す。
なお、内面しごき加工と外面しごき加工はその順序が逆であっても構わない。また、内面のみ、あるいは外面のみにしごき加工を施しても良い。
内面しごき加工および/または外面しごき加工を施すことにより、成形精度は大幅に向上する。
すなわち、内面しごき加工を施すことにより製品の内径真円度が向上し、外面しごき加工を施すことにより製品の外径真円度が向上する。また、内面しごき加工と外面しごき加工の両方を施すことにより、真円度が向上するとともに内径と外径の同軸度が向上する。
すなわち、内面しごき加工を施すことにより製品の内径真円度が向上し、外面しごき加工を施すことにより製品の外径真円度が向上する。また、内面しごき加工と外面しごき加工の両方を施すことにより、真円度が向上するとともに内径と外径の同軸度が向上する。
しごき加工は、しごき率が大きくなるほど、絞り品の形状が矯正され易くなり、加工面が平滑化され易くなるため精度が向上する。しかし、素材が高強度になるほど、しごき加工時の変形抵抗が大きくなるためカジリや金型損傷が発生し易くなる。そのため、高強度材にしごき加工を行なうためには、カジリや金型損傷が発生しない適正なしごき率を試験により予め求める必要がある。
ところで、潤滑剤や金型の相性など、加工条件を起因とした変動は考えられるが、しごき加工時に発生するカジリは、一般的に材料の強度に強く影響を受けるため(強度が強くなるほど、しごき時の変形抵抗は大きくなるため、かじりは発生し易くなる)、類似した強度の材料は、類似したしごき率が好ましいことになる。後述の実施例で詳記しているように、マルテンサイト系ステンレス鋼板、あるいはこれと同レベルの高強度鋼板を素材として高精度な金属製筒状部材を製造使用とする際には、前記のしごき率20%未満のしごき加工を施すことが好ましい。
参考例;
供試材として引張強さ1200MPaの、板厚3.0mmのマルテンサイト系ステンレス鋼板を使用した。パンチ金型およびダイス金型にはSKD11材を焼入れしたものを使用した。また潤滑剤として水溶性潤滑油(株式会社フドー製の製品名αソープ)を用いた。そして、図3に示す形状のモデル品を、表1に示す打抜き金型条件の下で、加工速度60spmにて打抜き加工試験を行った。
加工試験品の精度は、真円度および同軸度を求めることで評価した。測定には東京精密社製の三次元座標測定機を使用し、JIS B0621に準じて測定を行なった。
その結果を表2に示す。
供試材として引張強さ1200MPaの、板厚3.0mmのマルテンサイト系ステンレス鋼板を使用した。パンチ金型およびダイス金型にはSKD11材を焼入れしたものを使用した。また潤滑剤として水溶性潤滑油(株式会社フドー製の製品名αソープ)を用いた。そして、図3に示す形状のモデル品を、表1に示す打抜き金型条件の下で、加工速度60spmにて打抜き加工試験を行った。
加工試験品の精度は、真円度および同軸度を求めることで評価した。測定には東京精密社製の三次元座標測定機を使用し、JIS B0621に準じて測定を行なった。
その結果を表2に示す。
図3に示す形状の製品では、通常、D1,D2の真円度として0.01mm程度、D1/D2の同軸度としては0.02mmの公差が設定されているが、表2に示すとおり前記方法では、真円度および同軸度とも設定公差よりも著しく低いことがわかる。また、マルテンサイト系ステンレス鋼板のような高強度鋼板に打抜き加工を施そうとすると、10回を超える段階で打抜きパンチにチッピングが発生するようになることがわかる。
実施例1;
供試材として引張強さ1200MPaの、板厚1.75〜1.85mmのマルテンサイト系ステンレス鋼板を使用した。図4(a)のような金型にて曲げ絞りサンプルを作製し、図4(b)に示すような内面しごき加工を施して図5に示すようなモデル品を作製した。
なお、金型の材質は、前記参考例と同様、SKD11材を焼入れしたものであり、潤滑剤も参考例で使用したものと同じ水溶性潤滑油を使用した。
そして、作製したモデル品について参考例と同じ方法で寸法精度を測定するとともに、しごき面および金型の外観調査を行った。その結果を表3に示す。なお、しごき率は式(1)のとおりである。製品面または金型面にカジリが発生した場合は「NG」で、カジリが発生していない場合は「OK」として評価をおこなった。
しごき率=(t1−t2)×100/t1 ・・・・(1)
供試材として引張強さ1200MPaの、板厚1.75〜1.85mmのマルテンサイト系ステンレス鋼板を使用した。図4(a)のような金型にて曲げ絞りサンプルを作製し、図4(b)に示すような内面しごき加工を施して図5に示すようなモデル品を作製した。
なお、金型の材質は、前記参考例と同様、SKD11材を焼入れしたものであり、潤滑剤も参考例で使用したものと同じ水溶性潤滑油を使用した。
そして、作製したモデル品について参考例と同じ方法で寸法精度を測定するとともに、しごき面および金型の外観調査を行った。その結果を表3に示す。なお、しごき率は式(1)のとおりである。製品面または金型面にカジリが発生した場合は「NG」で、カジリが発生していない場合は「OK」として評価をおこなった。
しごき率=(t1−t2)×100/t1 ・・・・(1)
表3に示すとおり、しごき率が20%未満では真円度は高く、製品のしごき面および金型にカジリは発生していなかった。
一方、しごき率が20%以上では、製品のしごき面および金型にカジリが発生しているばかりか、真円度が設定公差よりも著しく劣る結果となっている。
なお、参考例の段でも説明しているように、図5に示す形状の製品では、通常、D1の設定公差は0.01mmとなっている。
一方、しごき率が20%以上では、製品のしごき面および金型にカジリが発生しているばかりか、真円度が設定公差よりも著しく劣る結果となっている。
なお、参考例の段でも説明しているように、図5に示す形状の製品では、通常、D1の設定公差は0.01mmとなっている。
実施例2;
供試材として引張強さ1200MPaの、板厚2.00〜2.10mmのマルテンサイト系ステンレス鋼板を使用した。図6(a)のような金型にて曲げ絞りサンプルを作製し、図6(b)に示すような外面しごき加工を施して図7に示すようなモデル品を作製した。
なお、金型の材質および潤滑剤は実施例1で使用したものと同じものを使用し、寸法精度の測定も実施例1に準じておこなった。その結果を表4に示す。
供試材として引張強さ1200MPaの、板厚2.00〜2.10mmのマルテンサイト系ステンレス鋼板を使用した。図6(a)のような金型にて曲げ絞りサンプルを作製し、図6(b)に示すような外面しごき加工を施して図7に示すようなモデル品を作製した。
なお、金型の材質および潤滑剤は実施例1で使用したものと同じものを使用し、寸法精度の測定も実施例1に準じておこなった。その結果を表4に示す。
表4に示すとおり、しごき率が20%未満では外面の真円度は高く、製品のしごき面および金型にカジリは発生していなかった。
一方、しごき率が20%以上では、製品のしごき面および金型にカジリが発生しているばかりか、真円度が設定公差よりも著しく劣る結果となっている。
なお、参考例の段でも説明しているように、図7に示す形状の製品では、通常、D1の設定公差は0.01mmとなっている。
一方、しごき率が20%以上では、製品のしごき面および金型にカジリが発生しているばかりか、真円度が設定公差よりも著しく劣る結果となっている。
なお、参考例の段でも説明しているように、図7に示す形状の製品では、通常、D1の設定公差は0.01mmとなっている。
実施例3;
表5に示す引張強さを有する各種高強度ステンレス鋼板を共試材として内面または外面の最適なしごき率の検討を行なった。試験条件および測定方法は実施例1に準じる。
その結果を表6に示すが、いずれの鋼種においても20%未満のしごき率によりカジリが発生せず良好な真円度を有する製品を得ることができた。
表5に示す引張強さを有する各種高強度ステンレス鋼板を共試材として内面または外面の最適なしごき率の検討を行なった。試験条件および測定方法は実施例1に準じる。
その結果を表6に示すが、いずれの鋼種においても20%未満のしごき率によりカジリが発生せず良好な真円度を有する製品を得ることができた。
実施例4;
供試材として引張強さ1200MPaの、板厚1.7mmのマルテンサイト系ステンレス鋼板を使用した。前記参考例で示した図3の寸法精度を有するモデル品を作製するために、図8(a)に示す金型にて曲げ絞りサンプルを作製し、図8(b)に示す金型を用いてしごき率15%の内面しごき加工を行った後、図8(c)に示す金型を用いてしごき率4%の外面しごき加工を行った。
なお、金型の材質は、前記参考例や実施例1と同様、SKD11材を焼入れしたものであり、潤滑剤も参考例や実施例1で使用したものと同じ水溶性潤滑油を使用した。
そして、作製したモデル品について参考例や実施例1と同じ方法で寸法精度を測定するとともに、しごき面および金型の外観調査を行った。その結果を表7に示す。
供試材として引張強さ1200MPaの、板厚1.7mmのマルテンサイト系ステンレス鋼板を使用した。前記参考例で示した図3の寸法精度を有するモデル品を作製するために、図8(a)に示す金型にて曲げ絞りサンプルを作製し、図8(b)に示す金型を用いてしごき率15%の内面しごき加工を行った後、図8(c)に示す金型を用いてしごき率4%の外面しごき加工を行った。
なお、金型の材質は、前記参考例や実施例1と同様、SKD11材を焼入れしたものであり、潤滑剤も参考例や実施例1で使用したものと同じ水溶性潤滑油を使用した。
そして、作製したモデル品について参考例や実施例1と同じ方法で寸法精度を測定するとともに、しごき面および金型の外観調査を行った。その結果を表7に示す。
参考例の欄で説明したように、図3に示す形状の製品では、通常、D1,D2の真円度として0.01mm程度、D1/D2の同軸度としては0.02mmの公差が設定されているが、表7に示すとおり、内面しごき加工および外面しごき加工を施すことにより、設定公差内の、極めて精度の優れた筒状部材が作製できることがわかる。
しかも、2000回までの連続プレスを行っても型カジリは発生せず、肌のきれいな製品が得られている。
しかも、2000回までの連続プレスを行っても型カジリは発生せず、肌のきれいな製品が得られている。
Claims (3)
- 板材に打抜き加工を施して所定の外径および内径を有するドーナツ状円板を得た後、当該ドーナツ状円板に絞り加工を施して筒状成形体を得、その後に、当該筒状成形体の内面および/または外面にしごき加工を施すことを特徴とする高精度な金属製筒状部材の製造方法。
- 筒状成形体の内面および/または外面に施すしごき加工を20%未満のしごき率で行う請求項1に記載の高精度な金属製筒状部材の製造方法。
- 板材が1000MPaを超えるような引張強さを有する高強度鋼板である請求項1または2に記載の高精度な金属製筒状部材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008072719A JP2009226422A (ja) | 2008-03-21 | 2008-03-21 | 高精度な金属製筒状部材の加工方法 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Country Status (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017087262A (ja) * | 2015-11-10 | 2017-05-25 | 日本精工株式会社 | リング状部材の真円度矯正方法 |
WO2020158010A1 (ja) | 2019-01-30 | 2020-08-06 | 日鉄日新製鋼株式会社 | 筒状回転部品、その製造方法及び金型 |
WO2023095701A1 (ja) * | 2021-11-24 | 2023-06-01 | 日本精工株式会社 | 軸受用リング部材の製造方法、及び反転加工用金型 |
-
2008
- 2008-03-21 JP JP2008072719A patent/JP2009226422A/ja not_active Withdrawn
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CN113329830A (zh) * | 2019-01-30 | 2021-08-31 | 日本制铁株式会社 | 筒状旋转部件、其制造方法以及模具 |
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WO2023095701A1 (ja) * | 2021-11-24 | 2023-06-01 | 日本精工株式会社 | 軸受用リング部材の製造方法、及び反転加工用金型 |
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Date | Code | Title | Description |
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