JP6135288B2 - 研削盤 - Google Patents
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特許文献1に開示された研削盤においては、砥石とツルアとはそれぞれ独立した駆動装置によって回転駆動される。すなわち、砥石は砥石駆動モータによって回転駆動され、ツルアはツルア駆動モータによって回転駆動される。
そして、ツルーイングにおける砥石の表面粗さ(切込量)を調整するために、砥石とツルアとの回転速度をそれぞれ独立して制御し、これら砥石とツルアとの周速度比を変更している。
また、前記ツルアは、前記可動台に対し、Z方向へ移動可能に配設されており、前記可動台には、Z方向ガイドバーが架設されており、前記Z方向ガイドバーには、Z方向スライド体が回り止めされた状態でZ方向へスライド移動可能に配設されており、前記Z方向スライド体には、前記ツルアと一体でZ方向の軸線を中心に回転されるツルア軸を軸線回りに回転可能に支持するツルア軸ホルダが一体に設けられており、前記砥石がX方向に移動して前記砥石の加工面が前記ツルアに接触する際、前記ツルアのZ方向中心が前記砥石の加工面のZ方向中心と一致するように、前記ツルア、前記ツルア軸ホルダ、及び前記Z方向スライド体が、前記可動台の前記Z方向ガイドバーに対してZ軸方向に移動可能であることを特徴とする。
この際、ツルアは、X方向押付け機構によって設定された押付力で砥石に押し付けられ、砥石の回転に追従してツルアが回転される。これによって、砥石をツルーイングすることができる。このため、ツルアを回転駆動する専用のモータ等の駆動機構が不要となり、ツルーイング装置の構造を簡単化することができる。
また、第1の発明によると、砥石がツルアに接触するツルーイング位置までX方向へ前進(移動)される際、砥石軸の熱変位の分だけ砥石がZ方向へ変位している場合には、砥石のツルーイング位置への前進動作に伴って、砥石に接触しながらツルアが、可動台に対し、Z方向へ変位(移動)する。このため、ツルーイングする前に、砥石の熱変位を検出する手間を省くことができ、この分だけ砥石のツルーイング時間を短縮することができる。
これによって、砥石とツルアとの周速度比を変更することで、砥石の表面粗さを調整することができる。
例えば、ツルアの砥石に対する押付力を大きく調整すると、砥石の周速度とほぼ同速度でツルアが追従回転し、砥石とツルアとの周速度比が大きくなる。これによって、砥石の表面粗さを大きくツルーイングすることができる。
これとは逆に、ツルアの砥石に対する押付力を小さく調整すると、砥石とツルアとの間の滑り量が大きくなり、砥石とツルアとの周速度比が小さくなる。これによって、砥石の表面粗さを小さくツルーイングすることができる。
これによって、砥石がツルアに接触するツルーイング位置までX方向へ前進(移動)される際、砥石軸の熱変位の分だけ砥石がZ方向へ変位している場合には、砥石のツルーイング位置への前進動作に伴って、砥石に接触不良なくツルアが接触してZ方向へ変位(移動)する。
この結果、砥石の加工面(砥石面)をツルーイング不良なく良好にツルーイングすることができる。
すなわち、ツルアがZ方向中立位置に配設されることなく、Z方向片側寄りに配置されると、砥石がツルアから外れることが想定され、ツルーイング不良となる可能性があるが、このような不具合を抑制することができる。
図1と図2に示すように、砥石32をX方向及びZ方向へ移動制御してワークWを研削する研削盤において、平面形状で矩形に形成された基台10上の略中央部には、Z方向に延びる一対のZ方向ガイドレール11にスライド案内されるZ方向スライドテーブル12が配設されている。
Z方向スライドテーブル12は、制御手段(NC制御装置等)によって作動制御されるZ方向駆動モータ14を駆動源とするZ方向送りねじ13の回転動作によってZ方向へスライドされる。
また、Z方向駆動モータ14には、Z方向スライドテーブル12のZ方向位置を確認するために、Z方向駆動モータ14の出力軸の回転角度を検出してその検出信号を制御手段に送るエンコーダ等のZ方向位置検出手段15が設けられている。
X方向スライドテーブル22は、制御手段(図示しない)によって作動制御されるX方向駆動モータ24を駆動源とするX方向送りねじ23の回転動作によってX方向へスライドされる。
また、X方向駆動モータ24には、X方向スライドテーブル22のX方向位置を確認するために、X方向駆動モータ24の出力軸の回転角度を検出してその検出信号を制御手段に送るエンコーダ等のX方向位置検出手段25が設けられている。
一方、砥石軸ホルダ30に回転可能に支持されかつ一端部に円盤状の砥石32が設けられる砥石軸(Z方向の軸線と平行するZ方向軸線L1上に配設される)31の他端には、従動プーリ28が設けられている。そして、駆動プーリ27と従動プーリ28との間にはベルト29が張設され、これによって、砥石駆動モータ26の出力軸のトルクがベルト29を介して砥石軸31に伝達される。
第1主軸装置40は、基台10上に固定された主軸台41と、主軸台41に対しZ方向軸線L2上に往復動可能な主軸ハウジング42と、この主軸ハウジング42内でZ方向軸線L2回りに回転可能に支持された主軸43とを備え、主軸43の先端にはワークWの一方の端面の中心部を支持するセンタ部材44が設けられている。
また、主軸43は、制御手段によって作動制御される主軸モータ(図示しない)を駆動源として任意の角速度で任意の角度まで回転制御される。
また、第2主軸装置50においても、第1主軸装置40と同様にして、主軸台51、主軸ハウジング52、主軸53及びセンタ部材54を備えて構成されている。
X方向押付けシリンダ63は、図示しない圧力調整弁(電磁弁)を介して流体供給源に接続されている。また、圧力調整弁(電磁弁)は、制御手段によって制御される。そして、可動台70は、X方向押付けシリンダ63によって所望とする押付力でX方向へ押し付けられる。
また、可動台70の両側壁部72と、Z方向スライド体74との間には、Z方向戻しばね90がそれぞれ介在されており、これらZ方向戻しばね90によって、Z方向スライド体74がZ方向中立位置に配設される。
Z方向スライド体74には、ツルア軸ホルダ75が一体に設けられている。このツルア軸ホルダ75には、Z方向の軸線に平行するZ方向軸線L3上に中心軸線を有するツルア軸76が回転可能に支持されており、このツルア軸76の軸端部には、ツルア軸76と一体をなして回転されるツルア77が配設されている。
ツルア77は、軸方向断面の外周面が凹湾曲面(又は凹円弧面)77aに形成されている。
また、ツルア77の側方にはツルア回転検出手段78が配設されている。
また、可動台70と、支持体としての主軸ハウジング42との間には、可動台70のX方向の変位量を検出するX方向変位検出手段95が配設されている。
ステップS10にて制御手段は、砥石32の回転駆動を開始してステップS20に進む。なお、ツルア77は回転自在に支持されており、駆動源となるモータ等を有していないおらず、回転する砥石32が接触することで追従回転する。
なお、押付力を大きくするほど、スリップ量が減り、ツルア77の追従回転の回転速度が大きくなる。すなわち、ツルア77の押付力を調整することで、ツルア77の追従回転の回転速度を調整することが可能であり、砥石32とツルア77との周速度比が変わり、ツルーイング後の砥石32の表面粗さを調整することができる。
なお、ツルア77にはツルア回転検出手段78が設けられており、制御手段は、ツルア回転検出手段78からの検出信号を取り込んで、ツルア77の回転が停止していた状態から回転し始めたタイミングを検出することができる。このタイミングが、砥石32とツルア77が接触したタイミングである。そして当該タイミングにて、制御手段は、X方向スライドテーブル22の位置を検出するX方向位置検出手段25からの検出信号に基づいて砥石32の座標(この場合、X座標)を検出することが可能であり、X方向変位検出手段95からの検出信号に基づいて、ツルア77のX方向の位置を検出することが可能である。
ステップS70に進んだ場合、制御手段は、ツルア77に対して砥石32を移動させ、砥石32を原位置に移動するとともに、ツルア77の押付力の制御を停止し、ツルーイング処理を終了する。
この際、ツルア77は、X方向押付け機構62としてのX方向押付けシリンダ63によって設定された押付力で砥石32に押し付けられる。このため、砥石32の回転に追従してツルア77が回転される。これによって、砥石32をツルーイングすることができるため、ツルア77を回転駆動する専用のモータ等の駆動機構が不要となり、構造を簡単化することができる。
そして、押付力を大きく調整したり、小さく調整することで、砥石32に追従回転するツルア77の回転速度が変化する。
これによって、砥石32とツルア77との周速度比を変更することで、砥石32の表面粗さを調整することができる。
例えば、ツルア77の砥石32に対する押付力を大きく調整すると、砥石32の周速度とほぼ同速度でツルア77が追従回転し、砥石32とツルア77との周速度比が大きくなる。これによって、砥石32の表面粗さを大きくツルーイングすることができる。
これとは逆に、ツルア77の砥石32に対する押付力を小さく調整すると、砥石32とツルア77との間の滑り量が大きくなり、砥石32とツルア77との周速度比が小さくなる。これによって、砥石32の表面粗さを小さくツルーイングすることができる。
これによって、砥石32がツルア77に接触するツルーイング位置までX方向へ前進(移動)される際、砥石軸31の熱変位の分だけ砥石32がZ方向へ変位している場合には、砥石32のツルーイング位置への前進動作に伴って、砥石32に接触不良なくツルア77が接触してZ方向へ変位(移動)する。
この結果、砥石32の加工面(砥石面)をツルーイング不良なく良好にツルーイングすることができる。
すなわち、ツルア77がZ方向中立位置に配設されることなく、Z方向の片側寄りに配置されると、砥石32がツルア77の外周の凹湾曲面77aから外れることが想定され、ツルーイング不良となる可能性があるが、このような不具合を抑制することができる。
例えば、前記実施例1においては、可動台70の両側壁部72と、Z方向スライド体74との間に、Z方向戻しばね90がそれぞれ介在される場合を例示したが、Z方向戻しばね90は必ずしも設けなくてもこの発明を実施することができる。
22 X方向スライドテーブル
25 X方向位置検出手段
30 砥石軸ホルダ
31 砥石軸
32 砥石
42 主軸ハウジング(支持体)
60 ツルーイング装置
62 X方向押付け機構
63 X方向押付けシリンダ
70 可動台
74 Z方向スライド体
75 ツルア軸ホルダ
77 ツルア
95 X方向変位検出手段
Claims (3)
- X方向及びZ方向へ移動制御されワークを研削する砥石と、所定位置に配設されて前記砥石の加工面をツルーイングするツルーイング装置とを備え、
前記ツルーイング装置は、支持体に対し、X方向押付け機構によってX方向へ押し付けられた状態でX方向へ移動可能に配設された可動台と、
前記可動台に対し、Z方向の軸線を中心として回転可能に配設され、前記X方向押付け機構の押付け力で前記砥石に接触して追従回転されることで前記砥石の加工面をツルーイングするツルアと、
前記X方向押付け機構の押付け力を制御する制御手段と、
を備え、
前記ツルアは、前記砥石の加工面をツルーイングする際、前記X方向押付け機構により設定された押付け力で前記砥石に押し付けられ、
前記ツルアは、前記可動台に対し、Z方向へ移動可能に配設されており、
前記可動台には、Z方向ガイドバーが架設されており、
前記Z方向ガイドバーには、Z方向スライド体が回り止めされた状態でZ方向へスライド移動可能に配設されており、
前記Z方向スライド体には、前記ツルアと一体でZ方向の軸線を中心に回転されるツルア軸を軸線回りに回転可能に支持するツルア軸ホルダが一体に設けられており、
前記砥石がX方向に移動して前記砥石の加工面が前記ツルアに接触する際、前記ツルアのZ方向中心が前記砥石の加工面のZ方向中心と一致するように、前記ツルア、前記ツルア軸ホルダ、及び前記Z方向スライド体が、前記可動台の前記Z方向ガイドバーに対してZ軸方向に移動可能であることを特徴とする研削盤。 - 請求項1に記載の研削盤であって、
前記X方向押付け機構は、前記砥石に対する前記ツルアの押付け力が調整可能に構成されていることを特徴とする研削盤。 - 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の研削盤であって、
前記ツルアは、前記可動台に対し、Z方向戻しばねによってZ方向中立位置に戻される構成にしてあることを特徴とする研削盤。
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