JP5010421B2 - 工作物外径面および平面のセンタレス研削方法およびセンタレス研削装置 - Google Patents

工作物外径面および平面のセンタレス研削方法およびセンタレス研削装置 Download PDF

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Description

この発明は、工作物外径面および平面のセンタレス研削方法およびセンタレス研削装置に関し、さらに詳細には、1台のセンタレス研削盤により、工作物の円筒外径面と端面等の平面を研削加工するセンタレス研削技術に関する。
例えば図10に示すような円筒状の工作物(以下ワークと称する。)Wの円筒外径面Waと先端面Wbを研削する場合、従来は、図11に示されるように、2台の研削盤を用いて2工程で行うことが一般であった。
すなわち、この研削方法は、まず、図11(a)に示すように、センタレス研削盤により、ワークWの円筒外径面Waを研削加工するとともに、続いて、図11(b)に示すように、端面研削盤により、ワークWの端面を研削加工する。
しかしながら、このようにセンタレス研削盤と端面研削盤という2台の研削盤を用いた研削方法では、装置設備がコスト高となり、装置設置スペースも大きく必要とし、また2台の研削盤による2工程の研削工程を必要とするため、ワークWの組替え作業も必要で研削時間も長くて、研削作業効率が悪かった。
この点に関して、特許文献1に開示されるように、略円筒状のワークWの円筒外径面Waと端面Wbを一台のセンタレス研削盤で研削する技術も提案されているが、このセンタレス研削盤は、図12に示すように、図11(a)および(b)に示す従来の2台の研削盤の構成、つまりワークWの円筒外径面Waを研削加工するセンタレス研削盤の基本構成(砥石車a、調整車bおよびブレード(図示省略)等)と、ワークWの端面を研削加工する端面研削盤の基本構成(カップ型砥石車c等)を装置ベッドd上に単純に組み合わせて構成したものである。
このような構成においては、図11に示すように2台の研削盤を用いる場合に比較すれば、ワークWの組替え作業が不要で、研削作業効率が向上するなどの改善は期待されるものの、2台の研削盤を組み合わせた特殊な構成であることから、やはり装置設備がコスト高となり、装置設置スペースも比較的大きく必要とするなど、さらなる改良の余地があった。
特開2003−300133号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、円筒ワークの円筒外径面と端面等の平面を、1台のセンタレス研削装置により連続した2工程で研削加工することができるセンタレス研削技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のセンタレス研削方法は、ワークの円筒外径面とこの円筒外径面の軸線に直交する平面をセンタレス研削するものであって、円筒砥石面とこの円筒砥石面に対して交差する交差砥石面とを有する砥石車を用いて、まず、上記ワークを強制回転支持して、上記砥石車の円筒砥石面によりワークの円筒外径面をセンタレス研削し、続いて、上記ワークをセンタレスで固定支持して、上記砥石車の交差砥石面により、このワークの平面を研削するようにしたことを特徴とする。
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
(1)上記砥石車の交差砥石面により上記ワークの平面を研削するに際して、上記砥石車を上記ワークの軸線に対して直交する方向へ切り込んで、上記交差砥石面の外周縁により上記ワークを切断するようにして上記平面を形成する。
(2)上記ワークを載置支持する支持面が断面V字形状の傾斜2平面からなるブレードを使用し、上記砥石車の円筒砥石面により上記ワークの円筒外径面をセンタレス研削するに際して、上記ブレードの傾斜2平面の一方の傾斜平面をワーク支持面として使用し、上記砥石車の交差砥石面により上記ワークの平面を研削するに際して、上記ブレードの傾斜2平面をワーク支持面として使用する。
(3)上記砥石車の交差砥石面により上記ワークの平面を研削するに際して、上記ワークを上記ブレードの傾斜2平面で下側から位置決め支持するとともに、上記ワークを上記ブレードの傾斜2平面に押し付けて固定支持する。
(4)上記ワークが一部に鍔部を有する形状のワークであり、少なくとも上記砥石車の交差砥石面により上記ワークの平面を研削するに際して、上記ワークの鍔部をワークの軸方向位置を設定する位置決め部材として利用する。
また、本発明のセンタレス研削装置は、上記センタレス研削方法を実施するのに適した装置であって、上記ワークを支持するブレードと、駆動回転されて、上記ワークを回転支持する調整車と、駆動回転されて、上記ワークの円筒外径面と平面を研削する砥石車と、上記ブレード上に支持される上記ワークの軸方向位置を設定する位置決め手段と、上記ブレードに対して上記ワークを押し付け支持するクランプ手段と、上記調整車、砥石車、位置決め手段およびクランプ手段を相互に連動して制御する制御手段とを備えてなり、上記砥石車は、上記ワークの円筒外径面を研削する円筒砥石面と、この円筒砥石面に対して交差し、上記ワークの平面を研削する交差砥石面とを有し、上記制御手段により、上記調整車、砥石車、位置決め手段およびクランプ手段が相互に連動して制御されて、上述したセンタレス研削方法が実行される構成とされている。
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
(1)上記砥石車の交差砥石面は、上記ワークの円筒外径面の軸線に直交する平坦面からなる。
(2)上記砥石車の交差砥石面は、上記ワークの円筒外径面の軸線に所定のテーパをもって傾斜するテーパ面からなる。
(3)上記砥石車の交差砥石面は、上記ワークの円筒外径面よりも大径の幅狭フランジの平坦面からなる。
(4)上記ブレードの支持面が断面V字形状の傾斜2平面から構成され、上記砥石車の交差砥石面により上記ワークの平面を研削するに際して、上記ブレードの傾斜2平面により上記ワークを下側から位置決め支持するとともに、上記クランプ手段により上記ワークを上記ブレードの傾斜2平面に押し付けて固定支持するように構成される。
本発明のセンタレス研削技術は、本発明者による種々の試験研究の成果として生まれた。すなわち、本発明者は、研削対象となる円筒ワークの円筒外径面と端面等の平面について研削加工するに際して、上述した問題点を解消するための有効な手段として、まず、従来周知の一般的な基本構成を備えたセンタレス研削装置で、いかに効率良く研削加工することができるかという点に着目して、その主たる構成要素である砥石車の形状構成を工夫することにより、種々の研究・実験を繰り返した。
具体的には、研削対象となるワークの2種類の面(円筒外径面と端面)に対して、円筒砥石面とこの円筒砥石面に対して交差する交差砥石面とを有する砥石車を用いて、図13(a)〜(c)に示すようなセンタレス研削方法を試みてみた。
(a)図13(a)に示すように、ワークWの円筒外径面Waと先端面Wbの最終仕上げ形状に対応したプロフィールの砥石面m、nを有する砥石車gを用いて、アンギュラセンタレス研削により、これら両面Wa、Wbを同時に研削する。
(b)図13(b)に示すように、円筒砥石面oとこの円筒砥石面oに対して直交する平坦砥石面pを有する砥石車gを用いて、調整車rによる推力によって、ワークWを平坦砥石面p方向へ送りながらセンタレス研削(いわゆる吸込みセンタレス研削)して、ワークWの円筒外径面Waと先端面Wbを同時に研削する。
(c)図13(c)に示すように、上記(b)の場合と同様の砥石車gを用いて、押込み手段sによる推力によって、ワークWを平坦砥石面p方向へ送りながらセンタレス研削(いわゆるプッシュスルーセンタレス研削)して、ワークWの円筒外径面Waと先端面Wbを同時に研削する。
しかしながら、これらいずれのセンタレス研削方法においても以下のような問題が生じて完全ではなかった。
(i)上記(a)〜(c)のように、ワークWの円筒外径面Waと先端面Wbを同時に研削すると、先端面Wb研削時の振動が円筒外径面Waの研削に悪影響を及ぼし、高精度な円筒外径面の研削結果が得られない。
(ii)上記(a)〜(c)のように、ワークWの先端面Wbの研削は、砥石車gの平坦砥石面nまたはpの全面を使用するため、ワークWの先端面Wbとの接触面積が大きくて、研削焼けが発生し易く、研削能率も悪い。
(iii)上記(a)のアンギュラセンタレス研削では、上記のごとく円筒外径面Waの研削中に先端面Wbを同時研削することが必須であり、このような研削条件の制約から、外径面Waの取代に対して先端面Wbの取代を小さくする必要があり、しかも、許容される先端面Wbの取代と外径面Waの取代の比には限界があって、その適用範囲が非常に狭い。例えば、アンギュラ角が15°の場合には、先端面Wbの取代:外径Waの取代=1:4であり、またアンギュラ角が45°の場合にも、先端面Wbの取代:外径Waの取代=1:1が限度である。
(iv)上記(b)の吸込みセンタレス研削では、調整車rによる推力が小さく、先端面Wbはほとんど研削できない。
(v)上記(c)のプッシュスルーセンタレス研削では、上述したように砥石車gの平坦砥石面pとワークWの先端面Wbとの接触面積が大きいため、研削焼けが早期に発生して、先端面Wbはほとんど研削できない。
(iv)上記(a)〜(c)のいずれのセンタレス研削でも、図10におけるワークWの寸法l1を正確に得ることができる保証はない。
そして、これらの研究・実験の結果、新たに判明した問題点についての考察を踏まえて、さらなる本発明者による試行錯誤の後、本発明が完成されるに至ったのである。
すなわち、本発明によれば、円筒砥石面とこの円筒砥石面に対して交差する交差砥石面とを有する砥石車を用いて、まず、上記ワークを強制回転支持して、上記砥石車の円筒砥石面によりワークの円筒外径面をセンタレス研削し、続いて、上記ワークをセンタレスで固定支持して、上記砥石車の交差砥石面により、このワークの平面を研削するようにしたから、以下に列挙するような効果が得られる。
(1)円筒ワークの円筒外径面と端面等の平面を、1台のセンタレス研削装置により連続した2工程で研削加工することができ、ワークの組替え作業も不要で研削時間も短縮できて、研削作業効率が良い。
(2)円筒外径面の研削に連続して端面等の平面を研削することにより、端面等の平面研削時の振動が円筒外径面の研削に影響することがなく、精度の高い円筒外径面研削を確保することができる。
(3)円筒外径面の研削に連続して端面等の平面を研削することにより、アンギュラセンタレス研削におけるようなワークの端面の取代と円筒外径面の取代の比に制約を受けることがなく、外径面の取代に対して先端面の取代を小さくする必要もなく、その適用範囲は非常に広い。
(4)また、上記砥石車の交差砥石面により上記ワークの端面等の平面を研削するに際して、上記砥石車を上記ワークの軸線に対して直交する方向へ切り込んで、上記交差砥石面の外周縁によってワークを切断するようにして上記平面を形成することにより、交差砥石面全面を使用する場合に比べて、ワークとの接触面積が非常に小さく研削焼けが発生し難く、切れ味も良好で短時間で大きな取代を取ることが可能で、研削能率が大幅に向上する。
さらに、本発明のセンタレス研削装置にあっては、上記(1)〜()の効果が有効に発揮され得るとともに、その基本構成が、従来公知の一般的なセンタレス研削装置と同様とすることも可能で、新たな装置構造の研究開発に要する労力等も少なく、また装置設備のコスト低減化も可能で、装置設置スペースも小さくて済む。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
実施形態1
本発明に係るセンタレス研削装置が図1〜図4に示されており、この研削装置は、具体的には図10に示すような一部に鍔部(環状フランジ)WAを有する円筒状のワークWの円筒外径面Waと先端面Wbをセンタレス研削するのに適したものである。
図示のセンタレス研削装置は、砥石車1、調整車2、ブレード3、位置決め装置(位置決め手段)4、クランプ装置(クランプ手段)5、および制御装置(制御手段)6を主要部として備えてなる。
砥石車1は、図3および図4に示すように、ワークWの円筒外径面Waと先端面Wbにそれぞれ異なる砥石面により研削加工を施すもので、具体的には、その砥石面10が、ワークWの円筒外径面Waを研削する円筒砥石面10aと先端面Wbを研削する交差砥石面10bとを有する。
図示の実施形態の砥石車1は、図2に示すように、小径の円筒砥石1Aと大径の円筒砥石1Bが一体形成された段付砥石車の外観形状を呈し、小径の円筒砥石1Aの外径面が上記円筒砥石面10aを形成するとともに、両円筒砥石1A、1Bの境界段部の砥石面が上記交差砥石面10bを形成している。
なお、小径の円筒砥石1Aと大径の円筒砥石1Bからなる砥石車1は、図示の実施形態のような一体物でなくても、それぞれ別個独立して形成された小径の円筒砥石1Aと大径の円筒砥石1Bとが組み合わせ形成されてもよい。
上記円筒砥石面10aは、具体的には、少なくとも研削対象であるワークWの円筒外径面Waの長さ寸法l0よりも大きな幅寸法Lを有し、図示の実施形態においては、円筒砥石面10aの幅寸法Lは、円筒外径面Waの幅寸法l0よりも大きくかつ先端面Wbと鍔部WAとの距離寸法l1よりも小さく設定されている。
特に、円筒砥石面10aの幅寸法LがワークWの上記距離寸法l1よりも小さく設定されているのは、幅寸法Lが上記距離寸法l1よりも大きく設定されると、交差砥石面10bによりワークWの先端面Wbを研削する際に、鍔部WAと砥石車1との干渉が生じるからである。この点に関しては、次に述べる交差砥石面10bの径方向幅寸法Dを極端に大きくすることで解決することができるが、後述する理由により、上記のごとく円筒砥石面10aの幅寸法LがワークWの上記距離寸法l1よりも小さく設定されることで対処している。
上記交差砥石面10bは、具体的には、上記円筒砥石面10aに対して交差する環状平坦面とされ、図示の実施形態においては、交差砥石面10bは、上記円筒砥石面10aの軸線X10に直交、つまりワークWの軸線XWに直交する環状平坦面とされている。
また、この交差砥石面10bの径方向幅寸法Dは、少なくとも研削対象であるワークWの先端面Wbの半径寸法、より厳密にはワークWの円筒外径面Waの半径寸法r0よりも大きく設定されており、図示の実施形態においては、交差砥石面10bの径方向幅寸法Dは、ワークWの円筒外径面Waの径寸法d0(=r0×2)よりも大きく設定されている。
なお、上述したように、上記交差砥石面10bの径方向幅寸法Dを極端に大きく設定して、交差砥石面10bによりワークWの先端面Wbを研削する際における、鍔部WAと砥石車1との干渉を防止する構成とすることも可能であるが、反面、このように交差砥石面10bの径方向幅寸法Dを極端に大きく設定すると、後述するワークWの円筒外径面Waの研削工程からワークWの先端面Wbの研削工程への移行する際の、砥石車1の移動ストローク特に図4(a)における移動軌跡Z1における移動ストロークが大きくなって、サイクルタイムが長くなってしまう。このような事情から、上記交差砥石面10bの径方向幅寸法Dを極端に大きく設定することは望ましくない。
上記砥石車1は従来公知の一般的基本構造を備えており、つまり、砥石車1は、砥石軸11に取外し可能に取付け固定され、この砥石軸11が砥石車台12に回転可能に軸承されるとともに、図示しない動力伝導ベルトや歯車機構を介して駆動モータ等の駆動源に連係され、この駆動源が制御装置6に電気的に接続されている。
また、砥石車1は、直交する2軸方向、つまり図1において、切込み方向Aに平行なM軸方向と送り方向Bに平行なN軸方向へ移動可能とされている。
すなわち、上記砥石車台12は、可動台14上に砥石車1の砥石軸11の軸線X11つまり円筒砥石面10aの軸線X10と平行するN軸方向へ移動可能に装着されている。具体的には、この砥石車台12の基部スライド12a、12aは、上記可動台14のスライドレール14a、14aに沿ってN軸方向へ移動可能とされるとともに、図外の移動手段に連係されている。この移動手段は、具体的には図示しないが、後述する可動台14の移動手段16と実質的に同様である。
また、上記可動台14は、上記砥石軸11の軸線X11と直交するM軸方向へ移動可能に装着されている。つまり、この可動台14の基部スライド14b、14bが、装置ベッド(図示省略)上に設けられたスライドレール15、15に沿ってM軸方向へ移動可能とされるとともに、この装置ベッド上に配設された移動手段16に連係されている。この移動手段16は具体的にはサーボモータ16aとボールねじ16bからなり、サーボモータ16aが制御装置6に電気的に接続されている。
そして、砥石車1は、後述するように、駆動回転されながら、ワークWの形状寸法に対応して、ワークWに対する切込み動作(M軸方向)と、ワークWの円筒外径面Waおよび先端面Wbに対する円筒砥石面10aおよび交差砥石面10bの使用砥石面を変更する際の移動動作(M軸方向およびN軸方向)を行う。
調整車2は、図3に示すように、ワークWの円筒外径面Waの研削加工時にこの円筒外径面Waを回転支持するもので、円筒面からなる回転支持面2aを備え、具体的には、少なくとも回転支持対象であるワークWの円筒外径面Waの幅寸法l0よりも大きな幅寸法の回転支持面2aとされている(図2参照)。
なお、調整車2の回転支持面2aの幅寸法は、必ずしもワークWの円筒外径面Waの幅寸法l0よりも大きくなくてもよいが、図示のようにワークWの円筒外径面Waの幅寸法l0よりも大きいと、ワークWの円筒外径面Waをしっかりと支えることで加工精度が向上する。一方、調整車2の回転支持面2aの幅寸法があまり大きいと、調整車2と砥石車1が干渉することになるので、調整車2の回転支持面2aは、このような干渉の生じない範囲に設定されることが望ましい。
調整車2は従来公知の一般的基本構造を備えており、つまり、調整車2は、調整車軸20に取外し可能に取付け固定され、この調整車軸20が調整車台21上に回転可能に軸承されるとともに、図示しない動力伝導ベルトや歯車機構を介して駆動モータ等の駆動源に駆動連結され、この駆動源が上記制御装置6に電気的に接続されている。
また、上記調整車2の配置構成は、後述するように、ワークWの回転支持によりこのワークWに生じる推力がワークWの送り方向Bつまり砥石車1の交差砥石面10bに接近する方向となるように設定されている。
また、調整車2は、図1において、砥石車1の切込み方向Aに平行なM軸方向へ移動可能とされている。すなわち、上記調整車台21は、装置ベッド(図示省略)上に設けられたスライドレール22、22に沿ってM軸方向へ移動可能とされるとともに、この装置ベッド上に配設された移動手段23に連係されている。この移動手段23は具体的にはサーボモータ23aとボールねじ23bからなり、サーボモータ23aが制御装置6に電気的に接続されている。
そして、調整車2は、後述するように、ワークWの円筒外径面Waの研削加工時に、駆動回転されながら円筒外径面Waを回転支持するとともに、ワークWの先端面Wbの研削加工時に、円筒砥石面10aからM軸方向への後退離隔動作を行う。
ブレード3は、図3および図4に示すように、ワークWを下側から支持するもので、装置ベッド(図示省略)上に設置されており、ワークWの円筒外径面Waを下方から支持する支持面25を備えている。
この支持面25は、具体的には、図3(c)および図4(c)に示すように、断面V字形状の傾斜2平面25a、25bから構成されている。図示の実施形態の支持面25においては、これら2つの傾斜支持面25a、25bは、左右対称の傾斜角度を有する傾斜平面とされ、ワークWの円筒外径面Waと先端面Wbを研削加工するに際して、それぞれ異なる支持作用をなすように構成されている。
すなわち、ブレード3は、ワークWの円筒外径面Waを研削加工する際には、図3に示すように、調整車2と共にワークWの円筒外径面Waを支持する構成とされ、この場合は従来周知の一般的な標準ブレード(図6のブレード26の形状参照)と同様、第1の傾斜支持面25aによりワークWの円筒外径面Waを下方から支持し(図3(c)参照)、一方、ワークWの先端面Wbを研削加工する際には、図4に示すように、ブレード3単独でワークWの円筒外径面Waを支持する構成とされ、支持面25全体つまり第1および第2の傾斜支持面25a、25bによりワークWの円筒外径面Waを左右下方から芯出し状態で支持する(図4(c)参照)。
このように、ブレード3の支持面25が断面V字形状の2つの傾斜支持面25a、25bから構成されることにより、上記のごとく、ワークWの先端面Wbを研削加工する際のブレード3単独での支持を可能とするだけでなく、この端面研削時におけるブレード3の撓みや調整車2の変形を防いでいる。
すなわち、図6を参照して、本実施形態のセンタレス研削装置に、従来周知の一般的な標準ブレード26を採用した場合を考えてみると、(i)ワークWの円筒外径面Waを研削加工する際には、図6(a)に示すように、その傾斜支持面26aは調整車2と共にワークWの円筒外径面Waを支持し、この場合は本実施形態のブレード25と同様であるが、一方、(ii)ワークWの先端面Wbを研削加工する際には、後述するように、クランプ装置5のクランパ50による上方からのクランプ圧力がワークWに加えられるため、円筒外径面Waを研削加工する場合と同様に、標準ブレード26と調整車2によりワークWを支持する必要があるところ、このような支持構成では、上記クランパ50によるクランプ圧力により、図6(b)に示すように標準ブレード26が撓んだり、あるいは図6(c)に示すように調整車2の円筒支持面2aに変形を生じたりして、研削加工精度の低下を招く危険がある。
これに対して、本実施形態のブレード3のように、支持面25が断面V字形状の形状構造であれば、支持面25さらにはブレード3自体の強度が、上記クランパ50の垂直下向きのクランプ圧力に十分に耐えうるものとなり、ブレード3の撓みや調整車2の変形が有効に防止される。
また、ブレード3は、研削対象であるワークWが一部に鍔部WAを有することから、少なくとも上記砥石車1の交差砥石面10bによりワークWの先端面Wbを研削するに際して、ワークWの鍔部WAをワークWの軸方向位置を設定する位置決め部材として利用する構成とされており、図示の実施形態のブレード3は、ワークWの円筒外径面Waと先端面Wbのいずれを研削する場合にも、上記鍔部WAを位置決め部材として利用する構成とされている。この環状フランジの形態とされた位置決め部材WAは、後述するように、ブレード3の一端面つまりワーク供給側端面3aと協働して、ワークWの軸方向位置を位置決め設定する。
位置決め装置4は、ブレード3上に支持されるワークWの軸方向位置を設定するためのもので、具体的には、ワークWの先端面Wbを研削加工する際に、水平クランパ30による押込み力と共に、上記ワークWの位置決め部材WAとブレード3のワーク供給側端面3aが協働する構成とされている。
上記水平クランパ30は、図示の実施形態においては円柱棒からなる押し棒の形態とされ、砥石車1に対して送り方向B(N軸方向)へ強制的に送り込む構成とされており、ブレード3上に支持されるワークWとほぼ同軸上に配置されて、このワークWの軸方向へ往復移動可能に支持されるとともに、移動手段31に駆動連結されている。この移動手段31としては、エアシリンダ装置などが好適に採用され、この移動手段31の駆動源が制御装置6に電気的に接続されている。
そして、(a)ワークWの円筒外径面Waを研削加工する際には、図3(a)および(b)に示すように、調整車2とブレード3により回転支持されるワークWは、調整車2による推力により送り方向Bに送り込まれるとともに、ワークWの位置決め部材WAがブレード3のワーク供給側端面3aに当接係合することにより、ワークWの軸方向位置が位置決め設定される。
また、(b)ワークWの先端面Wbを研削加工する際には、図4(a)および(b)に示すように、上記移動手段31により、水平クランパ30の先端部30aがワークWの後端面Wcに当接されて、ワークWはこの水平クランパ30の押込み力により送り方向Bに送り込まれるとともに、ワークWの位置決め部材WAがブレード3のワーク供給側端面3aに当接係合することにより、ワークWの軸方向位置が位置決め設定される。
クランプ装置5は、ブレード3に対してワークWを押し付け支持するもので、具体的には、ワークWの先端面Wbを研削加工する際に機能する構成とされ、主要部として垂直クランパ50を備える。
この垂直クランパ50は、図示の実施形態においては円柱棒の形態とされ、ワークWの円筒外径面Waに垂直上方から所定の押圧力をもって当接する構成とされており、ブレード3上に支持されるワークWの垂直上方位置に垂直下向きに配置されて、垂直上下方向へ往復移動可能に支持されるとともに、移動手段(図示省略)に駆動連結されている。この移動手段の具体的構成は、上述した位置決め装置4の移動手段31と実質的に同様である。
そして、(a)ワークWの円筒外径面Waを研削加工する際には、調整車2とブレード3により回転支持されるワークWの垂直上方位置に上昇待機している一方、(b)ワークWの先端面Wbを研削加工する際には、図4(a)〜(c)に示すように、上記移動手段により、垂直クランパ50の先端部50aがワークWの円筒外径面Waに上側から当接されて、ワークWはこの垂直クランパ50の押圧力により、ブレード3の支持面25との間に挟持状に固定支持される。
また、本実施形態のセンタレス研削装置は、砥石車1と調整車2の砥石面10(10a、10b)および回転支持面2aの形状を修正するドレッシング装置を備えており、特に、砥石車1用のドレッシング装置7は、図5に示すように、その外周ドレッシング部8がダイヤモンド砥粒が結合材料により結合されてなるロータリ・ダイヤモンド・ドレッサの形態とされている。
このドレッサ7は、制御装置6にプログラムされたドレスプログラムに従って、砥石車1の砥石面10(10a、10b)のプロフィールを回復維持するように駆動制御される構成とされている。具体的には、ドレッサ7は、駆動回転する砥石車1に対して、図5に示すような移動軌跡(破線矢符参照)をもって移動するように制御されて、砥石車1の砥石面10(10a、10b)の輪郭形状を修正して、所定のプロフィールを回復維持する。
制御装置6は、上記砥石車1、調整車2、位置決め装置4およびクランプ装置5の各駆動源を相互に連動して制御するもので、具体的には、CPU、ROM、RAMおよびI/Oポートなどからなるマイクロコンピュータで構成されたCNC装置である。この制御装置6には、以下に述べる研削工程(研削方法)を実行するための制御プログラムが、数値制御データとして、予めまたは図示しない操作盤のキーボード等により適宜選択的に入力設定される。
しかして、以上のように構成されたセンタレス研削装置においては、制御装置6により、調整車2、砥石車1、位置決め装置4およびクランプ装置5が相互に連動して制御されて、まず、砥石車1の円筒砥石面10aにより、ワークWの円筒外径面Waがセンタレス研削され、続いて、ワークWをセンタレスで固定支持して、上記砥石車1の交差砥石面10bにより、ワークWの先端面Wbが研削される。この研削加工工程は具体的には以下のとおりである。
I.ワークWの円筒外径面Waを研削する円筒面研削工程:
図3に示すように、ブレード3の支持面25の一方(砥石車1側)の傾斜支持面25a上に、ワークWの円筒外径面Waが、その鍔部WAを装置の外側(前後側)に向くようにして載置支持された状態において、ワークWが調整車2とブレード3により強制回転支持されながら、駆動回転する砥石車1が切込み方向Aへ切り込まれて、その円筒砥石面10aによりワークWの円筒外径面Waがインフィード方式でセンタレス研削される。
この際、ワークWの軸方向位置は、調整車2によって与えられる推力によりワークWが送り方向Bへ送り込まれて、その鍔部WAが上記ブレード3のワーク供給側端面3aに当接係合することにより位置決め設定され、研削中はこの位置決め状態が維持される。
II.ワークWの支持態様を変更する支持態様変更工程:
ワークWの円筒外径面Waの研削工程が完了すると、次工程のワークWの先端面Wbの研削工程の準備工程として、調整車2の回転が駆動停止するとともに、調整車2がワークWの円筒砥石面10aからM軸方向へ後退して離隔する。
このように調整車2がワークWから後退して離隔することに伴い、調整車2による支えを失ったワークWは、図4(c)に示すように、自重によってブレード3のV字形状断面の支持面25上に降下支持されて、支持面25全体つまり第1および第2の傾斜支持面25a、25bによりワークWの円筒外径面Waが左右下方から芯出し状態で支持されることとなる。
続いて、位置決め装置4の水平クランパ30が送り方向Aへ前進して、ブレード3上に単独で支持されるワークWは、その鍔部WAが上記ブレード3のワーク供給側端面3aに当接係合するまで送り方向Bへ送り込まれて停止して、ワークWの軸方向位置が位置決め設定される。
さらに、クランプ装置5の垂直クランパ50が前進降下して、ブレード3上に位置決め支持されるワークWの円筒外径面Waに垂直上方から所定の押圧力をもって当接押圧して、ワークWは、この垂直クランパ50とブレード3の支持面25との間に3点支持状態で挟持状に固定支持(クランプ)され、これによりワークWの支持態様が変更される。
III.ワークWの先端面Wbを研削する平面研削工程:
ワークWの支持態様の変更が完了すると、砥石車1は、その大径の円筒砥石1BがワークWの円筒外径面Waよりも装置の前側(図1における下側)になるまで、切込み方向Aと反対方向へ後退させられた後、交差砥石面10bがワークWの鍔部WAの前面から距離H(仕上がり寸法対応箇所(図4(b)参照))になるように送り方向Bと反対方向へシフト移動される(図4(a)における移動軌跡Z1→Z2参照)。
図4に示すように、ワークWの円筒外径面Waがブレード3の支持面25の両傾斜支持面25a、25b上にセンタレスで固定支持された状態において、駆動回転する砥石車1が切込み方向Aへ切り込まれて、その交差砥石面10bによりワークWの先端面Wbが研削される(図4(a)における移動軌跡Z3参照)。
この際、砥石車1はワークWの軸線XWに対して直交する方向へ切り込まれる結果、ワークWの先端部分は、砥石車1の交差砥石面10bの鋭利な外周縁により切断するようにして研削されて、ワークWの先端面Wbが円筒外径面Waに対して正確な直角度をもった平坦面に形成される。
以上詳述したように、本実施形態のセンタレス研削装置によれば、円筒砥石面10aとこの円筒砥石面10aに対して交差する(本実施形態においては、円筒砥石面10aの軸線X10に直交する)交差砥石面10bとを有する砥石車1を用いて、まず、上記ワークWを強制回転支持して、円筒砥石面10aによりワークWの円筒外径面Waをセンタレス研削し、続いて、上記ワークWをセンタレスで固定支持して、上記交差砥石面10bにより、このワークWの平面(本実施形態においては、先端面Wb)を研削するようにしたから、以下に列挙するような種々の効果が得られる。
(i)円筒ワークWの円筒外径面Waと先端面Wbを、1台のセンタレス研削装置により連続した2工程で研削加工することができるので、ワークWの組替え作業も不要で研削時間も短縮できて、研削作業効率が良い。
(ii)ワークWの円筒外径面Waの研削に連続して先端面Wbを研削することにより、先端面Wb研削時の振動が円筒外径面Waの研削に影響することがなく、精度の高い円筒外径面Waの研削を確保することができる。
(iii)ワークWの円筒外径面Waの研削に連続して先端面Wbを研削することにより、アンギュラセンタレス研削におけるようなワークWの先端面Wbの取代と円筒外径面Waの取代の比に制約を受けることがなく、外径面Waの取代に対して先端面Wbの取代を小さくする必要もなく、その適用範囲は非常に広い。
(iv)また、砥石車1の交差砥石面10bによりワークWの先端面Wbを研削するに際して、砥石車1をワークWの軸線XWに対して直交する方向へ切り込んで、上記交差砥石面10bの鋭利な外周縁によってワークWを切断するようにして上記先端面Wbを形成することにより、交差砥石面10b全面を使用する場合に比べて、ワークWとの接触面積が非常に小さくて、研削焼けが発生し難く、切れ味も良好で、短時間で大きな取代を取ることが可能で、研削能率が大幅に向上する。
(v)ワークWを載置支持する支持面25が断面V字形状の傾斜2平面つまり傾斜支持面25a、25bからなるブレード3を使用し、砥石車1の円筒砥石面10aによりワークWの円筒外径面Waをセンタレス研削するに際しては、上記ブレード3の傾斜支持面25a、25bの一方の傾斜支持面25aをワーク支持面として使用し、砥石車1の交差砥石面10bによりワークWの先端面Wbを研削するに際しては、上記ブレード3の両傾斜支持面25a、25bをワーク支持面として使用することにより、研削対象に応じた最適な支持状態が得られ、特に、ワークWの先端面Wbを研削する際に、クランプ装置5のクランプ力によるブレード3の撓みや調整車2の変形を有効に防止することができる。
また、本発明のセンタレス研削装置にあっては、上述した効果が有効に発揮され得るとともに、その基本構成が、従来公知の一般的なセンタレス研削装置と同様とすることも可能で、新たな装置構造の研究開発に要する労力等も少なく、また装置設備のコスト低減化も可能で、装置設置スペースも小さくて済む。
実施形態2
本実施形態は図7に示されており、実施形態1における砥石車1の形状構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の砥石車1は、図7(a)に示すように、小径の円筒砥石1Aと大径の円筒砥石1Bが一体形成された段付砥石車の外観形状を呈し、小径の円筒砥石1Aの外径面が上記円筒砥石面10aを形成する点は実施形態1の場合と同様であるが、この円筒外径面Waと交差する交差砥石面10bは、円筒外径面Waの軸線XWに対して所定のテーパ(いわゆるバックテーパ)をもって傾斜するテーパ面からなる。
上記交差砥石面10bがこのようなテーパ面とされることによって、交差砥石面10bの外周縁部分は、実施形態1のそれに比べてより鋭利な刃物のような断面形状となる。
しかして、このような構成とされた砥石車1の交差砥石面10bによりワークWの先端面Wbを研削するに際して、砥石車1をワークWの軸線XWに対して直交する方向(切込み方向A)へ切り込むと、交差砥石面10bの鋭利な刃物のような外周縁によって、実施形態1の場合よりもさらに切れ味よく、ワークWの先端面Wbを切断するように研削加工することができる(図7(b)参照)。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態3
本実施形態は図8に示されており、実施形態2と同様、実施形態1における砥石車1の形状構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の砥石車1は、図8(a)に示すように、小径の円筒砥石1Aと大径の円筒砥石1Bが一体形成された段付砥石車の外観形状を呈し、さらに大径の円筒砥石1Bの幅方向ほぼ中央部分により大径の幅狭フランジ1Cが形成されている。そして、小径の円筒砥石1Aの外径面が上記円筒砥石面10aを形成するとともに、上記幅狭フランジ1Cの両側環状平坦面10c、10cが上記円筒砥石面10aに交差する、つまり円筒砥石面10aの軸線X10に直交する交差砥石面を形成している。また、これら両交差砥石面10c、10c間の幅狭の円筒面10dも円筒砥石面として機能する。
しかして、以上のように構成された砥石車1の円筒砥石面10aによりワークWの円筒外径面Waをセンタレス研削した後、続いて、ワークWをセンタレスで固定支持して、上記砥石車1の幅狭フランジ1Cを上記のように研削された円筒外径面Waに対向させるとともに、砥石車1をワークWの軸線XWに対して直交する方向(切込み方向A)へ切り込むと、この幅狭フランジ1Cつまり円筒砥石面10dと交差砥石面10c、10cにより、上記円筒外径面Waに図8(b)に示すような扇状の凹溝Wdが研削され形成される。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態4
本実施形態は図9に示されており、実施形態1における砥石車1の交差砥石面10bによる他の研削方法である。
本実施形態におけるセンタレス研削方法において、砥石車1の円筒砥石面10aによりワークWの円筒外径面Waをセンタレス研削する円筒面研削工程と、これに続くワークWの支持態様を変更する支持態様変更工程までは、実施形態1のセンタレス研削方法と同じである。
本実施形態においては、続く砥石車1の交差砥石面10bによりワークWの先端面Wbを研削するに際して、砥石車1は、その大径の円筒砥石1BがワークWの円筒外径面Waよりも装置の前側(図9(a)における下側)になるまで切込み方向Aと反対方向へ後退された後、交差砥石面10bがワークWの鍔部WAの前面から距離H1(実施形態1における距離Hよりも所定距離αだけ小さい)になるように送り方向Bと反対方向へシフト移動される(図9(a)における移動軌跡Z1→Z2参照)。
そして、駆動回転する砥石車1が切込み方向Aへ所定距離L(図示の場合は大径の円筒砥石1BがワークWの軸心位置に到達する距離)だけ切り込まれて(図9(a)における移動軌跡Z3参照)、その交差砥石面10b(厳密には円筒砥石1Bの円筒砥石面10dと交差砥石面10b)によりワークWの先端部分を研削した後、切込み方向Aと逆方向へ後退される。
これにより、ワークWの先端部分に図9(b)に示すようなD字形状の切欠溝Weが研削され形成される(いわゆるDカット)。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲において種々の設計変更が可能である。
本発明の実施形態1であるセンタレス研削装置の概略構成を示す平面図である。 同センタレス研削装置の主要構成部を拡大して示す拡大平面図である。 同センタレス研削装置において、砥石車の円筒砥石面によりワークの円筒外径面をセンタレス研削する状態を示す説明図で、図3(a)は平面図、図3(b)は砥石車を省いて見る正面図、図3(c)はワークの供給側から見た側面断面図である。 同センタレス研削装置において、砥石車の交差砥石面によりワークの先端面をセンタレス研削する状態を示す説明図で、図4(a)は平面図、図4(b)は砥石車を省いて見る正面図、図4(c)はワークの供給側から見た側面断面図である。 同センタレス研削装置において、ドレッシング装置による砥石車の円筒砥石面および交差砥石面をドレッシングする状態を一部断面で示す平面図である。 同センタレス研削装置において、標準ブレードを使用した場合のクランプ装置による影響を説明するための模式図である。 本発明の実施形態2であるセンタレス研削装置を示し、図7(a)は砥石車の交差砥石面によりワークの先端面をセンタレス研削する状態を一部切開して示す平面図、図7(b)はこの研削加工により得られたワークの外観を示す斜視図である。 本発明の実施形態3であるセンタレス研削装置を示し、図8(a)は砥石車の交差砥石面によりワークの円筒外径面をセンタレス研削する状態を一部切開して示す平面図、図8(b)はこの研削加工により得られたワークの外観を示す斜視図である。 本発明の実施形態4であるセンタレス研削方法を示し、図9(a)は砥石車の交差砥石面によりワークの先端部分をセンタレス研削する状態を一部切開して示す平面図、図9(b)はこの研削加工により得られたワークの外観を示す斜視図である。 本発明のセンタレス研削装置による研削対象であるワークを示す正面図である。 従来の研削装置によりワークの円筒外径面と先端面を研削する方法を説明する図で、図11(a)はセンタレス研削盤によりワークの円筒外径面を研削加工する状態を示す平面図、図11(b)は端面研削盤によりワークの先端面を研削加工する状態を示す正面図である。 従来の他の研削装置によりワークの円筒外径面と先端面を研削する方法を説明する平面図である。 図13(a)〜(c)は、それぞれ、本発明者が本発明の創作過程で試験研究を行ったセンタレス研削装置によるワークの円筒外径面と先端面を研削する方法を説明する平面図である。
符号の説明
W ワーク(工作物)
WA ワークの鍔部
Wa ワークの円筒外径面
Wb ワークの先端面
A 砥石車の切込み方向
B ワークの送り方向
1 砥石車
1a 砥石車の砥石面
1A 砥石車の小径の円筒砥石
1B 大径の円筒砥石
1C 砥石車の幅狭フランジ
2 調整車
2a 調整車の回転支持面
3 ブレード
3a ワーク供給側端面
4 位置決め装置(位置決め手段)
5 クランプ装置(クランプ手段)
6 制御装置(制御手段)
7 ドレッシング装置
10 砥石車の砥石面
10a 円筒砥石面
10b、10c 交差砥石面
11 砥石軸
10 円筒砥石面の軸線
11 砥石軸の軸線
W ワークの軸線
25 ブレードの支持面
25a、25b 傾斜支持面
30 水平クランパ
50 垂直クランパ

Claims (10)

  1. 工作物の円筒外径面とこの円筒外径面の軸線に直交する平面をセンタレス研削する方法であって、
    円筒砥石面とこの円筒砥石面に対して交差する交差砥石面とを有する砥石車を用いて、まず、前記工作物を強制回転支持して、前記砥石車の円筒砥石面により工作物の円筒外径面をセンタレス研削し、続いて、前記工作物をセンタレスで固定支持して、前記砥石車の交差砥石面により、この工作物の平面を研削するようにした
    ことを特徴とする工作物外径面および平面のセンタレス研削方法。
  2. 前記砥石車の交差砥石面により前記工作物の平面を研削するに際して、前記砥石車を前記工作物の軸線に対して直交する方向へ切り込んで、前記交差砥石面の外周縁により前記工作物を切断するようにして前記平面を形成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の工作物外径面および平面のセンタレス研削方法。
  3. 前記工作物を載置支持する支持面が断面V字形状の傾斜2平面からなるブレードを使用し、
    前記砥石車の円筒砥石面により前記工作物の円筒外径面をセンタレス研削するに際して、前記ブレードの傾斜2平面の一方の傾斜平面を工作物支持面として使用し、
    前記砥石車の交差砥石面により前記工作物の平面を研削するに際して、前記ブレードの傾斜2平面を工作物支持面として使用する
    ことを特徴とする請求項1に記載の工作物外径面および平面のセンタレス研削方法。
  4. 前記砥石車の交差砥石面により前記工作物の平面を研削するに際して、前記工作物を前記ブレードの傾斜2平面で下側から位置決め支持するとともに、前記工作物を前記ブレードの傾斜2平面に押し付けて固定支持する
    ことを特徴とする請求項3に記載の工作物外径面および平面のセンタレス研削方法。
  5. 前記工作物が一部に鍔部を有する形状の工作物であり、
    少なくとも前記砥石車の交差砥石面により前記工作物の平面を研削するに際して、前記工作物の鍔部を工作物の軸方向位置を設定する位置決め部材として利用する
    ことを特徴とする請求項1に記載の工作物の円筒外径面および平面のセンタレス研削方法。
  6. 工作物の円筒外径面とこの円筒外径面の軸線に直交する平面をセンタレス研削するセンタレス研削装置であって、
    前記工作物を支持するブレードと、
    駆動回転されて、前記工作物を回転支持する調整車と、
    駆動回転されて、前記工作物の円筒外径面と平面を研削する砥石車と、
    前記ブレード上に支持される前記工作物の軸方向位置を設定する位置決め手段と、
    前記ブレードに対して前記工作物を押し付け支持するクランプ手段と、
    前記調整車、砥石車、位置決め手段およびクランプ手段を相互に連動して制御する制御手段とを備えてなり、
    前記砥石車は、前記工作物の円筒外径面を研削する円筒砥石面と、この円筒砥石面に対して交差し、前記工作物の平面を研削する交差砥石面とを有し、
    前記制御手段により、前記調整車、砥石車、位置決め手段およびクランプ手段が相互に連動して制御されて、請求項1から5のいずれか一つに記載のセンタレス研削方法が実行される構成とされている
    ことを特徴とする工作物外径面および平面のセンタレス研削装置。
  7. 前記砥石車の交差砥石面は、前記工作物の円筒外径面の軸線に直交する平坦面からなる
    ことを特徴とする請求項6に記載の工作物外径面および平面のセンタレス研削装置。
  8. 前記砥石車の交差砥石面は、前記工作物の円筒外径面の軸線に所定のテーパをもって傾斜するテーパ面からなる
    ことを特徴とする請求項6に記載の工作物外径面および平面のセンタレス研削装置。
  9. 前記砥石車の交差砥石面は、前記工作物の円筒外径面よりも大径の幅狭フランジの平坦面からなる
    ことを特徴とする請求項6に記載の工作物外径面および平面のセンタレス研削装置。
  10. 前記ブレードの支持面が断面V字形状の傾斜2平面から構成され、
    前記砥石車の交差砥石面により前記工作物の平面を研削するに際して、前記ブレードの傾斜2平面により前記工作物を下側から位置決め支持するとともに、前記クランプ手段により前記工作物を前記ブレードの傾斜2平面に押し付けて固定支持するように構成されている
    ことを特徴とする請求項8から9のいずれか一つに記載の工作物外径面および平面のセンタレス研削装置。
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