JP5076583B2 - 面取り装置、面取り方法および焼結磁石 - Google Patents

面取り装置、面取り方法および焼結磁石 Download PDF

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Description

この発明は、面取り装置、面取り方法および焼結磁石に関し、より特定的には、焼結磁石の円形の内周縁を面取りする面取り装置および面取り方法、ならびに内周縁が面取りされた焼結磁石に関する。
一般に、モータ等に用いられる円筒状の永久磁石の内周縁には、表面処理の際に表面処理膜を容易に形成するためや、モータの組み立ての際にモータ軸を案内しかつモータ軸との接触による欠けを防止するために、面取り面が形成される。永久磁石の内周縁を面取りする装置として、円錐状の砥石を用いる面取り装置が知られている。このような面取り装置では、同軸上に配置した永久磁石と砥石とをそれぞれ周方向に回転させつつ永久磁石の内周縁と砥石の円錐面とを接触させて面取りしていた。しかし、このような面取り装置では、砥石の円錐面の特定箇所に永久磁石が接するので、砥石の円錐面が線状に偏磨耗し、砥石の寿命が短いという問題があった。
このような問題を解決するためにたとえば特許文献1には、一方の回転軸が他方の回転軸に対して傾くように配置される円筒状のワークと円柱状の砥石とをそれぞれ回転させつつ、砥石を軸方向に往復動させる面取り装置が開示されている。特許文献1の技術によれば、砥石の偏磨耗を抑えることができ、砥石の寿命を延ばすことができる。
特開2001−179580号公報
しかし、特許文献1の技術では、砥石を軸方向に往復動させるとともに砥石を軸方向に直交する方向に移動させてワークと砥石とを圧接させる必要がある。このために、装置およびその制御が複雑になるという問題があった。
また、特許文献1の技術では、ワークの内周縁の周速度および砥石の外周面の周速度よりも大きい速度で砥石を軸方向に移動させることは構造上困難であるので、ワークの面取り面に略周方向に延びる研磨目が形成されると考えられる。通常、面取りされたワークには、バリを取り除くとともに角部を丸めるためのバレル処理が施される。面取り面に周方向に延びる長い研磨目が形成されたワークでは、バレル処理の際に面取り面およびその近傍が長い研磨目に沿って大きく欠けやすいという問題があった。この問題は、ワークとしてたとえば希土類焼結磁石等の脆い焼結磁石を用いる場合に顕著であった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、砥石の寿命を延ばすことができかつ簡単に面取りできる、面取り装置および面取り方法を提供することである。
この発明の他の目的は、欠けにくい焼結磁石を提供することである。
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の面取り装置は、円形の内周縁を有する筒状の焼結磁石の面取り装置であって、前記内周縁の全周に沿う球面を有する砥石、前記焼結磁石と前記砥石とをそれぞれ回転可能にかつ一方の回転軸が他方の回転軸に対して傾くように配置する配置手段、前記焼結磁石を周方向に回転させる第1回転手段、前記砥石を周方向に回転させる第2回転手段、および前記内周縁の全周に前記球面が接するように前記焼結磁石と前記砥石との少なくともいずれか一方を他方側に移動させる移動手段を備える。
請求項2に記載の面取り装置は、請求項1に記載の面取り装置において、前記砥石は前記内周縁の直径よりも大きな直径を有する球状に形成されることを特徴とする。
請求項3に記載の面取り装置は、請求項1または2に記載の面取り装置において、前記配置手段は一方の回転軸が他方の回転軸に対して90°傾くように前記焼結磁石と前記砥石とを配置することを特徴とする。
請求項4に記載の面取り装置は、請求項3に記載の面取り装置において、前記焼結磁石を研削する前記球面の研削部の周速度が前記内周縁の周速度よりも大きくなるように前記第1回転手段が前記焼結磁石を回転させかつ前記第2回転手段が前記砥石を回転させることを特徴とする。
請求項5に記載の面取り方法は、筒状の焼結磁石の円形の内周縁を面取りする面取り方法であって、前記内周縁の全周に沿う球面を有する砥石を準備する工程、前記焼結磁石と前記砥石とをそれぞれ回転可能にかつ一方の回転軸が他方の回転軸に対して傾くように配置する工程、前記焼結磁石と前記砥石とをそれぞれ周方向に回転させる工程、および前記内周縁の全周に前記球面が接するように前記焼結磁石と前記砥石との少なくともいずれか一方を他方側に移動させる工程を備える。
請求項6に記載の面取り方法は、請求項5に記載の面取り方法において、前記砥石は前記内周縁の直径よりも大きな直径を有する球状に形成されることを特徴とする。
請求項7に記載の面取り方法は、請求項5または6に記載の面取り方法において、一方の回転軸が他方の回転軸に対して90°傾くように前記焼結磁石と前記砥石とが配置されることを特徴とする。
請求項8に記載の面取り方法は、請求項7に記載の面取り方法において、前記焼結磁石を研削する前記球面の研削部の周速度は前記内周縁の周速度よりも大きいことを特徴とする。
請求項9に記載の焼結磁石は、円形の内周縁が面取りされた面取り面を有する筒状の焼結磁石であって、前記面取り面に略放射状に延びる研磨目が形成されることを特徴とする。
なお、この発明において、「球面」は球の表面の一部であってもよい。
請求項1に記載の面取り装置では、一方の回転軸が他方の回転軸に対して傾くように焼結磁石と砥石とを配置し、焼結磁石と砥石とをそれぞれ周方向に回転させつつ焼結磁石の内周縁の全周に砥石の球面を接触させる。このように焼結磁石と砥石とを接触させかつそれぞれ周方向に回転させることによって、焼結磁石を研削する球面の研削部の面積を大きくできる。つまり、砥石の球面を有効に利用して焼結磁石の内周縁を面取りできる。したがって、砥石の偏磨耗を抑えることができ、砥石の寿命を延ばすことができる。また、焼結磁石と砥石との少なくともいずれか一方を他方側に移動させて焼結磁石と砥石とを圧接させるのみでよいので、簡単に安定した品質で焼結磁石を面取りできる。また、砥石の球面が焼結磁石の内周縁の全周に接することによって、効率よく面取りでき、加工時間を短縮でき、面取りに要するコストを抑えることができる。さらに、焼結磁石の内周縁の一部に砥石が接する装置では均一な削り量で面取りすることは困難であるが、砥石の球面が焼結磁石の内周縁の全周に接することによって、均一な削り量で面取りでき、加工精度を向上できる。請求項5に記載の面取り方法についても同様である。
請求項2に記載の面取り装置では、焼結磁石の内周縁の直径よりも大きな直径を有する球状の砥石を用いることによって、簡単に内周縁の全周に磁石の球面を接触させることができ、簡単に効率よく面取りできる。請求項6に記載の面取り方法についても同様である。
請求項3に記載の面取り装置では、一方の回転軸が他方の回転軸に対して90°傾くように焼結磁石と砥石とを配置することによって、砥石の球面において周速度が相対的に大きい部分を研削部として利用でき、加工時間をより一層短縮できる。また、研削部の面積を最大にでき、砥石の寿命をより一層延ばすことができる。請求項7に記載の面取り方法についても同様である。
請求項4に記載の面取り装置では、研削部の周速度が焼結磁石の内周縁の周速度よりも大きいので、周方向に交わる方向に延びる短い研磨目を焼結磁石の面取り面に形成できる。請求項8に記載の面取り方法についても同様である。
請求項9に記載の焼結磁石では、面取り面に略放射状に延びる短い研磨目が形成されていることによって、バレル処理の際に面取り面およびその近傍が欠けにくく、たとえ欠けたとしてもその範囲を小さくできる。
この発明によれば、砥石の寿命を延ばすことができかつ簡単に面取りできる。
また、欠けにくい焼結磁石を得ることができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
図1を参照して、面取り装置10は、焼結磁石100の円形の内周縁102{図2(a)参照}を面取りすることによって、面取り面104を有する焼結磁石100a{図2(b)参照}を得るために用いられる。円筒状の焼結磁石100はたとえばNd−Fe−B磁石等の希土類焼結磁石であり、焼結磁石100を面取りすることによって得られる焼結磁石100aはたとえばモータ等に用いられる。
図1に示すように、面取り装置10は、保持ユニット12および砥石ユニット14を含む。保持ユニット12は、基台16、基台16上に設けられるロボットアーム18、およびロボットアーム18に設けられるロボットハンド20を含む。
ロボットアーム18は、基台16上に設けられる支持部22、支持部22上に設けられる回転部24、回転部24に連結される第1アーム26、第1アーム26に連結される第2アーム28、および第2アーム28に連結される第3アーム30を含む。
回転部24は、支持部22内に設けられるモータ22aに連結され、モータ22aの駆動によって鉛直方向(矢印A方向)に延びる回転軸を中心として回転する。第1アーム26は、図1の紙面に直交する方向(水平方向の1方向)に延びる連結シャフト31aを支点として揺動可能に回転部24に連結される。第2アーム28は、連結シャフト31aに平行な連結シャフト31bを支点として揺動可能に第1アーム26に連結される。第3アーム30は、連結シャフト31aおよび31bに平行な連結シャフト31cを支点として第2アーム28に揺動可能に連結される。
第3アーム30は、第2アーム28に連結される駆動部32、および駆動部32に回転可能に設けられる柱状の回転部34を含む。回転部34の一端は駆動部32内に設けられるモータ36に連結される。また、回転部34の他端にはワーク100を保持するロボットハンド20が設けられる。ロボットハンド20は、3本の爪38を有するいわゆる3本爪型に構成される。ロボットハンド20は、3本の爪38で焼結磁石100の外周面106を挟むことによって、焼結磁石100を回転部34と同軸上に保持する。
このような保持ユニット12では、焼結磁石100をその端面108が真下を向くように保持する。そして、その状態でモータ36を駆動させることによって、矢印A方向に延びる回転軸S1(一点鎖線で示す)を中心として回転部34ひいては焼結磁石100を周方向(矢印C1方向:図4参照)に回転させる。
また、第3アーム30の駆動部32には貫通孔32aが形成され、貫通孔32aには連結シャフト31cが嵌通されるアクチュエータ40が上下に空隙を形成するように配置される。アクチュエータ40は、連結シャフト31cに対して駆動部32を矢印A方向に移動させ、第3アーム30ひいてはロボットハンド20に保持される焼結磁石100を矢印A方向に移動させる。
砥石ユニット14は、基台42、基台42上に設けられるL字状の板状部材44、板状部材44に取り付けられるモータ46、基台42上に設けられるスピンドルユニット48、およびスピンドルユニット48に取り付けられる砥石50を含む。
スピンドルユニット48は、矢印B方向(水平方向の他の方向)に延びるスピンドルシャフト52、およびスピンドルシャフト52を回転可能に支持する支持部54を含む。スピンドルシャフト52の一端はモータ46に連結される。また、スピンドルシャフト52の他端には砥石50が取り付けられる。
砥石50は、焼結磁石100の内周縁102の直径d{図2(a)参照}よりも大きな直径Dを有する球状に形成され、内周縁102の全周に沿う球面56を有する。また、砥石50は、端面108が真下を向くように焼結磁石100が配置された状態で焼結磁石100の回転軸S1が砥石50の中心点Pを通るように焼結磁石100の真下に配置される。砥石50としては、超硬合金からなるベースにダイヤモンド砥粒を電着したもの等が用いられる。
このような砥石ユニット14では、モータ46を駆動させることによって、矢印B方向に延びる回転軸S2(一点鎖線で示す)を中心としてスピンドルシャフト52ひいては砥石50を周方向(矢印C2方向:図4参照)に回転させる。
この実施形態では、モータ36が第1回転手段に相当し、モータ46が第2回転手段に相当し、アクチュエータ40が移動手段に相当する。また、配置手段は、ロボットアーム18、ロボットハンド20およびスピンドルユニット48を含む。
ついで、図1、図3および図4を参照して、面取り装置10の主要動作について説明する。
まず、図1に示すように、保持ユニット12によって、砥石50の上方で端面108が真下を向くようにかつその回転軸S1が砥石50の中心点Pを通るように、ベルトコンベア等から取得された焼結磁石100が配置される。つまり、焼結磁石100の回転軸S1が砥石50の回転軸S2に対して90°傾きかつ焼結磁石100の回転軸S1が砥石50の中心点Pを通るように焼結磁石100と砥石50とが配置される。
つづいて、モータ36を駆動させて焼結磁石100を矢印C1方向(図4参照)に回転させるとともにモータ46を駆動させて砥石50を矢印C2方向(図4参照)に回転させる。そして、アクチュエータ40を駆動させて焼結磁石100を矢印A方向かつ砥石50側(ここでは下側)に移動させる。これによって、図3に示すように焼結磁石100と砥石50とが接する。その後、焼結磁石100の下側への移動(送り)を進めることによって、焼結磁石100と砥石50とを圧接させつつ焼結磁石100を面取りする。
砥石50の直径D(図1参照)は焼結磁石100の内周縁102の直径d{図2(a)参照}よりも大きいので、図4に示すように、砥石50の球面56は焼結磁石100の内周縁102の全周に接する。また、回転軸S1が回転軸S2に対して90°傾いているので、図3および図4に二点鎖線で示すように、焼結磁石100を研削する球面56の研削部56aが球面56において大きく広がり、周速度が大きい部分を研削部56aとして効率的に利用できる。
また、焼結磁石100と砥石50とは、研削部56aのいずれの部分であってもその周速度が内周縁102の周速度よりも大きくなるように回転される。詳しくは、図5をも参照して、研削部56aでは、矢印C2方向の長さ(断面の円周の長さ)が最大である中央56bの周速度が最大であり、矢印C2方向の長さが最小である端56cの周速度が最小である。面取り装置10では、端56cの周速度が内周縁102の周速度の50倍以上になるようにモータ36が焼結磁石100を回転させかつモータ46が砥石50を回転させる。
このように焼結磁石100を移動させて焼結磁石100と砥石50とを圧接させつつ焼結磁石100と砥石50とをそれぞれ回転させることによって、焼結磁石100の内周縁102が面取りされる。そして、焼結磁石100が矢印A方向かつ砥石50側に所定量(所定時間)移動されれば面取りが終了する。なお、上述のように研削部56aの周速度は矢印B方向の位置によって異なるので(図5参照)、内周縁102を一定の速度(研削速度)で均一に面取りするために焼結磁石100を回転させている。このように内周縁102を一定の速度で面取りすることによって、面取り中に焼結磁石100に欠けが生じることを抑え、安定して面取りできる。
その後、面取り面104が形成された焼結磁石100a{図2(b)参照}が保持ユニット12によってベルトコンベア等に与えられる。
このような面取り装置10によれば、焼結磁石100の回転軸S1が砥石50の回転軸S2に対して傾けられることによって、球面56の研削部56aの面積を大きくできる。このように砥石50の球面56を有効に利用して焼結磁石100の内周縁102を面取りできるので、砥石50の偏磨耗を抑えることができ、砥石50の寿命を延ばすことができる。また、焼結磁石100を矢印A方向かつ砥石50側に移動させるのみでよいので、簡単に安定した品質で焼結磁石100を面取りできる。また、球面56が内周縁102の全周に接することによって、効率よく面取りでき、加工時間を短縮でき、面取りに要するコストを抑えることができる。また、球面56が内周縁102の全周に接することによって、均一な削り量で面取りでき、加工精度を向上できる。
焼結磁石100の内周縁102の直径d{図2(a)参照}よりも大きな直径D(図1参照)を有する球状の砥石50を用いることによって、簡単に内周縁102の全周に球面56を接触させることができ、簡単に効率よく面取りできる。
焼結磁石100の回転軸S1と砥石50の回転軸S2との傾きが90°であることによって、球面56において周速度が相対的に大きい部分を研削部56aとして利用でき、加工時間をより一層短縮できる。また、研削部56aの面積を最大にでき、砥石50の寿命をより一層延ばすことができる。
研削部56aの周速度が内周縁102の周速度よりも大きいので、面取り面104に矢印C1方向に交わる方向に延びる短い研磨目(研削目)を形成できる。研削部56aの周速度を内周縁102の周速度の50倍以上にすることによって、確実に焼結磁石100を略径方向(矢印E方向:図4参照)に研削でき、確実に面取り面104に略放射状に延びる短い研磨目を形成できる。
ついで、従来技術の面取り装置で面取りされた焼結磁石と、面取り装置10で面取りされた焼結磁石との比較例について説明する。なお、いずれの面取り装置においても内周縁102の直径(内径)が25mmの焼結磁石100を面取りした。
従来技術の面取り装置では、焼結磁石100と円錐状の砥石を同軸上に配置し、それぞれを周方向に回転させつつ接触させることによって内周縁102を面取りした。
面取り装置10では、直径が36mmの球状の砥石50を用いた。この場合、研削部56aの端56c(図5参照)の直径は25.9mmであった。また、面取り装置10では、内周縁102の回転数が120rpmになるように焼結磁石100を回転させ、研削部56aの回転数が6000rpmになるように砥石50を回転させた。この条件から直径×円周率×回転数を用いて内周縁102の周速度、ならびに研削部56aの中央56bおよび端56c(図5参照)の周速度を求めると、内周縁102の周速度は約0.16m/sとなり、中央56bの周速度は約11.3m/sとなり、端56cの周速度は約8.1m/sとなる。したがって、研削部56aの中央56bの周速度は内周縁102の周速度の約70倍であり、研削部56aの端56cの周速度は内周縁102の周速度の約50倍である。つまり、面取り装置10では、研削部56aの周速度を内周縁102の周速度の約50倍以上に設定して面取りしたこととなる。
従来技術の面取り装置によって面取りされた焼結磁石の要部を図6に示し、面取り装置10によって面取りされた焼結磁石の要部を図7に示す。
従来技術の面取り装置では、内周縁を周方向に研削するので、図6に示すように面取り面に周方向に延びる研磨目が形成される。一方、面取り装置10では、回転軸S1と回転軸S2との傾きが90°でありかつ研削部56aの周速度が内周縁102の周速度よりも大幅に大きいので、焼結磁石100を略矢印E方向(図4参照)に研削できる。これによって、図7に示すように、面取り面に略放射状に延びる研磨目を形成できる。
一般に、バリを取り除くとともに角部を丸めるために、たとえば砥粒と面取りされた複数の焼結磁石とを入れた容器を回転させることによって、面取りされた焼結磁石にバレル処理を施すことが知られている。
従来技術の面取り装置によって面取りされた焼結磁石では、面取り面に周方向に延びる長い研磨目が形成されるために、バレル処理の際に他の焼結磁石と衝突することによって面取り後の内周縁近傍(図6参照)が欠けやすく、長い研磨目に沿って欠けの範囲も広くなりやすい。一方、面取り装置10によって面取りされた焼結磁石100aでは、面取り面104に略放射状に延びる短い研磨目が形成されるので、他の焼結磁石100aと衝突しても面取り後の内周縁近傍(図7参照)が欠けにくく、たとえ欠けたとしてもその範囲を小さくできる。
このように面取り装置10によって面取りされた焼結磁石100aは、面取り面104に略放射状に延びる短い研磨目が形成されることによって、バレル処理の際に面取り面104およびその近傍が欠けにくく、生産性が良好である。
なお、上述の実施形態では、焼結磁石と砥石とが上下に配置される場合について説明したが、一方の回転軸が他方の回転軸に対して傾いていれば焼結磁石と砥石との配置態様は特に限定されない。たとえば、砥石を焼結磁石の上方に配置してもよいし、焼結磁石と砥石とを水平方向に並ぶように配置してもよい。
また、上述の実施形態では、球状の砥石を用いる場合について説明したが、内周縁の全周に沿う球面を有していれば砥石の形状はこれに限定されない。たとえば、球状の砥石から研削部以外の部分を切り落とした形状の砥石を用いてもよい。
さらに、上述の実施形態では、焼結磁石を移動させる場合について説明したが、この発明はこれに限定されない。焼結磁石と砥石との少なくともいずれか一方を他方側に移動させることができればよく、たとえば、焼結磁石と砥石とを移動させてもよいし、砥石のみを移動させてもよい。
なお、焼結磁石の回転軸と砥石の回転軸との傾きは90°に限定されず、90°未満であってもよい。
この発明の一実施形態を示す側面図解図である。 焼結磁石を示す斜視図であり、(a)は面取り前の焼結磁石を示し、(b)は面取り後の焼結磁石を示す。 図1の状態から焼結磁石を鉛直方向かつ砥石側に移動させた状態を示す側面図解図である。 焼結磁石の内周縁と砥石の球面とが接触した状態を示す斜視図解図である。 砥石の球面における周速度の違いを説明するための図解図である。 従来の面取り装置によって面取りされた焼結磁石の要部を示す図解図である。 この発明の面取り装置によって面取りされた焼結磁石の要部を示す図解図である。
符号の説明
10 面取り装置
12 保持ユニット
14 砥石ユニット
18 ロボットアーム
20 ロボットハンド
22a,36,46 モータ
40 アクチュエータ
48 スピンドルユニット
50 砥石
56 球面
56a 研削部
100,100a 焼結磁石
102 内周縁
104 面取り面
S1,S2 回転軸

Claims (9)

  1. 円形の内周縁を有する筒状の焼結磁石の面取り装置であって、
    前記内周縁の全周に沿う球面を有する砥石、
    前記焼結磁石と前記砥石とをそれぞれ回転可能にかつ一方の回転軸が他方の回転軸に対して傾くように配置する配置手段、
    前記焼結磁石を周方向に回転させる第1回転手段、
    前記砥石を周方向に回転させる第2回転手段、および
    前記内周縁の全周に前記球面が接するように前記焼結磁石と前記砥石との少なくともいずれか一方を他方側に移動させる移動手段を備える、面取り装置。
  2. 前記砥石は前記内周縁の直径よりも大きな直径を有する球状に形成される、請求項1に記載の面取り装置。
  3. 前記配置手段は一方の回転軸が他方の回転軸に対して90°傾くように前記焼結磁石と前記砥石とを配置する、請求項1または2に記載の面取り装置。
  4. 前記焼結磁石を研削する前記球面の研削部の周速度が前記内周縁の周速度よりも大きくなるように前記第1回転手段が前記焼結磁石を回転させかつ前記第2回転手段が前記砥石を回転させる、請求項3に記載の面取り装置。
  5. 筒状の焼結磁石の円形の内周縁を面取りする面取り方法であって、
    前記内周縁の全周に沿う球面を有する砥石を準備する工程、
    前記焼結磁石と前記砥石とをそれぞれ回転可能にかつ一方の回転軸が他方の回転軸に対して傾くように配置する工程、
    前記焼結磁石と前記砥石とをそれぞれ周方向に回転させる工程、および
    前記内周縁の全周に前記球面が接するように前記焼結磁石と前記砥石との少なくともいずれか一方を他方側に移動させる工程を備える、面取り方法。
  6. 前記砥石は前記内周縁の直径よりも大きな直径を有する球状に形成される、請求項5に記載の面取り方法。
  7. 一方の回転軸が他方の回転軸に対して90°傾くように前記焼結磁石と前記砥石とが配置される、請求項5または6に記載の面取り方法。
  8. 前記焼結磁石を研削する前記球面の研削部の周速度は前記内周縁の周速度よりも大きい、請求項7に記載の面取り方法。
  9. 円形の内周縁が面取りされた面取り面を有する筒状の焼結磁石であって、
    前記面取り面に略放射状に延びる研磨目が形成される、焼結磁石。
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