JP2012232359A - 球体研磨装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被加工球体の研磨むらを低減し、研磨加工効率を高めることができる球体研磨装置を提供する。
【解決手段】一方の面に環状に伸びる案内溝が形成されている固定盤体2と、一方の面に環状に伸びる案内溝が形成され、一方の面の案内溝が固定盤体2の案内溝と共働して環状に伸びる被加工球体5の球体通路を形成するように固定盤体2に対向して配置されている回転盤体3と、を備え、被加工球体5を固定盤体2と回転盤体3とで押圧することにより被加工球体5を球体通路に保持し、固定盤体2に対し同軸上に回転盤体3を回転させることにより球体通路にある被加工球体5を自転させながら球体通路を移動させ、被加工球体5の案内溝との接触部位を研磨する球体研磨装置100において、固定盤体2と回転盤体3とが径方向又は軸方向に相対的に変位している。
【選択図】図2
【解決手段】一方の面に環状に伸びる案内溝が形成されている固定盤体2と、一方の面に環状に伸びる案内溝が形成され、一方の面の案内溝が固定盤体2の案内溝と共働して環状に伸びる被加工球体5の球体通路を形成するように固定盤体2に対向して配置されている回転盤体3と、を備え、被加工球体5を固定盤体2と回転盤体3とで押圧することにより被加工球体5を球体通路に保持し、固定盤体2に対し同軸上に回転盤体3を回転させることにより球体通路にある被加工球体5を自転させながら球体通路を移動させ、被加工球体5の案内溝との接触部位を研磨する球体研磨装置100において、固定盤体2と回転盤体3とが径方向又は軸方向に相対的に変位している。
【選択図】図2
Description
本発明は、被加工球体を研磨する球体研磨装置に関する。
従来、例えば玉軸受等に用いられる鋼球を製造する際に使用される球体研磨装置は、被加工球体を固定盤体と回転盤体(砥石)との間で挟持し、回転盤体を回転させることにより被加工球体を研磨している。この球体研磨装置は、多数の被加工球体を盤間(固定盤体と回転盤体との間)に供給する回転コンベアを備えている。
この球体研磨装置について図5を参照しながら説明する。図5は、従来の球体研磨装置1を示す斜視図である。球体研磨装置1は、プレス加工された被加工球体5を研磨する際に使用されるものである。球体研磨装置1は、固定盤体2と、固定盤体と同一軸心X1上に対向配置された回転盤体3と、多数の被加工球体5を固定盤体2と回転盤体3との間に供給する回転コンベア4とを備えている。
回転コンベア4は、その軸心X10周りに回転可能に配置された円柱状の内壁部41と、内壁部41とともに回転する底板部42と、底板部42の外側に配置された外壁部43とを備えている。内壁部41及び底板部42は、図示しない駆動モータを駆動することにより、軸心X10を中心として矢印C方向に回転される。これにより、多数の被加工球体5を、回転コンベア4によって同時に搬送することができる。
固定盤体2は、被加工球体5を回転コンベア4から盤間に送り込むための入口シュート23と、被加工球体5を盤間(固定盤体2と回転盤体3との間)から回転コンベア4へ戻すための出口シュート24とが、本体の一部を切り欠くことによって形成されている。
回転コンベア4により搬送された被加工球体5は、整列されながら入口シュート23から盤間に送り込まれて研磨されるとともに、固定盤体2を一周したところで出口シュート24から再び回転コンベア4に戻される。
回転盤体3は、砥石によって形成されており、回転軸10に軸心X1周りに回転可能に支持されている。また、回転盤体3は、軸方向にスライド可能に支持されており、図示しない押圧手段により固定盤体2側(矢印B方向)に押圧可能とされている。これにより、回転盤体3は、被加工球体5を盤間に送り込んだ状態で、押圧手段により固定盤体2側に高圧の押圧力で押し込まれるとともに、図示しない駆動モータにより矢印A方向に所定の回転速度で回転される。
図6は、従来の球体研磨装置1の固定盤体2と回転盤体3との間に被加工球体5が挟持された状態を示す断面図である。球体研磨装置1は、固定盤体2と回転盤体3との対向面には、それぞれ被加工球体5の球体通路を形成するように複数の案内溝21,31(図中では一つの案内溝のみを示す)が同心円上に形成され、案内溝21,31のそれぞれは円周方向に連続して均一で且つ被加工球体の曲率半径に近似する断面形状を有する。
被加工球体5は、回転盤体3の回転及び回転盤体3からの押圧(矢印B方向)により自転しながら球体通路に沿って移動し、この移動中に被加工球体5における回転盤体3の案内溝31との接触部位31aが研磨される。球体研磨装置1は、被加工球体5における回転盤体3の案内溝31との接触部位31aと、固定盤体2の案内溝21との接触部位21aと、を結ぶ接触部位の中心線L1が、回転盤体3の回転軸心X1と平行となり、被加工球体5の自転軸Y1は回転軸X1と直交するので、被加工球体5はこの安定した状態を続ける。
このように、球体研磨装置1は、被加工球体5が球体通路を1周する毎に1回の研磨加工が行われることになり、1回の研磨加工工程が終了すると、研磨加工が施された被加工球体5は、出口シュート24を介して再度回転コンベア4に戻される。この研磨加工工程を繰り返すことにより、被加工球体5の表面が真球状に研磨される。なお、球体研磨装置1は、個々の被加工球体5の直径相互差をなくすように、回転コンベア4内で被加工球体5がランダムに互いに混合されるような工夫がなされている。
しかし、上記の球体研磨装置1は、移動中の各被加工球体5の自転軸の傾きがほぼ一定の角度(被加工球体5の自転軸は回転盤体3の回転軸に直交している)に保持されるので、1回の研磨加工当りの各被加工球体表面における研磨加工軌跡はほぼ一定方向に沿う微小幅の軌跡となり、1回の研磨加工工程で各被加工球体5表面をむらなく研磨することは困難である。よって、各被加工球体5の表面全体をむらなく研磨するためには、上記の研磨加工工程の繰り返し回数を増す必要があり、この研磨加工工程の繰り返し回数の増加により研磨加工効率は低下する。
このような課題を解決するための球体研磨装置として、固定盤体の案内溝部分に所定位置を被加工球体が通過するときに被加工球体の自転軸の傾きを変更させるための逃げ溝を形成し、被加工球体が球体通路上の逃げ溝形成位置を通過する毎に被加工球体の自転軸の傾きが変化し、この被加工球体の自転軸の傾きの変化に伴い被加工球体の球体通路形成部位と接触する部位すなわち研磨加工軌跡位置が変化する。これにより、被加工球体の表面をほぼむらなく研磨している。(特許文献1)
しかしながら、上記の球体研磨装置は、研磨加工時は回転盤体の回転軸と被加工球体の自転軸とが直交して一定方向の一定幅を研磨し、逃げ溝を通過時に被加工球体の自転軸が所定量傾き、逃げ溝を通過後の研磨加工時は先の研磨加工時に研磨した一定幅から自転軸の傾きに応じて所定量移動した一定方向の一定幅を研磨する。このように、球体研磨装置は、一定幅を研磨し、続いて、所定量移動した一定幅を研磨することを繰り返すので、被加工球体の表面に研磨むらがまだ発生するので、研磨加工工程を繰り返して真球状に研磨する必要があり、被加工球体の研磨むらを低減し研磨加工効率を向上させることが課題となっていた。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、被加工球体の研磨むらを低減し、研磨加工効率を高めることができる球体研磨装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る球体研磨装置の構成上の特徴は、一方の面に環状に伸びる案内溝が形成されている固定盤体と、一方の面に環状に伸びる案内溝が形成され、一方の面の案内溝が前記固定盤体の案内溝と共働して環状に伸びる被加工球体の球体通路を形成するように前記固定盤体に対向して配置されている回転盤体と、を備え、前記被加工球体を前記固定盤体と前記回転盤体とで押圧することにより前記被加工球体を前記球体通路に保持し、前記固定盤体に対し同軸上に前記回転盤体を回転させることにより前記球体通路にある前記被加工球体を自転させながら前記球体通路を移動させ、前記被加工球体の前記案内溝との接触部位を研磨する球体研磨装置において、
前記固定盤体と前記回転盤体とが径方向又は軸方向に相対的に変位していることである。
前記固定盤体と前記回転盤体とが径方向又は軸方向に相対的に変位していることである。
請求項1の球体研磨装置によれば、固定盤体と回転盤体とが径方向に相対的に変位している場合、回転盤体及び固定盤体の案内溝と被加工球体とのそれぞれの接触部位の中心を結ぶ線が回転盤体の回転軸と非平行状態となるので、被加工球体の自転軸は回転盤体の回転軸に直交しなくなり不安定な状態となる。そのため、球体研磨装置は、被加工球体の自転軸の傾きが変化しやすくなり、被加工球体の研磨加工軌跡位置のランダム性が高まるので研磨むらを低減でき、研磨加工効率を高めることができる。
また、球体研磨装置は、固定盤体と回転盤体とが軸方向に相対的に変位している場合、固定盤体と回転盤体との間の盤間が所定の寸法より大きいときに、挟持されている被加工球体が遊動して被加工球体の自転軸の傾きが変化しやすくなり、被加工球体の研磨加工軌跡位置のランダム性が高まるので研磨むらを低減でき、研磨加工効率を高めることができる。
また、球体研磨装置は、固定盤体と回転盤体とが軸方向に相対的に変位している場合、固定盤体と回転盤体との間の盤間が所定の寸法より大きいときに、挟持されている被加工球体が遊動して被加工球体の自転軸の傾きが変化しやすくなり、被加工球体の研磨加工軌跡位置のランダム性が高まるので研磨むらを低減でき、研磨加工効率を高めることができる。
請求項2に係る球体研磨装置の構成上の特徴は、前記変位は、前記固定盤体に対して前記回転盤体を径方向にオフセットすることによりなされることである。
請求項2の球体研磨装置によれば、簡素な構成にて径方向に変位させることができ、請求項1に同じく効果を得ることができる。
請求項3に係る球体研磨装置の構成上の特徴は、前記変位は、前記固定盤体又は/及び前記回転盤体を径方向又は軸方向に振動させることによりなされることである。
請求項3の球体研磨装置によれば、簡素な構成にて径方向又は軸方向に変位させることができ、請求項1に同じく効果を得ることができる。
請求項4に係る球体研磨装置の構成上の特徴は、前記回転盤体の前記振動は、前記回転盤体がカムに倣って揺動することによりなされることである。
請求項4の球体研磨装置によれば、簡素な構成にて回転盤体を振動させることができ、請求項1に同じく効果を得ることができる。
本発明によれば、被加工球体の研磨むらを低減し、研磨加工効率を高めることができる球体研磨装置を提供することができる。
以下、本発明の球体研磨装置の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態では、本発明の主要部のみを説明し、従来と同じ部分については、その説明を簡単に又は省略する。
<第1実施形態>
本発明の実施形態の球体研磨装置は、固定盤体と、固定盤体と同一軸心上に対向配置された回転盤体(砥石)と、多数の被加工球体を固定盤体と回転盤体との間(盤間)に供給する回転コンベアとを備え、盤間に被加工球体が挟持されて回転盤体を回転させることにより被加工球体を研磨している。この球体研磨装置の主要部は、図5に示す従来のものと同じ構成を備え、その説明は省略する。
本発明の実施形態の球体研磨装置は、固定盤体と、固定盤体と同一軸心上に対向配置された回転盤体(砥石)と、多数の被加工球体を固定盤体と回転盤体との間(盤間)に供給する回転コンベアとを備え、盤間に被加工球体が挟持されて回転盤体を回転させることにより被加工球体を研磨している。この球体研磨装置の主要部は、図5に示す従来のものと同じ構成を備え、その説明は省略する。
図1は、球体研磨装置100の回転盤体3と固定盤体2との軸心の関係を示す斜視図である。球体研磨装置100は、固定盤体2の軸心X1bに対して、回転盤体3の回転軸心X1が固定盤体2の径方向にオフセット値X1a分をオフセットして、回転盤体3が配置されている。このため、回転盤体3は、固定盤体2に対してオフセット量X1aだけ軸心がオフセットされて回転する。
図2は、球体研磨装置100の固定盤体2と回転盤体3との間に被加工球体5が挟持された状態を示す断面図である。図6に示される従来の形態と同一の構成ないしは要素には、図6と同じ参照符号を付している。そして、簡単のため、それらの説明は省略する。
球体研磨装置100は、被加工球体5が回転盤体3の回転及び回転盤体3からの押圧(矢印B方向)により自転しながら球体通路に沿って移動する。この移動中に被加工球体5における回転盤体3の案内溝31との接触部位31bが研磨される。球体研磨装置100は、被加工球体5における回転盤体3の案内溝31との接触部位31bと、固定盤体2の案内溝21との接触部位21bと、を結ぶ接触部位の中心線L2が、回転盤体3の回転軸心X1と非平行状態となり、被加工球体5の自転軸Y2は回転軸X1と直交しなくなり、被加工球体5は不安定な状態となる。そのため、球体研磨装置100は、被加工球体5の自転軸Y2の傾きが変化しやすくなり、被加工球体5の研磨加工軌跡位置のランダム性が高まるので研磨むらを低減でき、研磨加工効率を高めることができる。
また、球体研磨装置100の構成によれば、回転盤体3は、固定盤体2の軸心X1bに対して、回転盤体3の回転軸心X1をオフセットして配置するのみであるため、簡素な構成にて上記効果を得ることができる。
<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態における球体研磨装置100において、回転盤体3が固定盤体2に対して軸心がオフセットせずに一致した状態で配置され、カム6が回転盤体3の外周面に当接して設けられている実施形態である。第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成ないしは要素には、第1実施形態と同じ参照符号を付している。そして、簡単のため、それらの説明は省略する。
図3は、球体研磨装置101を示す斜視図である。第2実施形態における球体研磨装置101は、カム6が回転盤体3の外周面に当接して設けられているので、回転盤体3がカム6に倣って径方向に揺動して、回転盤体3が径方向に振動する。これにより、回転盤体2は、固定盤体3に対して軸心が一致状態と不一致状態(オフセット)とを交互に繰り返しながら回転する。
第2実施形態は、第1実施形態における球体研磨装置100において、回転盤体3が固定盤体2に対して軸心がオフセットせずに一致した状態で配置され、カム6が回転盤体3の外周面に当接して設けられている実施形態である。第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成ないしは要素には、第1実施形態と同じ参照符号を付している。そして、簡単のため、それらの説明は省略する。
図3は、球体研磨装置101を示す斜視図である。第2実施形態における球体研磨装置101は、カム6が回転盤体3の外周面に当接して設けられているので、回転盤体3がカム6に倣って径方向に揺動して、回転盤体3が径方向に振動する。これにより、回転盤体2は、固定盤体3に対して軸心が一致状態と不一致状態(オフセット)とを交互に繰り返しながら回転する。
球体研磨装置101は、固定盤体2と回転盤体3との軸心がオフセットされるときは、第1実施形態の図2に示す状態となる。即ち、球体研磨装置101は、接触部位の中心線L2が回転軸心X1と非平行状態となり、被加工球体5の自転軸Y2は回転軸X1と直交しなくなり、被加工球体5が不安定な状態となる。そのため、球体研磨装置101は、被加工球体5の自転軸Y2の傾きが変化しやすくなり、被加工球体5の研磨加工軌跡位置のランダム性が高まるので研磨むらを低減でき、研磨加工効率を高めることができる。
また、球体研磨装置101の構成によれば、カム6が回転盤体3の外周面に当接して設けられるのみであるため、簡素な構成にて上記効果を得ることができる。
<第3実施形態>
第3実施形態は、第2実施形態における球体研磨装置101において、カム6が回転盤体3の外周面には当接せずに、カム6が回転盤体3の固定盤体2に対向する面に当接して設けられている実施形態である。第3実施形態において、第2実施形態と同一の構成ないしは要素には、第2実施形態と同じ参照符号を付している。そして、簡単のため、それらの説明は省略する。
第3実施形態における球体研磨装置102は、カム6が回転盤体3の固定盤体2に対向する面に当接して設けられているので、回転盤体3がカム6に倣って軸方向に揺動して、回転盤体3が軸方向に振動する。これにより、回転盤体3は、固定盤体2との間の盤間が所定の寸法状態(被加工球体5が研磨されている状態)と所定の寸法より大きい状態とを交互に繰り返しながら回転する。
第3実施形態は、第2実施形態における球体研磨装置101において、カム6が回転盤体3の外周面には当接せずに、カム6が回転盤体3の固定盤体2に対向する面に当接して設けられている実施形態である。第3実施形態において、第2実施形態と同一の構成ないしは要素には、第2実施形態と同じ参照符号を付している。そして、簡単のため、それらの説明は省略する。
第3実施形態における球体研磨装置102は、カム6が回転盤体3の固定盤体2に対向する面に当接して設けられているので、回転盤体3がカム6に倣って軸方向に揺動して、回転盤体3が軸方向に振動する。これにより、回転盤体3は、固定盤体2との間の盤間が所定の寸法状態(被加工球体5が研磨されている状態)と所定の寸法より大きい状態とを交互に繰り返しながら回転する。
図4は、球体研磨装置102の固定盤体2と回転盤体3との間に被加工球体5が挟持された状態を示す断面図である。図4(a)に示す球体研磨装置102は、盤間が所定の寸法状態のときは、回転盤体3の回転軸心X1に対し被加工球体5の自転軸Y1は直交するので、被加工球体5は安定した状態となる。球体研磨装置102は、被加工球体5において回転盤体3との接触部位31aと、固定盤体2との接触部位21aと、を結ぶ接触部位の中心線L1に沿って被加工球体5が研磨される。
続いて、図4(b)に示す球体研磨装置102は、盤間が所定の寸法より大きい状態のときは、挟持されている被加工球体5は遊動して不安定な状態となる。例えば、被加工球体5が遊動した結果、図4(a)に示す被加工球体5の自転軸Y1は、傾きが変化して自転軸Y1aの状態となる。
続いて、図4(c)に示す球体研磨装置102は、盤間が所定の寸法状態のときは、回転盤体3の回転軸心X1に対し被加工球体5の自転軸Y3は直交するので、被加工球体5は安定した状態となる。球体研磨装置102は、被加工球体5において回転盤体3との接触部位31cと、固定盤体2との接触部位21cと、を結ぶ接触部位の中心線L1bに沿って被加工球体5が研磨される。このとき、図4(a)に示す被加工球体5の自転軸Y1は、傾きが変化して自転軸Y1aの状態となり、図4(a)に示す研磨された中心線L1は、傾きが変化して中心線L1aとなる。
このように、研磨加工軌跡位置は、先に研磨した中心線L1aから、今回研磨する中心線L1bに変化している。
このように、研磨加工軌跡位置は、先に研磨した中心線L1aから、今回研磨する中心線L1bに変化している。
続いて、図4(d)に示す球体研磨装置102は、盤間が所定の寸法より大きい状態のときは、挟持されている被加工球体5は遊動して不安定な状態となる。例えば、被加工球体5が遊動した結果、図4(a)に示す被加工球体5の自転軸Y1は、傾きが変化して自転軸Y1bの状態となる。
このようにして、球体研磨装置102は、被加工球体5の自転軸の傾きが変化しやすくなり、被加工球体5の研磨加工軌跡位置のランダム性が高まるので研磨むらを低減でき、研磨加工効率を高めることができる。
このようにして、球体研磨装置102は、被加工球体5の自転軸の傾きが変化しやすくなり、被加工球体5の研磨加工軌跡位置のランダム性が高まるので研磨むらを低減でき、研磨加工効率を高めることができる。
また、球体研磨装置102の構成によれば、カム6が回転盤体3の固定盤体2に対向する面に当接して設けられるのみであるため、簡素な構成にて上記効果を得ることができる。
以上のように、本実施の形態に係る球体研磨装置100,101,102によれば、被加工球体5の自転軸の傾きが変化しやすくなり、被加工球体5の研磨加工軌跡位置のランダム性が高まるので研磨むらを低減でき、研磨加工効率を高めることができる球体研磨装置を提供することができる。
また、本実施の形態に係る球体研磨装置100,101,102によれば、固定盤体2と回転盤体3との径方向又は軸方向に相対的に変位させる手段が、上記のとおり簡素な構成にて実現することができる。
さらに、本実施の形態に係る球体研磨装置100,101,102によれば、固定盤体2及び回転盤体3のそれぞれの案内溝21,31が、特別な形状を必要とせずに、円周方向に連続して均一な溝であるために、球体研磨装置の製作コストを低減でき、またシンプルな構造であるために、本装置の保守を簡易化できる。
なお、上記実施形態では、軸方向の相対的な変位手段として回転盤体3を振動させる手段を例示したが、しかし、これに限らず、固定盤体2を振動させる手段、又は、回転盤体3と固定盤体2とを振動させる手段にも適用可能である。
1,100,101,102:球体研磨装置、 2:固定盤体、 3:回転盤体、 4:回転コンベア、 5:被加工球体、 6:カム、 21,31:案内溝、 21a,21b,21c,31a,31b,31c:接触部位、 23:入口シュート、 24:出口シュート、 A:回転盤体の回転方向、 B:回転盤体の押圧方向、 X1:回転盤体の回転軸心、 X1a:オフセット量、 X1b:固定盤体の軸心、 L1,L1a,L1b,L2:接触部位の中心線、 Y1,Y1a,Y1b,Y2,Y3:被加工球体の自転軸
Claims (4)
- 一方の面に環状に伸びる案内溝が形成されている固定盤体と、一方の面に環状に伸びる案内溝が形成され、一方の面の案内溝が前記固定盤体の案内溝と共働して環状に伸びる被加工球体の球体通路を形成するように前記固定盤体に対向して配置されている回転盤体と、を備え、前記被加工球体を前記固定盤体と前記回転盤体とで押圧することにより前記被加工球体を前記球体通路に保持し、前記固定盤体に対し同軸上に前記回転盤体を回転させることにより前記球体通路にある前記被加工球体を自転させながら前記球体通路を移動させ、前記被加工球体の前記案内溝との接触部位を研磨する球体研磨装置において、
前記固定盤体と前記回転盤体とが径方向又は軸方向に相対的に変位していることを特徴とする球体研磨装置。 - 前記変位は、前記固定盤体に対して前記回転盤体を径方向にオフセットすることによりなされることを特徴とする請求項1に記載の球体研磨装置。
- 前記変位は、前記固定盤体又は/及び前記回転盤体を径方向又は軸方向に振動させることによりなされることを特徴とする請求項1に記載の球体研磨装置。
- 前記回転盤体の前記振動は、前記回転盤体がカムに倣って揺動することによりなされることを特徴とする請求項3に記載の球体研磨装置。
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