JP5213553B2 - 研削装置および研削方法 - Google Patents

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この発明は、円筒ころや円すいころ等のワークの外径面をクラウニング形状に研削加工するクラウニング研削装置、およびそのクラウニング研削装置を用いたクラウニング研削方法に関する。
円筒ころや円すいころの場合、性能向上を目的として、その外径面にクラウニングが形成される。このようなクラウニング加工を高精度で行う従来例として、外径面にクラウニング形状を成形した砥石を用いて、プランジカットにより加工を行うものがあるが、加工サイクルが長く量産に対応できない。
図7は、クラウニング加工の他の従来例の工程図を示す。この場合、図7(A)のように調整車41と砥石42を備えるセンタレス研削盤40を用いて、ワークWの外径面をフラットに仕上げ加工する。この後、ワークWの外径がφ12以下であれば、図7(B)のようにフィードローラ44と砥石45を備える超仕上機43を用いてクラウニング加工を行う。次の工程で、図7(C)のように、フィードローラ47と砥石48を備える超仕上機46を用い、ワークWの外径面のストレート部の仕上げ加工を行う。図7(A)の工程を終えたワークWの外径がφ12以上であれば、図7(D)のように調整車50と砥石51を備えるセンタレス研削盤49を用いてクラウニング加工を行なってから、図7(B)の工程に移す。
上記工程図において、例えば図7(D)の工程では、調整車50と砥石51の外径面をR形状や段差によりクラウニング形状とし、そのクラウニング形状をワークWの外径面に転写するので高能率で加工できる。しかし、図8にそのクラウニング加工の形状を示すように、加工の対称性が良くなく、ばらつきが大きく、複合Rや対数形状などの任意のクラウニング形状の加工には対応できない。
対数クラウニング形状を研削加工する装置としては、図9に示すインフィード研削の構成のものや、図10に示すタンジェンシャルフィード研削の構成のものが提案されている。図9の研削装置では、回転軸が互いに平行に並ぶように調整車52と砥石53を配置し、調整車52とブレード54で支持されて自転するワークWに対して、矢印で示すように砥石53を切り込むことにより、砥石53の外径面に形成されたクラウニング形状をワークWの外径面に転写する。図10の研削装置でも、回転軸が互いに平行に並ぶように調整車52と砥石53を配置すると共に、調整車52と同心にリング状のキャリア55を調整車52の外周側に配置する。キャリア55の周方向に等配して設けられる複数のポケット55aに、上位置のワーク供給部56からワークWを順次供給して、調整車52およびキャリア55の回転によりワークWを自転させながら加工点を通過させる。加工点で砥石53の外径面に形成されたクラウニング形状をワークWの外径面に転写する。クラウニング加工されたワークWは加工点を通過後、下位置のワーク排出部57からキャリア55の外部に排出される。
特開平7−290347号公報
図9に示すインフィード研削の構成のものでは、高精度の対数クラウニング加工が可能であるが、ワークWの供給・排出に時間が掛かるという問題がある。一方、図10に示すタンジェンシャルフィード研削の構成のものでは、ワークWの供給・排出を効率良く行なえるが、加工精度がやや劣るという問題がある。
この発明の目的は、任意のクラウニング形状に効率良く研削加工できる研削装置、およびその研削装置を用いた研削方法を提供することである。
この発明の研削装置は、回転中心に対して略垂直なワーク接触面を有し回転駆動される駆動定盤と、この駆動定盤と同心に設置されて回転駆動されるキャリアと、このキャリアに設けられてワークをキャリアの両面に突出状態でかつ前記駆動定盤に接触状態に保持する複数の放射状のワーク保持溝と、前記キャリアの外周における円周方向の一部に前記キャリアから離れて設けられて前記キャリア内のワークの端部を案内する円弧状のガイドと、前記駆動定盤に対面して回転駆動され前記駆動定盤の回転軸心に対して同一方向または傾斜した回転軸心を有し、前記キャリア、駆動定盤、およびガイドによって支持されているワークを研削する砥石とを備え、この砥石のワーク接触面の砥石軸心を含む断面での断面形状を、ワークの外径面に転写させるクラウニング形状としたことを特徴とする。
この構成によると、ワークの外径にクラウニング形状を形成する手法として、砥石の断面形状をクラウニング形状とし、ワークの外径面にその断面形状を転写させるようにしたため、砥石断面のクラウニング形状を適宜設計することで、任意のクラウニング形状をワークに形成することができ、また高精度に加工することができる。また、キャリアを駆動定盤と同心で回転させる駆動仕様とし、ワークに加工点を通過させながら、クラウニング加工を行うようにしたため、ワークの給排が効率良く行えて、高能率で加工が行える。この場合に、砥石は、駆動定盤に対して回転軸心を傾けたため、砥石を駆動定盤に対して対面方向としながら、砥石に切り込みを与えることができて、研削加工が可能となる。また、砥石を駆動定盤に対して対面方向として、かつ傾けるようにしたため、ワークの長い公転範囲を砥石と接触させて、長い研削距離を得ることができ、そのため効率の良い研削加工が行える。
このように、円筒ころなどのワークの外径面に、対数クラウニングなどの任意のクラウニング形状を効率良く研削加工できる。これにより、コスト低減か可能となる。また、駆動定盤と砥石の間隔を固定することができるため、加工寸法のばらつきを抑えることができる。
この発明において、前記キャリアに対してワーク保持溝のキャリア外径側端からワークの供給および排出をそれぞれ行うワーク供給部およびワーク排出部を、前記ワーク駆動定盤に対する砥石の回転軸心の傾きによって生じる、砥石と駆動定盤間の間隔の広がり部に位置させても良い。
このように、軸心の傾きによって生じる砥石・キャリア間の間隔の広がり部を利用し、ワーク供給部,ワーク排出部を位置させた場合、キャリアに対するワークの供給・排出において、ワークが砥石と干渉するのを簡単に回避することができる。これにより、回転仕様のキャリアを用い、連続的にワークを流しながら研削加工することが実現できて、高効率でワークの給排を行うことができる。
この発明において、前記駆動定盤を回転させる回転駆動源、および前記キャリアを回転駆動させる回転駆動源に対して、それぞれ個別に設定可能な回転速度で回転させる制御手段を設けても良い。
このように、個別に回転速度を設定可能とすることで、例えばキャリアの回転速度を、加工対象のワークに応じて一定回転速度としたり、回転速度を変化させて加工精度を向上させることができる。
この発明において、前記駆動定盤が水平面に対して傾斜していても良い。
駆動定盤の回転軸心を垂直姿勢とした場合は、駆動定盤のワーク接触面上にワークを配置してワークの自転を容易化し、設備製造や調整の簡易化が可能となる。また、駆動定盤の回転軸心を水平姿勢とした場合は、キャリアの上部側からワークを供給し、キャリアの下部側から排出する構成とすることで、ワーク供給・排出の容易化が可能となる。駆動定盤の回転軸心を傾斜させると、上記した垂直姿勢の場合の長所と水平姿勢の場合の長所とを兼ね備えたものとできる。
すなわち、傾斜させることで、ワークを駆動定盤上で安定して支持し、かつワークの給排も効率良く行える。また、駆動定盤の回転軸心を傾斜させると、平面投影形状が小さくできて、機械の剛性を上げることができる。
この発明において、前記砥石は、リング型、ディスク型、またはカップ型の砥石であっても良い。砥石が、これらリング型、ディスク型、またはカップ型であると、砥石にクウラニング形状を与えることが容易である。
この発明において、前記ワークが、円筒ころ、または円すいころであっても良い。円筒ころや円すいころの場合、性能向上を目的として、その外径面にクラウニングが形成されるが、この発明のクラウニング研削装置では任意のクラウニング形状を研削加工できるので、円筒ころや円すいころの外径面にクラウニングを形成するのに好適である。
この発明の研削方法は、この発明の上記いずれかの構成の研削装置を用い、駆動定盤の回転とキャリアの回転とで、ワークに公転および自転の複合動作を与えながら、このワークの外径面を前記砥石によりクラウニング形状に研削することを特徴とする。
この構成によると、ワークの外径面に効率良くクラウニング形状を研削加工できる。
この発明の研削装置は、回転中心に対して略垂直なワーク接触面を有し回転駆動される駆動定盤と、この駆動定盤と同心に設置されて回転駆動されるキャリアと、このキャリアに設けられてワークをキャリアの両面に突出状態でかつ前記駆動定盤に接触状態に保持する複数の放射状のワーク保持溝と、前記キャリアの外周における円周方向の一部に前記キャリアから離れて設けられて前記キャリア内のワークの端部を案内する円弧状のガイドと、前記駆動定盤に対面して回転駆動され前記駆動定盤の回転軸心に対して同一方向または傾斜した回転軸心を有し、前記キャリア、駆動定盤、およびガイドによって支持されているワークを研削する砥石とを備え、この砥石のワーク接触面の砥石軸心を含む断面での断面形状を、ワークの外径面に転写させるクラウニング形状としたため、ワークの外径面に任意のクラウニング形状を効率良く研削加工できる。
この発明の研削方法は、この発明の研削装置を用い、駆動定盤の回転とキャリアの回転とで、ワークに公転および自転の複合動作を与えながら、このワークの外径面を前記砥石によりクラウニング形状に研削するため、ワークの外径面に効率良くクラウニング形状を研削加工できる。
この発明の一実施形態を図1ないし図6と共に説明する。この実施形態のクラウニング研削装置は、ワークWの外径面をクラウニング形状に研削加工する装置であって、片面をワーク接触面1aとする円板状の駆動定盤1と、ワークWを研削する砥石2とを備える。図1(A)に示すように、駆動定盤1は、ベッド11上に設けた駆動定盤支持台12に回転自在に支持されている。ベッド11は傾斜面とした上向きの支持面11aを有し、この支持面11aに対して垂直に前記駆動定盤支持台12が設置されている。駆動定盤1は、その回転軸心O1が前記ベッド11の支持面11aと平行な傾斜角度となるように、前記駆動定盤支持台12に回転自在に支持される。ベッド11の支持面11aにおける前記駆動定盤支持台12よりも傾斜の上方位置には案内台13が設けられ、この案内台13に対して砥石台14が前記駆動定盤1の回転軸心O1と同方向に進退自在に設けられている。前記砥石2は、前記駆動定盤1に対向するように砥石台14に回転自在に支持される。
図1(A)の一部を破断した拡大図を図2に示す。同図のように、駆動定盤1は円筒状の回転軸部1bを有し、回転軸部1bの軸心が回転軸心O1となる。この回転軸部1bが、軸受15を介して駆動定盤支持台12に回転自在に支持されている。駆動定盤1のワーク接触面1aは、前記回転軸部1bの一端に、回転軸心O1に対して垂直となるように設けられる。駆動定盤1は、駆動定盤支持台12に設けられたモータ16を駆動源として回転駆動される。すなわち、モータ16の出力軸16aの回転が、プーリ17、ベルト18およびプーリ19を介して駆動定盤1の回転軸部1bに伝達される。
駆動定盤支持台12には、駆動定盤1と同心にキャリア3が回転自在に支持されている。キャリア3は、ワークWを駆動定盤1のワーク接触面1a上で周方向に移動させる手段である。キャリア3は、図3に示すように、駆動定盤1のワーク接触面1aとの間に所定の隙間を設けてワーク接触面1aと平行に配置される概形が円板状のキャリア本体4と、駆動定盤1のワーク接触面1aを貫通して駆動定盤1の回転軸部1bと同心に配置される回転軸部5とを有する。キャリア本体4は、回転軸部5の一端に固定される円板6と、この円板6の外周における周方向の等配位置に放射状に設けられる複数の羽根7とでなる。隣り合う羽根7,7の間に形成される放射状の複数の隙間は、ワークWをキャリア本体4の両面に突出させ、かつ駆動定盤1のワーク接触面1aに接触させた状態に保持するワーク保持溝8とされる。このワーク保持溝8の横断面形状は、駆動定盤1側が広がる台形状とされ、ワーク保持溝8の砥石2側の溝幅がワークWの直径よりも小さくされる。これにより、ワークWはワーク保持溝8に対してキャリア半径方向には移動自在であるが、他の方向に対して、キャリア本体4と駆動定盤1との間から脱落しないように保持される。
キャリア3の回転軸部5は、図2のように、軸受38を介して駆動定盤回転軸部1bの内部に回転自在に支持されている。キャリア3は、駆動定盤支持台12に設けられたモータ20を駆動源として駆動定盤1と反対方向に回転駆動される。すなわち、モータ20の出力軸20aの回転が、プーリ21、ベルト22およびプーリ23を介してキャリア3の回転軸部5に伝達される。
図3(A)では、駆動定盤1をその回転軸心O1が垂直姿勢となる状態で示しているが、この実施形態では図1(B)に示すように前記回転軸心O1が水平面に対して傾斜しているので、キャリア本体4の半周分は下側に位置することになる。そこで、この実施形態では、キャリア本体4の外周における円周方向の一部、つまりキャリア本体4の下側半周分となる円周方向の部分に、図3(B)に示すように、キャリア本体4から離れて配置されて前記ワーク保持溝8で保持されるワークWの端部を案内する円弧状のガイド24が設けられている。
砥石2は、カップ型のものであって、回転軸9の一端に設けられた砥石取付用円板10に着脱可能に取付けられる。砥石2は、詳しくは正面形状が円形で裏面が中空となった浅いカップ状であって、ワーク接触面2aとなる正面の外周部の断面形状(砥石軸心を含む断面での断面形状)が、ワークWの外径面に転写させるクラウニング形状とされている。このクラウニング形状は、駆動定盤1の回転軸心に対する砥石2の軸心の傾斜に応じたクラウニング形状とされている。砥石2は、この他に、リング型やディスク型であっても良い。
砥石2の回転軸9は、砥石2が駆動定盤1のワーク接触面1aと対面するように、砥石台14に図示しない軸受を介して回転自在に支持される。この回転軸9の軸心が砥石2の回転軸心O2とされる。この砥石2は、図1(A)のように、砥石台14に設けられたモータ25を駆動源として回転駆動される。すなわち、モータ25の出力軸25aの回転が、プーリ26、ベルト27、およびプーリ28を介して前記回転軸9に伝達される。
砥石台14は、案内台13の上面に設けられたレール29に沿って前記駆動定盤1に向けて進退自在となるように配置され、案内台13に設けられたモータ30を駆動源として進退駆動される。すなわち、モータ30の回転出力は、ボールねじ31、およびこのボールねじ31に螺合するナット32を介して砥石台14の進退動作に変換される。砥石台14には、索条33を介してバランス用ウエイト34が連結されている。
上記した各モータ16,20,25,30は、図1に示す制御手段37で制御される。制御手段37は、例えばコンピュータ式の制御装置からなり、駆動定盤1を回転させるモータ16、およびキャリア3を回転駆動させるモータ20に対して、それぞれ個別に設定可能な回転速度で回転制御可能とされる。制御手段37は、各モータ16,20,25,30を、閉ループ制御するものであっても、開ループ制御するものであっても良い。
砥石2の回転軸心O2は、図1(B)に示すように、駆動定盤1の回転軸心O1に対して所定角度θだけ傾斜させてある。これにより、キャリア本体4と砥石2との間の間隔には、広がり部と狭まり部とが生じる。その広がり部に、図3(B)に矢印で示すように、キャリア本体4に対してワーク保持溝8のキャリア外径側端からワークWの供給を行うワーク供給部35と、キャリア本体4に対してワーク保持溝8のキャリア外径側端からワークWの排出を行うワーク排出部36とが位置させてある。これにより、キャリア本体4に対するワークWの供給・排出において、ワークWが砥石2と干渉するのを回避することができる。なお、ワーク供給部35およびワーク排出部36の位置は、ワークWと砥石2が干渉しない位置であれば、任意に設定しても良い。図示は省略するが、上記ワーク供給部35およびワーク供給部35に対して、ワークWを一列で案内する案内経路構成部材の出入り口が配置される。
なお、駆動定盤1の回転軸心O1に対する磁石2の回転軸心O2の角度θは、ワークWのサイズやクラウニング量により調整可能とすることが好ましい。この調整は、砥石台9または案内台13に設けた調整機構(図示せず)により行えるようにする。上記角度θは固定であっても良い。また、この角度θは、例えば、0.1〜0.2度の程度の範囲が好ましい。ただし、この角度θは、ワークサイズやクラウニング量によりワーク供給・排出時に砥石との干渉を避けるため、更に大きくする可能性がある。図3では、上記角度θの傾きを強調して図示しているが、実際には、図1(B)に示すように、角度θは微小な角度とされる。
次に、上記構成のクラウニング研削装置を用いて、ワークWの外径面にクラウニング形状を研削加工する動作を説明する。この場合のワークWは、例えば軸受の円筒ころ、または円すいころとされる。
図3(A)に矢印Aで示すように、駆動定盤1は例えば右回りに回転駆動され、キャリア3は矢印Bで示すように駆動定盤1とは逆方向に回転駆動される。砥石2も矢印Cで示すように左回りに回転駆動される。このような回転駆動状態において、ワーク供給部35からキャリア本体4のワーク保持溝8にワークWが順次供給される。ワーク保持溝8に保持されて、キャリア本体4の両面に突出する状態とされたワークWは、駆動定盤1のワーク接触面1a上をキャリア3の回転により加工点へと移動させられる。この場合の加工点は、キャリア本体4と砥石2の間の間隔が最も狭まった部分である。駆動定盤1の回転方向とキャリア3の回転方向は互いに逆方向であるため、ワークWは自転する。すなわち、ワークWは、キャリア3と駆動定盤1の回転により公転と自転の複合動作を行いながら加工点へと移動し、加工点において砥石2により研削加工が行なわれる。
砥石2は、そのワーク接触面の砥石軸心O2を含む断面での断面形状をクラウニング形状としているので、上記研削加工により、ワークWの外径面にクラウニング形状が転写される。この場合のクラウニング形状は、ワークWとされる例えば円筒ころが構成部品となる軸受の性能を向上させる計算により、予め設計された対数形状や任意の形状に形成されている。また、砥石2の回転軸心O2が、駆動定盤1の回転軸心O1に対して所定角度θだけ傾斜させてあることから、前記研削加工において、ワークWに対して適度な切込を与えることができる。キャリア3の回転速度は、加工対象のワークWに応じて一定回転速度としても良いし、回転速度を変化させて加工精度を向上させるようにしても良い。
キャリア2の回転により、前記加工点を通過してクラウニング加工されたワークWは、ワーク排出部36において、ワーク保持溝8のキャリア外径側端から外部に順次排出される。駆動定盤1のワーク接触面1a上における、上記したワークWの移動において、キャリア本体4の外周には円弧状のガイド24が設けられているので、キャリア本体4内のワークWの端部が前記ガイド24で案内されることになり、加工点での研削加工および移動が円滑かつ安定良く行なわれる。
なお、この実施形態では、駆動定盤1の回転軸心O1を水平面に対して所定角度だけ傾斜させているが、駆動定盤1の回転軸心O1を垂直姿勢としても良く、その場合、駆動定盤1のワーク接触面1a上にワークWを配置してワークWの自転が容易化され、設備製造や調整の簡易化が図られる。また、駆動定盤1の回転軸心O2は水平姿勢としても良く、その場合、キャリア本体4の上部側からワークWを供給し、キャリア本体4の下部側から排出する構成とし、ワーク供給・排出の容易化を図っても良い。駆動定盤1の回転軸心O1を傾斜させたこの実施形態の場合、上記した垂直姿勢の場合の長所と水平姿勢の場合の長所とを兼ね備えたものとできる。
このように、このクラウニング研削装置を用いたクラウニング研削によると、円筒ころなどワークWの外径面に、任意のクラウニング形状を効率良く研削加工できる。これにより、コスト低減が可能となる。また、駆動定盤1と砥石2の間隔を固定することができるため、加工寸法のばらつきを抑えることができる。
すなわち、このクラウニング研削装置によると、次の各利点が得られる。
(1) ワークWの外径にクラウニング形状を形成する手法として、砥石2の断面形状をクラウニング形状とし、ワークWの外径面にその断面形状を転写させるようにしたため、砥石断面のクラウニング形状を適宜設計することで、任意のクラウニング形状をワークWに形成することができ、また高精度に加工することができる。
(2) キャリア3を駆動定盤1と同心で回転させる駆動仕様とし、ワークWに加工点を通過させながら、クラウニング加工を行うようにしたため、ワークWの給排が効率良く行えて、高能率で加工が行える。
(3) この場合に、砥石2は、駆動定盤1に対して回転軸心O2を傾けたため、砥石2を駆動定盤1に対して対面方向としながら、砥石2に切り込みを与えることができて、研削加工が可能となる。また、砥石2を駆動定盤1に対して対面方向として、かつ傾けるようにしたため、ワークWの長い公転範囲を砥石2と接触させて、長い研削距離を得ることができ、そのため効率の良い研削加工が行える。
(4) 駆動定盤1と砥石2の間隔を固定することができるため、加工寸法のばらつきを抑えることができる。
(5) 駆動定盤1の回転軸心O1を水平面に対して傾斜させたため、ワークWを駆動定盤1上で安定して支持し、かつワークWの給排も効率良く行える。また、駆動定盤1の回転軸心O1を傾斜させたため、平面投影形状が小さくできて、機械の剛性を上げることができる。
図4には、上記したクラウニング研削での諸元を図式で示している。砥石2とワークWの接触範囲はハッチングして示す。同図からわかるように、ワークWの外径面は砥石外径側では角度αの範囲で、内径側では角度βの範囲で砥石2と接触することになる。このように、ワークWの長い公転範囲で接触することになって、研削距離が長く得られ、効率の良い研削加工が行える。
図5には、上記したクラウニング研削での研削距離の説明図を示している。この実施形態では、上記したように駆動定盤1の回転軸心O1に対して、砥石2の回転軸心O2を所定角度θだけ傾斜させているので、駆動定盤1が水平姿勢で示されている図5において、砥石2のワーク接触面は楕円形状として表示される。このときの研削距離Xは、砥石2を直立状態とした場合の研削距離Yよりも長くなる。
図6には、この実施形態のクラウニング研削装置を用い、φ9mm×10mmの円筒ころをワークとして、最小曲率R100を含む対数クラウニング研削加工を行なった場合のクラウニング形状(実線で示す)を示す。同図において、図7に示した従来例による加工形状は破線で示している。このように、この実施形態では、研削加工により理想的なクラウニング形状とすることができる。
(A)はこの発明の一実施形態にかかるクラウニング研削装置の概略構成を示す正面図、(B)は同クラウニング研削装置の要部拡大図である。 図1(A)の一部を破断して示す拡大図である。 (A)は図1(A)の一部を、駆動定盤の回転軸心を垂直姿勢として示す拡大正面図、(B)はキャリア本体の平面図である。 実施形態のクラウニング研削におけるワーク供給・排出隙間などの諸元を図式で示した説明図である。 実施形態のクラウニング研削での研削距離の説明図である。 実施形態のクラウニング研削装置の効果を示すグラフである。 従来例によるクラウニング研削工程の説明図である。 同研削工程により研削されたクラウニング形状の説明図である。 (A)は従来例の平面図、(B)は同正面図である。 (A)は他の従来例の平面図、(B)は同正面図である。
符号の説明
1…駆動定盤
1a…ワーク接触面
2…砥石
3…キャリア
8…ワーク保持溝
16…駆動定盤用モータ
20…キャリア用モータ
24…ガイド
35…ワーク供給部
36…ワーク排出部
37…制御手段

Claims (7)

  1. 回転中心に対して略垂直なワーク接触面を有し回転駆動される駆動定盤と、この駆動定盤と同心に設置されて回転駆動されるキャリアと、このキャリアに設けられてワークをキャリアの両面に突出状態でかつ前記駆動定盤に接触状態に保持する複数の放射状のワーク保持溝と、前記キャリアの外周における円周方向の一部に前記キャリアから離れて設けられて前記キャリア内のワークの端部を案内する円弧状のガイドと、前記駆動定盤に対面して回転駆動され前記駆動定盤の回転軸心に対して同一方向または傾斜した回転軸心を有し、前記キャリア,駆動定盤,およびガイドによって支持されているワークを研削する砥石とを備え、この砥石のワーク接触面の砥石軸心を含む断面での断面形状を、ワークの外径面に転写させることを特徴とする研削装置。
  2. 請求項1において、前記キャリアに対してワーク保持溝のキャリア外径側端からワークの供給および排出をそれぞれ行うワーク供給部およびワーク排出部を、前記ワーク駆動定盤に対する砥石の回転軸心の傾きによって生じる、砥石と駆動定盤間の間隔の広がり部に位置させた研削装置。
  3. 請求項1または請求項2において、前記駆動定盤を回転させる回転駆動源、および前記キャリアを回転駆動させる回転駆動源に対して、それぞれ個別に設定可能な回転速度で回転させる制御手段を設けた研削装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記駆動定盤が水平面に対して傾斜している研削装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記砥石が、リング型、ディスク型、またはカップ型の砥石である研削装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記ワークが、円筒ころ、または円すいころである研削装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の研削装置を用い、駆動定盤の回転とキャリアの回転とで、ワークに公転および自転の複合動作を与えながら、このワークの外径面を前記砥石によりクラウニング形状に研削することを特徴とする研削方法。
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