JP3857579B2 - 面取り加工方法および面取り加工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、センターレス研削機を改良して、円柱状被加工物の端部の縁を面取り加工する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6はセンターレス研削の機構を説明するために示した模式図であって(A)は標準的なセンターレス研削を表している。
ブレード1と調整砥石2とによって被加工物3を支承する。該調整砥石2は砥石車であって矢印R1方向に回転する。
砥石車である研削砥石4は矢印R2方向に回転しつつ被加工物3に接触し、その外周面を研削する。該被加工物3は研削力によって矢印L方向に回されるが、その回転速度は調整砥石2との摩擦力によって制御される。
調整砥石2と被加工物3との関係を極力一定に保つため、調整砥石台5とブレード1との相対位置を変えないで、該調整砥石台5を矢印a方向に切込み送りして被加工物3の仕上寸法を制御する。
調整砥石台を矢印a方向に切込み送りする代りに、研削砥石台を矢印b方向に切込み送りしても良い。図示の7は当該センターレス研削機のベースである。
【0003】
図6(B)は、接線送り方式のセンターレス研削機の概要を表している。研削前の被加工物9Aは円柱状をなしていて、矢印c方向に重力下降し、符号9Bで示した研削中の被加工物のように、研削砥石4に対して接線方向に移動しながら研削される。このとき、研削力によって前記矢印Lと同じ方向(図において反時計方向・左回り)に回転せしめられつつ真円柱状に研削仕上げされ、研削済み被加工物9Cのように放出される。
以上に示した(A)標準型研削と(B)接線送り型研削とに共通して、被加工物は円柱状(円柱に類似した形状を含む意)であり、いわゆる「芯出し」をしてチャックされることなく、その外周(円柱面)を支持され、調整砥石によって回転を制御される。これがセンターレス研削の特徴である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上に説明したセンターレス研削は、円柱状部材を被加工物とし、高能率、高精度で研削仕上げを行なうことができる。
その応用として、テーパを有する円柱状被加工物のテーパ面を研削する技術や端面を研削する技術などが開発され、広く使用されている。
テーパ付き円柱(すなわち円錐)状の被加工物をセンターレス研削する技術を利用して、円柱の端部の縁を面取り加工することも可能ではあるが、作業性や精度が十分でなかった。
本発明は上述の事情に鑑みて為されたものであって、センターレス研削の技術的分野の中で、従来の面取り兼用のセンターレス研削機では達成できなかった高能率、高精度の面取り専用のセンターレス研削技術を提供しようとするものである。センターレス研削の技術分野内であるということは、
円柱状の被加工物を対象とし、
被加工物を芯出ししてチャックすることなく、
調整砥石によって被加工物の回転を制御しつつ、
研削砥石を接触させて研削する、ということである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために創作した本発明の基本的原理について、その1実施形態に対応する図3を参照して略述すると次のとおりである。
すなわち、センターレス研削技術を改良して、円柱状被加工物の端部の縁を、高能率かつ高精度で面取り加工するため、
矢印d方向に回転している調整砥石に対して、円柱状被加工物3を、調整砥石の回転中心線X−Xと平行に保ち、矢印e方向に自転させながら、矢印fのように、調整砥石2の周りに公転させる。上記のようにして自転・公転している被加工物3の端部の縁に、回転している研削砥石4を接触させて面取り加工する。多数の被加工物を面取り加工する際、これら多数の被加工物を順次に連続的に矢印f方向に流すことにより、高能率の面取り加工が可能である。
【0006】
以上に説明した原理に基づいて請求項1に係る発明方法は、
センターレス研削によって円柱状被加工物の端の縁を面取り加工する方法において、
被加工物を調整砥石の回転軸に対して平行に保ちつつ、
該被加工物を調整砥石の外周面に沿って公転せしめるとともに、被加工物の中心線の周りに自転せしめ、
上述のようにして公転および自転している被加工物の端部に対して研削砥石を接触せしめ、
調整砥石の半径寸法と被加工物の直径寸法との和にほぼ等しい半径寸法の凹形円柱面を有し、剛性を有するワーク押えを構成し、該ワーク押えの凹形円柱面を調整砥石と同心に保持した状態で、
調整砥石とワーク押えとの間に被加工物を導いて通過せしめ、該ワーク押えにより被加工物を調整砥石に押しつけて接触圧を与え、
上記の接触圧によって生じる摩擦力で被加工物に転がり自転を行なわせ、
直円筒の片側の端から、該直円筒の中心線に平行なスリット状の切欠を設けた櫛状のキャリアを構成するとともに、該切欠の奥行寸法を被加工物の長さ寸法よりも短くし、
上記キャリアの中に調整砥石を、平行に、かつ偏心させて配置し、
前記スリット状切欠の中に被加工物を嵌め合わせ、
直円筒状のキャリアを、その中心線の周りに回転させて、被加工物の公転を案内することを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明方法の構成は、先に説明した請求項1の発明方法の構成要件に加えて、
前記のキャリアを、調整砥石の回転方向と同じ回転方向に、かつ、調整砥石の回転速度のほぼ1/2の回転速度で回転せしめるように制御して回転駆動することを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明装置の構成は、円柱状の被加工物の外周面に接触する砥石車である調整砥石と、該被加工物に接触する砥石車である研削砥石とを具備しているセンターレス研削機であって、
円柱状の被加工物の直径寸法と、調整砥石の半径寸法との和にほぼ等しい半径寸法の凹円柱面を有するワーク押えが固定されていて、
上記ワーク押えは、一定の形状を保つ剛性を有する部材であり、
上記ワーク押えの凹円柱面と調整砥石の外周面との間に挟まれて転がり運動している円柱状被加工物の端部付近に接触して端部の縁を研削する研削砥石を具備しており、
かつ、調整砥石の直径よりも大きい内径寸法を有する直円筒状をなし、その片方の端から中心線と平行なスリット状の切欠を列設されて櫛歯状をなすキャリアが設けられていて、該切欠の奥行寸法は被加工物の長さ寸法よりも短く、
上記のキャリアは、調整砥石に対して平行に、かつ偏心して、回転可能に支持されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明装置の構成は、先に説明した請求項3の発明装置の構成要件に加えて、前記のキャリアを、調整砥石の回転方向と同じ方向に、かつ、該調整砥石の回転速度のほぼ1/2の回転速度で、回転させる駆動機構が設けられていることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
先ず、図1を参照して本発明装置の1実施形態の全体的な概要を説明する。
(A)は正面図、(B)は側面図である。ただし、本発明においてはセンターレス研削機の主要構成部材である調整砥石2と研削砥石4とのそれぞれの軸心が立体交差状に直交しているので、正面図、側面図は便宜上の呼称であって、入れ替えて呼ぶこともできる。
本例の調整砥石2は、水平な調整砥石軸2aに装着して支持されており、サーボモータ2bによって回転駆動される。
一方、本例の研削砥石4は、前記調整砥石軸2aよりも下方に位置し、かつ該調整砥石軸2aに対して垂直な研削砥石軸4aに装着して支持され、図外の駆動手段によって回転せしめられる。
この研削砥石4の外周面4bは、中心線Y′−Y′を通る面による断面が、外周側に向かって凹なる円弧状をなしている。
符号10を付して示した構成部材は、本発明を適用して構成したキャリアであって、その詳細は図3を参照して後に詳しく述べるが、概要的には、スリット状の切欠を設けた櫛歯形の円筒形部材である。
上記キャリア10は、深皿形の(ブレーキドラム状の)キャリアドラム11に装着して支持されている。そして該キャリアドラム11はキャリア支持軸12によって支持され、キャリア駆動部13によって回転駆動されるようになっている。要部の構成は以下に説明する。
【0018】
図2は、前掲の図1に示した実施形態における調整砥石2とキャリア10とを抽出して描いたもので、(A)は斜視図であり、読図を容易ならしめるように調整砥石は仮想線で描いてある。(B)は側面図であって、図1では図示を省略したガイド10bとワーク押え14とを付記してある。
本図2(A)に表されているようにキャリア10は、全体的には円筒状をなし、その片側の端から多数のスリット状切欠10aが全周に亙って等間隔に設けられている。
上記スリット状切欠10aの幅寸法は、被加工物に対して緩やかに嵌合するように設定されている。また、該切欠10aの深さ寸法は、被加工物の長さ寸法よりも若干短く設定されていて、嵌め合わされた被加工物の端部が適宜に突出するようになっている。突出状態は、後に図5に示して説明する。
キャリア10は調整砥石の外周を覆うように配置される。
X−Xは調整砥石2の中心線、χ−χはキャリア10の中心線である。
キャリア10は調整砥石2に対して平行で、かつ僅かに上方へ偏心している。
本図2においては、双方の部材の径方向の寸法差、および偏心量を拡大誇張して描いてある。
【0019】
図2(B)においては、前記の中心線X−X,中心線χ−χは紙面に直交し、互いに上下に離れた点として表されている。Y−Y,およびy−yは水平軸、Z−Zは垂直軸である。
調整砥石の下方にワーク押え14が設置されている。ワーク押えとは、被加工物と摺動しつつ、これに押圧力を与える部材をいう。
本発明におけるワーク押え14は、調整砥石の外周面と同心の凹形円柱状の内周面を有し、調整砥石とワーク押えとの間隙寸法は、被加工物の直径寸法とほぼ等しく設定されている。このワーク押え14の作用については、図4を参照して後に詳しく述べる。
【0020】
矢印dは調整砥石2の回転方向を示し、矢印fはキャリア10の回転方向を示している。スリット状の切欠10aは紙面と直角方向である。
多数の被加工物は、ガイド10bの上端部に案内されて、紙面と垂直な姿勢で矢印iのように供給され、1本ずつ切欠10aに嵌まり込んで矢印f方向に送られる。
重力を利用して被加工物を供給し、これを切欠10aの中へ嵌まり込ませるため、前記矢印iの被加工物供給は、キャリア10の中心線χよりも上方で行なわれる。
キャリア10の切欠10a内に嵌まり込んだ被加工物(本図において図示省略・図4を参照して後に説明する)は、キャリア10と共に矢印f方向に回転するが、キャリアの中心線χよりも下方になると該キャリアの外周側へ脱落する虞れが有るので、ガイド10bを設けて脱落を防止している。
このガイド10bは、基本的にはキャリア10と同心の凹形円柱面を有する部材であるが、機構学的に凹円柱面と等価な部材(例えば円弧状ガイドバー)であっても良い。
【0021】
図3は、前掲の図1,図2に示した実施形態における作用を説明するための模式的な斜視図である。
調整砥石2はX−X軸を中心として矢印d方向に回転し、研削砥石4はY′−Y′軸を中心として矢印g方向に回転している。
実線で描いた被加工物3Aは、先に説明したキャリア(図1,図2において符号10)に案内されて矢印fのように調整砥石2の周囲を回転する。このとき、該調整砥石2に接触して矢印eのように転がり回転する。説明の便宜上、前記矢印fの回転を公転と呼び、矢印eの回転を自転と呼ぶ。
矢印f方向に公転して3B位置まで進行した被加工物は、自転,公転しながら研削砥石4の外周面4bに接触し、面取り研削加工される。
前記外周面4bが、調整砥石2の外周面に対応して中凹形(凹形回転円弧面)をなしているので、符号3Bを付して描いた被加工物が符号3Cの位置まで公転する間、その端部がほぼ一様に研削砥石の外周面4bに対する接触を保ち、効率良く面取り研削加工される。
【0022】
図4は、被加工物が調整砥石とワーク押えとの間を通過する状態を説明するための模式図であって、構成部材の寸法,形状は写実的に描かれてはいない。
調整砥石2の、少なくとも外周部は弾性ポリウレタン系樹脂によって構成されている。
符号3Bを付して示したのは研削開始位置の被加工物であり、符号3Cを付して示したのは研削終了位置の被加工物であって、これらの符号は前掲の図3と整合している。
前掲の図3は、調整砥石と、被加工物と、研削砥石との関係を表しており、
本図4は、調整砥石と、被加工物と、ワーク押えとの関係を表している。
キャリア10は、回転自在に支承しておくこともできる。この場合のキャリアは、コロ軸受におけるリテーナと同様に、多数の被加工物が転がり進行する場合に被加工物相互の間隔を規制しながら、調整砥石2の回転速度の約半分の回転速度で従動的に回転せしめられる。
【0023】
本実施形態においては、積極的にキャリア10を矢印f方向に、調整砥石の回転速度の約1/2の回転速度となるように制御しながら回転駆動する。
このように構成すると、被加工物(3B〜3C)に加えられた研削力の分力が公転に対する制動力として作用しても、キャリア10の回転によって被加工物が強制的に公転せしめられる。
計算された回転速度で被加工物が公転しつつ、ワーク押え14によって調整砥石2に押しつけられるので、該被加工物は調整砥石に対して滑ることなく転がり運動し、適正に自転・公転する。
滑りを生じないので調整砥石の摩耗が抑制され、耐久性が向上する。また、自転によってセンターレス研削特有の造円作用が発揮され、高精度の面取り研削加工が行なわれる。
調整砥石2を構成している弾性ポリウレタン系樹脂は、接線送り方式のセンターレス研削に好適な摩擦係数と弾性率とを有し、かつ、実用上充分な耐摩性を有するとともに、研削液に対して化学的に安定である。
【0024】
図4から容易に理解されるように、矢印f方向の公転によって矢印e方向の自転を行なわせるためには、調整砥石2と被加工物3B,3Cとの間に充分な摩擦係数を必要とする。本実施形態の調整砥石2は弾性ポリウレタン系樹脂で構成されているので所要の摩擦係数が得られる。
また、調整砥石2と被加工物とワーク押えとの三者が剛体であっては、調整砥石2から被加工物3B〜3Cに対して摩擦伝動することが極めて困難であるが、本例の調整砥石2は弾性ポリウレタンで構成されていて、適度の弾性を有しているから円滑な摩擦伝動が行なわれる。
本図4に示した位置の被加工物3Bは、弾性を有する調整砥石2と、剛性の大きいワーク押え硬化層14aとの間に形成されている円筒状空間の中を、矢印e方向に自転しながら矢印f方向に公転して3Cの位置まで進行する。この間に、前掲の図3のようにして面取り加工を施され、その後は矢印hのように放出され、図外のシュートによって次の工程に送られる。
【0025】
図5は、前掲の図1(A)に仮想線で示したV部の拡大詳細図である。
被加工物3はキャリア10に保持されていて、詳しくは前掲の図2に示したスリット状の切欠10aに嵌め合わされている。本図5に表されているように、被加工物3の端部(図において右端部)がキャリア10から若干突出するように、前記スリット状切欠10aの切込み深さ寸法(図2(A)に示した寸法D)が設定されている。
本例の研削砥石4はダイヤモンド研削層を形成されていて、図示の矢印g方向に回転している。この矢印g方向は、被加工物3に与える研削力が、該被加工物を前記スリット状切欠の中へ押し入れる方向に作用するように設定されている。
被加工物3は、その長手方向の中心線の周りに自転しながら、紙面とほぼ垂直に公転するので、研削砥石4によって面取り加工される。特に、自転しながら研削されるので、高精度の回転面が形成される。
【0026】
【発明の効果】
以上に実施形態を挙げてその構成,作用を説明したように、請求項1の発明方法によると、被加工物を調整砥石の外周面に沿って公転させながら研削砥石に接触させるので、該被加工物が多数である場合、これを順次に供給して1個ずつ研削砥石に接触させ、連続的に被加工物を研削するので、1個ずつ供給していた従来技術に比して格段に高能率で加工することができる。
その上、該被加工物は公転しながら自転しているので、この被加工物の端部に研削砥石を接触させることにより、該被加工物を芯出しチャック・回転駆動する必要が無く、高精度の面取り加工を施すことができる。
そして、調整砥石とワーク押えとの間に「被加工物の直径寸法とほぼ等しい円弧状の間隙」が形成されるので、この間隙の中へ被加工物を導くと、調整砥石との摩擦力によって転がり運動せしめられ、自動的に公転・自転する。このため、容易に面取り加工することができる。
さらに、キャリアに設けられたスリット状の切欠の中に被加工物を収納して、このキャリアを「被加工物の公転」と同期して回転させると、該被加工物はスリット状切欠の中で自由に自転することができ、かつ、調整砥石の中心線に対して平行に保持される。
被加工物の、調整砥石に対する平行度を保つと、該被加工物の端部の面取り加工が正確に行なわれ、かつ、調整砥石による被加工物の自転駆動(ころがり駆動)が無理無く正確に、かつ円滑に行なわれる。
このような作用効果は、被加工物の面取り部がスリット状の切欠から突出しているから現出され得るのである。すなわち、該スリット状切欠の奥行寸法が被加工物の長さ寸法よりも小さく(浅く)あってこそ果たされる。
【0027】
請求項2の発明装置によると、キャリアを「調整砥石の回転速度の約半分の回転速度」で回転させるので、該キャリアのスリット状切欠の中に保持されている被加工物は、キャリアによって強制的に公転せしめられる。このため、該被加工物に研削力が作用しても、ほとんど滑りの無い転がり運動を行ない安定した状態で面取り加工される。このように滑りの無い転がり運動が行なわれることが本請求項2に特有の効果であり、従来技術によっては達成し得なかった高精度研削を可能ならしめた。
【0028】
請求項3の発明装置によると、円柱状の被加工物を「調整砥石とワーク押えとの間の円筒状空間」の中で転がり運動させることができ、
かつ、転がり運動している被加工物の端部の縁に対して研削砥石を接触させることによって、高能率で面取り加工を施すことができる。
さらに、キャリアのスリット状切欠の中へ被加工物を嵌め込むと、該被加工物は調整砥石の回転中心線に対して平行に保持される。
被加工物が調整砥石と平行を保って該調整砥石の外周面に接触すると、該被加工物は調整砥石から摩擦伝動を受けて、正確に転がり運動を生じて自転・公転する。そして、多数の被加工物を順次に面取り加工する際、キャリアのスリット状切欠は該多数の被加工物が研削砥石に接触するタイミングを自動的に制御する。このため、多数の被加工物が順次に、かつ連続的に面取り研削加工され、作業能率を高めるとともに、製品品質の均一性を保持する。
このような作用効果は、被加工物の面取り部がスリット状の切欠から突出しているから現出され得るのである。すなわち、該スリット状切欠の奥行寸法が被加工物の長さ寸法よりも小さく(浅く)あってこそ果たされる。
【0029】
請求項4の発明装置によると、多数の被加工物の1個ずつを、前記キャリアに設けられているスリット状切欠の中へ順次に供給して嵌め込むことができる。
そして、スリット状切欠に嵌め込まれた被加工物が該キャリアと一緒に公転して研削砥石の接触を受けるまでの間、ガイドの作用によってスリット状切欠から脱落しないよう保持して案内される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の1実施形態を示し、部分的に切断して描いた模式的な2面図である。
【図2】前掲の図1に示した調整砥石とキャリアとを抽出して描いた模式的な説明図であって、(A)は斜視図、(B)は側面図である。
【図3】前掲の図1に示した実施形態における作動の概要を説明するための模式的な要部斜視図である。
【図4】被加工物が、調整砥石とワーク押えとの間で公転・自転する状態を説明するための模式的な断面図である。
【図5】被加工物が研削されている状態を説明するための要部拡大断面図である。
【図6】センターレス研削の公知技術を説明するために示したもので、(A)は標準型センターレス研削機の正面図、(B)は接線送り型センターレス研削機の模式図である。
【符号の説明】
1…ブレード、2…調整砥石、2a…調整砥石軸、2b…サーボモータ、3…被加工物、4…研削砥石、4a…研削砥石軸、4b…外周面、9A〜9C…被加工物、10…キャリア、10a…スリット状の切欠、10b…ガイド、11…キャリアドラム、12…キャリア支持軸、13…キャリア駆動部、14…ワーク押え、14a…硬化層
Claims (4)
- センターレス研削によって円柱状被加工物の端の縁を面取り加工する方法において、
被加工物を調整砥石の回転軸に対して平行に保ちつつ、
該被加工物を調整砥石の外周面に沿って公転せしめるとともに、被加工物の中心線の周りに自転せしめ、
上述のようにして公転および自転している被加工物の端部に対して研削砥石を接触せしめ、
調整砥石の半径寸法と被加工物の直径寸法との和にほぼ等しい半径寸法の凹形円柱面を有し、剛性を有するワーク押えを構成し、該ワーク押えの凹形円柱面を調整砥石と同心に保持した状態で、
調整砥石とワーク押えとの間に被加工物を導いて通過せしめ、該ワーク押えにより被加工物を調整砥石に押しつけて接触圧を与え、
上記の接触圧によって生じる摩擦力で被加工物に転がり自転を行なわせ、
直円筒の片側の端から、該直円筒の中心線に平行なスリット状の切欠を設けた櫛状のキャリアを構成するとともに、該切欠の奥行寸法を被加工物の長さ寸法よりも短くし、
上記キャリアの中に調整砥石を、平行に、かつ偏心させて配置し、
前記スリット状切欠の中に被加工物を嵌め合わせ、
直円筒状のキャリアを、その中心線の周りに回転させて、被加工物の公転を案内することを特徴とする面取り加工方法。 - 前記のキャリアを、調整砥石の回転方向と同じ回転方向に、かつ、調整砥石の回転速度のほぼ1/2の回転速度で回転せしめるように制御して回転駆動することを特徴とする、請求項1に記載した面取り加工方法。
- 円柱状の被加工物の外周面に接触する砥石車である調整砥石と、該被加工物に接触する砥石車である研削砥石とを具備しているセンターレス研削機であって、
円柱状の被加工物の直径寸法と、調整砥石の半径寸法との和にほぼ等しい半径寸法の凹円柱面を有するワーク押えが固定されていて、
上記ワーク押えは、一定の形状を保つ剛性を有する部材であり、
上記ワーク押えの凹円柱面と調整砥石の外周面との間に挟まれて転がり運動している円柱状被加工物の端部付近に接触して端部の縁を研削する研削砥石を具備しており、
かつ、調整砥石の直径よりも大きい内径寸法を有する直円筒状をなし、その片方の端から中心線と平行なスリット状の切欠を列設されて櫛歯状をなすキャリアが設けられていて、該切欠の奥行寸法は被加工物の長さ寸法よりも短く、
上記のキャリアは、調整砥石に対して平行に、かつ偏心して、回転可能に支持されていることを特徴とする面取り加工装置。 - 前記のキャリアを、調整砥石の回転方向と同じ方向に、かつ、該調整砥石の回転速度のほぼ1/2の回転速度で、回転させる駆動機構が設けられていることを特徴とする、請求項3に記載した面取り加工装置。
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